JP6156314B2 - マンドレルバーの冷却方法および冷却設備 - Google Patents

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本発明は、マンドレルミルで圧延された管体から引き抜かれたマンドレルバーの冷却方法および冷却設備に関するものである。
継目無鋼管(いわゆるシームレス鋼管)を製造する一連の工程の中にマンドレルミルがある。マンドレルミルは、一対の孔型ロールを直列に複数台配置した圧延機である。そしてマンドレルミルにおいては、加熱炉で加熱された丸鋼片(いわゆるビレット)を穿孔機(いわゆるピアサー)で穿孔して得た素管にマンドレルバーを挿入したまま圧延し、素管の外径と肉厚を絞り、マンドレルバーに沿って延伸した管体として出側に排出する。
引き続きマンドレルミルの出側で、マンドレルバーを内装した管体をストッパーに当接させ、さらに引抜き装置を用いてマンドレルバーを管体から抜き出す。このようにして得た管体は、後工程(すなわち再加熱炉、レデューサー等)に送給される。一方、管体から引き抜かれたマンドレルバーは、冷却され、さらに表面に潤滑剤を塗布されてマンドレルミルの入側に搬送され、再び素管に挿入される。このように、マンドレルバーは循環して、繰り返し使用される。
マンドレルバーの温度は、マンドレルミルの入側で高温の素管に挿入されることによって上昇し、出側で管体から引き抜かれた後に低下する。つまりマンドレルバーは、循環使用される間に、圧延や搬送によって作用する荷重のみならず、加熱と冷却の熱サイクルを繰り返し受けるので、その結果、荷重や熱応力に起因する割れ(以下、ヒートチェックという)が表面に発生する。
マンドレルバーの表面にヒートチェックが発生すると、
(a)マンドレルミルの圧延中に素管がマンドレルバーに焼き付く、
(b)マンドレルミルの圧延中に素管の内面に焼き付き疵やすり疵が発生する、
(c)圧延終了後、マンドレルバーを引き抜くときに管体が焼き付く、
(d)マンドレルバーを引き抜くときに管体の内面に焼き付き疵やすり疵が発生する、
(e)マンドレルバーを循環使用する間に疲労亀裂が発生する起点となり、マンドレルバーの割損が発生する
等の問題の原因となる。これらの問題点のうち、(b)(d)の焼き付き疵やすり疵は、その後の工程(すなわち再加熱炉、レデューサー等)を経て製造した継目無鋼管にも残留するので、歩留りの低下を招く。また、(a)(c)(e)は、マンドレルミルのみならず継目無鋼管の製造工程全体の操業停止を引き起こし、生産性の低下を招く。
そこで、マンドレルバーの使用限界の基準値(たとえば使用日数、循環回数等)を予め設定しておき、その基準に到達したマンドレルバーを廃却することによって、これらの問題が生じるのを防止する試みがなされている。しかし、マンドレルミルの操業条件やマンドレルバーの材質等の要因が複雑に影響を及ぼすので、マンドレルバーの使用限界は一律に規定できず、上記の(a)〜(e)の問題を解消するには到っていない。
また、近年、継目無鋼管の新たな用途として耐腐食性や耐クリープ性が求められる分野にて使用できるように、好適な合金元素(たとえばCr、Ni等)を多量に含有させた継目無鋼管が開発され、しかもその生産量が増加している。耐腐食性や耐クリープ性に優れた継目無鋼管は、合金元素を多量に含有しているので、熱間強度が上昇しており、マンドレルミルでその管体を圧延する際に、一般鋼と比較して、マンドレルバーの表面に大きな面圧が発生する。
このような継目無鋼管の製造工程にて、マンドレルミルでその管体を圧延するために使用するマンドレルバーの材質は熱間工具鋼(たとえばJIS規格に規定されるSKD6やSKD61等)であるが、マンドレルバーの面圧の増大、ひいてはマンドレルバーに加わる負荷(すなわち荷重負荷、熱負荷)の増大は回避できない。その結果、ヒートチェックが発生し易くなるので、マンドレルバーの寿命が短くなるという問題が生じる。なお、SKD6およびSKD61の成分は表1に示す通りであり、残部はFeおよび不可避的不純物である。
Figure 0006156314
そこで、マンドレルバーのヒートチェックを防止する技術が検討されている。
たとえば特許文献1、2には、管体から引き抜いたマンドレルバーを、スキッド上に蹴り出し、回転させながら冷却することで均一な冷却を実現し、マンドレルバーの冷却中に発生する曲がりを抑制する技術が開示されている。曲がりによって湾曲したマンドレルバーを素管に挿入して圧延すると、湾曲部に荷重が集中するので、マンドレルバーのヒートチェックや割損が発生し易くなる。したがって、マンドレルバーの曲がりを防止できれば、圧延中に生じるヒートチェックや割損を抑制する効果は得られる。
しかし特許文献1、2に開示された発明は、マンドレルバーの曲がりを防止する技術であるから、管体から引き抜いたマンドレルバーの冷却速度は規定されておらず、その冷却速度で行なう冷却の停止温度も規定されていない。したがって、マンドレルバーを回転して冷却する間に、ヒートチェックが発生するのは避けられず、それが起点となって割損を引き起こすという問題がある。しかもスキッド上でマンドレルバーを回転させ、かつ冷却水を吹き付けるので、スキッドの構成が複雑になり、多額の投資が必要となる。
特開昭60-40927号公報 特開昭61-42405号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、マンドレルミルで圧延された管体からマンドレルバーを引き抜いた後、冷却中のマンドレルバーにヒートチェックが発生するのを防止し、その結果、ヒートチェックを起点とする割損も防止する冷却方法および冷却設備を提供することを目的とする。
本発明者は、冷却中のマンドレルバーにヒートチェックが発生する原因について調査した。そして、管体から引き抜いたマンドレルバーの冷却速度が大きすぎる場合に、表面にヒートチェックが発生することが分かった。さらに、マンドレルバーを循環使用するうちに、荷重や熱応力が繰り返し作用することによって、ヒートチェックが進展し、さらに割損に至るという知見を得た。つまり、ヒートチェックを防止し、ひいては割損を防止するためには、管体から引き抜いた後のマンドレルバーの冷却速度を小さく抑える必要がある。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、マンドレルミルで圧延された管体から引き抜かれたマンドレルバーの冷却方法において、マンドレルバーを管体から引き抜いた後、潤滑剤を塗布する前に、マンドレルバーの表面温度が200℃以下に低下するまで、平均冷却速度を100℃/秒以下として緩冷却を行なうマンドレルバーの冷却方法である。
本発明の冷却方法においては、平均冷却速度を50℃/秒以下として緩冷却を行なうことが好ましい。また、緩冷却を行なった後、平均冷却速度100℃/秒超でマンドレルバーの急冷却を行なうことが好ましい。さらにマンドレルバーの表面温度が50℃以上で急冷却を停止することが好ましい。潤滑剤を塗布する際の、マンドレルバーの表面温度は50℃以上が好ましい。
また本発明は、マンドレルミルで圧延された管体から引き抜かれたマンドレルバーの冷却設備であって、管体から引き抜いたマンドレルバーを平均冷却速度100℃/秒以下で表面温度200℃以下まで緩冷却することができる緩冷却装置を有するマンドレルバーの冷却設備である。
本発明の冷却装置においては、緩冷却装置の出側に、マンドレルバーの急冷却を行なう急冷却装置を有することが好ましい。その急冷却装置は冷却水槽であることが好ましい。
本発明によれば、マンドレルミルの出側で管体からマンドレルバーを引き抜いた後、マンドレルバーの冷却中にヒートチェックが発生するのを防止し、そのヒートチェックを起点とする割損も防止でき、マンドレルバーの寿命を向上すること可能となるので、産業上格段の効果を奏する。また、継目無鋼管の内面性状を改善する効果も得られる。
(a)は急冷却を行なわずに操業するための緩冷却装置および関連機器の配列の 例を参考として示すフロー図であり、(b)は本発明を適用してマンドレルミルを操業するための緩冷却装置および関連機器の配列の例を示すフロー図である。 ヒートチェックの分布の例を示すグラフである。 熱応力の分布の例を示すグラフである。 熱応力の分布の他の例を示すグラフである。 バー表面温度と潤滑剤付着量との関係を示すグラフである。
図1(a)は急冷却を行なわずに操業するための緩冷却装置および関連機器の配列の例を参考として示すフロー図であり、図1(b)は、本発明を適用してマンドレルミルを操業するための緩冷却装置および関連機器の配列の例を示すフロー図である。マンドレルミルでは、加熱炉で加熱された丸鋼片(いわゆるビレット)を穿孔機(いわゆるピアサー)で穿孔して得た素管にマンドレルバーを挿入したまま圧延し、素管の外径と肉厚を絞り、マンドレルバーに沿って延伸した管体として出側に排出する。
引き続きマンドレルミルの出側で、マンドレルバーを内装した管体をストッパーに当接させ、さらに引抜き装置を用いてマンドレルバーを管体から抜き出す。このようにして得た管体は、後工程(すなわち再加熱炉、レデューサー等)に送給される。一方、管体から引き抜かれたマンドレルバーは、緩冷却装置で緩冷却(図1(a)参照)された後、必要に応じて急冷却装置で急冷却(図1(b)参照)され、さらに潤滑剤塗布装置で表面に潤滑剤を塗布されてマンドレルミルの入側に搬送され、再び素管に挿入される。このように、マンドレルバーは循環して、繰り返し使用される。
図1に示す緩冷却装置は、所定の冷却速度でマンドレルバーを冷却することが可能なものであれば良く、構成は特に限定しない。たとえば、
(A)水のみを冷媒として用いる水スプレー冷却あるいは水シャワー冷却、
(B)気水混合流体を冷媒として用いるミスト冷却、
(C)圧縮空気や送風による空冷、
(D)大気中での放冷、
(E)雰囲気炉、誘導加熱炉、フードを用いた徐冷
等の手段で緩冷却を行なう。ただし、マンドレルバー全体を均一に緩冷却するために、マンドレルバーを軸芯の周りに回転させながら緩冷却を行なうことが好ましい。マンドレルバーを回転させる手段は、従来から知られている機器(たとえばターニングローラ等)を使用すれば良い。
緩冷却においてマンドレルバーを軸芯の周りに回転させる場合は、回転速度が遅すぎると、マンドレルバーを均一に冷却して熱応力を低減する効果が得られない。一方、回転速度が速すぎると、マンドレルバーの曲がりを助長する。したがって、マンドレルバーの回転数は10〜60回/分が好ましい。
このようにして、マンドレルバーの表面温度(以下、バー表面温度という)が200℃以下に低下するまで、平均冷却速度100℃/秒以下で緩冷却を行なう。
ここで、緩冷却における平均冷却速度について説明する。
まず、マンドレルバーに発生するヒートチェックの分布を調査するために、マンドレルミルの出側で管体からマンドレルバーを引き抜いた後、緩冷却を行なわず、急冷却を施してヒートチェックを発生させた。そのマンドレルバーを複数回使用した後、先端から1m間隔でヒートチェックの深さを測定した。その結果を図2に示す。
図2から明らかなように、高温の管体が接触する部位では、ヒートチェックの深さは300〜350μmの範囲でほぼ一定であり、管体から突出する先端部と後端部のヒートチェックは浅くなっている。そして、深さが最も大きいヒートチェック(深さ350μm)から、圧延負荷によって進展したと考えられる疲労亀裂が多数発生していた。このことから、マンドレルバーのヒートチェックは、マンドレルミルにて圧延することによって、温度が上昇する部位に集中して発生することが分かる。
つまり、マンドレルバーは、マンドレルミルの入側で素管に挿入されて、そのまま圧延される間に素管からの入熱によって、温度上昇が生じる。そしてマンドレルミルの出側で管体から引き抜かれたマンドレルバーは、搬送中に冷却されて、緩冷却装置へ送給される。従来は緩冷却を行なわず、冷却水浸漬方式や冷却水噴射方式の急冷却を行なっていたが、急冷却によってマンドレルバーの表面と内部に温度差が生じ、その結果、膨張量のバラツキに起因する引張応力(すなわち熱応力)が発生する。この熱応力がヒートチェックを引き起こし、さらに進行させる原因となる。
したがって、緩冷却を行なってマンドレルバーの表面と内部の温度差を小さく抑えることによって、ヒートチェックの発生と進行を防止することが可能となる。
そこで、緩冷却における好適な平均冷却速度について調査した。ここで、平均冷却速度は、緩冷却を開始するときのバー表面温度と停止するときのバー表面温度の温度差(℃)を、緩冷却の所要時間(秒)で除した値である。
緩冷却の効果を調査するために、有限要素法を用いて非定常伝熱解析を行ない、マンドレルバーの内部に発生する引張応力(すなわち熱応力)の分布図を作成した。その結果が図3であり、平均冷却速度104℃/秒の分布曲線が、緩冷却を行なわず、急冷却(冷却水浸漬)を行なった場合の熱応力の分布を示している。この分布曲線と図2とを対比すると、深さ300〜350μmのヒートチェックが発生するときには、180〜220MPaの熱応力が発生したことが分かる。
一方で、マンドレルバーを管体から引き抜いた後に緩冷却(冷却速度12℃/秒、41℃/秒、95℃/秒)を行なった場合には、ヒートチェックを誘発する180〜220MPaの熱応力が発生するのは、マンドレルバーの表面から240〜320μmの位置である。つまり、平均冷却速度100℃/秒以下で緩冷却を行なうことによってマンドレルバーの表面からの抜熱量が減少し、かつマンドレルバーの内部からの伝熱による復熱がその抜熱と均衡することによって、熱応力が著しく低減するので、ヒートチェックの発生と進行を抑制する効果が顕著に発揮される。
このような理由で、緩冷却における平均冷却速度は100℃/秒以下とする。好ましくは50℃/秒以下である。ただし、平均冷却速度が小さすぎると、緩冷却に長時間を要するので、継目無鋼管の生産性の低下を招く。したがって、緩冷却における平均冷却速度は10〜100℃/秒が好ましく、25〜50℃/秒が一層好ましい。
次に、緩冷却を停止するときのバー表面温度(以下、緩冷却停止温度という)について説明する。
図3と同様に有限要素法を用いて非定常伝熱解析を行ない、マンドレルバーを管体から引き抜いた後、平均冷却速度を3.3℃/秒としてバー表面温度が200℃になるまで緩冷却し、さらに急冷却(平均冷却速度104℃/秒)を行なった場合にマンドレルバーの内部に発生する引張応力(すなわち熱応力)の分布図を作成した。その結果が図4である。図4中の強冷却のみの分布曲線は、図3に示す平均冷却速度104℃/秒の分布曲線と同じである。
図4から明らかなように、バー表面温度が200℃に低下するまで緩冷却を行なえば、その後、平均冷却速度が100℃/秒を超える急冷却を行なっても、熱応力が大幅に低減することが分かる。つまり緩冷却停止温度を200℃以下とすることによって、急冷却装置で使用する冷却水とマンドレルバーとの温度差が減少し、急冷却による抜熱量が減少するので、ヒートチェックを誘発する熱応力を低減することが可能となる。
このような理由で、緩冷却停止温度は200℃以下とする。ただし、緩冷却停止温度が低すぎると、緩冷却に長時間を要するので、継目無鋼管の生産性の低下を招く。したがって、緩冷却停止温度は、生産性向上の観点から、50〜200℃が好ましい。
緩冷却を停止した後の、マンドレルバーの冷却手段は特に限定しない。ただし、緩冷却を停止した後に急冷却(平均冷却速度100℃/秒超え)を行なうことによって、熱応力の低減に加えて生産性の向上の効果も得られるので好ましい。急冷却においては、バー表面温度が50℃に到達するまでに急冷却を停止する。
つまり、まず緩冷却を50℃〜200℃の温度で停止し、次いで、急冷却を停止する温度は緩冷却停止温度より低く、かつ50℃以上とすることが好ましい。その理由を、潤滑剤付着量の観点から以下に説明する。
図5は、バー表面温度と潤滑剤付着量との関係を示すグラフである。図5から明らかなように、バー表面温度が50℃未満では、潤滑剤の付着量が著しく低下する。その結果、既に説明した(a)(c)の問題が原因となって、マンドレルミルのみならず継目無鋼管の製造工程全体の操業停止を引き起こし、生産性の低下を招く。したがって緩冷却あるいは急冷却を停止する温度(すなわち潤滑剤を塗布する際のバー表面温度)の下限値は50℃が好ましい。
バー表面温度が200℃を超えると、潤滑剤が容易に流れ落ちてしまうので、潤滑剤の付着量の測定が困難であった。そのため図5では、バー表面温度200℃超えのデータは図示を省略する。
バー表面温度の測定は、マンドレルバーの搬送中に熱間で行なうので、非接触式の温度計(たとえば放射温度計等)を使用する。また、急冷却は、冷却水槽にマンドレルバーを浸漬して行なうことによって、既存の設備を活用できるので好ましい。
マンドレルミルにて、マンドレルバーを、表2に示すような条件で冷却して循環使用しながら、継目無鋼管を製造した。
比較例1は、緩冷却を行なわず、急冷却のみを採用した例である。この例では、急冷却の平均冷却速度、ならびに急冷却を停止したときのバー表面温度を表2に示す。また、急冷却が終了した後に潤滑剤を塗布するので、急冷却を停止したバー表面温度と潤滑剤塗付温度は等しくなる。なお、急冷却は冷却水槽にマンドレルバーを浸漬して行なった。
参考例1〜3は、緩冷却のみを採用した例(図1(a)参照)であり、緩冷却における平均冷却速度、緩冷却停止温度は表2に示す通りである。この例では、急冷却を行なわず、緩冷却が終了した後に潤滑剤を塗布するので、緩冷却停止温度と潤滑剤塗付温度は等しくなる。なお緩冷却は、マンドレルバーをターニングローラで軸芯の周りに、回転速度20回/分で回転させながら、冷却水を吹き付けて行なった(いわゆる水スプレー冷却)。
発明例4〜6は、緩冷却を行ない、さらに急冷却を行なった例(図1(b)参照)であり、緩冷却における平均冷却速度、緩冷却停止温度は表2に示す通りである。この例では、緩冷却の後に急冷却を行なうので、潤滑剤塗付温度は緩冷却停止温度よりも低くなる。なお、急冷却における平均冷却速度は、比較例1と同じ105℃/秒であった。
Figure 0006156314
このような条件でマンドレルバーを冷却しながら循環使用し、使用限界(いわゆる寿命)の基準に到達したマンドレルバーをクレーンで吊り出して、室温まで空冷した後、ヒートチェックの深さを測定した。マンドレルバーの使用限界の基準は、ヒートチェックのみならず、窪みやすじ疵等の様々な要因に基づいて設定されており、上記のクレーンで吊り出したマンドレルバーの表面には種々の欠陥が存在する。それらの欠陥の中からヒートチェックを選別して、深さを測定した。そのデータの最大値を表2に示す。また、マンドレルバーの寿命は、比較例1を100として、相対的な比率で表2に示す。
表2から明らかなように、発明例〜6のヒートチェックの最大深さは265〜310μmであったのに対して、比較例1は緩冷却を行なわなかったので、ヒートチェックが著しく深く(355μm)なっている。
緩冷却のみを採用した比較例2は、ヒートチェックの最大深さが150μmであり、発明例よりも浅くなっている。これは、潤滑剤塗布温度(すなわち急冷却を停止する温度)が50℃を下回るために、潤滑剤が十分に塗付されず、マンドレルバーの焼き付きが発生したことが原因である。つまり発明例に比べて、寿命が極めて短くなり、ヒートチェックが成長する前に使用限界の基準に到達した。
以上の通り、本発明によれば、ヒートチェックが発生と成長を抑え、かつマンドレルバー寿命を向上できることが確かめられた。

Claims (6)

  1. マンドレルミルで圧延された管体から引き抜かれたマンドレルバーの冷却方法において、前記マンドレルバーを前記管体から引き抜いた後、潤滑剤を塗布する前に、前記マンドレルバーの表面温度が200℃以下に低下するまで、平均冷却速度を100℃/秒以下として緩冷却を行ない、その後、平均冷却速度100℃/秒超で前記マンドレルバーの急冷却を行なうことを特徴とするマンドレルバーの冷却方法。
  2. 前記平均冷却速度を50℃/秒以下として前記緩冷却を行なうことを特徴とする請求項1に記載のマンドレルバーの冷却方法。
  3. 前記マンドレルバーの表面温度が50℃以上で前記急冷却を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のマンドレルバーの冷却方法。
  4. 前記潤滑剤を塗布する際の、前記マンドレルバーの表面温度を50℃以上とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のマンドレルバーの冷却方法。
  5. マンドレルミルで圧延された管体から引き抜かれたマンドレルバーの潤滑剤塗布装置の入側に設置される冷却設備であって、前記管体から引き抜いた前記マンドレルバーを平均冷却速度100℃/秒以下で表面温度200℃以下まで緩冷却することができる緩冷却装置を有し、該緩冷却装置の出側に平均冷却速度100℃/秒超で前記マンドレルバーの急冷却を行なうことができる急冷却装置を有することを特徴とするマンドレルバーの冷却設備。
  6. 前記急冷却装置が冷却水槽であることを特徴とする請求項に記載のマンドレルバーの冷却設備。
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