JP6157268B2 - 回転クランパ付きボールねじ - Google Patents

回転クランパ付きボールねじ Download PDF

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Description

本発明は、ボールねじに関し、特に停止位置を自己保持できる回転クランパ付きのボールねじに関する。
従来のボールねじとしては、たとえば、特許文献1に記載の逆転防止機構付き直線作動機が知られている。
この直線作動機は、ハウジング側部材にロックされる方向が逆向きの一対の一方向クラッチ内蔵軸受を介してボールねじ軸が回転自在に支持された構成で、ボールねじ軸がボールナット側から圧縮方向のスラスト荷重を受けると片方のクラッチ内蔵軸受がロックされ、引張方向のスラスト荷重を受けると他方のクラッチ内蔵軸受がロックされ、スラスト荷重によるボールねじ軸の回転が防止されるようになっている。
特開2000−145914号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、逆回転を防止するだけで、任意の位置で固定することができない。任意の位置で停止した状態で保持しておくためには、ブレーキ付モータや、ソレノイドやエアシリンダ等を利用したストッパ機構が必要であり、その分、設備も大型化し、エネルギーが消費されることになる。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部エネルギーを必要とせずにねじ軸とナットを任意位置で固定でき、しかも固定からの解放を簡単かつ確実に行い得る回転クランパ付きボールねじを提供することにある。
上記課題を達成するために本発明による回転クランパ付きボールねじは、
雄ねじ溝を有するねじ軸と、
内側に雌ねじ溝を有するナットと、
前記ねじ軸の雄ねじ溝とナットの雌ねじ溝との間に転動自在に介装される第1の転動体と、
前記ねじ軸をクランプする回転クランパと、を備えた回転クランパ付きボールねじであって、
前記回転クランパは、
前記ねじ軸の外周面に対して前記ねじ軸の円周方向に転動自在に接触する第2の転動体と、
前記第2の転動体を保持する保持器と、
前記ねじ軸に挿通される筒状体で、内周面に前記ねじ軸の外周面との間で第2の転動体を挟み込むテーパ部を有する外筒と、
前記第2の転動体をテーパ部に噛込む方向へ付勢する付勢手段と、を備え、
前記保持器と外筒のいずれか一方がナットに固定され、前記付勢手段はナットに固定された側の部材から、他方の部材を前記第2の転動体がテーパ部に噛み込む方向へ付勢し、
前記外筒のテーパ部は、外筒とねじ軸が一の方向に相対的に回転したときに前記テーパ部と前記ねじ軸との間に前記第2の転動体を噛み込み、他の方向に相対的に回転したときに前記第2の転動体の噛み込みを解除する構成となっている。
そうすると、回転クランパによって、外部から操作をしなくても、ねじ軸とナットの、一の方向の相対回転運動は阻止され、一の方向と逆方向の相対回転運動は許容されることになる。
ボールねじにはトルクをスラスト力に変換する効率がいい反面、ねじ軸に作用するスラスト荷重によってナットが逆回転する逆効率も高いので、従来は逆転防止機構付きのモータや特別の設備を必要としていた。本発明は、回転クランパがボールねじの逆転防止機構として機能し、従来のような特別な逆転防止機構の設備が不要となる。
また、第2の転動体は転がり接触しているので、正転方向の作動効率を損なうことはない。
また、回転クランパの、保持器と外筒のうち、ナットに固定されていない側の部材を、付勢手段の付勢力に抗して回転させれば、第2の転動体の噛み込みを解除できるので、簡単に逆回転させることができる。
このように、回転クランパは、外筒のテーパ部に対して第2の転動体を付勢手段によって付勢しているだけなので、電気エネルギー等を必要とせず、ねじ軸とナットを任意位置で固定、及び、固定からの解放を簡単かつ確実に行うことができる。
本発明においては、前記外筒を前記ねじ軸の中心軸方向に2つ備え、それぞれの外筒は、前記第2の転動体を噛み込む回転方向が逆であってもよい。そうすると、ねじ軸の正転、逆転両方向への回転を阻止することができ、ねじ軸を所定位置で停止させておくことができる。したがって、停止位置で保持しておくために、特別な設備が不要で、電気制御等を行う必要もない。
また、回転クランパの、保持器と外筒のうち、ナットに固定されていない側の部材を、付勢手段の付勢力に抗して選択的に回転させれば、それぞれの第2の転動体の噛み込みを解除できる。したがって、位置決め保持のための正回転、逆回転両方向の回転防止と、位置決めを行うための回転動作を任意に組み合せることができる。
本発明においては、前記第2の転動体を少なくとも3つ備えることができる。そうすると、ねじ軸を第2の転動体で支えることができるので、外筒が相対的に回転するときの摩擦を小さくすることができる。
本発明においては、付勢手段をねじりコイルばねとし、コイル部を保持器と外筒の間に配置し、コイル部の一端を保持器に係止し、コイル部の他端を外筒に係止させる構成とすることができる。
そうすると、外筒と保持器間のスペースを有効利用することができ、装置の小型化を図ることができる。
また、本発明においては、保持器がナットに固定され、前記付勢手段は保持器から、外筒を前記第2の転動体がテーパ部に噛み込む方向へ付勢する構成で、前記付勢手段の付勢力に抗して外筒を回転変位させることで噛み込みを解除可能となるように構成することができる。
外筒を回転させれば、第2の転動体が外筒のテーパ部を転がって相対的に移動するため、噛み込みを容易に解除することができる。
本発明に用いる第2の転動体は、軸方向長さが、少なくともねじ軸の雄ねじ溝の中心軸方向の幅よりも長いローラーとすることができる。
このようにすれば、雄ねじ溝に交差する場合に、必ずねじ軸外周面との接触面を確保できる。
本発明によれば、外部エネルギーを必要とせずに、ボールねじのねじ軸とナットを任意
位置で固定できる。
(A)は本発明の実施の形態に係る回転クランパ付きボールねじの半断面正面図、(B)は(A)の左側面図である。 (A)は図1の回転クランパを外筒を断面にして示す正面図、(B)は(A)の左側面図、(C)はローラーの噛み込み、解除動作の説明図、(D)は(A)の保持器の正面図、(E)は(D)の側面図である。 図2の回転クランパのアンクランプ機構の説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係る回転クランパ付きボールねじについて図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る回転クランパ付きボールねじ1の概略構成を示している。この回転クランパ付きボールねじ1は、雄ねじ溝11aを有するねじ軸11と、内側に雌ねじ溝12aを有するナット12と、ねじ軸11の雄ねじ溝11aとナット12の雌ねじ溝12aとの間に転動自在に介装される第1の転動体としてのボール13と、ねじ軸11をクランプする回転クランパ20と、を備えている。
ねじ軸11の外周は円筒面となっており、2条の螺旋状の雄ねじ溝11aが設けられている。図示例のボールねじ1は、大リードタイプのボールねじであり、隣り合う雄ねじ溝11aの間の円筒面の領域が広くなっている。もっとも、雄ねじ溝11aの条数は1条ね
じでもよいし、3条以上の多条ねじでもよく、雄ねじ溝11a間に円筒状の領域が設けら
れていればよい。
ナット12のボール循環方式はエンドキャップ方式で、ナット本体14の軸方向両端に、不図示の方向転換路が形成されたエンドキャップ15、15が取り付けられている。もっとも、循環方式はリターンチューブ方式、コマ式等、種々の方式が採用され得る。ナット本体14には、固定用のフランジ14aが設けられている。
回転クランパ20は、第一固定機構20A及び第二固定機構20Bを有している。第一固定機構20Aと第二固定機構20Bは、ねじ軸11の中心軸A方向に、ナット12と直列に配置されるもので、本明細書では、ナット12側の固定機構を第一固定機構20Aとして説明する。
第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの基本的な構成は同一であり、第一固定機構20Aを中心軸Aと直交する線を中心として180度回転させたものが第二固定機構20Bに相当する。そして、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bとは、許容する回転方
向及び制限する回転方向が逆になるだけなので、以下の説明は、主に第一固定機構20Aについて説明し、第二固定機構20Bについては、同一の構成部分については同一の符号を付し、重複説明は省略するものとする。
第一固定機構20Aは、図2に詳細に示すように、ねじ軸11の外周面に対してねじ軸11の円周方向に転動自在に接触する第2の転動体としてのローラー21と、ローラー21を保持する保持器22と、内周面にねじ軸11の外周面との間でローラー21を挟み込むテーパ部23を有する外筒24と、ローラー21がテーパ部23に噛込む方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング25と、を備えている。
そして、保持器22がナット12に固定され、スプリング25はナット12に固定された保持器22から外筒24に付勢力を加え、ローラー21がテーパ部23に噛み込む方向へ付勢している。また、外筒24のテーパ部23は、外筒24とねじ軸11が一の方向に相対的に回転したときにテーパ部23とねじ軸11との間にローラー21を噛み込み、他の方向に相対的に回転したときにローラー21の噛み込みを解除する構成となっている。
ローラー21は、中心軸と直交方向の断面形状が、中心軸からの距離が全周にわたって均一の円形断面形状となっている。ローラー21の中心軸は、保持器22の中心軸Aと平行に配置され、その軸方向長さが、少なくともねじ軸11の雄ねじ溝11aの中心軸方向の幅よりも長いものが用いられる。このようにすれば、雄ねじ溝11aに交差する場合に、必ずねじ軸11外周面との接触面を確保できる。
ローラー21は、中心軸Aを中心として等角度に8つ配置されている。ローラー21の数は、8つより多くても少なくてもよいが、少ない場合には、少なくとも3つ以上配置することが好適である。3つ以上とすれば、ねじ軸11をローラー21で支えることができるので、外筒24が相対的に回転するときの摩擦を小さくすることができる。
保持器22は、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bにまたがる一つの筒状部材で、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの、それぞれのローラー21,21を保持する長穴22a、22aの環状列が、直列に2列設けられている。
長穴22aの長手方向は、中心軸Aと平行である。長穴22aは、中心軸Aに対するローラー21の角度が変化しないように、保持器22の周方向におけるローラー21の移動を制限する。
この例では、保持器22は、図2(D)に示すように、ローラー21の数に合せた八角筒形状で、長穴22aは、その角部に設けられている。角部の位置はローラー21の中心軸にほぼ等しく設定され、長穴22aの両側縁は八角形の各側面に位置している。
そして、保持器22の内面に開口する長穴22aの短手方向の長さは、ローラー21の直径よりも小さい。このように、長穴22aを形成することにより、ローラー21が保持器22の内側に落下することを防止する。また、ローラー21を保持器22の外面側から長穴22a内に配置したときに、ローラー21の外面の一部が保持器22の内周面から中心軸A側に突出するように、長穴22aが形成される。そして、保持器22から突出したローラー21が、ねじ軸11まで届くように、長穴22aが形成される。また、保持器22の外面よりも外側にローラー21が突出するように長穴22aが形成される。
この保持器22の一端はナット12の端部に固定される。ナット12との固定は、保持器22の一端を、不図示の継手部材に接着固定しておき、継手部材を介してナット12に固定してもよいし、ナット12に対して直線固定してもよく、要するにナット12に連結固定されていればよい。なお、保持器22の固定部にはトルクが加わるので、凹凸を設けて、噛み合うようにしている。
外筒24は筒状体であり、第一固定機構20Aの外筒24は、保持器22の中心軸方向の半分の領域に配置された8つのローラー21を取り囲むように設けられている。
外筒24は、中心軸Aを中心として、図2(B)、(C)に示すように、反時計回りに角度が増すに従って、内面が中心軸A側に徐々に近付くテーパ部23を8箇所備えている。このテーパ部23では、外筒24の厚さが変化しているともいえる。なお、テーパ部23においては、中心軸Aの周りの角度が増すに従って所定の割合で厚さが増してもよい。また、厚さの増す割合の最適値を実験により求めたり、シミュレーションにより求めたりしてもよい。
テーパ部23は、ローラー21の数に応じて形成される。このため、本実施の形態では、中心軸Aから見て45度毎にテーパ部23が形成される。そして、隣り合うテーパ部23との間では、中心軸Aから外筒24の内面までの距離が急変する。
すなわち、中心軸Aを中心とした角度が45度の範囲で徐々に厚さが増した後、元の厚さに戻る。これが中心軸Aの周りで8回繰り返される。なお、中心軸Aを中心とする外筒24の外径は一定である。本実施の形態では、中心軸Aを中心としてローラー21を8つ
設けているため、45度毎に外筒24の厚さが元に戻るが、ローラー21の個数に応じて、この角度を変更する。
そして、外筒24と保持器22との隙間に、保持器22の長穴22aからローラー21が突出している。ローラー21の保持器22からの突出量(ローラー21の外面から、保持器22の最も遠い箇所までの距離)は、保持器22の外面と外筒24の内面との距離の最小値よりも大きく、最大値よりも小さい。また、ローラー21の直径は、ねじ軸11の外面と外筒24の内面との距離の最小値よりも大きく、最大値よりも小さい。
外筒24は、中心軸Aを中心として回転可能に設けられる。一方、ローラー21は、ナット12に固定される保持器22により中心軸Aを中心とする回転が制限されている。すなわち、外筒24が回転することにより、ローラー21が設けられている箇所における保持器22の外面と外筒24のテーパ部23内面との距離が変化する。同様に、ローラー21が設けられている箇所における外筒24のテーパ部23の内面と、ねじ軸11の外面との距離が変化する。そして、外筒24が中心軸Aを中心として回転すると、ローラー21がテーパ部23の内面に沿って転がる。
なお、保持器22の外面と外筒24の内面との間には、特に図示しないが、適宜止め輪等によって、中心軸A方向の移動が規制される。
スプリング25は、ねじりコイルばねであり、コイル部25aを保持器22と外筒24の間に配置し、コイル部25aの一端の第1係止部25bが保持器22に係止され、コイル部25aの他端の第2係止部25cが外筒24に係止されている。第1係止部25bは円筒形に巻かれたコイル部25aから、中心軸Aに向かって屈曲し、保持器22に設けられた係止穴に差し込まれている。
一方、第1係止部25bは半径方向外方に向かって屈曲しており、外筒24の端部に設けられた切欠き24aに係止されている。このように、スプリング25にねじりコイルばねを利用することで、外筒24と保持器22間のスペースを有効利用することができ、装置の小型化を図ることができる。
このスプリング25によって、外筒24のテーパ部23とねじ軸11との間にローラー21が噛み込む方向に、外筒24を付勢している。
第二固定機構20Bは、第一固定機構20Aと共通の保持器22の中心軸方向半分の領域に配列されたローラー21の環状列を覆うように外筒24が配置されている。この外筒24のテーパ部23の傾斜方向が第一固定機構20Aと逆向きである。図2(B)に示す
ように、第一固定機構20Aについては、中心軸Aを中心に時計回り方向Rが噛み込み方向(破線矢印方向)であり、中心軸Aを中心に反時計回り方向Uが噛み込み解除方向(実線矢印方向)となる。一方、第二固定機構20Bについては、中心軸Aを中心に反時計回り方向Uが噛み込み方向(実線矢印方向)であり、中心軸Aを中心に反時計回り方向Rが噛み込み解除方向(破線矢印方向)となる。
第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの外筒24,24は、ねじ軸11の中心軸A方向に直列に配置され、互いに対向端部が摺動自在に接触している。
この第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの外筒24、24の対向端部に、アンクランプ機構30が設けられている。
アンクランプ機構30は、各外筒24、24に設けられた切欠き31A、31Bと、この切欠き31A,31Bに係合するレバー32と、レバー32を回転自在に支持する支軸33と、を備えている。支軸33の一端は保持器22に差し込まれている。
レバー32を回転させると、スプリング25のばね力に抗して第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの各外筒24、24が中心軸Aを中心に互いに反対向きに回転し、各テーパ部23A,23Bからローラー21、21から離れる方向に移動するように構成され
ている。
レバー32の回転を解除すると、スプリング25のばね力によって、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの外筒24A,24Bのテーパ部23A、23Bが、再びローラー21に噛みこむ方向に回転する。
なお、本実施の形態においてはスプリング25として、ねじりコイルスプリングを用いたが、付勢手段としては、他の種類の弾性体を用いることもできる。
次に、本実施の形態の回転クランパ20の機能について説明する。
図2(C)を参照して、第一固定機構20Aについて説明すると、ねじ軸11に中心軸Aを中心として図中反時計回り方向Rに回転する力を加えた場合には、ねじ軸11に接するローラー21には、ローラー21の中心軸を中心として図中時計回り方向に回転させる力が加わる。そして、ローラー21が時計回り方向に回転すると、外筒24には時計回り方向に回転する力が加わるため、ローラー21とねじ軸11を押す力が大きくなる。一方、保持器22はナット12に固定されているので、ナット12に対するねじ軸11の反時計方向への回転が止められる。
回転クランパ20がねじ軸11を保持する力は、スプリング25の付勢力に応じて変わる。すなわち、スプリング25の付勢力を大きくするほど、外筒24を回転させる力が大きくなるので、テーパ部23を介してローラー21をねじ軸11に押し付ける力が大きくなる。そして、スプリング25の付勢力により、ねじ軸11と外筒24との間にローラー21を噛み込んだ状態が維持される。
一方、ねじ軸11に中心軸Aを中心とする図中時計回り方向Uに回転する力を加えた場合には、ねじ軸11に接するローラー21には、ローラー21の中心軸を中心として反時計回り方向に回転させる力が加わる。ローラー21が反時計回り方向に回転すると、外筒24には反時計回り方向に回転する力が加わるため、ローラー21がねじ軸11を押す力が小さくなる。これにより、ねじ軸11の時計回り方向への回転が許容される。
この第一固定機構20Aだけでは、ナット12に対するねじ軸11の反時計回り方向への回転を止めることはできるが、他方向(時計回り方向)への回転を止めることはできない。
これに対し、本実施の形態では、第二固定機構20Bを設けている。第二固定機構20Bは、第一固定機構20Aと逆向きに取り付けられている。このため、ねじ軸11外筒24がローラー21を押し付ける力が増加する回転方向及び減少する回転方向が、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bとで逆になる。すなわち、第一固定機構20Aだけでは、ねじ軸11が中心軸Aを中心として、図2(C)の時計回り方向に回転し得るが、第二固定機構20Bにより、この回転が止められる。同様に、第二固定機構20Bだけでは、ねじ軸11が中心軸Aを中心として反時計回り方向に回転し得るが、第一固定機構20Aにより、この回転が止められる。このように、第一固定機構20A及び第二固定機構20Bを設けることにより、ねじ軸11とナット12間の正逆両方向への相対回転を止めることができ、これにより、ねじ軸11とナット12間の中心軸A方向の移動が規制される。
ナット12に対してねじ軸11を相対回転させる場合には、アンクランプ機構30によって、第一固定機構20A及び第二固定機構20Bの各外筒を回転させて、テーパー部23に対する各ローラー21の噛み込みを解除する。
すなわち、図2(B)、(C)において、スプリング25の付勢力に反して外筒24を、外筒24が中心軸Aを中心として、図中反時計回り方向Tに回転させると、テーパ部23に沿ってローラー21が転がって、ローラー21の噛み込みが解消される。
ローラー21の噛み込みを解除するときには、保持器22を基点にして、ローラー21が配置される箇所における外筒24とねじ軸11との距離が大きくなる方向に、外筒24
を、スプリング25の付勢力に抗して回転させる構成となる。言い換えると、ローラー21が備わる箇所におけるねじ軸11と外筒24との隙間が大きくなるので、該ローラー21のねじ軸11との接触面圧が減少し、ローラー21を介してねじ軸11を保持することができなくなるので、ねじ軸11が自由に回転することができる。
ここで、ローラー21は、該ローラー21の中心軸を中心として回転可能に保持器22に保持されている。このため、外筒24が回転するときに、外筒24と接しているローラー21が、該ローラー21の中心軸を中心として回転する。このため、外筒24とローラー21との間の摩擦は比較的小さい。ここで、例えば、ねじ軸11のアンクランプ時に、保持器22を回転させてローラー21の噛み込みを解消することも考えられる。しかし、保持器22によりローラー21を押して噛み込みを解除するためには、ねじ軸11の表面及び外筒24の表面においてローラー21を滑らす必要がある。
滑り摩擦は、転がり摩擦よりも大きいため、外筒24がローラー21をねじ軸11に押し付ける力が大きくなると、噛み込みを解除するためにより大きな力が必要となる。一方、本実施の形態のように、外筒24を回転させることによりアンクランプを行う場合には、外筒24を回転させることによりローラー21がテーパ部23を転がって相対的に移動するため、ローラー21の噛み込みを容易に解除することができる。すなわち、滑り摩擦よりも転がり摩擦のほうが小さいため、ローラー21を押して滑らすよりも、ローラー21を転がすほうが、小さな力で噛み込みを解消することができる。このため、本実施の形態では、転がり摩擦を超える力を加えるだけで、ねじ軸11を解放することができる。また、ねじ軸11を固定するときに要する力も小さくてよい。このように、本実施の形態によれば、ねじ軸11のクランプ及びアンクランプが容易である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、回転クランパ20の第一固定機構20Aと第二固定機構20Bによって、ねじ軸11とナット12間の正転、逆転両方向への相対回転を阻止することができ、従来のように、電力や空気圧等の外部エネルギー等を必要とせず、ねじ軸11とナット12を所定位置で停止させておくことができる。また、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの各外筒24、24を回転させるだけで、簡単にクランプを解除することができることから、位置決め保持のための正回転、逆回転両方向の回転防止と、位置決めを行うための回転動作を任意に組み合せることができる。
ボールねじ1には効率がいい反面、ねじ軸11とナット12間に作用するスラスト荷重によって逆作動する特有の現象があり、従来は逆転防止機構付きのモータや特別の設備を必要としていた。本実施の形態では、回転クランパ20の第一固定機構20A及び第二固定機構20Bがボールねじの逆転防止機構として機能し、従来のような特別な設備が不要となる。
ボールねじ1にはトルクをスラスト力に変換する効率がいい反面、ねじ軸11に作用するスラスト荷重によってナット12が逆回転する逆効率も高いので、従来は逆転防止機構付きのモータや特別の設備を必要としていた。本実施の形態では、回転クランパ20の第一固定機構20A及び第二固定機構20Bがボールねじの逆転防止機構として機能し、従来のような特別な逆転防止機構の設備が不要となる。
また、ローラー21は転がり接触しているので、正転方向の作動効率を損なうことはない。さらに、ローラー21は、ねじ軸11に対して線接触するので、ねじ軸11の変形を抑制できる。また、ローラー21をねじ軸11の円筒状の外周面に押し付けるだけなので、ねじ軸には特別な形状や構造が必要でない。
また、スプリング25による付勢力を調整することで、外筒24がローラー21をねじ軸11へ向かって押す力を調整することができる。そうすると、許容される最大荷重を超
える回転力が加えられた場合に、ローラー21がねじ軸11の表面を滑るように調整することができるため、回転クランパ20の破損、または、回転クランパ20が取り付けられている部材の破損を抑制できる。ここで、一般的なワンウェイクラッチは、外筒がハウジングに固定されていて、保持器22またはローラーをくさび形の隙間にスプリング等で押し込むことで、ねじ軸11の回転を止めている。このような構造では、ねじ軸11を固定する力は強いものの、許容される最大荷重を超えてもねじ軸11を保持するため、何れかの部品が破損するまでねじ軸11を保持してしまう。これに対し、本実施の形態に係る回転クランパ1では、スプリング25の付勢力を調整することができるので、許容される最大荷重を超える前に、ローラー21が滑ることで前記破損を抑制できる。また、スプリング25による付勢力を大きくすることで、ねじ軸11を保持する力を大きくすることができる。
他の実施の形態
上記実施の形態では、アンクランプ機構によって、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの両方を同時に解除しているが、選択的に解除可能とし、一方へ移動する場合には、一方のみを解除して他方向は逆転防止機構として機能させることができる。
また、上記実施の形態では、第一固定機構20Aと第二固定機構20Bの二つの固定機構を備えているが、逆転防止の方向が決まっている場合には、固定機構が一つでもよい。
また、上記実施の形態では、回転クランパの保持器をナットに固定しているが、外筒をナットに固定し、保持器を自由にしておいてもよい。
さらに、上記実施の形態では、第2の転動体として転動体の中心軸(回転軸)からの距離が全周にわたって均一の円形断面のローラーが用いられているが、これに限定されるものではなく、非円形の異形断面形状の転動体も適用可能である。
なお、本実施の形態係る各部材の材料は金属としてもよいし、一部または全部の材料を樹脂としてもよい。
1 回転クランパ付きボールねじ
11 ねじ軸、 11a 雄ねじ溝
12 ナット12、12a 雌ねじ溝
13 ボール
20 回転クランパ、
20A 第一固定機構、20B 第二固定機構
21 ローラー
22 保持器、22a 長穴
23 テーパ部
24 外筒、24a 切欠き
25 スプリング、
25a コイル部、25b 第1係止部、25c 第2係止部
30 アンクランプ機構
31A、31B 切欠き、32 レバー、33 支軸
A 中心軸

Claims (6)

  1. 雄ねじ溝を有するねじ軸と、
    内側に雌ねじ溝を有するナットと、
    前記ねじ軸の雄ねじ溝とナットの雌ねじ溝との間に転動自在に介装される第1の転動体と、
    前記ねじ軸をクランプする回転クランパと、を備えた回転クランパ付きボールねじであって、
    前記回転クランパは、
    前記ねじ軸の外周面に対して前記ねじ軸の円周方向に転動自在に接触する第2の転動体と、
    前記第2の転動体を保持する保持器と、
    前記ねじ軸に挿通される筒状体で、内周面に前記ねじ軸の外周面との間で第2の転動体を挟み込むテーパ部を有する外筒と、
    前記第2の転動体をテーパ部に噛込む方向へ付勢する付勢手段と、を備え、
    前記保持器と外筒のいずれか一方がナットに固定され、前記付勢手段はナットに固定された側の部材から、他方の部材を前記第2の転動体がテーパ部に噛み込む方向へ付勢し、
    前記外筒のテーパ部は、外筒とねじ軸が一の方向に相対的に回転したときに前記テーパ部と前記ねじ軸との間に前記第2の転動体を噛み込み、他の方向に相対的に回転したときに前記第2の転動体の噛み込みを解除する構成となっている回転クランパ付きボールねじ。
  2. 前記外筒を前記ねじ軸の中心軸方向に2つ備え、それぞれの外筒のテーパ部は、前記第2の転動体を噛み込む回転方向が逆である請求項1に記載の回転クランパ付きボールねじ。
  3. 前記第2の転動体を、前記ねじ軸の周方向に、少なくとも3つ備える請求項1又は2に記載の回転クランパ付きボールねじ。
  4. 付勢手段はねじりコイルばねであり、コイル部を保持器と外筒の間に配置し、コイル部一端を保持器に係止し、コイル部の他端を外筒に係止させた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転クランパ付きボールねじ。
  5. 前記保持器がナットに固定され、前記付勢手段は保持器から、外筒を前記第2の転動体がテーパ部に噛み込む方向へ付勢する構成で、
    前記付勢手段の付勢力に抗して外筒を回転変位させることで噛み込みを解除可能となっている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転クランパ付きボールねじ。
  6. 前記第2の転動体は、軸方向長さが、少なくともねじ軸の雄ねじ溝の中心軸方向の幅よりも長いローラーである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転クランパ付きボールねじ。
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