JP6153439B2 - 環境試験装置 - Google Patents

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本発明は、冷凍機等の空気調和手段を有して試験室内を所望の環境に調整する環境試験装置に関するものである。
製品や部品等の性能や耐久性を調べる方策として、環境試験が知られている。環境試験は、環境試験装置と称される設備を使用して実施される。環境試験装置は、例えば高温環境や、低温環境、高湿度環境等を人工的に作り出すものである。
環境試験装置は、例えば図10の様な環境調整システムを備えている。図10に示す環境試験装置200は、被試験物を設置する試験室201を有し、さらに加湿装置5、冷却装置210、加熱ヒータ7、及び送風機8を備えている。試験室201は、断熱壁2によって覆われた空間である。そして試験室201と連通する空気流路10があり、当該空気流路10に前記した加湿装置5と、冷却装置210の蒸発器211と、加熱ヒータ7、及び送風機8が設けられている。また、空気流路10の出口側に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。環境試験装置200では、前記した空気流路10内の部材と、温度センサー12及び湿度センサー13によって空気調和装置215が構成されている。
環境試験装置200は、空気調和装置215によって、試験室201内に所望の温度・湿度環境を作る。
環境試験装置200の外観形状は、図1の様であり、全体として直方体形状をしている。即ち環境試験装置200は、ステンレススチール等で作られた外郭部材202を持つ。外郭部材202の内部には、試験室201が内蔵され、かつその正面側に扉部材19が設けられている。
特開2007−271551号公報
ところで、二酸化炭素の排出量を抑制して地球環境を守る観点や、経済的な観点から、消費燃料や消費電力が少ない機械器具の開発が望まれている。即ち全ての機械器具の分野において省エネルギー化が進められている。
ここで省エネルギー化の基本的な考え方は、機械器具の効率を向上させることにある。例えばエンジンやボイラーであれば、熱効率の向上を目的として研究開発が行われている。具体的に説明すると、発電機であれば、より少ない燃料でより多くの電力を発生させることを目的として開発が進められる。
また冷蔵庫やクーラに使用される冷却装置であれば、冷却効率を向上させることを目的として研究開発が行われている。
即ち、入力電力に対してより多くの冷熱を得ることを目的として、研究開発が行われている。
具体的には、冷却装置においては、圧縮機自身の効率を向上させる工夫がなされている。例えば、圧縮機としてレシプロ型の圧縮機を採用する場合には、圧縮比を低めに設定し、冷媒の押し退け量を増加させる方策が採用されている。
またそれに加えて、適切なタイミングで機器を運転することによって消費エネルギーを減少させる工夫もなされている。
例えば自動車であれば、アイドリング時にエンジンを停止してガソリンの消費を抑えている。
冷蔵庫や冷凍倉庫では、冷却装置がオンオフ制御されて過剰な冷却を抑制している。即ち、庫内温度を冷却装置で低下させ、庫内温度が設定温度まで低下すると冷却装置を停止する。また庫内温度が上昇すれば冷却装置を再起動し、庫内温度を設定温度に戻す。
さらに家庭用の冷蔵庫やクーラでは、冷却装置の圧縮機を駆動するモータがインバータ制御され、適切な回転数でモータを回転させて無駄なエネルギーを軽減する構成が知られている。
環境試験装置も機械器具の一つであり、消費電力が少ないことが望ましい。特に環境試験は、長時間に渡って連続的に行われることが多いので、省エネルギー型の装置の開発が熱望されている。
ここで環境試験装置は、前記した様に温度や湿度を調節する装置であり、冷蔵庫や空調設備と似た構造を備えている。
そこで冷蔵庫や空調設備と同様の制御方法を採用して環境試験装置の消費電力を低減することが考えられる。
即ち環境試験装置が備える冷却装置の圧縮機のモータをインバータ制御する方策が考えられる。また冷却装置をオンオフ制御して過剰な冷却を抑制することが考えられる。
しかしながら環境試験装置の冷却装置は、家庭用の冷蔵庫やクーラに比べて格段に容量が大きく、インバータ制御するための制御装置も大がかりなものとなってしまう。そのため、制御装置を収容するために大きな空間を確保する必要がある。またインバータ制御装置は一般に高価であり、インバータ制御を採用すると、環境試験装置の製造コストが嵩む。
また環境試験装置は、冷蔵庫等に比べて室内環境の安定性が重視されるため、オンオフのみの制御によって消費電力を抑制する方策は馴染まない。
即ち冷蔵庫の温度制御は、例えば「摂氏マイナス20度以下」という様に、一定温度以下とすることを目標としており、温度の下限に対する制約は少ない。
これに対して環境試験装置は、「プラスマイナス0.3度以内」と言う様に、温度の上下限が規制される。
一方オンオフ制御は、その性質上、温度のオーバーシュートや、アンダーシュートが避けられず、オンオフ制御だけを採用すると、「プラスマイナス0.3度以内」と言う様な、上下限の範囲に収めることが難しい。
そこで本発明は上記した問題点に注目し、試験室内の温度を精密に制御することが可能であり、且つ消費電力が少ない環境試験装置を提供することを目的とする。
上記した様に、省エネルギー化の基本的な考え方は、機械器具の効率を向上させることにあり、冷却装置においては、圧縮機自身の効率を向上させる工夫がなされている。例えば、圧縮機としてレシプロ型の圧縮機を採用する場合には、圧縮比を低めに設定して冷媒の押し退け量を増加させる方策が採用されている。
これに対して、本発明者らは、圧縮機自身の効率を故意に低下させることによって消費電力を低減することを考えた。
前記した様に、環境試験装置は、試験室内の温度を一定に保つことが重要であり、試験室内の温度には、上下限が設定される。一方オンオフ制御は、その性質上、温度のオーバーシュートや、アンダーシュートが避けらない。そこで環境試験装置では、冷却装置によって室内の空気を過剰に冷却し、電気ヒータでこれを加熱して試験室内の温度を補正し、温度を設定範囲に保っている。
即ち環境試験装置は、定常時に冷却装置と電気ヒータの双方を運転し、両者のバランスによって試験室内の温度を設定範囲内に収めている。
そこで、本発明者らは、冷却能力が余剰傾向となった時に、冷却装置の効率を故意に低下させて冷熱発生量を低下させ、電気ヒータに要求される発熱量を少なくし、全体の消費電力を抑制する方策を考えた。
即ち請求項1に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、試験室内の温度を調整する空気調和手段とを有し、前記空気調和手段には、少なくとも加熱装置と冷却装置が含まれ、前記加熱装置と冷却装置とを同時に運転して試験室内の温度を調整する場合がある環境試験装置において、前記冷却装置は、モータによって回転される圧縮機と、凝縮手段と、膨張手段と、蒸発器とを備え、これらが環状に接続された冷凍回路を有し、その内部に相変化する冷媒が導入されたものであり、前記冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機の圧縮比が上昇する様に制御し前記モータを所定の回転数で連続回転する低能力運転で前記冷却装置を運転するものであり、圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴とする環境試験装置である。
本発明の環境試験装置では、冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機の圧縮比が上昇する様に制御し、冷却装置の効率を下げる。
また請求項2に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、試験室内の温度を調整する空気調和手段とを有し、前記空気調和手段には、少なくとも加熱装置と冷却装置が含まれ、前記加熱装置と冷却装置とを同時に運転して試験室内の温度を調整する場合がある環境試験装置において、前記冷却装置は、モータによって回転される圧縮機と、凝縮手段と、膨張手段と、蒸発器とを備え、これらが環状に接続された冷凍回路を有し、その内部に相変化する冷媒が導入されたものであり、前記冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させるとともに圧縮機から吐出する冷媒の圧力を現状以上に維持した状態で前記モータを所定の回転数で連続回転する低能力運転で前記冷却装置を運転するものであり、圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴とする環境試験装置である。
請求項3に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、試験室内の温度を調整する空気調和手段とを有し、前記空気調和手段には、少なくとも加熱装置と冷却装置が含まれ、前記加熱装置と冷却装置とを同時に運転して試験室内の温度を調整する場合がある環境試験装置において、前記冷却装置は、モータによって回転される圧縮機と、凝縮手段と、膨張手段と、蒸発器とを備え、これらが環状に接続された冷凍回路を有し、その内部に相変化する冷媒が導入されたものであり、前記冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を維持又は低下させるとともに圧縮機から吐出する冷媒の圧力を上昇させて前記モータを所定の回転数で連続回転する低能力運転で前記冷却装置を運転するものであり、圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴とする環境試験装置である。
請求項2,3に記載の発明では、冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させる行為、あるいは圧縮機から吐出する冷媒の圧力を上昇させる行為を行う。その結果、圧縮機の圧縮比が高まる。
前記した請求項1,2,3に記載の環境試験装置は、いずれも冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機の圧縮比を上昇させ、圧縮機の体積効率が低下して冷媒ガスの押し退け量が減少する。そのため入力電力に対する冷熱の発生量が低下する。
従って試験室を過冷却する度合いが緩和される。その結果加熱装置に要求される電力が低下し、環境試験装置全体の消費電力が低下する。
なお、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させ且つ圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させると、冷却装置自体の消費電力も幾分低下するから、冷却装置の電力低下分と、加熱装置の電力低下分の双方によって環境試験装置全体の消費電力を低下させることができる。
また本発明によると、冷却装置を連続的に運転し続けることができるから、試験室内の温度変化も少ない。
請求項4に記載の発明は、低能力運転においては、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させ且つ圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させて前記モータを所定の回転数で連続回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明においては、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させるだけでなく、圧縮機から吐出される冷媒の圧力も上昇させる。そのため、圧縮機の体積効率がより低下して冷媒ガスの押し退け量が減少し、試験室を過冷却する度合いがさらに緩和され、加熱装置に要求される電力が低下し、環境試験装置全体の消費電力が低下する。
低能力運転においては、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させた後に、圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させて前記モータを所定の回転数で連続回転する方法がある(請求項5)。
低能力運転においては、圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させた後に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させて前記モータを所定の回転数で連続回転する方法もある(請求項6)。
上記した各発明は、圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴としている。
そのため上記した各発明の環境試験装置では、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されるから、圧縮機を安定的に運転することができる。即ち圧縮機の低圧側圧力を低下させ、高圧側圧力を上昇させると、圧縮機の体積効率が低下するが、圧縮機の体積効率を過度に低下させると、圧縮機が故障する原因となる。そこで本発明では、圧縮機の低圧側圧力と高圧側圧力を監視し、これらが許容範囲内におさまる様に制御することとした。
請求項に記載の発明は、凝縮手段は冷媒の冷却能力を変更可能であり、膨張手段は冷媒が通過する断面積を変更可能であり、低能力運転時においては、膨張手段の開口面積を減少させると共に凝縮手段の冷却能力を低下させた状態で冷却装置が運転されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明によると、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させ、且つ圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させることができる。
請求項に記載の発明は、必要な冷却量を演算する冷却量演算手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置である。
本発明によると、冷却量演算手段に基づいて低能力運転に切り換えることができる。
本発明の環境試験装置は、冷却装置の効率を低下させつつ、全体的な消費電力を低下させることができる。
そのため本発明の環境試験装置は、広義の省エネルギーに寄与する効果がある。
本発明の実施形態及び従来技術の環境試験装置の斜視図である。 本発明の実施形態の環境試験装置の原理図である。 図1の環境試験装置の動作を示すタイムチャートであり、通常運転から低能力運転に移行する際の状況を示す。 図1の環境試験装置の動作を示すタイムチャートであり、低能力運転から通常運転に移行する際の状況を示す。 本発明の他の実施形態の環境試験装置の動作を示すタイムチャートであり、通常運転から低能力運転に移行する際の状況を示す。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の動作を示すタイムチャートであり、通常運転から低能力運転に移行する際の状況を示す。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の動作を示すタイムチャートであり、通常運転から低能力運転に移行する際の状況を示す。 本発明のさらに他の実施形態の環境試験装置の動作を示すタイムチャートであり、通常運転から低能力運転に移行する際の状況を示す。 本発明の他の実施形態の環境試験装置の原理図である。 従来技術の環境試験装置の原理図である。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の環境試験装置1の外観形状は、従来技術の環境試験装置200と同一である。外観形状についての説明は、省略する。
また本実施形態の環境試験装置1の主要構成部材についても、従来技術の環境試験装置200と略同一である(冷却装置6を除く)。従来技術と同一の部材には同一の番号を付している。
即ち環境試験装置1は、図2の様に試験室3を有している。試験室3は、試験対象物品が導入される部位であり、試験空間である。そして試験室3と連通する空気流路10があり、当該空気流路10に前記した加湿装置5と、冷却装置6の蒸発器11と、加熱ヒータ7、及び送風機8が設けられている。
また、空気流路10の出口側に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。
環境試験装置1では、前記した空気流路10内の部材と、温度センサー12及び湿度センサー13によって空気調和装置15が構成されている。
環境試験装置1は、空気調和装置15によって、試験室3内に所望の温度・湿度環境を作る。
本実施形態の環境試験装置1では、特殊な冷却装置6が採用されている。冷却装置6は、相変化する冷媒を利用して冷凍サイクルを実現させるものであり、圧縮機20、凝縮器21、膨張手段22、蒸発器11及びこれらを環状に接続する冷媒配管25によって構成された冷凍回路23を有している。
圧縮機20は、レシプロ圧縮装置26を内蔵した密閉形圧縮機である。圧縮機20は、図示しない密閉容器内に、シリンダ及びピストンによって構成されるレシプロ圧縮装置26と、誘導モータ32が内蔵されたものである。本実施形態では、誘導モータ32は、常に一定回転数で回転する。
凝縮器21は、熱交換器30と送風機31から成る空冷式である。凝縮器21は、熱交換器30の一次側に冷媒を通過させ、送風機31で熱交換器30の周囲に送風して冷媒を冷却するものである。本実施形態で採用する送風機31は、モータ33がインバータ制御され、回転数を任意に変更することができる。
膨張手段22は、複数のキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eが並列に接続されたものである。即ち膨張手段22は、複数の枝管37a,b,c,d,eに分かれており、各枝管37a,b,c,d,eに一つずつキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eが接続されている。本実施形態では、各キャピラリーチューブ36a,b,c,d,eは、径が異なる。
また各枝管37a,b,c,d,eには、電磁弁38a,b,c,d,eが接続されている。
本実施形態では、電磁弁38a,b,c,d,eを開閉することによって、冷媒を通過させる管路の総開口面積を変更することができる。
即ち本実施形態では、いずれか一つのキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eを選択し、属する枝管37a,b,c,d,eの電磁弁38a,b,c,d,eを開くことによって、特定のキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eだけから冷媒を膨張させることができる。そして各キャピラリーチューブ36a,b,c,d,eは、径が異なるから、膨張手段22の冷媒通過量を変更することができる。
また本実施形態の膨張手段22では、複数の電磁弁38a,b,c,d,eを、任意の個数、同時に開いて、複数のキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eから同時に冷媒を膨張させることもできる。
そのため本実施形態の膨張手段22では、冷媒の通過量を多数の段階に切り換えることができる。本実施形態では、キャピラリーチューブ36a,b,c,d,eを5個有しているので、32通りの組み合わせを実現することができる。
蒸発器11は、公知のそれと同一であり、周囲にフィンが設けられた熱交換器である。
上記した圧縮機20、凝縮器21、膨張手段22及び蒸発器11は、冷媒配管25によって環状に接続されて冷凍回路23を構成している。より具体的には、圧縮機20の吐出側と凝縮器21の導入側が、圧縮機・凝縮器間配管45によって接続され、凝縮器21の吐出側と膨張手段22の導入側が凝縮器・膨張手段間配管46によって接続されている。また膨張手段22の吐出側と蒸発器11との間が膨張手段・蒸発器間配管47によって接続され、蒸発器11の吐出側と圧縮機20の導入側が、蒸発器・圧縮機間配管48によって接続されている。そして冷凍回路23内に、相変化する冷媒が封入されている。
冷却装置6の基本的な動作は、周知のそれと同様であり、気体状の冷媒を圧縮機20で圧縮して凝縮器21に送り、凝縮器21内で熱を奪って液化する。
液化された冷媒は、膨張手段22に送られ、キャピラリーチューブ36a,b,c,d,eの狭い流路を通過して大容積の蒸発器11に導入される。そしてキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eを出た冷媒は、蒸発器11内で急膨張して気化し、周囲から熱を奪う。気化した冷媒は、再度圧縮機20で圧縮されて凝縮器21に送られる。
本実施形態で採用する冷却装置6は、特有の構成として、圧縮機20に導入される冷媒の圧力を検知する低圧側圧力検知手段41と、圧縮機20から吐出された膨張手段22以前の冷媒の圧力を検知する高圧側圧力検知手段42とを備えている。
本実施形態では、低圧側圧力検知手段41及び高圧側圧力検知手段42として温度センサーを使用し、各部の冷媒の温度から圧縮機20に導入される冷媒の圧力と、圧縮機20から吐出された膨張手段22以前の冷媒の圧力を間接的に検知する。
前記した様に本実施形態では、低圧側圧力検知手段41及び高圧側圧力検知手段42に温度センサーを採用している。そのため、以下の説明では、低圧側圧力検知手段41を低圧側温度センサー41と称する場合がある。また高圧側圧力検知手段42を高圧側温度センサー42と称する場合がある。
ここで冷却装置6内における冷媒の圧力と温度との関係について付言する。
冷却装置6を構成する圧縮機20、凝縮器21、膨張手段22、蒸発器11は、冷媒配管25によって環状に連結されているから、冷凍回路各部の圧力の間には、何らかの相関関係がある。しかしながら、冷却装置6の膨張手段22は、断面積が小さい流路であるから、冷凍回路23は膨張手段22によって実質的に分断されていると言える。
そのため圧縮機20から膨張手段22に至る流路を高圧側流路と定義し、膨張手段22から圧縮機20に至る流路を低圧側流路と定義すると、高圧側流路内の各部の圧力関係には、強い相関関係があり、低圧側流路内の各部の圧力関係についても強い相関関係がある。
即ち膨張手段22の吐出側の圧力が上昇すると、圧縮機20に供給される冷媒の圧力が上昇し、膨張手段22の吐出側の圧力が下降すると、圧縮機20に供給される冷媒の圧力が下降する。
同様に、凝縮器21内の吐出側の圧力が上昇すると、圧縮機20から吐出される冷媒の圧力が上昇し、凝縮器21内の吐出側の圧力が降下すると圧縮機20から吐出される冷媒の圧力が降下する。
また冷媒の圧力と温度との間にも相関関係がある。特に、冷媒が蒸発する際の温度(蒸発温度)と、圧力(蒸発圧力)との間には、強い相関関係がある。同様に、冷媒が凝縮する際の温度(凝縮温度)と、圧力(凝縮圧力)との間には、強い相関関係がある。
そこで本実施形態では、低圧側圧力検知手段41たる低圧側温度センサー41を膨張手段22の吐出側に設け、高圧側圧力検知手段42たる高圧側温度センサー42を凝縮器21に設けた。
即ち本実施形態では、低圧側圧力検知手段41たる低圧側温度センサー41が、膨張手段・蒸発器間配管47に設けられている。また高圧側圧力検知手段42たる高圧側温度センサー42が、凝縮器21に直接取り付けられている。
本実施形態では、低圧側温度センサー41によって、冷媒が蒸発する際の温度(蒸発温度)を測定し、蒸発温度と蒸発圧力の相関関係から、膨張手段22の吐出側の圧力を間接的に検知する。さらに、膨張手段22の吐出側の圧力と、圧縮機20に供給される冷媒の圧力との相関関係から、圧縮機20に供給される冷媒の圧力を間接的に検知する。なお蒸発温度と蒸発圧力の相関関係については、公知の文献が多数ある。また膨張手段22の吐出側の圧力と、圧縮機20に供給される冷媒の圧力との相関関係は、予め実験等によって求めておく。
また本実施形態では、高圧側温度センサー42によって、冷媒が凝縮する際の温度(凝縮温度)を測定し、凝縮温度と凝縮圧力の相関関係から、凝縮器21内の圧力を間接的に検知する。
なお冷媒の凝縮温度をより正確に測定するためには、凝縮器21内において冷媒が気体と液体の混合状態となっている部位の温度を測定することが望ましい。
完全に液体となってしまった状態は、その後の冷却によって過冷却となっている場合が多く、完全に液体となってしまった部位の温度を測定しても凝縮温度を正確に測定することはできない。そのため高圧側温度センサー42の位置は、凝縮器21内の流路の中間部分であることが望ましい。
また本実施形態では、さらに凝縮器21内の圧力と、圧縮機20から吐出される冷媒の圧力との相関関係から、圧縮機20から吐出される冷媒の圧力を間接的に検知する。これらの演算は、後記する制御装置50によって実行される。
なお凝縮温度と凝縮圧力の相関関係については、公知の文献が多数ある。また凝縮器21内の圧力と、圧縮機20から吐出される冷媒の圧力との相関関係は、予め実験等によって求めておく。
本実施形態では、その他に、圧縮機・凝縮器間配管45にも温度センサー(吐出温度センサー)49が設けられている。吐出温度センサー49は、圧縮機20の吐出口の近傍にあり、冷媒の温度を測定するものである。実際には温度センサー(吐出温度センサー)49は、圧縮機・凝縮器間配管45に外付けされている。
本実施形態の環境試験装置1は、制御装置50を有し、当該制御装置50によって空気調和装置15が制御される。
即ち空気流路10の出口側に設けられた温度センサー12等の検出値が、目標温度等と一致する様に、制御装置50が空気調和装置15の加湿装置5、冷却装置6及び加熱ヒータ7を制御する。
具体的に説明すると、設定温度が摂氏160度という様な高温であって、室温が例えば摂氏20度と言うような常温であった場合、試験開始直後から冷却装置6を停止して加熱ヒータ7だけを駆動し、試験室3内の温度を上昇させる。設定温度が摂氏160度という様な高温である場合は、多くの場合、冷却装置6を停止しつづけ、加熱ヒータ7だけを比例制御することによって、設定温度を維持する。
一方、設定温度が摂氏マイナス10度という様な低温であって、室温が例えば摂氏20度と言うような常温であった場合、試験開始直後は加熱ヒータ7を停止して冷却装置6だけを駆動し、試験室3内の温度を降下させる。
試験室3内の温度が設定温度に近づくと、加熱ヒータ7を駆動し、温度を微調整する。即ち冷却装置6の冷熱発生量を微調整することが困難であり、冷却装置6だけで試験室3内の温度を設定温度に維持しつづけることは困難である。そのため、冷却装置6によって過冷却ぎみに冷却し、加熱ヒータ7を駆動して温度補正を行い、試験室3内の温度を一定温度に保つ。
この様に、設定温度が低い場合には、冷却装置6と加熱ヒータ7とを同時に駆動する場合がある。
また設定温度が摂氏40度という様な中温環境を作る場合にも、冷却装置6と加熱ヒータ7とを同時に駆動する場合がある。
さらには、湿度を一定に保つ必要がある場合にも、冷却装置6と加熱ヒータ7とを同時に駆動する場合がある。また湿度を一定に保つ必要がある場合には、これに加えて、加湿装置5も同時に運転される。
即ち、試験室3内の湿度は、冷却装置6を駆動することによって低下させることができるが、冷却装置6だけで試験室3内の湿度を設定湿度に維持しつづけることは困難である。そのため、冷却装置6によって過剰に除湿し、加湿装置5を駆動して湿度補正を行い、試験室3内の湿度を一定温度に保つ。また冷却装置6が駆動されることによって、試験室3内の温度が下降傾向となるから、加熱ヒータ7を駆動して温度を維持する。
この様に、環境試験装置1においては、冷却装置6と加熱ヒータ7とを同時に運転する場合がある。この様なケースでは、多くの場合、冷却装置6に要求される冷熱量は少ない。即ちこの様な場合は、必要な冷却量が少ない。
ここで本実施形態の環境試験装置1で採用する制御装置50は、特有の構成として必要な冷却量を演算する冷却量演算手段を備えている。
必要な冷却量は、設定温度及び設定湿度と、現在の試験室3内の温度及び湿度から演算される。
そして本実施形態の環境試験装置1では、必要な冷却量が一定以下である場合には、冷却装置6の運転モードが通常運転から、低能力運転に切り換えられる。
低能力運転は、本実施形態の環境試験装置1に特有の運転モードであり、冷却装置6を故意に冷却効率を低下させて運転する。
即ち本実施形態の環境試験装置1では、圧縮機20の圧縮比を上昇させ、体積効率を故意に低下させて冷媒ガスの押し退け量を故意に減少させる。なお低能力運転時においては、圧縮機20は連続的に運転されている。
具体的には、図3の様に、膨張手段22を開口面積が減少する方向に切り換えて、冷媒の通過量を絞り、低圧側流路の圧力を低下させて圧縮機20に供給される冷媒の圧力を下降させる。即ち膨張手段22の電磁弁38a,b,c,d,eを切り換えて、より細いキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eを選択し、より細いキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eから冷媒を膨張させる。あるいは使用するキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eの本数を減少させて膨張手段22の総開口面積を減少させる。
その結果、膨張手段22から吐出される冷媒の量が減少し、低圧側流路の圧力が低下し、圧縮機20に供給される冷媒の圧力も低下する。
このとき、冷凍能力は、図3の様に徐々に低下してゆく。そして低圧側流路の圧力が下限圧力あるいはその近傍となる様にキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eを選択する。
そして低圧側流路の圧力が下限圧力あるいはその近傍に低下すると、凝縮器21の送風機31の回転数を低下させて凝縮効率を低下させ、高圧側流路の圧力を上昇させて圧縮機20から吐出される冷媒の圧力を上昇させる。
即ち凝縮器21は、熱交換器30と送風機31から成る空冷式であり、送風機31の回転数を低下させると、熱交換器30の熱交換量が減少して冷媒の凝縮効率が低下し高圧側流路の圧力が上昇する。その結果、図3の様に圧縮機20の下流側の圧力が上昇して圧縮機20から吐出される冷媒の圧力が上昇する。また冷凍能力は、図3の様に徐々に低下してゆく。
運転モードが通常運転から、低能力運転に切り換えられると、圧縮機20の導入側の冷媒圧力が低下し、吐出側の冷媒圧力が上昇する。そのため、圧縮機20の圧縮比が上昇し、効率が低下して図3の様に冷却能力が次第に低下する。その結果、冷却装置6による過冷却量が減少し、補正に必要な熱エネルギーが減少する。即ち加熱ヒータ7に要求される発熱量が減少し、加熱ヒータ7の消費電力が軽減される。
また低能力運転時は、原則として圧縮機20が運転され続ける。本実施形態の圧縮機20で採用するモータ32は、誘導モータ32であって常に一定回転数で回転するが、低能力運転時には、負荷が幾分軽くなり、圧縮機20の消費電力も低下する。
以下、この理由について付言する。
本実施形態では、圧縮機20として密閉型のレシプロ圧縮機を使用している。圧縮機20は、図示しない密閉容器内に、シリンダ及びピストンによって構成されるレシプロ圧縮装置26を内蔵したものである。
レシプロ圧縮装置26は、ピストンを押し込んでシリンダ容積を減少させる圧縮工程と、ピストンを抜き方向に移動させてシリンダ容積を増加させる吸入工程とを繰り返すものである。ここでレシプロ圧縮装置26は、その機械構造上、圧縮工程においてシリンダ内の冷媒を完全に押し出すことが困難であり、圧縮工程の際にシリンダー内に幾分冷媒が残留する。そして続く吸入工程においては、残留した冷媒が膨張し、ピストンの動作を補助する。そのため、レシプロ圧縮装置26を高圧縮比で運転すると、誘導モータ32の負荷が幾分低下し、誘導モータ32の消費電力が減少する。
また冷却装置6の冷凍回路23は、冷媒ガスに潤滑油が混合され、冷媒ガスと共に潤滑油を循環させて各部の潤滑性を確保している。そのため、圧縮機20を駆動する場合には、潤滑に必要な最低限の冷媒ガスを供給し、これを圧縮して排出させる必要がある。即ち圧縮機20を安定して動作させるためには、圧縮機20に供給される冷媒ガスの圧力をある程度確保しておく必要がある。また圧縮機20を安定して動作させるためには、圧縮機20の吐出圧力が一定未満であることが必要である。
また圧縮直後の冷媒は、高温状態となっているが、冷媒ガスの温度が過度に上昇すると、潤滑油の劣化を招く等の不具合がある。
そこで本実施形態の環境試験装置1では、低圧側圧力検知手段41を設け、圧縮機20に最小限度の冷媒が供給されているか否かを監視している。また本実施形態の環境試験装置1では、高圧側圧力検知手段42を設け、圧縮機20から最小限度の冷媒が排出されているか否かを監視している。
さらに本実施形態の環境試験装置1では、圧縮機・凝縮器間配管45に温度センサー(吐出温度センサー)49を設け、冷媒ガスの温度を監視している。
そして低能力運転時では、低圧側圧力検知手段41を監視して圧縮機20に導入される冷媒の圧力が、最低基準値を下回らない程度に膨張手段22を切り換える。
また高圧側圧力検知手段42を設け、圧縮機20から吐出される冷媒の圧力が、最高基準値を越えることがない程度に、送風機31の回転数を低下させる。
そのため、本実施形態の環境試験装置1では、冷却装置6を傷めることなく、低能力運転を実施することができ、環境試験装置1の消費電力を低減することができる。
また低能力運転時においても、圧縮機20は連続的に運転されているから、試験室3内の温度がばらつくことは少ない。
またが外乱等によって必要な冷却量が増加した場合は、前記した低能力運転から通常運転に戻る。
通常運転に復帰させる場合には、図4のフローチャートの様に、先に高圧側流路の圧力を低下させ(元に戻す)、その後に低圧側流路の圧力を上昇させる(共に戻す)。
具体的には、図4の様に、凝縮器21の送風機31の回転数を増加させて凝縮効率を上昇させ、高圧側流路の圧力を降下させて圧縮機20から吐出される冷媒の圧力を降下させる。
そして高圧側流路の圧力が一定値に復帰したら、膨張手段22を開口面積が開く方向に切り換えて、冷媒の通過量を増大させ、低圧側流路の圧力を増大させて圧縮機20に供給される冷媒の圧力を上昇させる。その結果、膨張手段22から吐出される冷媒の量が増加し、低圧側流路の圧力が増加し、圧縮機20に供給される冷媒の圧力も増加する。
冷凍能力は、図4の様に元の状態に復帰する。
以上説明した実施形態では、冷却装置6の運転モードを通常運転から、低能力運転に切り換える際には、先に膨張手段22の開口面積を絞って低圧側流路の圧力を低下させ、その後に凝縮器21の凝縮効率を低下させて高圧側流路の圧力を上昇させ、圧縮機20の圧縮比を上昇させた。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、先に凝縮器21の凝縮効率を低下させて高圧側流路の圧力を上昇させ、その後に膨張手段22の開口面積を絞って低圧側流路の圧力を低下させてもよい。この場合における環境試験装置の動作を示すタイムチャートは、図5の通りである。具体的な運転手順の説明は省略する。
また膨張手段22の開口面積を絞って低圧側流路の圧力を低下させる行為と、凝縮器21の凝縮効率を低下させて高圧側流路の圧力を上昇させる行為を同時に行ってもよい。この場合における環境試験装置の動作を示すタイムチャートは、図6の通りである。具体的な運転手順の説明は省略する。
また上記した実施形態では、低圧側流路の圧力を低下させる行為と、高圧側流路の圧力を上昇させる行為を行ったが、どちらか一方の行為だけを実施しても、圧縮機20の圧縮比は上昇し、低能力運転を行うことができる。ただし、この場合においても、一方の圧力は、少なくとも現状で維持させておく必要がある。図7は、低圧側流路の圧力を低下させる行為だけを実施して低能力運転を行う場合のタイムチャートを示す。
本実施形態においても、膨張手段22の開口面積が減少する方向に切り換えて、冷媒の通過量を絞り、低圧側流路の圧力を低下させて圧縮機20に供給される冷媒の圧力を下降させる。ここで、冷凍回路各部の高圧側流路と低圧側流路は、環状に繋がっているから、低圧側流路の圧力を低下させると、これにつられて高圧側流路の圧力も低下傾向となる。そのため高圧側流路の圧力を維持するには、凝縮器21の送風機31の回転数をやや低下させ、凝縮効率を少しだけ低下させる必要がある。
図8は、逆に膨張手段22の開口面積は変更せずにおいて低圧側流路の圧力を維持し、凝縮器21の凝縮効率を低下させて高圧側流路の圧力を上昇させた場合のタイムチャートである。
この場合においても、高圧側流路の圧力を上昇させると、これにつられて低圧側流路の圧力が低下傾向となる。そのため低圧側流路の圧力を維持するには、膨張手段22の開口面積を微調整する必要がある。
以上説明した実施形態では、低圧側圧力検知手段41及び高圧側圧力検知手段42として、いずれも温度センサーを採用し、低圧側流路及び高圧側流路の冷媒圧力を間接的に検知した。この方策は、機器が安価であり、且つ冷媒ガスが漏れる危険も無いので推奨される。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではなく、圧力センサーによって冷媒の圧力を直接的に検知してもよい。
以上説明した実施形態では、複数のキャピラリーチューブ36a,b,c,d,eが並列に接続された構造の膨張手段22を採用したが、これに代わって電子式膨張弁の様に、開度を任意に変更できる膨張弁を採用してもよい。電子式膨張弁だけを使用してもよく、電子式膨張弁とキャピラリーチューブを併用してもよい。
また上記した実施形態では、凝縮器21の送風機31をインバータ制御して回転数を変更できるように構成したが、直流モータを使用して回転数を変更してもよい。送風機31の回転数の変化は、連続的であっても段階的であってもよい。送風機31のモータをON・OFF制御して回転数を変えてもよい。
また上記した実施形態では、凝縮器21として空冷式のものを採用したが、水冷式の凝縮器を使用してもよい。水冷式の凝縮器を採用する場合には、二次側を流れる冷却水の水量や水温を制御して凝縮器21の凝縮能力を低下させることとなる。
また図9の様に、凝縮器21a,21bを複数並列に並べ、通常運転の際には双方の凝縮器21a,21bを使用し、低能力運転の際には、使用する凝縮器21a,21bの数を制限することによって凝縮能力を低下させてもよい。
また上記した実施形態では、圧縮機20として、レシプロ式の圧縮機20を採用した。レシプロ式の圧縮機20は、前記した様に、圧縮比が高い状態で運転すると、消費電力が幾分低くなると言う特徴があり、本発明に採用することが推奨される。
本発明は、圧縮機20の回転数をインバータ制御等によって変更できるものを採用することを否定するものではない。
1 環境試験装置
3 試験室
5 加湿装置
6 冷却装置
7 加熱ヒータ
8 送風機
10 空気流路
11 蒸発器
12 温度センサー
13 湿度センサー
15 空気調和装置
20 圧縮機
21 凝縮器
22 膨張手段
23 冷凍回路
25 冷媒配管
26 レシプロ圧縮装置
30 熱交換器
31 送風機
32 誘導モータ
33 モータ
36a,b,c,d,e キャピラリーチューブ
41 低圧側圧力検知手段
42 高圧側圧力検知手段

Claims (8)

  1. 被試験物を設置する試験室と、試験室内の温度を調整する空気調和手段とを有し、前記空気調和手段には、少なくとも加熱装置と冷却装置が含まれ、前記加熱装置と冷却装置とを同時に運転して試験室内の温度を調整する場合がある環境試験装置において、前記冷却装置は、モータによって回転される圧縮機と、凝縮手段と、膨張手段と、蒸発器とを備え、これらが環状に接続された冷凍回路を有し、その内部に相変化する冷媒が導入されたものであり、前記冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機の圧縮比が上昇する様に制御し前記モータを所定の回転数で連続回転する低能力運転で前記冷却装置を運転するものであり、
    圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴とする環境試験装置。
  2. 被試験物を設置する試験室と、試験室内の温度を調整する空気調和手段とを有し、前記空気調和手段には、少なくとも加熱装置と冷却装置が含まれ、前記加熱装置と冷却装置とを同時に運転して試験室内の温度を調整する場合がある環境試験装置において、前記冷却装置は、モータによって回転される圧縮機と、凝縮手段と、膨張手段と、蒸発器とを備え、これらが環状に接続された冷凍回路を有し、その内部に相変化する冷媒が導入されたものであり、前記冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させるとともに圧縮機から吐出する冷媒の圧力を現状以上に維持した状態で前記モータを所定の回転数で連続回転する低能力運転で前記冷却装置を運転するものであり、
    圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴とする環境試験装置。
  3. 被試験物を設置する試験室と、試験室内の温度を調整する空気調和手段とを有し、前記空気調和手段には、少なくとも加熱装置と冷却装置が含まれ、前記加熱装置と冷却装置とを同時に運転して試験室内の温度を調整する場合がある環境試験装置において、前記冷却装置は、モータによって回転される圧縮機と、凝縮手段と、膨張手段と、蒸発器とを備え、これらが環状に接続された冷凍回路を有し、その内部に相変化する冷媒が導入されたものであり、前記冷却装置を運転する必要があり、且つ必要な冷却量が少ない場合に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を維持又は低下させるとともに圧縮機から吐出する冷媒の圧力を上昇させて前記モータを所定の回転数で連続回転する低能力運転で前記冷却装置を運転するものであり、
    圧縮機に導入される冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する低圧側圧力検知手段と、圧縮機から吐出された膨張手段以前の冷媒の圧力を直接的にまたは間接的に検知する高圧側圧力検知手段とを備え、低能力運転の際には低圧側圧力検知手段と高圧側圧力検知手段とを監視してこれらの検出値が一定範囲内におさまる様に制御されることを特徴とする環境試験装置。
  4. 低能力運転においては、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させ且つ圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させて前記モータを所定の回転数で連続回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置。
  5. 低能力運転においては、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させた後に、圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させて前記モータを所定の回転数で連続回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
  6. 低能力運転においては、圧縮機から吐出される冷媒の圧力を上昇させた後に、圧縮機に導入される冷媒の圧力を低下させて前記モータを所定の回転数で連続回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
  7. 凝縮手段は冷媒の冷却能力を変更可能であり、膨張手段は冷媒が通過する断面積を変更可能であり、低能力運転時においては、膨張手段の開口面積を減少させると共に凝縮手段の冷却能力を低下させた状態で冷却装置が運転されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置。
  8. 必要な冷却量を演算する冷却量演算手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の環境試験装置。
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