JP2019118457A - 光音響装置ならびに情報処理装置および方法 - Google Patents

光音響装置ならびに情報処理装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光音響装置において、撮影オーダに適合した測定を簡便に行うための技術を提供する。【解決手段】被検体に光を照射する光照射部、および、光の照射により被検体から発生する音響波を受信する音響波受信部を含む光音響プローブと、音響波に基づいて被検体の特性情報を取得する特性情報取得部と、特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得するオーダ取得部と、被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得する被検体情報取得部と、オーダおよび被検体情報に基づいて光音響プローブの制御条件を決定する制御条件決定部を備える光音響装置を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、光音響装置ならびに情報処理装置および方法に関する。
医療分野において、被検体を撮影して診断に有用な画像を生成するために、様々なモダリティの装置が開発されている。これらの装置による測定結果は、被検体の状態に応じて変化することがある。そこで装置の操作者は、被検体の状態に応じてパラメータを設定して、装置の制御条件を調整する。例えば、一部のMRI装置では、被検者が使用している心臓ペースメーカーの機種に応じて利用可能な撮像モードが異なる。また、X線撮像装置においては、撮影対象や体厚に従って管電圧や電流値、撮像時間などを適宜設定する必要がある。特許文献1に記載のX線診断装置は、病院内のオーダリングシステムと通信して取得した検査オーダに基づいて、撮影時の制御条件を設定する。
近年、新たなモダリティとして、生体の構成成分を画像化するための光音響イメージング(Photoacoustic Imaging)と呼ばれる技術の研究が進められている。光音響イメージングを用いた光音響装置は、被検体に光を照射し、照射光が被検体内で伝播・拡散して光吸収体(血管や皮膚など)に吸収されて発生する光音響波を受信し、電気信号に変換する。この電気信号を解析処理することで、被検体内部の光学特性分布を反映した画像データを生成し、構成成分を可視化できる。
特開2000−308631号公報
光音響測定においても、被検体の状態を示す被検体情報に応じて測定結果や生成される画像が変化する場合がある。例えば、被検体が光を吸収しやすい成分(メラニンや、他のモダリティでの測定のために投与された造影剤など)を多く含む場合、医師が観測しようとする血液中のヘモグロビン成分の強度が低下する。また、被検者の特性や症状に応じて光音響装置の制御条件を変更すべき場合もある。例えば、被検者が光過敏性を示す場合、照射する光量を低減させる必要がある。
しかし、必ずしも、オーダリングシステムで設定される撮影オーダ内に被検体の状態を示す被検体情報が含まれているとは限らない。すなわち、被検体情報が、電子カルテや医師の頭の中だけに存在する場合もある。また、光吸収や画像生成に影響を及ぼすような被検体情報が複数存在したり、ある被検体情報に対応して変更すべき制御条件が複数存在したりする場合もある。そのため、操作者(技師など)が全ての要素を勘案して制御条件を設定することは難しい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、光音響装置において、撮影オーダに適合した測定を簡便に行うための技術を提供することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
被検体に光を照射する光照射部、および、前記光の照射により前記被検体から発生する音響波を受信する音響波受信部を含む光音響プローブと、
前記音響波に基づいて前記被検体の特性情報を取得する特性情報取得部と、
前記特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得するオーダ取得部と、
前記被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得する被検体情報取得部と、
前記オーダおよび前記被検体情報に基づいて前記光音響プローブの制御条件を決定する制御条件決定部と、
を備えることを特徴とする光音響装置である。
本発明は、また、以下の構成を採用する。すなわち、
被検体に光が照射されて発生する光音響波に基づいて生成される前記被検体の特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得し、前記被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得し、前記オーダおよび前記被検体情報に基づいて、前記光音響波を取得するための光音響プローブの制御条件を決定する制御条件決定部を備える
ことを特徴とする情報処理装置である。
本発明は、また、以下の構成を採用する。すなわち、
被検体に光が照射されて発生する光音響波に基づいて生成される前記被検体の特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得し、
前記被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得し、
前記オーダおよび前記被検体情報に基づいて、前記光音響波を取得するための光音響プローブの制御条件を決定する
ことを特徴とする情報処理方法である。
本発明によれば、光音響装置において、撮影オーダに適合した測定を簡便に行うための技術を提供できる。
光音響装置の概略構成を示すブロック図 処理の概要を示すフローチャート 情報処理部と信号処理部の内部構成を示すブロック図 2成分の吸収スペクトルとコントラストを示す図 ICGの吸収スペクトルを説明するための図
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝搬する光音響波を光音響プローブによって受信し、光音響波に基づく信号である光音響信号を記憶し、光音響信号から被検体内部の特性情報を生成する技術に関する。本発明はまた、光音響装置を制御するための情報処理装置としても捉えられる。本発明はまた、被検体内部の特性情報を示す画像の生成方法や表示方法としても捉えられる。本発明はまた、光音響プローブ及び光音響装置、ならびに、その制御方法として捉えられる。本発明はまた、光音響信号の取得方法や、光音響装置の制御条件に関する情報処理方法としても捉えられる。本発明はまた、本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本発明の光音響装置は、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響装置を含む。光音響装置における特性情報とは、受信された光音響波に由来する信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。本発明に係る光音響信号は、光照射により発生した光音響波、光音響波から変換された光音響信号、および、光音響信号に対して加算や補正など各種の信号処理を施して得られたあらゆる信号を含む概念である。
光音響信号から得られる画像データは、光音響波の発生音圧(初期音圧)、吸収エネルギー密度、吸収係数のような、少なくとも1つの被検体情報の空間分布を表す画像データである。なお、互いに異なる複数の波長の光照射により発生する光音響波に基づいて、被検体を構成する物質の濃度などの、分光情報を示す光音響画像データが得られる。分光情報を示す光音響画像データは、酸素飽和度、酸素飽和度に吸収係数等の強度を重み付けした値、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビン濃度、またはデオキシヘモグロビン濃度であってもよい。また、分光情報を示す光音響画像データは、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、または脂肪や水の体積分率であってもよい。メラニン濃度をより詳細に、エウメラニン濃度とフェオメラニン濃度に分けて取得しても良い。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。トランスデューサ等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。本明細書の「光音響信号」には、光音響波から変換された信号に対して各種処理を施した後のデータを含む場合がある。
<実施形態1>
本実施形態の光音響装置は、被検体の状態を示す被検体情報に基づいて、医師からの撮影オーダに適合するように制御条件を決定する。
以下の記載において「撮影オーダ」とは、医師によるオーダリングシステムを用いた画像の取得指示である。撮影オーダは、健康診断や人間ドックでの検査オーダの一部であっても良い。撮影オーダには、被検体、モダリティ、測定対象などが含まれる。また、画像の精度など、さらに細かい指示をしてもよい。
医師は測定対象として、具体的な特性情報(被検体内部の酸素飽和度、ヘモグロビン濃度または吸収係数や、被検体表面近傍のメラニン濃度など)を指定しても良いし、「被検体における血管の走行状態」や「皮膚の色合い」のように概念的な指定をしても良い。医師は測定対象として、生体を構成する成分だけでなく、生体に投与されている造影剤(例えばICG:インドシアニン・グリーン)や薬剤、入れ墨の顔料、生体に塗布されている香水や化粧品等の物質を指定しても良い。撮影オーダに応じた光音響装置の制御パラメータの調整は、技師や、情報処理装置によって行われる。
以下の記載において「被検体情報」とは、光音響測定により特性情報を取得するのに影
響を及ぼすような、被検体の状態を示す情報である。特に、被検体による光の吸収に関連する情報である。被検体情報は、主に電子カルテから取得されるが、他の方法で取得しても良い。
生体に投与または塗布された物質(例えば造影剤)は、上述したように光音響測定の対象になり得る一方で、生体を構成する物質(例えば血液の酸素飽和度)を測定する際の障害物にもなり得る。後者の場合、特性情報は酸素飽和度であり、被検体情報は造影剤濃度である。
またメラニンについても、光音響測定の対象にもなり得るし、光音響測定の障害物にもなり得る。すなわち、皮膚がん健診や美容診断の目的で皮膚の色を計測する場合は、メラニンの濃度や分布が特性情報である。一方、被検体深部の酸素飽和度などを測定したい場合は、メラニンの濃度や分布は、酸素飽和度測定に影響を及ぼすような被検体情報である。また、被検体情報には、日焼けなどによる皮膚のメラニン量の変化も含まれる。メラニン量が変化すると、画像中のメラニンと測定対象とのコントラストが変化するため、制御条件を変える必要が生じるからである。
被検体情報には、他にも、体毛の量や状態、ホクロやキズや火傷の状態、体内に配置された医療器具の位置や種類、などが含まれる。また、以前の光音響測定に関連する情報、例えば、過去の光音響信号または光音響画像や、過去の測定時の光照射条件または音響波受信条件や、画像再構成条件なども、被検体情報に含まれる。また、過去の光音響画像から読み取れる、血管輝度やメラニン輝度なども、被検体情報に含まれる。
以下の記載において「制御条件」とは、光照射や音響波受信に関する条件を指し、光照射部やプローブなどの制御パラメータに反映される。情報処理装置は、制御パラメータを技師に提示して装置に設定させても良いし、各ブロックに制御信号を送って制御パラメータを設定しても良い。光照射に関しては、波長、照射光帯域、光密度、光量、パルス光のパルス幅や間隔、照射タイミング、光の拡散や集中の程度などがある。音響波受信に関しては、増幅器のゲイン、サンプリング間隔、加算などの補正処理に関する条件、画像強度を決定する係数、などがある。また、プローブや光照射部の走査機構を設ける場合、プローブの移動経路や移動速度、音響波を受信する位置、光を照射する位置なども制御条件に含まれる。
(装置の概略構成)
図1に、光音響装置100の概略構成を示す。光音響装置100は、情報処理部30、光照射部1とプローブ70を含む光音響プローブ50、信号収集部10、信号処理部40、表示部9を備える。プローブ70は、変換素子7を含む。情報処理部30は、撮影オーダ取得部3、被検体情報取得部4、制御条件決定部5を含む。信号処理部40は、特性情報取得部11、表示制御部12を含む。医療システム6は光音響装置100と通信可能なシステムであり、オーダリングシステムと電子カルテシステムの少なくとも何れかを含む。
本発明は、光音響装置100に関する発明として捉えられる。その場合の光音響装置100は、情報処理部30、光音響プローブ50、信号処理部40を含む。また、表示部9を光音響装置100に含めてもよい。本発明はまた、制御条件を決定するための情報処理装置30に関する発明としても捉えられる。以下、各構成要素について好ましい構成例を説明する。
(被検体)
光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管・皮膚疾患などの診断や治療の経過観察、皮
膚の状態観察などを主な目的とする。よって被検体としては生体の一部、具体的には人や動物の一部位(乳房、臓器、循環器、消化器、骨、筋肉、脂肪、皮膚等)が想定される。ただし、光を吸収して音響波を発する物質であればこれに限定されない。
被検体形状が安定させるために、光および音響波に対して透過性のある保持部材によって被検体を保持することが好ましい。保持方法としては、被検体をプレートにより圧迫する方式や、垂下させた乳房をカップ状の保持部材で保持する方式がある。保持部材の材質としてはアクリル、ポリメチルペンテンが好適である。また、保持部材を用いる場合は保持部材とプローブの間および被検体と保持部材の間に、保持部材を用いない場合は被検体とプローブの間に、音響整合効果を高めるためのマッチング材を配置することが好ましい。マッチング材としては水、ひまし油、超音波ジェル等がある。
(光照射に関する構成)
光音響プローブ50の光照射部1は、光源(不図示)からの光を、光伝搬部材(不図示)を介して被検体2に照射する。なお、光音響プローブ50に含まれる光照射部1とプローブ70は、物理的に一体であっても良いし、離れていても良い。物理的に一体である例として、光照射部および変換素子を内蔵するハンドヘルド型プローブや、半球状の支持体の内周面に変換素子を配置し、半球の極部分に光照射部を配置したプローブなどが挙げられる。
光源としては、ナノ秒からマイクロ秒程度のパルス光を発生可能なものが好ましい。特に、1ナノ秒以上100ナノ秒以下程度のパルス幅が好適である。光の波長としては400nm以上1600nm以下の範囲の波長が好ましい。生体の深部をイメージングする際には、生体の背景組織において吸収が少ない、700nm以上1100nm以下の波長域が好ましい。一方、生体表面近傍の血管を高解像度でイメージングする際は可視光領域が好ましい。また、波長可変レーザーを用いたり、波長の異なる複数の光源を組み合わせたりすることで、酸素飽和度などの物質濃度を取得できる。
光源としては高出力が得られるレーザーが好ましく、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用できる。また、レーザーの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプも利用できる。光伝搬部材として、光ファイバー、レンズ、ミラー、プリズム、拡散板等の光学部材を利用できる。また、パルス光を導く際に、光学部材を用いてパルス光のスポット形状や光密度を変更できる。
(音響波受信に関する構成)
光音響プローブのプローブ70は変換素子7を備える。変換素子7は、被検体内部や表面で発生した光音響波を受信して電気信号に変換する。変換素子7としては、圧電素子、光の共振を用いた変換素子、CMUT等の静電容量型の変換素子などを利用できる。また、プローブ70は複数の変換素子7を備えても良い。その場合、各素子をリニア状や二次元状に配列することで、画像再構成の精度を高められる。また、半球状プローブを用いて、変換素子7を三次元状に配置してもよい。プローブ70は、本発明の音響波受信部に相当する。
また、光音響装置が、プローブ70の被検体に対する相対的な位置を制御する走査機構を備えていても良い。あるいは、ユーザーが把持する部分を備えるハンドヘルド型のプローブを用いてもよい。その場合、プローブ70の内部に光照射部1を組み込んでも良い。また、光音響顕微鏡の場合は、フォーカス型のプローブ70が被検体の表面に沿って機械的に移動するような構成が好ましい。また、照射光の照射位置とプローブ70とは同期して移動することが好ましい。
(情報処理部)
情報処理部30は、光音響装置100の制御条件の決定に関する処理を行う機能ブロックである。情報処理部30は、単一の情報処理装置によって構成されても良いし、複数の装置の連携により構成しても良い。さらに、情報処理部30と、後述する信号処理部40を同一の情報処理装置に実装しても良い。情報処理部30としては、CPU、GPU、メモリ(ROM、RAM、ハードディスクなどの記憶媒体)を備え、プログラムの指示に従って情報処理を実行するPCやワークステーションを好ましく利用できる。
撮影オーダ取得部3は、医療システム6と通信を行って情報を取得する。医療システム6のオーダリングシステムからは、医師による撮影オーダが取得できる。また電子カルテシステムからは、被検者の電子カルテ情報が取得できる。撮影オーダには、医師が所望の測定対象が含まれる。
被検体情報取得部4は、オーダされた測定対象の画像化に影響を及ぼすような、被検体の状態を示す被検体情報を取得する。撮影オーダに被検体情報が含まれる場合もある。また、光音響装置に付随するデバイスを用いて被検体情報を取得してもよい。このようなデバイスとしては、被検体表面を光学的に撮影するカメラや、近赤外時間分解分光法等の手法で生体表面近傍の光の吸収・散乱情報を取得する装置が含まれる。また、医師や技師等の操作者に、マウスやキーボード等の入力部を用いて被検体情報を入力させてもよい。
あるいは、光音響測定の結果に基づいて得られる被検体情報もある。例えば、光音響測定によって得られた被検体表面のメラニン濃度を、被検体深部の血管画像を取得するときのパラメータ決定に利用できる。
制御条件決定部5は、被検体情報が示す被検体の状態を踏まえて、医師からの撮影オーダに適合するように制御条件を決定する。制御条件決定部5は、技師に対して好ましいパラメータを提示してもよい。また、決定されたパラメータを、光照射部1やプローブ70に送信しても良い。また、制御条件が光照射や音響波受信、走査のタイミングに関するものであれば、光音響測定中に各ブロックに制御信号を送ってタイミングを制御する。
(信号収集部)
信号収集部10は、複数の変換素子7のそれぞれから出力される時系列のアナログ電気信号をチャネル毎に収集し、増幅、デジタル変換、デジタル信号の記憶、補正などの信号処理を行う。信号収集部10は、増幅器やAD変換器等の処理回路で構成される。信号収集部10として、一般的にDAS(Data Acquisition System)と呼ばれる回路を利用できる。また、信号収集部10はプローブ70の内部に配置されても良い。信号収集部10から出力された信号は、順次メモリに保存される。
(信号処理部)
信号処理部40は、変換素子7から出力される電気信号を用いて信号処理を行うための機能ブロックである。信号処理部30は、単一の情報処理装置によって構成されても良いし、複数の機能ブロックが連携しても良い。信号処理部40としては、CPU、GPU、メモリ(ROM、RAM、ハードディスクなどの記憶媒体)を備え、プログラムの指示に従って情報処理を実行するPCやワークステーションを好ましく利用できる。
特性情報取得部11は、信号収集部10から出力された電気信号をメモリから読み出し、画像再構成処理を行って被検体内部の特性情報を生成する。画像再構成には、Universal Back projection(UBP)、Filtered Back
Projection(FBP)整相加算法(Delay and Sum)など任意の既知の手法を利用できる。
例えば撮影オーダにおいて酸素飽和度分布の取得が求められている場合、光照射部1が複数の波長の光を被検体に異なるタイミングで照射する。特性情報取得部11は、画像再構成によって、それぞれの波長に由来する初期音圧分布を生成する。そして、照射光量と被検体の吸収・散乱特性から推定される光量分布を用いて、各波長に対応する吸収係数分布を算出する。そして、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸収スペクトルの違いを利用して酸素飽和度分布を取得する。
なお、光フォーカス型または音響フォーカス型の光音響顕微鏡の場合は、画像再構成処理を行わずに特性情報分布を生成できる。具体的には、プローブ7と光照射スポットとを被検体2に対して相対移動させながら光音響波を受信する。得られた電気信号を時間変化に対して包絡線検波し、光パルス毎の信号における時間軸方向を奥行き方向に変換して、空間座標上にプロットする。そして、この処理を走査位置毎に行う。
表示制御部12は、特性情報取得部11が生成した特性情報分布に基づいて、表示部9に表示させる画像データを生成する。その際、輝度変換、歪補正、対数圧縮処理などの画像処理や、特性情報分布とともに表示するための画像アイテム生成を行っても良い。
(表示部)
表示部9としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなど、任意の表示装置を利用できる。表示部9は、光音響装置100と一緒に提供されてもよいし、光音響装置100とは別に提供されても良い。
(詳細な構成)
図3(a)は、情報処理部30の構造および外部装置との関係の一例を示す模式図である。情報処理部30は、メモリ301、CPU302、GPU303、入力部304、通信部305を備える。
CPU302は、本実施形態における、撮影オーダ取得部3、被検体情報取得部4、制御条件決定部5のうちの機能の一部を担う。具体的にはCPU302は、システムバス300を介して情報処理部30の各構成ブロックを制御する。CPU302はまた、通信部305を介して医療システム6のオーダリングシステムや電子カルテシステム等と通信を行って撮影オーダや被検体情報を取得し、メモリ301に保存する。CPU302はまた、メモリ301に記憶した撮影オーダや被検体情報を用いて演算を行う。CPU302はまた、通信部305を介して光照射部1やプローブ70と通信し、決定された制御条件に基づく制御パラメータを設定したり、光照射や音響波受信のタイミング制御を行ったりする。
GPU303はCPU302と協働して演算を行うものであり、特に画像処理に関する高度な演算が可能である。メモリ301としては、ROM、RAM、ハードディスクなどが用いられる。入力部304はマウスやキーボードなどのユーザインタフェースであり、医師や技師による情報入力に使用される。
図3(b)は、信号処理部40の構造と外部装置との関係の一例を示す模式図である。信号処理部40は、メモリ401、CPU402、GPU403、入力部404、通信部405を備える。信号収集部10は、DAS110を備える。DAS100は信号収集部40の一機能を担い、増幅やデジタル変換を行った信号をメモリ401に転送する。
この例では、CPU402は特性情報取得部11と表示制御部12のうちの機能の一部を担う。具体的にはCPU402は、システムバス400を介して信号処理部40の各構
成ブロックを制御し、特性情報分布を示す画像データを生成し、表示部9に出力する。特にGPU403は、特性情報に対して輝度変換や歪補正、注目領域の切り出しなどの各種画像処理を実行する。他のブロックの機能は図3(a)と同様である。なお、上述したように、情報処理部30と信号処理部40を同一の情報処理装置により実現しても良い。
(処理フロー)
次に、図2を参照して、本実施形態の処理フローを説明する。このフローは、光音響装置の立ち上げや被検体の保持などの前処理が終わり、情報処理部30の撮影オーダ取得部3に、医療システム6のオーダリングシステムからの撮影オーダが追加された状態からスタートしている。
ステップS201において、撮影オーダ取得部3が、オーダリングシステムに追加された撮影オーダを取得する。ここでは、撮影オーダは「被検体内部の酸素飽和度分布の取得」とする。
ステップS202において、被検体情報取得部4が、オーダされた撮影の実行に影響をあたえるような被検体の状態を取得する。ここでは、被検体情報取得部4は、電子カルテシステムと通信を行って被検者の光に対する反応性に関連する情報を取得する。電子カルテには、光に対する反応性に関連する情報として、被検者が光過敏性を有していると記載されている。
ステップS203において、制御条件決定部5が、被検体情報を踏まえて撮影オーダに適合するような光照射条件と音響波受信条件を決定する。例えば、制御条件決定部5は、被検者の光過敏性に鑑みて、被検体に照射される光量を最大許容露光量で定められた値よりも低くする。あるいは、制御条件決定部5は、撮影オーダに所定の光量で所定の回数の光照射を行うことを示す情報が含まれる場合に、被検体情報に含まれる被検体が光過敏性を有することを示す情報に鑑みて、光音響プローブに対して、オーダされた所定の光量よりも小さい光量で、オーダされた所定の回数よりも多くの回数の光照射を行わせる。
ステップS204において、制御条件決定部5は、決定された条件に基づいて光照射部1の制御パラメータを設定する。また、光量低下に伴い光音響波の強度も下がるので、SN比を改善するために光照射回数を増やしたり、信号収集部10のパラメータを制御してゲインを増加させたりしても良い。
ステップS205において、設定された制御パラメータに従って、光照射部1が通常よりも光量の低い光を照射する。プローブ70の変換素子7が光音響波を受信し、信号収集部がデジタル信号をメモリに保存する。ステップS206において、特性情報取得部11が特性情報分布を作成する。ステップS207において、表示制御部12が表示データを生成し、表示部9に表示する。
本フローによれば、電子カルテ等から取得した被検体情報に基づいて、撮影オーダに適合した制御条件を簡便に決定することができる。そのため、医師の診断に有益な画像を提示可能になる。後日の撮影の参考のため、決定された条件を新たに電子カルテ等に保存してもよい。
<実施形態2>
本実施形態では、撮影オーダおよび被検体情報が上記実施形態とは異なる光音響測定を行う場合の制御条件決定について説明する。上記実施形態と同じ構成や処理については、説明を簡略化する。
本実施形態の撮影オーダは、測定対象として被検体中のメラニン成分を画像化するという内容である。被検体情報取得部4は、特性情報に影響を与えるような物質として、被検
体中の背景成分に関する情報を取得する。なお背景成分とは、測定対象であるメラニン以外の成分を指す。ここで、背景成分が照射光の一部を吸収することでメラニンに届く光量が減少したり、背景成分から発生する光音響波によってメラニン由来の光音響波が埋もれたりする可能性がある。そこで制御条件決定部5は、撮影オーダと被検体情報に基づき、メラニンと生体背景成分のコントラストを大きくしてメラニンが強調された画像が得られるように、制御条件を決定する。
制御条件決定部5による条件設定の例を述べる。まず、照射光の波長として、メラニンと背景部分とで吸収度が大きく異なるような波長を選択し、画像中のコントラストを大きくする方法がある。この場合被検体情報取得部4は、被検体情報として、主要な背景成分の吸収スペクトル情報を取得する。具体的には、電子カルテや撮影オーダから、乳房や手といった被検体の種類を取得する。そして、被検体の種類に応じた背景成分の構成比率や吸収スペクトル情報を取得する。この方法で選択された波長を用いることで、メラニン由来の光音響波の強度が増大し、メラニンが強調された画像が得られる。
背景成分の構成比率や光吸収スペクトルに関する情報は、電子カルテシステムやインターネット上から取得しても良いし、撮影オーダ中に含めておいても良いし、予めメモリに保存しておいても良い。データ形式は任意であり、例えば測定対象や背景成分による波長ごとの吸収率を示したテーブルを使用できる。テーブルは波長に対して離散的なものでもよいし、連続的なものでもよい。離散的なテーブルの場合、被検体情報取得部4は補間処理によって特定の波長に対する吸収率を取得する。
図4を参照して、各波長に対する吸収情報から、画像中のコントラストが最大になるように波長を決定する方法を説明する。簡略化のために2成分(背景成分である成分Aと測定対象である成分B)のみを用いる。グラフの横軸は波長、縦軸は吸収度であり、グラフ中には成分Aの各波長に対する吸収スペクトル101、成分Bの各波長に対する吸収スペクトル102、成分Aに対する成分Bのコントラスト103が示される。符号104は、光音響装置が照射可能なレーザー光の波長の範囲を示す。成分Aは波長2(符号106)で吸収が最大になり、成分Bは波長1(符号105)で吸収が最大になる。コントラスト103は、各波長で吸収情報からコントラストを算出することで算出される。このグラフから、成分Aに対する成分Bのコントラストが最大にするには、波長3(符号107)を選択すれば良いことが分かる。
その他にも様々な制御方法が考えられる。例えば、観測したい領域に合わせて照射光の幅を変化させる方法、メラニンと背景部分とのコントラストが同じになるように複数の画像間で画像強度を調整する方法がある。また、複数の信号間で信号強度を調整する方法、観測したい血管径に合わせてレーザーのパルス幅を変更する方法などもある。
画像中で測定対象の成分を強調してもよく、その方法は任意である。例えば、測定対象の輝度を高くしたり、色合いを背景成分と変えたり、画像中の測定対象の領域を大きくしたり、背景成分の信号強度を小さくしたり、測定対象とそれ以外の強度を調整したりするなどの方法がある。これにより、医師が測定対象を視認しやすくなる。
制御条件決定部5より決定された制御条件を、電子カルテや情報処理部内のメモリなどに保存し、以降の撮影に用いても良い。例えば、照射する波長が決定された際には、情報処理部が電子カルテと通信し、その波長の値を電子カルテに記載する。これにより、次回同じ被検体を撮影する際に照射波長を簡易に取得できる。
本実施形態によれば、撮影オーダで指定された測定対象の画像を生成する際に、被検体情報として脂肪などの背景成分の光吸収に関する情報を利用することにより、好ましい波
長を選択可能になる。その結果、コントラストの良い画像を生成できる。
<実施形態3>
本実施形態でも、撮影オーダおよび被検体情報が上記実施形態とは異なる光音響測定を行う場合の制御条件決定について説明する。上記実施形態と同じ構成や処理については、説明を簡略化する。
本実施形態の情報処理部は、1つの成分の情報を踏まえ、オーダリングシステムと電子カルテと通信を行うことで被検体情報を取得し、その1つの成分のコントラストが最大になるような波長を選択する。ここでは、被検体は生体であり、測定対象はICGである。本実施形態の光源は、複数の半導体レーザーを用いることで、広帯域な波長をカバーできる構成である。
本実施形態の撮影オーダは、被検体内部の血管の走行状態を画像化するという内容である。また、被検体情報取得部4は電子カルテから、光音響測定の前日に、別のモダリティによる撮影のために被検者の血管内に造影剤(ICG)が投与された、という情報を取得する。また、合わせてICGの投与量、投与時間、被検者によるICGの排出速度などを取得する。被検体情報取得部は、電子カルテから取得した情報に基づいて、現時点の被検体の血管内でのICG濃度を算出する。
光音響装置によって血管の走行状態を画像化する場合、吸収係数や酸素飽和度などを用いることが多いが、体内にICGが存在する場合はヘモグロビンを想定した通常の測定が精度良く行えない可能性がある。そこで制御条件決定部5は、ICGを利用して血管走行状態を画像化するためのパラメータ設定を行う。すなわち制御条件決定部5は、メモリまたはインターネット上からICGの吸収スペクトルを取得する。そして、レーザーの照射可能波長域内で、背景に対するコントラストが最大になるような波長を計算することで、照射光の波長を決定する。図5はICGの吸収スペクトルの模式図である。符号300で示す800nm付近で吸収が最大になっており、ICGのコントラストが最大になることがわかる。
このように本実施形態では、撮影オーダと電子カルテの情報を踏まえ、ICGのコントラストが最大になるような波長が選択される。そのため、被検体内の残留ICGの影響でヘモグロビンを利用した画像化が難しい場合でも、血管の走行状態を精度良く画像化できる。
上記の例では1成分(ICG)の吸収情報を用いて波長を決定したが、2成分以上の吸収情報を用いて波長を決定してもよい。例えば実施形態2のように、ICGと皮膚中のメラニン双方の吸収情報を踏まえて、メラニンに対するICG成分のコントラストが最大になるように波長を決定してもよい。
<変形例>
本実施形態では、ICGの吸収度が高い波長を選択した。しかし、ICGの蛍光を抑制するために、ICGによる吸収が少ない波長を選択してもよい。これにより、造影剤の影響を低減して、他の物質(例えばヘモグロビン)に基づく画像を生成できる。本実施形態が示すように、被検体情報として造影剤の投与情報を取得することにより、造影剤を利用した画像化と、造影剤の影響を低減した画像化のどちらも可能になる。
<実施形態4>
本実施形態でも、撮影オーダおよび被検体情報が上記実施形態とは異なる光音響測定を行う場合の制御条件決定について説明する。上記実施形態と同じ構成や処理については、
説明を簡略化する。
本実施形態の撮影オーダにおいては、被検体内の微細血管の画像化が指示されている。被検体情報取得部4は、電子カルテから関心領域における血管の太さ(細さ)を取得して被検体情報とする。制御条件決定部5は、血管の太さに基づいてレーザーのパルス幅を決定し、光照射部1の制御パラメータとする。例えば、レーザーのパルス幅のデフォルト値が30nsとする。また、血管の太さが一般的な値よりも細い50μmだったとする。この場合、制御条件決定部5は、比較的細い血管を解像度よく画像化するために、レーザーのパルス幅を15nsに変更する。
このように本実施形態では、撮影オーダと被検体情報に基づいて微細血管の画像化に適した制御条件が設定されるので、細い血管であっても解像度の良い画像が得られる。
<実施形態5>
本実施形態でも、撮影オーダおよび被検体情報が上記実施形態とは異なる光音響測定を行う場合の制御条件決定について説明する。上記実施形態と同じ構成や処理については、説明を簡略化する。
本実施形態でオーダされた測定対象は、生体表面のメラニンである。本実施形態では、1つの成分の吸収情報を踏まえ、レーザー強度や信号のゲインを調整することで、波長を変化させても一定量の吸収体に対する画像強度が変化しない画像を生成する。また、合わせて画像強度を調整しても良い。
ここで、皮膚中にはエウメラニンとフェオメラニンの双方が混在している。エウメラニンとフェオメラニンは吸収スペクトルが異なるため、両者の比率に応じて皮膚の色が変わる。本実施形態でメラニンと言う場合は双方が混在した状態を指し、双方合わせたメラニン総量が特性情報となる。メラニン総量の画像化のためには、エウメラニンとフェオメラニンのどちらか一方の画像強度が強くなるような波長の光を用いることは好ましくない。そこで本実施形態の被検体情報取得部は、被検体情報としてエウメラニンとフェオメラニンの存在量や比率を取得する。
本実施形態のレーザーは波長可変レーザーとする。測定開始後、光音響装置は第1の波長と第2の波長のレーザーを被検体に順次照射し、それぞれの光に由来する光音響波を受信する。続いて特性情報取得部11が、エウメラニンとフェオメラニンの吸収特性の違いに基づいて演算を行うことにより、エウメラニンとフェオメラニンそれぞれの単位面積当たりの存在量を算出する。算出された存在量は、情報処理部からアクセス可能なメモリに保存される。なお、単位面積当たりの存在量に代えて、各成分の生体表面での存在量分布を求めてもよい。この場合、場所ごとに波長を変化させることで、より精度の高いメラニン分布情報を取得できるようになる。
続いて、制御条件決定部5は、先ほど求めた単位面積当たりのエウメラニン/フェオメラニンの存在量を参照して、両方の種類のメラニンの吸収度が略一致するような波長を選択する。これにより、いずれかの種類に偏ること無くメラニン分布情報を取得できる。
なお、一つの波長を選択するのではなく、複数の波長を用いて光音響測定を行う際の、各波長での照射光強度を決定してもよい。あるいは、メラニンの吸収情報を踏まえ、波長ごとに音響波受信部のゲインを調整して、メラニンの見え方が均一になるようにしてもよい。合わせて、画像強度を調整することも好ましい。
本実施形態によれば、吸収スペクトル情報に基づいて算出された被検体情報を用いて制御条件が制御されるので、精度の良いメラニン情報を取得できる。
<実施形態6>
本実施形態でも、撮影オーダおよび被検体情報が上記実施形態とは異なる光音響測定を行う場合の制御条件決定について説明する。上記実施形態と同じ構成や処理については、説明を簡略化する。
本実施形態でオーダされた測定対象は、皮膚のメラニン量と、被検体内部のトータルヘモグロビン量である。ここで、メラニン量は紫外線などを浴びることで増加することが知られている。そのため、同じ制御条件で複数回の光音響測定を行って経時的な変化を観察するときに、メラニン量の変化がヘモグロビンの測定値に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本実施形態では、メラニン量とトータルヘモグロビン量の2つの成分の情報を踏まえ、オーダリングシステムおよび電子カルテと通信を行うことで被検体情報を取得する。
具体的には、1回目の光音響測定でメラニン量とトータルヘモグロビン量を取得した後、所定の期間をおいて2回目の光音響測定を行う。2回目の測定では、まずメラニン量の増減を観測するために、1回目と同じ制御条件を用いる。これにより、メラニン量の変化を観察できる。2回目の測定時に、トータルヘモグロビン量の画像や、トータルヘモグロビン量の強度に対するメラニン量の強度を比較してもよい。2回目のメラニン量が1回目よりも増加していた場合、メラニンの影響によりヘモグロビン強度が低下するおそれがある。そこで制御条件決定部5が制御条件を変化させて再度測定を行うことで、トータルヘモグロビン量を精度良く取得できる。すなわち本実施形態では、メラニン量は測定対象でもあり、被検体情報でもある。
なお、2回の測定で得られた各画像を医師に提示するときに、トータルヘモグロビン量が実態を反映するような画像処理を行っても良い。また、同じ血管の同じ位置でのヘモグロビン量はほぼ変化しないと仮定して、ある血管位置でのヘモグロビンの量が一致するように片方の画像の画像強度を変化させることで、メラニン量の比較を行ってもよい。
本実施形態によれば、同一の患者についての複数回の測定において皮膚のメラニン量が変化する可能性がある場合でも、メラニンとヘモグロビンの2つの成分の情報を踏まえ、メラニン量やトータルヘモグロビン量を比較することができる。
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムや撮影レシピを、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムや撮影条件を読み出して実行する処理である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、FPGAやASIC)によっても実現可能である。
1:光照射部、3:撮影オーダ取得部、4:被検体情報取得部、5:制御条件決定部、11:特性情報取得部、70:プローブ

Claims (12)

  1. 被検体に光を照射する光照射部、および、前記光の照射により前記被検体から発生する音響波を受信する音響波受信部を含む光音響プローブと、
    前記音響波に基づいて前記被検体の特性情報を取得する特性情報取得部と、
    前記特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得するオーダ取得部と、
    前記被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得する被検体情報取得部と、
    前記オーダおよび前記被検体情報に基づいて前記光音響プローブの制御条件を決定する制御条件決定部と、
    を備えることを特徴とする光音響装置。
  2. 前記制御条件決定部は、前記オーダに所定の光量で所定の回数の光照射を行うことを示す情報が含まれ、かつ、前記被検体情報に前記被検体が光過敏性を有することを示す情報が含まれている場合に、前記光音響プローブに前記所定の光量よりも小さい光量で、前記所定の回数よりも多くの回数の光照射を行わせるように前記制御条件を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記被検体情報は、前記特性情報の取得に影響を及ぼすような、前記被検体中の成分による前記光の吸収に関連する情報である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  4. 前記被検体情報は、前記被検体を構成する物質に関する情報、前記被検体に投与または塗布された物質に関連する情報、または、前記被検体の前記光に対する反応性を示す情報である
    ことを特徴とする請求項3に記載の光音響装置。
  5. 前記特性情報に基づく画像の表示部への表示を制御する表示制御部をさらに備え、
    前記制御条件決定部は、前記オーダにより指定された測定対象の前記特性情報が前記画像において強調されるように、前記制御条件を決定する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光音響装置。
  6. 前記被検体情報取得部は、前記被検体の表面を光学的に撮影する装置、または、前記被検体情報を操作者に入力させる装置を用いて、前記被検体情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光音響装置。
  7. 前記制御条件決定部は、前記制御条件を前記電子カルテに保存する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光音響装置。
  8. 被検体に光が照射されて発生する光音響波に基づいて生成される前記被検体の特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得し、前記被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得し、前記オーダおよび前記被検体情報に基づいて、前記光音響波を取得するための光音響プローブの制御条件を決定する制御条件決定部を備える
    ことを特徴とする情報処理装置。
  9. 前記制御条件決定部は、前記オーダに所定の光量で所定の回数の光照射を行うことを示す情報が含まれ、かつ、前記被検体情報に前記被検体が光過敏性を有することを示す情報が含まれている場合に、前記光音響プローブに前記所定の光量よりも小さい光量で、前記所定の回数よりも多くの回数の光照射を行わせるように前記制御条件を決定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 被検体に光が照射されて発生する光音響波に基づいて生成される前記被検体の特性情報の取得に関するオーダをオーダリングシステムから取得し、
    前記被検体に関する被検体情報を電子カルテから取得し、
    前記オーダおよび前記被検体情報に基づいて、前記光音響波を取得するための光音響プローブの制御条件を決定する
    ことを特徴とする情報処理方法。
  11. 前記制御条件を決定するステップでは、前記オーダに所定の光量で所定の回数の光照射を行うことを示す情報が含まれ、かつ、前記被検体情報に前記被検体が光過敏性を有することを示す情報が含まれている場合に、前記光音響プローブに前記所定の光量よりも小さい光量で、前記所定の回数よりも多くの回数の光照射を行わせるように前記制御条件を決定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理方法。
  12. 請求項10または11に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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