(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した表示装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
図38は、特許文献1に記載の表示装置における画像表示の走査タイミングの一例を示す図であり、(a)は走査タイミングを示す図、(b)はシャッター付き眼鏡の右眼用シャッターのタイミングを示す図、(c)はシャッター付き眼鏡の左眼用シャッターのタイミングを示す図である。
なお、図38(a)において、第1ラインを表示画面上とし、第1080ライン(フルハイビジョンを想定し、表示パネルの画素行数を1080画素行としている)を画面下とする。1210は、表示パネル(図示せず)に映像信号を書き込んでいる画素行位置(書き込み走査位置)を示している。1220は、表示画面の点灯(発光)、非点灯(発光停止)を切り替える時刻(タイミング)を示している。
特許文献1に記載されている画像表示装置では、図38(b)、(c)に示すように、第1の時刻t1にシャッター付き眼鏡のシャッター切り替えが開始され、図38(a)に示すように、第1の時刻t1から第3の時刻t3にかけて全表示ラインに対する表示データの書き込み走査が行われる。また、第3の時刻t3に、全表示ラインが同時に発光を開始する。また、第4の時刻t4に、全表示ラインの発光が停止し、シャッター切り替えと表示データの書き込み走査が開始される。
このような信号制御により、特許文献1に記載されている画像表示装置は、最後に書き込み走査が完了する表示ライン(第1080ライン:画面下)の書き込み走査完了のタイミング(例えば、第3の時刻t3及び第6の時刻t6)に、全ての表示ラインで同時に発光を開始することができる。
しかし、図38に示す画像表示装置では、全面同時発光、同時消光することにより、一般的なゲートドライバにより、表示される画像を最大限明るくするための駆動を行っていた。そのため、全画面同時に発光する図38に示す表示方法では、電源回路への負荷が大きくなるという問題が生じていた。
また、全ラインの書き込みが完了するまで発光できないので、比較的に暗い表示になるという問題があった。
(本発明の実施の形態)
このような問題を解決するために、本発明の実施の形態に係る表示装置は、マトリックス状に配置された複数の画素と、前記複数の画素の行ごとに配置された、第1のゲート信号線及び第2のゲート信号線と、前記複数の画素の列ごとに配置されたソース信号線と、前記第1のゲート信号線及び前記第2のゲート信号線に走査信号を出力するゲートドライバ回路と、前記ソース信号線に映像信号を出力するソースドライバ回路とを具備し、前記複数の画素の各々は、発光素子と、前記発光素子に駆動電流を供給するための駆動用トランジスタと、前記第1のゲート信号線から供給される走査信号に基づいて導通及び非導通が切り換えられ、前記駆動電流の経路上に配置された第1のスイッチ用トランジスタと、前記第2のゲート信号線から供給される走査信号に基づいて導通及び非導通が切り換えられ、前記ソース信号線から供給される前記映像信号を前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加するための第2のスイッチ用トランジスタと、前記駆動用トランジスタの前記ゲート端子とソース端子との間に接続されたコンデンサとを備え、前記ゲートドライバ回路は、第1の周期を有するクロック信号に基づいて、第1の信号を出力する第1の走査回路と、前記第1の周期とは異なる第2の周期を有するクロック信号に基づいて、第2の信号を出力する第2の走査回路と、入力された前記第1の信号及び前記第2の信号の論理和または論理積を求め、前記第1の信号に基づく第1のパルス及び前記第2の信号に基づく第2のパルスを含む走査信号として、前記第1のゲート信号線に出力する論理回路と、前記第2の周期と略同一の第3の周期を有するクロック信号に基づいて、第3の信号を前記第2のゲート信号線に出力する第3の走査回路とを備え、前記第1の走査回路が前記複数の画素の行を走査する期間は、前記第2の走査回路または前記第3の走査回路が前記複数の画素の行を走査する期間よりも短いことを特徴とする。
また、右眼用の画像及び左眼用の画像を交互に表示し、前記右眼用の画像及び前記左眼用の画像を順次目視可能とする眼鏡を介して立体映像として視認させるようにしてもよい。
また、さらに、前記複数の画素の行ごとに配置された第3のゲート信号線と、前記第3のゲート信号線から供給される走査信号に基づいて導通及び非導通が切り換えられ、初期化電圧を前記駆動用トランジスタのソース端子に印加するための第3のスイッチ用トランジスタとを備えてもよい。
また、さらに、前記複数の画素の行ごとに配置された第4のゲート信号線と、前記第4のゲート信号線から供給される走査信号に基づいて導通及び非導通が切り換えられ、参照電圧を前記駆動用トランジスタの前記ゲート端子に印加するための第4のスイッチ用トランジスタとを備えてもよい。
また、前記発光素子は、有機EL素子であってもよい。
また、前記駆動用トランジスタは、n型のトランジスタであってもよい。
また、前記走査信号のうちの前記第2のパルスに基づいて前記第1のスイッチ用トランジスタを導通させて、前記駆動トランジスタのオフセットキャンセルを行い、前記走査信号のうちの前記第1のパルスに基づいて前記第1のスイッチ用トランジスタを導通または非導通として、前記発光素子の発光及び非発光を制御してもよい。
また、前記ゲートドライバ回路は、前記走査信号を2値駆動モード及び3値駆動モードから選択可能に構成されていてもよい。
また、前記ゲートドライバ回路は、前記画素の行の両端に配置されており、前記画素の行の一端において、前記画素側から、第1の走査回路、第2の走査回路、第3の走査回路の順に配置されており、前記画素の行の他端において、前記画素側から、第3の走査回路、第2の走査回路、第1の走査回路の順に配置されていてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面は理解を容易するために、また、作図を容易にするために、省略、拡大あるいは縮小した箇所がある。また、同一番号または、記号等を付した箇所は、同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作、あるいは関連する事項、作用などを有している。
図1は、本発明の実施の一形態に係る表示装置1の電気的な構成を示したブロック図である。
図1に示したように、本発明の実施の一形態に係る表示装置1は、画素16がマトリックス状に配置されて構成された表示画面20と、表示画面20の画素行ごとに配置されたゲート信号線17(ゲート信号線17a、ゲート信号線17b、ゲート信号線17c、ゲート信号線17d)と、表示画面20の画素列ごとに配置されたソース信号線18と、表示画面20の周辺回路として、ゲート信号線17を駆動するゲートドライバ回路(ゲートドライバIC)12(12a、12b)と、映像信号をソース信号線18に出力するソースドライバ回路(ソースドライバIC)14と、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路などを制御する制御回路(図示せず)とを具備する。表示画面20は、外部から表示装置1へ入力された映像信号に基づいて画像を表示する。
ゲート信号線17は、ゲートドライバ回路12に接続され、各画素行に属する画素16に接続されている。ゲート信号線17は、各画素行に属する画素16に信号電圧を書き込むタイミングを制御する機能や、画素16に初期化電圧や参照電圧などの各種電圧を印加するタイミングを制御する機能などを有する。
ゲートドライバ回路12は、ゲート信号線17に接続されており、ゲート信号線17に選択信号を出力することにより、画素16の有するスイッチ用トランジスタ11の導通(オン)・非導通(オフ)を制御する機能を有する駆動回路である。例えば、後述する図2の画素回路において、ゲート信号線17aにオン電圧が印加されると、第2のスイッチ用トランジスタ11bがオンして、ソース信号線18に印加された映像信号が、画素16に印加される。また、ゲートドライバ回路12は、複数の走査・出力バッファ回路を備えている。
ゲートドライバ回路12は、表示画面20の左右に配置されており(ゲートドライバ回路12a、12b)、各ゲート信号線17は、ゲートドライバ回路12aまたはゲートドライバ回路12bの少なくとも一方と接続されている。
図1に示した実施の態様では、ゲート信号線17a及びゲート信号線17bの両端には、表示画面20の左右に配置されたゲートドライバ回路12a、12bが接続されている。ゲート信号線17c、17dの片側には、表示画面20の左側に配置されたゲートドライバ回路12aが接続されている。ゲートドライバ回路12は、COF(Chip On Film)(図示せず)に実装されている。特に、ゲート信号線17a(ゲート信号線GS)は、両方のゲートドライバ回路12に接続されているのがよい。
ソース信号線18は、表示画面20の画素列ごと、すなわち画素列数分が設けられており、ソースドライバ回路14に接続され、各画素列に属する画素16に接続されている。
ソースドライバ回路14は、ソース信号線18の一端に接続されており、映像信号を出力して、ソース信号線18を介して画素16へ映像信号を供給あるいは印加する機能を有する駆動回路である。ソースドライバ回路14は、COF(Chip On Film)(図示せず)に実装されている。なお、ソースドライバ回路14は、各端子あるいはブロックごとに映像信号の出力タイミングを設定できるマルチディレイ機能を有していてもよい。
なお、COFにおいては、COFの表面に光吸収塗料、材料を塗布あるいは形成し、また、シートを貼り付けて、光を吸収するように構成することができる。また、COFに実装されたドライバICの表面に放熱板を配置または形成し、ドライバ回路(12、14)からの放熱を行うこともできる。また、COFの裏面に放熱シート、放熱板を配置または形成し、ドライバ回路が発生する熱を放熱することもできる。
図示を省略した制御回路は、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路14の制御を行う機能を有する制御回路である。制御回路は、各発光素子15の補正データなどが記憶されたメモリ(図示せず)を備え、メモリに書き込まれた補正データ等を読み出し、外部から入力された映像信号を、その補正データに基づいて補正して、ソースドライバ回路14へと出力するように構成することもできる。
図1に示した表示装置1では、オン電圧(Von)が複数種類必要となる場合があり、オフ電圧(Voff)も複数電圧が必要となる場合がある。その他、画素回路の構成に応じて、イニシャル電圧(Vini)、リファレンス電圧(Vref)などが必要である。
図2は本発明の実施の一形態に係る表示装置における画素回路の例を示した図である。
図2に示した画素回路は、発光素子15と、発光素子15に駆動電流を供給するための駆動用トランジスタ11aと、第1のスイッチ用トランジスタ11dと、第2のスイッチ用トランジスタ11bと、第3のスイッチ用トランジスタ11cと、第4のスイッチ用トランジスタ11eと、コンデンサ19とを備える。
駆動用トランジスタ11aは、ドレイン端子が第1のスイッチ用トランジスタ11dを介して第1電源線であるアノード電圧Vddに電気的に接続され、ソース端子が発光素子15のアノード端子に電気的に接続された駆動素子である。駆動用トランジスタ11aは、ゲート端子−ソース端子間に印加された信号電圧に対応した電圧を、当該信号電圧に対応したドレイン電流に変換する。そして、このドレイン電流を信号電流として発光素子15に供給する。駆動用トランジスタ11aは、例えば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
発光素子15は、アノード端子が駆動用トランジスタ11aのソース端子に電気的に接続され、カソード端子が第2電源線であるカソード電圧Vssに電気的に接続された発光素子であり、駆動用トランジスタ11aにより信号電流が流れることにより、信号電流の大きさに基づいて発光する。信号電流の大きさは、ソース信号線18に印加された映像信号を、スイッチ用トランジスタ11bで画素16に印加することにより決定する。発光素子としては、例えば、有機EL素子が用いられる。
第1のスイッチ用トランジスタ11dは、ゲート端子がゲート信号線17b(ゲート信号線GE)に電気的に接続され、ソース端子が駆動用トランジスタ11aのドレイン端子に電気的に接続され、ドレイン端子が第1電源線であるアノード電圧Vddに電気的に接続されたスイッチ用トランジスタである。ゲート信号線11b(ゲート信号線GE)にオン電圧が印加されると、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンし、駆動用トランジスタ11aからの発光電流が発光素子15に供給される。なお、第1のスイッチ用トランジスタ11dは、駆動用トランジスタ11aのソース端子と発光素子15のアノード端子間に配置または形成してもよい。
第2のスイッチ用トランジスタ11bは、ゲート端子がゲート信号線17a(ゲート信号線GS)に電気的に接続され、ソース端子が駆動用トランジスタ11aのゲート端子と電気的に接続され、ドレイン端子がソース信号線18と電気的に接続されたスイッチ用トランジスタである。
第3のスイッチ用トランジスタ11cは、ゲート端子がゲート信号線17d(ゲート信号線GI)に電気的に接続され、ソース端子が駆動用トランジスタ11aのソース端子と電気的に接続され、ドレイン端子にはイニシャル電圧(初期化電圧、Vini)が印加あるいは供給されるスイッチ用トランジスタである。第3のスイッチ用トランジスタ11cは、イニシャル電圧(Vini)を駆動用トランジスタ11aのソース端子及びコンデンサ19の一方電極に印加するタイミングを決定する機能を有する。
第4のスイッチ用トランジスタ11eは、ゲート端子がゲート信号線17c(ゲート信号線GR)に電気的に接続され、ソース端子が駆動用トランジスタ11aのゲート端子と電気的に接続され、ドレイン端子にはリファレンス電圧(参照電圧、Vref)が印加あるいは供給されるスイッチ用トランジスタである。第4のスイッチ用トランジスタ11eは、リファレンス電圧(Vref)を駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加するタイミングを決定する機能を有する。
ここで、電気的に接続とは、電圧の経路、電流の経路が形成されている状態あるいは形成されうる状態である。たとえば、駆動用トランジスタと第1のトランジスタ間に、第5のトランジスタが配置されていても、駆動用トランジスタと第1のトランジスタとは電気的に接続されている。なお、本明細書においては、接続を電気的に接続の意味として使用する場合がある。
トランジスタ11のチャンネル間は双方向であるため、ソース端子とドレイン端子の名称は、説明を容易にするためであり、ソース端子とドレイン端子は入れ替えてもよい。また、ソース端子、ドレイン端子を、第1の端子、第2の端子などとしてもよい。
また、駆動用トランジスタおよびスイッチ用トランジスタを含むトランジスタ11は、薄膜トランジスタ(TFT)として説明しているが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。
トランジスタ11は、もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。
また、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもよい。たとえば、シリコンウエハでトランジスタを構成し、剥がしてガラス基板に転写したものが例示される。また、シリコンウエハでトランジスタチップを形成し、ガラス基板のボンディング実装した表示パネルが例示される。
なお、トランジスタ11は、n型、p型のトランジスタとも、LDD(Lightly Doped Drain)構造を採用することが好ましい。
また、トランジスタ11は、高温ポリシリコン(HTPS : High-temperature polycrystalline silicon)、低温ポリシリコン(LTPS : Low-temperature poly silicon)、連続粒界シリコン(CGS : Continuous grain silicon)、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS : Transparent Amorphous Oxide Semiconductors、IZO)、アモルファスシリコン(AS : amorphous silicon)、赤外線RTA(RTA : rapid thermal annealing)で形成したもののうち、いずれでもよい。
図2では、画素を構成するすべてのトランジスタ11はn型で構成している。しかし、本発明は、画素のトランジスタ11をn型で構成することのみに限定するものではない。n型のみで構成してもよいし、p型のみで構成してもよい。また、n型とp型の両方を用いて構成してもよい。また、駆動用トランジスタ11aをp型のトランジスタとn型のトランジスタの両方を用いて構成してもよい。
スイッチ用トランジスタ11は、トランジスタに限定するものではなく、たとえば、p型のトランジスタとn型のトランジスタの両方を用いて構成したアナログスイッチであってもよい。
トランジスタ11はトップゲート構造にすることが好ましい。トップゲート構造にすることにより寄生容量が低減し、トップゲートのゲート電極パターンが、遮光層となり、発光素子15から出射された光を遮光層で遮断し、トランジスタの誤動作、オフリーク電流を低減できるからである。
ゲート信号線17またはソース信号線18、もしくはゲート信号線17とソース信号線18の両方の配線材料として、銅配線または銅合金配線を採用できるプロセスを実施することが好ましい。信号線の配線抵抗を低減でき、より大型のEL表示パネルを実現できるからである。
ゲートドライバ回路12が駆動(制御)するゲート信号線17は、低インピーダンス化すること好ましい。したがって、前記ゲート信号線17の構成あるいは構造に関しても同様である。
特に、低温ポリシリコン(LTPS : Low-temperature poly silicon)を採用することが好ましい。低温ポリシリコンは、トランジスタはトップゲート構造であり寄生容量が小さく、n型およびp型のトランジスタを作製でき、また、プロセスに銅配線または銅合金配線プロセスを用いることができる。なお、銅配線は、Ti-Cu-Tiの3層構造を採用することが好ましい。
ゲート信号線17またはソース信号線18などの配線は、トランジスタ11が透明アモルファス酸化物半導体(TAOS : Transparent Amorphous Oxide Semiconductors)の場合には、モリブデン(Mo)-Cu-Moの3層構造を採用することが好ましい。
図2に示した画素回路において、コンデンサ19は、第1電極が駆動用トランジスタ11aのゲート端子に電気的に接続され、第2電極が駆動用トランジスタ11aのソース端子に電気的に接続されたコンデンサである。
コンデンサ19は、まず、定常状態において駆動用トランジスタ11aのゲート・ソース電極間電位(ソース信号線18の電位)を、スイッチ用トランジスタ11bが導通している状態で記憶する。その後、スイッチ用トランジスタ11bがオフ状態となっても、コンデンサ19の電位が確定されるので駆動用トランジスタ11aのゲート電圧が確定される。
なお、コンデンサ19は、ソース信号線18、ゲート信号線17にオーバーラップするように(重なるように)形成または配置する。この場合、レイアウトの自由度が向上し、素子間のスペースをより広く確保することが可能になり、歩留まりが向上する。
図2に示した画素回路における発光素子15については、ソース信号線18、ゲート信号線17上に、発光素子のアノード電極あるいはカソード電極を配置または形成することにより、ソース信号線18、ゲート信号線17からの電界が、アノード電極あるいはカソード電極で遮蔽される。遮蔽により画像表示へのノイズを低減させることができる。
ソース信号線18、ゲート信号線17に絶縁膜あるいはアクリル材料からなる絶縁膜(平坦化膜)を形成して絶縁し、絶縁膜上に画素電極を形成する。
このようにゲート信号線17等上の少なくとも1部に画素電極を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)構造と呼ぶ。不要な干渉光などが低減し、良好な発光状態を実現できる。
画素16の画素電極は、ITO、IGZO(インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、亜鉛(Zinc)、酸素(Oxygen))、IZO、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)などからなる透明電極を用いることができる。
図1の表示装置において、図2の画素回路を採用した場合には、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss、参照電圧(Vref)及び初期化電圧(Vini)は、それぞれ、全画素16に共通接続されており、電圧発生回路(図示せず)に接続されている。また、駆動用トランジスタ11aの閾値電圧に発光素子15の発光開始電圧を加えた電圧が0Vよりも大きい場合は、Viniはカソード電圧Vssと略同一電圧としてもよい。これにより電圧発生回路(図示せず)の出力電圧の種類が減り、回路がより簡易になる。
図2の画素回路では、アノード電圧Vdd > リファレンス電圧Vref > カソード電圧Vss > イニシャル電圧Vini、なる関係にすることが好ましい。具体的には、一例として、アノード電圧Vdd=10〜18(V)、リファレンス電圧Vref=1.5〜3(V)、カソード電圧Vss=0.5〜2.5(V)、イニシャル電圧Vini=0〜−3(V)である。なお、後述する図28の画素回路についても同様である。
図2の画素回路においては、図1に示したように、ゲート信号線17a及びゲート信号線17bが、2つのゲートドライバ回路12a、12bに接続されているのがよい。これは、以下の理由による。
ゲート信号線17aは、第2のスイッチ用トランジスタ11bに接続されている。第2のスイッチ用トランジスタ11bは、映像信号を画素16に書き込むトランジスタであり、トランジスタ11bを高速のオンオフ(高スルーレート動作)をさせる必要があるからである。ゲート信号線17aは、2つのゲートドライバ回路12a、12bで駆動することにより、高スルーレート動作を実現できる。なお、一例として、ゲートドライバ回路12aは、表示画面20の左側に配置され、ゲートドライバ回路12bは、表示画面20の右側に配置される。
ゲート信号線17bは、第1のスイッチ用トランジスタ11dに接続されている。第1のスイッチ用トランジスタ11dは、駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル動作を実施するトランジスタであり、第1のスイッチ用トランジスタ11dを高速のオンオフ(高スルーレート動作)をさせる必要があるからである。ゲート信号線17a、17bは、2つのゲートドライバ回路12a、12bで駆動することにより、高スルーレート動作を実現できる。
ゲート信号線17を2つのゲートドライバ回路12a、12bで駆動することにより、表示画面20の左右、中央での輝度傾斜などがなくなり、良好な画像表示を実現できる。また、ゲート信号線17の負荷容量が大きくても、良好にドライブすることができる。
ゲート信号線17c、17dは、1つのゲートドライバ回路12aが接続されている。ゲート信号線17cには、第4のスイッチ用トランジスタ11eが接続されている。第4のスイッチ用トランジスタ11eは、リファレンス電圧Vrefを駆動用トランジスタ11aに印加する機能を有する。リファレンス電圧Vrefを印加するためのトランジスタをオンオフする動作は、低スルーレートで十分である。ゲート信号線17dには、第3のスイッチ用トランジスタ11cが接続されている。トランジスタ11cは、イニシャル電圧Viniを駆動用トランジスタ11aのソース端子に印加する機能を有する。イニシャル電圧Viniを印加するためのトランジスタをオンオフする動作は、低スルーレートで十分である。
したがって、ゲート信号線17c、17dは、1つのゲートドライバ回路12aで駆動しても、実用上、十分な性能を得ることができる。
次に、図3〜図7などを用いて、図2の画素回路の動作を説明する。
(非発光期間)
図2の画素回路において、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオン状態のとき、発光素子15にアノード電圧Vddから電流が供給され、発光素子15が発光状態にある(発光期間)。アノード電圧Vddから駆動トランジスタ11aを通して発光素子15に駆動電流(ドレイン・ソース間電流)Idが供給されるため、発光素子15が駆動電流Idに応じた輝度で発光する。
一方、図3に図示するように、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオフ状態にすることにより、発光素子15に流れる電流が遮断され、発光素子15の発光が停止する(非発光)。なお、画素動作のタイミングチャートを図12に示す。なお、図12において、第2のスイッチ用トランジスタ11bが接続されたゲート信号線17aをGSと記載し、第1のスイッチ用トランジスタ11dが接続されたゲート信号線17bをGEと記載し、第4のスイッチ用トランジスタ11eが接続されたゲート信号線17cをGRと記載し、第3のスイッチ用トランジスタ11cが接続されたゲート信号線17dをGIと記載している。
(オフセットキャンセル補正準備期間)
図4は、オフセットキャンセル補正の準備期間の画素動作状態を示す。オフセットキャンセル補正の準備期間では、第4のスイッチ用トランジスタ11eがオンし、リファレンス電圧Vrefが駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加され、第3のスイッチ用トランジスタ11cがオンし、イニシャル電圧Viniが発光素子15のアノード端子に印加される(図12における時刻t3)。駆動用トランジスタ11aのゲート電位Vgがリファレンス電圧Vrefになる。また、駆動用トランジスタ11aのソース電位Vsは、リファレンス電圧Vrefよりも十分に低いイニシャル電圧Viniにある。
ここで、イニシャル電圧Viniについては、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgsが、当該駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthよりも大きくなるように設定しておくこととする。このように、駆動用トランジスタ11aのゲート電位Vgをリファレンス電圧Vref、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ初期化することで、オフセットキャンセル補正動作の準備が完了する。
(オフセットキャンセル補正期間)
次に、図5に示すように、図12における時刻t5で、ゲート信号線17b(GE)に選択電圧(オン電圧)が印加され、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンすると、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にアノード電圧Vddが印加される。また、第3のスイッチ用トランジスタ11cをオフ状態にする。すると、駆動用トランジスタ11aのソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthになり、当該オフセットキャンセル電圧Vthに相当する電圧がコンデンサ19に書き込まれる。
ここでは、便宜上、オフセットキャンセル電圧Vthに相当する電圧をコンデンサ19に書き込む期間をオフセットキャンセル補正期間と呼んでいる。
なお、このオフセットキャンセル補正期間において、電流が専らコンデンサ19側に流れ、発光素子15側には流れないようにするために、発光素子15がカットオフ状態となるようにカソード電極のカソード電圧Vssを設定しておく。したがって、Vss > Viniとしておく。たとえば、Vss=+2(V)であれば、Vini=−2(V)が例示される。
次に、図6に図示するように、図12における時刻t7で、第1のスイッチ用トランジスタ11d、第4のスイッチ用トランジスタ11eをオフ状態にする。このとき、駆動用トランジスタ11aのゲートがフローティング状態になるが、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthに等しいために、当該駆動用トランジスタ11aはカットオフ状態にある。したがって、ドレイン−ソース間電流Idは流れない。
(書き込み期間)
次に、図6に示すように、図12における時刻t8で、ソース信号線18にソースドライバ回路14から映像信号電圧Vsigが印加される。ゲート信号線17aに選択電圧が印加されることにより、第2のスイッチ用トランジスタ11bが導通状態になって映像信号電圧Vsigが、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。本実施の形態において、発光素子15はEL素子であり、また、このとき、発光素子15はカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるために、コンデンサ(Celと呼ぶ)とみなすことができる。したがって、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加された映像信号電圧Vsigは、コンデンサ19の容量Csと発光素子の容量Celで分圧されて、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース端子間に印加される。コンデンサ19の容量Csに比較して発光素子の容量Celは、小さいため、映像信号電圧Vsigの多くが、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース端子間に印加される。
なお、本実施の形態において、発光素子15を容量Celとして利用するとしたが、これに限定するものではない。発光素子15に並列に、別途コンデンサを形成してもよいことは言うまでもない。
(発光期間)
次に、図7に示すように、図12における時刻tiで、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンすることにより、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にアノード電圧Vddが印加される。アノード電圧Vddの印加により、電流Idが流れ始める。電流Idに比例して、発光素子15が発光する。
以上のようにして、各画素16における駆動用トランジスタ11aに対してオフセットキャンセル補正が実施され、各画素が点灯、非点灯制御される。
図8は、本発明の実施の形態に係る表示装置におけるゲートドライバ回路の構成の例を示した図である。図8において、81は、走査・出力バッファ回路であり、82はゲートドライバ回路12の出力端子である。83はゲートドライバ回路12の入力端子、84はゲートドライバ回路12の接続端子である。接続端子84に、各ゲート信号線17がACF樹脂で接続される。
走査・出力バッファ回路81は、選択するゲート信号線位置(画素行位置)を特定するシフトレジスタと、ゲート信号線17を駆動する出力バッファ回路とからなる。
ゲート信号線位置(画素行位置)を特定するとは、ゲート信号線17にオン電圧(選択電圧)とオフ電圧(非選択電圧)を印加する位置を特定あるいは決定すること、あるいは状態である。
ゲートドライバ回路12は、COF86に実装されている。ゲートドライバ回路12は、4つの走査・出力バッファ回路81(81a、81b、81c、81d)を有している。4つの走査・出力バッファ回路81は、それぞれ対応する4つのゲート信号線17を駆動する。走査・出力バッファ回路81aは、ゲート信号線GRを駆動し、走査・出力バッファ回路81bは、ゲート信号線GIを駆動する。走査・出力バッファ回路81cは、ゲート信号線GEを駆動し、走査・出力バッファ回路81dは、ゲート信号線GSを駆動する。
走査・出力バッファ回路81dは、クロック入力端子CLK2に接続されており、また、データ入力を行うデータ入力端子DGSに接続されている。なお、走査・出力バッファ回路81の出力をアクティブ、非アクティブに切り替えるイネーブル端子など説明に不要な事項は省略している。
走査・出力バッファ回路81a、81b、81cは、クロック入力端子CLK1に接続されている。走査・出力バッファ回路81aは、データ入力を行うデータ入力端子DGRに接続されている。走査・出力バッファ回路81bは、データ入力を行うデータ入力端子DGIに接続されている。走査・出力バッファ回路81cは、データ入力を行うデータ入力端子DGEに接続されている。
以上の事項から、走査・出力バッファ回路81a、81b、81cは同一のクロックで、動作する。また、走査・出力バッファ回路81a、81b、81c、81dは、それぞれ異なる入力データを入力することができる。
なお、ゲートドライバ回路12内の4つの走査・出力バッファ回路81は、入力端子83に、それぞれ独立である。したがって、各走査・出力バッファ回路81は、それぞれ異なるクロックで動作させることもできるし、共通のデータを入力することもできる。
図9は、本発明の第1の実施の形態における駆動方法の説明図である。また、図12〜図15は、本発明の実施の形態における駆動方法のタイミングチャートである。
図12に図示するように、時刻t3のタイミングで、ゲート信号線17d(GI)、ゲート信号線17c(GR)にオン電圧が印加される。したがって、ゲート信号線17cに接続されている第4のスイッチ用トランジスタ11eがオンし、Vref電圧が駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。また、ゲート信号線17dに接続されている第3のスイッチ用トランジスタ11cがオンし、Vini電圧が駆動用トランジスタ11aのソース端子(コンデンサ19の一端子)に印加される。この時、ゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されているため、第1のスイッチ用トランジスタ11dは、オフ状態(非動作状態)であり、ゲート信号線17a(GS)にもオフ電圧が印加されているため、第2のスイッチ用トランジスタ11bもオフ状態である(図4)。
図12の時刻t5のタイミングで、ゲート信号線17d(GI)にオフ電圧が印加される。したがって、ゲート信号線17dに接続されている第3のスイッチ用トランジスタ11cがオフし、Vini電圧が駆動用トランジスタ11aのソース端子に印加することが停止される。また、ゲート信号線17b(GE)に接続されている第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンする。以上の状態でオフセットキャンセル動作が実施される(図5)。
なお、図12の時刻t3、時刻t5のタイミングにそれぞれ対応する図4、図5の状態は、発光素子15には電流が供給されない。したがって、発光素子15は非点灯状態(非表示状態)である。なお、図4と図5の状態は、連続して実施する必要はなく、所定の時間間隔を保持して実施してもよい。また、時刻t3でゲート信号線GIとGRにオン電圧を印加し、時刻t5でゲート信号線GIにオフ電圧を印加し、ゲート信号線GEにオン電圧を印加するとしたが、ゲート信号線17b(GE)は、時刻t6でオン電圧を印加してよい。
上記動作を図9に図示するように、画面上から画面下に順次実施し、オフセットキャンセル動作を行う。
図10に示したように、図4、図5の動作は、2画素行ずつ実施することもできる。図10(a)では、画素行101の1、2番目にオフセットキャンセルが実施され、CLK1端子に入力されたクロックにより、2画素行分オフセットキャンセの実施位置がシフトされる(図10(b))。つまり、画素行101の3、4番目にオフセットキャンセルが実施される。図10(c)は、画面下の最終画素行(n−1、n)にオフセットキャンセルが実施された状態を示す。以上の動作を表示画面20の画面上から画面下に順次行い、表示画面20の画素行101にオフセットキャンセルが実施される。
オフセットキャンセル動作後、図12の時刻t7においてゲート信号線17b(GE)に再びオフ電圧を印加し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオフ状態にして、各画素行101を非表示状態にする。
映像信号は、図12の時刻t8で、ゲート信号線17a(GS)にオン電圧を印加し、第2のスイッチ用トランジスタ11bをオンさせて、ソース信号線18に印加されている映像信号を画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する。映像信号の印加は、図11に図示するように、1画素行ずつ実施する。ゲート信号線17aへの選択位置の制御は、走査・出力バッファ回路81dで実施する。選択位置のシフトは、CLK2端子に印加するクロックで制御する。図11(a)では、画素行101の1番目の画素行に映像信号の書き込みが実施され、CLK2端子に入力されたクロックにより、1画素行分映像信号の書き込み実施位置がシフトされる(図11(b))。つまり、画素行101の2番目に映像信号の書き込みが実施される。図11(c)は、画面下の最終画素行nに映像信号の書き込みが実施された状態を示す。以上の動作を表示画面20の画面上から画面下に順次行い、表示画面20の画素行101に映像信号書込みが実施される。
映像信号の書込み後、映像表示を行う際には、図12の時刻tiで、ゲート信号線17b(GE)に表示画面20の画面上からオン電圧を印加し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせて、発光素子15に駆動用トランジスタ11aから電流を供給し、画素16に書き込まれた映像信号に基づき発光素子15を発光させる。
図13は、図12の次の状態を図示している。オフセットキャンセル動作を行うゲート信号線17d(GI)、17c(GR)、17b(GE)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、2画素行シフトされ、図12の時刻t3から図13では時刻t5となっている。映像信号を印加する位置するゲート信号線17a(GS)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図12の時刻t8から図13では時刻t9となっている。
図14は、図13の次の状態を図示している。図14は、オフセットキャンセル動作を行うゲート信号線17d(GI)、17c(GR)、17b(GE)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、2画素行シフトされ、図13の時刻t5から図14では時刻t7となっている。映像信号を印加する位置するゲート信号線17a(GS)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図13の時刻t9から図14ではt10となっている。
以上の動作では、オフセットキャンセル動作を行うためのクロック端子CLK1のクロック周波数と、映像信号を表示画面20に書き込む動作を行うクロック端子CLK2のクロック動作周波数は、同一の周波数である。つまり、図8に示したゲートドライバ回路における走査・出力バッファ回路81a〜81cと、走査・出力バッファ回路81dの動作周波数とは同一である。したがって、CLK1端子とCLK2端子とは共通に接続してもよい。
なお、以上の実施の形態では、オフセットキャンセル動作は、2画素行ずつ選択してオフセットキャンセルを実施するとしたが、これに限定するものではなく、3画素行あるいはそれ以上の画素行101を、同時にオフセットキャンセル動作を実施してもよい。また、1、2画素行をオフセットキャンセル動作し、次のクロックで、2、3画素行にオフセットキャンセル動作を実施するなど、オフセットキャンセルを実施する画素行101をオーバーラップさせてもよい。
また、オフセットキャンセル動作は、2画素行ずつ選択してオフセットキャンセルを実施するとしたが、オフセットキャンセル動作を、2倍速で行ってもよい。つまり、映像信号書込み動作の速度の2倍速で走査・出力バッファ回路81を動作させる。画素行101の選択は図11のように、1画素行ずつ選択し、オフセットキャンセル動作を実施する。図11に図示するように、1画素行ずつ画素行101を選択してオフセットキャンセル動作を実施してもよい。この場合は、図8に示したゲートドライバ回路における走査・出力バッファ回路81a〜81cのCLK1端子へのクロック周波数を、走査・出力バッファ回路81dのCLK2端子へのクロック周波数の2倍とすればよい。
なお、以上の説明は、オフセットキャンセル動作について説明したが、発光制御動作に関しても同様である。
以上の実施の形態では、映像信号の書き込み動作は、1画素行ずつ選択して映像信号書込みを実施するとしたが、これに限定するものではなく、2画素行あるいはそれ以上の画素行101を、同時に選択して映像信号書込み動作を実施してもよい。また、1、2画素行に映像信号を書込、次のクロックで、2、3画素行に映像信号の書き込み動作を実施するなど、映像信号書込みを実施する画素行101をオーバーラップさせてもよい。
また、図15に図示するように、Vini電圧を印加する期間を1H期間(1画素行の選択期間)としてもよい(ゲート信号線GI:時刻t3〜t4)。また、オフセットキャンセル動作を行う期間を1H期間としてもよい(ゲート信号線GE:時刻t5〜t6)。Vini電圧を印加する期間とオフセットキャンセル動作を行う期間を1H期間以上の期間離してもよい(時刻t4〜t5)。
図9において、一点鎖線で示すオフセットキャンセル動作に伴い、表示画面20は非表示となる。オフセットキャンセル動作は、ゲート信号線GE、GI、GRで実施する。しかし、表示画面20を非表示状態とする場合には、少なくともゲート信号線17b(GE)にオフ電圧を印加し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオフ状態とすればよい。また、ゲート信号線GR、GIにより、Vref、Vini電圧の印加によっても、表示画面20の各画素行101は、非表示となる。したがって、一点鎖線のオフセットキャンセル動作は、ゲート信号線GIまたはGRのうち少なくも一方の動作(オン電圧などの印加)と、ゲート信号線GEの動作(オン電圧などの印加)とを分離して、記述あるいは説明することができることは言うまでもない。つまり、ゲート信号線GIとGRを操作することにより非表示とし、その後にゲート信号線GEを操作してもよい。また、ゲート信号線GEを操作することにより非表示としてもよい。
2倍速(2画素行ずつオフセットキャンセル動作させる、または、映像信号の書き込み速度に対して2倍の速度で1画素行ずつオフセットキャンセル動作させる)でオフセットキャンセルすることにより、非表示状態とし、非表示状態で、ゲート信号線GSを順次走査して映像信号を表示画面20に書き込む(図9の実線の映像信号書込み動作)。
発光制御は、図9の点線で示すように、ゲート信号線17b(GE)に表示画面20の画面上からオン電圧を印加し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせて、発光素子15に駆動用トランジスタ11aから電流を供給し、画素16に書き込まれた映像信号に基づき発光素子15を発光させる。ゲート信号線17b(GE)にオン電圧を印加し、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンすることにより、映像が表示画面20に表示される。
本実施の形態において立体(3D)映像の表示を行う場合には、図9におけるa期間が、左右のメガネのシャッターを切り替えるタイミングあるいは期間である。b期間が、左目に対応するメガネのシャッターを開く(透過状態とする)期間である(右目に対応するメガネのシャッターを閉じる(非透過状態とする)期間である)。c期間が、右目に対応するメガネのシャッターを開く(透過状態とする)期間である(左目に対応するメガネのシャッターを閉じる(非透過状態とする)期間である)。
図9に示す本実施の形態に係る表示装置による映像表示の場合には、表示画面全体についての書き込みの終了を待つことなく、順次発光を開始することができるので、1フレームの40%以上の期間で発光素子15の発光が可能である。また、この場合、右眼用の画像と左眼用の画像が表示される間の黒表示(非表示)期間に、メガネ切り替え期間(a期間)として、1〜3msを設けることができるので、3D映像表示を行うことができる。
図9に示した駆動方法では、図8に示したゲートドライバ回路におけるCLK2の周期をCLK1の周期よりも長くすることにより、映像信号の書き込みの速度は、発光または非表示の速度よりも遅くなる。このため、従来の駆動方法における映像の書き込みの速度と同じ速度であるにもかかわらず、発光時間を多くとることができる。
図9に図示するように、一例として2倍速オフセットキャンセル動作を行い(一点鎖線)、1倍速で映像信号書込み動作(実線)を行い、また、2倍速で発光制御動作(点線)を行うことができる。映像信号書込みは、右映像と左映像を交互に行う、シャッターメガネ(図示せず)の右目と左目のシャッターの切り替えは、非表示および右映像、左映像の表示に同期させて実施する。右目と左目のシャッターの切り替えタイミングは、非表示および右映像、左映像の表示のタイミングに合わせて、移動(調整)できるように構成する。また、a期間、b期間、c期間における、メガネのシャッターを開く(あるいは閉じる)期間の長さを調整あるいは設定できるように構成する。
このように本発明の実施の一形態においては、全ての発光素子15の消光が完了する前から消光した画素16への書き込みを開始すると共に、全ての画素16への書き込みが完了する前から書き込んだ画素における発光素子15の発光を開始することができる。これにより、駆動周期を上げることなく、発光期間を長く確保することができ、高い表示輝度を確保することができる。
本発明の実施の一形態においては、表示画面20に映像の書き込みと消去を同時に行うことができる。したがって、従来のように書き込みが終了するのを待ってから映像を一括表示しなくてもよく、書き込みが終了する前に表示画面20に行毎に映像を表示することができる。
また、本発明の実施の一形態においては、オフセットキャンセル補正の走査を、映像信号書込みの走査よりも高速に行い、発光制御の走査を、映像信号書込みの走査よりも高速に行う。これにより、発光期間を長く確保することができ、駆動周期を上げることなく、均一で、良好な画像表示を実現できる。オフセットキャンセル動作(補正)を実施することにより、各画素は非表示(黒表示)となる。
また、本発明の実施の一形態においては、オフセットキャンセル動作、発光制御動作の走査を、映像信号書込み動作の走査よりも高速に行う。オフセットキャンセル動作により、画素は非表示(黒表示)となり、発光制御動作により画素は表示(画像表示)状態になる。オフセットキャンセル動作が全画面に完了する前に、映像信号書込み動作を開始する。映像信号書込みは、左映像と右映像を交互に表示画面に書き込む。
図17は、図9の一部を抜き出し、本発明の実施の形態に係る駆動方法を説明するための説明図である。図17において、画面上方向に位置する画素行aでは、オフセットキャンセル動作を実施してから映像書込み動作を実施するまでの時間はA期間である。画面下方向に位置する画素行bでは、オフセットキャンセル動作を実施してから映像書込み動作を実施するまでの時間はB期間である。つまり、表示画面20の上の画素行(映像書き換えフレームの最初)では、オフセットキャンセル動作を実施してから映像書込み動作を実施するまでの時間が短いのに対して、表示画面20の下の画素行(映像書き換えフレームの最後)では、オフセットキャンセル動作を実施してから映像書込み動作を実施するまでの時間が長い。
図16は、本発明の実施の形態に係る画素構成の説明図である。発光素子15は、カットオフ状態の時には、コンデンサ19b(Cel)とみなせる。一方、アノード配線あるいは電極には抵抗Rdがあり、カソード配線あるいは電極には抵抗Rsがある。アノード電流Idが流れると抵抗Rdにより、画素16のアノード端子に印加される電圧が変動する。カソード電流Isが流れると抵抗Rsにより、画素16のカソード端子に印加される電圧が変動する。
発光素子15がカットオフ状態の時には、コンデンサ19b(Cel)とみなせるため、コンデンサ19(Cs)とコンデンサ19b(Cel)とは直列に接続された状態になる。したがって、カソード電極と駆動用トランジスタ11aのゲート端子とは、2つのコンデンサCsとCelで電気的に接続された状態とみなせる。そのため、カソード電流Isが流れ、カソード電極の電位が電圧波形161aのように変動すると、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位も電圧波形161bのように変動する。駆動用トランジスタ11aのゲート端子の変動は、画素に書き込んだあるいは書き込む映像信号の変動とみなせる。本発明の実施の形態に係る画素構成では、カソード電圧の変動により、駆動用トランジスタ11aのゲート端子が変動し、画素に書き込んだあるいは書き込む映像信号の変動が発生する可能性がある。
したがって、図17に示すように、図9の駆動方法では、表示画面20の上の画素行(映像書き換えフレームの最初)では、オフセットキャンセル動作を実施してから映像書込み動作を実施するまでの時間が短いため、カソード電極の電位変動の影響を受けにくい。しかし、表示画面20の下の画素行(映像書き換えフレームの最後)では、オフセットキャンセル動作を実施してから映像書込み動作を実施するまでの時間が長いため、カソード電極の電位変動の影響を受けやすいという問題がある。
図19は、図17で説明した問題を解決する本発明の第2の実施の形態における駆動方法の説明図である。また、図18は図19の本発明の第2の実施の形態を実現するためのゲートドライバ回路12の構成図である。
図18において、81は、走査・出力バッファ回路であり、82はゲートドライバ回路12の出力端子である。83はゲートドライバ回路12の入力端子、84はゲートドライバ回路12の接続端子である。図8に示したゲートドライバ回路12との主な差異は、走査・出力バッファ回路81dに2つのシフトレジスタ回路181(181a、181b)を有している点である。シフトレジスタ181aは、クロック端子CLK1と接続されており、クロック端子CLK1は、走査・出力バッファ回路81a〜81cにも接続されている。つまり、走査・出力バッファ回路81a〜81cと、走査・出力バッファ回路81dのシフトレジスタ181aとは同一のクロック周波数で動作する。また、シフトレジスタ181aにはデータ端子DEaが接続されている。
一方、走査・出力バッファ回路81dのシフトレジスタ181bは、クロック端子CLK2が接続され、データ端子DEbが接続されている。したがって、走査・出力バッファ回路81dのシフトレジスタ181aとシフトレジスタ181bとは独立したクロック周波数で動作する。
シフトレジスタ181aの出力aと、シフトレジスタ181bの出力bとは、OR回路182で論理ORがとられる。したがって、シフトレジスタ181aと181bに選択されているデータの双方がゲート信号線GEの選択電圧(オン電圧)の出力となる。かかる構成により、シフトレジスタ181aの出力aに基づく第1のパルスと、シフトレジスタ181bの出力bに基づく第2のパルスとを含む走査信号として、ゲート信号線GEに出力することが可能となる。他の点は、図8などで説明した実施例と同等あるいは類似であるので説明を省略する。
このように、本発明の実施の形態におけるゲートドライバ回路12は、第1の信号を第1の周期を有するクロック信号に基づいて出力する第1のシフトレジスタと、第2の信号を第1の周期とは異なる第2の周期を有するクロック信号に基づいて出力する第2のシフトレジスタと、入力された第1の信号及び第2の信号の論理和または論理積を求め、第1の信号に基づく第1のパルス及び第2の信号に基づく第2のパルスを含む選択信号として出力する論理回路とを備える。
これにより、異なる周期のパルス信号を選択信号としてゲート信号線17に出力することができるので、全ての画素行における発光素子15のオフセットキャンセル動作が完了する前から発光素子15の発光を開始することができる。これにより、発光期間を長く確保することができ、立体表示(3D表示)において駆動周期を上げることなく高い表示輝度を確保することができる。
図19は、本発明の実施の形態に係る駆動方式の説明図である。また、図20〜図23は、本発明の実施の形態に係る駆動方法のタイミングチャートである。
図19の駆動方法において、図9と同様に、図18のゲートドライバ回路におけるCLK1端子に入力するクロック周波数は、CLK2端子のクロック周波数の2倍の動作周波数に設定するか、または、CLK1端子とCLK2端子に入力する周波数を同一とし、図10に図示するように、複数画素行を同時に選択するように制御する。
なお、GEaとは、シフトレジスタ181aの出力であり、GEbとは、シフトレジスタ181bの出力である。GEaとGEbの出力がOR回路で論理ORされて、ゲート信号線GEの出力となる。シフトレジスタ181aには、入力データ端子DEaのデータにより選択位置が制御される。シフトレジスタ181bには、入力データ端子DEbのデータにより選択位置が制御される。
入力データを2データ連続とすることにより、図10に図示するように2画素行に連続して選択電圧(オン電圧)が印加される。また、単独の選択電圧(オン電圧)が入力されることにより、図11に図示するように1画素行に選択電圧(オン電圧)が印加される。以上の事項は、他の実施の形態でも同様である。
図19において、2点鎖線で示す消灯(非表示)制御動作では、シフトレジスタ181bの出力をゲート信号線GEに出力し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオフさせる。点線で示す点灯(表示)制御動作では、シフトレジスタ181bの出力をゲート信号線GEに出力し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせて、発光素子15に電流を供給する。
オフセットキャンセル動作は、1倍速で実施する。シフトレジスタ回路181aの出力(走査・出力バッファ回路81dの出力)でゲート信号線GEにオン電圧を印加し、走査・出力バッファ回路81aの出力で、ゲート信号線GRにオン電圧を印加させて対応する画素行にVref電圧を印加する。また、走査・出力バッファ回路81bの出力で、ゲート信号線GIにオン電圧を印加させて対応する画素行にVini電圧を印加する。ゲート信号線GE、GR、GIの制御でオフセットキャンセル動作(一点鎖線)を行った後、走査・出力バッファ回路81cによりゲート信号線GSにオン電圧を印加し、第2のスイッチ用トランジスタ11bをオンさせて映像信号を画素行に書き込む(図19の実線で示す映像信号書込み動作)。以上の駆動における画素回路の動作は、図4〜図6などを用いて説明しているので説明を省略する。
図17の実施の形態では、画面の上と画面の下では、オフセットキャンセル動作から映像信号の書き込み期間が異なり、図16で説明したように画素に保持される映像信号が変動するという問題があった。図19の本発明の実施の形態に係る駆動方式では、オフセットキャンセル動作後、すぐにあるいは、所定の一定期間後に、映像信号を画素に書き込む。したがって、画素に保持される映像信号の変動がなく、良好な画像表示を実現できる。
図19に示した実施の形態においては、複数の発光素子15の最後の行の消灯状態の開始より前に、複数の発光素子15の最初の行への映像信号の書き込みを開始し、複数の発光素子15の最初の行の発光状態の開始より後に、複数の発光素子15の最後の行への映像信号の書き込みを終了するように制御される。
本発明の実施の形態においては、消灯制御動作と発光(点灯)制御動作は、映像信号書込みの走査よりも高速に行う。オフセットキャンセル補正の走査を、映像信号書込みの走査と同速度で行い、点灯制御の走査を、映像信号書込みの走査よりも高速に行う。すなわち、複数の画素の行について、オフセットキャンセル補正の走査をする期間は、映像信号書込みの走査をする期間とほぼ同一であり、点灯制御の走査をする期間は、映像信号書込みの走査をする期間よりも短い。これにより、発光期間を長く確保することができ、駆動周期を上げることなく、均一で、良好な画像表示を実現できる。
このように本発明の実施の形態においては、全ての発光素子15の消光が完了する前から消光した画素16への書き込みを開始すると共に、全ての画素16への書き込みが完了する前から書き込んだ画素における発光素子15の発光を開始することができる。これにより、駆動周期を上げることなく、発光期間を長く確保することができ、高い表示輝度を確保することができる。
図20に図示するように、時刻t3のタイミングで、ゲート信号線17d(GI)、ゲート信号線17c(GR)にオン電圧が印加される。したがって、ゲート信号線17cに接続されている第4のスイッチ用トランジスタ11eがオンし、Vref電圧が駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。また、ゲート信号線17dに接続されている第3のスイッチ用トランジスタ11cがオンし、Vini電圧が駆動用トランジスタ11aのソース端子(コンデンサ19の一端子)に印加される。この時、ゲート信号線17b(GE)にはオフ電圧が印加されているため、第1のスイッチ用トランジスタ11dは、オフ状態(非動作状態)であり、ゲート信号線17a(GS)にもオフ電圧印加されているため、第2のスイッチ用トランジスタ11bもオフ状態である(図4)。
時刻t4のタイミングで、ゲート信号線17d(GI)にオフ電圧が印加される。したがって、ゲート信号線17dに接続されているスイッチ用トランジスタ11cがオフし、Vini電圧が駆動用トランジスタ11aのソース端子に印加することが停止される。
時刻t5のタイミングで、シフトレジスタ181aの出力GEaがゲート信号線17b(GE)の出力となる。これにより、ゲート信号線17b(GE)に接続されている第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンする(図5)。以上の状態でオフセットキャンセル動作が実施される(図5)。
図20の時刻t3、時刻t5のタイミングにそれぞれ対応する図4、図5の状態は、発光素子15には電流が供給されない。したがって、発光素子15は非点灯状態(非表示状態)である。なお、図4と図5の状態は、連続して実施する必要はなく、所定の時間間隔を保持して実施してもよい。図20では、ゲート信号線17d(GI)にオフ電圧を印加してから、スイッチ用トランジスタ11dをオンするまでの期間に1Hの期間をあけているが、これに限定されるものではない。
また、時刻t7で、ゲート信号線17a(GS)にオン電圧を印加し、第2のスイッチ用トランジスタ11bをオンさせて映像信号を該当画素行に書き込む。
図20では、時刻t3でゲート信号線GIとGRにオン電圧を印加し、時刻t4でゲート信号線GIにオフ電圧を印加し、時刻t5でゲート信号線GEにオン電圧を印加するとしたが、ゲート信号線17b(GE)には、時刻t4でオン電圧を印加してよい。また、時刻t7でゲート信号線GSにオン電圧を印加するとしたが、ゲート信号線GSは、時刻t6でオン電圧を印加してよい。また、時刻t8でオン電圧を印加してもよい。
上記動作を図19に図示するように、画面上から画面下に順次実施し、オフセットキャンセル動作と、映像信号の書き込み動作を実施する。
図19の駆動において、図4、図5の動作は、図11に図示するように、1画素行ずつ実施する。図11(a)では、画素行101の1番目にオフセットキャンセルが実施され、また、映像信号が画素行に書き込まれる。CLK1端子に入力されたクロックにより、1画素行分オフセットキャンセの実施位置がシフトされる(図11(b))。つまり、画素行101の2番目にオフセットキャンセルが実施される。図11(c)は、画面下の最終画素行1、nにオフセットキャンセルが実施された状態を示す。以上の動作を表示画面20の画面上から画面下に順次行い、表示画面20の画素行101にオフセットキャンセルと映像信号書込みが実施される。
発光制御動作は、シフトレジスタ181bにより制御する。シフトレジスタ181bは、ゲート信号線17b(GE)にオン電圧を出力し、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせる。
図19の本発明の実施の形態に係る駆動方式では、オフセットキャンセル動作後、すぐにあるいは、所定の一定期間後に、映像信号を画素に書き込む。したがって、画素に保持される映像信号が変動なく、良好な画像表示を実現できる。なお、一定期間とは、1フレーム期間以内の期間である。
図21は、図20の次の状態を図示している。オフセットキャンセル動作を行うゲート信号線17d(GI)、17c(GR)、17b(GE)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図20の時刻t3ないしt6から図21では時刻t4ないしt7となっている。映像信号を印加するタイミングを制御するゲート信号線17a(GS)にオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図20の時刻7ないし時刻t8から図21では時刻t8ないし時刻t9となっている。なお、ゲート信号線GEには、時刻t7でオフ電圧が印加される。
図22は、図21の次の状態を図示している。図22は、オフセットキャンセル動作を行うゲート信号線17d(GI)、17c(GR)、17b(GE)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図21の時刻t4ないし時刻t7から図22では時刻t5ないし時刻t8となっている。映像信号を印加するタイミングを制御するゲート信号線17a(GS)にオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図22では時刻t9ないし時刻t10となっている。なお、ゲート信号線GEには、時刻t8でオフ電圧が印加される。
図23は、図22の次の状態を図示している。図23は、オフセットキャンセル動作を行うゲート信号線17d(GI)、17c(GR)、17b(GE)のオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図22の時刻t5ないし時刻t8から図23では時刻t6ないし時刻t9となっている。映像信号を印加するタイミングを制御するゲート信号線17a(GS)にオンまたはオフ電圧を印加する位置は、1画素行シフトされ、図23では時刻t10ないし時刻t11となっている。なお、ゲート信号線GEは、時刻t9でオフ電圧が印加される。
本発明の実施の形態では、図24(a)に示したように、画素行101aには、GE、GI、GS、GRの順に配置することもできるし、図24(b)に示したように、画素行101aには、GI、GE、GS、GRの順に配置することもできる。図24(a)と図24(b)は、ゲートドライバIC12の各出力端子84が画素のレイアウト(各ゲート信号線の引き出し位置、配置)により、出力端子の機能を変更する必要があることを意味する。たとえば、1番目の端子は、ゲート信号線GEして動作することもあれば、GR、GI、GSとして動作することもある。本発明の実施の形態におけるゲートドライバ回路12は、どのゲート信号線としても機能するように構成されている。たとえば、各ゲート信号線のオン電圧は、それぞれあるいは4つの走査・出力バッファ回路81のうち、少なくとも2つの走査・出力バッファ回路81には独立に設定できるように構成されている。オフ電圧についても同様である。
なお、図4の画素構成では、ゲート信号線17b(GE)が紙面の上方で、ゲート信号線17d(GI)が紙面の下方に位置している。しかし、各ゲート信号線(GE、GR、GI、GS)の位置は、ガラス基板に画素のトランジスタ、コンデンサのレイアウト設計を行わないと決定しないものであり、図4に示された配置に限定されるものではない。
ゲートドライバ回路12は、出力端子82から、図25(b)の出力波形を出力することもできる。出力電圧は、オフ電圧(Voff1、Voff2)、オン電圧(Von)の3つの電圧である。3つの電圧を出力するので、ゲート電圧3値駆動と呼ぶ。または、ゲートオーバードライブ駆動と呼ぶ。
また、オフ電圧(Voff1)、オン電圧(Von)の2つの電圧で駆動する駆動方法を、ゲート電圧通常駆動あるいは、ゲート電圧2値駆動(図25(a))と呼ぶ。
ゲート電圧2値駆動とゲート電圧3値駆動とは、図26の選択信号線(SEL端子)に印加するロジック電圧で決定する。SEL端子での設定は、ゲートドライバ回路12内に形成または配置された各走査・出力バッファ回路81ごとに設定ができるように構成している。
Von電圧は、画素16のトランジスタ11をオンさせる電圧である。Voff1、Voff2電圧は画素16のトランジスタ11とオフさせる電圧である。具体的には、Von電圧は、15(V)以上30(V)以下である。Voff2電圧は、−15(V)以上−8(V)以下である。Voff1電圧は、−8(V)以上−3(V)以下である。
オン電圧(Von)を出力するa期間は、nH期間(nは1以上の整数、Hは水平走査期間または1画素行の選択期間)である。Voff2電圧を印加するb期間は、1H期間である。
図25はゲート電圧3値駆動の説明図である。走査・出力バッファ回路81が選択した画素行にVon電圧が1水平走査(1H)期間(a期間:画素行選択期間)あるいはそれ以上の期間、印加される。Voff2電圧の印加期間bは、1H期間である。c期間はVoff1電圧が印加され、a期間、b期間以外の期間は、Voff1電圧が印加され保持される。
Von電圧の印加期間aは、nH期間(nは1以上の整数)であり、Clk信号に同期する。図25(b)のゲート電圧3値駆動は、ゲート信号線GSに対して実施される。つまり、映像信号を画素16に書き込む第2のスイッチ用トランジスタ11bが接続されたゲート信号線17aに対してゲート電圧3値駆動が実施される。
Voff2電圧が1H期間(b期間)印加されるのは、映像信号を印加するために選択された画素に対して、映像信号を書込み後、高速に非選択(オフ)にするためである。また、Voff1電圧で保持する(C期間)のは、トランジスタ11のゲート端子に深い電圧(Voff2)が印加され、Vtシフトなどトランジスタ特性が変化することを抑制するためである。
図25(a)に図示するように、ゲート電圧2値駆動では、Von電圧から、Voff1電圧に変化する期間がt1と長時間を必要とする。t1が長いと、この期間に画素に書き込んだ映像信号がリークし、また、上下に隣接した画素間でクロストークなどが発生する。
図25(b)に示すゲート電圧3値駆動を実施すると、図示するように、Von電圧から、Voff1電圧に変化する期間がt2と非常に短時間となる。したがって、画素に書き込んだ映像信号がリークし、また、上下に隣接した画素間でクロストークなどが発生することがない。
Von電圧の印加期間後、1H期間の間あるいは1Hより短い期間の間(b期間)、Voff2電圧が印加される。Voff2電圧の印加期間後、前記選択した画素行に対応するゲート信号線17にVoff1電圧が印加され、前記ゲート信号線は、次のフレーム期間にVon電圧が印加されるまで期間(c期間)、Voff1電圧に保持される。
Von電圧の印加期間後、1H期間の間あるいは1Hより短い期間の間、Voff2電圧が印加される。Voff2電圧の印加期間後、前記選択した画素行に対応するゲート信号線17にVoff1電圧が印加され、前記ゲート信号線は、次のフレーム期間にVon電圧が印加されるまで、Voff1電圧に保持される。
なお、ゲート電圧2値駆動とゲート電圧3値駆動は、SEL(SEL1、SEL2)端子に印加するロジック信号により、設定される。図26に示すSEL(SEL1〜SEL4)端子に印加されるロジック電圧が”L”の場合は、ゲート電圧2値駆動モードに設定される。SEL(SEL1〜SEL4)端子に印加されるロジック電圧が”H”の場合は、ゲート電圧3値駆動モードに設定される。
各SEL(SEL1〜SEL4)端子は、走査・出力バッファ回路81a〜81dに接続されており、SEL端子のロジックにより、走査・出力バッファ回路81の出力がゲート電圧2値駆動またはゲート電圧3値駆動に設定される。
また、図26の各走査・出力バッファ回路81は、走査・出力バッファ回路81dのように、AND回路261が形成または配置されている。SEL端子がHロジックの時、対応する走査・出力バッファ回路81のシフトレジスタ181bの出力が有効となり、ゲート電圧3値駆動に設定される。SEL端子がLロジックの時、対応する走査・出力バッファ回路81のシフトレジスタ181bの出力が無効となり、ゲート電圧2値駆動に設定される。
なお、図26の実施例では、各走査・出力バッファ回路81のデータ入力端子(D1、D2、D3、D4、DEb)、クロック入力端子(Clk1a、Clk1b、Clk1c、Clk1d、Clk2)は、独立に設定できるように構成されている。
Von電圧、Voff1電圧、Voff2電圧の切り替えは、図27に図示するように、切り替え回路271で行う。切り替え回路のd端子入力信号(2bit)により、a端子(Voff2電圧)、b端子(Voff1電圧)、c端子(Von電圧)のいずれかが選択され、ゲート信号線17に印加される。
図28は、本発明の実施の形態に係る画素回路の構成図である。図2との差異は、第4のスイッチ用トランジスタ11eがない点である。他の構成などは、図2と同様である。
以下、図29〜図33を用いて、図28の画素構成の動作を説明する。
(非発光期間)
図28の画素回路において、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオン状態のとき、発光素子15にアノード電圧Vddから電流が供給され、発光素子15が発光状態にある(発光期間)。アノード電圧Vddから駆動トランジスタ11aを通して発光素子15に駆動電流(ドレイン・ソース間電流)Idが供給されるため、発光素子15が駆動電流Idに応じた輝度で発光する。
一方、図29に図示するように、第1のスイッチ用トランジスタ11dをオフ状態にすることにより、発光素子15に流れる電流が遮断され、発光素子15の発光が停止する(非発光)。
(オフセットキャンセル補正準備期間)
図30は、オフセットキャンセル補正の準備期間の画素動作状態を示す。オフセットキャンセル補正の準備期間では、第2のスイッチ用トランジスタ11bがオンし、ソース信号線に印加されたリファレンス電圧Vrefが駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。リファレンス電圧Vrefはソースドライバ回路14が出力する。
また、第3のスイッチ用トランジスタ11cがオンし、イニシャル電圧Viniが発光素子15のアノード端子に印加される。駆動用トランジスタ11aのゲート電位Vgがリファレンス電圧Vrefになる。また、駆動用トランジスタ11aのソース電位Vsは、リファレンス電圧Vrefよりも十分に低いイニシャル電圧Viniに設定される。このように、駆動用トランジスタ11aのゲート電位Vgをリファレンス電圧Vref、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ初期化することで、オフセットキャンセル補正動作の準備が完了する。
(オフセットキャンセル補正期間)
図31に示すように、ゲート信号線17b(GE)に選択電圧(オン電圧)が印加され、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンすると、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にアノード電圧Vddが印加される。すると、駆動用トランジスタ11aのソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動用トランジスタ11aのオフセットキャンセル電圧Vthになり、当該オフセットキャンセル電圧Vthに相当する電圧がコンデンサ19に書き込まれる。
なお、オフセットキャンセル補正期間において、電流が専らコンデンサ19側に流れ、発光素子15側には流れないようにするために、発光素子15がカットオフ状態となるようにカソード電極のカソード電圧Vssを設定しておく。
(書き込み期間)
次に、図32に示すように、ソース信号線18にソースドライバ回路14から映像信号電圧Vsigが印加される。ゲート信号線17aに選択電圧が印加されることにより、第2のスイッチ用トランジスタ11bが導通状態になって映像信号電圧Vsigが、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。このとき、発光素子15はカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるために、コンデンサ(Celと呼ぶ)とみなすことができる。したがって、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加された映像信号電圧Vsigは、コンデンサ19(Cs)とEL容量(Cel)で分圧されて、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース端子間に印加される。コンデンサ19(Cs)に比較してEL容量(Cel)は、小さいため、映像信号電圧Vsigの多くが、駆動用トランジスタ11aのゲート−ソース端子間に印加される。
なお、本発明の実施の形態において、発光素子15を容量Celとして利用するとしたが、これに限定するものではない。発光素子15に並列に、別途コンデンサを形成してもよいことは言うまでもない。
(発光期間)
図33に示すように、第1のスイッチ用トランジスタ11dがオンすることにより、駆動用トランジスタ11aのドレイン端子にアノード電圧Vddが印加される。アノード電圧Vddの印加により、電流Idが流れ始める。電流Idの大きさに比例して、発光素子15が発光する。
図28の画素構成は、本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。また、他の実施の形態と組み合わせることができることも言うまでもない。
本発明の実施の形態に係る表示装置では、映像信号を書き込むトランジスタ11bに接続されたゲート信号線17a(GS)を両側駆動(表示画面20の左右に配置された2つのゲートドライバ回路12で駆動する)を行うことができる。他の高速スルーレートが必要でないゲート信号線は、片側駆動(表示画面20の左右のいずれかのゲートドライバ回路12で駆動する)を行う。
図34は、両側駆動を実施した場合の本発明の実施の形態に係る表示装置の構成図である。表示画面20の左側にゲートドライバ回路12aが配置され、右側にゲートドライバ回路12bが配置された状態を示している。ゲートドライバ回路12内には、4つの走査・出力バッファ回路81(81a、81b、81c、81d)が形成されている。ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bとは、表示画面に対して点対称の位置に配置される。したがって、ゲートドライバ回路12aの走査・出力バッファ回路81a〜81dの配置と、ゲートドライバ回路12bの走査・出力バッファ回路81a〜81dの配置順番は逆順となる(ゲートドライバ回路12aの走査・出力バッファ回路81は左から81a、81b、81c、81d。ゲートドライバ回路12bの走査・出力バッファ回路81は左から81d、81c、81b、81aの順番)。
ゲートドライバ回路12aの走査・出力バッファ回路81cはゲート信号線GSと接続されている。ゲートドライバ回路12bの走査・出力バッファ回路81bはゲート信号線GSと接続されている。つまり、ゲート信号線GSには、異なる番号の走査・出力バッファ回路81が接続されていることになる。ゲート信号線GSはゲート電圧3値駆動を実施する。そのため、本発明のゲートドライバ回路12の走査・出力バッファ回路81は、いずれかもが、ゲート電圧2値駆動とゲート電圧3値駆動を選択することができるように構成している。ゲート電圧2値駆動とゲート電圧3値駆動の選択は、図26に図示するようにSEL端子に印加するロジック電圧(ロジック信号)で選択する。
以上の実施の形態は、本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。また、実施の形態どうしを適宜組み合わせることができることも言うまでもない。たとえば、図34、図26、図18などで説明した事項は相互に組み合わせることができる。また、以上のゲートドライバ回路12は、図2、28の画素構成、図9、図19の駆動方式と適宜組み合わせることができる。
なお、本発明の実施の形態において、両側駆動とは、表示画面20の左右に配置された2つのゲートドライバIC12で駆動するとしたが、これに限定するものではない。両側駆動とは、2つのゲートドライバ回路12で駆動するものであれば該当する。たとえば、ゲート信号線17の片側に2つのゲートドライバ回路12を接続または配置し、駆動する方式も該当する。
つまり、両側駆動とは、1つのゲート信号線17を複数のゲートドライバ回路12で駆動する方式である。また、ゲート信号線17は、ゲートドライバ回路12で駆動するとして説明をするが、これに限定するものではない。たとえば、ポリシリコン技術でアレイ基板に直接にゲートドライバ回路を形成または配置し、このゲートドライバ回路でゲート信号線17を駆動する構成も該当する。
本発明の実施の形態は、主として、画素16に映像信号電圧を印加する方式(プログラム電圧方式)を例示して説明した。しかし、本発明の実施の形態は、これに限定するものではない。画素16に映像信号電流を印加する方式(プログラム電流方式)であってもよい。また、PWM駆動のように、画素16を点滅あるいはデジタル的に点灯させて表示するデジタル駆動方式であってもよい。また、他の駆動方式であってもよい。発光面積で発光強度を表現する発光面積可変駆動であってもよい。
一例として、PWM駆動とは、所定の電圧値をトランジスタ11bで画素16に印加し、階調に対応するビット数を、トランジスタ11dをオンオフさせて、階調表示する方式が例示される。
また、トランジスタ11dをオンオフ制御し、表示画面20に帯状の黒表示(非表示)を発生させ、表示画面20に流れる電流量を制御する。
また、表示画面20に流れる電流の大きさに基づいて、アノード電圧Vddを可変できるように構成することもできる。表示画面20に流れる電流が所定値よりも大きい場合は、アノード電圧Vddを低下させてパネルの消費電力を抑制する。表示画面20に流れる電流が所定値よりも小さい場合は、アノード電圧Vddを高くあるいは、所定の電圧を保持させて各画素16の発光素子15に規定の電流を流れるように制御する。
本発明の実施の形態に係る表示装置では、画素16位置に対応して、赤(R)、緑(G)、青(B)からなるカラーフィルターを形成することができる。なお、カラーフィルターは、RGBに限定されものではない、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)色の画素を形成してもよい。また、白(W)の画素を形成してもよい。つまり、表示画面20にR、G、B、W画素をマトリックス状に配置する。
画素はRGBの3画素で正方形の形状となるように作製することができる。したがって、R、G、Bの各画素は縦長の画素形状となる。したがって、レーザー照射スポットを縦長にしてアニールすることにより、1画素内ではトランジスタ11の特性バラツキが発生しないようにすることができる。
なお、R、G、Bの画素開口率は、異ならせてもよい。開口率を異ならせることにより、各RGBの発光素子15に流れる電流密度を異ならせることができる。電流密度を異ならせることにより、RGBの発光素子15の劣化速度を同一にすることができる。劣化速度を同一にすれば、表示装置のホワイトバランスずれが発生しない。
また、必要に応じて、白(W)の画素を形成する。つまり、画素は、R、G、B、Wから構成される。R、G、B、Wに構成することにより、高輝度化が可能となる。また、R、G、B、Gとする構成も例示される。
本発明の実施の形態では、RGBの3原色に加えて、W(白)の画素16Wを有することもできる。画素16Wを形成または配置することにより、色ピーク輝度を良好に実現できる。また、高輝度表示を実現できる。
表示装置のカラー化は、マスク蒸着により行うが、本発明の実施の態様はこれに限定するものではない。たとえば、青色発光のEL層を形成し、発光する青色光を、R、G、Bの色変換層(CCM:カラーチェンジミディアムズ)でR、G、B光に変換してもよい。
なお、表示装置の光出射面には、円偏光板(円偏光フィルム)(図示せず)を配置することができる。偏光板と位相フィルムを一体したものは円偏光板(円偏光フィルム)と呼ばれる。
上記実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)を様々な電子機器に適用することができる。具体的には、電子機器の表示部に適用することができる。
そのような電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図35はディスプレイであり、筐体352、保持台353、本願発明のEL表示装置(EL表示パネル)351を含む。図35に示すディスプレイは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、図35に示すディスプレイが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図36はカメラであり、シャッター361、ビューファインダ362、カーソル363を含む。図36に示すカメラは、静止画を撮影する機能を有する。動画を撮影する機能を有する。なお、図36示すカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図37はコンピュータであり、キーボード371、タッチパッド372を含む。図37に示すコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、図37に示すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
かかる電子機器の表示部に上記実施の形態で説明した表示装置(表示パネル)もしくは駆動方式を用いて構成とすることで、上述の図35〜図37の情報機器などを高画質化することができ、また、低コスト化を実現できる。また、検査、調整を容易に実施することができる。
本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
たとえば、図37のノート型パーソナルコンピュータの表示装置351として、本発明の実施の形態で図示した、あるいは説明した表示装置(表示パネル)を採用し、また、情報機器を構成することができることは言うまでもない。
また、各図面等で説明した内容は特に断りがなくとも、他の実施の形態と組み合わせることができる。たとえば、図2の本発明の実施の形態に係る表示装置にタッチパネルなどを付加し、図35、図36、図37に図示する情報表示装置などを構成することができる。
本発明の実施の形態に係る表示装置とは、情報機器などのシステム機器を含む概念である。表示パネルの概念は、広義には情報機器などのシステム機器を含む。