JP6156696B2 - 1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン、その製造方法並びにそれを用いた1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法 - Google Patents

1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン、その製造方法並びにそれを用いた1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法 Download PDF

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本発明は、1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン及びその製造方法並びにそれを用いた1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法に関する。本発明により製造される1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンは、求核的モノフルオロメチル基導入剤として知れており、各種、医農薬や電子材料の合成原料として有用な化合物である。
従来より、本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン及びその製造方法は知られていない。また、本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを原料とし、1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを製造する方法も知られていない。
一方、1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法としては、ビス(フェニルスルホニル)メタンを水素化ナトリウムによりアニオンとした後、N−フルオロ−N′−(クロロメチル)トリエチレンジアミン ビス(テトラフルオロボラート)を反応させ製造する方法等が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような特許文献1等に記載の従来の方法で1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを製造する場合、反応後の粗製物が、原料のビス(フェニルスルホニル)メタン及び過フッ素化物の1,1−ジフルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの混合物となり、高純度の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを得るためにはシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製が必須で、工業的な大量スケールでの製造が困難であった。
特許第4951754号公報
本発明の目的は、医農薬の合成原料として有用な新規1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを提供することにあり、また工業的スケールで高純度の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを得る方法を提供することにある。
本発明者らは、カラム精製等を用いない高純度1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの工業的な製法について鋭意検討した結果、ビス(フェニルスルホニル)メタンを臭素化の後、再結晶精製により得られる1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンを親電子的フッ素化剤によりフッ素化することにより、新規な1−ブロモ−1−フルオロ(フェニルスルホニル)メタンを得、次いで水素添加反応等の還元反応を行うことにより、カラム精製等の精製操作を行うことなく高純度1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 0006156696
で表される1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンである。
また本発明は、1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンと親電子フッ素化剤を塩基存在下、反応させる上記の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法である。
また本発明は、上記の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを還元する、高純度1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法である。
本発明により、医農薬の合成原料として有用な新規1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを提供でき、また、該化合物を用いた高純度1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの工業的な製造方法が提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料として使用する1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンは、公知の方法で調製可能で、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタンを水素化ナトリウムによりアニオンとした後、臭素と反応させることにより粗製物を得、次いで再結晶精製することにより高純度品が得られる。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを得る方法としては、原料の1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンと親電子フッ素化剤を塩基存在下反応させるか、一旦水素化ナトリウム等によりアニオンとした後、親電子フッ素化剤と反応させることにより製造可能である。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造に適用可能な親電子フッ素化剤としては、具体的には例えば、N−フルオロビス(メチルスルホニル)イミド、N−フルオロビス(トリフルオロメチル)イミド、N−フルオロビス(フェニルスルホニル)イミド、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)、N−フルオロ−N’−メチルトリエチレンジアミン ビス(テトラフルオロボラート)、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム テトラフルオロボラート、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホナート、N−フルオロピリジニウム テトラフルオロボラート、N−フルオロピリジニウム トリフルオロメタンスルホナート等が挙げられ、反応に具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、1.1〜2.5モル量使用する。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造に適用可能な塩基としては、具体的には例えば、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム等が挙げられ、反応に具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、1.1〜2.5モル量使用する。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造に適用可能な溶剤としては、反応に不活性なものであればあらゆるものが適用可能であるが、具体的には例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤が挙げられ、反応に具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、3〜50重量倍量使用する。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造の反応温度及び時間としては、用いる親電子フッ素剤の種類、用いる塩基の種類及び用いる溶剤の種類により異なるが、通常0〜100℃の温度範囲で、5〜40時間反応を行うことにより目的物の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを得ることが可能である。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンは、還元反応を行うことにより、高純度の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを与える。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの還元反応としては、金属触媒存在下での水素による水素添加反応や、リチウムアルミニウムヒドリドやナトリウムボロヒドリド、水素化ナトリウム等の水素化金属、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の無機還元剤による方法が挙がられるが、選択性及び後処理の容易さで遷移金属触媒存在下での水素による水素添加反応が好ましい。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを水素添加反応する場合に適用可能な金属触媒としては、白金−炭素、ロジウム−炭素、ルテニウム−炭素、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素、ラネーニッケル等が挙げられるが、好ましくはパラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素で、反応に具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、0.0001〜0.2モル量使用する。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの水素添加反応に適用可能な溶剤としては、反応に不活性なものであれば特に規定はないが、具体的には例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶剤、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられ、反応に具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、2〜200重量倍量使用する。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの水素添加反応に当たって、副生物として臭化水素が発生するため、有機酸を溶剤として用いる以外の場合において、中和の目的で炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の中和剤を用いても良く、その量は1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、等しいモル以上使用する。さらに中和剤を使用する際は、中和を効率的に行う目的で、使用する溶剤量に対して、1〜30重量比の水を添加することが好ましい。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの水素添加反応に当たって、使用する水素は、反応に具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して、1.1モル倍量以上であれば問題なく、また、常圧下また加圧下で実施しても良い。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの水素添加反応の反応温度及び時間としては、0〜60℃の温度範囲で、2〜24時間反応させることにより反応は完結する。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンのリチウムアルミニウムヒドリト゛やナトリウムボロヒドリド、水素化ナトリウム等の水素化金属による還元反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤等の反応に不活性な溶媒を、反応の具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して5〜50重量倍量使用し、リチウムアルミニウムヒドリト゛やナトリウムボロヒドリド、水素化ナトリウム等の水素化金属は1.1〜4.0モル量使用し、0〜60℃の温度範囲で、1〜24時間反応することにより目的物の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを得ることが可能である。
本発明の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の無機還元剤による還元反応は、例えば水−メタノール混合溶媒を反応の具する1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンに対して5〜50重量倍量使用し、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の無機還元剤は1.1〜4.0モル量使用し、20〜60℃の温度範囲で、1〜24時間反応することにより目的物の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを得ることが可能である。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
参考例1 1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンの調製
撹拌子を備えた500mLのナス型フラスコにビス(フェニルスルホニル)メタン(10.00g,33.7mmol)及び塩化メチレン(300mL)を仕込み、室温下、撹拌することにより溶解させた。
次いで、室温下、ナトリウムメトキシド(28%−メタノール溶液,6.86g,35.4mmol)を、滴下ロートを用い、1時間かけて滴下した後、これらが入ったナス型フラスコに、あらかじめ室温に調整した臭素(5.40g,33.8mmol)を1時間かけて滴下し、さらに同温度で1時間撹拌を行った。
反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を添加、余剰の臭素を亜硫酸水素ナトリウムの粉末を添加することにより還元、分液し、飽和重曹水で洗浄し、さらに硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより粗製物(13.2g)を得た。
得られた粗製物は、トルエンを用い再結晶することにより、純度99%の1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタン(4.43g,11.8mmol,収率40%)を白色固体として得た。
この白色固体をCDCl3で溶解し、1H−NMRにて分析して次の結果を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ5.74(s,1H)、7.26−7.65(m,4H)、7.74−7.78(m,2H)、8.04−8.07(m,4H)ppm。
この結果から得られたものは1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンと確認した。
実施例1 1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの調製
撹拌子を備えた200mLのナス型フラスコに、参考例1の方法で調製した1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタン(4.43g,11.8mmol)、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)((6.28g,17.7mmol)及び塩化メチレン(100mL)を添加し、室温下、撹拌することにより溶解させた。
次いで、これに4−ジメチルアミノピリジン(2.32g,19.0mmol)を添加し、同温度で 16時間撹拌を行った。
反応終了後、飽和塩化アンモニム水溶液(30mL)を添加、分液、水層を塩化メチレン(10mL)で2回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、純度99%の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.95g,10.0mmol,収率85%)を白色固体として得た。
この白色固体をCDCl3で溶解し、1H−NMR、13C−NMR、19F−NMRにて分析して次の結果を得た。また、HRMSの測定結果も得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ7.61−7.65(m,4H)、7.78−7.81(m,2H)、8.05−8.08(m,4H)ppm。
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ74.88、129.32、130.76、135.61、135.92ppm。
19F−NMR(376MHz,CDCl3)δ−108.13ppm。
HRMS(ESI-TOF)計算値[C1310BrFO42-Na]+:416.2461、測定値:416.2465。
この結果から得られたものは1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンと確認した。
実施例2 1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの調製
撹拌子を備えた200mLのナス型フラスコに、参考例1の方法で調製した1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタン(4.43g,11.8mmol)、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホナート(3.21g,13.0mmol)及び塩化メチレン(100mL)を添加し、室温下、撹拌することにより溶解させた。
次いで、これにトリエチルアミン(1.31g,13.0mmol)を添加し、40℃で16時間撹拌を行った。
反応終了後、飽和塩化アンモニム水溶液(30mL)を添加、分液、水層をジクロロメタン(10mL)で2回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、純度98%の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.81g,9.68mmol,収率82%)を白色固体として得た。
実施例3
撹拌子を備えた200mLのナス型フラスコに、参考例1の方法で調製した1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタン(4.43g,11.8mmol)、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(4.60g,13.0mmol)及び塩化メチレン(100mL)を添加し、室温下、撹拌することにより溶解させた。
次いで、これにナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液,2.62g,13.6mmol)を添加し、10℃で4時間撹拌を行った。
反応終了後、飽和塩化アンモニム水溶液(30mL)を添加、分液、水層を塩化メチレン(10mL)で2回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、純度99%の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.67g,9.32mmol,収率79%)を白色固体として得た。
実施例4
撹拌子を備えた200mLのナス型フラスコに、参考例1の方法で調製した1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタン(4.43g,11.8mmol)、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(9.61g,27.1mmol)及び塩化メチレン(100mL)を添加し、室温下、撹拌することにより溶解させた。
次いで、これに水素化ナトリウム(60%油性,0.34g,14.2mmol)を添加し、10℃で4時間撹拌を行った。
反応終了後、飽和塩化アンモニム水溶液(30mL)を添加、分液、水層を塩化メチレン(10mL)で2回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、純度99%の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.76g,9.56mmol,収率81%)を白色固体として得た。
実施例5 1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの調製
撹拌子を備えた100mLのナス型フラスコに、実施例1と同じ方法で調製した1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.95g、10.0mmol)、メタノール(40mL)、水(4mL)及び炭酸水素ナトリウム(4.2g,50.0mmol)を仕込み、窒素置換した後、10%−パラジウム炭素(50mg)を仕込み、室温で水素気流下、4時間反応を行った。
反応終了後、触媒をろ別、溶媒を留去、水(50mL)を添加、ジクロロメタン(30mL)で3回抽出、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、粗製物(3.20g)を得た。
得られた粗製物は、クロロホルム/2−プロパノールで晶析することにより、純度99%の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.01g,9.54mmol,収率95%)を白色固体として得た。
この白色固体をCDCl3で溶解し、1H−NMR、19F−NMRにて分析して次の結果を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ5.71(d,1H,J=45.6Hz)、7.60−7.64(m,4H)、7.75−7.79(m,2H)、7.79−8.00(m,4H)ppm。
19F−NMR(376MHz,CDCl3)δ−168.18(d,J=45.1Hz)ppm。
この結果から得られたものは1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンと確認した。
実施例6 1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの調製
撹拌子を備えた100mLのナス型フラスコに、実施例1と同じ方法で調製した1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.95g、10.0mmol)、メタノール(40mL)を仕込み、窒素置換した後、10%−水酸化パラジウム炭素(35mg)を仕込み、室温で水素気流下、6時間反応を行った。
反応終了後、触媒をろ別、溶媒を留去することにより粗製物(3.42g)を得た。
得られた粗製物は、クロロホルム/2−プロパノールで晶析することにより、純度99%の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.08g,9.80mmol,収率98%)を白色固体として得た。
実施例7
撹拌子を備えた100mLのナス型フラスコに、実施例1と同じ方法で調製した1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(3.95g、10.0mmol)、テトラヒドフラン(20mL)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.76g,20mmol)を仕込み、50℃で8時間反応を行った。
反応終了後、1N−塩酸(10mL)添加、ジクロロメタン(10mL)で4回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより、粗製物(3.28g)を得た。
得られた粗製物は、クロロホルム/2−プロパノールで晶析することにより、純度97%の1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン(2.89g,9.20mmol,収率92%)を白色固体として得た。
比較例1 1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの調製
特許第4951754号公報に記載の方法に従い、撹拌子を備えた500mlのナス型フラスコに、ビス(フェニルスルホニル)メタン(2.40g,8.13mmol)及びテトラヒドロフラン(400mL)を仕込み、0℃へ冷却した後、これに水素化ナトリウム(60%油性,0.33g,8.13mmol)を添加した後、室温下、1時間反応を行い、ビス(フェニルスルホニル)メチル−ナトリウムのスラリーを調製した。
次いで、別の撹拌機を備えた(2000mL)のナス型フラスコに、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(2.88g,8.13mmol)及びアセトニトリル(500mL)を仕込み、室温下撹拌し、溶解させた後、これに、先に調製したビス(フェニルスルホニル)メチル−ナトリウムのスラリーを室温下1時間かけて添加した後、さらに1時間撹拌を行った。
反応終了後、飽和の塩化アンモニム水溶液(300mL)を加えた後、分液、水層をジクロロメタン(100mL)で2回抽出、有機層を合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮することにより粗製物(2.80g)を得た。得られた粗製物はベンゼントリフルオリドを内部標準として用いた19F−NMRの測定において、59重量%含有されていた(収率65%)。
得られた粗製物について、トルエンを用いた再結晶を3回繰り返したが、得られた固体の純度は82重量%で、再結晶操作では高純度品を得ることができなかった。
本発明の新規1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンは、医農薬中間体の合成原として有用で、また、モノフルオロメチル基導入剤として有用な1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの工業的製造原料として利用可能である。

Claims (3)

  1. 下記式(1)
    Figure 0006156696
    で表される1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン。
  2. 1−ブロモビス(フェニルスルホニル)メタンと親電子フッ素化剤を塩基存在下、反応させる、請求項1に記載の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法。
  3. 請求項1に記載の1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンを還元する、高純度1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法。
JP2013214684A 2013-10-15 2013-10-15 1−ブロモ−1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタン、その製造方法並びにそれを用いた1−フルオロビス(フェニルスルホニル)メタンの製造方法 Active JP6156696B2 (ja)

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