JP6157141B2 - 調理温度記録システム - Google Patents
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被調理物が複数の調理工程を経て調理される場合、被調理物の工程履歴(被調理物がどのような工程を経て調理されたか)を特定した上で、各調理工程における被調理物の温度を参照できることが好ましい。これにより、例えば、被調理物に調理不具合が発生した場合などに不具合の原因究明を容易に行うことができる。
ここで、被調理物の工程履歴を特定するための手段としては、例えば、被調理物に識別番号を付した管理用のタグを取り付け、各調理工程において、その識別番号を記録することが考えられる。しかしながら、被調理物によっては、タグを取り付けることが困難なものもある。また、タグは調理の妨げとなる場合が多く、被調理物を調理する際には、タグを取り外す必要が生じる場合がある。さらに、調理工程においては、一つの被調理物を複数個に切り分けたりすることも行われ、このような場合、切り分けられた被調理物の全てにタグを取り付けることは困難である。以上のことから、被調理物が複数の調理工程を経由する過程において、被調理物に常にタグを付けておくことは難しく、タグのような識別手段によって被調理物の工程履歴を特定することは困難である。
また、作業者は、第1調理工程における調理の終了時刻と第2調理工程における調理の開始時刻を参照することで、第1調理工程と第2調理工程の対応関係を把握しやすくなり、被調理物の工程履歴をより容易に特定することができる。
このような構成とすれば、異なる種類の被調理物を調理する場合に対応することができる。
このような構成とすれば、ハンディターミナルを用いて被調理物の温度を取得することができる。ハンディターミナルであれば、容易に持ち運びが可能であり、様々な種類の被調理物の温度を容易に測定することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図6によって説明する。図1は、本実施形態の調理温度記録システム10の電気的構成を示すブロック図である。調理温度記録システム10は、図1に示すように、ハンディターミナル11と、ハンディターミナル支持台40と、管理用のパーソナルコンピュータ(以下、PC50という)と、を備えている。
なお、ここでいう被調理物の調理工程とは、被調理物の調理や調理に関連した工程のことを言う。調理工程としては、例えば、被調理物(食材等)の加熱調理を行う加熱工程、被調理物の冷却を行う冷却工程、被調理物を冷蔵庫に出し入れする冷蔵工程、被調理物を盛り付ける盛付工程、被調理物を出荷する出荷工程などを例示することができる。
ハンディターミナル11は、図1に示すように、制御部12、記憶部13、赤外線通信部14、表示部15、内蔵時計16、バーコード読取部17、入力部18、音声出力部19、温度測定部20を備えている。制御部12には、記憶部13、赤外線通信部14、表示部15、内蔵時計16、バーコード読取部17、入力部18、音声出力部19、温度測定部20がそれぞれ電気的に接続されている。制御部12は、CPU等を備え、格納されたプログラムに基づいて、接続された上記各機器13〜20を制御することが可能な構成となっている。
入力部18は、図2に示すように、例えば、ハンディターミナル11の表面上に配列された複数のキー18Aによって構成されている。作業者は、入力部18を構成する各種キー18Aを押圧操作することで、ハンディターミナル11の操作(調理データの入力など)を行うことができる。音声出力部19としては、例えば、ブザーを例示することができ、ブザーを鳴らすことで作業者に調理終了のタイミングなどを知らせることができる。
表示部15は、例えば、液晶ディスプレイなどから構成される。表示部15には、例えば、作業者が調理データを入力する際の入力画面などが表示される構成となっている。内蔵時計16は、現在の時刻を計時することが可能な構成とされ、調理の開始時刻などを取得するために設けられている。
PC50は、制御部51、USBインターフェース52、記憶部53、表示部54を備えている。制御部51には、USBインターフェース52、記憶部53、表示部54がそれぞれ電気的に接続されている。制御部51は、CPU等を備え、格納されたプログラムに基づいて、接続された上記各機器52、53、54を制御することが可能な構成となっている。記憶部53としては、ハードディスクや不揮発性のメモリ(フラッシュメモリなど)などを例示することができる。
また、PC50のUSBインターフェース52は、ハンディターミナル支持台40のUSBインターフェース43とUSBケーブル45を介して電気的に接続することが可能となっている。これにより、PC50とハンディターミナル支持台40とは、USBケーブル45を介してデータの送受信が可能な構成となっている。
(A)担当者名(作業者名)
(B)調理機器名
(C)品目(被調理物の種類)
(D)調理内容(例えば、焼き物や揚げ物など)
(E)数量(被調理物の個数や重量など)
(F)調理前の被調理物温度
(G)室温
上記各調理データの入力手段(取得手段)について具体的に説明する。調理データ(A)〜(C)は、例えば、図3に示すようなバーコードシート23に印刷されたバーコードを、バーコード読取部17で読み取ることで取得することができる。図3では、調理する品目に係る情報を取得するためのバーコードが印刷されたバーコードシート23を例示している。なお、バーコードシート23に印刷された各バーコードには、品目の名称(被調理物の種類)の他、その品目の調理時間、調理における被調理物の合格温度などのデータが記録されている。
また、調理データ(A)の担当者名を取得するためのバーコードは、例えば、担当者が身に付ける名札などに印刷されている。また、調理データ(B)の調理機器名を取得するためのバーコードは、例えば、調理機器に貼ってあるシールなどに印刷されている。
また、調理機器名を取得することで、作業者は、その調理工程がどのような工程であるのか(工程種別)を調理後に特定することができる。例えば、調理機器名がスチームコンベクションオーブンであれば、その工程が加熱工程であることを特定することができる。なお、バーコード読取部17は、特許請求の範囲に記載の「工程種別取得手段」及び「被調理物情報取得手段」の一例である。
加熱調理が完了した後、作業者は、以下の調理データ(H)〜(K)をハンディターミナル11に入力する(図4のステップS12)。
(H)担当者名(調理後の被調理物温度を測定する作業者名)
(I)調理後の被調理物温度
(J)室温
(K)次の工程名
調理データ(H)は、上記調理データ(A)と同様にバーコード読取部17によって取得される。調理データ(I)は、上記調理データ(F)と同様に温度センサ21を用いて取得される。また、調理後の被調理物温度が所定の合格温度に達していない場合には、音声出力部19から警告音を出力する処理や、表示部15に警告用のメッセージを表示する処理が制御部12によって実行される。
室温の入力が完了した後、ハンディターミナル11の表示部15には、例えば、次の工程の候補となる複数の工程名から「次の工程名」の選択を求める画面(図2参照)が表示される。作業者は、表示部15の画面を参照しつつ、キー18Aを操作して「次の工程名」を選択する。選択された「次の工程名」は、制御部12によって記憶部13に記憶される。なお、作業者は、例えば、工程における調理指示などを参照して「次の工程名」を選択する。
本実施形態では、加熱工程の次に冷却工程を行う場合を例示している。このため、作業者は、次の工程名として「冷却工程」を選択すればよい。以上の手順により、加熱工程における各調理データの入力が完了する。
なお、入力部18は、特許請求の範囲に記載の「第1調理工程における調理の終了後に、第2調理工程の工程種別を入力することが可能な工程種別入力手段」の一例である。また、ここで入力される「次の工程名」は、特許請求の範囲に記載の「工程種別入力手段によって入力された第2調理工程の工程種別」の一例である。
作業者は、上記(A)〜(G)の調理データをハンディターミナル11に入力した後、冷却用の調理機器を操作して、被調理物の冷却調理を行う。ここで言う冷却用の調理機器とは、例えば、急速冷却庫(ブラストチラー)などを例示することができる。
また、作業者は、調理機器の調理開始操作を行うのと同時にハンディターミナル11のキー18Aを押圧操作する。キー18Aが押圧されると、制御部12は、内蔵時計16によって計時されている現在の時刻を調理開始時刻として記憶部13に記憶させる処理を行う(図5のステップS21)。なお、内蔵時計16は、特許請求の範囲に記載の「調理開始時刻取得手段」の一例である。
冷却調理が完了した後、作業者は、加熱工程と同様の手段で上記調理データ(H)〜(K)をハンディターミナル11に入力する(図5のステップS22)。これにより、冷却工程における各調理データの取得が完了する。
なお、冷却工程における上記(A)〜(K)の調理データの入力手段(取得手段)は、加熱工程で例示した手段と同じである。
なお、各調理工程(加熱工程及び冷却工程)においては、例えば、調理工程毎に専用のハンディターミナル11がそれぞれ用いられる。また、記憶部53には、加熱工程における調理データ(A)〜(K)が対応付けて記憶され、冷却工程における調理データ(A)〜(K)が対応付けて記憶される。なお、一台のハンディターミナル11を用いて加熱工程及び冷却工程の両工程で調理データの入力を行ってもよい。
このような調理終了時刻を取得するための処理は、例えば、PC50の制御部51によって行われる。なお、内蔵時計16及び制御部51は、特許請求の範囲に記載の「調理終了時刻取得手段」の一例である。また、調理終了時刻を取得するための処理を制御部51で行う代わりに、例えば、ハンディターミナル11の制御部12によって行う構成としてもよく、調理終了時刻を記憶部13に記憶させる構成としてもよい。
また、調理開始時刻に基づいて調理終了時刻を取得する代わりに、調理終了時刻を直接的に取得する構成としてもよい。具体的には、調理工程における調理が完了すると同時に作業者がハンディターミナル11のキー18Aを操作することで、制御部12が内蔵時計16の現在時刻を調理終了時刻として記憶部13に記憶させる構成としてもよい。
これにより、作業者は、調理機器名(第1調理工程の工程種別)と次の工程名(第2調理工程の工程種別)とを参照することで、被調理物が第1調理工程(例えば、加熱工程)の後にどの工程種別の調理工程に送られたかを容易に確認することができ、被調理物がどのような工程を経て調理されているかを特定することができる。
図6では、加熱工程及び2つの冷却工程(冷却工程A及び冷却工程B)における調理データを例示している。また、図6では、被調理物としてハンバーグ及びローストチキンを例示しているが、これに限定されるものではない。
作業者は、図6に示すデータに基づいて被調理物の工程履歴を把握することができる。
図6において、ID3を付したハンバーグを例示すると、このハンバーグは、スチームコンベクションオーブン(図6ではスチコンと略記)によって加熱調理された後、冷却工程に送られていることが分かる(調理機器名及び次の工程名参照)。これにより、ID3のハンバーグが次に、どの調理工程に送られたかを容易に特定することができる。
ここで、加熱工程におけるID3のハンバーグの調理終了時刻を見ると、14時40分に加熱調理が終了している。このため、14時40分よりも早い時間に冷却調理が開始されているID5のハンバーグは、ID3のハンバーグとは別の物であることが分かる。
また、通常、調理工程では、前工程から送られた順番に被調理物の調理を行う。このため、冷却工程で示すID6、ID7のハンバーグのうち、調理開始時間が14時40分に最も近いもの、つまり、14時50分に冷却調理が開始されているID6のハンバーグが、ID3のハンバーグと同一のものであると判断することができる。
この点、調理後(すなわち、被調理物が次の工程に送られる直前の段階)であれば、実際の「次の工程」が変更となる可能性が低く、「次の工程名」の入力を行うタイミングとして好適である。
以下、本実施形態の調理温度記録システム10に関連した技術を示す。
(1)関連技術1
本実施形態では、調理工程における被調理物の数量を取得し、記憶することが可能となっている。これにより、調理温度記録システム10を、例えば、冷蔵工程(調理工程の一例)に適用した場合では、冷蔵庫に入れた被調理物の個数(入庫数)と、冷蔵庫から出した被調理物の個数(出庫数)をそれぞれ記憶しておき、入庫数から出庫数を減算することで、冷蔵庫に保管されている被調理物の個数を管理することができる。
PC50と調理機器との間で通信を行う構成としてもよい。このような構成とすれば、調理機器の温度などをPC50にて管理することができる。また、調理機器の温度異常などが生じた場合には、PC50の表示部54に警告メッセージなどを表示させることで、その異常に対して迅速に対応することができる。
(3)関連技術3
上述したバーコードシート23を印刷可能な印刷装置をPC50に接続してもよい。
(4)関連技術4
PC50の記憶部53には、調理機器に関する履歴データ(例えば、機器の購入や修理などの履歴)が記憶されていてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)上記実施形態では、調理工程においてハンディターミナル11に入力する調理データとして、調理データ(A)〜(K)を例示したが、調理データは上記(A)〜(K)に限定されるものではない。また、ハンディターミナル11において、調理データ(A)〜(K)のうち、任意の調理データのみを入力するような設定に変更することも可能である。このような設定の変更は、例えば、ハンディターミナル11の制御部12などに格納されたプログラムをPC50を用いて書き換えることで行うことができる。また、調理データ(A)〜(K)を入力する順番は適宜変更可能である。
Claims (3)
- 第1調理工程と前記第1調理工程の後に行われる第2調理工程とを少なくとも経て調理される被調理物の温度を記録する調理温度記録システムであって、
前記第1調理工程における前記被調理物の温度及び前記第2調理工程における前記被調理物の温度をそれぞれ取得することが可能な調理温度取得手段と、
前記第1調理工程の工程種別及び前記第2調理工程の工程種別をそれぞれ取得することが可能な工程種別取得手段と、
前記第1調理工程における調理の終了時刻を取得することが可能な調理終了時刻取得手段と、
前記第1調理工程における調理の開始時刻及び前記第2調理工程における調理の開始時刻をそれぞれ取得することが可能な調理開始時刻取得手段と、
前記第1調理工程における調理の終了後に、前記第2調理工程の工程種別を入力することが可能な工程種別入力手段と、
前記第1調理工程の前記工程種別、前記工程種別取得手段によって取得された前記第2調理工程の前記工程種別、前記工程種別入力手段によって入力された前記第2調理工程の前記工程種別、前記第1調理工程の前記開始時刻、前記第1調理工程の前記終了時刻、前記第2調理工程の前記開始時刻、前記第1調理工程における前記被調理物の温度、前記第2調理工程における前記被調理物の温度が記憶される記憶手段と、
前記第1調理工程における前記被調理物の種類と、前記第2調理工程における前記被調理物の種類と、前記被調理物毎に定められた前記第1調理工程における前記被調理物の調理時間と、をそれぞれ取得することが可能な被調理物情報取得手段と、を備え、
前記記憶手段には、
前記第1調理工程における前記被調理物の種類と、前記第1調理工程の前記工程種別と、前記第1調理工程における前記被調理物の温度と、前記工程種別入力手段によって入力された前記第2調理工程の前記工程種別と、前記第1調理工程の前記終了時刻と、が対応付けて記憶され、
さらに、前記記憶手段には、
前記第2調理工程における前記被調理物の種類と、前記工程種別取得手段によって取得された前記第2調理工程の前記工程種別と、前記第2調理工程の前記開始時刻と、前記第2調理工程における前記被調理物の温度と、が対応付けて記憶され、
前記調理終了時刻取得手段は、
前記調理開始時刻取得手段によって取得された前記第1調理工程の前記開始時刻に対して、前記調理時間を加算することで、前記第1調理工程の前記終了時刻を取得する処理を行う、調理温度記録システム。 - 前記被調理物情報取得手段は、
前記第1調理工程における前記被調理物の種類及び前記第1調理工程における前記被調理物の前記調理時間の双方が記録されているバーコードを読み取ることが可能なバーコード読取部である、請求項1に記載の調理温度記録システム。 - 可搬型のハンディターミナルを備え、
前記調理温度取得手段は、前記ハンディターミナルに設けられた温度センサである請求項1又は請求項2に記載の調理温度記録システム。
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