JP4442666B2 - 電子回路、その駆動方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Description
ここで、OLED素子は、液晶素子のように電圧保持性を有さず、電流が途絶えると、発光状態が維持できなくなる電流型の被駆動素子である。このため、OLED素子をアクティブ・マトリクス方式で駆動する場合、書込期間(選択期間)において、画素の階調に応じた電圧を駆動トランジスタのゲートに書き込んで、当該電圧をゲート容量などにより保持し、当該ゲート電圧に応じた電流を駆動トランジスタがOLED素子に流し続ける構成が一般的となっている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、駆動トランジスタのゲートに、被駆動素子に流すべき電流に応じた電圧を迅速に書き込むことが可能な電子回路、その駆動方法、当該電子回路を用いた電気光学装置、および、電子機器を提供することにある。
また、本発明に係る電子機器としては、この電気光学装置を有することが望ましい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、同電気光学装置の画素回路の構成を示す図である。
まず、図1に示されるように、電気光学装置10では、複数本の走査線102が横方向(X方向)に延接される一方、複数本のデータ線(信号線)112が図において縦方向(Y方向)に延設されている。そして、これらの走査線102とデータ線112との交差の各々に対応するように画素回路(電子回路)200がそれぞれ設けられている。
ここで説明の便宜上、本実施形態では、走査線102の本数(行数)を「360」とし、データ線の本数(列数)を「480」として、画素回路200が、縦360行×横480列のマトリクス状に配列する構成を想定する。ただし、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
なお、画素回路200には、後述するOLED素子が含まれ、このOLED素子への電流を画素回路200毎に制御することによって、所定の画像が階調表示される。
ここで、説明の便宜上、i行目(iは、1≦i≦360を満たす整数であり、行を一般化して説明するためのもの)の走査線102に供給される走査信号をGWRT−iと表記する。同様に、i行目の制御線104、106および108に供給される制御信号をGSET−i、GINI−iおよびGEL−iと、それぞれ表記する。
なお、説明の便宜上、j列目(jは、1≦j≦480を満たす整数であり、列を一般化して説明するためのもの)のデータ線112に供給されるデータ信号をX−jと表記する。
なお、画素の最低階調である黒色を指定するデータ信号X−jの電圧はGndよりも高く、画素の最高階調である白色を指定するデータ信号X−jの電圧はVELよりも低く設定される。換言すれば、データ信号X−jの電圧範囲は、電源電圧の内に収まるように設定されている。
一方、本実施形態において、画素回路200には、初期電圧VINIが給電線116を介してそれぞれ供給される。ここで、初期電圧VINIとは、本実施形態では、データ信号X−jがとりうる電圧範囲の最低値、すなわち、画素の最低階調を指定するデータ信号電圧に略一致する。
制御回路12は、Yドライバ14およびXドライバ16に、それぞれクロック信号(図示省略)などを供給して両ドライバを制御するとともに、Xドライバ16に、階調を画素毎に規定する画像データを供給する。
このうち、トランジスタ214の一端(ドレイン)は、電源線114に接続される一方、トランジスタ214の他端(ソース)は、駆動トランジスタ210のドレイン、および、トランジスタ211の一端(ドレイン)に、それぞれ接続されている。ここで、トランジスタ214のゲートは、i行目の制御線108に接続されている。このため、トランジスタ214は、制御信号GEL−iがHレベルであればオンし、Lレベルであればオフすることになる。
駆動トランジスタ210のゲートは、容量220の一端およびトランジスタ211のソースにそれぞれ接続されている。なお、説明の便宜上、容量220の一端(駆動トランジスタ210のゲート)をノードAとする。このノードAには、図2において破線で示されるように、容量が寄生する。この容量はノードAとOLED素子230の陰極の間に寄生する容量であり、駆動トランジスタのゲート容量、OLED素子230の容量、ノードAと陰極の間にある配線の寄生容量などに起因する容量を含んでいる。
一方、トランジスタ212の一端(ドレイン)は、給電線116に接続される一方、その他端(ソース)は、トランジスタ213の一端(ドレイン)および容量220の他端にそれぞれ接続されている。このトランジスタ212のゲートは、i行目の制御線106に接続されている。このため、トランジスタ212は、制御信号GINI−iがHレベルとなったときにオンすることになる。
さらに、トランジスタ213の他端(ソース)は、j列目のデータ線112に接続され、そのゲートは、i行目の走査線102に接続されている。このため、トランジスタ213は、走査信号GWRT−iがHレベルとなったときにオンして、j列目のデータ線112に供給されるデータ信号X−j(の電圧)を容量220の他端に印加することになる。
ここで、説明の便宜上、容量の他端(トランジスタ212のソース、トランジスタ213のドレイン)をノードBとする。
まず、Yドライバ14は、図3に示されるように、1垂直走査期間(1F)の開始時から、1行目、2行目、3行目、…、360行目の走査線102を、順番に1本ずつ1水平走査期間(1H)毎に選択して、選択した走査線102の走査信号のみをHレベルとし、他の走査線への走査信号をLレベルとする。
ここで、i行目の走査線102が選択されて、走査信号GWRT−iがHレベルとなる1水平走査期間(1H)に着目して、当該水平走査期間およびその前後の動作について、図3とともに、図4〜図8を参照して説明する。
このため、i行j列の画素回路200の動作については、大別すると、タイミングt1から走査信号GWRT−iがHレベルに変化するまでの第1の期間(1)、走査信号GWRT−iがHレベルとなる第2の期間、および、走査信号GWRT−iがLレベルに変化した後の第3の期間、の3つにわけることができる。
これらの第1〜第3の期間については、その動作内容に着目して、それぞれ初期化期間(1)、書込期間(2)および発光期間(3)と称することにする。このうち、初期化期間(1)については、本実施形態では、さらに3つの期間(1a)、(1b)および(1c)とに分けることができる。
以下、これらの期間の動作について順を追って説明することにする。
したがって、期間(1a)において、画素回路200では、電流が電源線114→トランジスタ214→駆動トランジスタ210→OLED素子230→接地Gndという経路にて流れるので、ノードAは、この電流に応じた電圧、詳細には、当該電流を流す駆動トランジスタ210のゲート電圧となる。
一方、制御信号GINI−iは、初期化期間(1)の全域にわたってHレベルとなって、トランジスタ212をオンさせる。このため、ノードBは、初期化期間(1)にわたって初期電圧VINIに固定されるので、容量220からみてノードBの反対側に位置するノードAでは、その電圧状態が保持されることになる。したがって、期間(1a)においてノードAは、OLED素子230に流れた電流に応じた電圧に保持されることになる。
そして、期間(1b)の終了タイミングでは、ノードAは、しきい値電圧Vthnにほぼ一致することになる。
また、書込期間(2)において、Xドライバ16は、i行j列の画素の階調に応じた電圧のデータ信号X−jをj列目のデータ線112に供給する。上述したように、画素の最低階調を指定するデータ信号X−jの電圧がVINIであり、画素が明るく指定するにつれて、データ信号X−jの電圧が高くなるので、データ信号X−jの電圧は(VINI+ΔV)として表すことができる。
なお、ΔVは、初期電圧VINIからの電圧変化(上昇)分であって、画素を最低階調の黒色に指定する場合にはゼロであり、明るい階調を指定するにつれて次第に高くなる。したがって、ノードBは、初期化期間(1)から書込期間(2)にかけて、ΔVだけ変動する。
詳細には、容量220のサイズをCaとし、駆動トランジスタ210のゲート容量をCbとしたときに、ノードAは、電圧Vthnから、{ΔV・Ca /(Ca+Cb)}だけ上昇するので、結果的に、ノードAの電圧Vgは、次式のように表すことができる。
Vg=Vthn+ΔV・Ca /(Ca+Cb)……(a)
このため、画素回路200では、図8に示されるように、トランジスタ213がオフするが、容量220における電圧保持状態は変化しないので、ノードAは、電圧Vgに維持される。一方、トランジスタ214がオンするので、OLED素子230には、電圧Vgに応じた電流IELが、上記電流経路にて流れることになる。これにより、OLED素子230は、当該電流IELに応じた明るさで発光し続けることになる。
IEL=(β/2)(Vg−Vthn)2 ……(b)
なお、この式においてβは、駆動トランジスタ210の利得係数である。
IEL=(β/2){ΔV・Ca /(Ca+Cb)}2 ……(c)
となる。この式(c)に示されるように、OLED素子230に流れる電流IELは、駆動トランジスタ210のしきい値Vthnに依存することなく、初期電圧VINIからの変化分ΔVのみによって定まることになる(容量Ca、Cbおよび利得係数βは、固定値である)。
ここで、Yドライバ14は、1行目から360行目までに対応する制御信号GEL−1〜GEL−360のHレベル期間が同一となるように制御する。換言すれば、すべてのOLED素子230に対して、1垂直走査期間において発光期間(3)の占める割合が一定になるように制御する。このため、発光期間(3)が長くすると、画面全体が明るくなる一方、短くすると、画面全体が暗くすることができる。
なお、発光期間(3)の最長は、1垂直走査期間(1F)のうち、初期化期間(1)および書込期間(2)を除いた期間の全域である。このため、i行目でいえば、制御信号GEL−iは、走査信号GWRT−iがHレベルからLレベルに変化するタイミングから、1垂直走査期間(1F)経過して、再びi行目の走査線102が選択されるタイミングより期間Tiだけ先行したタイミングt1までの期間でHレベルをとることができる。
また、i行目について着目して説明したが、1行目から360行目までについては、1水平走査期間(1H)毎に順番に走査線102が選択されて、当該選択期間において書込期間(2)の動作が実行される。そして、書込期間(2)の前には初期化期間(1)が、書込期間(2)の後には発光期間(3)が、それぞれ実行される。例えば、i行目に続く(i+1)行目については、図3に示されるように、走査信号GWRT-(i+1)がHレベルになるタイミングより期間Tiだけ先行したタイミングt2から、初期化期間(1)となり、この後、走査信号GWRT−(i+1)がHレベルになる期間で書込期間(2)となる。(i+1)行目の書込期間において、j列目のデータ線112には、(i+1)行j列の画素の階調に応じた電圧のデータ信号X−jが供給されて、その電圧変化分がノードAに書き込まれ、この後、発光期間(3)となる。
したがって、初期化期間(1)が隣接する2行以上にわたって並行して実行される場合もあり得る。同様に、発光期間(3)も隣接する2行以上にわたって並行して実行される。
次に、書込期間(2)では、データ信号X−jをノードBに印加して容量220の他端を電圧変化させ、この電圧変化による電荷の再分配によって、駆動トランジスタ210のゲートに、OLED素子230に流すべき電流に応じた電圧を書き込んでいる。このため、初期化期間(1)の確保とあいまって、駆動トランジスタ210のゲートに、OLED素子230に流すべき電流に応じた電圧を直接書き込む方式と比較して、電圧の書き込みに要する時間を短縮化することが可能となる。
さらに、発光期間(3)において、OLED素子230に流れる電流は、駆動トランジスタ210のしきい値電圧Vthnに依存しない。このため、画素回路200毎に、駆動トランジスタ210のしきい値電圧Vthnがバラついても、OLED素子230に流す電流を均一に揃えることができる。
したがって、第1実施形態に係る電気光学装置によれば、高解像度化に伴って画素数が増加しても、データ信号の書き込み時間が短くて済むとともに、OLED素子230に流れる電流の均一性を確保することが可能となる。
しかしながら、図9に示されるように、例えばトランジスタ214の導電型をpチャネル型に変更することによって、両トランジスタ211、214のチャネル型を互いに異ならせるとともに、共通の制御線108によってオンオフ制御する構成としても良い。このような構成を採用すると、図2の構成と比較して、制御線104が不要となるので、制御線が1行当たり1本削減される結果、歩留まり向上や、ボトムエミッション型の場合に開口率を高めた明るい表示が可能となる。
また、トランジスタ211、212をともに同一のチャネル型にすると、トランジスタ211、212のしきい値電圧が同等となるため、異なるチャネル型で構成した場合と比して同一の制御信号GINI−iにより動作を確実に制御することができる。例えば、同一の制御信号GINI−iに対して、一方のトランジスタがオンして、他方のトランジスタがオフするなどの誤動作を防止することができる。また、同一のチャネル型とすることにより、トランジスタに不純物を注入する際のマージンを設ける必要がなく、トランジスタ211とトランジスタ212とをより近接して配置することが可能である。したがって、画素領域におけるトランジスタ占有領域を最小限とできると共に、トランジスタ211とトランジスタ212とのトランジスタ特性をばらつきなく製造することが可能である。 さらに、駆動トランジスタ210がトランジスタ211とトランジスタ212と同一のチャネル型であれば、同様の効果が得られる。また、同一のチャネル型のみにて構成することにより、画素回路に供給する信号に対する電源の電圧範囲を最低限とすることができるため、信頼性の高い電子回路を実現することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る電気光学装置について説明する。この第2実施形態に係る電気光学装置は、第1実施形態における画素回路を図10に示される画素回路200に置換したものである。
図2に示される画素回路200は、トランジスタ211、212のオンオフを、それぞれ別々の制御信号GSET−i、GINI−iによって独立に制御する構成であったが、図10に示される画素回路は、制御線106に供給される制御信号GINI−iによって共通に制御する構成としたものである。
この図に示されるように、第2実施形態では、制御信号GINI−iにしたがってトランジスタ211、212のオンオフが共通に制御されるので、初期化期間(1)には、期間(1c)が含まれない。ただし、図10に示される画素回路200では、期間(1b)の終了時に、トランジスタ211、212が同時にオフするので、ノードAの電圧は、初期化期間(1b)の終了と同時に確定することになる。
なお、他の動作については、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。この第2実施形態に係る電気光学装置によれば、図9に示される画素回路と同様に、制御線104が不要となり、制御線が1行当たり1本削減されるので、歩留まりや開口率を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る電気光学装置について説明する。この第3実施形態に係る電気光学装置は、第1実施形態における画素回路を図12に示される画素回路200に置換したものである。
図12に示される画素回路200は、図10に示した画素回路からトランジスタ214を取り除いた構成としたものである。したがって、図12に示される画素回路200において、制御線108は不要となる。
この図に示されるように、第3実施形態では、i行目でいえば、走査信号GWRT−iがHレベルとなる書込期間(2)よりも手前において、期間Tiだけ制御信号GINI−iがHレベルとなる初期化期間(1)が設けられている。
この初期化期間(1)では、トランジスタ211、212が同時にオンするので、電流が(ダイオード接続された)駆動トランジスタ210とOLED素子230とに流れることになる。そして、初期化期間(1)の終了タイミングにおいて、制御信号GINI−iがLレベルとなり、トランジスタ211、212が同時にオフするので、第1および第2実施形態のように、駆動トランジスタ210のダイオード接続を継続することによる自己補償的なノードAの電圧シフトが発生しない。
詳細には、初期電圧VINIは、初期化期間(1)から書込期間(2)にかけてノードBが電圧変化する際の基準電圧であり、この電圧変化に応じた電圧が書込期間(2)においてノードAに書き込まれる点は、第1、第2実施形態と同様である。ただし、第3実施形態では、初期化期間(1)におけるノードAの電圧ポイントが高いので、第1、第2実施形態と同様に初期化電圧VINIを低く設定しまうと、書込期間(2)においてノードAは、高い電圧ポイントから上昇するだけとなり、ノードBに低い電圧を書き込んで、低階調(暗階調)に相当する電流をOLED素子230に流すことができなくなってしまう。そこで、第3実施形態では、初期電圧VINIを第1、第2実施形態よりも高く設定し、初期化期間(1)から書込期間(2)にかけてノードBが電圧上昇するのみならず、下降する場合もありえる構成としているのである。
そして、この構成において、低階調(暗階調)に相当する電流をOLED素子230に流す場合には、初期化期間(1)から書込期間(2)にかけてノードBが電圧下降(放電)し、その下降分に応じた電圧がノードAに書き込まれるので、ノードBの電圧を低くして、低階調(暗階調)に相当する電流をOLED素子230に流すことが可能となるのである。
なお、第3実施形態における初期電圧VINIは、画素の最低階調(黒色)と最高階調(白色)との間における中間階調(灰色)を指定するデータ信号の電圧に相当することになる。
ただし、第3実施形態では、トランジスタ214が存在しないので、発光期間(3)を調整することによる画面全体の輝度調整ができない。また、書込期間(2)においても、ノードAの電圧に応じた電流がOLED素子230に流れる。
次に、本発明の第4実施形態に係る電気光学装置について説明する。この第4実施形態に係る電気光学装置は、第1実施形態における画素回路を図14に示される画素回路200に置換したものである。
図14に示される画素回路200は、図12に示した画素回路において、電源線114を1行毎にX方向に延設するとともに、その電圧を、時間的に変化させた構成としたものである。すなわち、第4実施形態における電源線114は、走査線102、制御線106とともに1組となって、1行分の画素回路200に兼用されている。
このような電源線114は、例えばYドライバ14によって駆動される。また、第4実施形態において、給電線116に印加される初期電圧VINIは、第1、第2実施形態と同様に、画素の最低階調を指定するデータ信号と一致する電圧である。
この図に示されるように、第4実施形態では、第3実施形態と同様に、i行目でいえば、走査信号GWRT−iがHレベルとなる書込期間(2)よりも手前の初期化期間(1)において、制御信号GINI−iが期間TiだけHレベルとなる。
ただし、第4実施形態では、初期化期間において、Yドライバ14は、i行目の電源線114の電圧VEL−iを初期電圧Viniとする。この初期電圧Viniは、駆動トランジスタ210のしきい値電圧VthnおよびOLED素子230のしきい値電圧との和よりも若干高い程度の電圧である。詳細には、トランジスタ211のオンによってダイオード接続された駆動トランジスタ210のドレインに、この初期電圧Viniが印加された場合に、当該駆動トランジスタ210およびOLED素子230に電流がごくわずかに流れる程度の電圧である。
ここで、初期化期間(1)においてOLED素子230に流れる電流は、第3実施形態とは異なり、ごくわずかであるので、ノードAに保持される電圧を、ほぼ駆動トランジスタのしきい値Vthnとさせることができる。
続いて、発光期間(3)に至ると、Yドライバ14は、電圧VEL−iを電源電圧VELにする一方、制御信号GWRT−iをLレベルとする。これにより、第1実施形態等と同様に、OLED素子230には、ノードAの電圧に応じた電流が流れて、当該電流に応じた明るさで発光し続けることになる。
そして、発光期間(3)が終了すると、Yドライバ14は、電圧VEL−iをGndに落とす。これにより、OLED素子230は消灯して、発光期間(3)が調整されることなる。
なお、第4実施形態では、電源線114を走査線102の1行毎にX方向に延設するとしたが、隣接する複数行毎に1本延設して、複数行の画素回路200にわたって兼用する構成としても良い。このような構成とすると、配線数が削減することができるので、特に、開口率の点で有利となる。
次に、本発明の第5実施形態に係る電気光学装置について説明する。この第5実施形態に係る電気光学装置は、第1実施形態における画素回路を図16に示される画素回路200に置換したものである。
図16に示されるように、第5実施形態における画素回路200は、図14に示した画素回路において、トランジスタ212の一端(ドレイン)の接続先を、給電線116から、行毎の電源線114へと変更したものである。
なお、この第5実施形態に係る電気光学装置の動作は、初期化期間(1)において、ノードBが電源線114の初期電圧Viniで固定される点以外、第4実施形態と同様であるので、その説明については省略する。
この第5実施形態によれば、給電線116が不要となるので、第4実施形態と比較して、歩留まりや開口率の点で有利となる。
例えば、各実施形態では、単色の画素について階調表示をする構成になっていたが、例えば図17に示されるように、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応させて画素回路200R、200G、200Bを配列させるとともに、これらの3画素により1ドットを構成して、カラー表示を行うとしても良い。そして、カラー表示させる場合、OLED素子230R、230G、230Bは、それぞれ赤、緑、青にて発光するように発光層が選択される。
このようにカラー表示させる構成において、OLED素子230R、230G、230Bの発光効率が互いに異なる場合には、電源電圧VELおよび初期電圧VINIを色毎に異ならせる必要もある。
ただし、図17に示されるように、走査線102、制御線104、106および108については共用することができる。
なお、図17は、第1実施形態(図2参照)を用いてカラー表示とする場合の構成例を示す図である。図9や、第2実施形態(図10参照)、第3実施形態(図12参照)、第4実施形態(図14参照)、第5実施形態(図16参照)を用いてカラー表示する構成として良いのはもちろんである。
さらに、図2、図9、図10、図14および図16の構成においては、発光期間(3)だけでなく、書込期間(2)においても、制御信号GEL−iをHレベル、または、電圧VEL−iを電圧VELとすることによって、ノードAの電圧に応じた電流をOLED素子230に流す構成としても良い。
また、これら各トランジスタを、pチャネル型およびnチャネル型を相補型に組み合わせたトランスミッションゲートで構成して、電圧降下をほぼ無視できる程度に抑えても良い。
くわえて、トランジスタ214のソース側にOLED素子230を接続するのではなく、トランジスタ214のドレイン側にOLED素子230を接続しても良い。
まず、上述した電気光学装置10を、表示部に適用した携帯電話について説明する。図18は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話1100は、複数の操作ボタン1102のほか、受話口1104、送話口1106とともに、表示部として、上述した電気光学装置10を備えるものである。
図19は、このデジタルスチルカメラの背面を示す斜視図である。銀塩カメラは、被写体の光像によってフィルムを感光させるのに対し、デジタルスチルカメラ1200は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成・記憶するものである。ここで、デジタルスチルカメラ1200におけるケース1202の背面には、上述した電気光学装置10の表示面が設けられる。この電気光学装置10は、撮像信号に基づいて表示を行うので、被写体を表示するファインダとして機能することになる。また、ケース1202の前面側(図19においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット1204が設けられている。
…走査線、104、106、108…制御線、112…データ線、114…電源線、116…給電線、200…画素回路、210…駆動トランジスタ、211、212、213、214…トランジスタ(それぞれ第1、第2、第3、第4のスイッチング素子)、220…容量(容量素子)、230…OLED素子(被駆動素子)、1100…携帯電話機、1200…デジタルスチルカメラ
Claims (8)
- 電源線および接地線の間で被駆動素子に流れる電流をゲート電圧に応じて制御する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間をオンまたはオフする第1のスイッチング素子と、
一端が前記駆動トランジスタのゲートに接続された容量素子と
を備える電子回路の駆動方法であって、
前記容量素子の他端に第1初期電圧を印加するとともに、前記電源線および前記接地線の間の電圧を前記被駆動素子のしきい値電圧と前記駆動トランジスタのしきい値電圧との和よりも大きく、電源電圧よりも低い第2初期電圧として、前記第1のスイッチング素子をオンさせ、前記被駆動素子に電流を流し、この後、
前記電流を遮断するとともに、前記容量素子の他端に対する前記第1初期電圧の印加を解除し、前記第1のスイッチング素子をオフさせる第1のステップと、
前記容量素子の他端に対し、前記被駆動素子に流すべき電流に応じた電圧を印加する第2のステップと、
前記電源線および前記接地線の間の電圧を前記電源電圧として、保持されたゲート電圧にしたがった電流を、前記駆動トランジスタが前記被駆動素子に流す第3のステップと
を備えることを特徴とする電子回路の駆動方法。 - 前記第1のステップにおいて、前記第1のスイッチング素子をオンさせるとともに前記被駆動素子に電流を流した後、前記電流の遮断とともに前記第1のスイッチング素子をオフさせて、
前記駆動トランジスタのしきい値電圧に応じた電圧を、前記容量素子の一端および前記駆動トランジスタのゲートに保持させる
請求項1に記載の電子回路の駆動方法。 - 電源線および接地線の間で被駆動素子に流れる電流をゲート電圧に応じて制御する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間にて第1の期間においてオンし、前記第1の期間後の第2の期間の開始タイミングまでにオフする第1のスイッチング素子と、
一端が前記駆動トランジスタのゲートに接続された容量素子と、
前記第1の期間においてオンして、第1初期電圧を前記容量素子の他端に印加する一方、前記第2の期間、および、この第2の期間後の第3の期間においてオフする第2のスイッチング素子と、
前記被駆動素子に流すべき電流に応じた電圧が印加される信号線と前記容量素子の他端との間にて、前記第2の期間においてオンする第3のスイッチング素子と
を備え、
前記電源線および前記接地線の間の電圧は、
前記第1の期間において、前記被駆動素子のしきい値電圧と前記駆動トランジスタのしきい値電圧との和よりも大きく、電源電圧よりも低い第2初期電圧であり、
前記第2の期間において前記電源電圧である
ことを特徴とする電子回路。 - 前記第1および第2のスイッチング素子は、同一導電型のトランジスタであって、それらのゲートが共通の制御線に接続される
請求項3に記載の電子回路。 - 前記被駆動素子は電気光学素子である
請求項3または4に記載の電子回路。 - 前記電気光学素子は有機発光ダイオード素子である
請求項5に記載の電子回路。 - 順次選択される走査線と、電気光学素子に流すべき電流に応じた電圧が印加されるデータ線との交差に対応して画素回路を有する電気光学装置であって、
前記画素回路は、
前記走査線毎に設けられた電源線と接地線との間で前記電気光学素子に流れる電流をゲート電圧に応じて制御する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間にて第1の期間においてオンし、前記第1の期間後であって走査線が選択される第2の期間の開始タイミングまでにオフする第1のスイッチング素子と、
一端が前記駆動トランジスタのゲートに接続された容量素子と、
前記第1の期間においてオンして、第1初期電圧を前記容量素子の他端に印加する一方、前記第2の期間、および、この第2の期間後の第3の期間においてオフする第2のスイッチング素子と、
前記データ線と前記容量素子の他端との間にて、前記第2の期間においてオンする第3のスイッチング素子と
を備え、
前記電源線および前記接地線の間の電圧は、
前記第1の期間において、前記被駆動素子のしきい値電圧と前記駆動トランジスタのしきい値電圧との和よりも大きく、電源電圧よりも低い第2初期電圧であり、
前記第2の期間において前記電源電圧である
ことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項7に記載の電気光学装置を有する電子機器。
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