以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態におけるサーバ装置1を含む読影システムSの全体構成を示すブロック図である。読影システムSは、サーバ装置1と、医用画像収集装置2と、読影用ワークステーション3と、これらを互いに接続する通信ネットワークNから構成される。読影システムSは、それ自体独立したシステムとして構成されても良いが、例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムの全て、或いは、その一部を構成するようにされていても良い。
サーバ装置1は、医用画像収集装置2において撮影されて生成された医用画像を保存する。また、読影用ワークステーション3(を利用する読影医)からの要求に応じて、読影に必要な画像を検索して読影用ワークステーション3の表示部に表示させる。
なお、ここでは、読影処理に必要な医用画像の解析や加工等の各種処理については、サーバ装置1にてまとめて行い、読影用ワークステーション3は、各種要求の送信と要求に応じたサーバ装置1からの医用画像を受信するのみの、いわばクラウドシステムを採用している。従って、上述したように、本発明の実施の形態におけるサーバ装置1は、医用画像の保存のみならず、読影に必要な各種処理を行うことが可能に構成されている。
但し、読影に必要な各種処理を読影用ワークステーション3にて行い、あくまでもサーバ装置1は医用画像の保存のみとすることも可能である。
医用画像収集装置2は、被検体を撮影してその内部情報を取得するとともに、医用画像の生成、加工処理を行う。生成された医用画像は、通信ネットワークNを介してサーバ装置1へと送信する。医用画像収集装置2としては、例えば、X線CT装置(computed tomography:コンピュータ断層撮影装置)や、磁気共鳴診断装置(MRI:magnetic resonance imaging)等が該当する。
読影用ワークステーション3は、読影医が医用画像の読影を行う際に使用するワークステーションである。その処理能力に関して、例えば、上述したように、読影システムSがクラウドシステムを採用している場合には、サーバ装置1から送信される医用画像を最低限表示することができれば足りる。
なお、図1に示す読影システムSでは、通信ネットワークNに2つの読影用ワークステーション3A及び3B(以下、適宜これら複数の読影用ワークステーションをまとめて「読影用ワークステーション3」と表わす。)が接続されているが、通信ネットワークNに接続される読影用ワークステーションの数は単数、或いは複数のいずれでも良く、その数は任意である。また、医用画像収集装置についても、図1に示す読影システムSでは、通信ネットワークNに1つのみ示されているが、接続される数は単数でも、或いは、複数でも良い。
通信ネットワークNは、サーバ装置1、医用画像収集装置2及び、読影用ワークステーション3をそれぞれつなぎ、互いの間で、例えば医用画像のやりとりを可能とする。通信ネットワークNの例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークNで使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
図2は、第1の実施の形態におけるサーバ装置1の内部構成を示すブロック図である。
サーバ装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、リムーバブルディスク1jと、枚数管理部10と、テーブル作成部20とが接続されている。
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bからサーバ装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図2において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。
さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像の枚数を確認するための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
入力部1fは、サーバ装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1gは、CPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、例えばCPU1aの処理結果等を表示する。
通信制御部1hは、LANカードやモデム等の手段であり、サーバ装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークNに接続することを可能とする手段である。通信制御部1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU3aに送受信される。
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。また、医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像の枚数を確認する際に基となるテーブルも記憶部1iに記憶されている。
リムーバブルディスク1jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
枚数管理部10は、医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像の枚数を確認する機能を備える。詳細は後述するが、予め記憶部1i内に記憶されているテーブルに示されている検査、及び、シリーズごとに撮影されるであろう医用画像の枚数、すなわち、医用画像の撮影内容ごとに定められている医用画像の基準枚数と、医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像の枚数とを照らし合わせて比較し、医用画像収集装置2において生成された医用画像が漏れなくサーバ装置1に送信されてきているか否かを確認する。
テーブル作成部20は、枚数管理部10において送信されてくる医用画像に漏れがないか確認される際に利用される基準枚数を規定するテーブルを作成する。このテーブルにおいて規定される医用画像の枚数については、サーバ装置1の操作者が個別に入力しても、或いは、モダリティごとに規定されている数値を例えばリムーバブルディスク1jを介して入力しても良い。
図3は、実施の形態における枚数管理部10の内部構成を示すブロック図である。枚数管理部10は、例えば、医用画像収集装置2から送信される医用画像に関する情報を受け付ける受信部11と、検査判断部12と、医用画像の枚数を確認する枚数確認部13と、確認結果を例えば、読影用ワークステーション3へ送信する送信部14とから構成される。
さらに枚数確認部13は、検査ごとに枚数を確認することから複数設けられている。図3では、第1の枚数確認部13−1、第2の枚数確認部13−2、及び第nの枚数確認部13−nと示している。但し、以下の説明においては、特に必要がない限り、「枚数確認部13」とまとめて表わす。枚数確認部13をいくつ設けるかは任意である。
複数の枚数確認部13の内部はいずれも同じ構成であり、判断部15と、確認部16と、設定・更新部17と、設定・更新部17からの指示に基づいて、確認処理におけるタイムアウトとなる時間を計測する計時部18とから構成されている。
なお、これら各部の機能、働きについては、後述する医用画像処理に関するリソース配分の流れを説明する際に併せて説明する。
次に、医用画像収集装置2において生成された医用画像が送信された場合に、サーバ装置1において送信された医用画像について漏れなく全て受信できているか否かを確認する流れについて、図4以下のフローチャート、説明図等を利用して以下説明する。
図4は、実施の形態における医用画像の受信枚数を確認する処理の流れを示すフローチャートである。
医用画像収集装置2は、被検体の撮影を行ってその内部情報を取得すると、当該内部情報を利用して、医用画像を生成する。本発明の読影システムSにおいては、生成された医用画像は、通信ネットワークNを介して医用画像収集装置2からサーバ装置1へと送信される。これは、生成された医用画像をサーバ装置1に格納し、保存しておくためである。また、読影医が医用画像の読影を行う場合には、読影用ワークステーション3を利用して、サーバ装置1に保存されている医用画像を基に読影を行う。
図5は、医用画像収集装置2内における検査、シリーズと送信順序等との関係を示す表である。図5に示す表は、「検査」、「シリーズ」、「種類」、「枚数」、「作成優先度」、「送信順序」、及び「揃う順」の7つの項目に分かれて示されている。検査は、例えば、複数のシリーズから構成されており、例えば、「検査1」では、4つのシリーズからなっている。
そのうち、「検査1」の「シリーズ1」は、「スキャノ画像」である。つまり「画像」の項目は、シリーズに含まれる画像の種類を示している。ここで「厚い画像」とは、被検体に対するスキャンが正しく行われたか否かを確認するために利用される画像であり、スライスの間隔が広く、結果として枚数が少なくなる。医用画像収集装置2における撮影(スキャン)の成否のために利用される画像であることから、正しくスキャンできたことが確認されれば次の検査に移ることができる。従って、項目として挙げられている「作成優先度」は高くなる。
一方、「薄い画像」とは、詳細な読影やMPR等の処理画像の元となる画像であり、スライスの間隔が狭く、枚数が多くなる。従って、このような「薄い画像」については、作成優先度は低くなる。
「送信順序」とは、医用画像収集装置2がサーバ装置1へ送信する医用画像の順序を示している。基本的には、検査を跨いで作成優先度が高く、枚数の少ない、例えば、「スキャノ画像」や「厚い画像」からサーバ装置1へと送信される。
一方、「揃う順」とは、医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像がサーバ装置1において揃う順番を示している。図5に示す表にも明らかなように、医用画像収集装置2は適宜生成した医用画像をサーバ装置1に送信しており、送信の順序に一定の基準があるわけではないように見える。
これは、医用画像収集装置2における医用画像の生成は、撮影(検査)とは別にバックグラウンドで行われるからである。従って、医用画像の生成時に当該医用画像の対象である被検体ではなく、次の被検体の検査が行われている場合もある。そこで、随時生成された医用画像の中からいずれの医用画像をサーバ装置1へ送信するべきか判断される。つまり、複数の検査に亘った医用画像の中からその時送信するに適した医用画像が選択されて送信される。このように、医用画像収集装置2は検査、シリーズの順にサーバ装置1に医用画像を送信しているわけではない。
一方で、読影医は、少なくともシリーズごとに医用画像が揃った状態でなければ、読影処理を行うことができない。これは上述したように、生成された医用画像の中に漏れがあると、当該漏れた医用画像に映った内容が非常に重要であった場合、読影医がその重要な内容を見落とすことにもなりかねないからである。
そこで、本発明の実施の形態においては、サーバ装置1に医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像が漏れなく送信されてきているか否かを確認することで、医用画像がサーバ装置1において揃った状態にあることを担保するものである。
ここで図6は、実施の形態における説明において使用する検査、シリーズ、医用画像の関係を示す説明図である。上述したように、1つの検査は、基本的に複数のシリーズから構成されている。また、1つのシリーズの中には単数、或いは、複数の医用画像が含まれる。従って、図6に示した通り、「検査1」の「シリーズ1」の中には、医用画像1aないし医用画像1dが含まれ、さらに図6には示されていない医用画像も含んでいる。以下においては、適宜当該図6に示す検査、シリーズ、医用画像の関係を用いて説明を行う。
サーバ装置1では、まず、医用画像収集装置2から生成された医用画像を受信する(ST1)。通信制御部1hを介して受信した医用画像については、枚数管理部10において受信され、当該医用画像の確認が行われる(ST2)。ここでの確認は、受信した医用画像がどのような医用画像であるか否か確認するもので、判断部15において行われる。具体的には、例えば、当該医用画像が属する検査、シリーズに関する情報の確認を行う。
検査判断部12は受信した医用画像について、当該医用画像が新たな検査に関する医用画像であるか否かを確認する(ST3)。すなわち、ある検査において生成されたあまたの医用画像の中でサーバ装置1において最初に受信した医用画像であるか否かの確認である。その結果、新検査に関する医用画像である場合には(ST3のYES)、新たな枚数確認部13を起動する(ST4)。枚数確認部13を起動するに当たっては、例えば、検査判断部12が枚数確認部を構成する判断部15に対して現在いずれかの検査に掛かる医用画像の枚数を確認する処理を行っているか問い合わせた上で、処理を行っていない判断部15が属する枚数確認部13を選択し起動する。
検査判断部12によって選択された枚数確認部13の判断部15は、表示部1gに表示されている検査のリストであって、当該医用画像を含む検査の欄に「未完マーク」をセット(表示)する(ST5)。
図7は、サーバ装置1の表示部1gに示される表示画面の一例を示す画面例である。当該画面例においては、「検査」と「シリーズ」が示されており、検査はリスト状に4つ示されている。そのうち、検査の番号として「1」が付与されている検査については「完了」との文字が示されているので、当該検査1に含まれる医用画像は全て医用画像収集装置2から漏れなく受信したことの確認が完了したことを示している。
一方、画面例上、検査2に関する欄に対して矢印でカーソルが示されている。従って、現在、医用画像収集装置2から送信されて来た医用画像のうち、検査2の枚数について確認処理が行われていることが示されている。そしてまだ当該確認処理が完了していないことから、上述したように、検査2の欄に「未完マーク」が示されている。なお、ここでは検査3、検査4については「完了マーク」も「未完マーク」も付されていないことから、これらの検査に関する確認処理は行われていないことを示している。
検査の下段にある「シリーズ」の表示については、確認処理が実行されている検査に関するシリーズが示されており、かつ、当該シリーズに含まれる全ての医用画像が漏れなく送信され受信されていることが確認されたシリーズのみが表示されている。
なお、図7では以上に説明したような画面例を示しているが、あくまでも画面例であって、どのような内容を表示部1gに表示させるのかについては任意に設定することができる。
例えば、医用画像の枚数の確認処理は、シリーズごとに行うこととして、確認処理が完了したシリーズの表示を行っている例を挙げて説明をしているが、シリーズの表示を設けず、あくまでも1つ1つの検査について枚数の確認処理が完了したか否かのみを表示させることとしても良い。
その他、例えば、ここでは確認処理が完了したシリーズのみを表示させることとしているが、シリーズを示す欄にも検査の表示と同様「未完マーク」等のマークを付すことで確認処理の現状を表わすこととしても良い。
また、ここではサーバ装置1がある検査に関して生成された医用画像の全てを漏れなく医用画像収集装置2から受信したか否か確認している状態(全ての医用画像が揃ったとはいえない状態)であることを「未完」との文字で示している。但し、このような状態を示す方法としては、文字で示すのではなく、例えば、記号を付す、表示画面の色を変える、といった視覚に訴える別の方法や、その他五感に訴える方法を採用することができる。
さらに、当該画面例自体をサーバ装置1の表示部1gだけではなく、読影用ワークステーション3の表示部にも示すように設定されていても良い。サーバ装置1の表示部1gではなく、読影用ワークステーション3の表示部に示すように設定されていても良い。
枚数確認部13における判断部15は、記憶部1iに格納されているテーブルの情報(基準枚数に関する情報)を取得し、当該基準枚数に関する情報とともに併せて医用画像収集装置2から送信された医用画像に関する情報を確認部16へと送信する。
ここで、基準枚数に関する情報を規定するテーブルは、例えば、以下の通りである。図8は、サーバ装置1内に予め格納されている、医用画像の枚数の確認処理を行う際の基準となる枚数を定めるテーブルの一例を示す説明図である。
テーブルTは、例えば、「プロトコル」、「シリーズ」、「画像数」、「画像種」といった4つの項目を規定している。ここで「プロトコル」とは、検査の種類のことである。図8に示すテーブルTでは、「胸部検診」、「頭部詳細」、及び「頭部ノンヘリカル」の3つが規定されている。当該プロトコルには、それぞれのプロトコルを構成するシリーズが設定されており、例えば、「胸部検診」の場合、5つのシリーズがある。つまり、「胸部検診」の場合、5つのシリーズに分けられる医用画像が撮影(収集)され、これらの医用画像がサーバ装置1に送信されてくることになる。
「画像数」は、各シリーズにおいて撮影され、生成される医用画像の枚数を規定する項目である。例えば、「胸部検診」の「シリーズ1」では、「画像数」は「2枚」である。なお、画像数を示す数字の後ろに付されているアスタリスクは、被検体の差異や撮影条件の設定等によって画像数が増減することを示している。従って、例えば、「胸部検診」の「シリーズ3」における画像数は「1000枚前後」ということを示しており、例えば、被検体によって「900枚」のこともあれば「1100枚」のこともあり、いずれもテーブルTに規定されている基準枚数を備えていると判断される。
「画像種」は、図8のテーブルTに示されているように、医用画像の種類を示すものである。そのため、「スキャノ(画像)」、「アキシャル(画像)」といった表示となっている。
なお、ここで確認部16が医用画像収集装置2から送信されてきた医用画像が漏れなくサーバ装置1において受信されているか否かの確認を行う際には、テーブルTに規定されている「プロトコル」、「シリーズ」、「画像数」の項目を参照して基準枚数として送信された医用画像の枚数を確認する。従って、上述した「基準枚数に関する情報」とは、少なくともこれらの項目に関する情報である。なお、ここでは特に「画像種」の項目については利用されないが、テーブルTにどのような項目を設けて規定するかについては自由である。
確認部16では、テーブルTに規定されている「基準枚数に関する情報」のうち、まず「プロトコル」についての情報を取得する(ST6)。その上で、医用画像収集装置2から送信されてきた医用画像のプロトコルに該当するプロトコルがテーブルTに規定されているか否か確認する(ST7)。
例えば、サーバ装置1が受信した医用画像のプロトコルが「頭部ノンヘリカル」である場合には、図8に示すテーブルTにそのプロトコルが規定されているので、ステップST6における確認部16の確認結果は「テーブルTにプロトコル有り」ということになる(ST7のYES)。テーブルTにプロトコルがある場合には、確認部16は、さらに医用画像収集装置2から送信された医用画像が漏れなくサーバ装置1に届いているか確認を行うため、基準枚数となるテーブルTの「画像数」を基に比較を行って枚数の確認を行う(ST8)。
具体的には、例えば、以下のように枚数を把握する。図9は、医用画像の枚数の確認処理を行う際、その枚数を把握する方法を説明する際に用いる説明図である。図9には、1枚の医用画像Fが示されている。
この医用画像Fには、被検体Hの首から腰のあたりまでが映っており、左右の腕も一部ではあるが映っている。医用画像Fの左上部に黒い丸が示されており、この黒い丸が医用画像Fの基準となる画像位置を表わす。当該画像位置から2方向に矢印が伸びており、下向きの矢印は被検体Hの首から腰に向けての方向を示しており、いわば被検体の長手方向を示す矢印である。一方、画像位置から右向きに示されている矢印は、被検体Hの短手方向を示す矢印である。また、医用画像Fのマトリクスサイズは、符号A1,A2によってその大きさが示される。さらに、医用画像Fの右下に示されている黒い四角はピクセルサイズを表わす。
以上の各数値、方向は確認部16において把握できる。従って、まず、画像位置から伸びる矢印によって被検体Hの体軸方向が把握できる。さらに、画像位置、マトリクスサイズ、ピクセルサイズを使用して被検体Hの体軸方向の範囲Bが把握される。
なお、体軸方向の範囲Bについては、撮影の仕方によっては医用画像Fがマトリクスサイズの全てを満たさない場合も考えられる。例えば、医用画像Fの上下に横方向に帯状に撮影されない領域が出る場合である。この場合には、実際に撮影された範囲のみを把握して体軸方向の範囲Bを把握することもできる。但し、医用画像Fのマトリクスサイズいっぱいに画像が撮影されている場合に比べて、体軸方向の範囲Bの大きさは小さくなる。
また、医用画像Fの画像位置が複数把握されることによって、医用画像Fと隣接する医用画像Fとの間の距離(ピッチ)を把握することができる。この医用画像F間のピッチの値と体軸方向の範囲Bとの値とを利用することで、シリーズに含まれる医用画像Fの枚数を推定することができる。
確認部16では、以上のようにして医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像の枚数を推定し、テーブルTに規定されている各プロトコル及びシリーズごとの基準枚数と比較を行う。この比較の結果、医用画像収集装置2から送信されてくる医用画像の全て(確認中のシリーズに含まれる医用画像の全て)を受信したかの確認が可能となる。
確認部16では、受信した医用画像の枚数を確認するとともに、設定・更新部17に指示を出して、各種タイムアウトの時間を設定し、計時部18に計測を開始させる(ST9ないしST11)。ここで「タイムアウト」とは、医用画像の受信に当たって、どのくらい待ったらシリーズに含まれる医用画像の医用画像収集装置2からの送信が終了したか、ということを判断するための基準(値)である。
従って、テーブルTに規定されている医用画像として備える枚数の基準枚数に近づくにつれその値が小さくなる。つまり、ある程度の枚数が届いていれば、あとタイムアウトの値を小さくしても確認処理の進行を行うことができる。一方、基準枚数よりも少ない枚数しか届いていない場合には、例えば、医用画像収集装置2から送信する際に何らかのトラブルがある結果として届いていないことも考えられることから、タイムアウトの値を大きく設定して処理の進行を待つという対応を取ることができるようにしている。
設定・更新部17によって設定されるタイムアウトの時間は、医用画像間を受信する時間のタイムアウトの時間、シリーズに属する医用画像を受信する時間のタイムアウトの時間、検査に属するシリーズ、医用画像を受信する時間のタイムアウトの時間、の3種類である。これら3種類のタイムアウトの値はそれぞれ任意に設定することができる。
確認結果は、確認部16から判断部15へと送信される。さらに確認が終了した旨が判断部15(枚数確認部13)から検査判断部12へと送られ、ステップST1に戻ってサーバ装置1にて受信する医用画像の枚数の確認を最初から行う。
なお、医用画像収集装置2からサーバ装置1が受信した医用画像について取得したプロトコルがテーブルTに規定されていない場合には(ST7のNO)、新規なプロトコルに該当するため、新たな検査であると判断して設定・更新部17によって検査のタイムアウトが設定され、設定されたタイムアウトの時間を計時部18にて計時する(ST12)。その上で、判断部15は確認部16からの確認結果を検査判断部12へと送り、確認が終了した旨を受けた検査判断部12では、ステップST1に戻ってサーバ装置1にて受信する医用画像の枚数の確認を最初から行う。
サーバ装置1にて受信した2枚目以降の医用画像についての確認処理については、図4の他、主に図10に示すフローチャートを利用して説明する。図10は、実施の形態における医用画像の受信枚数を確認する処理の流れを示すフローチャートである。
サーバ装置1が受信した最初の医用画像に対する確認処理が完了した後は、検査判断部12が再度医用画像収集装置2から送信された医用画像について、新たな検査に関する医用画像に該当するか否かの判断を行う(図4のST1ないしST3)。これまではある検査に含まれる医用画像の中で最初の医用画像を例に挙げて枚数の確認処理について説明した。サーバ装置1は引き続き医用画像収集装置2から医用画像の受信を続けており、その受信は同じ検査の同じシリーズに含まれる医用画像である。従ってここでは検査判断部12は、受信した医用画像について、新たな検査に関する医用画像ではないと判断する(ST3のNO)。
さらに検査判断部12は、受信した医用画像が含まれる検査を担当する枚数確認部13を判断部15に問い合わせることで確認し、同じ枚数確認部13に引き続き枚数の確認を行う処理を行わせる(図4のST13)。
枚数確認部13では、まず判断部15が、判断の対象となる医用画像が新たなシリーズに関する(含まれる)医用画像であるか否かについて判断する(図10のST21)。ここでは、同じ検査、同じシリーズに含まれる医用画像が判断の対象となっていることから、新たなシリーズに関する医用画像には該当しない(ST21のNO)。そこで確認部16は当該医用画像についてのプロトコルを把握した後、すぐにテーブルTにこのプロトコルと同じプロトコルが規定されているか否か、確認する(ST22)。但し、ここでは、同じ検査、同じシリーズに含まれる医用画像が判断の対象となっていることから、あくまでも念のための確認である。
その上で、上述したようにテーブルTに規定されている基準枚数を基に、受信した医用画像の枚数を比較、確認する(ST23)。さらに、受信する医用画像と医用画像との間のタイムアウトの時間及び、当該医用画像を含むシリーズに属する医用画像を受信し終わるまでのタイムアウトの時間を更新する(ST24、ST25)。さらに図4のステップST1に遷移し、引き続き枚数確認部13において受信した医用画像の枚数の確認処理が行われる。
次に図10のフローチャートに示されているように、確認処理の対象となる医用画像について、いずれのシリーズに含まれる医用画像であるかを示す情報を基に判断部15が新たなシリーズに含まれるか否かを確認する。その結果、判断部15によって判断の対象となる医用画像が新たなシリーズに関する(含まれる)医用画像であると判断された場合には(ST21のYES)、以下に説明する処理が開始される。
図11、及び図12は、実施の形態における医用画像の受信枚数を確認する処理の流れを示すフローチャートである。
サーバ装置1の枚数管理部10では、新たなシリーズに含まれる医用画像を受信したと判断したことで、これまで確認処理を行っていた医用画像が含まれるシリーズの枚数の確認処理が完了したと判断する(図11のST31)。そして、新たなシリーズに含まれる医用画像を受信する直前に行っていた確認処理の対象となる医用画像が含まれるシリーズについては、確認処理が完了したものとして、サーバ装置1の表示部1gに表示する(ST32)。確認処理が完了したシリーズが複数存在する場合には、これらのシリーズはリストとして表示される(図7の画面例を参照)。
また、判断部15は、確認処理が完了したシリーズに関して、プロトコルが取得済みであるか否かを判断する(ST33)。当該シリーズについて、プロトコルが既にテーブルTに規定されている(プロトコルが取得済みである)場合には(ST33のYES)、確認部16は、さらに確認処理が完了したシリーズの数を確認する(ST34)。判断部15では、テーブルTに規定されている情報から、1つのプロトコル(検査)にいくつのシリーズが含まれているのかを把握している。そこで、当該テーブルTに規定されている情報を判断部15から確認部16へと送り、確認部16では検査を構成するシリーズの全てについて確認が完了したか否か確認する(ST35)。
その結果、検査を構成するシリーズのうち未だ枚数の確認処理が完了していないシリーズがある場合には(ST35のNO)、設定・更新部17を介して計時部18に指示し検査のタイムアウトを更新する(ST36)。これで直前まで確認処理が行われていたシリーズに含まれる医用画像についての枚数の確認は完了したことになる。その上で、新たなシリーズに含まれる医用画像の枚数を確認する処理を開始する(ST37)。枚数の確認処理は、確認部16にて行われるとともに(図10のST23)、適宜タイムアウトの更新も行われる(ST24、ST25)。
一方、判断部15によって確認処理が完了したシリーズに関して、プロトコルが取得済みであるか否かが判断された場合に、新たなプロトコルに関するシリーズであってプロトコルの取得がされていない場合には(ST33のNO)、検査のタイムアウトを更新する(ST38)。その上で、改めてステップST1(図4のフローチャート参照)へと遷移し、上述した枚数の確認処理を継続する。
次に、検査を構成する全てのシリーズについて枚数の確認処理が完了したと判断された場合には(ST35のYES)、検査のタイムアウトを更新するとともに(ST39)、判断部15において検査のタイムアウトが検出されるか否か判断される(図12のST41)。但し、ここでは検査を構成する全てのシリーズについて枚数の確認処理が完了したと判断されていることから、更新されるタイムアウトの時間はごく短いものとなる。
上述したように、検査を構成する全てのシリーズに関して、医用画像の枚数の確認処理が完了した場合、検査に対して設定、更新されていたタイムアウトの検出がなされる(ST41のYES)。判断部15は、検査のタイムアウトを検出したことを判断した場合には、検査リスト(図7参照)に表示されている「未完マーク」を削除する(ST42)。その上で、確認処理されたシリーズに関してプロトコルが取得済みであるか否か、すなわち新たなプロトコルの有無を判断し(ST43)、新たなプロトコルがある場合には、新たなプロトコルをテーブルTに追加するようテーブル作成部20に指示する(ST44)。
一方、新たなプロトコルが存在しない場合には(ST43のNO)、テーブルTの内容を更新するとともに(ST45)、表示部1gに「完了マーク」を表示して医用画像収集装置2から送信されサーバ装置1が受信した医用画像の枚数の確認処理が完了したことを明らかにする(ST46)。
以上で医用画像収集装置2から送信される全ての検査に掛かる医用画像の枚数を確認する処理が終了したことになる。そこで、枚数確認部13は、検査判断部12に対して全ての検査(に掛かる医用画像の)受信が完了したことを通知するとともに(ST47)、検査判断部12では枚数確認部13の起動を終了させる(ST48)。これをもって枚数管理部10における医用画像の枚数確認の処理は完了することになる。
以上説明した流れに沿って医用画像収集装置から送信された医用画像の枚数の確認処理を行うことによって、サーバ装置のみの対応によって、医用画像収集装置から送信される医用画像の枚数を確認し、検査において取得された医用画像の全てがサーバ装置に揃ったことを担保することが可能なサーバ装置、読影システム及び医用画像の枚数確認方法を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第1の実施の形態においては、サーバ装置1が医用画像収集装置2から送信された医用画像を漏れなく受信しているか否か、サーバ装置1自身が確認することによって、検査において撮影された全ての医用画像の取得を担保する。サーバ装置1では、次の検査に関する医用画像の受信を確認し、これまで確認処理の対象となっている検査のタイムアウトを検出すると、当該検査に関する医用画像の枚数の確認処理は完了したものと判断し、次の検査に関する医用画像の枚数の確認処理が開始される。
このように次の検査に関する医用画像の受信を確認することをもって1つの検査に関する医用画像の枚数の確認処理が完了したと判断する場合、この判断は困難である。また、新たな検査に属する医用画像の枚数の確認処理が開始された後に確認処理が完了したと判断された検査に含まれる医用画像が存在した場合に、当該医用画像の確認処理を行うことが困難となる。
そこで、第2の実施の形態においては、検査のタイムアウトを検出した際に、サーバ装置1から医用画像収集装置2に対して枚数の確認処理が完了したと判断された検査に関する医用画像の有無を問い合わせる処理を行っている。具体的には、例えば、DICOM規格のQ/R(Query/Retrieve)の機能を利用して、サーバ装置1は医用画像収集装置2から検査を構成するシリーズの一覧を取得する。
図13は、第2の実施の形態におけるサーバ装置1Aの内部構成を示すブロック図である。第2の実施の形態におけるサーバ装置1Aには、新たに「Q/R取得部30」が設けられている。「Q/R取得部30」は、例えば、枚数管理部10の判断部15が検査タイムアウトの検出を行った際に指示を受けて、医用画像収集装置2から検査タイムアウトの対象となる検査に関して、確認処理を行ったシリーズ以外に新たなシリーズがないか、当該検査に関するシリーズの一覧を取得する。
図14は、第2の実施の形態における医用画像の受信枚数を確認する処理の流れを示すフローチャートである。ここでの処理の流れのスタートは、図11に示すステップST33に示す、判断部15が検査タイムアウトを検出したところである。判断部15が検査タイムアウトを検出すると(ST61)、さらに確認処理された検査に関してプロトコルが取得済みであるか否か、すなわち新たなプロトコルの有無を判断する(ST62)。新たなプロトコルがある場合には、新たなプロトコルをテーブルTに追加するようテーブル作成部20に指示する(ST63)。新たなプロトコルが存在しない場合には(ST62のNO)、テーブルTの内容を更新する(ST64)。
一方、Q/R取得部30は、医用画像収集装置2からDICOM Q/Rを利用して、検査タイムアウトの対象となる検査に関するシリーズの一覧を取得する(ST65)。
確認部16は、Q/R取得部30が取得した一覧を確認し、プロトコルにないシリーズ、すなわち、枚数の確認処理が完了していないシリーズがあるか否か、確認する(ST66)。
その結果、全てのシリーズをサーバ装置1にて受信しており、枚数の確認処理が完了していないシリーズがない場合には(ST66のNO)、表示部1gに「完了マーク」を表示して医用画像収集装置2から送信されサーバ装置1が受信した医用画像の枚数の確認処理が完了したことを明らかにする(ST67)。
以上で医用画像収集装置2から送信される全ての検査に掛かる医用画像の枚数を確認する処理が終了したことになる。そこで、枚数確認部13は、検査判断部12に対して全ての検査(に掛かる医用画像の)受信が完了したことを通知するとともに(ST68)、検査判断部12では枚数確認部13の起動を終了させる(ST69)。これをもって枚数管理部10における医用画像の枚数確認の処理は完了することになる。
一方、一覧を確認した結果、枚数の確認処理が完了していないシリーズを確認した場合には以下の対応が取られる。すなわち、例えば、図6に示す検査とシリーズとの関係を示す説明図において、検査3のシリーズ1まではサーバ装置1が受信した医用画像の枚数の確認処理が完了したが、一覧を取得するとシリーズ2が確認された場合には、まず、検査のリストに付されている「未完マーク」を維持した状態におく(ST70)。その上で直前に確認処理を行っていたシリーズに関して確認処理が完了したことを確認し(ST71)、その旨を表示部1g上に表示させて(ST72)、新たなシリーズに含まれる医用画像の枚数の確認処理を行う(図10のST23)。
以上説明した流れに沿って医用画像収集装置から送信された医用画像の枚数の確認処理を行うことによって、サーバ装置のみの対応によって、医用画像収集装置から送信される医用画像の枚数を確認し、検査において取得された医用画像の全てがサーバ装置に揃ったことを担保することが可能なサーバ装置、読影システム及び医用画像の枚数確認方法を提供することができる。
特に、1つの検査に関する医用画像の枚数の確認処理が一旦完了した後に、医用画像収集装置に対してDICOM Q/Rの機能を利用してサーバ装置において受信漏れがないか一覧を用いて確認を行うことによって、より漏れのない、確実な医用画像の受信を果たすことが可能となる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。利用してこの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。