JP6152530B2 - ガラスシートの周縁部分を除去するための方法及び装置 - Google Patents

ガラスシートの周縁部分を除去するための方法及び装置 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年11月30日出願の米国特許出願第13/307503号の米国特許法の下での優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本出願に援用される。
本発明は、ガラスシートの周縁仕上げのための方法及び装置に関する。本発明は特に、ガラスシートの周縁部分を除去するための方法及び装置に関する。本発明は例えば、ディスプレイ用ガラス基板として使用するための、ダウンドロー法によって形成されたガラスのビード領域を除去するにあたって、有用である。
薄型ガラスシートは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、太陽電池等の多くの光学的、電気的又は光電子工学的デバイスにおいて、半導体デバイス基板、色フィルタ基板、カバーシート等として使用されている。厚さ数マイクロメートル〜数ミリメートルの薄型ガラスシートは、フロート法、フュージョンダウンドロー法(Corning incorporated社(米国ニューヨーク州コーニング)が開発した方法)、スロットダウンドロー法等の数多くの方法で製作できる。
薄型ガラスシートの用途の多くにおいて、ガラスシートは:(i)擦過傷、微粒子及びその他の欠陥を本質的に有さない優れた表面品質;(ii)高い厚さ均一性;(iii)低い表面粗度及び表面うねりを有することが極めて望ましい。このために、ガラスシートを作製するための形成プロセスでは、形成されたままのガラスシートの主表面の中央領域が剛性表面と直接接触するのを回避するのが普通である。その代わりに、ガラスシートの周縁領域だけが、エッジロール、プルロール、エッジ支持ロール等の剛性表面と直接接触することになった。よって、フュージョンダウンドロー法又はスロットダウンドロー法の引き出し底部領域等、形成デバイスから直接得られる形成されたままのガラスシートの両側の周縁部分(「ビード」と呼ばれることもある)は、その主表面の中央領域よりも低い表面品質を有する傾向がある。更に、使用する具体的な形成デバイスに応じて、周縁部分は様々な厚さを有する傾向があり、また中央領域よりも厚さの変動が有意に大きくなる傾向がある。
異なる収率、収率一貫性、並びにプロセス及び設備のコストを有する様々なガラスシートのビード除去技術がこれまでに使用及び提案されてきた。
ディスプレイ市場において、高い可撓性を有するガラスシート、即ち幅及び/又は長さが大きく厚さが極めて小さいガラスシートの需要が高まっている。本発明者らは、高い可撓性を有するガラスシートに関して、ビードの除去は極めて困難であり得、ガラスシート製造プロセスの全体的な収率に関する障害となり得ることを発見した。よって、比較的低い可撓性を有するガラスシートで利用できるビード除去プロセスは、可撓性が有意に高いガラスシートには利用できない場合がある。
よって、可撓性が高い及び/又は低いガラスシートに対して利用可能な、ガラスシートのビード除去プロセスが正に必要とされている。本発明はこのような需要及びその他の需要を満たすものである。
本発明の複数の態様を本明細書で開示する。これらの態様は互いに重複していても重複していなくてもよいことを理解されたい。よって、ある態様の一部が別の態様の範囲内であってよく、またその逆であってもよい。
複数の実施形態を用いて各態様を説明するが、これらの実施形態は、1つ又は複数の具体的な実施形態を含むことができる。これらの実施形態は互いに重複していても重複していなくてもよいことを理解されたい。よって、ある実施形態の一部又はその実施形態の複数の具体的な実施形態が、別の実施形態又はその複数の具体的な実施形態の範囲内であってもなくてもよく、またその逆であってもよい。
よって、本開示の第1の態様は、ガラスシートの第1の周縁部分を除去するためのプロセスであり、これは以下のステップを含む:
(I)第1の主表面、この第1の主表面と対向する第2の主表面、中央厚さTh(C)及び平均中央温度T(C)を有する中央領域、上縁面、下縁面、第1の主表面と第2の主表面とをそれぞれ接続する第1の側縁面及び第2の側縁面、並びに第1の側縁面近傍の平均厚さTh(B)を有する第1の周縁部分を有する(ここでTh(B)>1.1Th(C)であり;特定の実施形態ではTh(B)>1.5Th(C)であり;特定の他の実施形態ではTh(B)>1.8Th(C)であり;特定の他の実施形態ではTh(B)>2.0Th(C)である)、ガラスシートを提供するステップ;
(II)上縁面の近傍の第1及び第2の主表面を懸架デバイスに固定することにより、ガラスシートを所定の位置に配置するステップ;
(III)ステップ(II)の後、上縁面の近傍の第1及び第2の主表面を、上縁面から下縁面への第1の側縁面の端部から距離D1に拘束するステップ;
(IV)ステップ(II)の後、第1の機械的拘束器具を用いて、第1の側縁面の近傍の第2の主表面を、第1の側縁面から距離D3に拘束するステップ;
(V)第1の側縁面の端部からの距離D3を有する位置における第1の周縁部分の平均温度が温度T(B)(ここでT(B)−T(C)≧40℃)に達するように、ガラスシートの第1の周縁部分の少なくとも一部を加熱するステップ;
(VI)ステップ(V)の後、第1の主表面上に、第1の側縁面の端部から距離D2(ここでD3<D2<D1)において、上縁面近傍から下縁面近傍へと延在するスコアラインを形成するステップ;
(VII)第2の主表面を、上記スコアラインと対向するノージングストリップと接触させるステップ;並びに
(VIII)ステップ(V)及び(VI)の後、ガラスシートの第1の側縁面近傍の第1の周縁部分がノージングストリップに対して屈曲して、スコアラインに沿ってガラスシートの中央領域から分離するよう、第1の機械的拘束器具によって第2の主表面を第1の主表面から離れる方向へと移動させるステップ。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(V)においてT(B)−T(C)≧50℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧60℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧70℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧80℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧90℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧100℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧110℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧120℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧130℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧140℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧150℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦200℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦190℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦180℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦170℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧160℃である。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(I)において、ガラスシートの中央厚さTh(C)は最大400μmであり、特定の実施形態では最大300μmであり、特定の他の実施形態では最大200μmであり、特定の他の実施形態では最大100μmである。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(I)において、ガラスシートの高さは少なくとも1000cmであり、特定の実施形態では少なくとも1200cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも1500cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも1800cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも2000cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも2500cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも3000cmである。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(I)において、ガラスシートの幅は少なくとも1000cmであり、特定の実施形態では少なくとも1200cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも1500cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも1800cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも2000cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも2500cmであり、特定の他の実施形態では少なくとも3000cmである。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(I)において、ガラスシートが略均一な、室温である温度を有し、かつ外力を受けていない場合、提供されたままのガラスシートの第1の周縁部分は、上縁面から下縁面へと向かう方向に褶曲している。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(I)において、提供されたままのガラスシートの第1の周縁部分は、少なくとも第2の主表面側に隆起を有する第1のセクションと、この第1のセクションに隣接する、第2の主表面側に平滑な表面を有する第2のセクションとを備える。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(IV)において、第1の機械的拘束器具は、第2の主表面と距離D3で接触及び係合するよう適合された複数の吸引カップと、第1の主表面を上記吸引カップに向かって接触させて押圧するよう適合された垂直押圧バーとを備え、ステップ(IV)は:
(IV−1)第1の主表面を第2の主表面に向かって押圧するステップ;及び
(IV−2)吸引カップを第2の主表面と係合させるステップ
を含む。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(IV-2)において、第1の周縁部分の第2の主表面に対する複数の吸引カップの係合は、5秒以内に完了し、特定の実施形態では1秒以内、特定の他の実施形態では0.5秒以内、特定の他の実施形態では0.4秒以内、特定の他の実施形態では0.3秒以内に完了する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(IV)において、第1の機械的拘束器具は、第1の主表面及び第2の主表面と距離D3で接触及び係合するよう適合された、第1のクランプのペアを備え、ステップ(IV)は:
(IV-1)第1のクランプのペアを第1及び第2の主表面と係合させるステップ
を含む。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(IV)において、第1の周縁部分の第1の主表面及び第2の主表面に対する、第1のクランプのペアの係合は、5秒以内に完了し、特定の実施形態では1秒以内、特定の他の実施形態では0.5秒以内、特定の他の実施形態では0.4秒以内、特定の他の実施形態では0.3秒以内に完了する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(II)において、上縁面近傍の第1及び第2の主表面は、クランプを用いて懸架デバイスに固定される。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(III)において、第1の側縁面近傍の第1及び第2の主表面は、第2のクランプのペアによって、第1の側縁面の端部から距離D1に固定される。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、第2のクランプのペアは、上縁面から下縁面へと延在する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(VII)はステップ(VI)に先行し、ステップ(VI)では、機械的スコアリングホイールを用いて主表面に対して押圧し、スコアラインを形成する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ガラスシートはダウンドロー法で作製される。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(IV)において、スコアラインはレーザビームを用いて形成される。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、5cm≦D1≦50cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦40cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦30cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦20cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦15cmであり、特定の他の実施形態では5cm≦D1≦10cmである。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、4cm≦D2≦40cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦35cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦30cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦20cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦15cmであり、特定の他の実施形態では4cm≦D2≦10cmである。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、0.5cm≦D3≦20cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦15cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦10cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦8cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦5cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦3cmである。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(V)において、第1のクランプのペアは、上縁面から下縁面へと延在する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(V)は:
(V−1)第1の周縁部分の応力プロファイルを測定するステップ;
(V−2)第1の周縁部分の、最も高い平均残留応力を有する領域を識別するステップ;
(V−3)ヒータから加熱照射を提供するステップ;及び
(V−4)加熱照射の最大加熱力を、第1の周縁部分の最も高い平均残留応力を有する領域に向けるステップ
を含む。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(II)の懸架デバイスはガラス運搬デバイスの一部である。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(IV)はステップ(VI)に先行する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(VI)はステップ(IV)に先行する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(VI)において、ノージングストリップはガラスシート以上の硬度を有する。
本開示の第1の態様による本プロセスの特定の実施形態では、ステップ(VI)において、ノージングストリップは、ステップ(IV)の間にスコアリングホイールがガラスの第1の主表面をノージングストリップに対して押圧する際にノージングストリップが略直線状のまま維持されるよう、十分な剛性を有する支持体上に設置される。
本開示の第2の態様は、第1の主表面、この第1の主表面と対向する第2の主表面、中央厚さTh(C)を有する中央領域、上縁面、下縁面、第1の主表面と第2の主表面とをそれぞれ接続する第1の側縁面及び第2の側縁面、並びに第1の側縁面近傍の第1の周縁部分を有するガラスシートの第1の周縁部分を除去するための装置に関し、この装置は:
(A)上縁面の近傍の第1及び第2の主表面を固定することにより、ガラスシートを所定の位置に配置するよう適合された、ガラス懸架デバイス;
(B)第1の縁部拘束用クランプストリップを備える第1の主表面の側部上に配置された第1の縁部拘束用タワー、及び第2の縁部拘束用クランプストリップを備える第2の主表面の側部上に配置された第2の縁部拘束用タワー(ここで、第1の縁部拘束用クランプストリップと第2の縁部拘束用クランプストリップとの間の距離は調整可能であり、第1の側縁面近傍の第1及び第2の主表面を、上縁面から下縁面への第1の側縁面の端部から距離D1に拘束するよう適合される);
(C)第1の側縁面の端部から距離D2(ここでD2<D1)において、上縁面近傍から下縁面近傍へと延在するスコアラインを第1の主表面上に形成するために、第1の主表面と接触して垂直に運動するよう適合された、第1の縁部拘束用タワー上に設置される機械的スコアリングホイール;
(D)第1の側縁面から距離D3(ここでD3<D2)において、第1の周縁部分の第1及び第2の主表面と係合してこれをクランプ留めするよう適合された、第1の垂直縁部クランプ;
(E)第2の主表面と接触するよう適合された、上記スコアラインと対向するノージングストリップ;
(F)ガラスシートの第1の周縁部分の少なくとも一部を優先的に加熱するよう適合された、垂直加熱要素;並びに
(G)ガラスシートの第1の側縁面近傍の第1の周縁部分がノージングストリップに対して屈曲して、スコアラインに沿ってガラスシートの中央領域から分離するように、第1のクランプのペアによって第2の主表面を第1の主表面から離れる方向へと移動させるよう適合された、加力器
を備える。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、ノージングストリップはガラスシート以上の硬度を有する。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、ノージングストリップは、スコアリングホイールがガラスの第1の主表面をノージングストリップに対して押圧する際にノージングストリップが略直線状のまま維持されるよう、十分な剛性を有するシート上に設置される。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、ノージングストリップは、アルミニウム、鋼鉄、銅及びこれらの合金、並びにポリアミドから選択される材料からなる。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素は、上縁面から下縁面へと延在する。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素は、第1の周縁部分の片側に配置された直線状の赤外線照射放出デバイス、及び反対側に配置された鏡である。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素は;Pt製コイル;SiC製バー;タングステン製フィラメント;及びMoS製バーから選択される。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素の幅は25〜100mmであり、特定の実施形態では40〜80mmであり、特定の他の実施形態では50〜80mmである。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素の加熱力は、1〜20KWの範囲であり、特定の実施形態では2〜15KW、特定の他の実施形態では3〜10KW、特定の他の実施形態では4〜8KWの範囲である。
本開示の第2の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素の加熱力は、頂部から底部まで非均一な出力を有する。
本開示の第3の態様は、第1の主表面、この第1の主表面と対向する第2の主表面、中央厚さTh(C)を有する中央領域、上縁面、下縁面、第1の主表面と第2の主表面とをそれぞれ接続する第1の側縁面及び第2の側縁面、並びに第1の側縁面近傍の第1の周縁部分を有するガラスシートの第1の周縁部分を除去するための装置に関し、この装置は:
(A)上縁面の近傍の第1及び第2の主表面を固定することにより、ガラスシートを所定の位置に配置するよう適合された、ガラス懸架デバイス;
(B)第1の縁部拘束用クランプストリップを備える第1の主表面の側部上に配置された第1の縁部拘束用タワー、及び第2の縁部拘束用クランプストリップを備える第2の主表面の側部上に配置された第2の縁部拘束用タワー(ここで、第1の縁部拘束用クランプストリップと第2の縁部拘束用クランプストリップとの間の距離は調整可能であり、第1の側縁面近傍の第1及び第2の主表面を、上縁面から下縁面への第1の側縁面の端部から距離D1に拘束するよう適合される);
(C)第1の側縁面の端部から距離D2(ここでD2<D1)において、上縁面近傍から下縁面近傍へと延在するスコアラインを第1の主表面上に形成するために、第1の主表面と接触して垂直に運動するよう適合された、第1の縁部拘束用タワー上に設置される機械的スコアリングホイール;
(D)第1の主表面を第2の主表面に向かって押圧するよう適合された、真っ直ぐな垂直バー;
(E)ガラスシートの第1の周縁部分の少なくとも一部を優先的に加熱するよう適合された、垂直加熱要素;
(F)第2の主表面に接触するよう適合された、スコアラインに対向するノージングストリップ;並びに
(G)ガラスシートの第1の側縁面近傍の第1の周縁部分がノージングストリップに対して屈曲して、スコアラインに沿ってガラスシートの中央領域から分離するように、第1のクランプのペアによって第2の主表面を第1の主表面から離れる方向へと移動させるよう適合された、加力器
を備える。
本開示の第3の態様による本装置の特定の実施形態では、ノージングストリップはガラスシート以上の硬度を有する。
本開示の第3の態様による本装置の特定の実施形態では、ノージングストリップは、スコアリングホイールがガラスの第1の主表面をノージングストリップに対して押圧する際にノージングストリップが略直線状のまま維持されるよう、十分な剛性を有するシート上に設置される。
本開示の第3の態様による本装置の特定の実施形態では、ノージングストリップは、アルミニウム、鋼鉄、銅及びこれらの合金、並びにポリアミドから選択される材料からなる。
本開示の第3の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素は、上縁面から下縁面へと延在する。
本開示の第3の態様による本装置の特定の実施形態では、垂直加熱要素は、第1の周縁部分の片側に配置された直線状の赤外線照射放出デバイス、及び反対側に配置された鏡である。
本開示の1つ又は複数の実施形態及び/または態様は、以下の利点を有する。第1に、ビード領域を有する周縁部分を優先的に加熱するための加熱要素を使用することによって、周縁部分におけるガラスシート内側の応力を有意に軽減でき、これは、より容易な表面スコアリング、より均一なスコアライン、スコアリングにおけるより少ない表面滑り、スコアリングステップにおけるより高い収率に繋がる。スコアリングにおけるビードの加熱の効果は特に、最高500μmのTh(C)を有する薄型ガラスシート、より有利には最高400μmのTh(C)を有するもの、更に有利には最高300μmのTh(C)を有するもの、更に有利には最高200μmのTh(C)を有するものを対象とする。更に、残留応力を軽減することによるビード領域の優先的な加熱により、ガラスシート全体の褶曲が低減され、これによってリボン表面と拘束デバイス、特に吸引カップとの係合が容易になる。スコアリング及び褶曲におけるビードの優先的な加熱の効果は特に、最高500μmのTh(C)を有する薄型ガラスシート、より有利には最高400μmのTh(C)を有するもの、更に有利には最高300μmのTh(C)を有するもの、更に有利には最高200μmのTh(C)を有するものを対象とする。ガラスがより薄くなると、シート形状に対する残留応力の影響はより激しくなる。
本発明の更なる特徴及び利点を以下の詳細な説明において挙げるが、その一部は以下の記載から当業者には容易に明らかであり、又は本出願の説明文及び特許請求の範囲、並びに添付の図面に記載されているように本発明を実施することによって、容易に識別できる。
以上の概説及び以下の詳細な説明は単に本発明の例示に過ぎず、本出願で請求される本発明の性質及び特性を理解するための大要及び枠組みを提供することを目的としたものであることを理解されたい。
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために本出願に含まれているものであり、本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する。
図1Aは、中央領域と、本開示による周縁領域除去を受け得る2つのビード領域とを備えるガラスシートの概略断面図である。 図1Bは、中央領域と、本開示による周縁領域除去を受け得る2つのビード領域とを備えるガラスシートの概略正面図である。 図2は、ビード除去前にビードヒータを使用する、本開示の一実施形態による装置の概略図である。 図3は、ビード除去前にビードヒータを使用する、本開示の別の実施形態による装置の概略図である。 図4は、ビード除去前にビードヒータを使用する、本開示の別の実施形態による装置の概略図である。 ビードの優先的な加熱の前の、ビード領域を有するガラスシートにおける残留応力分布を示す図である。
上述のように、本開示のプロセス及び装置は、ガラスシートのビード領域を除去するにあたって特に有利であり、従って以下では本開示のプロセス及び装置を、ビード領域の除去に関して説明することになる。しかしながら、本出願の明細書を読み、本出願の教示を利用することにより、本開示のプロセス及び装置を用いて、ビードを備える領域であってもなくてもよいいずれのガラスシートの周縁部分を除去できることを、当業者はよく理解するべきである。例えば、本明細書で開示するプロセス及び装置を用いて、ビード領域を有さないガラスシートのサイズを変更できる。
説明を容易にするために、ガラスシートは、2つの主表面、即ち第1の主表面及び第2の主表面を有する1個のガラス材料であるものとし、その幅、長さ、厚さは、第1の主表面から第2の主表面までの距離として定義される。第1及び第2の主表面はその4辺において、上縁面、下縁面、第1の側縁面及び第2の側縁面によって接続される。上縁面、下縁面、第1の側縁面及び第2の側縁面は、略平坦であるか又は湾曲していてよい。ある側縁面が湾曲している場合、この側縁面は、この側縁面の端部からガラスシートの正中線へ向かう方向に、最大1cmの距離だけ延在し、その後第1及び/又は第2の主表面に接続される。
説明を容易にするために、本開示の様々な態様及び実施形態によるプロセスの様々なステップには、(I)、(II)、…(VIII)のように番号を付ける。特に指示されていない限り、又は文脈上そうでない場合を除いて、これらのステップはいずれの順番で、同時に、又は順次実行できることを理解されたい。
図1Aは、第1及び第2の主表面に略垂直な平面によって切り取られたフュージョンダウンドロープロセスによる引き出し底部に形成された、ガラスシート101の概略断面図である。このガラスシート101は有利には、本開示の装置及び方法を用いて仕上げを施すことができる。ガラスシート101は:第1の主表面103;第2の主表面105;第1の主表面の正中線から最大距離となる端部を有する、湾曲した第1の側縁面104;第1の主表面の正中線から最大距離となる端部を有する、湾曲した第2の側縁面110を有し、第1の側縁面104及び第2の側縁面110はそれぞれ第1の主表面103及び第2の主表面105に接続される。ガラスシート101は:略均一の厚さTh(C)を有する中央領域(CR);ガラスシートの各側に湾曲した第1のビード表面107及び湾曲した第2のビード表面109を有する、第1の側縁面104に対応しかつこれに隣接する第1のビード領域BD1;湾曲した第3のビード表面111及び湾曲した第4のビード表面113を有する、第2の側縁面110に対応しかつこれに隣接する第2のビード領域BD2を備える。中央領域において、平坦な第1の主表面103及び/又は第2の主表面105に垂直な仮想平面によって切り取った場合の最大厚さとして定義される、第1のビード領域BD1の最大厚さは、Th(B1)である。第2のビード領域は最大厚さTh(B2)を有し、これはTh(B1)と略同一であっても、又は異なっていてもよい。同様に、第1のビード領域BD1及び第2のビード領域は、同一又は異なる幅を有してよい。図1Bは、第1の主表面103から第2の主表面105へ向かう方向に見た場合の、同じガラスシートの概略正面図である。
高く優れた表面品質を有するガラスシートの中央領域CRは、高品質領域と呼ばれることもある。通常、ガラス基板をベースとして電子/光学的デバイスを製造するプロセスでは、第1及び第2のビード領域を除去した後すぐに、半導体デバイス、他の電子的デバイスや光学的デバイス等の機能デバイスを、ガラスシートの主表面上に形成する。両縁部を除去した後、ガラスシートを、研削及び研磨等の縁部仕上げ並びにそれに続く洗浄及び乾燥に供してよく、その後トランジスタ等の機能デバイスを第1及び第2の主表面のうちの一方又は両方の高品質領域CR上に載置する。
本明細書で使用するガラスシートの第1の周縁部は、ガラスシートの残りの部分から除去されるよう構成されている、第1の側縁面に対応しかつこれに隣接する部分である。ガラスシートの中央領域は通常、拘束する部分を意図したものであり、後続のアプリケーションに使用される。図1A、1Bを参照すると、ガラスシート101の第1の周縁部分は有利には、第1のビード領域BD1に対応する。以下に、第1の周縁部分のみに関して本発明を説明及び例示する。しかしながら、本開示を読んで本開示から利益を得る当業者は、第1の周縁部分及び第2の周縁部分のいずれか又は両方の、実際のガラスシート周縁部分の仕上げプロセスは、本開示のプロセスの様々な態様及び実施形態による装置を用いて、本開示のプロセスの様々な態様及び実施形態に従って実行できることをよく理解するべきである。実際、上縁面及び下縁面に隣接するガラスシートの周縁部分もまた、ガラスシートを90°回転させて、第1の周縁部分と略同様の方法で処理できる。ガラスシートの複数の周縁部分のこのような処理は、順次又は同時に実行できる。ある特に有利な実施形態では、同一のガラスシートの第1及び第2の周縁部分を、略同期した対称的な方法で、略同時に処理してよい。
ステップ(II)では、ガラスシート101は、平坦な第1の主表面103に対して重力加速ベクトルが略垂直となる略水平な位置、又はガラスシート101の第1の主表面103に対して重力加速ベクトルが略平行となる略垂直な位置等の、所定の位置に配置される。ステップ(II)〜(VIII)の全ての間に、ガラスシートの位置が実質的に安定していること、即ち重力加速ベクトルと第1の主表面との間の角度が10°を超えて変化しないことが極めて望ましく、特定の実施形態では8°以下、特定の他の実施形態では6°以下、特定の他の実施形態では5°以下、特定の他の実施形態では4°以下、特定の他の実施形態では3°以下、特定の他の実施形態では2°以下である。有利には、所定の位置へのガラスシートの配置は、上縁面近傍の第1及び第2の主表面を懸架デバイスに拘束することによって実行される。特に有利な実施形態では、ガラスシートは略垂直な位置に配置され、即ちガラスシートの第1及び/又は第2の主表面は、重力加速ベクトルに対して最大10°に配向され、特定の実施形態では最大8°、特定の他の実施形態では最大6°、特定の他の実施形態では最大4°、特定の他の実施形態では最大2°、特定の他の実施形態では最大1°である。
フュージョンダウンドロープロセス、フロートプロセス又はスロットダウンドロープロセス等の実際のガラスシート製造プロセスで作製される、厚さが比較的薄い、比較的大きなガラスシートは、重力の影響を受けない環境において室温付近の略均一な温度を有する場合、ガラスシートが受けた固有の機械的及び/又は熱的履歴の結果としてガラスシートに分布する様々なレベルの内部応力の存在により、「褶曲(warp)」と呼ばれることもある自然の湾曲を呈する。例えば、典型的なフュージョンダウンドロープロセスでは、ガラスシートは、アイソパイプと呼ばれる形成デバイスの基部に形成される粘性ガラスリボンを、粘弾性状態及び最終的に弾性状態まで冷却しながら所望の幅及び厚さまで引き出すことによって形成される。ガラスリボンを引き下ろしている間、機械的ローラがビードと呼ばれる周縁領域に接触する。次に、連続したガラスリボンから、通常は所定の位置にビードが残った状態の個々のガラスシートを切り出し、最後に室温付近まで冷却する。ガラスシートのガラス材料は、一方の側部と他方の側部、及び頂部と底部で僅かに異なる熱的履歴に曝されている。例えば、ガラスリボンのビード領域の厚さは通常大きくなり、従って同一の冷却環境では通常、より薄い中央領域に比べて遅い速度で冷却されることになる。異なる熱履歴によって、ガラスシートが室温付近の略均一な温度である場合にガラスシートに内部残留応力が発生する。図5は、フュージョンダウンドロープロセスで作製した例示的なガラスシートの一部の、応力分布プロファイルを示す図である。x軸にはガラスシートの正中線からの距離を示し、y軸にはシートの上縁部からの距離を示し、z軸には応力を示す。ビードを備える最も右側の周縁部分は、最大3225psiという最も高い応力を示し、その一方で中央領域は略ゼロの応力を有する。上述のように、この残留応力分布プロファイルは、褶曲と呼ばれることもある湾曲をガラスシートに付与し得る。褶曲は本質的に3次元のものとなり、上縁面から垂直に、かつ第1の側縁面から第2の側縁面へと水平に存在することになる。
ガラスシートが、重力の影響を受けない環境において自然の褶曲を呈する場合、このガラスシートは通常、内部応力に反作用するような更なる外的な拘束を付与されなければ、重力場において上縁部から懸架された場合に自然の褶曲を呈することになる。垂直位置に懸架した場合のガラスシート内の残留応力及びガラスシートの自然の湾曲の存在によって、ビード領域等の周縁部分の除去は、いくつかの理由で困難となる。第1に、褶曲によって、ガラス表面に対する吸引カップ等の周縁部分拘束デバイスの係合が困難となる。第2に、褶曲は、ある領域におけるスコアリングホイールの滑り、及びその他の領域においてスコアリングホイールがガラス表面に対して印加する、過大な垂直な力に繋がり得、これは所望のスコアライン品質より低いスコアライン品質、そして場合によってはスコアリング中のガラスシートの破断をもたらす。第3に、周縁部分に存在する応力はガラスシート材料を強化し、機械的スコアリング作業の効力を低下させてしまう。第4に、周縁領域に存在する応力は、スコアリング中の、望ましくないガラスシートの破損に繋がり得る。最大300μm、200μm、又は100μmのTh(C)を有するガラスシート等、厚さが削減されたガラスシートにおいて、上記全ての困難は更に悪化する。
本開示の方法及び装置は、通常、室温付近の略均一な温度である場合に、重力の影響を受けない状態で褶曲を呈する、上記のようなガラスシートの周縁部分を除去するにあたって、以下により詳細に徹底的に説明する理由から特に有利である。このような利点は特に、ガラスシートのビード領域を優先的に加熱することによって、ガラスシートのビード領域から中央領域(CR)への温度勾配を確立することによって達成され、これは、ビード領域及びこれに隣接する領域に存在する残留応力を少なくとも部分的に軽減して、ガラスシートの褶曲の発生、スコアラインの品質が低下する可能性、及びスコアリング中に望ましくないひび割れがシートに発生する可能性を低減する役割を果たす。
フュージョンダウンドロープロセスに関して上述したように、粘性状態でのガラス材料の引き出し動作を伴ういずれのガラス形成プロセスでは、ガラスは通常、例えば周縁領域の両側を挟む1対のローラによって、縁部領域において拘束される。高温及び低いガラス粘度における、ガラスとローラとの間の直接の接触により、ビード領域に隆起表面が形成されることになる。ビード領域は通常、変化し得る厚さプロファイルを有する傾向がある。例えば図1Aは、中央領域の厚さTh(C)より明らかに大きい最大厚さTh(B1)及びTh(B2)を有するビード領域BD1及びBD2を示す。隆起表面を有する領域と、略均一な厚さTh(C)を有する高品質中央領域との間には通常、中間領域が存在し、この中間領域は、縁部ローラとの直接接触がないことにより、実質的に平滑な表面を有するが、中央領域の厚さプロファイルほど均一ではない変化し得る厚さプロファイルを有する。湾曲した側縁面104を有する領域、隆起表面を有する領域、並びに実質的に平滑な表面及び変化し得る厚さプロファイルを有する領域の組み合わせは、本開示によるプロセス及び装置を用いた除去を受ける第1の周縁領域を少なくとも部分的に構成する。従来、周縁領域の除去は典型的には、周縁領域及び中央領域を含むガラスシートを用いて、室温付近で略均一な温度で実行される。
本開示の第1の態様によるプロセスでは、ガラスシートの第1の周縁領域の少なくとも一部を加熱することを含むステップ(V)は、スコアリングステップ(VI)の前に実行され、これにより、第1の側縁面の端部から距離D3を有する位置における第1の周縁部分の平均温度は、中央領域の平均温度T(C)より高い温度T(B)に達し、ここでT(B)−T(C)≧40℃である。特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧50℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧60℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧70℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧80℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧90℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧100℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧110℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧120℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧130℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧140℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≧150℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦200℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦190℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦180℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦170℃であり、特定の実施形態ではT(B)−T(C)≦160℃である。T(B)−T(C)<40℃である場合、熱応力の軽減による利益は通常、不十分である。その一方で、T(B)−T(C)>200℃であると、製造設定を短時間で達成することが困難となり得、周縁領域を除去するための装置で使用される他の構成部品の材料に関して技術的問題が発生し得、また、周縁領域のこのような高温によって発生する更なる利益は、T(B)−T(C)=200℃である状況に対して有意なものではなく、従って容認されるものではない。
本開示によるプロセス及び装置で使用される加熱要素は有利には、ガラスシートの周縁領域、特に(存在する場合は)ビード領域と同一の方向に延在する直線状の加熱デバイスを備える。このような直線状の加熱デバイスは:Ptコイル、ニッケル合金コイル等の電気抵抗性加熱コイル;SiC加熱バー;MoS加熱バー;タングステンフィラメント;IRランプ等のうちの1つ又は複数であり得る。望ましくは、加熱要素はガラスシート材料による吸収性が高い波長の照射を放出する。加熱中、この照射は、照射シェード、反射性ミラー、反射性レンズ又はこれらの組み合わせを用いて、実質的にガラスシートの周縁部分のみに配向され得る。望ましくは、加熱要素は周縁領域に対して移動して、加熱用外周縁領域との間の距離を調整し、最も望ましい加熱力及び加熱効果を達成できる。特定の実施形態では、単一の加熱要素を使用して、上縁面近傍から下縁面近傍までの周縁領域全体を加熱する。他の特定の実施形態では、互いに対して直列及び/又は並列に配設された複数の加熱要素を用いて、上縁面近傍から下縁面近傍まで延在する周縁領域全体を加熱する。上面近傍から底面近傍までの高さ全体に沿った周縁領域を加熱することが望ましい。特定の実施形態では、加熱要素はガラスシートの片側のみに配置される。他の実施形態では、加熱要素が片側のみに配置され、その反対側には、ガラスシートの背面を通過して伝送されるいずれの照射をガラスシートに反射するためのミラーが配置され、これにより高い加熱効率を達成する。他の実施形態では、加熱要素をガラスシートの両側に配置し、周縁部分の両側を同時に加熱する。特定の実施形態では、ガラスシートに存在する応力プロファイルに応じて、周縁領域を上部から底部まで優先的に加熱することが望ましい。例えば、典型的なダウンドロープロセスで作製されたガラスシートについては、第1の周縁部分の中間セクションよりも低い加熱力によって、上縁面及び下縁面近傍の周縁領域を加熱することが望ましい。なぜなら、図5に示す応力プロファイルに示すように、典型的には、上縁面及び下縁面近傍の周縁領域の残留応力は、中間セクションの残留応力よりも低いためである。上述のように、スコアリングステップの前の優先的な加熱の目的は、周縁部分に存在する残留応力を軽減することである。従って、加熱によってガラスシートに対して望ましくない更なる応力を導入しないようにするための努力がなされるべきである。
各加熱要素の加熱力は、ガラスの組成、ビード厚さ、中央厚さ、加熱時の所望のビード温度等の因子に応じた特定のガラス仕上げ作業の必要によって選択できる。一般に、周縁部分は15秒以内に目標温度まで加熱されることが望ましく、特定の実施形態では10秒以内、特定の他の実施形態では5秒以内、特定の他の実施形態では3秒以内である。例示的な設定では、定格出力5KWのSiCグローバーを用いて、約300μmのTh(C)を有するガラスシートのビード領域を加熱する。
本開示のステップ(V)で加熱されることになる、除去対象の周縁部分領域は、周縁部分の除去を良好に実施するにあたって重要となり得る。残留応力が最も高い周縁部分の領域を、ガラスシートの中央領域と比較して最も高い温度まで加熱すると、これは上記応力を可能な限り軽減する役割を果たすことになるため望ましい。このために、旋光計等の応力ゲージを用いて、ガラスシートの周縁部分の残留応力を測定し、これによって残留応力が最も高い領域を決定して、ヒータの照射に曝露する領域として識別してよい。レンズ、反射材、偏光材、吸光材等の光学素子を用いて、ヒータからの照射を、上記のように識別された応力が最も高い領域へと集中させて、この領域が最も高い加熱力を受けるようにすることができる。
本開示の第1の態様によるプロセスの特定の実施形態では、第1の機械的拘束器具は、第2の主表面と距離D3で接触及び係合するよう適合された複数の吸引カップ、並びにこれら吸引カップに第1の主表面を接触させて押圧するよう適合された垂直押圧バーを備え、ステップ(IV)は:
(IV−1)第1の主表面を第2の主表面に向かって押圧するステップ;並びに
(IV−2)吸引カップを第2の主表面に係合させるステップ
を含む。
特定の具体的な実施形態では、ステップ(IV−2)において、第1の周縁部分の第2の主表面に対する複数の吸引カップの係合は5秒以内に完了し、特定の実施形態では1秒以内、特定の他の実施形態では0.5秒以内、特定の他の実施形態では0.4秒以内、特定の他の実施形態では0.3秒以内に完了する。
本開示の第1の態様によるプロセスの特定の他の実施形態では、ステップ(IV)において、第1の機械的拘束器具は、第1の主表面及び第2の主表面に距離D3で接触及び係合するよう適合された、第1のクランプのペアを備え、ステップ(IV)は:
(IV-1)第1のクランプのペアを第1及び第2の主表面と係合させるステップ
を含む。
特定の具体的な実施形態では、ステップ(IV−1)では、第1の周縁部分の第1の主表面及び第2の主表面に対する第1のクランプのペアの係合は5秒以内に完了し、特定の実施形態では1秒以内、特定の他の実施形態では0.5秒以内、特定の他の実施形態では0.4秒以内、特定の他の実施形態では0.3秒以内に完了する。
本開示の第1の態様によるプロセスの特定の実施形態では、第1の機械的拘束器具は、第2の主表面と距離D3で接触及び係合するよう適合された複数の吸引カップ、並びにこれら吸引カップに第1の主表面を接触させて押圧するよう適合された垂直押圧バーを備え、ステップ(IV)は:
(IV−1)第1の主表面を第2の主表面に向かって押圧するステップ;並びに
(IV−2)吸引カップを第2の主表面に係合させるステップ
を含む。
特定の具体的な実施形態では、ステップ(IV−2)において、第1の周縁部分の第2の主表面に対する複数の吸引カップの係合は5秒以内に完了し、特定の実施形態では1秒以内、特定の他の実施形態では0.5秒以内、特定の他の実施形態では0.4秒以内に完了する。
ステップ(IV)、即ち第1の側縁面の端部から距離D3(ここでD3<D2)で第1の側縁面近傍の第1及び第2の主表面を拘束するステップを含むことによって、ガラスシートの第1及び/又は第2の主表面に対する第1の機械的拘束器具の係合は、ガラスシートを拘束する代わりに吸引カップのみを使用するプロセスと比較して大幅に容易になる。吸引カップのみを利用するプロセスと比較して、第1のクランプのペア、又は吸引カップと垂直押圧バーとの組み合わせを使用する特定の実施形態における本開示のプロセスは、係合完了時間を少なくとも1/4まで削減し、特定の実施形態では少なくとも1/3まで、特定の他の実施形態では1/2まで削減する。吸引カップを使用してガラスシートを拘束する場合、ガラスシートの表面との吸引カップの係合は典型的には、吸引カップをガラスシートの表面と接触させ、続いて産業用吸引カップにおいて典型的であるように、吸引カップの内部キャビティに真空を印加し、これらの間の強固かつ堅固な係合を実現するステップを含む。ガラスシートの表面に対する吸引カップの強固かつ堅固な係合により、ガラスシートを介してガラスシートに張力を印加できる。本明細書で使用する「吸引カップの係合完了時間」は、第1の吸引カップが第2の主表面に接触する瞬間と、全ての吸引カップが第2の主表面に係合されて固定される瞬間、即ち全ての吸引カップの内側の内部空気圧が最大60KPaまで、特定の実施形態では最大50kPa、特定の他の実施形態では最大40kPaまで低減される瞬間との間の時間間隔として定義される。本明細書で使用する「第1のクランプのペアの係合完了時間」は、係合を目的として第1のクランプのペアが最初に起動される瞬間と、第1及び第2の主表面両方がクランプと強固に接触する瞬間との間の時間間隔として定義される。
高い可撓性を有するガラスシート、即ちFXTY=LD/Th≧1000(ここでFXTYは可撓性であり、LDは、第1の側縁面の端部から第2の側縁面の端部までを測定した幅、及び上縁面から下縁面までを測定した高さによる、ガラスシートの大きな面の面積(mm)であり、Thはガラスシートの高品質領域の厚さ(mm)である)を有するガラスシートにとって、ガラスシートと吸引カップ及び/又は第1のクランプのペアとの係合は、プロセス安定性に関する重要なプロセスパラメータであり、また吸引カップにとって、垂直押圧バー217による補助がない場合、上記係合は極めて長くなり得る。典型的には、ガラスシートの可撓性が大きくなればなるほど、ガラスシートはその平面に亘って褶曲しやすくなり、垂直押圧バーによる補助がない場合にガラスシートと吸引カップが係合するための時間が長くなりやすくなる。従って、第1のクランプのペア又は吸引カップと押圧バーとの組み合わせを使用する本開示のプロセスは、FXTY≧1000であるガラスシートのビード除去に特に有利であり、FXTY≧2000である場合に更に有利であり、FXTY≧3000である場合に更に有利であり、FXTY≧4000である場合に更に有利であり、FXTY≧5000である場合に更に有利であり、FXTY≧6000である場合に更に有利であり、FXTY≧7000である場合に更に有利であり、FXTY≧8000である場合に更に有利であり、FXTY≧9000である場合に更に有利であり、FXTY≧10000である場合に更に有利である。更に、ステップ(IV)を含みこれを実装することを部分的な原因として、第1のクランプのペア又は吸引カップと押圧バーとの組み合わせを使用する本開示のプロセスは、第1の機械的拘束器具の係合完了時間の、実行毎のバラツキ、及びあるFXTYを有するガラスシートと、異なるFXTYを有するガラスシートとの間の係合完了時間のバラツキを低減する。よって、これらの実施形態のプロセスを用いて、広いプロセスウィンドウを有する幅広いガラスシート製品を作製できる。
本開示の第1の態様によるプロセスの特定の実施形態では、ステップ(II)において、上縁面近傍の第1及び第2の主表面は、クランプを用いて懸架デバイスに固定される。このクランプは、頭上式のガラスシート運搬デバイスに固定できる。周縁部分を除去するための本開示の装置内へとガラスシートを移動させる前に、クランプをガラスシートに係合させることができ、その後ガラスシートを、周縁部分の仕上げのための装置内へと移送する。ガラスシートを第1のクランプのペアに係合させる前に、ガラスシートの上部を固定するクランプは、ガラスシートの重さに反作用するための十分な力を提供し、ガラスシートを垂直位置に懸架する。あるいは、吸引カップを用いて、ガラスシートの上部をクランプの所定の位置に固定してよい。クランプ、吸引カップ等が固定する上縁面の近傍の位置は、第1の側縁面の端部からの最小距離D0を有する。
特定の実施形態では、ステップ(III)において、第1の側縁面近傍の第1及び第2の主表面を、クランプ(又は吸引カップ若しくはその他の固定デバイス)によって、第1の側縁面の端部から距離D1に、上縁面から下縁面へと固定する。特定の実施形態では5cm≦D1≦50cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦40cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦30cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦20cmであり、特定の実施形態では5cm≦D1≦15cmであり、特定の他の実施形態では5cm≦D1≦10cmである。通常は、D1≦D0である。
本開示の第1の態様によるプロセスの特定の実施形態では、ステップ(VII)はステップ(VI)に先行してよく、ステップ(VI)において、機械的スコアリングホイールを用いて主表面に対して押圧し、スコアラインを形成する。通常、機械的スコアリングホイールを用いてガラスシートの表面上にスコアラインを形成する場合、ガラスシートの表面に対するスコアリングホイールの十分な接触力、及びガラスシートの第1の主表面上の均一で連続したスコアラインの形成を可能とするために、ガラスシートの反対側にノージングストリップ等の支持デバイスが必要となる。高いFXTYを有するガラスシートをスコアリングする場合に、ノージングストリップの存在は特に有益である。あるいは、例えばCOレーザによるスキャンと、それに続いて冷却ジェットを用いて通気孔を形成することとによって、スコアラインをレーザプロセスで形成できる。レーザスコアリングを利用する場合、スコアライン形成プロセスにおける補助としてのノージング加工は不要となり得、従って必ずしもステップ(VII)をステップ(IV)に先行させる必要はない。
上述のように、本開示の様々な態様によるプロセス及び装置は、高い可撓性(FXTY)を有するガラスシートに仕上げを施すにあたって特に有利であるが、中央厚さTh(C)が最大500μm、特定の実施形態では最大400μm、特定の実施形態では最大300μm、特定の実施形態では最大200μm、特定の実施形態では最大150μm、特定の実施形態では最大100μmであるガラスシートに仕上げを施すにあたって特に有利である。これは、ガラスシートのTh(C)が極めて小さい場合、周縁部分の残留応力によって引き起こされる第1及び第2の周縁部分に沿ったガラスシートの褶曲が大きくなりすぎ、スコアリングホイールとの係合が極めて困難になるためである。更に、この褶曲により、周縁部分を係合及び拘束するための吸引カップの使用が不可能になり得る。
上述のように、周縁部分の優先的な加熱を伴うステップ(V)、及び第1の機械的拘束器具を用いた第1の周縁部分の拘束のステップ(IV)の存在により、本開示の様々な態様によるプロセス及び装置は、高い可撓性を有する大きなガラスシートに仕上げを施すことができる大きなプロセスウィンドウを利用できる。これは大きな垂直方向高さHTを有するガラスシートに関して特に有利であり、この高さHTの方向において、ガラスシートは有意な褶曲を呈し、また吸引カップを使用する場合は第2の主表面との係合が困難となり得る。よって、本プロセス及び装置は、少なくとも1000mmの高さ、特定の実施形態では少なくとも1200mmの高さ、特定の他の実施形態では少なくとも1500mmの高さ、特定の他の実施形態では少なくとも1800mmの高さ、特定の他の実施形態では少なくとも2000mmの高さ、特定の他の実施形態では少なくとも2500mmの高さ、特定の他の実施形態では少なくとも3000mmの高さを有するガラスシートに関して特に有利である。
同様に、本プロセス及び装置は、第1の側縁面の端部から第2の側縁面の端部までを測定した幅WDが大きいガラスシートに関して特に有利である。よって、本開示の様々な態様によるプロセス及び装置は、少なくとも1000mmの幅、特定の実施形態では少なくとも1200mmの幅、特定の他の実施形態では少なくとも1500mmの幅、特定の他の実施形態では少なくとも1800mmの幅、特定の他の実施形態では少なくとも2000mmの幅、特定の他の実施形態では少なくとも2500mmの幅、特定の他の実施形態では少なくとも3000mmの幅を有するガラスシートに仕上げを施すにあたって特に有利である。
本開示のプロセス及び装置は、フュージョンダウンドロープロセス(Corning incorporated社(米国ニューヨーク州コーニング)が開発した方法)で作製されたガラスシートに仕上げを施すにあたって特に有利である。これは、フュージョンダウンドロープロセスでは、アイソパイプ及びスロット等の形成デバイスの下側のガラスリボンが、製造されたガラスシートに有意な熱残留応力をもたらす熱勾配プロファイルを受けやすく、これによって、後の仕上げステップにおいて除去できない周縁部分の褶曲がもたらされるためである。
本開示の第1及び第2の態様によるプロセス及び装置の特定の実施形態では、スコアラインから第1の側縁面の端部までの距離がD2であると有利であり、ここで4cm≦D2≦40cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦40cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦30cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦20cmであり、特定の実施形態では4cm≦D2≦15cmであり、特定の他の実施形態では4cm≦D2≦10cmである。一般に、ガラスシートの厚さがガラスシートの高品質領域の厚さと同一である部位においてスコアラインを形成するのが望ましく、これにより、プロセスの最後において切断したままのガラスシートが、端から端まで略均一な厚さを有するようになる。
ステップ(V)では、第1のクランプのペアは、ガラスシートの第1及び第2の主表面に係合する。第1のクランプのペアが接触する位置は、スコアラインと第1の側縁面の端部との間であるべきであり、即ちD3<D2であるべきである。特定の実施形態では0.5cm≦D3≦20cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦15cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦10cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦8cmであり、特定の実施形態では0.5cm≦D3≦5cmであり、特定の他の実施形態では0.5cm≦D3≦3cmである。
本開示の第1の態様のプロセスの特定の実施形態では、ステップ(III)はステップ(IV)に先行し、他の実施形態では、ステップ(III)及びステップ(IV)は略同時に実行してよい。更に、高いFXTYを有するガラスシート、特に中央厚さTh(C)が最大300μmのガラスシートについては、ステップ(III)及び(V)の完了後にステップ(IV)を実行することが極めて望ましい。これらの望ましい実施形態では、ガラスシートのスコアリング時にガラスシートの周縁部分は固定して拘束され、所望の温度まで加熱され、これにより、スコアリングホイールの滑り又はスコアリングホイールがガラスシートに対して印加する異常に高い圧力が実質的に低減され、スコアリングステップ及びプロセス全体の収率が有意に改善される。実際、ステップ(IV)中、第1の機械的拘束器具及びステップ(III)で実装される拘束手段は共に、ガラスシートに張力を印加でき、これらの間のガラスシートを略平坦な状態に保ち、これによって均一なスコアラインの良好な形成を容易にする。上述のように、ガラスシートのスコアリング中、ノージングストリップが対向する面を支持することが極めて望ましい。第1及び第2の主表面に直接接触する材料は、仕上げ中にガラスシートが明らかに変形することがないよう、十分な剛性を有することが望ましい。よって、ノージングストリップ並びに第1及び/又は第2の主表面に直接接触するクランプの部分の材料は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属、又は硬質シリコーンゴム等の硬質かつ高耐久性プラスチック若しくはゴム材料から選択できる。
本開示の第2及び/又は第3の態様による装置の特定の有利な実施形態では、ノージングストリップはガラスシート以上のショアA硬度を有する。ノージングストリップの高い硬度により、機械的スコアリングホイールでガラスシートを押圧する際にガラスシートが過剰に局所変形するのを防止し、これにより、均一な通気孔深さを有し、かつガラスシートの表面とスコアリングホイールとの接触が低下することのない、スコアラインの均一な形成が可能となり、これにより通気孔のロスが無くなる。上縁面近傍から下縁面近傍へと延在する、略均一な通気孔深さを有する連続したスコアラインは、ステップ(VII)において、鋭角の縁部、過剰なガラスチップ、真っ直ぐでない縁部及びその他の望ましくない特徴を生成することなく周縁部分を分離するにあたって有益である。このために、ガラスシートの第1の主表面に直接接触するノージングストリップの材料は、アルミニウム及びその合金等の金属、ステンレス鋼、並びに所望の温度特性及び硬度を有する硬質プラスチック及びゴム材料から選択できる。更に、スコアリングホイールがガラスシートの第1の主表面をノージングストリップに対して押圧する際に、ノージングストリップが略直線状に保たれるよう、十分な剛性を有するシートによってノージングストリップを支持することが望ましい。
以下の非限定的な実施例を用いて、本発明を更に説明する。
実施例1
図2は、本開示の第1及び第2の態様の特定の実施形態による、ガラスシートのビード除去装置200の一方の端部の、作動中の断面図である。図示した端部と実質的に対称関係にある他方の端部は図示していない。図1に示すガラスシートは、垂直ガラスシート懸架コンベヤ等の懸架デバイス(図示せず)に固定されたクランプの2つのクランプ留めアーム201、203によって固定されている。通常、ガラスシートはまず、周縁部分除去装置200の外側にあるクランプ留めアーム201、203と係合し、次にコンベヤによって装置200内へと移動される。周縁部分除去装置200の内部では、第1の側縁部拘束用クランプストリップ204を備える第1の側縁部拘束用タワー205が、ガラスシートの第1の主表面103の側に配置され、第2の側縁部拘束用クランプストリップ206を備える第2の側縁部拘束用タワー207が、ガラスシートの第2の主表面105の側に配置される。よって動作中、ガラスシートが装置200内部に位置決めされると、第1及び第2の側縁部拘束用クランプストリップ204、206は互いに向かって移動し、ガラスシートと係合し、ガラスシートの一部をビード領域近傍に拘束し、ガラスシートを固定して後続のステップを実行できるようにする。続いて第1のクランプ231、233のペアを起動して、ガラスシートの第2及び第1の主表面を、第1の側縁面から距離D3の位置に係合する。クランプ留め用タワー205、207と第1のクランプ231、233のペアとの係合は、極めて短時間で完了できる。ガラスシートを拘束用タワー205、207及び第1のクランプ231、233のペアによってクランプ留めすると、表面104近傍の直線状の加熱バー235をオンにする。加熱バー235から放出される赤外線照射はガラスシートの周縁部分に投射され、ガラスシートの周縁部分によって吸収される。ガラスシートの、加熱バー235に関して反対側に配置されるミラー237は、吸収されなかったIR照射を反射して周縁部分へと戻し、これによって高い加熱効率を実現する。代替実施形態では、周縁部分の加熱される領域に対するヒータの有効領域を第1のクランプのペアが阻害しないよう、周縁部分を所望の温度まで加熱した後に、第1のクランプのペアをガラスシートと係合する。
周縁部分を所定の望ましい温度まで加熱したら、加熱バーをオフにし、第1の側縁部拘束用タワー205上に設置されたスコアリングホイール209が、上縁面近傍に位置するガラスシートの第1の主表面103に接触するが、これは上縁面の最外縁部には直接接触しない。第2の側縁部拘束用タワー207上に設置され、上縁面から下縁面まで延在する、ノージングストリップ211によって、スコアリングホイールは後退させられ、周縁部分に沿って頂部から底部へ、又は底部から頂部へと移動し、これによって上縁面近傍から下縁面近傍まで延在するスコアラインを生成する。スコアリングが完了すると、スコアリングホイールは第1の主表面から引き戻される。その後、第1のクランプのペアを係合したまま起動して、ガラスシートの第1の周縁部分を、第1の主表面から第2の主表面に向かう方向に押圧するが、ここでガラスシートは第2の主表面上のノージングストリップ上に静置されたままである。結果として発生する応力が閾値まで増大すると、周縁部分がスコアラインに沿って破断することになる。その後、第1のクランプ231、233のペアを、ガラスの分離した部分から解放でき、分離した周縁部分はそのまま残り、床に落ちるか、又は装置の下の収集装置に落ちる。あるいは、第1のクランプ231、233のペアを駆動して、破断した周縁部分を別の位置へと移送でき、この別の位置において、第1のクランプ231、233のペアの係合は解除され、破断した周縁部分を安全に解放する。次に、拘束用タワーの第1及び第2の拘束用クランプストリップ204、206を互いから離れるように移動させ、残った高品質領域の2つの側部を解放する。そして、縁仕上げ、洗浄、清掃等の後続のプロセスステップのために、懸架コンベヤによってガラスシートの高品質部分を周縁部分除去装置200の外側に移動させる。
実施例2
図3は、別の実施例によるガラスシートのビード除去装置300の一方の端部の、作動中の断面図である。図示した端部と実質的に対称関係にある他方の端部は図示していない。この例では、図1に示すガラスシートは、垂直ガラスシート懸架コンベヤ等の懸架デバイス(図示せず)に固定されたクランプの2つのクランプ留めアーム201、203によって固定されている。通常、ガラスシートはまず、周縁部分除去装置300の外側にあるクランプ留めアーム201、203と係合し、次にコンベヤによって装置300内へと移動される。周縁部分除去装置300の内部では、第1の側縁部拘束用クランプストリップ204を備える第1の側縁部拘束用タワー205が、ガラスシートの第1の主表面103の側に配置され、第2の側縁部拘束用クランプストリップ206を備える第2の側縁部拘束用タワー207が、ガラスシートの第2の主表面105の側に配置される。直線状の加熱バー235は、垂直押圧バー217の反対側の周縁部分近傍に配置される。よって動作中、ガラスシートが装置300内部に位置決めされると、第1及び第2の側縁部拘束用クランプストリップ204、206は互いに向かって移動し、ガラスシートと係合し、ガラスシートの一部をビード領域近傍に拘束し、ガラスシートを固定して後続のステップを実行できるようにする。拘束用タワーでガラスシートの両側をクランプ留めすると(図では片側のみを示す)、加熱バー235をオンにして、周縁部分を所定の望ましい温度まで優先的に加熱する。その後、第1の側縁部拘束用タワー205上に設置されたスコアリングホイール209が、上縁面近傍に位置するガラスシートの第1の主表面103に接触するが、これは上縁面の最外縁部には直接接触しない。第2の側縁部拘束用タワー207上に設置され、上縁面から下縁面まで延在する、ノージングストリップ211によって、スコアリングホイールは後退させられ、ガラスシートの上部から底部までスコアリングすることによって、上縁面近傍から下縁面近傍まで延在するスコアラインを形成する。スコアリングが完了すると、スコアリングホイールは第1の主表面から引き戻される。続いて真っ直ぐな押圧バー217は、ガラスシートの第1の主表面に向かって方向219に前進し、ガラスシートの周縁部分に接触し、周縁部分の第1の主表面をガラスシートの第2の主表面に向かって押圧する。この押圧が閾値に達すると、ビード領域を含む周縁部分がスコアラインに沿って分離する。次に、拘束用タワーの第1及び第2の拘束用クランプストリップ204、206を互いから離れるように移動させ、残った高品質領域の2つの側部を解放する。そして、縁仕上げ、洗浄、清掃等の後続のプロセスステップのために、懸架コンベヤによってガラスシートの高品質部分を周縁部分除去装置300の外側に移動させる。
実施例3
図4は、ガラスシートの周縁部分除去装置400の一方の端部の、作動中の概略断面図である。対称関係にある他方の端部は図示していない。図示したように、図3の装置300と比較すると、装置400は(1つ又は複数の)吸引カップ213を備えるが、押圧バー217を備えていない。動作中、ガラスシートが装置200内部に位置決めされると、第1及び第2の側縁部拘束用クランプストリップ204、206は互いに向かって移動し、ガラスシートと係合し、ガラスシートの一部をビード領域近傍に拘束し、ガラスシートを固定して後続のステップを実行できるようにする。拘束用タワーでガラスシートの両側をクランプ留めすると(図では片側のみを示す)、加熱バー235をオンにして、周縁部分を所定の望ましい温度まで優先的に加熱する。その後、第1の側縁部拘束用タワー205上に設置されたスコアリングホイール209が、上縁面近傍に位置するガラスシートの第1の主表面103に接触するが、これは上縁面の最外縁部には直接接触しない。第2の側縁部拘束用タワー207上に設置され、上縁面から下縁面まで延在する、ノージングストリップ211によって、スコアリングホイールは後退させられ、ガラスシートの上部から底部までスコアリングすることによって、上縁面近傍から下縁面近傍まで延在するスコアラインを形成する。スコアリングが完了すると、スコアリングホイールは第1の主表面から引き戻される。続いて一連の吸引カップ213(1つのみを図示)は、ガラスシートの第1の主表面に向かって方向215に前進し、ガラスシートの周縁部分に接触し、周縁部分の第2の主表面を、第1の主表面から離れる方向に牽引する。この牽引が閾値に達すると、ビード領域を含む周縁部分がスコアラインに沿って分離する。次に、拘束用タワーの第1及び第2の拘束用クランプストリップ204、206を互いから離れるように移動させ、残った高品質領域の2つの側部を解放する。そして、縁部の仕上げ、洗浄、清掃等の後続のプロセスステップのために、懸架コンベヤによってガラスシートの高品質部分を周縁部分除去装置200の外側に移動させる。
実施例4
本実施例では、ビードを備える両周縁部分に対してビード加熱を実行する前及び後の、約50インチ(127cm)の幅を有するガラスシートの応力プロファイルを比較する。データを以下の表Iに示す。表Iでは、データXは第1の側縁面の端部からの距離であり、応力は、図1Aに示す断面に沿って算出された応力である。このデータから、ガラスシート全体の応力は、2つの周縁部分の加熱の結果として大いに低減されたことが容易に理解できる。2つの周縁部分における応力のスパイクは大幅に低減される。これは、ガラスシートの残留応力を軽減するにあたっての、ビード加熱の有効性を示している。
本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正及び変更を本発明に加える事ができることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付の請求項及びその均等物の範囲内にある限りにおいて、本発明の修正例及び変更例をも包含することを意図したものである。
101 ガラスシート
103 第1の主表面
104 第1の側縁面
105 第2の主表面
107 第1のビード表面
109 第2のビード表面
110 第2の側縁面
200 ビード除去装置、周縁部分除去装置
201 クランプ留めアーム
203 クランプ留めアーム
204 第1の側縁部拘束用クランプストリップ
205 第1の側縁部拘束用タワー
206 第2の側縁部拘束用クランプストリップ
207 第2の側縁部拘束用タワー
209 スコアリングホイール
211 ノージングストリップ
213 吸引カップ
215 方向
217 押圧バー
219 方向
231,233 第1のクランプ
235 加熱バー
237 ミラー
300 ビード除去装置、周縁部分除去装置
400 ビード除去装置、周縁部分除去装置
BD1 第1のビード領域
BD2 第2のビード領域
CR 中央領域

Claims (5)

  1. ガラスシートの第1の周縁部分を除去するためのプロセスであって:
    (I)第1の主表面、前記第1の主表面と対向する第2の主表面、中央厚さTh(C)及び平均中央温度T(C)を有する中央領域、上縁面、下縁面、前記第1の主表面と前記第2の主表面とをそれぞれ接続する第1の側縁面及び第2の側縁面、並びに前記第1の側縁面近傍の平均厚さTh(B)を有する第1の周縁部分を有し、Th(B)>1.1Th(C)である、ガラスシートを提供するステップ;
    (II)前記上縁面の近傍の前記第1及び前記第2の主表面を懸架デバイスに固定することにより、前記ガラスシートを所定の位置に配置するステップ;
    (III)前記ステップ(II)の後、前記上縁面の近傍の前記第1及び前記第2の主表面を、前記上縁面から前記下縁面への前記第1の側縁面の端部から距離D1に拘束するステップ;
    (IV)前記ステップ(II)の後、第1の機械的拘束器具を用いて、前記第1の側縁面の近傍の少なくとも前記第2の主表面を、前記第1の側縁面から距離D3に拘束するステップであって、D3<D1であるステップ;
    (V)前記第1の側縁面の端部からの距離D3を有する位置における前記第1の周縁部分の平均温度が温度T(B)に達するように、前記ガラスシートの前記第1の周縁部分の少なくとも一部を加熱するステップであって、40℃≦T(B)―T(C)≦200℃であるステップ;
    (VI)前記ステップ(V)の後、前記第1の主表面上に、前記第1の側縁面の端部から距離D2において、前記上縁面近傍から前記下縁面近傍へと延在するスコアラインを形成するステップであって、D3<D2<D1であるステップ;
    (VII)前記第2の主表面を、前記スコアラインと対向するノージングストリップと接触させるステップ;並びに
    (VIII)前記ステップ(V)及び(VI)の後、前記ガラスシートの前記第1の側縁面近傍の前記第1の周縁部分が前記ノージングストリップに対して屈曲して、前記スコアラインに沿って前記ガラスシートの前記中央領域から分離するよう、前記第1の機械的拘束器具によって前記第2の主表面を前記第1の主表面から離れる方向へと移動させるステップ;
    を含む、プロセス。
  2. 前記ステップ(VII)は前記ステップ(VI)に先行し、
    前記ステップ(VI)では、機械的スコアリングホイールを用いて前記第1の主表面に対して押圧し、前記スコアラインを形成する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記ステップ(V)は:
    (V―1)前記第1の周縁部分の応力プロファイルを測定するステップ;
    (V―2)前記第1の周縁部分の最も高い平均残留応力を有する領域を識別するステップ;
    (V―3)ヒータから加熱照射を提供するステップ;及び
    (V―4)前記加熱照射の最大加熱力を、前記第1の周縁部分の最も高い平均残留応力を有する前記領域に向けるステップ;
    を含む、請求項1に記載のプロセス。
  4. 第1の主表面、前記第1の主表面と対向する第2の主表面、中央厚さTh(C)及び平均中央温度T(C)を有する中央領域、上縁面、下縁面、前記第1の主表面と前記第2の主表面とをそれぞれ接続する第1の側縁面及び第2の側縁面、並びに前記第1の側縁面近傍の第1の周縁部分を有するガラスシートの、前記第1の周縁部分を除去するための装置であって:
    (A)前記上縁面の近傍の前記第1及び前記第2の主表面を固定することにより、前記ガラスシートを所定の位置に配置するよう適合された、ガラス懸架デバイス;
    (B)第1の縁部拘束用クランプストリップを備える、前記第1の主表面の側部上に配置された第1の縁部拘束用タワー、及び第2の縁部拘束用クランプストリップを備える、前記第2の主表面の側部上に配置された第2の縁部拘束用タワーであって、前記第1の縁部拘束用クランプストリップと前記第2の縁部拘束用クランプストリップとの間の距離は調整可能であり、前記第1の側縁面近傍の前記第1及び前記第2の主表面を、前記上縁面から前記下縁面への前記第1の側縁面の端部から距離D1に拘束するよう適合されるものである第1と第2の縁部拘束用タワー;
    (C)前記第1の側縁面の端部から距離D2において、D2<D1であり、前記上縁面近傍から前記下縁面近傍へと延在するスコアラインを前記第1の主表面上に形成するために、前記第1の主表面と接触して垂直に運動するよう適合された、前記第1の縁部拘束用タワー上に設置される機械的スコアリングホイール;
    (D)前記第1の側縁面から距離D3において、D3<D2であり、前記第1の周縁部分の前記第1及び前記第2の主表面と係合してこれをクランプ留めするよう適合された、第1のクランプのペア;
    (E)前記第2の主表面と接触するよう適合された、前記スコアラインと対向するノージングストリップ;
    (F)前記第1の側縁面の端部からの距離D3を有する位置における前記第1の周縁部分の平均温度が、温度T(B)であって、40℃≦T(B)―T(C)≦200℃である温度T(B)に達するように、前記ガラスシートの前記第1の周縁部分の少なくとも一部を優先的に加熱するよう適合された、垂直加熱要素;並びに
    (G)前記ガラスシートの前記第1の側縁面近傍の前記第1の周縁部分が前記ノージングストリップに対して屈曲して、前記スコアラインに沿って前記ガラスシートの前記中央領域から分離するように、前記第1のクランプのペアによって前記第2の主表面を前記第1の主表面から離れる方向へと移動させるよう適合された、加力器;
    を備える、装置。
  5. 第1の主表面、前記第1の主表面と対向する第2の主表面、中央厚さTh(C)を及び平均中央温度T(C)有する中央領域、上縁面、下縁面、前記第1の主表面と前記第2の主表面とをそれぞれ接続する第1の側縁面及び第2の側縁面、並びに前記第1の側縁面近傍の第1の周縁部分を有するガラスシートの、前記第1の周縁部分を除去するための装置であって:
    (A)前記上縁面の近傍の前記第1及び前記第2の主表面を固定することにより、前記ガラスシートを所定の位置に配置するよう適合された、ガラス懸架デバイス;
    (B)第1の縁部拘束用クランプストリップを備える、前記第1の主表面の側部上に配置された第1の縁部拘束用タワー、及び第2の縁部拘束用クランプストリップを備える、前記第2の主表面の側部上に配置された第2の縁部拘束用タワーであって、前記第1の縁部拘束用クランプストリップと前記第2の縁部拘束用クランプストリップとの間の距離は調整可能であり、前記第1の側縁面近傍の前記第1及び前記第2の主表面を、前記上縁面から前記下縁面への前記第1の側縁面の端部から距離D1に拘束するよう適合されるものである第1と第2の縁部拘束用タワー;
    (C)前記第1の側縁面の端部から距離D2において、D2<D1であり、前記上縁面近傍から前記下縁面近傍へと延在するスコアラインを前記第1の主表面上に形成するために、前記第1の主表面と接触して垂直に運動するよう適合された、前記第1の縁部拘束用タワー上に設置される機械的スコアリングホイール;
    (D)前記第1の主表面を前記第2の主表面に向かって押圧するよう適合された、真っ直ぐな垂直バー;
    (E)前記第1の側縁面の端部からの距離D3であって、D3<D2である距離D3を有する位置における前記第1の周縁部分の平均温度が、温度T(B)であって、40℃≦T(B)―T(C)≦200℃である温度T(B)に達するように、前記ガラスシートの前記第1の周縁部分の少なくとも一部を優先的に加熱するよう適合された、垂直加熱要素;
    (F)前記第2の主表面に接触するよう適合された、前記スコアラインに対向するノージングストリップ;並びに
    (G)前記ガラスシートの前記第1の側縁面近傍の前記第1の周縁部分が前記ノージングストリップに対して屈曲して、前記スコアラインに沿って前記ガラスシートの前記中央領域から分離するように、第1のクランプのペアによって前記第2の主表面を前記第1の主表面から離れる方向へと移動させるよう適合された、加力器;
    を備える、装置。
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