JP6152368B2 - 二酸化炭素外用剤調製用組成物、その製造方法及び化粧用パック - Google Patents

二酸化炭素外用剤調製用組成物、その製造方法及び化粧用パック Download PDF

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Description

本発明は、塩基性組成物と酸性組成物とを使用時に混合する、二酸化炭素外用剤の調製に用いられる組成物に関する。
美容や医療効果を目的として、炭酸塩等の塩基性組成物と水溶性酸等の酸性組成物とを水の存在下において炭酸ガスを発生させる技術が知られている(特許文献1等参照)。
また、加水分解されて酸を生じる物質を含有する酸性組成物と炭酸塩、増粘剤及び水を必須成分にすることにより、二酸化炭素が持続的に経皮・経粘膜吸収され、美容及び医療効果がより強力な二酸化炭素外用剤を容易に提供することも知られている(特許文献2等参照)。
二酸化炭素外用剤調製用組成物は、塩基性組成物と酸性組成物とを使用時に混合し、反応させて二酸化炭素を発生させるものであり、使用開始から終了まで持続的に二酸化炭素を発生させることが求められる。
該酸性組成物として加水分解されて酸を生じる物質を含有させて二酸化炭素外用剤調製用組成物を使用した場合、加水分解されて酸を生じる物質の加水分解反応が一定に進むようになったあとは、加水分解されて酸を生じる物質から一定時間持続的に酸を供給できるため、当該酸が炭酸塩等の塩基性組成物と反応して一定時間持続的に二酸化炭素を発生させることができる。
しかしながら、塩基性組成物及び酸性組成物の混合直後から、加水分解されて酸を生じる物質の加水分解が進み酸を安定持続的に供給するまでの使用初期段階においては、二酸化炭素外用剤調製用組成物は十分な二酸化炭素を発生させることができないという問題があった。
特許第4248878号公報 特許第4595058号公報
本発明は、塩基性組成物及び酸性組成物の混合直後から、十分な二酸化炭素を発生させることができ、かつ、持続的に二酸化炭素を発生させる新規な二酸化炭素外用剤調製用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、この新規な二酸化炭素外用剤調製用組成物から得られる二酸化炭素外用剤及び化粧用パックを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討した結果、炭酸塩を含む塩基性組成物と、加水分解されて酸を生じる物質及び酸性物質を含む酸性組成物を必須成分とする、二酸化炭素外用剤調製用組成物を見出した。
本発明は、前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。
少なくとも炭酸塩を含む塩基性組成物と、加水分解されて酸を生じる物質及び酸性物質とを含む酸性組成物と、からなる、二酸化炭素外用剤調製用組成物を提供する。
さらに、前記塩基性組成物と前記酸性組成物の混合後、膜透過性二酸化炭素発生量が、前記酸性物質を除いてなる酸性組成物と前記塩基性組成物を混合した場合の膜透過性二酸化炭素発生量の1.5倍以上となる期間を備えるように酸性物質を配合した、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物を提供する。
本発明の二酸化炭素外用剤調製用組成物によれば、加水分解されて酸を生じる物質に加え、酸性物質を酸性組成物に適切な濃度で含有させることで、二酸化炭素外用剤の使用初期段階の酸性度を調節し、使用開始から終了までの期間において、一定量以上の膜透過性二酸化炭素を発生させることができる。
実施例1における膜透過性二酸化炭素発生量を示すグラフ。 実施例3における膜透過性二酸化炭素発生量を示すグラフ。 実施例4における膜透過性二酸化炭素発生量を示すグラフ。 実施例5における膜透過性二酸化炭素発生量を示すグラフ。 実施例2における膜透過性二酸化炭素発生量を示すグラフ。 pHの経時変化を示すグラフ。
本発明の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、塩基性組成物と酸性組成物とを使用時に混合する2剤型の二酸化炭素外用剤を調製するものであり、必要に応じてその他の成分をさらに含有させてもよい。
前記酸性組成物は、加水分解されて酸を生じる物質と、酸性物質とを少なくとも含有する。
前記加水分解されて酸を生じる物質は、その分子構造内に環状エステル結合を1以上有するものであれば特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、グルコノデルタラクトン、パントラクトン、D,L―又はL―ラクチド(3,6―ジメチル―1,4−ジオキサン―2,5―ジオン)、D,L―又はL―グリコリド、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸などが挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでもグルコノデルタラクトンやD,L―ラクチドなどが好ましく、加水分解速度及び炭酸塩と反応する酸の生成速度の面や化合物の入手しやすさの面からもグルコノデルタラクトンがさらに好ましい。
前記加水分解されて酸を生じる物質の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。前記含有量が0.5質量%未満であると、加水分解した酸と炭酸塩との反応による二酸化炭素の発生量が少なくなり、二酸化炭素発生により得られる外用剤としての効果が十分に発揮されなくなる。一方、前記含有量が30質量%を超えると、塩基性組成物と撹拌混合しにくくなるため、0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上25質量%であるとさらに好ましい。
前記酸性物質は、その分子構造内にカルボキシ基を1以上有するものであれば特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、サリチル酸等の水溶性有機酸、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等の水溶性無機酸が挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でグリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、サリチル酸、グルタミン酸、リン酸二水素ナトリウムが好ましく、グリコール酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸が、膜透過性二酸化炭素発生効果及び膜透過性二酸化炭素を発生しやすいpH調整の面からさらに好ましい。
前記酸性物質の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。前記含有量が0.01質量%未満であると、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物の酸性度を効果的に低下させることができず、前記塩基性組成物と前記酸性組成物の混合直後から前記加水分解されて酸を生じる物質が加水分解して酸を供給し膜透過性二酸化炭素が安定的に発生するまでの間の膜透過性二酸化炭素の発生量が少なくなる。一方、前記含有量が5質量%を超えると、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物の酸性度が低くなって気泡性二酸化炭素を発生しやすくなり、いずれも膜透過性二酸化炭素の発生により得られる効果が十分に発揮されなくなるため、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。
前記酸性組成物の形状は、特に制限はないが、例えば顆粒状であり、前記顆粒は前記二酸化炭素外用剤の使用時に前記塩基性組成物と混合される。前記顆粒は、少なくとも前記加水分解されて酸を生じる物質と前記酸性物質を含み、顆粒化剤を含んでもよい。
前記顆粒化剤は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、乳糖、粉糖、デンプン等の粉体が挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩基性組成物は、炭酸塩、水を少なくとも含有し、必要に応じて増粘剤、ゲル化剤、保湿剤などをさらに含有することが好ましい。
前記炭酸塩は、前記酸性組成物中に含まれる加水分解されて酸を生じる物質又は酸性物質と反応して二酸化炭素を発生する炭酸塩であれば、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。二酸化炭素発生速度の制御しやすさや入手の面から、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
前記炭酸塩の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。前記含有量が0.1質量%未満であると、二酸化炭素の発生量が少なくなり二酸化炭素発生により得られる効果が十分に発揮されなくなる。一方、前記含有量が10質量%を超えると、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物のpHが高くなり発生した二酸化炭素が炭酸イオンとして存在しやすく膜透過性二酸化炭素発生量が少なくなるため、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
前記塩基性組成物に含まれる水は、通常の化粧品、医薬品等に用いられる水であれば、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、蒸留水、膜透過水、イオン交換水が挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量が100質量%となるように調製される。前記含有量が50質量%未満であると粘性が高くなり流動性、柔軟性等に欠ける。一方、前記含有量が多すぎると粘性が低くなりすぎて、前記二酸化炭素外用剤の皮膚への塗布時に垂れ落ちが生じるので、前記二酸化炭素外用剤の使用時において垂れ落ちが生じない程度に前記含有量を抑えるのが好ましい。
前記塩基性組成物に含まれる増粘剤は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、カラギーナン、アラビアゴム、寒天、米澱粉、ヒアルロン酸、デキストラン、フィブロイン、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムなどが挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも使用しやすさの面から、カルボキシメチルセルロースやゲル化剤を兼ねるカラギーナンがさらに好ましい。
前記増粘剤の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。前記含有量が0.5質量%未満であると、前記塩基性組成物の粘度が低くなり、皮膚への塗布時に前記二酸化炭素外用剤が垂れ落ち、皮膚外用剤としての十分な効果が得られなくなる可能性がある。一方、20質量%を超えると粘性が高くなり流動性に欠け、酸性組成物との反応が進まなくなるため、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
前記塩基性組成物に含まれるゲル化剤は、特に制限はなく、カルシウムイオンや前記増粘剤によってゲル化するものなど、目的により適宜選択することができる。例えば、カラギーナン、タラガム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも使用しやすさの面から、カラギーナンが好ましい。
前記ゲル化剤の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。前記含有量が0.5質量%未満であると、前記塩基性組成物のゲル化が十分でなく、皮膚への塗布時に前記二酸化炭素外用剤が垂れ落ち、皮膚外用剤としての効果が得られなくなる可能性がある。一方、10質量%を超えると固まりが生じやすく酸性組成物との反応が進まなくなるため、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがさらに好ましい。
前記塩基性組成物に含まれる保湿剤は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。保湿及び皮膚への展延性の面から、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,8−オクタンジオールなどの多価アルコールが挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも保湿の面から、1,3−ブチレングリコールがさらに好ましい。
前記保湿剤の前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する含有量は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。前記含有量が5質量%未満であると、十分な皮膚外用剤としての保湿効果が得られなくなる可能性がある。一方、35質量%を超えると塩基性組成物及び酸性組成物の反応が進みにくくなるため、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
前記塩基性組成物のその他の成分は、化粧品や皮膚外用剤に用いられる成分であれば特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、分散剤、紫外線吸収剤、色素などが挙げられる。これらは1種で単独使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記二酸化炭素外用剤の使用形態は、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、使用時に前記塩基性組成物のジェルと前記酸性組成物の顆粒とを混合して、皮膚に塗布させることにより使用する形態が挙げられる。
前記二酸化炭素外用剤調製用組成物の膜透過性二酸化炭素の発生量の評価方法は、人の皮膚環境を模した膜を透過する二酸化炭素量を計測することができる方法であれば、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、多孔性高分子膜を油脂に浸し、該膜を透過する二酸化炭素量を計測する方法が挙げられる。人の皮膚の環境に近づけるため、前記多孔性高分子膜にはマイクロポーラスフィルム(住友スリーエム社製、3Mマイクロポーラスフィルム、孔径0.3μm以下)を使用し、前記油脂にはオリーブスクワラン(岸本特殊肝油工業所製、植物スクワラン)を使用し、前記膜透過性二酸化炭素量計測には炭酸ガス濃度計(東亜ディーケーケー(株)製、型番CGP−31)を用いる方法が特に好ましい。
前記二酸化炭素外用剤調製用組成物の膜透過性二酸化炭素の発生量の評価は、具体的には、前記塩基性組成物及び前記酸性組成物を撹拌混合したジェル1gを炭酸ガス濃度計専用の容器に入れ、その上からオリーブスクワラン0.1gを塗布したマイクロポーラスフィルムを被せ、該専用容器に炭酸ガス濃度計の検出器を取り付ける。前記容器と検出器の間を満たすように注射器を用いて所定量の水を加え、直後から1分ごとに60分間、膜透過性二酸化炭素発生量を測定し記録して行う。
前記二酸化炭素外用剤調製用組成物の評価方法として、膜透過性二酸化炭素発生時に二酸化炭素外用剤調製用組成物のpHをさらに測定することにより、二酸化炭素外用剤調製用組成物から発生する二酸化炭素の状態を確認することができる。
前記pHの測定方法は、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物のpHの経時変化を測定できる方法であれば、特に制限はなく、目的により適宜選択することができる。例えば、塩基性組成物と酸性組成物とを撹拌混合し、日常防水型pH計(HANNA instruments製、pHep4 HI98127)を使用して二酸化炭素外用剤調製用組成物のpHを経時的に測定する方法が挙げられる。
本発明の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、皮膚血流量の増加及び角層二酸化炭素量の上昇などの効果を両立できるものであり、化粧用パック、ピーリング剤などの化粧品だけでなく、毛髪用剤、清浄剤、浴用剤等の医薬部外品、医薬品、ペット用品のいずれにも好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜3)
表1に記載した組成に従い、二酸化炭素外用剤調製用組成物を調製した。
塩基性組成物は、表1に記載の化合物を混合溶解して調製した。
酸性組成物は、表1に記載の加水分解されて酸を生じる物質及び酸性物質を混合した。
前記のとおり調製された塩基性組成物ジェル及び酸性組成物顆粒を、使用直前に前記顆粒が前記ジェルに目視で均一になるまで撹拌混合した。
実施例1〜5及び比較例1〜3で調製して得られた二酸化炭素外用剤調製用組成物について、下記に示す試験方法により、膜透過性二酸化炭素発生量の評価を行った。
また、実施例2、6、7及び比較例1、3で調製して得られた二酸化炭素外用剤調製用組成物について、下記に示す試験方法により、pHの測定を行った。
前記膜透過性二酸化炭素発生量の評価は、以下の方法により行った。
実施例及び比較例に記載の前記塩基性組成物及び前記酸性組成物を混合したジェル1gを炭酸ガス濃度計専用の容器に入れ、その上からオリーブスクワラン0.1gを塗布したマイクロポーラスフィルムを被せ、該専用容器に炭酸ガス濃度計の検出器を取り付ける。前記容器と検出器の間を満たすように注射器を用いて所定量の水を加え、直後から1分ごとに60分間、膜透過性二酸化炭素発生量を測定し記録した。
膜透過性二酸化炭素発生量の試験結果を表2に示す。
表2の実施例1及び比較例1について、膜透過性二酸化炭素発生量の経時変化及び実施例1における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比を図1に示す。
図1より、酸性物質としてグリコール酸を添加した場合、混合後19分まで実施例1における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比が1.52倍以上になっている。
表2の実施例3及び比較例1について、膜透過性二酸化炭素発生量の経時変化及び実施例3における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比を図2に示す。
図2より、酸性物質としてクエン酸を添加した場合、混合後18分まで実施例3における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比が1.52倍以上になっている。
表2の実施例4及び比較例1について、膜透過性二酸化炭素発生量の経時変化及び実施例4における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比を図3に示す。
図3より、酸性物質としてコハク酸を添加した場合、混合後18分まで実施例4における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比が1.50倍以上になっている。
表2の実施例5及び比較例1について、膜透過性二酸化炭素発生量の経時変化及び実施例5における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比を図4に示す。
図4より、酸性物質として酒石酸を添加した場合、混合後16分まで実施例5における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比が1.52倍以上になっている。
表2の実施例2及び比較例1について、膜透過性二酸化炭素発生量の経時変化及び実施例2における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比を図5に示す。
図5より、酸性物質としてグリコール酸を実施例1の10倍量添加した場合、混合後23分まで実施例2における膜透過性二酸化炭素発生量と比較例1における膜透過性二酸化炭素発生量の比が1.56倍以上になっている。
前記pHの測定は、以下の方法により行った。実施例2、6、7及び比較例1、3に記載の塩基性組成物と酸性組成物とを撹拌混合し、日常防水型pH計(HANNA instruments製、pHep4 HI98127)を使用して二酸化炭素外用剤調製用組成物のpHを経時的に測定した。
pHの測定結果を表3及び図6に示す。
表3及び図6の実施例及び比較例について、塩基性組成物及び酸性組成物の混合後60分経過するまで、pHは4.0以上に保持されていることが分かった。
酸性組成物が酸性物質のグリコール酸のみの場合(比較例3)は、混合直後から5分以内にpHが下がり、それ以降pHは一定であった。また、酸性組成物が加水分解されて酸を生じる物質のGDL(グルコノデルタラクトン)のみの場合(比較例1)は、混合直後からのpHの低下は緩やかであり、かつ、混合後60分経過まで緩やかにpHが低下することが分かった。
酸性組成物に加水分解されて酸を生じる物質のGDL及び酸性物質のグリコール酸が含まれる場合(実施例2、6及び7)は、GDLのみの場合(比較例1)に比べ、混合直後にpHの低下が大きいことが分かった。
表2及び図1〜図5より、本発明の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、塩基性組成物と酸性組成物の混合後の膜透過性二酸化炭素発生量が、酸性物質を除いてなる酸性組成物と塩基性組成物を混合した場合の膜透過性二酸化炭素発生量よりも多い期間を備えていることが分かった。
特に、本発明の実施例における二酸化炭素外用剤調製用組成物は、前記塩基性組成物と前記酸性組成物の混合後の膜透過性二酸化炭素発生量が、前記酸性物質を除いてなる酸性組成物と前記塩基性組成物を混合した場合の膜透過性二酸化炭素発生量の1.5倍以上となる時間帯を10分以上有することがわかった。
以上の効果は、加水分解されて酸を生じる物質が加水分解され、炭酸塩等と反応して二酸化炭素が生成したときに、系のpHにより二酸化炭素の形態が異なるために生じる。すなわち、pHが6.35以上であるとイオン化するものが増え膜透過性二酸化炭素の発生が少なくなり、逆にpHが6.35より低いと膜透過性二酸化炭素の発生量が増えることに基づく。
本発明においては、添加された酸性物質により二酸化炭素外用剤調製用組成物全体のpHが下がり、加水分解されて酸を生じる物質由来の酸と炭酸塩との反応で生じた二酸化炭素が膜透過性二酸化炭素の形態になりやすいことを利用したものである。
本発明の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、加水分解されて酸を生じる物質に加え、酸性物質を酸性組成物に適切な濃度で含有させることで、二酸化炭素外用剤の使用初期段階の酸性度を調節し、使用開始から終了までのすべての期間において、一定以上の膜透過性二酸化炭素を発生させることができることがわかった。
本発明の二酸化炭素外用剤調製用組成物は、酸性組成物と塩基性組成物の混合調製が容易な上、混合直後から少なくとも60分間、膜透過性二酸化炭素の発生を持続することができるものである。したがって、肌への適度な刺激を継続できる化粧用パック、ピーリング剤などの化粧品、皮膚用外用剤、毛髪用剤、清浄剤、浴用剤等の医薬部外品、医薬品、ペット用品のいずれにも好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 化粧用パックに用いられる二酸化炭素外用剤調製用組成物であって、
    少なくとも炭酸塩及び増粘剤を含む塩基性組成物と、
    加水分解されて酸を生じる物質であってその分子構造内に環状エステル結合を1以上有するもの、及び、酸性物質であってその分子構造内にカルボキシ基を1以上有するものを含む酸性組成物と、
    からなり、
    前記増粘剤には、カルボキシメチルセルロース及びカラギーナンが主成分として含まれ、
    前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する前記炭酸塩の含有量は0.1質量%以上10質量%以下であり、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する前記増粘剤の含有量は0.5質量%以上20質量%以下であり、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する前記加水分解されて酸を生じる物質であってその分子構造内に環状エステル結合を1以上有するものの含有量は0.5質量%以上30質量%以下であり、前記二酸化炭素外用剤調製用組成物全量に対する前記酸性物質であってその分子構造内にカルボキシ基を1以上有するものの含有量は0.01質量%以上5質量%以下である、二酸化炭素外用剤調製用組成物。
  2. 前記塩基性組成物と前記酸性組成物の混合後、膜透過性二酸化炭素発生量が、前記酸性物質を除いてなる酸性組成物と前記塩基性組成物を混合した場合の膜透過性二酸化炭素発生量の1.5倍以上となる期間を備えるように酸性物質を配合した、請求項1に記載の二酸化炭素外用剤調製用組成物。
  3. 前記炭酸塩は炭酸水素ナトリウムであり、前記加水分解されて酸を生じる物質であってその分子構造内に環状エステル結合を1以上有するものはグルコノデルタラクトンであり、前記酸性物質であってその分子構造内にカルボキシ基を1以上有するものはグリコール酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸のいずれかである請求項1又は2に記載の二酸化炭素外用剤調製用組成物。
  4. 前記増粘剤は、カルボキシメチルセルロース及びカラギーナンのみからなる請求項1に記載の二酸化炭素外用剤調製用組成物。
  5. 加水分解されて酸を生じる物質であってその分子構造内に環状エステル結合を1以上有するもの及び酸性物質であってその分子構造内にカルボキシ基を1以上有するものを含む前記酸性組成物を、前記塩基性組成物に混合してなる、請求項1又は2に記載の二酸化炭素外用剤調製用組成物の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の、二酸化炭素外用剤調製用組成物を用いた化粧用パック。
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