JP6155262B2 - 高速回転ブラシのための駆動連結器 - Google Patents

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Description

本発明は硬質床の清掃装置の分野に関する。より具体的には、そのような清掃装置の高速回転ブラシのための駆動連結器に関する。
駆動連結器が従来知られており、様々な技術的領域において適用されている。
米国特許公開2009/0010681号公報(Huckら)は、例えば、概して筒状のイメージングコンポーネント例えばイメージングカートリッジ上に設けられるギアを開示する。ギアは、概して筒状のイメージングコンポーネントとかみ合うための本体、本体に取り付けられ、端面を有する筒状のシャフト、及び端面から長手方向外側に延び、イメージングデバイスの駆動機構によって提供されるらせん状の溝によってかみ合わされるように構成された3つの爪部を有する。
国際特許出願公開2009/00041号公報(Wai Keung Tsui)は、回転駆動力を受けるための駆動力部材を開示する。当該部材は、ベース部、突出部及び3つの接合部を有する。突出部は、もしそれらが延長されれば、突出の軸に直角な断面に見て、それらが正三角形の形状に120°で交わるように配置された3つの平面的な面を有する。駆動力部材、より具体的にはその突出部は、ねじれた形状の溝にかみ合うように構成されている。
硬質床の清掃装置は一つ又はそれ以上の高速回転ブラシを含むことができる。各ブラシは、第一の端部と第二の端部との間を軸方向に延びる細長い筒状の芯を有していてもよい。芯の外側表面はブラシ材料で覆われている(例えば、柔らかい極細繊維)。ブラシの第一端部及び第二端部はベアリングを介して清掃装置に取り付けられ、特に、後者が清掃される床と平行に向き、かつ接しているときに、ブラシがその軸の周りに回転することを可能にしている。ブラシは、典型的にベアリングを介して組み込まれた端部の一方から回転駆動されることができる。この目的のために、それぞれの端部は、駆動連結器組立体を用いてに取り外し可能に(電動)モーター変速装置に連結される。ブラシがベアリングを介して硬質床の清掃装置に組み付けられ、変速装置に連結される様式は有意にその運転時の振る舞いに影響する。
例えば、およそ1,500rpmの回転数で駆動されるように構成された低速度回転ブラシを、軸方向に働くバネ機構を含む駆動連結器をもちいて硬質床清掃装置に組み付けることが知られている。軸方向バネ機構は、ブラシの端部と清掃装置のブラシを組み込む点との間の軸方向の遊びを吸収する役割、及びこれらのブラシを組み込む点の間においてブラシの位置を固定する(すなわち、ブラシがその軸方向の遊びの範囲で動くことを阻む役割を果たす。この方法は、しかしながら、高速回転ブラシの組み付けのためには適切でないようである。高速回転ブラシは、少なくとも2,500rpmの回転速度、例えばおよそ7,000rpmで駆動される可能性がある。このような回転速度では、ブラシの組み付けにおけるかすかな不釣り合いが、望ましくないほど高レベルの可聴かつ知覚可能な振動を生じ得る。これらの振動を抑制するため、軸方向バネ機構によってブラシに加えられる保持力(clasping force)を増大させ、構造を堅固にすることができる。しかし、この方法もまた、複数年の製品寿命の間に変形し、それによって更なる不釣り合いが生じるリスクを増大する。
米国特許公開2009/0010681号公報 国際特許出願公開2009/00041号公報
本発明の一つの目的は、先に述べた従来のブラシ組み付けに伴う課題の一つ又はそれ以上を克服する又は緩和することである。具体的には十分な保持力を与え、またブラシが回転させられる時にのみ軸方向の遊びを除く駆動連結器を提供することによって、この目的を達成することである。
本発明の一つの特徴は、従って、高速回転ブラシのための駆動連結器組立品を対象とする。駆動連結器組立品は、連結頭部回転軸を持ち、該連結頭部回転軸に関して120°の回転対称となるように配置された3つの駆動面を有する連結頭部を有する。駆動連結器組立品は更に、連結部材回転軸を持ち、該連結部材回転軸に関して120°の回転対称となるように配置された3つの第一駆動面を有する連結部材、を有し、前記連結部材は、3つの第二駆動面を更に有し、各第二駆動面は、それぞれの軸方向−径方向平面に関して、それぞれの第一駆動面に対して鏡面対称である。前記連結頭部及び前記連結部材は取り外し可能に接続することができ、連結された状態において、それらの回転軸は実質的に整列され、前記連結頭部はその各駆動面を前記連結部材の対応する第一駆動面又は第二駆動面に接触した状態で駆動するように回転可能である。さらに、前記連結頭部の駆動面及び前記連結部材の前記第一駆動面及び第二駆動面は、前記連結頭部の駆動面を前記連結部材の前記第一駆動面又は第二駆動面に接触した状態で回転駆動することが、前記連結部材へのトルク及び軸方向の力の両方の発揮に結果し、該軸方向に方向付けられた力は、前記連結部材が、前記連結部材の回転軸に関して時計回りに駆動されているか、或いは反時計回りに駆動されているかから独立しているように構成されている。
本明細書において記述された駆動連結器組立品において、連結頭部の駆動面と連結部材の第一駆動面又は第二駆動面との間の接触点又は相互接続点での力は、駆動連結器の一つの部品が他方にトルクを伝達するために駆動された場合にのみ発生する。それ故に、駆動連結器が停止している場合には、力、特に軸方向の力が発生しない。このことは、長期のクリープ効果及び駆動連結器における不釣り合いが徐々に増大することを防止する。この効果は、互いに対となって協働するように配置される連結頭部の駆動面及び連結部材の第一駆動面及び第二駆動面の、適切な相対的配置によって達成される。これらの駆動面が概して滑らかかつ連続的であると仮定し、加えて駆動面の各対の間の接触が単一の接触点で起こると仮定すれば、面接触を支配する法則は、接触の点において共通法線及び共通接線の両方が存在すること、及び、複数の平滑面の間には摩擦が生じないため、力は共通法線に沿ってのみ伝達されることを規定する。その結果として、連結部材の第一駆動面及び第二駆動面は、例えば、当該面のそれぞれの点はゼロでない軸方向の成分及びゼロでない接線方向の成分(両方とも、連結部材の回転軸に関して)の両方を持つ面法線に関連付けられるように形成されてもよい。それにより、その駆動面は、連結部材回転軸に沿って軸方向に方向付けられた力、及び連結部材回転軸の周りを回るトルクの両方を支持することを許される。代替的に又は追加的に、変更すべきところを変更して、同様の構成を連結頭部の駆動面に適用することができる。このようにして形成された駆動連結器が変速機と回転可能に組み込まれたブラシとの間に挿入されたときに、変速機とブラシの両方は駆動連結器のそれぞれの部品に対して固定的に取り付けられてもよく、駆動連結器を介してブラシを駆動することは、ブラシに軸方向の保持力を提供することができる。保持力はシステムの軸方向の遊びを強く押圧して無くすことができる。
連結部材は、従って6つの駆動面を有してもよい。その6つの駆動面は3つの鏡面対称の組に分けられ、それぞれの組は第一駆動面及び第二駆動面を有してもよい。第一駆動面及び第二駆動面の両方は、連結部材の回転軸に関して120°の回転対称となるように配置されてもよい。連結部材の複数の駆動面の相対的配置におけるこの回転対称と鏡面対称との組み合わせにより、連結部材は、同じ軸方向及び中心方向への力を発生させるために、任意に時計回り及び反時計回りに駆動されることができる。実際的な観点からは、これは、その交換を容易にし別々に製造された時計回り及び反時計回りに駆動可能な連結部材の必要性が生じることを防ぐために、反対方向に回転し、互いに同一の連結部材によって適合されるブラシを交換可能にする。
本発明の一つの精巧に作り上げられた実施形態によれば、前記連結頭部の前記駆動面及び前記連結部材の前記第一駆動面は、前者を後者に接触させた状態で駆動することが、前記連結頭部への径方向中心側への力の発揮に結果するように構成される。
径方向中心側への力は、高い回転数で回転する駆動連結器組立品に追加的な安定性を提供する。また、径方向中心側への力は、ゼロでない径方向の成分を持つ面法線を有する駆動面によって支持されてもよい。連結部材の第一駆動面は、例えば、面の各点が連結頭部回転軸に関してゼロでない径方向の成分を持つ面法線と結び付けられるように形作られてもよい。代替的に又は追加的に、変更すべきところを変更して、同様の構成を連結頭部の駆動面に適用することができる。
当業者は、接線方向、軸方向及び/又は径方向の力を支持することが可能な駆動面は平面的又は曲線的であってよく、曲線的な駆動面は一定の曲率又は変化する曲率を持っていてよいことを正しく認識するであろう。一つの駆動面の形状は、しかしながら、特に有利であるように思われる。
駆動連結器組立品のある好ましい実施形態において、連結部材の複数の第一駆動面は、実質的に同一のらせんスイープ面であってもよい。らせんスイープ面は、直線をらせん状の移動、例えば同時に直線を連結部材の回転軸の周りに回転させ、回転軸に沿って移動させることで変形させることによって形成されてもよい。このように形成されたらせんは、線織面である。その線織面上の全ての点について、当該線織面に含まれかつその点を通過し、連結部材の回転軸を中心とするらせんが存在する。摩擦力が無視されると仮定すると、連結頭部の駆動面と連結部材の駆動面との間の接点において発生される力は、この後者の面の法線に沿って働く。らせん状の駆動面への法線はゼロでない軸方向の成分を有しているため、連結頭部の駆動面と連結部材のらせん状の第一駆動面との間の回転駆動の接触は、軸方向に連結頭部及び連結部材を離す方向に働く力を発生させることができる。それにより、駆動連結器は軸方向の遊びを吸収することができる。この点におけるらせん状の駆動面の顕著な利点は、連結頭部と連結部材との間の接点における接触力は、連結頭部及び連結部材の軸方向の相対的位置、そして従って駆動連結器が適合しなければならない軸方向の遊びの量に依存しないことである。
本発明の第二の態様は、床清掃装置のための高速回転ブラシ組立品を対象にする。当該ブラシ組立品は、第一端部及び第二端部の間に延び、当該床清掃装置の前記複数の端部に回転可能に組み込まれた、細長く、実質的に筒状のブラシ、を有する。前記複数の端部の一方には、本発明の第一の態様による駆動連結器組立品の連結頭部又は連結部材のいずれか一方が設けられる。
本発明の第三の態様は、床清掃装置を対象にする。当該清掃装置は、長手軸を有し、該長手軸の周りに回転可能に組み込まれた、細長く実質的に筒状のブラシ、及び、該ブラシを少なくとも2,500rpmの速度で回転駆動するように構成された、モーター機構を有する。当該装置はまた、本発明の第一の態様による駆動連結器組立品であって、動作中に、前記モーター機構によって発生されたトルクが、前記ブラシの前記長手軸に沿って方向付けられた力とともに、前記駆動連結器組立品を介して前記ブラシに伝達されるように、前記モーター機構と前記ブラシとの間に配置された、駆動連結器組立品、を有する。
これら及び他の本発明の特徴及び利点は、添付の図面と共に参照される、以下に続く本発明のある複数の実施形態の詳細な説明からより十分に理解されるであろう。なおこれらは本発明の例示を意図しており、本発明を限定するものではない。
図1は、二つの反対方向に回転する高速ブラシ、及び各ブラシに一つずつ、二つの本発明による駆動連結器組立品を有する、例示的な床清掃装置の斜視図を模式的に示す。 図2は、連結された状態の連結頭部及び連結部材を有する、本発明による例示的な駆動連結器組立品の斜視図(左)及び平面断面図(右)を模式的に示す。 図3は、図2に示された駆動連結器組立品の連結頭部の斜視図(左)及び平面図(右)を模式的に示す。 図4は、図2に示された駆動連結器組立品の連結部材の斜視図(左)及び平面図(右)を模式的に示す。
図1は本発明による例示的な硬質床清掃装置1の斜視図である。装置1はハンドル44を有してもよい。ハンドル44は接続ロッド6を介してハウジング8に接続されてもよい。ハウジング8は二つの高速回転ブラシ18を有してもよい。各ブラシ18は細長い、実質的にシリンダージャケット形状の芯18aを有してもよい。芯18aの該表面はブラシ材料18b、例えば柔らかい極細繊維で覆われている。その軸方向の両端において、各ブラシ18はその長手方向の軸の周りで回転可能にハウジング8に組み付けられてもよい。ハウジング8は、各ブラシ18を少なくとも2,500rpmの回転速度で回転駆動するように構成されたモーター機構14,16を更に収容してもよい。モーター機構は駆動力/駆動トルクを発生するための電動モーター14、及びそれぞれのブラシ18と変速機構16との間に配置された駆動連結器50を介して毎回、ブラシ18に駆動力/駆動トルクを伝達するための変速機構16を有してもよい。駆動機構14,16の動作を可能にするために、主電源からの電力を供給するため、電源コード2が装置1のハンドル4に接続されてもよい。ハウジング8はまた、床面の上からブラシ18に覆い被さっており、ほこり捕集部又はほこり蓄積部12を画成するスプラッシュ板10を有してもよい。ほこり蓄積部12には、以下に明確にされるように、使用の間にほこりが堆積するようにしてもよい。洗浄液が、接続ロッド6に取り付けられた洗浄液蓄積部20から、(例えば、芯18aが水透過性であって、遠心力で水を回転する芯からその外側に設けられた柔らかいブラシ材料18bに移動させるられる場合に、ブラシ18の芯18a内部に注入することによって)ブラシ18の一方又は両方へと供給されてもよい。使用中に、二つのブラシ18は好ましくは反対の方向に回転する。これは、図1の角度において、湾曲した矢印で指し示されるように、左のブラシ及び右のブラシについて、それぞれ反時計回り及び時計回りの回転に相当する。ブラシ18は、その一つ又は両方が上述のとおり内側から湿らせることが可能であり、それが置かれている床の表面をこすることができる。加えて、これら複数のブラシは、ほこり捕集部12に向かって、上向きに方向付けられた空気流をブラシ間に生じさせ、床からこすり落とされたほこりの粒子を運ぶことができる。スプラッシュ板10は、ほこり捕集部12に向けて空気流をそらすことができる。ほこり捕集部12に、ほこりの粒子を堆積させることができる。
図2は、連結された状態の連結頭部100及び連結部材200を有する、本発明による例示的な駆動連結器組立品50の斜視図(左)及び平面断面図(右)を模式的に示す。連結頭部100は、図3の斜視図(左)及び平面図(右)に、より詳細について模式的に示される。一方、連結部材200は、図4の斜視図(左)及び平面図(右)に、より詳細について模式的に示される。連結頭部100及び連結部材200の構造は、以下、順に明らかにされる。
第一に詳細に図3を参照する。連結頭部100は、中央継手胴部回転軸Lchを有する連結頭部本体102を有してもよい。連結頭部本体102は、概して三角形の形状であり、回転軸Lchに関して120°の回転対称な駆動部104を有してもよい。駆動部104は3つの駆動面106を提供してもよい。駆動面106は、接線方向に見て、接続面108と相互に接続されていてもよい。
連結頭部100の駆動面106のそれぞれは、回転軸Lchと直角に交わる平面に見れらるように、わずかに突出した、大きな曲率半径Rの曲線(図2(右側)及び図3(右側)において最もよく可視的である)を有している。わずかな突出曲線は、駆動面106を連結部材200の右開きらせん状駆動面210a,210bに接触させた場合に、以下に説明するように、単一の接触点のみがそれらの間に存在し、その点は連結頭部のそれぞれの駆動面106及び隣接する接続面108の境界上には位置しないことを確かにする。この後者の特徴は摩耗のリスクを低減する。同じ目的で、それぞれの駆動面106に対して実質的に直角であり、かつ、連結頭部回転軸Lch含む平面に見られるように、それぞれの駆動面はまた突出した曲線を有していてもよい。この曲線の中心は実質的に連結頭部回転軸Lch上にあってもよい。
連結頭部100の本体102は、更に中央の(すなわち、連結頭部の回転軸Lchに中心がある)実質的に筒状で、先端部が半球形状であるノーズ部110を有してもよい。本明細書において記述された実施形態において、ノーズ部110は中空であり、固定的に駆動軸を適合させる役割を果たす。駆動軸は、連結頭部100にトルクを供給するために、変速装置16(図1)から表面に現れ、連結頭部100の内部へと軸方向に延びる。ノーズ部110は、好ましくは連結部材200の中央の空洞204(図4参照)の内部に一致するような寸法とされる。そのことにより、ノーズ部110は、駆動連結器50の連結された状態への組立の第一段階において、連結頭部100及び連結部材200が径方向に整列することを助ける、整列手段としての役割を果たすことができる。ノーズ部110は、追加的に連結部材200の後壁212内の中央開口214又は中央凹部と協働してもよい。この協働は、駆動連結器50を連結された状態とする更なる組み立ての段階の間に、連結頭部100及び連結部材200をその両回転軸Lch,Lcmが一致する位置に配置する手順の助けとなる。
ここで、図4を特に参照する。連結部材200は、中央の連結部材回転軸Lcmを持つ連結部材本体202を有してもよい。連結部材本体202の前側の一部は、連結頭部受容空洞204を画成してもよい。連結頭部受容空洞204は、少なくとも部分的に連結頭部100を受容するように構成される。より具体的には、連結頭部受容空洞204は、連結頭部100の概して三角形状の駆動部104を受容する。空洞204は、軸Lcmを囲むように延びる、概して筒状の本体202の側壁206の範囲内の空間、又は側壁206によって取り囲まれた空間として画成されてもよい。軸Lcmに直角に伸び、かつ、側壁206を空洞204の後側で連結する概して平面的な後壁212は、その底を提供してもよい。
連結部材200の構造の明瞭な記述を可能にするために、回転軸Lcmは、空洞204の後壁212から離れ、前側開口又はその入口へ向かう方向を指す正方向を伴っている。加えて、中央回転軸Lcmは、正系(右手系)の円柱座標系の基準軸として採用される。その円柱座標系の基準面は、空洞204の後壁212と同一平面である。連結部材200は、このように定義された座標系にて、より詳細に説明される。
正方向の接線方向tに沿って見て、空洞204の側壁206は、概して筒状の側壁部分208及び内側に突出した駆動カム210を交互に規定してもよい。例えば、各々の側壁部分208及び駆動カム210の3つが、側壁の内周に沿って設けられるというように規定してもよい。3つの同一の、内側に突出する駆動カム10は、回転軸Lcmに関して120°の回転対称になるように配置されてもよい。再び正方向の接線方向tに見て、各ドライブカム210は、前側の第一駆動面210a及び後側の第二駆動面210bを規定してもよい。単一の駆動カム210の第一駆動面210a及び第二駆動面210bは、駆動カム210を通って延びる軸方向−径方向平面Pに関して互いに鏡面対称となるように規定されてもよい。各第一駆動面210a及び第二駆動面210bは、らせんを、より具体的にはその軸が実質的に軸Lcmと一致するライト・オープンらせんを規定してもよい。
第一駆動面210a及び第二駆動面210bの性質は、それらの数学的構造から最もよく理解され得る。その数学的構造は、この目的のためにここで簡単に説明される。一般的に、らせん状の駆動面210a,210bは、軸の周りに直線をねじることによって生成され得る。そのようにして生成されたらせんは、その軸と直線が直角である場合に‘ライト’(right)と呼ばれ、そうでなければ‘スキュー’(skew)と呼ばれる。さらに、らせんは、その軸と直線が交差する場合に‘クローズド’(closed)と呼ばれ、そうでなければ‘オープン’(open)と呼ばれる。駆動連結器50の本実施例において記述されるライト・オープンらせん状の駆動面210a,210bは、二等辺三角形Tを回転軸Lcmの周りに回転させることで描かれ(sweep)得る。三角形Tは初期的に後壁212と同一平面上にあってよい。三角形Tは、等しい長さの二つの辺が合流する点である頂点Tvを有してもよい。頂点Tvは、回転軸Lcmに制限されてもよい(回転軸Lcm上を移動するようにしてもよい)。三角形Tの底辺Tb(前述の頂点Tvの反対側に配置される)は、回転軸Lcmに沿った方向に見て、空洞204の平面的な後壁212及び概して筒状の側壁206が交差する部分の曲線によって規定された、回転軸Lcmの周りの円弧の弦を形成してもよい。三角形Tが、それぞれ一定の方向及び一定の軸方向の速度で、同時に回転軸Lcmに沿った併進移動及び回転軸Lcmの周りの回転をした場合に、三角形Tの底辺Tbはらせんを描く。前側の第一駆動面210aは、底辺Tbが正の接線方向(図3における反時計回り)に回転され、正の軸方向に併進移動された場合に、三角形Tの底辺Tbによって描かれてもよい。同様に、後側の第二駆動面210bは、底辺Tbが負の接線方向(図3における時計回り)に回転され、正の軸方向に併進移動された場合に、三角形Tの底辺Tbによって描かれてもよい。本明細書において記述された連結部材200の実施例はライト・オープンらせん状の駆動面210a,210bを特色としているが、本発明はこの特定の形状に限定されず、他の駆動面形状、例えばスキュー・オープンらせん又はスキュー・クローズドらせん、が代替的な実施形態において用いられてもよいことが理解されるべきである。
概して平面的な空洞の後壁212は連続的である必要はなく、例えば環状の開口214が設けられていてもよい。開口214は、連結頭部100上の軸方向に突出したノーズ部110の組み立てを容易にするために、軸Lcmを中心としてもよい。後側の第二駆動面及び前側の第一駆動面210a,210bの下部の間に延びる後壁212の部分は、ひいては、空洞204内に軸方向に挿入された場合に、更なる軸方向の相対移動を防止するために連結頭部100が当接することができる係止面を提供してもよい。後壁212が側壁206と境界を接する場所、すなわち後壁212が側壁の概して筒状の部分208及び/又はそこから突出した駆動面210a,210bと境界を接する場所には、連結頭部100と空洞204の境界を定める面208,210a,210b,212との間の円滑な接触を容易にするために、凹状に丸みをつけられた傾斜面216が設けられてもよい。
連結部材200の後側には、複数の、環状に整列されかつ等距離に離間された、鋸壁(merlon)のような突出部218が設けられてもよい。連結部材の後側の突出部218は、ブラシ芯18a(図1)に設けられた溝と一致するように対応させ、例えば締まりばめを介して連結部材200がそこに取り付けられるようにしてもよい。一度連結部材200がブラシ芯18aに取り付けられると、突出部218は連結部材200からブラシ芯へとトルクを伝達することができ、後者(ブラシ芯)が回転駆動されることを許容することができる。
駆動連結器50の例示的な実施形態の構造が、特に図3及び図4を参照して記述された。ここで、その動作に注目して説明する。
軸Lch及び軸Lcmが、一方の軸に関連する正方向が他方の軸に関連する負方向に向くように整列された場合に、連結頭部100及び連結部材200は図2に示されるような相対的配置で接合されることができる。この連結された状態において、概して三角形状の連結頭部100の駆動部104は、連結部材200の空洞204に受容される。軸方向の接合の間に、連結頭部100の駆動部104が空洞204の内部に突出する駆動カム210と干渉する場合は、駆動カム210の駆動面210a,210bのらせん形状が案内部となり、連結器の部品100又は200の少なくとも一つに回転する動き又はらせん状の動きをさせることによって、自然に干渉を解消する。
連結頭部100及び連結部材200が連結された状態において、連結頭部100にトルクが加えられた場合は、連結頭部100の駆動面106は回転して、3箇所(すなわち、一対の接触する駆動面あたり一つの接触位置)でそれぞれ対応するらせん状の連結部材200の駆動面210a又は210bに接触することができる。これにより、三点接続を形成することができる。三点接続は、駆動連結器組立品の相対的配置を特徴付ける3自由度を取り除く。継続してトルクを加えることは、3つの接触位置のそれぞれにおいて接触力を発生させることができる。接触力は連結頭部100に加えられたトルクを連結部材200へと伝達することができる。その間に、接触力の軸方向の成分は、連結頭部100及び連結部材200を離れさせる方向に働く。その結果、連結頭部の駆動部104がらせん状の駆動面210a,210bによって規定される傾斜の上方へ向かって移動させられるにつれて、連結器内の軸方向の遊びを取り除くことができる。さらに、接触力の径方向の成分は、連結頭部100を、連結部材200の空洞204の内部で中心に向かわせる方向に働くことができる。
らせん状の第一駆動面及び第二駆動面210a,210bを特徴とする、本明細書において記述された駆動連結器50の実施形態に関して、連結頭部100に加えられるトルクと、結果として連結部材200に対して発揮される軸方向の力の間の関係が、以下の数式1によって規定される。
(数1)
2π・M = F・p
数式1において、M[Nm]は連結頭部100に加えられるトルクを示す。F[N]は連結部材200によって経験される軸方向の力を示す。そして、p[m]はらせんのピッチを示す。十分な軸方向の力を比較的小さなトルクで確保するために、ピッチp[m]は好ましくは数式2の関係を満たすように選択され、より好ましくは数式3の関係を満たすように選択される。
(数2)
F 35・M
(数3)
F 100・M
ブラシを駆動するために要求される典型的なトルクは、およそ0.2Nmであってもよく、典型的な軽量高速回転ブラシ(およそ50−100グラムの質量を持つ)を確実に保持するために要求される最小の軸方向の力はおよそ7Nであってもよいが、一方で最適な安定性はおよそ20N以上で観察されている。それ故に、前述の関係となる。
以上のように接触力は、トルクの伝達を可能にする接線方向に方向付けられた力成分、駆動連結器50の軸方向の遊びを強く押圧する軸方向に方向付けられた力成分、及び、連結部材200に対して連結頭部100を中心に向かわせる方向に働く径方向に方向付けられた力成分、の全てを提供することができる。実際には、接触力の接線方向の成分の大きさを決定づけるのは、連結部材200に接続されるブラシ18を駆動するために要求されるトルクの大きさであってもよい。軸方向の力成分及び径方向の力成分の大きさは、その派生物にすぎないと考えることもできる(なぜなら、それらは法線方向の力の大きさに対応するからである。)。連結頭部100の駆動面106と連結部材200の駆動面210a又は駆動面210bとの間の接触点において加えられるトルクの大きさは、接触点に働く法線方向の力の接線方向の成分と、関連する腕の長さ(lever arm)すなわち接触点から中央の回転軸Lcmへの径方向の距離、との積である。従って、一定のトルクが伝達されるようにするためには、腕の長さの増大は、法線方向の力の接線方向の成分の大きさの減少によって相殺される必要があり、その逆もまた同様である。しかしながら、接線方向の成分の大きさの減少は、軸方向の力成分及び径方向の力成分が付随して減少することにつながり得る。軸方向の力成分及び径方向の力成分は、適切に軸方向の遊びを取り除き、連結頭部100及び連結部材200の間の信頼できる中心位置合わせ最小の大きさを持つことを必要とするかもしれない。それに応じて、連結頭部100の駆動面106と連結部材200の駆動面210a又は駆動面210bとの間の接触点と関係する腕の長さは、好ましくは最大の値を持ってもよい。本明細書において記述された駆動連結器50の実施形態のための計算は、腕の長さは15mmより小さくなくてはならない可能性があることを示した。その計算はまた、ブラシ組立品の寿命の間に起こると予想される可能性があるブラシ組立品(すなわち、駆動連結器を含むブラシ)の小さな不釣り合い、特に摩耗の結果としての不釣り合いが、それでもなお、およそ7,000rpmの高回転数の駆動連結器によって生み出される径方向の中心側への力によって相殺され得ることを確かにするために、好ましくは腕の長さは9mmより小さくなくてはならない可能性があることを示した。それに応じて、連結頭部100及び連結部材200の駆動面106,210a,210bは、それぞれの回転軸Lch,Lcmに関して、15mmと同等又はそれよりも小さい、好ましくは9mmと同等又はそれよりも小さい径方向の広がりを持ってもよい。
連結頭部へトルクを加えることが止まると同時に、換言すれば、連結頭部100及び連結部材200の少なくとも一方が自由に回転可能にそれらの共通の軸Lch,Lcmの周りに組み付けられているならば、接触力は弱まる。従って、停止状態においては、連結頭部100及び連結部材200は、長期のクリープ現象を引き起こして不釣り合いに導く恐れのある、如何なる有意な径方向又は軸方向の力を互いに働かせない。
1 硬質床清掃装置
2 電源コード
4 ハンドル
6 接続ロッド
8 ハウジング
10 スプラッシュ板
12 ごみ容器
14 モーター機構
16 変速装置
18 ブラシ
18a ブラシ芯
18b ブラシ材料
20 水容器
50 駆動連結器組立品
100 連結頭部
102 連結頭部本体
104 駆動部
106 駆動面
108 接続面
110 ノーズ部
200 連結部材
202 連結部材本体
204 連結頭部受容空洞
206 側壁
208 側壁の概して筒状の部分
210 駆動カム
210a 前側の第一駆動面
210b 後側の第二駆動面
212 後壁
214 後壁の中央開口/後壁の貫通路
216 凹状に丸みをつけられた傾斜
218 取付用突出部
Lch 連結頭部の回転軸
Lcm 連結部材の回転軸
P 駆動カムを通る半径−軸対称平面
R 曲率半径
T 第一駆動面及び第二駆動面を描く(sweep)ための二等辺三角形
Tv 軸Lcm上の動きに制限された二等辺三角形の頂点
Tb 二等辺三角形の底辺
r,t 図4における径方向及び接線方向の表示

Claims (13)

  1. 高速回転するブラシのための駆動連結器組立品であって、
    連結頭部回転軸を持ち、該連結頭部回転軸に関して120°の回転対称となるように配置された3つの駆動面を有する連結頭部、及び、
    連結部材回転軸を持ち、該連結部材回転軸に関して120°の回転対称となるように配置された3つのらせん状の第一駆動面を有する連結部材、
    を有し、
    前記連結部材は、3つのらせん状の第二駆動面を更に有し、各第二駆動面は、それぞれの軸方向−径方向平面に関して、それぞれの第一駆動面に対して鏡面対称であり、
    前記連結頭部及び前記連結部材は取り外し可能に接続することができ、連結された状態において、両回転軸は整列され、前記連結頭部はその各駆動面を、前記連結部材の対応する第一駆動面又は第二駆動面に接触した状態で駆動するように回転可能であり、
    前記連結頭部の駆動面及び前記連結部材の前記らせん状の第一駆動面及び前記らせん状の第二駆動面は、前記連結頭部の駆動面を前記連結部材の前記らせん状の第一駆動面又は前記らせん状の第二駆動面に接触した状態で回転駆動することによって、前記連結部材へのトルク及び軸方向に方向付けられた力の両方が及ぼされ、該軸方向に方向付けられた力は、前記連結部材が、前記連結部材の回転軸に関して時計回りに又は反時計回りに駆動されているかによらず、前記連結頭部及び前記連結部材を離れさせる方向に働くように構成されている、
    ことを特徴とする、駆動連結器組立品。
  2. 前記連結部材の各前記第一駆動面は、軸が実質的に前記連結部材回転軸に一致する螺旋形を規定する、請求項1記載の駆動連結器組立品。
  3. 前記連結部材の各前記第一駆動面は、ライト・オープンらせんを規定する、請求項2記載の駆動連結器組立品。
  4. 前記連結頭部及び前記連結部材の前記駆動面は、15mm以下、好ましくは9mm以下の径方向の広がりを有する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品。
  5. 前記連結部材は、連結頭部受容空洞を画成し、
    該空洞は、前記連結部材回転軸を囲むように延びる側壁によって境界を定められ、
    前記側壁は、径方向内側に突出した3つの駆動カムを供給し、
    各駆動カムは、第一駆動面を供給する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品。
  6. 各前記駆動カムは、前記連結部材回転軸に関して接線方向に見て、前側の第一駆動面、及び後側の第二駆動面を提供する、請求項5記載の駆動連結器組立品。
  7. 前記連結頭部受容空洞は、概して平面的な後壁によって更に境界を定められ、
    該後壁は、前記連結部材回転軸に対して直角に伸び、かつ、前記側壁に接続する、
    請求項5又は請求項6記載の駆動連結器組立品。
  8. 前記連結頭部は、概して三角形状の駆動部を有し、
    該駆動部は、前記連結頭部の該駆動部の複数の駆動面を提供し、
    該複数の駆動面は、接続面によって相互に接続されている、
    請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品。
  9. 前記連結頭部の各駆動面は、前記連結頭部回転軸に直角な面に見て、わずかに突出した曲線を有する、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品。
  10. 前記連結頭部の各駆動面は、それぞれの駆動面に対して実質的に横向き、かつ、前記連結頭部回転軸を含む平面に見て突出する曲線を持ち、該曲線の中心は実質的に前記連結頭部回転軸上にある、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品。
  11. 前記連結頭部受容空洞の前記後壁は、中央開口又は中央凹部を有し、
    前記連結頭部は、駆動部から軸方向に突出する中央ノーズ部を有し、
    前記開口又は凹部は、前記連結頭部と連結部材とが連結された状態において、前記ノーズ部を受容するように構成されている、
    請求項7に記載の駆動連結器組立品。
  12. 床清掃装置のための高速回転ブラシ組立品であって、
    第一端部及び第二端部の間に延び、当該床清掃装置の前記複数の端部に回転可能に組み込まれた、細長く、実質的に筒状のブラシ、を有し、
    前記複数の端部の一方には、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品の連結頭部又は連結部材のいずれか一方が設けられる、
    高速回転ブラシ組立品。
  13. 長手軸を有し、該長手軸の周りに回転可能に組み込まれた、細長く実質的に筒状のブラシ、
    該ブラシを少なくとも2,500rpmの速度で回転駆動するように構成された、モーター機構、及び、
    動作中に、前記モーター機構によって発生されたトルクが、前記ブラシの前記長手軸に沿って方向付けられた力とともに、前記駆動連結器組立品を介して前記ブラシに伝達されるように、前記モーター機構と前記ブラシとの間に配置された、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の駆動連結器組立品、を有する、床清掃装置。
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