以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における超音波画像診断装置1を含む医療情報転送システムSの全体構成を示すブロック図である。医療情報転送システムSは、超音波画像診断装置1と、サーバ2と、ワークステーション3と、これらを互いに接続する通信ネットワークNから構成される。
医療情報転送システムSは、それ自体独立したシステムとして構成されても良いが、例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムの全て、或いは、その一部を構成するようにされていても良い。
超音波画像診断装置1は、超音波を利用して取得された被検体の内部情報を基に、医用画像の生成、加工処理を行う装置である。なお、超音波画像診断装置1の詳細な内部構成については、後述する。
サーバ2は、超音波画像診断装置1において生成された医用画像を保存する機能を備えている。また、後述するように、超音波画像診断装置1において行われた、生成された医用画像を、例えば、同じ画面上に表示されている電子カルテに移動させる処理に基づいて、当該医用画像を超音波画像診断装置1からワークステーション3に転送する仲介を行う処理も行う。
ワークステーション3は、例えば、情報端末であり、電子カルテの生成、利用が行われる。従って、ワークステーション3には、電子カルテの生成、利用を行うことが可能な電子カルテアプリケーションが搭載されている。また、ワークステーション3の利用者は、医師や読影医といった医療従事者である。
なお、ここでは超音波画像診断装置1との間で医療情報のやり取りを行う装置として、上述したサーバ2、或いは、ワークステーション3を他装置として例に挙げている。但し、このような医療情報のやり取りを行う相手先としての超音波画像診断装置1以外の他装置としては、個々の装置のみならず、例えば、電子カルテシステム、検査オーダシステムや上述した各種システムであっても良い。
図1に示す医療情報転送システムSでは、通信ネットワークNに1つの超音波画像診断装置1、サーバ2、及び2つのワークステーション3A及び3Bが接続されているが、通信ネットワークNに接続される超音波画像診断装置1、サーバ2、或いは、ワークステーション3の数は単数、或いは複数のいずれでも良く、その数は任意である。また、通信ネットワークNに複数接続されているワークステーション3A,3Bについては、以下、適宜これらをまとめて「ワークステーション3」と表わす。
通信ネットワークNは、超音波画像診断装置1、サーバ2、及びワークステーション3をそれぞれつなぎ、互いの間で、例えば医用画像情報のやりとりを可能とする。通信ネットワークNの例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークNで使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
図2は、第1の実施の形態における超音波画像診断装置の内部構成を示すブロック図である。超音波画像診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iとが接続されている。
また、入出力インターフェイス1dには、超音波画像診断装置1を構成する各駆動部を制御する駆動部制御部1jと、超音波プローブPを介して被検体との間で超音波ビームを送受波する超音波送受信部1kと、送受波された超音波ビームを基に医用画像を生成する医用画像生成部1lとが接続されている。
さらに、通信ネットワークNに接続される超音波画像診断装置1から上述したような他装置へ医用画像等の医療情報を送信、或いは、転送する処理を司る転送処理部10と、反対に他装置から超音波画像診断装置1が医療情報を取得する処理を司る条件取得部20とが接続されている。
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bから超音波画像診断装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していない外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。
さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、フィルタ処理等一連の処理を実現する処理装置である。
入力部1fは、超音波画像診断装置1の操作者である医療従事者が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、医療従事者の操作に基づいて入力信号を作成し、バス1eを介してCPU1aに送信する。また、超音波画像診断装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられている場合もある。さらには、次に説明する表示部1gがタッチパネル式である場合、医療従事者は当該表示部1gの画面をタッチしたり、或いは、スワイプ操作を行うことで、表示部1gを入力部1fとして利用することができる。
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイであり、例えばCPU1aからバス1eを介して出力信号を受信する。表示部1gは、超音波プローブPを介して得られたデータを基に生成される医用画像やCPU1aの処理結果等を表示する手段である。
また、超音波画像診断装置1において生成された医用画像の他、医療情報転送システムSを構成する超音波画像診断装置1以外の他装置(本発明の第1の実施の形態においては、サーバ2やワークステーション3)において既に表示可能とされている表示内容についても表示部1gにおいて表示可能とされている。
さらに本発明の実施の形態における超音波画像診断装置1の表示部1gは、ワイドモニタの形態を備えている。ワイドモニタは短辺方向を接地面と垂直となるように設置した場合、例えば4:3の大きさを持つモニタに比べ、当該表示部1gは横方向に長い表示領域を備える。
図3は、超音波画像診断装置1の表示部1gにおける画面構成の一例を示す模式図である。なお、表示部1gは、超音波画像診断装置1に設けられていることから、当然のことながら画面を支持する機構を備えているが、図3においては当該機構の図示を省略している。
表示部1gを構成する画面(モニタ)は、上述した通りワイドモニタであり、超音波画像診断装置1の接地面との関係で短辺が垂直方向に、長辺が水平方向となる。従って、図3に示すように、画面は横長となる。但し、当該表示部1gは、回転可能とされていても良く、この場合には、必要に応じて画面が縦長となる場合も考えられる。
図3に示す模式図では、画面上左側に一点鎖線で囲まれる第1の表示領域Xが示されている。また、画面上右側には破線で囲まれる第2の表示領域Yが示されている。
本発明の実施の形態においては、便宜上第1の表示領域Xに超音波画像診断装置1において生成される医用画像が表示される。またその他、検査結果の記入欄、所見記入欄、或いは、シェーマ記載欄等が設けられていても良い。一方第2の表示領域Yには、例えば、ワークステーション3を利用して作成される電子カルテの内容が表示される。電子カルテの表示内容としては、例えば、被検体の個人情報や既往歴、過去の検査時のカルテ情報、現在の検査結果の記入欄等が挙げられる。
このように超音波画像診断装置1を構成する表示部1g上には、超音波画像診断装置1において生成された医用画像のみならず、ワークステーション3において生成される電子カルテの情報、或いは、サーバ2に保存されている医療情報が適宜表示される。
なお、図3に示す第2の表示領域Yは、表示領域が短辺方向に3つに分割されているが、この表示はあくまでも例示であり、第1の表示領域Xと第2の表示領域Yの広さ等、表示部1g上の表示レイアウトは自由に設定することが可能とされている。
通信制御部1hは、LANカードやモデム等の手段であり、超音波画像診断装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークNに接続することを可能とする手段である。通信制御部1hを介して通信ネットワークNと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。本発明の実施の形態における超音波画像診断装置1では、超音波画像生成プログラムが、例えば、記憶部1iに格納されている。当該プログラムがCPU1aに読み込まれ実行されることにより、超音波画像診断装置1に実装されることになる。
超音波送受信部1kは、CPU1a(或いは、図示しないスキャン制御回路)の制御に従って、後述する超音波プローブPを介して被検体に超音波スキャンを実行する。実行される超音波スキャンとしては、例えば、Bモードスキャン、カラードプラモードスキャン、ドプラモードスキャン等を挙げることができる。超音波送受信部1k内には、図2にて図示していないが、例えば、プリアンプ、アナログディジタル変換器、受信遅延回路、加算器等が設けられている。
超音波送受信部1kには、被検体に直接接触し、超音波の反射をもって被検体内部の情報を取得する超音波プローブPが接続されている。超音波プローブPは、超音波の送受波を行う超音波振動子を備えており、超音波送受信部1kからの指示に基づきこの超音波振動子Aが駆動する。超音波プローブPが収集した被検体に関する内部情報は、超音波ビームとして超音波送受信部1kにて受信され、医用画像生成部1lへと送られる。
医用画像生成部1lは、図2においてその図示を省略しているが、その内部に信号処理部、画像構成部、及び画像生成部を備え、超音波プローブP、超音波送受信部1kを介して取得した情報を基に、医用画像を生成する。
信号処理部では、超音波送受信部1kの受信部が受信した信号に基づいて種々の信号処理を行う。具体的には、上述したスキャンモードに応じた信号処理が行われることになる。信号処理部内には、例えば、エコーデータ用検波器、対数圧縮器、深さ・走査線・フレーム方向のディジタルフィルタ等の各機器が設けられている。
画像構成部は、信号処理部から送信される信号を受信し、信号処理部において深さ方向で整列されたビームデータの座標を変換して、表示用にライン方向に整列されたピクセルデータへと変換するスキャン変換器の役割を果たす。当該処理が行われることによって、超音波画像を生成する際に基となる画像データが生成されることになる。
画像生成部は、画像構成部において生成された画像データを基に、例えば、2D画像として表示される医用画像を生成するとともに、当該2Dの医用画像を基に、3Dの医用画像を生成する。
転送処理部10は、超音波画像診断装置1から他装置へと転送する処理を行う。当該転送処理は、後述するが、例えば、超音波画像診断装置1が生成した医用画像を超音波画像診断装置1の表示部1g上に表示されている、例えば電子カルテに移動し貼付する操作が行われた場合に、当該貼付された医用画像の情報を超音波画像診断装置1から他装置へ送信する。
図4は、第1の実施の形態における転送処理部10の内部構成を示すブロック図である。転送処理部10は、転送処理のトリガーとなる処理要求を受け付ける受信部11と、判断部12と、情報統合部13と、転送指示部14と、転送の対象となる医療情報について転送指示を出す送信部15とから構成される。
なお、これら各部の機能、働きについては、後述する医用画像処理に関するリソース配分の流れを説明する際に併せて説明する。
条件取得部20は、通信ネットワークNに接続されている他装置が保持している医療情報を超音波画像診断装置1が取得する際に、その取得処理を司る。当該処理の流れについては、後述する。従って、条件取得部20の内部構成についても併せて後述する。
次に超音波画像診断装置1から他装置に対して医療情報を送信(転送)する処理について順に説明する。なお、ここで「他装置」とは、本発明の実施の形態においては、通信ネットワークNに接続されているサーバ2、或いは、ワークステーション3を意味する。また、送信の対象となる「医療情報」とは、超音波画像診断装置1において生成される医用画像や当該医用画像を取得する際に超音波画像診断装置1において設定される各種条件、或いは、医用画像が生成された被検体に関する情報等のことである。
図5及び図6は、第1の実施の形態における医療情報転送システムSを構成する各装置間において送受信される医療情報の送受信の流れを示すシーケンス図である。図5及び図6においては、超音波画像診断装置1からサーバ2、或いは、ワークステーション3に対して医用画像等の医療情報が転送される流れが示されている。
まず、超音波画像診断装置1を利用した被検体の検査が行われ、当該検査によって取得、生成される医用画像が表示部1gに表示される(ST1)。当該医用画像は、例えば、図3に示す画面上の左側、第1の表示領域Xに表示される。なお、図5に示すシーケンス図のステップST1においては、表示の都合から超音波画像診断装置1を超音波診断装置と示している。
次に、表示部1gに他装置であるワークステーション3において表示される電子カルテが、画面上右側、第2の表示領域Yに表示される(ST2)。超音波画像診断装置1の操作者である医療従事者は、例えば、現在超音波画像診断装置1を用いた検査を受けている被検体に関する電子カルテを参照したいと思った場合、例えば、サーバ2にアクセスして、該当の電子カルテを取得し、表示部1g(第2の表示領域Y)に表示させることができる。
ここで第2の表示領域Yに表示される電子カルテは、ワークステーション3において既に作成され表示、閲覧が可能となっているものである。或いは、上述した通り、サーバ2に記憶されているものである。但し、ワークステーション3に搭載される電子カルテアプリケーションを用いて作成している最中の電子カルテを超音波画像診断装置1の表示部1g上に表示できるようにしても良い。
第2の表示領域Yに対象となる被検体の電子カルテを表示させる場合、例えば、超音波画像診断装置1の操作者である医療従事者の指示に基づき条件取得部20がサーバ2から対象となる電子カルテを取得し、表示させる。
この状態で、表示部1gの画面上、第1の表示領域Xには、例えば、被検体の超音波画像診断装置1において生成された医用画像が、また、第2の表示領域Yには、当該被検体の電子カルテが表示されていることになる。
医療従事者が第1の表示領域Xに表示されている医用画像を第2の表示領域Yに表示されている電子カルテに貼付する場合、医療従事者は、医用画像を第1の表示領域Xから第2の表示領域Yへと表示領域を跨いで電子カルテ上に移動させる(ST3)。
医療従事者が実際に行う操作は、例えば、入力部1fを構成するマウスやトラックボールを利用して行うドラッグ・アンド・ドロップである。また、上述したように表示部1gがタッチパネル式である場合のように、医療従事者が表示部1gに直接接触して操作可能な場合には、例えばスワイプ操作が行われる。これらの操作が行われることによって医用画像は、第1の表示領域Xから第2の表示領域Yへと移動し、超音波画像診断装置1にて生成された医用画像が、表示部1g上電子カルテの所定の位置にあたかも貼付されたように表示される。
なお、ここで医療従事者が上述した操作を行う場合、移動の対象となる医用画像については、例えば、超音波画像診断装置1にてフリーズ処理を行った後に行われても良い。或いは、プローブPを使用した走査中の超音波画像であっても良い。また、一度超音波画像診断装置1の記憶部1iに記憶された医用画像を抽出して電子カルテに貼付することとしても良い。
さらに表示部1g上で領域を跨いで電子カルテに貼付可能な、すなわち、超音波画像診断装置1から他装置へ送信可能な医用画像は、例えば、コンピュータ上で再生可能な形式の静止画、動画である。或いは、送信対象はRAWデータであっても良い。なお、この時点で、電子カルテに貼付された医用画像が超音波画像診断装置1の記憶部1i内に記憶されることとしても良い。
但し、この状態のままでは、単に表示部1g上において医用画像が第1の表示領域Xから第2の表示領域Yへ移動して表示されたに過ぎず、実際の電子カルテの所定の位置に貼付(表示)され、電子カルテと一体に記憶されるわけではない。そこで、貼付された医用画像を電子カルテを作成するワークステーション3やサーバ2に送信し、それぞれの装置内において記憶されるように処理する必要がある。
医療従事者による医用画像の表示領域を跨いでの移動が、入力部1fからの入力信号を基にCPU1aにおいて検出されると(ST4)、医用画像の移動がCPU1aから転送処理部10へと送信される。当該処理の信号を受信した転送処理部10の受信部11は、その旨を判断部12へと送る。判断部12では、電子カルテに貼付された医用画像を特定する(ST5)。判断部12は、例えば、医用画像が備えるタグ内の情報を確認することで、貼付の対象となった医用画像を特定する。
さらに判断部12は、当該医用画像に関する被検体の情報や医用画像を取得する際の撮影条件といった様々な情報を超音波画像診断装置1から取得し、情報統合部13へと送る。ここでの様々な情報には、例えば、被検体を撮影する際に使用したプローブPや設定されていたプリセットの条件、モード、周波数、カラー画像撮影時に用いるフィルタの閾値、或いは、医用画像から読み取ることのできない、例えば、ガンマ、スムージング、音速設定等の撮像パラメータが含まれる。情報統合部13では、特定された医用画像と取得された当該医用画像に関する様々な情報を、例えば、医用画像が備えるタグ内に記憶させることで統合する(ST6)。
また、情報統合部13では、併せて医用画像が貼付された電子カルテについても特定し、当該電子カルテに関する情報を取得する。この電子カルテの情報は、いわば当該医用画像の転送先を示す情報となる。
情報統合部13では、医用画像に関する情報と転送先を示す電子カルテの情報とを併せて転送指示部14へと送信する。転送指示部14では、受け取った情報のうち電子カルテに関する情報を基に転送先を特定し、当該医用画像をサーバ2へ送信する旨の指示を出す(ST7)。当該送信指示は、送信部15を介して通信制御部1hへと送られ、この送信指示に基づいて統合された情報を含む医用画像が転送先となる装置へと送信される。
ここでは、電子カルテは基本的にサーバ2内に記憶されているとの前提の下、医用画像はサーバ2へと転送される。サーバ2では、超音波画像診断装置1から送信された医用画像を受信し(ST8)、受信した医用画像について、さらに当該医用画像が貼付された電子カルテを作成するワークステーション3に転送するか否かが確認される(ST9)。
サーバ2では、受信した医用画像の情報をさらにワークステーション3に転送する必要があるか否かを判断し(図6のST10)、転送先となるワークステーション3が指定されている場合には(ST10のYES)、対象となるワークステーション3へ受信した医用画像を転送する(ST11)。なお、ここではワークステーション3を図面上「WS」と省略して表わしている。
ここで転送の対象となるワークステーション3とは、医用画像が貼付された電子カルテを作成しているワークステーション3である。従って、当該ワークステーション3がサーバ2から転送された医用画像を受信した場合には(ST12)、ワークステーション3が備える記憶部に当該医用画像の情報が記憶され、保存される(ST13)。この医用画像の情報の中には、医用画像自体の情報はもちろんのこと、電子カルテのいずれの領域に貼付されたかを示す情報等も含まれている。そのためこの情報を参照することによって、ワークステーション3上の電子カルテにおいても、超音波画像診断装置1の表示部1gにおいて表示された位置と同じ位置に医用画像が貼付されて表示される。
以上の処理が行われることによって、単に超音波画像診断装置1の表示部1g上に表示された電子カルテ上にあたかも超音波画像診断装置1において生成された医用画像が貼付されたかのような状態が作出されるだけではなく、貼付された医用画像の情報が他装置に送信されることによって、実際の電子カルテ上においても超音波画像診断装置1において表示された領域と同じ領域に医用画像が表示、保存されることになる。
なお、サーバ2においてワークステーション3への転送指示を把握することができなかった場合には(ST10のNO)、サーバ2内に当該医用画像を保存する(ST14)。そして、サーバ2内に医用画像を保存する場合には、当該医用画像のタグに含まれている、例えば被検体に対する情報を基に、既にサーバ2内に保存されている当該被検体に関する各種情報とまとめて(関連づけて)保存する。これによって必要な医療情報を被検体ごとにまとめて保存することができる。
以上で、超音波画像診断装置1の表示部1g上において電子カルテに医用画像を貼付した際の、当該医用画像の超音波画像診断装置1から他装置への送信、転送処理の流れについて説明した。次に、元々電子カルテに表示されている医用画像を超音波画像診断装置1に取り込む処理について説明する。
当該処理が行われる場面としては、例えば、以下の場面が想定される。すなわち、超音波画像診断装置1を利用した被検体の撮影は、被検体の現在の状態を把握するために行われる。但し、過去に既に超音波画像診断装置1を利用して撮影が行われ、その際の医用画像が、例えば電子カルテに貼付される形で保存されている場合、医療従事者としては、当該過去の医用画像を参照したいと思う場合が考えられる。過去の医用画像を参照することで、現在の状態との比較を容易に行うことができるからであるが、比較のためには過去の医用画像とできるだけ同じ条件の下で検査(撮影)が行われ、当該撮影によって医用画像が生成されることが望ましい場合もある。
そのため、過去の医用画像を取得、生成した際の各種条件をそのまま利用することができれば、現在も同じ撮影条件の下で被検体の撮影を行うことができ、比較に適した医用画像を取得できる。従って、既に作成された電子カルテに貼付されている医用画像の撮影条件等の情報を取得することができれば上述した処理が可能となる。
このような撮影条件等の情報は、条件取得部20において取得される。図7は、第1の実施の形態における条件取得部20の内部構成を示すブロック図である。条件取得部20は、受信部21と、条件確認部22と、条件抽出部23と、条件反映部24と、送信部25とから構成される。なお、これら条件取得部20を構成する各部の詳細な働きについては、以下、電子カルテに貼付されている医用画像から条件を取得する流れを説明する中で併せて説明する。
図8及び図9は、第1の実施の形態における医療情報転送システムSを構成する各装置間において送受信される医療情報の送受信の流れを示すシーケンス図である。
なおここでは、すでに被検体に対する超音波画像診断装置1を利用した撮影が開始されていることを前提とする。そのため、第1の表示領域Xには、これまでの撮影によって取得された被検体の情報を利用して生成される医用画像が表示されている。また、第2の表示領域Yには、当該被検体の電子カルテが表示されている。そして表示されている電子カルテには、過去に撮影された当該被検体に関する医用画像が貼付されており、電子カルテの内容の一部として同じく表示部1gに表示されている。
このような状態で、医療従事者は超音波画像診断装置1の表示部1gを見つつ、第1の表示領域Xに表示される医用画像と第2の表示領域Yに表示される電子カルテに貼付されている医用画像とを比較している。
但し、現在行われている超音波画像診断装置1を利用した被検体の撮影は、事前に撮影条件が設定された上で行われているが、設定された撮影条件は必ずしも電子カルテに表示されている医用画像を取得した際に行われた撮影の条件と一致しない。上述したように、撮影条件が異なる医用画像を比較することは不可能ではないものの、より簡易に、かつ正確に比較を行うためには、比較対象となる医用画像のいずれもが同じ撮影条件の下で撮影されていることが好ましい。
そこで、医療従事者は比較対象となる第1の表示領域X及び第2の表示領域Yに表示されている医用画像の撮影条件を合わせるために、第2の表示領域Yに表示されている電子カルテに貼付されている医用画像を第1の表示領域Xに移動させる。すなわち、超音波画像診断装置1においては、CPU1aが当該医用画像の移動が行われたことを検出する(ST21)。
なお、ここでは過去の医用画像が情報として備えている撮影条件を、現在超音波画像診断装置1を利用して行われている撮影に反映させることを前提としていることから、入力部1fからの入力信号を基にCPU1aが検出する医用画像の移動は、第2の表示領域Yから第1の表示領域Xへの医用画像の移動ということになる。
従って、逆に第1の表示領域Xから第2の表示領域Yへの医用画像の移動については検出されない。すなわち、比較を行うために比較する医用画像の撮影条件を合致させるためには、一方の医用画像が備える撮影条件を他方の医用画像へと反映させる必要がある。但し、現在行われている撮影において設定される撮影条件を既に撮影が完了し電子カルテに貼付されている医用画像に反映させるのは適切ではない。
CPU1aが医用画像の移動を検出すると、その旨の情報が条件取得部20に送信される。条件取得部20では、CPU1aからの情報を受信部21において受信し、条件確認部22へと送る。この状態から現在行われている超音波画像診断装置1を利用した撮影処理における撮影条件を変更するべく、改めて撮影条件の設定処理が開始される(ST22)。
まず、条件確認部22では、第2の表示領域Yに表示されている電子カルテから第1の表示領域Xへと移動された医用画像を特定する(ST23)。また、条件確認部22では、現在行われている超音波画像診断装置1を利用した被検体の撮影処理における撮影条件を変更するか否か、すなわち、撮影条件の設定に過去の条件を利用するか否か、確認する(ST24)。
確認は、例えば、表示部1gに第2の表示領域Yから第1の表示領域Xへと医療従事者が移動させた医用画像が備える撮影条件を利用するか否かのメッセージを表示させる等することで行う。
その結果、医療従事者の回答から過去の条件を利用しないことを確認した場合には(ST24のNO)、この時点で撮影条件の設定処理は終了する(ST25)。例えば、誤って第2の表示領域Yから第1の表示領域Xへと医用画像を移動させてしまった場合や、移動させる医用画像を変更したい場合には、ここで当該医用画像が備える撮影条件に従った現在の撮影条件の変更は行われないことになる。
一方、撮影等の条件を設定する際に、移動した医用画像が備える過去の撮影条件を利用する場合には(ST24のYES)、条件取得部20は、前に特定した第2の表示領域Yから第1の表示領域Xへと移動された医用画像に関する情報を要求する(ST26)。当該要求信号は、条件取得部20から通信制御部1h、通信ネットワークNを介してサーバ2へと送信される。
サーバ2では、送信された取得要求を受信し(ST27)、取得要求に含まれる、特定された医用画像に関する情報に基づいて、保存されている医用画像を検索し抽出する(図9のST28)。なお、サーバ2内には、このように過去に撮影された医用画像が保存されているが、医用画像の保存形態については、どのような方法をもって保存されていても良い。また、医用画像は、当該医用画像が貼付された電子カルテの状態で保存されていても良い。
サーバ2は、抽出された取得要求に合致した医用画像を超音波画像診断装置1に対して送信する(ST29)。
超音波画像診断装置1の条件取得部20では、サーバ2から送信された医用画像を受信する(ST30)。受信した医用画像には撮影条件等の様々な情報を含むタグが付随している。そこで、条件取得部20の条件抽出部23が当該医用画像のタグに格納されているこの医用画像を撮影した際の撮影条件を抽出する(ST31)。
条件抽出部23は、抽出した撮影条件を条件反映部24に送信する。条件反映部24では、現在超音波画像診断装置1を利用して行われている撮影の設定条件を変更(反映)させる要求を、撮影条件を設定する機能を有する、例えば、CPU1aへと送信する。CPU1aでは、受領した過去の医用画像の生成の際に利用された撮影条件を現在の撮影処理において利用する撮影条件として改めて設定する。このようにして、現在の撮影条件が変更されることになる(ST32)。
さらに、条件取得部20では、さらに撮影条件、或いは、その他の設定について変更があるか否か、確認する(ST33)。もし追加の設定が要求される場合には(ST33のYES)、条件を追加的に設定する(ST34)。そして、これにて医療従事者が第2の表示領域Yに表示されていた、過去の医用画像の撮影条件を、現在行われている撮影尾条件に反映させる処理が完了する(ST35)。一方、追加的な設定がない場合(ST33のNO)の場合も処理は完了する。
なお、撮影条件を変更する際には、例えば、超音波画像診断装置1の各部の駆動を停止させる必要が出てくるが、当然そのような処理は行われる。
また、以上では、第2の表示領域Yから第1の表示領域Xへと医用画像が移動されたことをもって、過去の撮影条件等を利用するか否か判断し当該医用画像に関する情報をサーバ2に要求する流れを説明した。但し、このような流れの他、例えば、第2の表示領域Yから第1の表示領域Xへの医用画像の移動はサーバ2等の他装置に対して過去の医療情報の要求を行うためのトリガーと判断し、医用画像の表示領域を跨いでの移動を行った上で、移動させた医用画像とは別に医療従事者が必要と考える医用画像に関する取得条件を設定した上で、他装置に取得要求を送る流れを採用しても良い。
次に、通信ネットワークNに接続されるその他のシステム等から取得した条件を基に超音波画像診断装置1の各種設定を行う処理の流れについて以下、説明する。ここでは上述した条件取得部20の変形例である、条件取得部20Aを利用して条件の設定が行われる。
図10は、第1の実施の形態における条件取得部20の別の条件取得部20Aの内部構成を示すブロック図である。条件取得部20Aの内部構成は、概ね条件取得部20の内部構成と同様であるが、既往歴確認部26が追加されている。この既往歴確認部26は、以下に説明する通り、検査オーダシステムから取得した様々な情報の中に、対象となる被検体に関する既往歴の情報が含まれている場合、当該既往歴の情報を条件の設定に反映させることをその機能としている。既往歴確認部26の働きについては、条件の設定処理の流れを説明する中で併せて説明する。
図11及び図12は、第1の実施の形態における医療情報転送システムSを構成する各装置間において送受信される医療情報の送受信の流れを示すシーケンス図である。ここで超音波画像診断装置1が各種条件を設定する際に利用する医療情報を取得する先として、医療機関内に構築されている検査オーダシステムを例に挙げて説明する。
超音波画像診断装置1では、撮影の対象となる被検体を特定する(ST41)。その上で、通信制御部1h及び通信ネットワークNを介して医療機関内に構築されている検査オーダシステムに対して、当該撮影の対象となる被検体の検査オーダ情報を要求する(ST42)。検査オーダシステムにおいては、事前に被検体ごとの検査や手術等の検査オーダ情報が登録されている。
検査オーダシステムでは、超音波画像診断装置1からの検査オーダ情報の取得要求を受信し(ST43)、当該取得要求に基づいて、該当の検査オーダ情報を抽出する(ST44)。なお、当該検査オーダ情報は、例えば、検査オーダシステムを構成する記憶装置等に記憶されている。その上で、検査オーダシステムでは、抽出処理によって取得することができた検査オーダ情報を取得要求を出した超音波画像診断装置1へと送信する(ST45)。
超音波画像診断装置1では、検査オーダシステムから送信された検査オーダ情報を受信し、当該被検体の撮影を行う際の設定条件に反映させる(ST46)。通常であれば、この段階でさらに細かな撮影条件等を設定する。ここでは、まず被検体のIDを抽出して当該被検体IDの情報をサーバ2へと送信する(ST47、ST48)。ここで被検体IDをサーバ2へと送信するのは、当該被検体IDを利用して、被検体の既往歴を確認するためである。
超音波画像診断装置1において抽出され、送信された被検体IDを受信したサーバ2では、当該被検体IDを基に該当する被検体が備える既往歴を検索する(図12のST49及びST50)。サーバ2では、検索処理が終了すると、当該処理における結果を超音波画像診断装置1へと送信する(ST51)。
超音波画像診断装置1では、サーバ2から送信された検索結果を受信する(ST52)。検索結果は、受信部21を介して条件取得部20Aの既往歴確認部26に送られ、当該既往歴確認部26において当該結果に既往歴が含まれているか否かが確認される(ST53)。
既往歴確認部26において撮影対象となる被検体について既往歴がある場合には(ST53のYES)、確認された既往歴を反映させて各種条件を設定する(ST54)。これは被検体の既往歴によっては禁忌な条件設定が考えられるからである。そして、既往歴を各種条件に反映させて設定処理が完了する(ST55)。
一方、既往歴が確認できなかった場合には(ST53のNO)、そのまま各種条件の設定処理は完了する(ST55)。
以上によって、被検体の既往歴までも考慮した超音波画像診断装置1の条件設定が完了する。
これまでの説明によって、簡易な操作で超音波画像診断装置と他装置との間で双方向に自由にデータの受け渡しを行い、それぞれのデータが備える情報を互いの装置に反映させることが可能であるとともに、本来の機能を十分に果たすことが可能である超音波画像診断装置及び超音波画像診断装置の操作支援装置を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第2の実施の形態においては、これまで超音波画像診断装置1に搭載されていた、様々な医療情報の転送処理を行う機能が分離されて操作支援装置4に搭載された点が、これまで説明した第1の実施の形態と異なる。
図13は、第2の実施の形態における超音波画像診断装置1Aの操作支援装置4を含む医療情報転送システムS1の全体構成を示すブロック図である。ここで操作支援装置4を除く医療情報転送システムS1の構成は、上述した第1の実施の形態における医療情報転送システムSの構成と概ね同じである。
本発明の第2の実施の形態においては、第1の実施の形態における超音波画像診断装置1に搭載されていた転送処理を行う機能を操作支援装置4へ移している。従って、第2の実施の形態における超音波画像診断装置1Aは、転送処理を自身のみで行うことはせず、あくまでも操作支援装置4からの指示に基づいて転送処理を行うこととしている。この点が、第1の実施の形態における超音波画像診断装置1と異なる点である。
このように、操作支援装置4は、超音波画像診断装置1Aにおいて表示された医用画像等の医療情報を通信ネットワークNに接続される他装置に送信、転送する支援を行う装置である。図13に示す医療情報転送システムS1においては、超音波画像診断装置1Aと操作支援装置4とは、無線を使って信号のやり取りをするように示されているが、両装置間における情報のやり取りは無線で行われても、或いは、有線で行われるように構成しても良い。
図14は、第2の実施の形態における超音波画像診断装置1Aの操作支援装置4の内部構成を示すブロック図である。操作支援装置4は、ここではワークステーションのような装置であっても、或いは、パソコン等の情報端末であっても良く、可搬性の有無についても問わない。また、図14に示す入力部4fは、既存のキーボード等の他、タッチスクリーンを利用した入力を可能とするものであっても良い。
図14に示す操作支援装置4の内部構成は、当該操作支援装置4が超音波画像診断装置1Aが備えるプローブを制御する超音波送受信部1k等を備えない他は、図2に示す超音波画像診断装置1の内部構成と略同じである。また各部の機能、働きも上述した通りである。
図15及び図16は、第2の実施の形態における医療情報転送システムを構成する各装置間において送受信される医療情報の送受信の流れを示すシーケンス図である。ここでは、第1の実施の形態において最初に説明した、超音波画像診断装置1において生成され、表示部1gの第1の表示領域Xに表示される医用画像を、第2の表示領域Yに表示されている電子カルテに移動させる処理を例に挙げて、超音波画像診断装置1Aの処理の流れについて説明する。
図15及び図16においては、操作支援装置4がシーケンス図の左側に示されており、真ん中に超音波画像診断装置1A、右側にサーバ2とワークステーション3といった他装置が示されている。また、ここでは、第1の実施の形態において説明した、サーバ2からワークステーション3への転送処理については、その説明を省略している。
まず、超音波画像診断装置1Aを利用した被検体の検査が行われ、当該検査によって取得、生成される医用画像が表示部1gの第1の表示領域Xに表示される(ST1)。次に、表示部1gに他装置であるワークステーション3において表示される電子カルテが第2の表示領域Yに表示される(ST2)。
ここで超音波画像診断装置1Aの操作者である医療従事者は、例えば、現在超音波画像診断装置1Aを用いた検査を受けている被検体に関する電子カルテを参照したいと思った場合、例えば、サーバ2にアクセスして、該当の電子カルテを取得し、表示部1g(第2の表示領域Y)に表示させることができる。
第2の表示領域Yに対象となる被検体の電子カルテを表示させる場合、例えば、超音波画像診断装置1の操作者である医療従事者の指示に基づき条件取得部20がサーバ2から対象となる電子カルテを取得し、表示させる。
この状態で、表示部1gの画面上には、第1の表示領域Xに被検体の超音波画像診断装置1において生成された医用画像が、また、第2の表示領域Yには、当該被検体の電子カルテが表示されていることになる。第1の表示領域Xに表示されている医用画像を第2の表示領域Yに表示されている電子カルテに貼付する場合、医療従事者は第1の表示領域Xから第2の表示領域Yへと表示領域を跨いで医用画像を表示されている電子カルテ上に移動させる(ST3)。
医療従事者が実際に行う操作は、例えば、入力部1fを構成するマウスやトラックボールを利用して行うドラッグ・アンド・ドロップである。この操作によって医用画像は、第1の表示領域Xから第2の表示領域Yへと移動し、表示されている電子カルテの所定の位置にあたかも貼付されたように表示される。
医療従事者による医用画像の表示領域を跨いでの移動が、入力部1fからの入力信号を基にCPU1aにおいて検出されると(ST4)、医用画像の移動に関する情報が操作支援装置4へと送信される(ST61)。
超音波画像診断装置1Aからこのような移動に関する情報が送信されると、操作支援装置4における転送処理部41では、当該情報を受信するとともに、医用画像を超音波画像診断装置1Aからサーバ2等の他装置に送信するための指示を行うべく、転送処理部41において準備を行う(ST62)。
なお、図14においてはその記載を省略しているが、転送処理部41及び条件取得部42の内部構成は、上述した超音波画像診断装置1における転送処理部10及び条件取得部20と同様である。
他装置への医療情報の送信の処理を超音波画像診断装置1Aが行うのではなく、超音波画像診断装置1Aとは別の装置(操作支援装置4)が行うことで、超音波画像診断装置1Aはそもそも行わなければならない処理に割かなければならない資源を送信処理に割く必要がなくなる。
一方、超音波画像診断装置1Aでは、電子カルテに貼付された医用画像を特定する(ST5)。この特定処理は、例えば、CPU1aにおいて、例えば、医用画像が備えるタグ内の情報を確認することで、貼付の対象となった医用画像を特定する。
さらにCPU1aは、当該医用画像に関する被検体の情報や医用画像を取得する際の撮影条件といった様々な情報を取得し、特定された医用画像と取得された当該医用画像に関する様々な情報を、例えば、医用画像が備えるタグ内に記憶させることで統合する(ST6)。また、併せて医用画像が貼付された電子カルテについても特定し、当該電子カルテに関する情報を取得する。この電子カルテの情報は、いわば当該医用画像の転送先を示す情報となる。
超音波画像診断装置1Aでは、上述した医用画像と当該医用画像に関する様々な情報を統合する統合処理を完了させると、その旨の信号を操作支援装置4へ送信する(図16のST63)。また、併せて転送先を示す電子カルテの情報を送信する。
操作支援装置4における転送処理部41では、超音波画像診断装置1Aから送信された統合完了及び電子カルテに関する情報を受信し、準備していた医用画像の送信処理を行うべく、超音波画像診断装置1Aへその旨、指示する(ST64)。超音波画像診断装置1Aでは、受信した医用画像の送信指示を確認するとともに(ST65)、他装置への送信処理を行う(ST66)。
超音波画像診断装置1Aによる他装置への送信処理に基づき、送信先となった、サーバ2、或いは、ワークステーション3では、送信された医用画像を受信するとともに、保存する(ST67、ST68)。また上述したように、ここではサーバ2から改めてワークステーション3へ医療情報を転送する処理については、その説明を省略しているが、操作支援装置4からの指示の中にサーバ2からさらにワークステーション3への医療情報の転送指示が含まれている場合には、サーバ2からワークステーション3へと医療情報が転送される。
以上説明した通り、簡易な操作で超音波画像診断装置と他装置との間で双方向に自由にデータの受け渡しを行い、それぞれのデータが備える情報を互いの装置に反映させることが可能であるとともに、本来の機能を十分に果たすことが可能である超音波画像診断装置及び超音波画像診断装置の操作支援装置を提供することができる。
特に、医療情報の超音波画像診断装置から他装置への送信、転送処理を行う機能について、超音波画像診断装置が本来備える機能から省き当該機能を別途操作支援装置に搭載することで、それぞれの役割を明確にすることができる。このことはすなわち、超音波画像診断装置は、超音波を利用した画像の収集、生成といった本来の機能に注力することができることになる。また、送信処理を行うために必要な機能を確保するために限りある資源を投入する必要がなくなるため、それだけ本来の機能を行うための処理を迅速に行うことができるようになる。
また、医療情報の送信、転送処理は、一般的にアプリケーションソフトを用いて行われることになるが、超音波画像診断装置と操作支援装置とでそれぞれの役割を分けることによって、それぞれの機器の保守、点検等も多岐にわたらずより簡便、確実に行うことができる。超音波画像診断装置においても送信処理に関するアプリケーションソフトを、例えば記憶部にインストールする必要がないことから、それだけ記憶容量に余裕ができるとともに、記憶容量を小さくすることで超音波画像診断装置を安価に提供し、或いは、小型化を図ることができる。
上述した第2の実施の形態においては、転送処理開始のトリガーとなる表示領域を跨いでの医用画像の移動の後、移動の対象となった医用画像と当該医用画像に関する様々な情報とを統合する処理を超音波画像診断装置において行うことを前提として説明しているが、例えば、当該統合の処理自体も操作支援装置で行うこととしても良い。
さらに、操作支援装置が送信処理を行うこととしており、操作支援装置では、例えば、他装置への送信のタイミング等を任意に設定することも可能である。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。