JP6157108B2 - 摩擦材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、鉄道車両、産業機械などに用いられるブレーキ用摩擦材に関する。
自動車等に使用されるディスクブレーキやドラムブレーキなどのブレーキ、またはクラッチなどに使用される摩擦材は、一般的に、摩擦作用を与え且つその摩擦性能を調整する摩擦調整材、補強作用を担う繊維基材、これらを一体化し強度を与える結合材等の材料からなっている。摩擦材は、その相手材と摩擦係合し、運動エネルギーを熱エネルギーに変える役割を担っているため、優れた耐熱性、耐摩耗性、高い摩擦係数、摩擦係数の安定性が必要とされ、さらには鳴きが発生しにくいこと(鳴き特性)なども要求される。
摩擦材の摩擦特性を調整する摩擦調整材としては、無機系や有機系の充填材、研削材、及び固体潤滑材等がある。これらはそれぞれの特徴を有しており、1種類ではすべての要求を満足することが難しいため、通常2種類以上のものが組み合わされて使用されている。
摩擦調整材のうち無機系充填材(無機系摩擦調整材)としては、アルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア、銅、アルミニウム、亜鉛等が利用されている。
また、摩擦材の摩擦係数の安定化や耐摩耗性の向上のため、摩擦材中に金属を配合した摩擦材が検討されており、特許文献1では繊維基材と、摩擦調整材と、結合材とを含む摩擦材組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、摩擦調整材として青銅粉を含む摩擦材が開示されている。特許文献2では非ウィスカー状チタン酸アルカリ金属・アルカリ土類金属塩のうち少なくとも一方とFeとを含む摩擦材がそれぞれ開示されている。
しかしながら、特許文献1〜2に記載の摩擦材はいずれも、青銅粉や銅繊維などの銅成分を含んでおり、当該摩擦材を使用した場合、制動時に発生する摩耗粉に銅が含まれるため、環境を汚染する可能性がある。そこで、摩擦材としての高い性能を保ちつつ、環境に悪影響を与えないために銅成分を含まない摩擦材が求められている。
そこで銅成分の少ない摩擦材として、特許文献3では銅の含有量を一定以下とし、チタン酸リチウムカリウム及び黒鉛を摩擦調整材として含有する摩擦材が開示されている。
特開2005−024005号公報 特開2007−197533号公報 国際公開第2012/066968号
しかしながら特許文献3に記載の摩擦材では、効力の安定性、耐摩耗性及び鳴き特性の点で改善の余地があった。
従って、本発明の課題は、銅成分を含まない摩擦材であって、効力の安定性と耐摩耗性、及びブレーキの鳴きの抑制効果を有する摩擦材の提供を目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研鑽を積んだ結果、非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウムと、その他の1種以上の非ウィスカー状チタン酸化合物とを含む摩擦調整材を配合した摩擦材によって、銅成分を含まなくても、効力の安定性と耐摩耗性、及びブレーキの鳴きの抑制効果を満たすことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)から(6)に関するものである。
(1)繊維基材、摩擦調整材及び結合材を含む摩擦材であって、前記摩擦調整材は2種以上の非ウィスカー状チタン酸化合物を含有し、前記非ウィスカー状チタン酸化合物は非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウムを少なくとも含み、銅成分を含まない、摩擦材。
(2)前記非ウィスカー状チタン酸化合物が複数の凸部形状を有するチタン酸カリウムを含む、(1)に記載の摩擦材。
(3)前記結合材がエラストマー変性フェノール樹脂を含む、(1)または(2)に記載の摩擦材。
(4)前記エラストマー変性フェノール樹脂が、アクリルゴム変性フェノール樹脂またはシリコーンゴム変性フェノール樹脂である、(3)に記載の摩擦材。
(5)前記非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウムを1〜30体積%含む、(1)〜(4)のいずれか1に記載の摩擦材。
(6)前記非ウィスカー状チタン酸化合物を1〜25体積%含む、(1)〜(5)のいずれか1に記載の摩擦材。
本発明に係る摩擦材は、環境に悪影響を与える可能性のある銅成分の配合を必要とせず、効力を安定させ、かつフェード時の摩擦係数の低下を防止することができ、さらには、摩擦係数を安定化させることからノイズ・異音の発生を抑制し、さらに摩擦材摩耗を低減することができる。
図1は複数の凸部形状を有するチタン酸化合物を説明するための投影図の例である。
本発明に係る摩擦材は、摩擦調整材として、2種以上の非ウィスカー状チタン酸化合物を含有し、この非ウィスカー状チタン酸化合物のうち1種は非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウムであることを特徴とする。2種以上の非ウィスカー状チタン酸化合物を含有することで、効力の安定性、耐摩耗性、鳴き抑制に優れた効果を発揮することができ、このうち1種が非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウムであることで、効力を安定させ、鳴き特性を向上させることができる。このように2種以上の非ウィスカー状チタン酸化合物を組み合わせて摩擦材に配合することにより優れた効力の安定性、耐摩耗性、鳴き抑制の実現が可能となる。
以下、本発明の摩擦材について、成分毎に記載する。
本発明に用いられるチタン酸化合物は非ウィスカー状である。ここで非ウィスカー状とは、アスペクト比3以上の針状形状(ウィスカー状)ではないことを意味し、具体的には層状(鱗片状)、柱状、板状、フレーク状、粒子状などの形状が挙げられる。
本発明で用いる非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウム(以下単に、「チタン酸リチウムカリウム」と称すこともある。)の形状としては、層状、柱状、板状などの形状が好ましく、効力安定化の点から層状であることが好ましい。
また、チタン酸リチウムカリウムの分子式はKLiTiにおいてx=0.5〜0.7、y=0.27、z=1.73、w=3.85〜3.95などを使用することができる。
本発明に係るチタン酸リチウムカリウムの含有量は、摩擦材全体に対して1〜30体積%の範囲であることが効力の安定化、フェード時の摩擦係数の低下の防止といったフェード特性向上の点から好ましく、3〜24体積%がより好ましい。
また、本発明のチタン酸リチウムカリウムは、摩擦材の強度を向上させるという観点からその表面にシランカップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。
非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウム以外の非ウィスカー状チタン酸化合物(以下、「チタン酸化合物」とも記載する。)としては、チタン酸カリウム、チタン酸リチウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸バリウムなどが挙げられるが、結合材の劣化を引き起こすことがあるアルカリ金属イオンの溶出が少ない点からチタン酸カリウム、チタン酸ナトリウムがより好ましい。
チタン酸化合物の形状としては層状、粒子状、板状、柱状などが挙げられ、中でも耐摩耗性の点から粒子状が好ましい。
チタン酸化合物が粒子状である場合、チタン酸化合物の平均粒径は1〜50μmであればよく、中でも5〜20μmが耐摩耗性の点から好ましい。
また、チタン酸化合物の形状は、複数の凸部形状を有することが耐摩耗性の点から好ましい。ここで、複数の凸部形状を有するとは、チタン酸化合物の平面への投影形状が少なくとも通常の多角形、円、楕円等とは異なり2方向以上に凸部を有する形状を取りうるものであることを意味する。具体的にはこの凸部とは、光学乃至電子顕微鏡等による写真(投影図)に多角形、円、楕円等(基本図形)を当てはめ、それに対して突出した部分に対応する部分を言う。チタン酸化合物の投影図としては、例えば、図1に記載のチタン酸化合物1が例示され、凸部は符号2で示される。複数の凸部形状を有するチタン酸化合物の具体的3次元形状としては、ブーメラン状、十字架状、アメーバ状、種々の動植物の部分(例えば、手、角、葉等)又はその全体形状、あるいはそれらの類似形状、金平糖状、等が挙げられる。
中でも、チタン酸化合物は複数の凸部形状を有する粒子状であることがより好ましい。このようなチタン酸化合物としては、例えば、国際公開第2008/123046号に記載されるチタン酸カリウム等を使用することができる。
本発明に用いるチタン酸化合物は複数の凸部形状を有するので、板状や鱗片状のチタン酸化合物に比べ、その凸部形状によって制動時に摩擦材中から脱落しにくいため、耐摩耗性に優れた効果を発揮すると考えられる。また、複数の凸部形状を有するチタン酸化合物が摩擦材中から脱落しにくいので、本発明のチタン酸リチウムカリウムも脱落しにくくなり、結果として、チタン酸リチウムカリウムによる効力安定性、鳴き抑制の効果が持続すると推測される。
本発明に係る非ウィスカー状チタン酸化合物の含有量は、摩擦材全体に対して、1〜25体積%の範囲であることが摩擦材(パッド)摩耗量を減少させる点から好ましく、5〜20体積%がより好ましい。
また、本発明の非ウィスカー状チタン酸化合物は、摩擦材の強度を向上させるという観点からその表面にシランカップリング剤等により表面処理が施されていてもよい。
本発明に係る摩擦材に含まれる摩擦調整材には、上記チタン酸リチウムカリウムとチタン酸化合物の他にも、他の無機充填材、有機充填材、研削材、固体潤滑材などを適宜混合することができる。
他の無機充填材としては硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、バーミキュライト、マイカ等やアルミニウム、スズ、亜鉛等の金属粉末が挙げられる。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明において、他の無機充填材は、摩擦材全体中、好ましくは1〜60体積%、より好ましくは、1〜50体積%用いられる。
有機充填材としては各種ゴム粉末(ゴムダスト、タイヤ粉末等)、カシューダスト、メラミンダスト等が挙げられる。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明において、有機充填材は、摩擦材全体中、好ましくは1〜15体積%、より好ましくは、5〜15体積%用いられる。
研削材としてはアルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、酸化クロム、四三酸化鉄(Fe)等が挙げられる。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明において、研削材は、摩擦材全体中、好ましくは5〜20体積%、より好ましくは、10〜20体積%用いられる。
固体潤滑材としては、黒鉛(グラファイト)、二硫化モリブデン、硫化スズ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。また、黒鉛の粒径は1〜1000μmが好ましい。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明において、固体潤滑材は、摩擦材全体中、好ましくは1〜20体積%、より好ましくは、3〜15体積%用いられる。
また、摩擦調整材の粒径は特に限定されるものではなく、摩擦材に要求される特性などに応じて当業者の裁量で定めることができるが、摩擦材原材料混合時の分散性の悪化を避けるため、平均粒径を10〜1000μmにすることが好ましく、100〜500μm程度にすることが更に好ましい。平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計により測定される値である。
本発明に係る摩擦材には摩擦調整材の他に、結合材及び繊維基材を含む。
ただし本発明の摩擦材は銅成分を含有しない。なお、銅成分を含有しないとは、銅成分を、耐摩耗性などの機能を発現させるための有効成分としては含有しないという意味であり、例えば、摩擦材中に不可避的にわずかに含まれる不純物等としての銅成分をも含まないことまでを意味するものではない。
本発明に係る摩擦材に含まれる結合材としては、通常用いられる種々の結合材を用いることができる。具体的にはストレートフェノール樹脂、エラストマー等による各種変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。中でも摩擦材に柔軟性を付与し、相手材攻撃性の低減及び鳴き特性の向上という観点から、エラストマー変性フェノール樹脂が好ましい。エラストマー変性フェノール樹脂としては、アクリルゴム変性フェノール樹脂やシリコーンゴム変性フェノール樹脂、NBRゴム変性フェノール樹脂等が挙げられ、アクリルゴム変性フェノール樹脂やシリコーンゴム変性フェノール樹脂がより好ましい。なお、これらの結合材は単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、摩擦材における結合材は摩擦材全体中、好ましくは10〜30体積%、より好ましくは、10〜25体積%用いられる。
本発明に係る摩擦材に含まれる繊維基材には、通常用いられる繊維基材を通常用いられる量で使用することができるが、銅成分を含む銅繊維は使用しない。
具体的には、有機繊維、無機繊維、金属繊維が使用される。
有機繊維としては、例えば芳香族ポリアミド(アラミド)繊維、耐炎性アクリル繊維が使用され、無機繊維としては、例えばチタン酸カリウム繊維やアルミナ繊維等のセラミック繊維、生体溶解性無機繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール等が使用され、また、金属繊維としては、例えばスチール繊維が使用される。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。また、摩擦材における繊維基材は摩擦材全体中、好ましくは5〜40体積%、より好ましくは、5〜25体積%用いられる。
中でも無機繊維としては生体溶解性無機繊維が人体への影響が少ない点から好ましい。このような生体溶解性無機繊維は、SiO−CaO−MgO系繊維やSiO−CaO−MgO−Al系繊維、SiO−MgO−SrO系繊維等の生体溶解性セラミック繊維や生体溶解性ロックウール等が挙げられる。
本発明に係る摩擦材の製造方法の具体的な態様としては、周知の製造工程により行うことができ、例えば、上記各成分を配合し、その配合物を通常の製法に従って予備成形、熱成形、加熱、研摩等の工程を経て摩擦材を作製することができる。
摩擦材を備えたブレーキパッドの製造における一般的な工程を以下に示す。
(a)板金プレスによりプレッシャプレートを所定の形状に成形する工程、
(b)上記プレッシャプレートに脱脂処理、化成処理及びプライマー処理を施す工程、
(c)繊維基材、摩擦調整材、及び結合材等の粉末原料とを配合し、撹拌により十分に均質化した原材料を、常温にて所定の圧力で成形して予備成形体を作製する工程、
(d)上記予備成形体と接着剤が塗布されたプレッシャプレートとを、所定の温度及び圧力を加えて両部材を一体に固着する熱成形工程、
(e)アフタキュアを行って、最終的に研摩、表面焼き、及び塗装等の仕上げ処理を施す工程。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(原材料)
チタン酸リチウムカリウム(非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウム):TERRACESS L−SS(大塚化学株式会社製)
チタン酸カリウム(複数の凸部形状を有するチタン酸カリウム):TERRACESS JP(大塚化学株式会社製)
生体溶解性無機繊維:Biostar600/70(株式会社ITM製)
黒鉛:G−152A(東海カーボン株式会社、平均粒径700μm)
参考例1〜5、実施例6〜10及び比較例1〜4)
(摩擦材の作製)
繊維基材、摩擦調整材、及び結合材を、表1に記載の配合割合でミキサーを用いて混合した後、予備成形型に投入し、20MPaで10秒間、常温での加圧により予備成形体を作製した。次いで、当該予備成形体を熱成形型に投入し、予め接着剤を塗布した金属板(プレッシャプレート)を重ね、150℃、40MPaで5分間加熱加圧成形を行った。得られた加熱加圧成形体に対して220℃で3時間熱処理を行い、所定の厚み(摩擦材の厚み11mm、プレッシャプレート厚み6mm)に研摩、表面焼き、塗装し、摩擦材A〜Nを得た。
(摩擦試験)
上記方法により得られた摩擦材A〜Nについて、ダイナモ試験機を用いてJASO−C406に準拠して摩擦試験を行った。第二効力摩擦係数、第一フェード最低摩擦係数、パッド摩耗量、及びロータ摩耗量の結果を表1に示す。
・第二効力摩擦係数
第二効力摩擦係数は50km/h、2.94m/sにおける値を測定した。摩擦係数(0.45)を基準とし、その±5%以内の数値範囲(0.43〜0.47)に収まった場合を有効であると判定した。
・第一フェード最低摩擦係数
第一フェード最低摩擦係数は、0.26以上の値であった場合を有効であると判定した。
・パッド摩耗量
耐摩耗性は、銅繊維を含む比較例1におけるパッド摩耗量を基準とし、その−10%以下の場合を◎、−10%〜0%の場合を○、0〜10%の場合を△、10%以上の場合を×として有効性の判定を行った。
・ロータ摩耗量
相手材攻撃性は、銅繊維を含む比較例1におけるロータ摩耗量を基準とし、その−10%以下の場合を◎、−10%〜0%の場合を○、0〜10%の場合を△、10%以上の場合を×として有効性の判定を行った。
(鳴き評価)
上記方法により得られた摩擦材A〜Nについて、JASO−C427試験方法に準拠し、温度別に摩擦試験を実施した。結果を表1に示す。
2kHz以上の周波数で60dB以上の音圧の音が制動回数の10%以下発生した場合を◎、10%〜25%発生した場合を○、25%〜50%発生した場合を△、50%以上発生した場合を×として有効性の判定を行った。
表1より、銅成分を含まない摩擦材であっても、層状のチタン酸リチウムカリウムと粒子状で複数の凸部を有するチタン酸カリウムとを組み合わせて、適切な範囲の配合組成で無機充填材として使用した場合、従来の銅配合摩擦材(比較例1)と同等以上の摩擦性能、耐摩耗性および鳴き特性を発現できることを見出した。さらに、結合材としてエラストマー変性フェノール樹脂を用いることで、効力の安定性向上やブレーキ鳴きがより改良される結果となった。
本発明は、環境汚染の可能性がある銅成分を用いることなく、優れた効力安定性、耐摩耗性、鳴き特性を有する摩擦材を提供するものである。
本願発明に係る摩擦材は、環境に負荷をかけることなく、自動車、鉄道車両、各種産業機械等のディスクパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等に好適に用いることができる。
1:複数の凸部形状を有するチタン酸化合物、2:凸部

Claims (5)

  1. 繊維基材、摩擦調整材及び結合材を含む摩擦材であって、前記摩擦調整材は2種以上の非ウィスカー状チタン酸化合物を含有し、前記非ウィスカー状チタン酸化合物は非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウム及び複数の凸部形状を有するチタン酸化合物を少なくとも含み、前記結合材がエラストマー変性フェノール樹脂を含み、銅成分を含まない、摩擦材。
  2. 前記複数の凸部形状を有するチタン酸化合物が、複数の凸部形状を有するチタン酸カリウムである、請求項1に記載の摩擦材。
  3. 前記エラストマー変性フェノール樹脂が、アクリルゴム変性フェノール樹脂またはシリコーンゴム変性フェノール樹脂である、請求項1又は2に記載の摩擦材。
  4. 前記非ウィスカー状チタン酸リチウムカリウムを1〜30体積%含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の摩擦材。
  5. 前記複数の凸部形状を有するチタン酸化合物を1〜25体積%含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の摩擦材。
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