JP6155548B2 - 有機el素子の製造方法、表示装置、照明装置及び有機el素子の製造装置 - Google Patents

有機el素子の製造方法、表示装置、照明装置及び有機el素子の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、インキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御した印刷法による有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の製造方法、表示装置、照明装置及び製造装置に関する。
有機EL素子は、陽極としての電極と、陰極としての電極との間に、少なくともEL現象を呈する有機発光層を挟持してなる構造を有し、電極間に電圧が印加されると、有機発光層に正孔と電子とが注入され、この正孔と電子とが有機発光層で再結合することにより、有機発光層が発光する自発光型の素子である。
さらに、有機EL素子において、発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層との間に正孔注入層、正孔輸送層、又は、有機発光層と陰極との間に電子輸送層、電子注入層などの機能層が適宜選択して設けられている。そして、有機発光層とこれら正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などの機能層を合わせて有機発光媒体層と呼ばれている。
有機発光媒体層を形成する有機材料には、低分子材料と高分子材料があり、良く使用される方法として、低分子材料では真空蒸着法等により薄膜形成する方法がある。この時に微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。また、真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題もある。
そこで高分子材料や低分子材料を溶媒に溶かしてインキとし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、ディップコート法等がある。しかしながら、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりする場合には、これらのウェットコーティング法では難しく、塗りわけ・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
有機材料を溶媒に溶解又は分散させてインキとした場合、有機材料の溶解性から濃度を1〜5%前後とする必要がある。このインキを印刷する方法としては、弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる有版印刷、さらにはインクジェット印刷法、ノズル印刷法などが提案されている(特許文献1)。
有版印刷によるパターン形成方法としては、凹版印刷、平版印刷、スクリーン印刷、凸版印刷法などが提案されている。しかしながら、被印刷基板としてガラス基板等を用いる有機EL素子やディスプレイでは、基板のキズやゆがみが好ましくないことから、グラビア印刷法のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きである。
また、有機発光層形成材料を溶媒に溶解若しくは分散させたインキは一般に粘度が低いため、オフセット印刷やスクリーン印刷には適さない。これに対し、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法は、基板を傷つけることもなく、低粘度のインキにも適している。実際に、凸版印刷法による有機発光層の形成が提唱されている(特許文献2)。
印刷法によって成膜される有機層の膜厚は一般的には10nm〜200nm程度と薄い
。そのため有機層を印刷法によって成膜する際に基板上に転写されるインキ量はごく微量であり、常温常圧の大気下で大部分のインキ溶媒は数秒〜数分といった短時間で揮発乾燥することが多い。
インキ溶媒の揮発乾燥速度が変化した場合、印刷法で成膜された有機層は、有機ELパネルにおいて隔壁で囲まれた開口内での膜厚平坦性、膜質、開口内中心膜厚に影響を及ぼすことがある。
もし、有機ELパネルにおいて、各素子の有機層の膜厚や膜厚平坦性、膜質が変化してしまった場合、有機EL素子の発光特性に変化が生じ、膜厚や膜厚平坦性や膜質の違いから色合いや輝度の差異が生じやすくなり、パネル面内で有機ELの発光ムラが生じてしまう原因となりうる。
このような原因によりパネル面内の有機層の膜厚や膜厚平坦性や膜質を均一になるようにしなければ、基板の面内全体で発光ムラ、輝度ムラ、輝度バラツキをなくすことが難しいという問題がある。
さらに基板サイズが大きくなるほど基板の一部で発光ムラが生じやすく、発光ムラ、輝度ムラ、輝度バラツキのないパネルの生産が難しくなる傾向にある。
特開2002−305077号公報 特開2008−216949号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、有機層の膜厚平坦性や膜質を改善し、且つ有機層の膜厚や膜厚平坦性や膜質の面内均一性を改善させることにより発光ムラ、輝度ムラ、輝度バラツキのない有機EL素子の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基板と、当該基板上に形成された対向する一対の電極と、前記電極間に設けられ少なくとも有機発光層を含む複数の層からなる発光媒体層と、を有する有機EL素子の製造方法であって、
前記発光媒体層の1層以上を印刷法にて形成し、
前記印刷法における乾燥成膜時に、印刷ユニット設置雰囲気とは分離した、独立雰囲気制御空間および前記独立雰囲気制御空間へ溶媒蒸気を供給する溶媒蒸気供給室を設け、前記溶媒蒸気供給室から前記独立雰囲気制御空間へ供給される溶媒蒸気は多数のノズルを通じて均一に供給され、前記独立雰囲気制御空間にて、インキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御して基板上の印刷転写インキの揮発乾燥を実施し、かつ前記独立雰囲気制御空間に基板上の印刷インキ転写領域が搬送されるまでの時間が、印刷インキの転写後10秒以内であることを特徴とする有機EL素子の製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、前記独立雰囲気制御空間の溶媒蒸気濃度を0〜10vol%の間で制御することを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、前記独立雰囲気制御空間が外部空間に対して陽圧であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL素子の製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、前記印刷法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、基板と、当該基板上に形成された対向する一対の電極と、前記電極間に設けられた、少なくとも有機発光層を含む複数の層からなる発光媒体層と、を有する有機EL素子の、前記複数の層からなる発光媒体層の1層以上を、印刷法にて形成する有機EL素子の製造装置であって、
印刷ユニット設置雰囲気とは独立した、基板上の印刷転写インキを揮発乾燥する独立雰囲気制御空間および前記独立雰囲気制御空間へ溶媒蒸気を供給する溶媒蒸気供給室を具備し、
前記溶媒蒸気供給室から前記独立雰囲気制御空間へ供給される溶媒蒸気は多数のノズルを通じて均一に供給される供給機能を具備し、
前記独立雰囲気制御空間に、インキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御する制御機能を具備し、
前記独立雰囲気制御空間に基板上の印刷インキ転写領域が搬送されるまでの時間を、印刷インキの転写後少なくとも10秒以内に制御する機能を具備したことを特徴とする有機EL素子の製造装置である。
また、請求項に記載の発明は、前記独立雰囲気制御空間の溶媒蒸気濃度を0〜10vol%の間で制御する機能を具備したことを特徴とする請求項に記載の有機EL素子の製造装置である。
また、請求項に記載の発明は、前記独立雰囲気制御空間が外部空間に対して陽圧に制御する機能を具備したことを特徴とする請求項または請求項に記載の有機EL素子の製造装置である。
また、請求項に記載の発明は、前記印刷法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造装置である。
本発明により、膜平坦性や膜質が良好で、且つ基板面内での発光輝度の均一性に優れ、連続生産における特性ばらつきの少ない、印刷法による有機EL素子の製造方法を得ることができる。
本発明の有機EL素子の一例を示す説明図である。 本発明の有機EL素子を用いた表示装置の一例を示す説明図である。 本発明の印刷法の一例を示す説明図である。 本発明の溶媒濃度制御ユニットの一例を示す説明図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、ここでは、有機EL
表示装置に適用される、図1に示すアクティブマトリクス駆動型有機EL表示素子をボトムエミッション型として本発明に適用した場合について説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、パッシブマトリクス駆動型有機EL素子に適用することも可能であり、また、第1電極側から光を取り出すボトムエミッション型及び第2電極側から光を取り出すトップエミッション型の双方の型で実施することが可能である。
図1は、本発明におけるアクティブマトリクス駆動型有機EL表示素子の断面を示した模式図の一例である。図1に示す構造には基板101、第一電極(陽極)102、発光媒体層105、第二電極(陰極)106を備えている。発光媒体層105は1層以上の層構成を持つ有機発光層104を含んでおり、適時選択した機能層103を積層した構造となっている。
機能層103層は正孔輸送層、正孔注入層、インターレイヤ層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層などが構成要素としては考えられ、よく利用される配置として103aに正孔注入層、103bに正孔輸送層又はインターレイヤ層又は電子ブロック層、103cに電子輸送層又は正孔ブロック層、103dに電子注入層を構成する。
本発明の有機EL素子では、発光媒体層105として有機発光層104を含み、また少なくとも1層以上が印刷法で形成されているが、これ以外の積層構造については任意である。例えば、第一電極を陰極、第二電極を陽極とした逆構造でも良く、複数の正孔輸送層あるいは正孔注入層が積層されていても良い。
図2は、有機EL表示装置の一例の断面図である。図2に示す本発明の実施形態に係る有機EL素子を基板上に配列した表示装置100では、基板101に、各発光層領域(画素)毎に具備された画素電極102と、画素電極の画素間を区画する絶縁層107とを備えている。絶縁層はショートを防ぐために画素電極の端部を覆うことが好ましく、一般的にストライプ状あるいは格子状に形成される。アクティブマトリクス駆動の場合には、絶縁層下部に薄膜トランジスタ(TFT)を形成した構成としても良い。
また絶縁層107は、後述のように印刷法で発光媒体層105を形成する場合には、塗液の混入を防ぐバンクの機能を有する。さらに発光媒体層として、図2の有機EL表示装置では、画素電極の上方に形成された正孔輸送層103aと、この正孔輸送層上に形成されたインターレイヤ103bと、インターレイヤ上に印刷法で形成された有機発光層104と、有機発光層上に全面を被覆するように形成された対向電極(陰極)106と、画素電極、絶縁層、正孔輸送層とインターレイヤと有機発光層を含む発光媒体層、対向電極を覆うように基板101と接触した封止体108とを備えた構成としている。
<基板>
本発明で用いることのできる基板101としては、基板に積層される電極や有機発光媒体層を支持することができればよい。基板には、さらに、有機発光媒体層や電極の劣化を防ぐために、水分や酸素の透過率の低い材料や、透過を防ぐ処理を施してあることが好ましい。有機EL表示装置をアクティブマトリクス駆動とする場合には基板として薄膜トランジスタを形成したTFT基板を用いることができる。
基板の材料としては、ステンレスや鉄などの金属、ガラス、プラスチックのフィルム又はシートを用いることができる。0.2〜1.0mmの薄いガラス基板を用いれば、水分や酸素に対するバリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を作製することができる。第一
電極側から光を取り出す、いわゆるボトムエミッションタイプの有機EL素子とする場合には、ガラスやプラスチック等の透光性を備えている基板を用いる。
可撓性のあるプラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより連続的に有機EL素子の製造が可能であり、安価に素子を提供することができる。基板として用いることのできるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等を用いることができる。
また、第一電極102を製膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層すれば、よりバリア性が向上し、寿命の長い有機EL素子とすることができる。
<第一電極>
第一電極102には、透明又は半透明の電極を形成することのできる導電性物質を好適に使用することができる。
第一電極102が陽極である場合、例えば、インジウムと錫の複合酸化物(以下、ITOと略す)、インジウムと亜鉛の複合酸化物(以下、IZOと略す)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等が挙げられる。特に、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性が高い等からITOを好ましく用いることができ、前記基板101上に蒸着又はスパッタリング法などにより成膜することができる。
また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基板101上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、金属としてアルミニウム、金、銀等の金属を半透明状に蒸着することもできる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
第一電極102は、必要に応じてエッチング等によりパターニングを行うことができる。また、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行うこともできる。
<絶縁層>
絶縁層107は、各画素に対応した発光領域を区画するように形成することができる。画素電極102の端部を覆うように形成するのが好ましい。一般的にアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100は、各画素に対して画素電極102が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、画素電極102の端部を覆うように形成される。絶縁層107の最も好ましい形状は各画素電極102を最短距離で区切る格子状を基本とする。
絶縁層107の材料としては、絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることができる。また、無機の絶縁層形成材料として、SiO2 、TiO2 等の無機絶縁材料を用いることもできる。
絶縁層107の好ましい高さは0.1μm以上30μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下程度である。20μmより高すぎると対向電極106の形成及び封止を妨げ、0.1μmより低すぎると画素電極102の端部を覆い切れない、あるいは発光媒体層104形成時に隣接する画素とショートしたり混色したりしてしまうからである。
絶縁層107の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法など既存の成膜法を用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
絶縁層107のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、基体(基材101及び画素電極102)上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を塗工し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
必要に応じてレジスト及び感光性樹脂に撥水剤を添加したり、親水性材料と疎水性材料の多層構造にしたり、プラズマやUVを照射したりして形成後に次の成膜材料に対する撥水性または親水性を付与することもできる。
<発光媒体層>
発光媒体層105は1層以上の層構成を持つ有機発光層104及び、適時選択した機能層103を積層した構造となっている。機能層103層は正孔輸送層、正孔注入層、インターレイヤ層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層などが構成要素としては考えられ、よく利用される配置として103aに正孔注入層、103bに正孔輸送層又はインターレイヤ層又は電子ブロック層、103cに電子輸送層又は正孔ブロック層、103dに電子注入層と構成される。
本発明の実施の形態に係る正孔注入層103a及びインターレイヤ層又は正孔輸送層又は電子ブロック層103bのとしては、正孔輸送材料として一般に用いられているものを好適に使用することができ、有機材料としては例えば、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが挙げられる。
無機材料としては、Li、Na、K、Rb、Ce、及びFrなどのアルカリ金属元素や、Mg、Ca、Sr及びBaなどのアルカリ土類金属元素、La、Ce、Sm、Eu、Gd、Ybなどのランタノイド系元素、Au、Cu、Al、Si、Ge、Fe、Ni、Ru、Sn、Pb、Cr、Ir、Nb、Pt、W、Mo、Ta、Pa及びCoなどの金属元素、又はこれら金属元素の酸化物、炭化物、窒化物、硼化物などの化合物がある。
正孔注入層及び正孔輸送層として有機材料を用いる場合には溶媒に溶解又は分散させ、スピンコータ等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。また、材料として無機材料を用いる場合には、上記の金属材料の単体や酸化物を真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法を用いて形成される。
本発明の実施の形態に係る有機発光層104に用いる有機発光体としては、一般に有機発光材料として用いられているものを好適に使用することができ、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系等、一重項状態から発光可能な蛍光性低分子系材料や、希土類金属錯体系の三重項状態から発光可能な公知の燐光性低分子系材料が挙げられる。
前述した材料をトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベ
ンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独又は混合溶媒に溶解又は分散させて有機発光塗布液として用いれば、印刷法による成膜ができる。
また、有機発光層104の高分子系材料としては、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系等の蛍光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系等の高分子蛍光発光体や、希土類金属錯体を含む高分子燐光発光体などの高分子発光体を用いることができる。
これら高分子系材料はトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独又は混合溶媒に溶解又は分散させて有機発光塗布液とし印刷法により成膜できる。
特にトルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン等の芳香族系溶媒は高分子系材料の溶解性が良く、また大気圧中での沸点が180℃以下であることから扱いも容易であり、有機発光層成膜後の溶媒除去の点で好ましい。
また有機発光媒体層の各層を形成する塗布液は必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤等を添加しても良い。
本発明の実施の形態に係る電子輸送層又は正孔ブロック層103c、電子注入層103dの材料には一般に電子輸送材料として用いられているものであれば良く、トリアゾール系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、シロール系、ボロン系等の有機低分子系材料、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等の無機材料を用いる場合には真空蒸着法やスパッタによる成膜が可能である。
また、これらの電子輸送性材料及びこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独又は混合溶媒に溶解又は分散させて電子注入塗布液とし、印刷法により成膜できる。
発光媒体層の膜厚は、単層又は積層により形成する場合においても、1000nm以下であり、好ましくは10〜200nm程度である。
<印刷法による発光媒体層の形成方法>
発光媒体層105を形成する印刷法としては、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの有版印刷法や、インクジェット法、ノズル印刷法等を用いることができる。
特に凸版印刷法は、塗布液の粘性特性が良好な粘度範囲で、基材を傷つけることなく印刷することができ、塗布液材料の利用効率が良いため好ましい。
発光媒体層を塗布形成する方法の一例として凸版印刷法により形成する場合には、図3に示すような、発光媒体層105の材料を有する塗布液を電極等が形成された被印刷基板
201上に直接塗布する凸版印刷装置200を用いることができる。なお、本発明の発光媒体層105の形成方法はこれに限るものではない。
凸版印刷装置200は、インキタンク202、インキチャンバ203、アニロックスロール204、凸版が設けられた版205がマウントされた版胴206を有している。インキタンク202には、発光媒体層105の材料を有する塗布液が収容されており、インキチャンバ203にはインキタンク202より塗布液が送り込むことができる。
アニロックスロール204はインキチャンバ203の塗布液供給部に接して回転可能に指示されている。塗布液供給部はインキを溜まりにアニロックスロールが浸かるインキ壷、又はアニロックスロール上にインキを吐出するダイコーターを用いることができる。
アニロックスロール204の回転に伴い、アニロックスロール204の表面に供給された塗布液の塗布層204aは均一な膜厚に形成される。この塗布層204aはアニロックスロール204に近接して回転駆動される版胴206にマウントされた印刷版205の凸部に転移する。
移動定盤207には、被印刷基板201が印刷版205の凸部による印刷版接触位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、印刷版205の凸部にあるインキは被印刷基板201に対して印刷される。
本実施の形態の一例である凸版印刷装置の成膜雰囲気について説明する。インキタンク202、インキチャンバ203、アニロックスロール204、凸版が設けられた版205、版がマウントされた版胴206などを有する印刷ユニット208が設置された雰囲気は、不活性ガスやクリーンエアーや溶媒雰囲気など特定の雰囲気に制御されていても、制御されていなくてもかまわない。また範囲が囲われた閉空間であっても、囲いなどのない開空間であってもかまわない。
被印刷基板201はインキ転写後、印刷ユニット208の設置雰囲気とは分離して設けられた独立雰囲気制御空間209に搬送される。独立雰囲気制御空間209の内部雰囲気は、インキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御しており、最適な乾燥条件に合わせて溶媒蒸気濃度が選択される。
独立雰囲気制御空間209の溶媒蒸気濃度は0〜10vol%の範囲で制御されることが望ましい。また、独立雰囲気制御空間209の大気圧は外部に対して同圧又は陽圧であることが望ましく、より望ましくは陽圧であるほうが良い。
被印刷基板201が独立雰囲気制御空間209に搬送されるまでの時間は、インキの乾燥が終了するまでに搬送されることが必要であり、より望ましくはインキ転写後10秒以内に搬送されることが良い。
ここで、独立雰囲気制御空間209の溶媒蒸気濃度を制御する溶媒濃度制御ユニット400の一例について図4の溶媒濃度制御概要図を基に説明する。溶媒濃度制御ユニット400は、高濃度溶媒蒸気室401と溶媒蒸気拡散室402と溶媒蒸気拡散機403と溶媒蒸気供給室404と溶媒蒸気濃度計405と各部ガス供給系からなっている。ガス供給系には必要に応じて流量コントロールシステムが備わっている。
外部供給ガスと高濃度溶媒蒸気室401からの高濃度溶媒蒸気ガスが溶媒蒸気拡散室402に供給される。この際、それぞれのガスの流量を調整することで溶媒蒸気濃度の調整を行う。溶媒蒸気拡散室402に供給されたガスは溶媒蒸気拡散機403によって素早く均一に拡散するように促される。
溶媒蒸気拡散室402で拡散されたガスは溶媒蒸気供給室404に送られ、そこから独立雰囲気制御空間209へ供給される。独立雰囲気制御空間209へのガス供給においては独立雰囲気制御空間209上部から多数のノズルで均一に供給することで独立雰囲気制御空間209内での濃度分布を均一にしている。
溶媒蒸気拡散室402、溶媒蒸気供給室404、印刷後基板空間209にはそれぞれ溶媒蒸気濃度計405が備わっており、独立雰囲気制御空間209の濃度を制御するためにそれぞれの濃度が制御される。
溶媒濃度制御ユニット400の外部供給ガスについては不活性ガスやクリーンエアーや乾燥エアーなどについて適時選択可能である。
なお、図4の溶媒濃度制御概要図及びその説明は溶媒濃度制御の方法の一例であり、この方法に限らず印刷後基板空間209においてインキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御することが出来ればよく、方法についてはこのかぎりではない。
また、独立雰囲気制御空間209の溶媒蒸気濃度を上げることによって印刷転写インキの乾燥を遅くすることも、溶媒蒸気濃度を下げることによって印刷転写インキの乾燥を早くすることも乾燥速度のコントロールには有効であり、溶媒種や有機EL素子構成やプロセスに応じて最適な速度となるように濃度を選択する。
例えば乾燥速度が速いほど良好な形状や発光特性が得られる場合には、溶媒蒸気濃度を下げる方法として溶媒蒸気濃度を0vol%に設定するといった場合も想定される。その際、印刷後基板空間209に供給されるガスは溶媒蒸気濃度0vol%のガスとなり、被印刷基板201上に転写されたインキから発生する溶媒蒸気を希釈することにより乾燥が早くするといった方法が有効となる。
印刷完了後必要に応じてベークなどの乾燥工程を経ることで、被印刷基板201上に、好適に発光媒体層105を成膜することができる。
凸版が設けられた版205は、感光性樹脂凸版が好ましい。感光性樹脂凸版は、露光した樹脂版を現像する際に用いる現像液が有機溶剤である溶剤現像タイプのものと現像液が水である水現像タイプのものがあるが、溶剤現像タイプのものは水系のインキに対し耐性を示し、水現像タイプのものは有機溶剤系のインキに耐性を示す。発光媒体層105の材料を有する塗布液の特性に従い、溶剤現像タイプ、水現像タイプを好適に選ぶことができる。
<第二電極>
第二電極106を陰極とする場合には、発光媒体層105への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg、Al、Yb等の金属単体を用い、発光媒体層と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。又は電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。
第二電極106の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
<封止体>
有機EL素子に大気のガスが到達しないようにするために通常は、外部と遮断するために封止材と樹脂層とを有する封止体を設けることができる。あるいはキャップ状の封止材をと接着剤を用いて密閉封止した封止体の構成としても良い。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、封止材の材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルム又は吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5μm〜500μmが望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接有機EL素子側に形成することもできる。
最後に、有機EL素子と封止体との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
こうして本発明による有機EL素子を製造することができる。本発明の課題を解決し、効果を得ることができるかぎり、他の構成要素は任意に置き換えが可能である。
有機EL素子としては、単一の第一電極と第二電極を対向するように配置し、全面を発光させる単純な構造の他、情報表示可能なディスプレイ用途に向く駆動方式として、第一電極と第二電極を互いに直交するストライプ状に形成し、交点への電流の印加によって発光させるパッシブマトリクス型の有機EL素子とすることも、一方の電極を複数の画素に区画し、それぞれの画素にトランジスタを形成し個別に電流のオン−オフが可能としたアクティブマトリクス型の有機EL素子とすることもできる。
また、本明細書では光の取り出し方向が基板側であるボトムエミッションタイプの有機EL素子について主に説明したが、第二電極及び封止方法を透光性のものとし、基板とは反対側から光を取り出すトップエミッション構造とすることもできる。また、第一電極を陰極とし、第二電極を陽極とし、有機発光媒体層の積層順を逆とすることもできる。
以下に本発明の実施例及び比較例を示す。
基板として、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ
(TFT)と、その上方に形成された画素電極とを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。基板のサイズは320mm×400mmでその中に対角15インチ、画素数は1024×768のディスプレイが中央に配置されている。
画素用の電極としてITOを用いた。ITOはスパッタリングにより形成し、膜厚は40nmとし、そのITO膜を、フォトリソグラフィ法と酸溶液によるエッチングによってパターニングを行った。ITO膜は画素部と接続部を有しており、接続部にてTFTと接続している。
次に、画素間を区画する隔壁として絶縁層を形成し、開口部を形成した。絶縁層の形成は、ポジレジストを用いて、スピンコート法にて基板全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングして形成した。
次に、電極と絶縁層の表面上に、正孔注入材料として、厚さ10nmの酸化モリブデン(MoO)を、真空蒸着法により積層させ、正孔注入層を形成した。蒸発源と基板との距離は300mm、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記基板表面の法線方向とのなす角度が0度となる位置に設置した。
次に、正孔輸送材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用いて、上述した正孔注入層まで形成したアクティブマトリックス基板を被印刷基板として、凸版印刷装置にセッティングし、第2絶縁層に挟まれた第2開口部の真上にそのラインパターンに合わせて正孔輸送層を凸版印刷法で印刷した。
正孔輸送層の印刷の際に、被印刷基板が印刷後に搬送される独立雰囲気制御空間を基板の進入口以外を閉じた系とした半密閉状態として、Nが約99.4vol%でトルエン蒸気濃度が約0.6vol%の混合ガスを流して、外部の大気圧よりも陽圧となるように設定して行った。
印刷、ベーク乾燥後の正孔輸送層の画素中央部膜厚は30nmとなった。
次に、有機発光材料であるポリフェニレンピニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、上述した正孔輸送層までを形成したアクティブマトリックス基板を被印刷基板として、凸版印刷装置にセッティングし、第2絶縁層に挟まれた第2開口部の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷した。
有機発光層の印刷の際に、被印刷基板が印刷後に搬送される独立雰囲気制御空間を基板の進入口以外を閉じた系とした半密閉状態として、Nが約99.8vol%でトルエン蒸気濃度が約0.2vol%の混合ガスを流して、外部の大気圧よりも陽圧となるように設定して行った。
印刷、ベーク乾燥後の有機発光層の画素中央部膜厚は60nmとなった。
次に、対向電極として真空蒸着法でBa膜を、メタルマスクを用いて膜厚4nmに成膜した後、Al膜を真空蒸着法によりメタルマスクを用いて膜厚250nmに成膜した。そして、キャップ型封止ガラスと接着剤を、発光領域をカバーするように載せ、約90℃、1時間接着剤を熱硬化して密閉封止し、アクティブマトリックス駆動型有機EL表示素子10を製作した。
このようにして作成したアクティブマトリックス駆動型有機ELパネルを評価した結果、発光媒体層の膜厚分布が画素開口中央部の狙い膜厚+10%以内となる膜厚を持つ領域の割合が画素開口全体中69%となり、画素内のほぼ全体が発光しているのが確認された。
また、各画素に一定電流となるように駆動させて輝度の面内ばらつきを25点測定して評価した結果、表2に示すように、最大輝度と最小輝度の比で表した輝度ムラが87.8%、25点測定の平均輝度199.6cd/mで標準偏差は7.6であった。また各工程で連続10枚投入して作成した有機ELパネルごとの輝度ムラばらつきも表3に示すとおり、レンジ5.0%と良好であった。
<比較例1>
実施例1の比較例として、正孔輸送層及び有機発光層の印刷時に印刷後基板空間の囲いを取り外し、印刷機設置空間と同一雰囲気のままで印刷を行った。その他は実施例1と同一条件下でアクティブマトリックス駆動型有機ELパネルを作成した。
この比較例1においては、表1に示すように発光媒体層の膜厚分布が画素開口中央部の狙い膜厚+10%以内となる膜厚を持つ領域の割合が画素開口全体中42%となり、画素内の外周部の発光が暗くなっていることが確認された。
また表2に示すように、最大輝度と最小輝度の比で表した輝度ムラが79.4%、25点測定の平均輝度196.4cd/mで標準偏差は13.1であった。
また各工程で連続10枚投入して作成した有機ELパネルごとの輝度ムラばらつきも表3に示すとおり、レンジ12.2%と大きかった。
100・・・表示装置
101・・・基板
102・・・第一電極(例として陽極)
103・・・機能層
103a・・・正孔注入層
103b・・・インターレイヤ層又は正孔輸送層又は電子ブロック層
103c・・・電子輸送層又は正孔ブロック層
103d・・・電子注入層
104・・・有機発光層
105・・・発光媒体層
106・・・第二電極(例として陰極)
107・・・絶縁層
108・・・封止体
109・・・樹脂層
110・・・封止材
200・・・凸版印刷機
201・・・被印刷基板
202・・・インキタンク
203・・・インキチャンバ
204・・・アニロックスロール
204a・・・塗布層
205・・・印刷版
206・・・版胴
207・・・移動定盤
208・・・印刷ユニット
209・・・独立雰囲気制御空間
400・・・溶媒濃度制御ユニット
401・・・高濃度溶媒蒸気室
402・・・溶媒蒸気拡散室
403・・・溶媒蒸気拡散機
404・・・溶媒蒸気供給室
405・・・溶媒蒸気濃度計

Claims (8)

  1. 基板と、当該基板上に形成された対向する一対の電極と、前記電極間に設けられ少なくとも有機発光層を含む複数の層からなる発光媒体層と、を有する有機EL素子の製造方法であって、
    前記発光媒体層の1層以上を印刷法にて形成し、
    前記印刷法における乾燥成膜時に、印刷ユニット設置雰囲気とは分離した、独立雰囲気制御空間および前記独立雰囲気制御空間へ溶媒蒸気を供給する溶媒蒸気供給室を設け、
    前記溶媒蒸気供給室から前記独立雰囲気制御空間へ供給される溶媒蒸気は多数のノズルを通じて均一に供給され、前記独立雰囲気制御空間にて、インキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御して基板上の印刷転写インキの揮発乾燥を実施し、かつ前記独立雰囲気制御空間に基板上の印刷インキ転写領域が搬送されるまでの時間が、印刷インキの転写後10秒以内であることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記独立雰囲気制御空間の溶媒蒸気濃度を0〜10vol%の間で制御することを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記独立雰囲気制御空間が外部空間に対して陽圧であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記印刷法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 基板と、当該基板上に形成された対向する一対の電極と、前記電極間に設けられた、少なくとも有機発光層を含む複数の層からなる発光媒体層と、を有する有機EL素子の、前記複数の層からなる発光媒体層の1層以上を、印刷法にて形成する有機EL素子の製造装置であって、
    印刷ユニット設置雰囲気とは独立した、基板上の印刷転写インキを揮発乾燥する独立雰囲気制御空間および前記独立雰囲気制御空間へ溶媒蒸気を供給する溶媒蒸気供給室を具備し、
    前記溶媒蒸気供給室から前記独立雰囲気制御空間へ供給される溶媒蒸気は多数のノズルを通じて均一に供給される供給機能を具備し、
    前記独立雰囲気制御空間に、インキ溶媒主成分の溶媒蒸気濃度を制御する制御機能を具備し、
    前記独立雰囲気制御空間に基板上の印刷インキ転写領域が搬送されるまでの時間を、印刷インキの転写後少なくとも10秒以内に制御する機能を具備したことを特徴とする有機EL素子の製造装置。
  6. 前記独立雰囲気制御空間の溶媒蒸気濃度を0〜10vol%の間で制御する機能を具備したことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子の製造装置。
  7. 前記独立雰囲気制御空間が外部空間に対して陽圧に制御する機能を具備したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機EL素子の製造装置。
  8. 前記印刷法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造装置。
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