JP6148609B2 - 電動工具 - Google Patents

電動工具 Download PDF

Info

Publication number
JP6148609B2
JP6148609B2 JP2013241199A JP2013241199A JP6148609B2 JP 6148609 B2 JP6148609 B2 JP 6148609B2 JP 2013241199 A JP2013241199 A JP 2013241199A JP 2013241199 A JP2013241199 A JP 2013241199A JP 6148609 B2 JP6148609 B2 JP 6148609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
torque
load torque
inertia
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013241199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015100858A (ja
Inventor
山本 浩克
浩克 山本
高明 長田
高明 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makita Corp filed Critical Makita Corp
Priority to JP2013241199A priority Critical patent/JP6148609B2/ja
Priority to US14/518,301 priority patent/US20150137721A1/en
Priority to DE102014016994.4A priority patent/DE102014016994A1/de
Publication of JP2015100858A publication Critical patent/JP2015100858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6148609B2 publication Critical patent/JP6148609B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25FCOMBINATION OR MULTI-PURPOSE TOOLS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DETAILS OR COMPONENTS OF PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS NOT PARTICULARLY RELATED TO THE OPERATIONS PERFORMED AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B25F5/00Details or components of portable power-driven tools not particularly related to the operations performed and not otherwise provided for
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/14Estimation or adaptation of motor parameters, e.g. rotor time constant, flux, speed, current or voltage
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/08Arrangements for controlling the speed or torque of a single motor
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/24Arrangements for stopping
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • H02P21/20Estimation of torque
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2205/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the control loops
    • H02P2205/05Torque loop, i.e. comparison of the motor torque with a torque reference

Description

本明細書によって開示される技術は、電動工具に関する。
特許文献1に、モータと、前記モータに作用する負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段を備える電動工具が開示されている。この電動工具によれば、トルクセンサを用いることなく、モータに作用する負荷トルクを推定することができる。
国際公開第2012/108246号
電動工具を用いた作業中にキックバックが発生した場合など、負荷の急激な上昇が生じた場合には、ユーザの安全性を確保するために、モータを停止または減速させることが好ましい。本明細書では、電動工具において、負荷の急激な上昇が生じた場合に、モータを停止または減速させることが可能な技術を提供する。
本明細書が開示する電動工具は、モータと、前記モータに流れる電流から前記モータの出力トルクを導出する出力トルク導出手段と、前記モータの回転数から前記モータの摩擦トルクを導出する摩擦トルク導出手段と、前記モータに作用する負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段と、前記出力トルクと、前記摩擦トルクと、前記負荷トルクから、前記モータの慣性トルクを算出する慣性トルク算出手段と、前記慣性トルクが慣性トルク基準値を超える場合に、前記モータを停止または減速させるモータ減速手段を備えている。
上記の電動工具では、負荷が急激に上昇する際にモータの慣性トルクが大きな値となることに着目し、慣性トルクが慣性トルク基準値を超えたときに、モータを停止または減速させる。これにより、ユーザの安全性を確保することができる。また、上記の電動工具では、例えば通常の重負荷作業時など、負荷トルクは高いものの、慣性トルクは低いような場合には、モータを停止または減速させることがない。これにより、作業効率の低下を抑制することができる。
実施例の電動工具2の構成を模式的に示す図である。 実施例の電圧検出部32の構成の例を模式的に示す図である。 実施例の負荷トルク推定回路16の構成の例をブロック線図で表現した図である。 図3の負荷トルク推定回路16をモータ8と組み合わせた構成をブロック線図で表現した図である。 図3の制御系と等価な制御系をブロック線図で表現した図である。 実施例の負荷トルク推定回路16の構成の別の例をブロック線図で表現した図である。 実施例の負荷トルク推定回路16の構成のさらに別の例をブロック線図で表現した図である。 実施例の負荷トルク推定回路16の構成のさらに別の例をブロック線図で表現した図である。 実施例のコントローラ18が行う処理の例を説明するフローチャートである。 実施例のコントローラ18が行う処理の別の例を説明するフローチャートである。
幾つかの実施形態に係る電動工具では、前記負荷トルク推定手段が、前記モータに流れる電流の実測値、前記モータの端子間電圧の実測値、および前記モータの回転数の実測値のうち少なくとも2つから前記負荷トルクを推定するように構成されていてもよい。モータに流れる電流や、モータの端子間電圧、モータの回転数は、従来から用いられている小型で安価な検出機構を用いて検出可能である。この電動工具によれば、サイズの大型化やコストアップをすることなく、モータに作用する負荷トルクを推定することができる。
幾つかの実施形態に係る電動工具は、前記モータに流れる電流の実測値および前記モータの端子間電圧の実測値から前記モータの回転数を推定する回転数推定手段をさらに備えるように構成されていてもよい。この電動工具によれば、モータの回転数を検出する回転数センサを用いることなく、モータの回転数を推定して、モータの摩擦トルクを導出することができる。
幾つかの実施形態に係る電動工具では、前記慣性トルクが前記慣性トルク基準値を超える場合であっても、前記負荷トルクが負荷トルク基準値を下回る場合または前記出力トルクが出力トルク基準値を下回る場合には、前記モータ減速手段が前記モータを停止または減速させないように構成されていてもよい。負荷トルクまたは出力トルクが小さい低負荷作業時においては、電動工具の作業中に負荷が急激に上昇しても、ユーザの安全性にそれほど問題は生じない。上記の電動工具によれば、負荷の急激な上昇により慣性トルクが大きくなっても、負荷トルクまたは出力トルクが小さければ、モータを停止または減速させない。このような構成とすることで、作業効率の低下を抑制することができる。
上記の電動工具は、前記負荷トルク基準値または前記出力トルク基準値と、前記慣性トルク基準値の組み合わせを、所定の複数の組み合わせの中からユーザが選択可能であるように構成されていてもよい。このような構成とすることで、電動工具の用途に応じて、ユーザが電動工具の設定を適宜変更することが可能となる。
幾つかの実施形態に係る電動工具は、着脱可能なサイドハンドルをさらに備えているように構成されていてもよい。通常、着脱可能なサイドハンドルを備える電動工具は、大きな負荷トルクが作用する重負荷作業に用いられる。重負荷作業においては、負荷の急激な上昇があったときに、ユーザの安全性を確保することが極めて重要となる。この電動工具によれば、重負荷作業におけるユーザの安全性を確保することができる。
幾つかの実施形態に係る電動工具は、前記モータがブラシレスモータであるように構成されていてもよい。通常、ブラシレスモータは、ロータの慣性モーメントが小さいので、モータの減速や停止を素早く行うことができる。この電動工具によれば、負荷の急激な上昇があったときに、速やかにモータを減速または停止させることができる。
幾つかの実施形態に係る電動工具では、前記モータ減速手段がさらに、前記負荷トルクが負荷トルク上限値を超える場合に、前記モータを停止または減速するように構成されていてもよい。この電動工具によれば、機械式のクラッチを用いる場合と同様に、所定のトルクでねじ締めを完了するドライバの機能を実現できる。このようにして実現される電気式クラッチは、機械式クラッチに比べて、クラッチ作動時に音が発生することがなく、また磨耗による劣化を生じることがない。
上記の電動工具は、前記電動工具の動作モードを複数の動作モードの中から選択可能なモード切換手段をさらに備えており、前記モータ減速手段が、前記負荷トルクが前記負荷トルク上限値を超える場合であっても、特定の動作モードが選択されている場合には、前記モータを停止または減速させないように構成されていてもよい。このような構成とすることで、電動工具の用途に応じて、電気式クラッチを有効にするか否かを、ユーザが選択することが可能となる。
上記の電動工具は、前記モータ減速手段が前記モータを停止または減速させる際に、ユーザに報知する報知手段をさらに備えるように構成されていてもよい。このような構成とすることで、安全性を確保するためにモータを減速または停止させていることを、ユーザに認識させることができる。
(実施例)
図1に示されるように、本実施例の電動工具2は、工具部4と、動力伝達部6と、モータ8と、バッテリ10と、回転数センサ12と、モータ駆動回路14と、負荷トルク推定回路16と、コントローラ18と、モード切換手段20と、トルク設定手段22と、報知手段24と、駆動スイッチ26と、サイドハンドル28を備えている。本実施例の電動工具2は、例えばドライバドリルである。
電動工具2では、モータ駆動回路14によってモータ8を回転駆動し、動力伝達部6がモータ8の回転を工具部4に伝達する。回転数センサ12は、モータ8の回転数ωを検出する。モータ8がDCブラシレスモータである場合には、回転数センサ12として、モータ8が構造上備えている回転数センサを用いてもよい。モータ駆動回路14は、モータ8に流れる電流を検出する電流検出部30と、モータ8の端子間電圧を検出する電圧検出部32を備えている。
図2はモータ8が3相DCブラシレスモータである場合の、電圧検出部32の構成の例を示している。電圧検出部32は、差分回路34a,34b,34cと、抵抗器36a,36b,36c,36d,36e,36fと、加算回路38を備えている。差分回路34aは、モータ8のU相とV相の間の電圧を出力する。差分回路34aの出力は、抵抗器36a,36bによって分圧されて、加算回路38へ入力される。差分回路34bは、モータ8のV相とW相の間の電圧を出力する。差分回路34bの出力は、抵抗器36c,36dによって分圧されて、加算回路38へ入力される。差分回路34cは、モータ8のW相とU相の間の電圧を出力する。差分回路34cの出力は、抵抗器36e,36fによって分圧されて、加算回路38へ入力される。加算回路38は、差分回路34a,34b,34cからの入力を加算して出力する。本実施例では、加算回路38の出力が、モータ8の端子間電圧の実測値Vとして用いられる。なお、差分回路34a,34b,34cと、抵抗器36a,36b,36c,36d,36e,36fと、加算回路38は、コントローラ18とは別の回路として実装されていてもよいし、コントローラ18に組み込まれていてもよい。
図1の負荷トルク推定回路16は、工具部4から動力伝達部6を介してモータ8に作用する負荷トルクを推定する。
図3は負荷トルク推定回路16の構成の一例を示している。図3の負荷トルク推定回路16は、電流検出部30により検出されるモータ8を流れる電流の実測値iと、電圧検出部32により検出されるモータ8の端子間電圧の実測値Vに基づいて、モータ8に作用する負荷トルクの推定値τを出力する。負荷トルク推定回路16は、モータモデル40と、比較器42と、増幅器44を備えている。
モータモデル40は、モータ8の特性を2入力2出力の伝達系としてモデル化したものである。モータモデル40では、モータ8の端子間電圧Vと、モータ8に作用する負荷トルクτを入力とし、モータ8を流れる電流iと、モータ8の回転数ωを出力としている。なお、以下ではモータ8の端子間電圧V、モータ8に作用する負荷トルクτ、モータ8を流れる電流i、モータ8の回転数ωを、モータ8の状態量ともいう。
モータモデル40の特性は、実際のモータ8の入力−出力特性に基づいて、特定することができる。例えばモータ8がDCモータである場合には、以下のようにしてモータモデル40の特性を決定することができる。
モータ8の電気系に関して、Lをインダクタンス、iを電流、Vを端子間電圧、Rを抵抗値、KBを発電定数、ωを回転数とすると、以下の関係式が成り立つ。
Figure 0006148609
他方、モータ8の機械系に関して、Jをロータの慣性モーメント、KTをトルク定数、Bを摩擦定数、τを負荷トルクとすると、以下の関係式が成り立つ。
Figure 0006148609
なお、本明細書においては、上記の数式2の左辺を慣性トルクといい、右辺第1項を出力トルク、右辺第2項を摩擦トルク、右辺第3項を負荷トルクという。
上記の数式1および数式2の両辺を時間に関して積分すると、以下の2つの関係式が得られる。
Figure 0006148609
Figure 0006148609
上記の数式3および数式4に基づいて数値計算を行うことで、2つの入力V、τに対する2つの出力i、ωを算出することができる。以上から分かるように、モータ8の端子間電圧Vと、モータ8に作用する負荷トルクτを入力とし、モータ8を流れる電流iと、モータ8の回転数ωを出力とするようにモータモデル40を構成した場合、微分演算を行うことなく、積分演算によってそれぞれの出力を得ることができる。一般に、負荷トルク推定回路16をシングルチップマイコンなどで実装する場合、モータ8の状態量が急激に変動する際には、微分演算を精度良く行うことが困難となる。しかしながら、上記のように、積分演算によって出力を得るようにモータモデル40を構築することで、モータ8の状態量が急激に変動する際でも、精度良くモータ8の挙動をシミュレートすることができる。
図3に示すように、モータモデル40の電流出力、すなわちモータ8の電流推定値iは比較器42へ提供される。比較器42では、モータ8の電流実測値iとモータモデル40の電流出力iとの差分Δiを算出する。算出された差分Δiは、増幅器44において所定のゲインGで増幅された後、モータ8の推定負荷トルクτとしてモータモデル40のトルク入力に入力される。このように、負荷トルク推定回路16はフィードバックループを構成している。なお、モータモデル40の電圧入力には、モータ8の端子間電圧の実測値Vが入力される。
上記のフィードバックループでは、増幅器44でのゲインGを十分に大きく設定しておくことで、モータモデル40の電流出力、すなわちモータ8の電流推定値iがモータ8の電流実測値iに収束するように、モータモデル40の入力トルク、すなわちモータ8に作用する負荷トルクの推定値τの大きさが調整される。このような構成とすることによって、モータモデル40を用いて、モータ8に端子間電圧Vが印加されたときに、モータ8に流れる電流iを実現するような、モータ8に作用する負荷トルクτと、その際のモータ8の回転数ωを算出することができる。
図4を参照しながら、負荷トルク推定回路16によってモータ8の負荷トルクτが推定される原理について説明する。図4では、実際のモータ8を伝達関数Mで表現し、負荷トルク推定回路16においてモータ8を仮想的に具現化したモータモデル40を伝達関数Mで表現している。図3に示す制御系における入力τ(実際のモータ8に作用している負荷トルク値)と、出力τ(負荷トルク推定回路16から出力されるトルク推定値)の関係は以下のようになる。
Figure 0006148609
従って、負荷トルク推定回路16におけるモータモデル40を実際のモータ8と等しい特性となるように設定しておくことで、上式においてM=M=Mと置き換えることができ、以下の関係式が得られる。
Figure 0006148609
上記の数式6から分かるように、図4の制御系における入力τから出力τへの伝達関数は、図5に示すような、前向き伝達関数がGMであり、後向き伝達関数が1である、フィードバック制御系と等価なものとなっている。従って、出力τは、入力τに追従して変動する。増幅器44のゲインGを十分に大きくしておくことで、出力τは入力τに収束する。従って、負荷トルク推定回路16から出力されるトルク推定値τから、モータ8に作用している負荷トルクτを知ることができる。
本実施例の負荷トルク推定回路16では、トルクを検出するための専用のセンサを設けることなく、モータ8の端子間電圧Vと、モータ8を流れる電流iに基づいて、モータ8に作用する負荷トルクτを精度良く推定することができる。
本実施例の負荷トルク推定回路16では、モータ8の端子間電圧Vとモータ8に作用する負荷トルクτを入力とし、モータ8を流れる電流iとモータ8の回転数ωを出力とするモータモデル40を含むフィードバックループを用いて、モータモデル40の電流出力iを、実際のモータ8を流れる電流iに収束させる構成としている。このような構成とすることで、微分演算を用いることなく、モータ8に作用する負荷トルクτを精度良く推定することができる。
図6は、負荷トルク推定回路16の構成の別の例を示している。図6の負荷トルク推定回路16は、回転数センサ12により検出されるモータ8の回転数の実測値ωと、電圧検出部32により検出されるモータ8の端子間電圧の実測値Vに基づいて、モータ8に作用する負荷トルクの推定値τを出力する。図6の負荷トルク推定回路16は、モータモデル40と、比較器46と、増幅器48を備えている。
図6の負荷トルク推定回路16のモータモデル40は、図3の負荷トルク推定回路16のモータモデル40と同じものである。図6の負荷トルク推定回路16では、モータモデル40の回転数出力、すなわちモータ8の回転数の推定値ωが比較器46へ提供される。比較器46では、モータモデル40の回転数出力ωとモータ8の回転数実測値ωとの差分Δωを算出する。算出された差分Δωは、増幅器48において所定のゲインHで増幅された後、モータ8の推定トルクτとしてモータモデル40のトルク入力に入力される。モータモデル40の電圧入力には、モータ8の端子間電圧の実測値Vが入力される。
図6の負荷トルク推定回路16のフィードバックループでは、増幅器48でのゲインHを十分に大きく設定しておくことで、モータモデル40の回転数出力、すなわちモータ8の回転数推定値ωがモータ8の回転数実測値ωに収束するように、モータモデル40の入力トルク、すなわちモータ8に作用する負荷トルク推定値τの大きさが調整される。このような構成とすることによって、モータモデル40を用いて、モータ8に端子間電圧Vが印加されたときに、モータ8の回転数ωを実現するような、モータ8に作用する負荷トルクτを推定することができる。
図7は、負荷トルク推定回路16の構成のさらに別の例を示している。図7の負荷トルク推定回路16は、電流検出部30により検出されるモータ8を流れる電流の実測値iと、回転数センサ12により検出されるモータ8の回転数の実測値ωと、電圧検出部32により検出されるモータ8の端子間電圧の実測値Vに基づいて、モータ8に作用する負荷トルクの推定値τを出力する。図7の負荷トルク推定回路16は、モータモデル40と、比較器50、52と、増幅器54、56と、加算器58を備えている。
図7の負荷トルク推定回路16のモータモデル40は、図3の負荷トルク推定回路16のモータモデル40と同じものである。図7の負荷トルク推定回路16では、モータモデル40の回転数出力、すなわちモータ8の回転数の推定値ωが比較器50へ提供される。比較器50では、モータモデル40の回転数出力ωとモータ8の回転数実測値ωとの差分Δωを算出する。算出された差分Δωは、増幅器54において所定のゲインGωで増幅された後、加算器58へ提供される。さらに、図7の負荷トルク推定回路16では、モータモデル40の電流出力、すなわちモータ8を流れる電流の推定値iが比較器52へ提供される。比較器52では、モータ8の電流実測値iとモータモデル40の電流出力iとの差分Δiを算出する。算出された差分Δiは、増幅器56において所定のゲインGで増幅された後、加算器58へ提供される。加算器58は、増幅器54からの出力と増幅器56からの出力を加算する。加算器58の出力は、モータ8の推定負荷トルクτとしてモータモデル40のトルク入力に入力される。モータモデル40の電圧入力には、モータ8の端子間電圧の実測値Vが入力される。
図7の負荷トルク推定回路16のフィードバックループでは、増幅器54でのゲインGωおよび増幅器56でのゲインGを十分に大きく設定しておくことで、モータモデル40の回転数出力、すなわちモータ8の回転数推定値ωがモータ8の回転数実測値ωに収束し、かつモータモデル40の電流出力、すなわちモータ8を流れる電流の推定値iがモータ8の電流実測値iに収束するように、モータモデル40の入力トルク、すなわちモータ8に作用する負荷トルク推定値τの大きさが調整される。このような構成とすることによって、モータモデル40を用いて、モータ8に端子間電圧Vが印加されたときに、モータ8を流れる電流iとモータ8の回転数ωを実現するような、モータ8に作用する負荷トルクτを推定することができる。
図8は、負荷トルク推定回路16の構成のさらに別の例を示している。図8の負荷トルク推定回路16は、電流検出部30により検出されるモータ8を流れる電流の実測値iと、回転数センサ12により検出されるモータ8の回転数の実測値ωに基づいて、モータ8に作用する負荷トルクの推定値τを出力する。図8の負荷トルク推定回路16は、モータモデル40と、比較器50、52と、増幅器54、56と、加算器58と、増幅器60,62と、加算器64を備えている。
図8の負荷トルク推定回路16は、図7の負荷トルク推定回路16とほぼ同様の構成を備えている。図8の負荷トルク推定回路16では、モータモデル40の電圧入力にモータ8の端子間電圧の実測値Vを入力する代わりに、モータ8を流れる電流の実測値iとモータ8の回転数の実測値ωから算出されるモータ8の端子間電圧の推定値Vを入力する。図8の負荷トルク推定回路16では、上記した数式1において、左辺のLdi/dtをゼロと近似することで、モータ8の端子間電圧の推定値Vを算出する。すなわち、図8の負荷トルク推定回路16では、モータ8の端子間電圧の推定値Vを、モータ8を流れる電流の実測値iにモータ8の抵抗値Rを乗算した値に、モータ8の回転数の実測値ωにモータ8の発電定数KBを乗算した値を加算することで算出する。
なお、負荷トルク推定回路16は、コントローラ18とは別個の回路として実装されていてもよいし、コントローラ18に組み込まれていてもよい。
図1のモード切換手段20は、ユーザの操作によって、電動工具2の動作モードを切換可能である。本実施例の電動工具2は、ドライバモード、ドリルモード、振動ドリルモードの何れかに切換可能である。モード切換手段20は、例えばダイヤルやスライドスイッチ等の形態で設けられていてもよい。モード切換手段20は、例えば工具部4の近傍に設けられていてもよいし、電動工具2の背面(工具部4の反対側)の近傍に設けられていてもよいし、バッテリ10の近傍に設けられていてもよい。
トルク設定手段22は、ユーザの操作によって、トルクリミッタ機能のON/OFFの切り換えと、後述する慣性トルク基準値τirと、負荷トルク基準値τlrと、負荷トルク上限値τluを設定可能である。トルク設定手段22は、例えばダイヤルやスライドスイッチ等の形態で設けられていてもよい。トルク設定手段22において、慣性トルク基準値τir、負荷トルク基準値τlr、負荷トルク上限値τluは、それぞれの数値を個別に設定可能であってもよいし、それぞれの数値の複数の組み合わせを製品出荷時に予め決定しておいて、複数の組み合わせのうちどの組み合わせを用いるかをユーザが選択可能であってもよい。トルク設定手段22は、例えば工具部4の近傍に設けられていてもよいし、電動工具2の背面(工具部4の反対側)の近傍に設けられていてもよいし、バッテリ10の近傍に設けられていてもよい。
報知手段24は、コントローラ18がモータ8を停止または減速させた場合に、ユーザに報知する。報知手段24は、例えば発光によってユーザに報知するLED等であってもよい。あるいは、報知手段24は、音声によってユーザに報知するブザー等であってもよい。本実施例の電動工具2では、報知手段24はLEDである。報知手段24は、例えば工具部4の近傍に設けられていてもよいし、電動工具2の背面(工具部4の反対側)の近傍に設けられていてもよいし、バッテリ10の近傍に設けられていてもよい。
駆動スイッチ26は、ユーザによって操作される。通常の動作においては、駆動スイッチ26がOFFの場合には、モータ8は停止しており、駆動スイッチ26がONにされると、モータ8は回転駆動する。
サイドハンドル28は、電動工具2に着脱可能に取り付けられている。ワークから電動工具2に作用する反動トルクが例えば40Nmを超えるような重負荷での作業を行う場合であっても、サイドハンドル28を利用して電動工具2を両手で把持することで、ユーザは安定して作業を行うことができる。
コントローラ18は、回転数センサ12によって検出されるモータ8の回転数の実測値ωと、電流検出部30によって検出されるモータ8を流れる電流の実測値iと、負荷トルク推定回路16によって算出されるモータ8に作用する負荷トルクの推定値τに基づいて、電動工具2の動作を制御する。以下では図9を参照しながら、コントローラ18が行う処理について説明する。
ステップS2では、コントローラ18は駆動スイッチ26がONであるか否かを判断する。駆動スイッチ26がOFFの場合(ステップS2でNOの場合)、処理はステップS4へ移行する。ステップS4では、モータ8が駆動していれば、コントローラ18はモータ8を停止する。ステップS4の後、処理はステップS2へ戻る。
ステップS2で駆動スイッチ26がONの場合(YESの場合)、処理はステップS6へ移行する。ステップS6では、コントローラ18は、モード切換手段20から、動作モードを取得する。また、ステップS6では、コントローラ18は、トルク設定手段22から、トルクリミッタ機能のON/OFFと、慣性トルク基準値τirと、負荷トルク基準値τlrと、負荷トルク上限値τluを取得する。
ステップS8では、コントローラ18は、モータ8を回転駆動する。
ステップS10では、コントローラ18は、電流検出部30から、モータ8に流れる電流の実測値iを取得する。また、ステップS10では、コントローラ18は、電圧検出部32から、モータ8の端子間電圧の実測値Vを取得する。さらに、ステップS10では、コントローラ18は、回転数センサ12から、モータ8の回転数の実測値ωを取得する。
ステップS12では、コントローラ18は、負荷トルク推定回路16から、モータ8に作用する負荷トルクの推定値τを取得する。
ステップS14では、コントローラ18は、ステップS10で取得されたモータ8を流れる電流の実測値iにトルク定数KTを乗算して、モータ8の出力トルクKTiを算出する。また、ステップS14では、コントローラ18は、ステップS10で取得されたモータ8の回転数の実測値ωに摩擦定数Bを乗算して、モータ8の摩擦トルクBωを算出する。
ステップS16では、コントローラ18は、上記の数式2よりモータ8の負荷トルクの推定値τからモータ8の出力トルクKTiを減算し、さらにモータ8の摩擦トルクBωを加算して、モータ8の慣性トルク−Jdω/dtを算出する。ここで、慣性トルクは各時点での速度を保とうとして加減速の方向と反対方向に働く力であるため、負の符号を考慮している。
ステップS18では、コントローラ18は、ステップS6で取得された動作モードがドライバモードであるか否かを判断する。動作モードがドライバモードである場合(ステップS18でYESの場合)、処理はステップS20へ進む。動作モードがドライバモードではない場合(ステップS18でNOの場合)、例えば動作モードがドリルモードや振動ドリルモードの場合、処理はステップS22へ進む。
ステップS20では、コントローラ18は、ステップS12で取得された負荷トルクの推定値τが、負荷トルク上限値τluを超えているか否かを判断する。負荷トルクの推定値τが負荷トルク上限値τluを超えている場合(ステップS20でYESの場合)、処理はステップS28へ進む。負荷トルクの推定値τが負荷トルク上限値τluを超えない場合(ステップS20でNOの場合)、処理はステップS22へ進む。
ステップS22では、コントローラ18は、トルクリミッタ機能がONにされているか否かを判断する。トルクリミッタ機能がOFFの場合(ステップS22でNOの場合)、処理はステップS2へ戻る。トルクリミッタ機能がONの場合(ステップS22でYESの場合)、処理はステップS24へ進む。
ステップS24では、コントローラ18は、ステップS16で算出された慣性トルク−Jdω/dtが、慣性トルク基準値τirを超えているか否かを判断する。慣性トルク−Jdω/dtが慣性トルク基準値τirを超えていない場合(ステップS24でNOの場合)、処理はステップS2へ戻る。慣性トルク−Jdω/dtが慣性トルク基準値τirを超える場合(ステップS24でYESの場合)、処理はステップS26へ進む。
ステップS26では、コントローラ18は、ステップS12で推定された負荷トルクの推定値τが、負荷トルク基準値τlrを超えているか否かを判断する。負荷トルクの推定値τが負荷トルク基準値τlrを超えていない場合(ステップS26でNOの場合)、処理はステップS2へ戻る。負荷トルク推定値τが負荷トルク基準値τlrを超える場合(ステップS26でYESの場合)、処理はステップS28へ進む。
ステップS28では、コントローラ18は、モータ8を停止させる。また、ステップS28では、コントローラ18は、報知手段24のLEDを点灯させる。
ステップS30では、コントローラ18は、駆動スイッチ26がOFFになるまで待機する。駆動スイッチ26がOFFになると(ステップS30でYESになると)、処理はステップS32へ進む。
ステップS32では、コントローラ18は、報知手段24のLEDを消灯させる。ステップS32の後、処理はステップS2へ戻る。
上記の電動工具2では、ステップS16で算出される慣性トルク−Jdω/dtが慣性トルク基準値τirを超えており、かつステップS12で取得される負荷トルクの推定値τが負荷トルク基準値τlrを超える場合に、モータ8を停止させる。これにより、キックバックの発生等により、負荷が急激に上昇して慣性トルク−Jdω/dtが大きくなった時に、自動的にモータ8を停止させることができる。ユーザの安全性を確保することができる。
上記の電動工具2では、ステップS16で算出される慣性トルク−Jdω/dtが慣性トルク基準値τirを超える場合でも、ステップS12で取得される負荷トルクの推定値τが負荷トルク基準値τlrを超えない場合には、モータ8を停止させない。これにより、負荷が急激に上昇して慣性トルクが大きくなっても安全性にそれほど問題が生じない低負荷作業時において、モータ8を停止させてしまうことを防いで、作業効率を向上することができる。
上記の電動工具2では、動作モードとしてドライバモードが選択されており、かつ負荷トルクの推定値τが負荷トルク上限値τluを超える場合に、モータ8を停止させる。これにより、機械式のクラッチを用いる場合と同様に、所定のトルクでねじ締めを完了するドライバの機能を実現できる。このようにして実現される電気式クラッチは、機械式クラッチに比べて、クラッチ作動時に音が発生することがなく、また磨耗による劣化を生じることがない。なお、上記の電動工具2では、動作モードとしてドリルモードや振動ドリルモードが選択されている場合には、負荷トルクの推定値τが負荷トルク上限値τluを超える場合であっても、モータ8を停止させない。これにより、高い負荷トルクがモータ8に作用することをユーザが予め認識している動作モードにおいて、モータ8を停止させてしまうことを防いで、作業効率を向上することができる。
なお、ステップS26において、負荷トルクの推定値τを負荷トルク基準値τlrと比較する代わりに、ステップS14で算出される出力トルクKTiを出力トルク基準値τorと比較する構成としてもよい。この場合、ステップS26では、出力トルクKTiが出力トルク基準値τorを超える場合に、処理はステップS28へ進み、出力トルクKTiが出力トルク基準値τorを超えない場合に、処理はステップS2へ戻る。このような構成では、トルク設定手段22において、負荷トルク基準値τlrの代わりに、出力トルク基準値τorを設定可能とする。
図9に示す処理では、慣性トルクや負荷トルクの大きさに応じて、モータ8を自動的に停止させているが、モータ8を停止させる代わりに、モータ8を通常時よりも減速させるように構成してもよい。以下では図10を参照しながら、このような場合にコントローラ18が行う処理について説明する。
ステップS42では、コントローラ18は駆動スイッチ26がONであるか否かを判断する。駆動スイッチ26がOFFの場合(ステップS42でNOの場合)、処理はステップS44へ移行する。ステップS44では、モータ8が駆動していれば、コントローラ18はモータ8を停止する。また、ステップS44では、報知手段24のLEDが点灯していれば、コントローラ18は報知手段24のLEDを消灯する。ステップS44の後、処理はステップS42へ戻る。
ステップS42で駆動スイッチ26がONの場合(YESの場合)、処理はステップS46へ移行する。ステップS46では、コントローラ18は、モード切換手段20から、動作モードを取得する。また、ステップS46では、コントローラ18は、トルク設定手段22から、トルクリミッタ機能のON/OFFと、慣性トルク基準値τirと、負荷トルク基準値τlrと、負荷トルク上限値τluを取得する。
ステップS48では、コントローラ18は、モータ8を回転駆動する。
ステップS50では、コントローラ18は、電流検出部30から、モータ8に流れる電流の実測値iを取得する。また、ステップS50では、コントローラ18は、電圧検出部32から、モータ8の端子間電圧の実測値Vを取得する。さらに、ステップS50では、コントローラ18は、回転数センサ12から、モータ8の回転数の実測値ωを取得する。
ステップS52では、コントローラ18は、負荷トルク推定回路16から、モータ8に作用する負荷トルクの推定値τを取得する。
ステップS54では、コントローラ18は、ステップS50で取得されたモータ8を流れる電流の実測値iにトルク定数KTを乗算して、モータ8の出力トルクKTiを算出する。また、ステップS54では、コントローラ18は、ステップS50で取得されたモータ8の回転数の実測値ωに摩擦定数Bを乗算して、モータ8の摩擦トルクBωを算出する。
ステップS56では、コントローラ18は、上記の数式2よりモータ8の負荷トルクの推定値τからモータ8の出力トルクKTiを減算し、さらにモータ8の摩擦トルクBωを加算して、モータ8の慣性トルク−Jdω/dtを算出する。ここで、慣性トルクは各時点での速度を保とうとして加減速の方向と反対方向に働く力であるため、負の符号を考慮している。
ステップS58では、コントローラ18は、ステップS46で取得された動作モードがドライバモードであるか否かを判断する。動作モードがドライバモードである場合(ステップS58でYESの場合)、処理はステップS60へ進む。動作モードがドライバモードではない場合(ステップS58でNOの場合)、例えば動作モードがドリルモードや振動ドリルモードの場合、処理はステップS62へ進む。
ステップS60では、コントローラ18は、ステップS62で取得された負荷トルクの推定値τが、負荷トルク上限値τluを超えているか否かを判断する。負荷トルクの推定値τが負荷トルク上限値τluを超えている場合(ステップS60でYESの場合)、処理はステップS68へ進む。負荷トルクの推定値τが負荷トルク上限値τluを超えない場合(ステップS60でNOの場合)、処理はステップS62へ進む。
ステップS62では、コントローラ18は、トルクリミッタ機能がONにされているか否かを判断する。トルクリミッタ機能がOFFの場合(ステップS62でNOの場合)、処理はステップS70へ進む。トルクリミッタ機能がONの場合(ステップS62でYESの場合)、処理はステップS64へ進む。
ステップS64では、コントローラ18は、ステップS56で算出された慣性トルク−Jdω/dtが、慣性トルク基準値τirを超えているか否かを判断する。慣性トルク−Jdω/dtが慣性トルク基準値τirを超えていない場合(ステップS64でNOの場合)、処理はステップS70へ進む。慣性トルク−Jdω/dtが慣性トルク基準値τirを超える場合(ステップS64でYESの場合)、処理はステップS66へ進む。
ステップS66では、コントローラ18は、ステップS52で推定された負荷トルクの推定値τが、負荷トルク基準値τlrを超えているか否かを判断する。負荷トルクの推定値τが負荷トルク基準値τlrを超えていない場合(ステップS66でNOの場合)、処理はステップS70へ進む。負荷トルク推定値τが負荷トルク基準値τlrを超える場合(ステップS66でYESの場合)、処理はステップS68へ進む。
ステップS68では、モータ8が通常の速度で回転していれば、コントローラ18は、モータ8を減速させる。また、ステップS68では、報知手段24のLEDが消灯していれば、コントローラ18は、報知手段24のLEDを点灯させる。ステップS68の後、処理はステップS42へ戻る。
ステップS70では、モータ8が通常よりも減速して回転していれば、コントローラ18は、モータ8を通常時の速度に復帰させる。また、ステップS70では、報知手段24のLEDが点灯していれば、コントローラ18は、報知手段24のLEDを消灯させる。ステップS70の後、処理はステップS42へ戻る。
なお、ステップS66において、負荷トルクの推定値τを負荷トルク基準値τlrと比較する代わりに、ステップS54で算出される出力トルクKTiを出力トルク基準値τorと比較する構成としてもよい。
上記の実施例では、コントローラ18がモータ8の摩擦トルクBωを算出する際に、回転数センサ12により測定されるモータ8の回転数の実測値ωを用いている。これとは異なり、例えば図3に示す負荷トルク推定回路16において、モータモデル40の回転数出力をモータ8の回転数の推定値ωとしてコントローラ18へ出力し、コントローラ18がモータ8の回転数の推定値ωからモータ8の摩擦トルクBωを算出するように構成してもよい。
上記の実施例では、コントローラ18がモータ8の出力トルクKTiを算出する際に、電流検出部30により測定されるモータ8を流れる電流の実測値iを用いている。これとは異なり、例えば図6に示す負荷トルク推定回路16において、モータモデル40の電流出力をモータ8を流れる電流の推定値iとしてコントローラ18へ出力し、コントローラ18がモータ8を流れる電流の推定値iからモータ8の出力トルクKTiを算出するように構成してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的な有用性を持つものである。
2 電動工具
4 工具部
6 動力伝達部
8 モータ
10 バッテリ
12 回転数センサ
14 モータ駆動回路
16 負荷トルク推定回路
18 コントローラ
20 モード切換手段
22 トルク設定手段
24 報知手段
26 駆動スイッチ
28 サイドハンドル
30 電流検出部
32 電圧検出部
34a,34b,34c 差分回路
36a,36b,36c,36d,36e,36f 抵抗器
38 加算回路
40 モータモデル
42,46,50,52 比較器
44,48,54,56,60,62 増幅器
58,64 加算器

Claims (12)

  1. モータと、
    前記モータに流れる電流から前記モータの出力トルクを導出する出力トルク導出手段と
    記モータに作用する負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段と、
    記モータの慣性トルクを算出する慣性トルク算出手段と、
    前記慣性トルクが慣性トルク基準値を超える場合に、前記モータを停止または減速させるモータ減速手段を備えており、
    前記慣性トルクが前記慣性トルク基準値を超える場合であっても、前記負荷トルクが負荷トルク基準値を下回る場合または前記出力トルクが出力トルク基準値を下回る場合には、前記モータ減速手段が前記モータを停止または減速させないように構成されている、電動工具。
  2. 前記モータの回転数から前記モータの摩擦トルクを導出する摩擦トルク導出手段をさらに備えており、
    前記慣性トルク算出手段が、前記出力トルクと、前記摩擦トルクと、前記負荷トルクから、前記モータの慣性トルクを算出する、請求項1の電動工具。
  3. 前記負荷トルク基準値または前記出力トルク基準値と、前記慣性トルク基準値の組み合わせを、所定の複数の組み合わせの中からユーザが選択可能である、請求項1または2の電動工具。
  4. 前記モータ減速手段がさらに、前記負荷トルクが負荷トルク上限値を超える場合に、前記モータを停止または減速するように構成されている、請求項1から3の何れか一項の電動工具。
  5. モータと、
    前記モータに作用する負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段と、
    前記モータの慣性トルクを算出する慣性トルク算出手段と、
    前記慣性トルクが慣性トルク基準値を超える場合に、前記モータを停止または減速させるモータ減速手段を備えており、
    前記モータ減速手段がさらに、前記負荷トルクが負荷トルク上限値を超える場合に、前記モータを停止または減速するように構成されている、電動工具。
  6. 前記モータに流れる電流から前記モータの出力トルクを導出する出力トルク導出手段と、
    前記モータの回転数から前記モータの摩擦トルクを導出する摩擦トルク導出手段をさらに備えており、
    前記慣性トルク算出手段が、前記出力トルクと、前記摩擦トルクと、前記負荷トルクから、前記モータの慣性トルクを算出する、請求項5の電動工具。
  7. 前記電動工具の動作モードを複数の動作モードの中から選択可能なモード切換手段をさらに備えており、
    前記モータ減速手段が、前記負荷トルクが前記負荷トルク上限値を超える場合であっても、特定の動作モードが選択されている場合には、前記モータを停止または減速させないように構成されている、請求項4から6の何れか一項の電動工具。
  8. 前記負荷トルク推定手段が、前記モータに流れる電流の実測値、前記モータの端子間電圧の実測値、および前記モータの回転数の実測値のうち少なくとも2つから前記負荷トルクを推定する、請求項1から7の何れか一項の電動工具。
  9. 前記モータに流れる電流の実測値および前記モータの端子間電圧の実測値から前記モータの回転数を推定する回転数推定手段をさらに備える、請求項1から8の何れか一項の電動工具。
  10. 着脱可能なサイドハンドルをさらに備えている、請求項1から9の何れか一項の電動工具。
  11. 前記モータがブラシレスモータである、請求項1から10の何れか一項の電動工具。
  12. 前記モータ減速手段が前記モータを停止または減速させる際に、ユーザに報知する報知手段をさらに備える、請求項1から11の何れか一項の電動工具。
JP2013241199A 2013-11-21 2013-11-21 電動工具 Active JP6148609B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013241199A JP6148609B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 電動工具
US14/518,301 US20150137721A1 (en) 2013-11-21 2014-10-20 Power tool
DE102014016994.4A DE102014016994A1 (de) 2013-11-21 2014-11-18 Kraftwerkzeug

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013241199A JP6148609B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 電動工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015100858A JP2015100858A (ja) 2015-06-04
JP6148609B2 true JP6148609B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=53172627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013241199A Active JP6148609B2 (ja) 2013-11-21 2013-11-21 電動工具

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20150137721A1 (ja)
JP (1) JP6148609B2 (ja)
DE (1) DE102014016994A1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015061370A1 (en) 2013-10-21 2015-04-30 Milwaukee Electric Tool Corporation Adapter for power tool devices
US10603770B2 (en) 2015-05-04 2020-03-31 Milwaukee Electric Tool Corporation Adaptive impact blow detection
US10295990B2 (en) 2015-05-18 2019-05-21 Milwaukee Electric Tool Corporation User interface for tool configuration and data capture
KR102074052B1 (ko) 2015-06-02 2020-02-05 밀워키 일렉트릭 툴 코포레이션 전자 클러치를 갖는 다중-속도 전동 공구
EP3307453B1 (en) 2015-06-15 2022-08-03 Milwaukee Electric Tool Corporation Hydraulic crimper tool
CN207096983U (zh) 2015-06-16 2018-03-13 米沃奇电动工具公司 包括电动工具和外部设备的系统、包括外部设备和服务器的系统和服务器
US10345797B2 (en) 2015-09-18 2019-07-09 Milwaukee Electric Tool Corporation Power tool operation recording and playback
WO2017075547A1 (en) 2015-10-30 2017-05-04 Milwaukee Electric Tool Corporation Remote light control, configuration, and monitoring
JP6742719B2 (ja) * 2015-12-16 2020-08-19 学校法人慶應義塾 状態推定装置及び状態推定方法
CN106896763B (zh) 2015-12-17 2020-09-08 米沃奇电动工具公司 用于配置具有冲击机构的电动工具的系统和方法
EP3400109A4 (en) 2016-01-05 2019-10-16 Milwaukee Electric Tool Corporation VIBRATION REDUCTION SYSTEM AND METHOD FOR ELECTRICAL TOOLS
CN108778651B (zh) 2016-02-03 2021-06-18 米沃奇电动工具公司 用于配置往复锯的系统和方法
DK3419791T3 (da) 2016-02-25 2022-07-04 Milwaukee Electric Tool Corp Elværktøj indbefattende en udgangspositionssensor
DE102016209215B4 (de) * 2016-05-27 2020-07-23 Robert Bosch Gmbh Handwerkzeugmaschine mit einer Bedieneinheit
JP6709129B2 (ja) * 2016-08-05 2020-06-10 株式会社マキタ 電動工具
EP3639977A4 (en) * 2017-06-16 2020-07-29 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. ELECTRIC TOOL
JP2020157445A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 オムロン株式会社 作業工具およびこれを備えた制御システム
JP2020157446A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 オムロン株式会社 作業工具およびこれを備えた制御システム
CN113784676A (zh) * 2019-04-08 2021-12-10 波士顿科学国际有限公司 具有过量扭矩保护的动脉粥样硬化切除术系统
JP7465190B2 (ja) 2020-10-12 2024-04-10 パナソニックホールディングス株式会社 電動工具、モータ制御方法及びプログラム

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4267914A (en) * 1979-04-26 1981-05-19 Black & Decker Inc. Anti-kickback power tool control
JP3285663B2 (ja) * 1993-05-11 2002-05-27 ファナック株式会社 工具破損検出装置
JPH0683272U (ja) * 1993-05-11 1994-11-29 日本電気精器株式会社 使用状態表示灯を備えた電動ドライバー
US6536536B1 (en) * 1999-04-29 2003-03-25 Stephen F. Gass Power tools
DE10041632A1 (de) * 2000-08-24 2002-03-07 Hilti Ag Elektrohandwerkzeuggerät mit Sicherheitskupplung
DE10117123A1 (de) * 2001-04-06 2002-10-17 Bosch Gmbh Robert Handwerkzeugmaschine
US7552781B2 (en) * 2004-10-20 2009-06-30 Black & Decker Inc. Power tool anti-kickback system with rotational rate sensor
GB0526276D0 (en) * 2005-12-23 2006-02-01 Trw Ltd Electric motor control
US8074731B2 (en) * 2007-09-21 2011-12-13 Hitachi Koki Co., Ltd. Impact tool
US9950417B2 (en) * 2010-03-31 2018-04-24 Hitachi Koki Co., Ltd. Power tool
EP2675062B1 (en) * 2011-02-10 2020-03-25 Makita Corporation Device for estimating state quantity related to motor and electric power tool
JP5801751B2 (ja) * 2012-04-26 2015-10-28 株式会社マキタ 電動工具
JP6085425B2 (ja) 2012-05-21 2017-02-22 積水樹脂株式会社 梱包方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20150137721A1 (en) 2015-05-21
JP2015100858A (ja) 2015-06-04
DE102014016994A1 (de) 2015-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6148609B2 (ja) 電動工具
JP5003832B1 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP5801751B2 (ja) 電動工具
TWI342296B (ja)
JP5862832B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP6703021B2 (ja) サーボ制御装置
EP2675062B1 (en) Device for estimating state quantity related to motor and electric power tool
JP5055836B2 (ja) 同期モーター用磁極位置センサーの位相ズレ検出装置および検出方法
US11695352B2 (en) Electronic braking in a power tool
JP5878794B2 (ja) 主軸位置決め装置
US9164495B2 (en) Motor controller controlling two motors for driving single driven object
JP6527789B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP6540716B2 (ja) 車両の制御装置および車両の制御方法
JP5544857B2 (ja) 駆動装置、駆動方法、及び装置
JP5369225B1 (ja) アンプ保護機能を備えた同期電動機の制御装置及び制御方法
JP2011176907A (ja) モータの制御方法及び装置
JP2017189067A (ja) モータ駆動装置
JPWO2008093486A1 (ja) 慣性モーメント同定装置とその同定方法、ならびにその同定装置を備えたモータ制御装置
JP5952725B2 (ja) モータ制御装置
JP5077270B2 (ja) 回診用x線撮影装置
JP6089775B2 (ja) モータ制御装置
JP2010136583A (ja) 電動機のトルク制御装置
JP2013059205A (ja) モータ制御装置
JP6625957B2 (ja) 工作機械の数値制御装置
JP2020036452A (ja) 回転電機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6148609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250