JP6152716B2 - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6152716B2
JP6152716B2 JP2013122784A JP2013122784A JP6152716B2 JP 6152716 B2 JP6152716 B2 JP 6152716B2 JP 2013122784 A JP2013122784 A JP 2013122784A JP 2013122784 A JP2013122784 A JP 2013122784A JP 6152716 B2 JP6152716 B2 JP 6152716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna element
solenoid
antenna device
antenna
planar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013122784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014064267A (ja
Inventor
利典 松浦
利典 松浦
由智 佐藤
由智 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2013122784A priority Critical patent/JP6152716B2/ja
Priority to CN201310379057.2A priority patent/CN103633421B/zh
Publication of JP2014064267A publication Critical patent/JP2014064267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152716B2 publication Critical patent/JP6152716B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

本発明は、アンテナ装置に関し、特に、近距離無線通信に用いられる薄型アンテナの構造に関するものである。
最近、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる近距離無線通信機能が搭載された携帯電話の普及が進んでいる。NFCによるデータ通信では、ユーザが携帯電話をリーダライタに近づける。リーダライタから発せられる信号を携帯電話側のアンテナが受信すると、その誘導起電力によってアンテナに接続されたICが動作し、携帯電話とリーダライタとの間のデータ通信が開始する。NFCによれば、電子認証、電子決済、その他のデータ通信を容易かつ高速に行うことができる。
NFC機能を備えた携帯電話には専用のアンテナが内蔵されている。その一例は、平面スパイラルアンテナである。しかし、平面スパイラルアンテナは指向性が狭いため、アンテナの向きがリーダライタのアンテナと平行でない場合には、カップリング特性が大幅に低下するという問題がある。ユーザが携帯電話をリーダライタにかざす際、携帯電話内のアンテナがリーダライタに対して平行となるように、瞬時かつ正確にかざすことは意外と難しいため、実際の使用時には、アンテナがリーダライタに対してある程度の角度をもつことになる。そのため、カップリング特性の低下を抑制する技術が求められている。
平面スパイラルアンテナの指向性を変える方法として、2つのアンテナを組み合わせる方法が提案されている。たとえば、特許文献1には、第1磁界成分を発生させる第1アンテナと、第1磁界成分と直交する第2磁界成分を発生させる第2アンテナとを備えたループアンテナ装置が開示されている。また、特許文献2には、2つの別々のアンテナの相互干渉を防止するため、磁性体シートのシート本体部の面上にRFID用ループアンテナを形成すると共に、磁性体シートの延長部の周面に導線コイルを巻回することにより、AMアンテナを形成することが記載されている。
特開2001−308629号公報 特開2008−42761号公報
上記のように、平面スパイラルアンテナが内蔵された携帯電話をリーダライタに対して平行にかざした場合には、内蔵されたアンテナもリーダライタに対して平行になるので、通常のデータ通信が可能である。しかし、携帯電話をリーダライタに対して斜めにかざすと、アンテナもリーダライタに対して斜めの角度を持つことになるので、通信品質が大幅に低下するか、あるいは通信できないという問題がある。
したがって、本発明の目的は、通信可能範囲が広く、リーダライタに対してアンテナを斜めにかざしたとしても一定の通信品質を維持することが可能なアンテナ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるアンテナ装置は、第1方向に回転中心軸を有するソレノイドアンテナ素子と、前記第1方向と直交する第2方向に回転中心軸を有する平面ループアンテナ素子とを備え、前記ソレノイドアンテナ素子の一対の端子は、前記平面アンテナ素子の一対の端子と接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、互いに異なる方向にコイル軸を有するソレノイドアンテナ素子と平面ループアンテナ素子とを組み合わせることで、通信可能範囲を広げることができ、リーダライタに対して斜めにかざしても通信品質が大幅に低下することがない。
本発明によるアンテナ装置は、立体コイルであるソレノイドアンテナ素子と平面コイルである平面ループアンテナ素子とが協働して一つのアンテナとして機能するものである。そのため、アンテナ装置の外部端子はソレノイドアンテナ素子と平面ループアンテナ素子に対して共通に接続されており、2端子構造のアンテナ装置が実現されている。
本発明によるアンテナ装置は、第1基板をさらに備え、前記ソレノイドアンテナ素子は、前記第1基板の一方の主面及び他方の主面を交互に経由してループ状に巻回されたものであることが好ましい。この構成によれば、ソレノイドアンテナ素子が発生させる磁場が平面ループアンテナ素子のループの中心部を通過しやすい。そのため、2つのアンテナ素子の磁場は相互に干渉せず、互いに強め合うことができ、これにより相互インダクタンスを大きくすることができる。したがって、カップリング特性のさらなる向上を図ることができる。
本発明において、前記第1基板は磁性基板であることが好ましい。これによれば、ソレノイドアンテナ素子のインダクタンスを向上させることができ、アンテナ全体のカップリング特性をさらに高めることができる。
本発明において、前記平面ループアンテナ素子は、前記ソレノイドアンテナ素子の上方において部分的に重なるように設けられており、前記ソレノイドアンテナ素子の回転軸方向の終端部は、前記平面ループアンテナ素子の中空部と重なる位置または前記中空部の外側に配置されていることが好ましい。また、前記平面ループアンテナ素子は、前記ソレノイドアンテナ素子と平面視にて重ならないように設けられており、前記ソレノイドアンテナ素子の前記回転中心軸方向の終端部は、前記平面ループアンテナ素子の中空部の外側に配置されてもよい。この構成では、ソレノイドアンテナ素子に対する平面ループアンテナ素子の平面方向の位置がずれていることから、ソレノイドアンテナ素子が発生させる磁場がループの中心部を通過しやすくなり、両者が互いの磁場を強め合うことができ、インダクタンスを向上させることができる。
本発明において、前記第1基板がフレキシブルプリント基板からなり、前記平面ループアンテナ素子は前記フレキシブルプリント基板の表面に形成されており、前記ソレノイドアンテナ素子は、フレキシブルプリント基板を折り返して前記フレキシブルプリント基板の表面に形成された複数の直線パターンがループ状に連結されてなるものであることが好ましい。この構成によれば、フレキシブルプリント基板を使用した斬新な構造のアンテナ装置を提供することができる。
本発明において、実装面側から見て前記ソレノイドアンテナ素子は前記ループアンテナ素子の上方に位置することが好ましい。この構成によれば、実装面の上方に配置された金属面に対して、前記ソレノイドアンテナ素子のほうがループアンテナ素子よりも近づけることができる。
本発明において、前記第1基板は多層基板であり、前記ソレノイドアンテナ素子は、前記第1基板の内層に設けられていることが好ましい。この構造によれば、1枚の基板上に2つのアンテナ素子を構成することができ、小型化及び高密度実装が可能となる。
本発明によるアンテナ装置は、前記ソレノイドアンテナ素子及び前記平面ループアンテナ素子と対向する金属板をさらに備え、前記平面ループアンテナ素子は、前記ソレノイドアンテナ素子と平面視にて重ならないように設けられており、かつ前記ソレノイドアンテナ素子よりも前記金属体の端部寄りに位置していることが好ましい。平面ループアンテナ素子の近くに金属板が存在するような場合には、金属板に発生する渦電流の影響によって平面ループアンテナの特性が低下しやすい。しかしこの構成によれば、平面ループアンテナが受ける渦電流の影響を低減することができ、アンテナ装置の特性の低下を防止することができる。
本発明によるアンテナ装置は、前記ソレノイドアンテナ素子の中空部を貫通するように設けられた磁性体をさらに備え、前記磁性体は、前記平面ループアンテナ素子の形成領域にまで延設されており、当該平面ループアンテナ素子と平面視にて重なる部分を有することが好ましい。この構成によれば、ソレノイドアンテナ素子のインダクタンスを高めることができるだけでなく、近くに金属板が存在することで渦電流が発生するような場合であっても平面ループアンテナ素子の特性の低下を防止することができる。
本発明において、前記フレキシブルプリント基板は、前記ソレノイドアンテナ素子の前記回転中心軸方向において互いに隣接する第1及び第2領域と、前記回転中心軸方向と直交する方向において前記第2領域と隣接する第3領域とを有し、前記平面ループアンテナ素子は前記第1領域に形成されており、前記ソレノイドアンテナ素子は前記第2及び第3領域に形成されており、前記第3領域は前記第2領域と重なるように折り返されることにより前記複数の直線パターンがループ状に連結されていることが好ましい。さらに、前記フレキシブルプリント基板は、前記ソレノイドアンテナ素子の前記回転中心軸方向において互いに隣接する第1及び第2領域と、前記回転中心軸方向において前記第2領域と隣接する第3領域とを有し、前記平面ループアンテナ素子は前記第1領域に形成されており、前記ソレノイドアンテナ素子は前記第2及び第3の領域に形成されており、前記第3領域は前記第2領域と重なるように折り返されることにより前記複数の直線パターンがループ状に連結されていることもまた好ましい。これらの構成によれば、折り返し構造のフレキシブルプリント基板を用いたアンテナ装置を容易に実現することができる。
本発明によれば、リーダライタに対して斜めの角度を持って近接させても通信品質が大幅に低下することのないアンテナ装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の構造を示す略分解斜視図である。 図2は、図1のアンテナ装置の完成状態を示す斜視図である。 図3は、アンテナ装置10をプリント基板上に実装した状態を示す略平面図である。 図4は、図3のアンテナ装置10をリーダライタにかざした状態を示す模式図である。 図5は、本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置20の構造を示す略平面図である。 図6(a)〜(d)は、2つのアンテナ素子のループの向きの関係を示す略平面図である。 図7は、本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置30の構造を示す図であって、(a)は略斜視図、(b)は略側面断面図である。 図8(a)〜(d)は、アンテナ装置の作用について説明するための模式図である。 図9は、本発明の第4の実施形態によるアンテナ装置40の構造を示す略平面図であって、展開した状態を示すものである。 図10は、本発明の第5の実施形態によるアンテナ装置50の構造を示す略平面図である。 図11は、アンテナ装置50の実装形態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は略断面図である。 図12は、本発明の第6の実施形態によるアンテナ装置60の構造を示す略平面図であって、展開した状態を示すものである。 図13は、本発明の第7の実施形態によるアンテナ装置70の構造を示す略斜視図である。 図14は、磁界強度分布を示す図であって、(a)は比較例、(b)は実施例を示している。 図15は、平面スパイラルアンテナ素子とソレノイドアンテナ素子との位置関係を少しずつずらしたときのカップリングロスを示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の構造を示す略分解斜視図である。また、図2は、図1のアンテナ装置の完成状態を示す斜視図である。
図1に示すように、アンテナ装置10は、基板1と、基板1の一方の主面(上面)に形成された平面スパイラルアンテナ素子2と、基板3と、基板3の一方の主面(上面)3a及び他方の主面(底面)3cを交互に経由してループ状に巻回されたソレノイドアンテナ素子4とを備えている。
基板1(第2基板)は、平面スパイラルアンテナ素子2の支持基板であり、またソレノイドアンテナ素子4が設けられた基板3の実装面としても機能する。特に限定されないが、基板1は取り扱いが容易な矩形基板であることが好ましい。基板1は絶縁基板であればよく、磁性基板であってもよい。磁性基板によれば、ソレノイドアンテナ素子4に対して透磁率の高い磁路を提供することができ、インダクタンスを向上させることができる。
平面スパイラルアンテナ素子2は、基板1の上面に形成されたスパイラル形状の導体パターンからなり、スパイラルパターンの外周端には端子2a、内周端には端子2bがそれぞれ設けられている。スパイラルパターンの回転中心軸は、基板1に垂直なZ方向(第2方向)である。平面スパイラルアンテナ素子2は、ループサイズができるだけ大きくなるように、基板1の外周に沿って形成されている。
基板3(第1基板)は、ソレノイドアンテナ素子4の支持基板であり、また平面スパイラルアンテナ素子2に対しては下層の金属面(グランド面)の影響を防止する役割を果たすものである。基板3の形状も特に限定されないが、基板1と整合する矩形であることが好ましい。基板3は磁性体であることが好ましい。これによれば、ソレノイドアンテナ素子4のインダクタンスを大きくすることができ、そのアンテナ利得を向上させることができる。
ソレノイドアンテナ素子4は、基板3の一方の主面(上面)3a、端面3b、他方の主面(底面)3c、端面3dを順に経由する略ヘリカル形状の導体パターンからなり、ヘリカルパターンの両端には端子4a,4bがそれぞれ設けられている。ヘリカルパターンの回転中心軸は、基板3の端面3b、3dと平行なX方向(第1方向)である。すなわち、ソレノイドアンテナ素子4の回転中心軸(輻射軸)は、平面スパイラルアンテナ素子2の回転中心軸(輻射軸)と直交している。
図2に示すように、ソレノイドアンテナ素子4が形成された基板3は、平面スパイラルアンテナ素子2が形成された基板1上に重ねて設けられる。平面スパイラルアンテナ素子2の一方の端子2aとソレノイドアンテナ素子4の一方の端子4aは、アンテナ装置10の一対の外部端子を構成している。また、平面スパイラルアンテナ素子2の他方の端子2bは引出導体5bを介してソレノイドアンテナ素子4の他方の端子4bに接続されている。このように、本実施形態によるアンテナ装置10は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4の直列接続構造を有している。
上記のアンテナ装置10は例えば携帯電話に内蔵されるが、好ましくは、携帯電話の筐体の裏面に貼り付けられる。また他の実装形態では、携帯電話のバッテリーの表面に貼り付けられてもよい。さらに、携帯電話を構成する回路や部品が実装されたプリント基板上に設けられてもよい。いずれの場合においても、携帯電話をリーダライタにかざした時に、ソレノイドアンテナ素子4よりも平面スパイラルアンテナ素子2のほうがリーダライタに近づくように構成する必要がある。
上記のソレノイドアンテナ素子4は、配線パターンとスルーホール導体との組み合わせで構成されるものであってもよい。この場合、図1における基板3の端面3b、3dの導体パターンが、基板3を貫通するスルーホール導体に置き換えられる。基板3を多層構造とした場合には、その内層に配線パターンを形成して外表面に配線パターンが表れない構成とすることもできる。
図3は、アンテナ装置10をプリント基板上に実装した状態を示す略平面図である。
図3に示すように、アンテナ装置10は、携帯電話を構成する回路や部品が実装されたプリント基板7上に実装され、2つのアンテナ素子はプリント基板7の主面と平行に設けられている。図示のように、アンテナ装置10は、プリント基板7の長手方向の一端寄り(上端部側)に設けられることが好ましい。ユーザが携帯電話の下端部を手にした状態でリーダライタに対して斜めにかざしたときに、アンテナ装置10をリーダライタに近接させやすいからである。
図4は、図3のアンテナ装置10をリーダライタにかざした状態を示す模式図である。
図4に示すように、アンテナ装置10を使用した近距離無線通信では、まずアンテナ装置10をリーダライタ9に近接させる。このとき、プリント基板7の一方の主面側に設けられたアンテナ装置10をリーダライタ9と対向させているので、アンテナ装置10は図中のプリント基板7の裏面側にある。なお、プリント基板7の他方の主面側には多くの場合、グランド面7aが設けられている。図示のように、アンテナ装置10をリーダライタ9に近接させることにより、アンテナ装置10を備えた携帯電話とリーダライタ9との間でのデータ通信が実現される。
ここで、図示のようにプリント基板7がリーダライタ9と平行であれば問題ないが、プリント基板7がリーダライタ9に対して斜めに向いていると、アンテナ装置10も斜めの向きとなるので、従来のアンテナ装置であればカップリング特性が低下することになる。しかし、本実施形態によるアンテナ装置10は、互いに異なる指向性を持つ平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4との組み合わせからなり、2つのアンテナ素子に基づく合成指向性となるので、アンテナの指向性を広くすることができ、リーダライタに対するカップリング特性の低下を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によるアンテナ装置10は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とを組み合わせからなる複合アンテナであり、基板3から見てソレノイドアンテナ素子4の上方に平面スパイラルアンテナ素子2が設けられており、実際の使用時には、平面スパイラルアンテナ素子2がソレノイドアンテナ素子4よりもリーダライタ9側に近い配置となるようにしているので、従来の平面スパイラルアンテナ素子のみからなるものよりも指向性の広いアンテナを実現することができる。したがって、通信可能範囲が広く、リーダライタ9に対して斜めにかざしたとしても一定の通信品質を維持することが可能となる。
図5は、本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置20の構造を示す略平面図である。
図5に示すように、このアンテナ装置20(20A,20B)の特徴は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが部分的に重なり合っており、平面スパイラルアンテナ素子2の平面方向の位置がソレノイドアンテナ素子4の輻射軸方向にずれている点にある。
ここで、図5(a)は、ソレノイドアンテナ素子4に対する平面スパイラルアンテナ素子2の平面方向の位置がプリント基板7の中心方向にずれており、図5(b)はその逆で、平面スパイラルアンテナ素子2に対するソレノイドアンテナ素子4の平面方向の位置がプリント基板7の中心方向にずれている。そして図5(a)、(b)のどちらも、ソレノイドアンテナ素子4の回転軸(コイル軸)方向の終端部Pは、平面スパイラルアンテナ素子2の中空部と重なる位置に配置されている。
このように、ソレノイドアンテナ素子4の輻射軸方向の端部Pは、平面視にて平面スパイラルアンテナ素子2のループ内に位置しているため、ソレノイドアンテナ素子4が発生させる磁場がスパイラルのループの中心部を通過しやすい。そのため、2つのアンテナ素子の磁場は相互に干渉せず、互いに強め合うことができ、これにより相互インダクタンスを大きくすることができる。したがって、第1の実施形態によるアンテナ装置10が有する発明の効果に加えて、カップリング特性のさらなる向上を図ることができる。なお、第2の実施形態によるアンテナ装置20(20A,20B)の面積は第1の実施形態によるアンテナ装置よりも少し大きくなるが、2つのアンテナ素子が平面的に全く重ならない場合(図7参照)に比べてアンテナ装置の小型化が可能である。そして上記のように、第1の実施形態に比べてカップリング特性を改善することができる。
図6(a)〜(d)は、2つのアンテナ素子のループの向きの関係を示す略平面図である。
図6(a)のアンテナ装置は、平面スパイラルアンテナ素子2がソレノイドアンテナ素子4の磁界の向きの前方側に配置されており、内周端がソレノイドアンテナ素子4の後端側の端子に、また外周端がソレノイドアンテナ素子4の先端側の端子にそれぞれ接続されている。さらに、内周端から外周端に向かって反時計回りのスパイラルを構成している。一方、図6(b)のアンテナ装置は、平面スパイラルアンテナ素子2の内周端から外周端に向かって時計回りのスパイラルを構成している点のみが図6(a)と異なっている。
図6(c)のアンテナ装置は、平面スパイラルアンテナ素子2がソレノイドアンテナ素子4の磁界の向きの後方側に配置されており、この点は(a)のアンテナ装置と異なっている。その他の構成は、(a)のアンテナ装置と同じである。つまり、平面スパイラルアンテナ素子2の内周端はソレノイドアンテナ素子4の後端側の端子に、また外周端はソレノイドアンテナ素子4の先端側の端子にそれぞれ接続されている。さらに、内周端から外周端に向かって反時計回りのスパイラルを構成している。一方、図6(d)のアンテナ装置は、平面スパイラルアンテナ素子2の内周端から外周端に向かって時計回りのスパイラルを構成している点のみが図6(c)と異なっている。
このように、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4をずらして重ねる場合、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4が重なる部分の中で、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4のパターンが平行になる箇所(破線の楕円Rで示す部分)において、平面スパイラルアンテナ素子2に流れる電流の方向とソレノイドアンテナ素子4に流れる電流の方向が一致するほうが好ましい。図6においては、(a)及び(c)がこの構成に該当している。(b)及び(d)のように電流が逆向きだと互いの電流で発生する磁場が打ち消し合うが、電流が同じ向きであれば磁場の打ち消し合いがないので、カップリング特性が向上するものと考えられる。
図7は、本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置30の構造を示す図であって、(a)は略斜視図、(b)は略側面断面図である。
図7(a)、(b)に示すように、このアンテナ装置30の特徴は、平面スパイラルアンテナ素子2がソレノイドアンテナ素子4と平面視にて重ならないように隣接して設けられている点にある。そして、ソレノイドアンテナ素子4の回転中心軸方向の終端部は、平面スパイラルアンテナ素子2の中空部の外側に配置されている。その他の構成は第2の実施形態によるアンテナ装置20と実質的に同一である。このように、本実施形態によるアンテナ装置30は、アンテナ装置20と同様、カップリング特性を改善することができる。
図8(a)〜(d)は、アンテナ装置の作用について説明するための模式図である。ここで、図8(a)、(c)は、リーダライタ9の中心とアンテナ装置の中心が同じ位置である場合を示しており、図8(b)、(d)は、アンテナ装置の中心がリーダライタの中心からずれている場合を示している。また、図8(a)、(d)は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが完全に重なり合うアンテナ装置10を用いた場合を示しており、図8(b)、(c)は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが重ならないアンテナ装置30を用いた場合を示している。なお、アンテナ装置30に代えて第2の実施形態によるアンテナ装置20を用いた場合の作用も同様である。
図8(a)、(c)に示すように、リーダライタ9の中心とアンテナ装置10、20の中心が同じ位置であるときのカップリング特性は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが完全に重なっているアンテナ装置10を用いた図8(a)の条件のほうがよい。平面スパイラルアンテナ素子2がリーダライタ9による垂直方向の磁束を捉えることができるからである。
しかし、図8(b)、(d)に示すように、アンテナ装置10、20の中心がリーダライタ9の中心からずれているときのカップリング特性は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが重ならないアンテナ装置30を用いた図6(b)の条件のほうがよくなる傾向にある。図示のように、リーダライタ9の中心付近では、垂直方向の磁束を受けるのはスパイラル部分だけだが、リーダライタ9の中心付近からずれていると、磁束の向きは垂直方向から水平方向に近くなってくるため、ソレノイド部分で効率的に磁束を捉えることができるからである。
アンテナ装置をリーダライタ9に近づけるとき、アンテナ装置の中心がリーダライタ9の中心と一致しない図6(b)、(d)の位置関係になることが多い。この場合、平面スパイラルアンテナ素子2がソレノイドアンテナ素子4と重ならないアンテナ装置30(図6(b))を用いることにより、カップリング特性を向上させることができる。
図9は、本発明の第4の実施形態によるアンテナ装置40の構造を示す略平面図であって、展開した状態を示すものである。
図9に示すように、このアンテナ装置40の特徴は、一枚のフレキシブルプリント基板31上に2つのアンテナ素子2,4を形成している点にある。フレキシブルプリント基板31(第1基板)の一方の主面(上面)には、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4がそれぞれ設けられている。すなわち、図9の状態では、2つのアンテナ素子は同一平面上に設けられている。
図9のソレノイドアンテナ素子4は展開された状態であり、ソレノイド形状(ヘリカル形状)になっていないが、フレキシブルプリント基板31を破線X−X'線の位置で折り曲げて、平面スパイラルアンテナ素子2の2本の隣接する直線パターンの端部同士を接続する。例えば、直線パターンLN1の一方の端部e1と、直線パターンLN2の他方の端部e2が接続される。この折り曲げ加工により、多数の直線パターンがループ状に連結されてなるソレノイドパターンが形成される。破線X−X'線の位置で折り返されたフレキシブルプリント基板31の間には、磁性基板を設けることができる。磁性基板を設けた場合には、ソレノイドアンテナ素子4の特性を向上させることができる。
平面スパイラルアンテナ素子2の外周端2aはアンテナ装置の一方の外部端子T1を構成している。また、ソレノイドアンテナ素子4の一端はアンテナ装置の他方の外部端子T2を構成している。さらに、平面スパイラルアンテナ素子2の内周端2bは、フレキシブルプリント基板31を貫通するスルーホール導体を介して他方の主面(裏面)に設けられた破線で示す引出導体5bの一端に接続されており、引出導体5bの他端T0はソレノイドアンテナ素子4の他端に接続されている。フレキシブルプリント基板31は破線Y−Y'線の位置でも折り曲げられ、図中の3つの端子T0はすべて接続される。つまり、ソレノイドアンテナ素子4を構成する直線パターンLNnの一端enは、引出導体5bを介して平面スパイラルアンテナ素子2の内周端2bに接続される。
このように、本実施形態によるアンテナ装置40は、第1の実施形態と同様、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが並列接続された回路構成を実現することができる。また特に、フレキシブルプリント基板31を使用した斬新な構造のアンテナ装置を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態によるアンテナ装置40は、フレキシブルプリント基板を折り返して端子どうしを接続するだけで、平面スパイラルアンテナ素子とソレノイドアンテナ素子との組み合わせからなるアンテナ装置を簡単に構成することができる。
図10は、本発明の第5の実施形態によるアンテナ装置50の構造を示す略平面図であって、展開した状態を示すものである。
図10に示すように、このアンテナ装置50は、図7に示したアンテナ装置30の特徴と図9に示したアンテナ装置40の特徴とを組み合わせものであり、一枚のフレキシブルプリント基板31上に形成された平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが平面視にて互いに重なり合わないように配置されている点にある。
フレキシブルプリント基板31の一方の主面には平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4がそれぞれ設けられている。フレキシブルプリント基板31は略L字状の基板であり、平面スパイラルアンテナ素子2の形成領域である第1領域Saと、ソレノイドアンテナ素子4の形成領域である第2領域Sbおよび第3領域Scとを有している。第1〜第3領域Sa,Sb、Scはいずれも矩形領域であり、第2領域Sbは第1領域SaとX方向に隣接しており、第3領域Scは第2領域SbとY方向に隣接している。
図示のフレキシブルプリント基板31は展開された状態であり、ソレノイドアンテナ素子4はソレノイド形状(ヘリカル形状)になっていないが、フレキシブルプリント基板31を一点鎖線で示すX−X'線の位置でY方向に折り返すことで多数の直線パターン57がループ状に連結され、これによりソレノイドパターンが形成される。フレキシブルプリント基板31はX方向には折り曲げられてないので、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4は互いに重なることなくX方向に隣接したレイアウトのままである。
平面スパイラルアンテナ素子2のスパイラルパターン51の内周端は、第1スルーホール導体52、フレキシブルプリント基板31の他方の主面に形成された第1引き出し導体53、第2スルーホール導体54、フレキシブルプリント基板31の一方の主面に形成された第2引き出し導体55を介してアンテナ装置50の一方の外部端子56aに接続されている。またソレノイドアンテナ素子4の一端は、アンテナ装置50の他方の外部端子56bに接続されている。平面スパイラルアンテナ素子2の外周端はソレノイドアンテナ素子4の他端と切れ目なく連続的に形成されている。
フレキシブルプリント基板31の第3領域ScはX−X'線の位置でY方向に折り返されることで第2領域Sbと重なり合う。上下のフレキシブルプリント基板31,31間には磁性体58が設けられている。磁性体58はソレノイドアンテナ素子4の中空部を貫通する磁性コアであり、ソレノイドアンテナ素子4のインダクタンスを高めることができる。磁性体58は平面スパイラルアンテナ素子2の形成領域(第1領域Sa)にまで延設されており、平面スパイラルアンテナ素子2と重なりを有している。この構成によれば、以下に示す金属板の存在による渦電流損の影響を抑えることができ、特に、平面スパイラルアンテナ素子2が金属板の中央部に配置されて渦電流の影響が大きい場合に有効である。
図11は、アンテナ装置50の実装状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は略断面図である。
図11に示すように、アンテナ装置50は例えば携帯電話の筐体の裏面に貼り付けられ、あるいは携帯電話のバッテリーの表面に貼り付けられる。そしてアンテナ装置50の実装面側には、例えばバッテリーケースやシールドカバーなどの金属板59が存在している。金属板59はアンテナ装置50が実装される回路基板上の導体パターン(グランドパターン、フローティングパターン等)であってもよい。金属板59は略矩形の平面形状を有し、ソレノイドアンテナ素子4は金属板59の中央寄りに設けられており、平面スパイラルアンテナ素子2はソレノイドアンテナ素子4よりも金属板59の端部寄りに設けられている。
上記のように、アンテナ装置50の実装面側にこのような金属板59が存在していると、金属板59を貫く磁束によって金属板59中に渦電流が発生し、さらにこの渦電流によって発生する磁界がアンテナ装置50の通信特性を悪化させる要因となる。ここで、ソレノイドアンテナ素子4が発生させる磁束の向きは金属板59と平行な方向であり、金属板59を貫く磁束は少ないため、渦電流損も比較的少ない。一方、平面スパイラルアンテナ素子2が発生させる磁束の向きは金属板59と垂直な方向であり、金属板59を貫く磁束は多いため、渦電流損が顕著である。
そこで本実施形態においては、平面スパイラルアンテナ素子2をソレノイドアンテナ素子4よりも金属板59の中心点C0から遠く離れた位置に配置している。この構成によれば、渦電流の影響を抑えることができ、所望の通信品質を確保することができる。特に、ソレノイドアンテナ素子4の中空部に配置した磁性体58を平面スパイラルアンテナ素子2の形成領域にまで延設させない構成や、ソレノイドアンテナ素子4の中空部に磁性体58を配置しない構成においては渦電流の影響を受けやすいので、本実施形態によるアンテナ装置の実装形態は特に有効である。
上述したように、磁性体58が平面スパイラルアンテナ素子2の形成領域(第1領域Sa)にまで延設されている場合には、平面スパイラルアンテナ素子2と金属板59との間の磁性体58が存在し、磁性体58が金属板59に向かう磁束を遮るので、渦電流の発生を防止することができる。したがって、平面スパイラルアンテナ素子4を金属板59の中央寄りに配置する場合においても渦電流損を抑えることができる。
図12は、本発明の第6の実施形態によるアンテナ装置60の構造を示す略平面図であって、展開した状態を示すものである。
図12に示すように、このアンテナ装置60は、第5の実施形態によるアンテナ装置50の変形例であって、フレキシブルプリント基板31の折り返しの向きが異なるものである。本実施形態において、フレキシブルプリント基板31はX方向に細長い矩形状の基板であり、第1〜第3領域Sa,Sb、Scはいずれも矩形領域であり、第2領域Sbは第1領域SaとX方向に隣接しており、第3領域Scは第2領域SbとX方向に隣接している。
図示のフレキシブルプリント基板31は展開された状態であり、ソレノイドアンテナ素子4はソレノイド形状(ヘリカル形状)になっていないが、フレキシブルプリント基板31を一点鎖線で示すY−Y'線の位置でX方向に折り返すことで多数の直線パターン57がループ状に連結され、これによりソレノイドパターンが形成される。第5の実施形態と同様、フレキシブルプリント基板31は平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4との境界位置でX方向には折り曲げられてないので、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4は互いに重なることなくX方向に隣接したレイアウトのままである。
第5の実施形態の場合、一つのループが一本の直線パターン57により形成され、互いに隣接する一方の直線パターンの一端と他方の直線パターンの他端とを接続するだけでソレノイドパターンを形成することが可能である。しかし、本実施形態においては、一つのループが二本の直線パターン57の組み合わせにより形成され、第3領域Scの直線パターン57の両端を第2領域Sbの直線パターン57の対応する端部に接続する必要がある。
フレキシブルプリント基板31の第3領域ScはY−Y'線の位置でX方向に折り返されることで第2領域Sbと重なり合う。上下のフレキシブルプリント基板31,31間には磁性体58が設けられている。磁性体58はソレノイドアンテナ素子4の中空部を貫通する磁性コアであり、ソレノイドアンテナ素子4のインダクタンスを高めることができる。磁性体58は平面スパイラルアンテナ素子2の形成領域(第1領域Sa)にまで延設されており、平面スパイラルアンテナ素子2と重なりを有している。この構成によれば、金属板59の存在による渦電流損の影響を抑えることができ、特に、平面スパイラルアンテナ素子2が金属板59の中央部に配置されて渦電流の影響が大きい場合に有効である
本実施形態によるアンテナ装置60の完成状態の構造は、第5の実施形態によるアンテナ装置50と実質的に同じである。したがって、アンテナ装置60を例えば携帯電話の筐体内に実装する場合には、図11に示した実装形態を採用することが好ましい。すなわち、アンテナ装置50の実装面側に金属板59が存在する場合には、ソレノイドアンテナ素子4を金属板59の中央寄りに設け、平面スパイラルアンテナ素子2を金属板59の端部寄りに設けることが好ましい。
図13は、本発明の第7の実施形態によるアンテナ装置70の構造を示す略斜視図である。
図13に示すように、このアンテナ装置70の特徴は、基板1(第1基板)が多層構造であり、絶縁層4a〜4dの積層体からなる基板1の一方の主面に平面スパイラルアンテナ素子2が形成され、多層基板の主面から内層にかけて連続的に形成された配線によりソレノイドアンテナ素子4が形成されている点にある。基板1にはスルーホール導体が形成され、上下の配線の端部どうしがスルーホール導体を介して接続されることにより、ループ状の配線が構成されている。
本実施形態によるアンテナ装置70も、回転中心軸が互いに直交する平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とを組み合わせた複合アンテナからなるので、従来の平面スパイラルアンテナ素子のみからなるものよりも指向性の広いアンテナを実現することができる。したがって、通信可能範囲が広く、リーダライタに対してアンテナを斜めにかざしたとしても一定の通信品質を維持することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態において、アンテナ装置が携帯電話に搭載されているが、本発明によるアンテナ装置は、携帯電話以外の無線通信機器など、様々な機器に搭載可能である。
また、上記実施形態においては、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4とが直列接続された構造を挙げたが、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4の並列接続された構造であってもよい。
また、上記実施形態においては複数ターンのループパターンからなる平面スパイラルアンテナ素子を用いているが、本発明は複数ターンのループパターンに限定されず、少なくとも3/4ターンのループパターンからなる平面スパイラルアンテナ素子であればよい。このような1ターン以下のスパイラルパターンは、スパイラルパターンというよりもむしろ単なるループパターンであり、平面ループアンテナ素子である。
(実施例1)
アンテナ装置のカップリングシミュレーションを実施した。アンテナ装置はプリント基板上に実装し、実装面と反対側の面(裏面)の全面にはグランド電極を形成した。プリント基板はリーダライタに対して45°の角度で設置した。
図14は、磁界強度分布を示す図であって、(a)は比較例、(b)は実施例を示している。なお、比較例のアンテナ装置は、平面スパイラルアンテナ素子2のみからなるものである。
図14から明らかなように、実施例に示すアンテナ装置の磁場強度は、比較例よりも広い範囲で強く、リーダライタに対して強い磁場を供給できていることが分かった。
(実施例2)
図15は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4との位置関係を少しずつずらしたときのカップリングロスを示すグラフである。ここで、(a)及び(e)は比較例であって、平面スパイラルアンテナ素子2のみからなるアンテナ装置の特性を示すものであり、両者の値は同じである。(b)及び(f)は、平面スパイラルアンテナ素子2とソレノイドアンテナ素子4の平面位置がずれていないときの特性を示すものであり、両者の値は同じである。
(c)及び(d)は、ソレノイドアンテナ素子4の平面位置が(b)の場合よりも下方向にずらしたときの特性を示すものである。また、(g)及び(h)は、平面スパイラルアンテナ素子2の平面位置が(f)の場合よりも下方向にずらしたときの特性を示すものである。
図15に示すように、比較例((a)、(c)参照)によるアンテナ装置のカップリングロスはー33dBと非常に大きい。これに対し、実施例によるアンテナ装置のカップリングロスは−26dB以上となり、カップリングロスが改善されていることが分かった。
ここで、(b)、(c)及び(d)を比較すると、ソレノイドアンテナ素子4の平面位置をずらした(c)及び(d)のカップリングロスは、平面位置をずらさない(b)よりも改善することが分かった。また(c)と(d)との間の差はほとんどなかった。
また、(f)、(g)及び(h)を比較すると、平面スパイラルアンテナ素子2の平面位置をずらした(g)及び(h)のカップリングロスは、平面位置をずらさない(f)よりも改善することが分かった。また(g)と(h)との間の差はほとんどなかった。
さらに、(c)、(d)、(g)及び(h)を比較すると、ソレノイドアンテナ素子4の平面位置をずらした(c)及び(d)のカップリングロスのほうが、平面スパイラルアンテナ素子2の平面位置をずらした(g)及び(h)のカップリングロスよりも改善していることが分かった。
1 基板
2 平面スパイラルアンテナ素子
2a 平面スパイラルアンテナ素子の一方の端子(外周端)
2b 平面スパイラルアンテナ素子の他方の端子(内周端)
3 基板
3a 基板の一方の主面(上面)
3b 基板の一方の端面
3c 基板の他方の主面(底面)
3d 基板の他方の端面
4 ソレノイドアンテナ素子
4a ソレノイドアンテナ素子の一方の端子
4b ソレノイドアンテナ素子の他方の端子
5a 引出導体
5b 引出導体
7 プリント基板
7a グランド面
9 リーダライタ
10 アンテナ装置
20,20A,20B アンテナ装置
30 アンテナ装置
31 フレキシブルプリント基板
40 アンテナ装置
50 アンテナ装置
51 スパイラルパターン
52 スルーホール導体
53 導体
54 スルーホール導体
55 導体
56a 外部端子
56b 外部端子
57 直線パターン
58 磁性体
59 金属板
60 アンテナ装置
70 アンテナ装置
e1,e2,en 直線パターンの端部
LN1,LN2,LNn 直線パターン
P ヘリカルループの終端部

Claims (10)

  1. 第1方向に回転中心軸を有するソレノイドアンテナ素子と、
    前記第1方向と直交する第2方向から見て、前記ソレノイドアンテナ素子と重ならない位置に設けられ、前記第2方向に回転中心軸を有する平面ループアンテナ素子とを備え、
    前記ソレノイドアンテナ素子の一対の端子の一方は、前記平面ループアンテナ素子の一対の端子の一方と接続されており、
    前記第2方向から見て、前記ソレノイドアンテナ素子及び前記平面ループアンテナ素子は金属板と重なり有しており、且つ、前記平面ループアンテナ素子は、前記ソレノイドアンテナ素子よりも前記金属板の端部寄りに位置していることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 第1基板をさらに備え、
    前記ソレノイドアンテナ素子は、前記第1基板の一方の主面及び他方の主面を交互に経由してループ状に巻回されたものである、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1基板は磁性基板である、請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. レキシブルプリント基板をさらに備え
    前記ソレノイドアンテナ素子は、前記フレキシブルプリント基板を折り返して前記フレキシブルプリント基板の表面に形成された複数の直線パターンがループ状に連結されてなるものであり、
    前記平面ループアンテナ素子は前記フレキシブルプリント基板の前記表面に形成されている、請求項に記載のアンテナ装置。
  5. 第1基板をさらに備え、
    前記ソレノイドアンテナ素子は、前記第1基板の内層に設けられている、請求項1に記載のアンテナ装置。
  6. 前記ソレノイドアンテナ素子の中空部を貫通するとともに、前記第2方向から見て前記平面ループアンテナ素子と重なる部分を有する磁性体をさらに備え、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記フレキシブルプリント基板は、前記ソレノイドアンテナ素子の前記回転中心軸方向において互いに隣接する第1及び第2領域と、前記回転中心軸方向と直交する方向において前記第2領域と隣接する第3領域とを有し、
    前記平面ループアンテナ素子は前記第1領域に形成されており、
    前記ソレノイドアンテナ素子は前記第2及び第3領域に形成されており、
    前記第3領域が前記第2領域と重なるように折り返されることにより前記複数の直線パターンがループ状に連結されている、請求項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記フレキシブルプリント基板は、前記ソレノイドアンテナ素子の前記回転中心軸方向において互いに隣接する第1及び第2領域と、前記回転中心軸方向において前記第2領域と隣接する第3領域とを有し、
    前記平面ループアンテナ素子は前記第1領域に形成されており、
    前記ソレノイドアンテナ素子は前記第2及び第3の領域に形成されており、
    前記第3領域が前記第2領域と重なるように折り返されることにより前記複数の直線パターンがループ状に連結されている、請求項に記載のアンテナ装置。
  9. 第1方向に回転中心軸を有するソレノイドアンテナ素子と、
    前記第1方向と直交する第2方向から見て、前記ソレノイドアンテナ素子と重ならない位置に設けられ、前記第2方向に回転中心軸を有する平面ループアンテナ素子と、
    前記ソレノイドアンテナ素子の中空部を貫通するとともに、前記第2方向から見て前記平面ループアンテナ素子と重なる部分を有する磁性体と、を備え、
    前記ソレノイドアンテナ素子の一対の端子の一方は、前記平面ループアンテナ素子の一対の端子の一方と接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  10. フレキシブルプリント基板をさらに備え、
    前記ソレノイドアンテナ素子は、前記フレキシブルプリント基板を折り返して前記フレキシブルプリント基板の表面に形成された複数のパターンがループ状に連結されてなるものであり、
    前記平面ループアンテナ素子は、前記フレキシブルプリント基板の前記表面に形成されている、請求項9に記載のアンテナ装置。
JP2013122784A 2012-08-27 2013-06-11 アンテナ装置 Expired - Fee Related JP6152716B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013122784A JP6152716B2 (ja) 2012-08-27 2013-06-11 アンテナ装置
CN201310379057.2A CN103633421B (zh) 2012-08-27 2013-08-27 天线装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012186890 2012-08-27
JP2012186890 2012-08-27
JP2013122784A JP6152716B2 (ja) 2012-08-27 2013-06-11 アンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014064267A JP2014064267A (ja) 2014-04-10
JP6152716B2 true JP6152716B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=50619096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013122784A Expired - Fee Related JP6152716B2 (ja) 2012-08-27 2013-06-11 アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6152716B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101958316B1 (ko) * 2017-12-18 2019-03-15 주식회사 에이스테크놀로지 자계강도를 확장시킨 근거리 통신용 안테나 장치

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102593172B1 (ko) 2016-10-05 2023-10-24 삼성전자 주식회사 루프 안테나를 갖는 전자 장치
JP6345515B2 (ja) * 2014-07-04 2018-06-20 日精株式会社 基板型アンテナ
KR101651903B1 (ko) * 2014-10-21 2016-08-29 (주)파트론 안테나 구조체 및 그 제조 방법
JP2016127442A (ja) * 2015-01-05 2016-07-11 株式会社リコー 無線通信装置及び携帯端末装置
US10403979B2 (en) 2015-03-13 2019-09-03 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Antenna apparatus and electronic device including the same
US10734158B2 (en) 2015-12-17 2020-08-04 Wits Co., Ltd. Coil device and apparatus including the same
CN110859048B (zh) * 2018-06-25 2023-11-10 株式会社村田制作所 Rfid标签和带rfid标签的物品
EP3611670B8 (en) 2018-06-25 2022-02-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Rfid tag and rfid tagged article

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6239905A (ja) * 1985-08-15 1987-02-20 Nissan Motor Co Ltd 車両用キ−システムのアンテナ配設構造
ZA889254B (en) * 1987-12-10 1990-08-29 Uniscan Ltd Powering and communication apparatus and method(s)
JPH01206482A (ja) * 1988-02-13 1989-08-18 Hitachi Zosen Corp 電子カード
JPH1022722A (ja) * 1996-07-05 1998-01-23 Mitsubishi Materials Corp 複合材を用いたトランスポンダ用アンテナ及びトランスポンダ
DE19718423A1 (de) * 1997-04-30 1998-11-05 Siemens Ag Tragbarer Signalempfänger
JP2001297918A (ja) * 2000-04-11 2001-10-26 Mitsubishi Electric Corp コイルアンテナおよび携帯通信機
JP2003152442A (ja) * 2001-11-15 2003-05-23 Alps Electric Co Ltd 受信アンテナの配置方法
JP2005160039A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Yonezawa Densen Kk データ送受信カード用アンテナおよび車両用の電子キー
WO2005053095A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Fujitsu Limited 非接触リーダおよび/またはライタを具える情報処理装置、および磁気的結合用のコイル・アンテナ
JP2005244768A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Yonezawa Densen Kk 積層コイル及びアンテナコイル
JP3883555B2 (ja) * 2005-02-15 2007-02-21 松下電器産業株式会社 圧力計測システム
JP5018803B2 (ja) * 2009-02-16 2012-09-05 パナソニック株式会社 アンテナ装置
JP2010273129A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Fujikura Ltd 電波受信装置及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101958316B1 (ko) * 2017-12-18 2019-03-15 주식회사 에이스테크놀로지 자계강도를 확장시킨 근거리 통신용 안테나 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014064267A (ja) 2014-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6152716B2 (ja) アンテナ装置
JP6260729B2 (ja) 給電素子
JP5177312B2 (ja) アンテナ装置及び電子機器
JP5472153B2 (ja) アンテナ装置、アンテナ付きバッテリーパックおよび通信端末装置
JP6311833B2 (ja) アンテナ装置
JP6256600B2 (ja) アンテナ装置および電子機器
JP5994917B2 (ja) アンテナ装置および電子機器
CN103633421B (zh) 天线装置
JP2016111455A (ja) アンテナ装置及びこれを用いた携帯電子機器
JP5776868B1 (ja) アンテナ装置および電子機器
US10074904B2 (en) Antenna device and coil component used therein
JP6129091B2 (ja) アンテナ装置及びこれを用いた携帯電子機器
US20160276749A1 (en) Bent-shaped antenna device
CN107453030B (zh) 天线装置以及具备其的便携式无线设备
JP2019169907A (ja) 複合アンテナ装置及び電子機器
JP6627252B2 (ja) アンテナ装置
JP2016178527A (ja) アンテナ装置
JP2016165155A (ja) アンテナ装置及びこれを用いた携帯電子機器
JP4711010B2 (ja) アンテナ装置
JP2015144367A (ja) アンテナ装置及びこれを用いた携帯電子機器
JP4807463B2 (ja) アンテナ装置
JP2017204776A (ja) アンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器
JP6318826B2 (ja) アンテナ装置
JP2015211422A (ja) アンテナ装置
JP2017204777A (ja) アンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170515

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6152716

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees