JP6147093B2 - 流量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は流量測定装置に関しており、この流量測定装置には、ケーシングおよび少なくとも1つの測定管が含まれており、このケーシングは、内部容積部と、少なくとも1つの圧力調整開口部とを有しており、内部容積部は、測定管の少なくとも一部を包囲し、圧力調整開口部は密閉手段によって密閉されている。
流量測定装置は、従来技術において多数の実施形態で公知である。殊に、高い圧力が加わる液体が測定管に導かれる流量測定装置では、故障した場合、すなわち測定管が損傷した場合、ケーシングの内部容積部が、圧力の加わった液体によって満たされると、このケーシングに複数の損傷が発生することがある。このようなケーシングは一般的に圧力に耐えられるように構成されてはいない。それはケーシングは、測定管および測定装置を周囲の影響から保護するためだけに使用されるからである。わずかな超過圧力は、例えば、ケーシングにおけるスロット状の開口部によって補償することができ、この開口部は、ケーシングの個々の構成要素間に内部的な超過圧力が生じることによって形成される。しかしながら急激に圧力が変化する際には、例えば、ケーシング部品がケーシングから外れることによってケーシングが大きく損傷してしまうことが起こり得る。これにより、周囲にいる人間にとって重大な負傷をしてしまう危険性が生じてしまうのである。
ケーシングのこのような損傷を回避して安全性を高めるため、従来技術では故障時にケーシングに発生する圧力を所期のように抜く圧力調整開口部を有する流量測定装置用ケーシングが公知である。DE 10 2006 013 601には、例えば振動形の測定値記録器が開示されており、この測定値記録器は、ケーシングと、このケーシング内を部分的に通る測定管とを有する。このケーシングは、液体を漏らさないように構成されており、また測定管は、入口側および出口側が液体を漏らさないように各ケーシング壁を通してガイドされている。ケーシングに発生する不所望の超過圧力を所期のように補償するため、このケーシングは、圧力調整開口部を有しており、この圧力調整開口部を介して液体をケーシングから抜くことができる。この圧力調整開口部は、破裂板または逃がし弁によって密閉されている。
しかしながら圧力調整開口部を有するケーシングを備えた従来技術から公知のこの流量測定装置は、これらの圧力調整開口部が、例えば破裂板または逃がし弁のような極めて複雑な密閉手段によって密閉されており、これによって流量測定装置の取付および保守コストが極めて高くなるという欠点を有するのである。
DE 10 2006 013 601
本発明の課題は、上で述べた従来技術から出発して、取付および保守コストが低減される圧力調整開口部を有する流量測定装置を提供することである。
上記の課題は、冒頭に述べたタイプの流量測定装置において、第1にまた実質的につぎようにすることによって解決される。すなわち、密閉手段とケーシングとの間に接続部を形成し、あらかじめ設定した内圧閾値に到達した際にこの接続部が、内部容積部における内圧が密閉手段に及ぼす作用によって解除可能になり、これによって密閉手段がケーシングから切り離されるようにすることによって解決されるのである。
流量測定装置の1つの実施例を示す側面図である。 密閉手段の実施例を示す図である。 密閉手段の別の実施例を示す図である。 圧力調整開口部の実施例を示す図である。 圧力調整開口部の別の実施例を示す図である。 密閉手段の実施例を示す図である。
流量測定装置は有利には、一部分がケーシングによって包囲される少なくとも1つの測定管、有利には少なくとも2つまたは少なくとも4つの測定管を有するコリオリ質量流量測定装置である。圧力が加わった液体は、動作状態において測定管内を導かれる。このケーシングは、測定管の一部分を包囲する閉じた内部容積部を有する。このケーシングの内部容積部では、動作状態において通常圧力または選択的にはわずかな負圧が加わっている。上記の圧力調整開口部は、ケーシングの内部容積部と、流量測定装置の周囲とを接続する。
故障時には液体は測定管からケーシングの内部容積部に入り、これによってケーシングの内部容積部において内圧が発生する。例えばコリオリ質量流量測定装置のような流量測定装置のケーシングは、内部の超過圧力を補償するため、密閉手段によって密閉される圧力調整開口部を有する。この密閉手段は、汚れおよび/または湿気が外部からこの流量測定装置のケーシングの内部容積部に侵入するのを阻止する。
上記の密閉手段と、ケーシング殊に圧力補償手段との間には接続部が形成され、この接続部は、所定の内圧閾値に達した際には、内圧が密閉手段に及ぼす作用によって切り離し可能である。したがってあらかじめ設定した内圧閾値に達すると、密閉手段とケーシングとの間の接続部が解除され、これによって密閉手段はケーシングから切り離される。したがって密閉手段は、内圧があらかじめ設定した値に達すると、殊にあらかじめ設定した値を上回ると直ちにケーシングにおける内圧の作用によってこの密閉手段がこのケーシングから切り離されるようにケーシングに配置され、殊にこの密閉手段が圧力調整開口部に配置されているのである。ここで密閉手段は、この密閉手段と、ケーシング殊に圧力調整開口部との間の接続部だけが解除されることによってケーシングから破壊されずに切り離される。密閉手段そのものは、上記の接続部が解除される際に損傷されず、この密閉手段は、ケーシングから一体として切り離され、殊にケーシングから除去される。すなわち、密閉手段とケーシングとの間の上記の接続部は、密閉手段そのもの内部的な結合よりも弱く形成されているため、密閉手段が破壊される前につねに上記の接続部が解除されることになるのである。圧力調整開口部は有利には、取付状態においてケーシングの上側を向いた表面に配置されるため、例えば、損傷時にこの密閉手段は上方に除去される。密閉手段は有利には非可逆的に切り離される、切り離しの後には同じ密閉手段によって圧力補償手段を二度と密閉することはできない。
本発明による流量測定装置の利点は、簡単に、通常の動作状態において通常の圧力が加わっているケーシング用にコンパクトな圧力安全装置が得られることであり、ここでこれは、内圧があらかじめ設定した内圧閾値に達するかないしはこれを上回る場合に、この内圧によって密閉手段がケーシングから切り離され、圧力調整開口部が開放されることによって得られる。このような簡単な構成により、流量測定装置に対する取付および保守コストが低減される。密閉手段を切り離すため、殊に密閉手段とケーシングとの間の接続部を解除するためには、密閉手段の面に作用する内圧によって生じる力は、この接続部の接着力よりも大きくならなければならず、したがって上記の接続部の接着力を上記の内圧によって密閉手段の面に生じる力よりも小さくする。密閉手段の関連する面はつねに、上記の内圧が加わる密閉手段の面であり、有利には圧力調整開口部の面である。したがって内圧が同じ場合にはこの内圧が作用し得る密閉手段の面が大きくなると、密閉手段に作用する力も大きくなる。したがって容易に推定できるのは、密閉手段とケーシングとの間の上記の接続部が解除される内圧閾値は、密閉手段とケーシングとの間の接続部の接着力ないしは強度を、および/または、密閉手段の関連する面積を決めるかないしは変化させることによって調整されることである。
上記の密閉手段とケーシングとの間の接続部は、例えば温度変化によって発生するわずかな圧力変動には損傷を受けることがなく耐えることができる十分な接着力を有している。密閉手段は、例えば、金属、ゴム、シリコーン、殊にポリエステルまたはポリカーボネートのようなプラスチックから作製される。
上記の流量測定装置は、第1実施形態にしたがって上記の接続部の少なくとも一部分が材料結合接続部として構成される場合に殊に簡単に作製可能であり、この接続部は、有利には少なくとも一部分が接着手段によって実現されるため、あらかじめ設定した内圧閾値においてこの接着手段が少なくとも一部分が破壊される。したがって密閉手段は、材料結合的にケーシングに接続されており、この材料結合的な接続部は、あらかじめ設定した内圧閾値に達した際に、上記の内圧が密閉手段に及ぼす作用によって解除されるため、密閉手段はケーシングから切り離される。例えば密閉手段はプラスチックからなり、このプラスチックは、少なくとも一部分がペースト状の状態で圧力調整開口部に被着されつぎに硬化してケーシングの表面と接続部を形成する。
この接続部は有利には少なくとも一部分が接着手段によって実現されるため、この接着手段は、あらかじめ設定した内圧閾値において少なくとも一部分が破壊される。密閉手段はこのために接着手段によってケーシングに固定される。接着手段として多数の接着剤を考えることができるが、半田接続または溶接も考えられ、内圧閾値を上回る内圧が加わる場合、つねに上記の接続部だけが、すなわち接着剤、半田または溶接箇所だけが損傷されるかまたは破壊されるため、上記の密閉手段はつねに一体として、少なくとも一分部が、流量測定装置のケーシングから切り離されるのである。
この実施例において、殊に密閉手段と接着手段との間、または接着手段とケーシングとの間のような、密閉手段とケーシングとの間の接続部の接着力(保持力)を調整して、上記の接着力が、所望の内圧閾値において、密閉手段の表面に加わる各内圧によって発生する力をわずかに下回るようにする。
密閉手段がケーシングから切り離される上記の力の調整、したがって上記の内圧閾値の調整は、別の実施形態によれば、上記の接続部の少なくとも一部分が摩擦結合接続部として構成され、有利には密閉手段の少なくとも一部分が圧力調整開口部内に配置され、殊に有利には完全に圧力調整開口部内に配置されると有利であることが判明している。密閉手段とケーシングとの間の上記の接続部の少なくとも一部分は、摩擦結合接続部として構成される。このことは、例えば、この接続部の一部分が摩擦結合としてもまた別の一部分が材料結合としても形成できることを意味する。上記の接続部を形成するための材料の選択は、この接続部の所望の保持力に依存し、ひいては所望の内圧閾値にも依存する。
摩擦結合接続部では有利には、この接続部の保持力が有利には、内圧閾値に達した際に上記の内圧によって密閉手段に及ぼされる力よりもわずかに小さくなるようにする。密閉手段は有利には少なくとも一部分が圧力調整開口部内に配置されるため、この圧力調整開口部の面と密閉手段の面とが互いに摩擦結合する。内圧によって形成されて密閉手段に加わる力が、密閉手段と圧力調整開口部との間の静摩擦を上回ると、直ちに密閉手段は圧力調整開口部からスライドして外に出る。このことは、密閉手段とケーシングとの間の接続部が解除されることまたはケーシングから密閉手段が取り外されることを意味する。このための密閉手段は、例えば、少なくとも一部分が圧力調整開口部内に配置される縦長の基体を有しており、この縦長の基体の一方の端部領域には頭部領域が設けられており、この頭部領域の直径は、圧力調整開口部の直径よりも大きいため、密閉手段の拡がった頭部は、ケーシングの表面に載置されるのである。したがってこの密閉手段は断面が、例えばT字形の構成を有するのである。
殊に有利には密閉手段は完全に圧力調整開口部内に配置されるため、密閉手段は、圧力調整開口部内に隠れ、内圧閾値を上回った場合にだけ、密閉手段に加わる内圧の作用により、圧力調整開口部から押し出され、これによって密閉手段がケーシングから離されるのである。密閉手段は有利には、例えば、ゴムまたはシリコーンから作製されるため、密閉手段は、この密閉手段が圧力調整開口部に挿入される際にわずかに圧縮されて、半径方向の力が発生して、この力により、密閉手段と圧力調整開口部との間の気密性が高められる。
上記の接続部に影響を及ぼすため、別の実施形態では、この接続部の少なくとも一部分を形状結合接続部として構成し、有利には上記のケーシングがアンダーカットを有し、密閉手段の少なくとも一部分がこのアンダーカットによって保持されるようにする。密閉手段とケーシングとの間の接続部は、したがって少なくとも一部分が形状結合接続部によって構成されるため、この接続部の形状結合の保持力が、内圧閾値を上回る内圧によって密閉手段に加わる力よりも大きい場合、密閉手段は圧力調整開口部を密閉してこれを保持する。例えば、密閉手段は、このために挟み込みにより、圧力調整開口部を密閉して流量測定装置のケーシングに保持される。
有利にはさらに、ケーシングは、アンダーカット部を有しており、密閉手段は少なくとも一部分がこのアンダーカット部によって保持される。ケーシングは有利には、圧力調整開口部の領域にアンダーカット部を有しており、このアンダーカット部は、密閉手段の少なくとも一部分を周囲からまたは上から保持するため、ケーシングの内圧が内圧閾値に達した場合、密閉手段はフレキシブルに変形し、これによってこの密閉手段は、アンダーカット部の周囲からの保持を抜け出して圧力調整開口部を開放するのである。このアンダーカット部は、例えば、ケーシングと一体に形成されるが、択一的にはまたこのアンダーカット部が別個の構成部分としてケーシングに構成されるようにする。
有利には密閉手段とケーシングとの間の上記の接続部を材料結合的な接続部、および/または、摩擦結合的な接続部、および/または形状結合的な接続部からなる組み合わせから構成し、この接続部の保持力をどのように構成したいか、例えば内圧閾値をどの値にしたいのかに依存してこれらの接続部の形態の割合を選択する。材料結合接続部および/または摩擦結合接続部および/または形状結合接続部の割合の間では任意の組み合わせが考えられる。
流量測定装置の別の実施形態において、密閉手段の配置構成に関連して有利であることが判明したのは、密閉手段の一部分をケーシングの表面に配置することである。密閉手段は有利には完全に表面に配置される。内圧閾値を上回った場合には、密閉手段は、ケーシングの表面から簡単に切り離され、これによって圧力調整開口部が開放される。密閉手段は、殊に有利には外側の表面に配置されるため、密閉手段は、内圧によって簡単に流量測定装置のケーシングから取り外すことが可能である。材料結合接続部は、殊に有利には接着手段によって実現され、内圧閾値を上回った場合には密閉手段とケーシングとの間の接着接続部だけが解除される。
別の実施形態において有利であるのは、密閉手段がケーシングの内面に配置され、あらかじめ設定した内圧閾値においてこの密閉手段がフレキシブルに圧力調整開口部を通って外部に抜け出ることである。密閉手段はこのために圧力調整開口部を密閉してケーシングの内面の内側に配置され、かつ、あらかじめ設定した内圧閾値を上回った場合には密閉手段がケーシングの内面から切り離され、またこの内圧によって圧力調整開口部を通ってケーシングから押し出されるのを可能にする材料から作製される。このために密閉手段は、例えば、このような押し出しが保証される形状を有する。このような形状は、例えば、密閉手段が圧力調整開口部の領域においてこの圧力調整開口部内に湾曲して入るような形状である。密閉手段の材料は、圧力調整開口部を通って抜け出せるようにするため、十分にフレキシブルにする。
別の実施形態において密閉手段が意図に反して外れてしまう事態は、ケーシングに圧力調整開口部を包囲する凹部が配置されることにより、殊に密閉手段の少なくとも一部分がこの凹部に配置されることによって回避される。この凹部は有利にはケーシングの外側表面において圧力調整開口部を取り囲むように配置されるため、密閉手段は、この密閉手段と、ケーシングの残りの表面とが平らな面を構成するように上記の凹部に配置することができる。これにより、例えば下側からグリップされることによって密閉手段が意図に反して取り外されて得ることが防止される。
上記の凹部は、密閉手段を有利には完全に収容し、有利には凹部の内側輪郭は、密閉手段の外側輪郭に相応する。密閉手段の頭部領域が、例えば上記の凹部に配置されるのに対し、この頭部領域に続く密閉手段の領域が圧力調整開口部に突き出して、密閉手段が圧力調整開口部における一種の栓を構成する場合も有利であり、この際には下側からグリップすることによって密閉手段を手動で取り外すことはできない。密閉手段は、圧力調整開口部を通って密閉手段に作用する内圧だけにより、殊に内圧閾値を上回った場合に、圧力調整開口部から外に押し出されるかまたはケーシングの表面から外されて圧力調整開口部が開放される。
別の実施形態において、圧力調整開口部の面は、複数の圧力調整開口部を設けることによって変更することができる。これらの複数の圧力調整開口部は、例えば、互いに直接並んで配置されているため、これらの圧力調整開口部の全体面は、密閉手段に加わる内圧の作用面に等しい。この際には、例えば、2つ、3つまたは4つの圧力調整開口部が設けられるようにするが、例えば、これらの圧力調整開口部が多数設けられて、複数の圧力調整開口部が1つの領域においてふるい状に配置されるようにする。圧力調整開口部のこのように配置構成は、例えば、1つの密閉手段によって平らに密閉される。
別の実施形態において有利には、複数の圧力調整開口部がただ1つの密閉手段によって閉じられるようにする。このために密閉手段は、上で説明した実施例の場合と同様に、ふるい状の圧力調整開口部は、複数の圧力調整開口部全体にわたって平坦に延在しかつ上記の中間領域においてケーシングに接続されるかまたは縁部領域においてケーシングに接続されるため、この接続部は、圧力調整開口部を通して密閉手段に作用する圧力により、殊にこれによって発生する力によって解除される。有利には、密閉手段が多数の湾曲部を有するようにし、これらの湾曲部はそれぞれ1つの圧力調整開口部内に延在し、密閉手段は少なくとも一部分が、設けられている圧力調整開口部のそれぞれに入れられる。
密閉手段の取り外しを有利にも極めて正確に調節するため、別の実施形態では、複数の圧力調整開口部が、圧力調整開口部の個数に相応する個数の密閉手段で密閉されるようにする。したがって圧力調整開口部毎に別個の密閉手段が設けられるのである。この際にはまた、例えば、圧力調整開口部毎に、接続力の異なる別個の1つの接続部を設けて、異なる圧力調整開口部における異なる密閉手段が、異なる内圧閾値で外れるようにする。
殊に凹部に配置される密閉手段を有する流量測定装置の1つの構成は、別の実施形態において、密閉手段が実質的に平らなプレートとして形成されるようにことによって殊に有利に実現することができる。したがって1つの面の互いに垂直になった2つの方向における密閉手段の長さは、これらに対して垂直になったそれぞれの第3の方向における密閉手段の長さよりも長いのである。密閉手段は、この密閉手段とケーシングの表面とが平らな面を構成するように、平らなプレートとして、例えば、相応する凹部に配置される。この平らなプレートは、例えば、接着手段によってケーシングの表面に固定され、この接着手段は、あらかじめ設定した内圧閾値を上回った場合にこの接着手段がケーシングからおよび/または密閉手段から外れて、最終的に密閉手段がケーシングから切り離されて圧力調整開口部が開放されるように調整される。密閉手段は、つねに、破壊されることなく(密閉手段を破壊することなく)外れる。
密閉手段がケーシングから外れるという特性はさらに、実質的に湾曲したプレートとしてこの密閉手段を形成することによって調整可能である。湾曲したプレートとしての密閉手段は、リング状の縁部領域においてケーシングだけと接続されているため、この接続の領域は、内圧によって解除されるはずである。この湾曲したプレートの湾曲部の下側には圧力チャンバが形成され、その圧力は、ケーシングの内部容積部における内圧に等しい。殊に実質的に湾曲したプレートである密閉手段の形状により、ケーシングから外れる際の密閉手段の運動方向もあらかじめ設定することができる。有利にも密閉手段をケーシングの内面に配置する場合にこのような構成は適している。それはこの湾曲部により、内圧閾値を上回った際に圧力調整開口部を通って密閉手段が外に抜け出る様子を制御できるからである。
別の実施形態において、密閉手段が、実質的に縦長に形成される栓として形成されるようにする場合、この密閉手段の有利には少なくとも一部分を圧力調整開口部内に配置することができる。密閉手段のこの形状は、この密閉手段を圧力調整開口部内に配置するのに殊に適した形状である。内圧閾値を上回った場合、密閉手段は圧力調整開口部から押し出され、その他の場合、この密閉手段はケーシングの外側表面と平らな面を構成し、殊にケーシングの内面とも平らな面を構成する。このために密閉手段は、例えば、その長さがケーシング壁部の厚さに等しく、これによってこの密閉手段が、ケーシングの壁部において圧力調整開口部を完全に充填するように構成される。
別の実施形態において、流量測定装置のケーシングの壁部における圧力調整開口部は、この圧力調整開口部が、円形、楕円形または四角形の断面、殊に正方形の断面を有するようにする場合、簡単に作製することができる。上で挙げた断面は、一般的な作製方法によって簡単に作製することかでき、またケーシングの壁部に挿入することができる。さらに圧力調整開口部のこれらの形状は、例えば、圧力補償を実行している際のノイズレベルを低減するため、圧力補償流体技術的な観点からも殊に有利であることが判明している。
個々の点では本発明による流量測定装置を構成して発展させるために多くの可能性がある。これについては、請求項1に従属する請求項も、図面に関連した有利な実施例の説明も共に参照されたい。
図1には、流量測定装置1の実施例が側面図で示されている。流量測定装置1にはケーシング2および2つの測定管3が含まれており、またこの流量測定装置は、コリオリ質量流量測定装置として構成されている。測定管3は、この実施例においてV字形に曲げられており、互いに平行に配置されている。図1に示したケーシング2の上側の領域には圧力調整開口部4が配置されており、この圧力調整開口部は、ケーシング2の内部空間まで完全にケーシング2の壁部を貫通しているため、ケーシング2の内部容積部は、圧力調整開口部4により、流量測定装置1の周囲と接続されているのである。圧力調整開口部4は、密閉手段5によって密閉されている。密閉手段5とケーシング2との間には接続部が形成されており、この接続部は、あらかじめ設定した内圧閾値に達した場合に密閉手段5に加わる内圧の作用によって解除され、これによって密閉手段5はケーシング2から切り離される。
図2aは、図1の一部分Aにしたがい、圧力調整開口部4を拡大図で示している。圧力調整開口部4は、ケーシング2の壁部を完全に貫通している。ここではケーシング2と密閉手段5との間に(ここでは接着接続部として)接続部が形成され、この接続部は、ケーシングの内部容積部における内圧が内圧閾値を上回った場合、解除される。
図2b〜2iには、流量測定装置1のケーシング2に配置される密閉手段の実施例が示されている。図2bによれば、密閉手段5は、平らなプレートとして形成されており、圧力調整開口部4を密閉するようにケーシング2の外側の表面に配置されている。ケーシング2の内部容積部における圧力があらかじめ設定した内圧閾値を上回り、ひいては圧力調整開口部4における圧力もこれを上回ると直ちに密閉手段5はケーシング5から切り離され、ここでこの切り離しは、密閉手段5とケーシング2との間の接続部が解除されることによって行われる。
図2cには密閉手段5の実施例が示されており、この密閉手段も同様に実質的に平らなプレートとして形成されており、接着手段6によってケーシング2に固定される。この場合に接着手段6は、密閉手段5とケーシング2との間に接続部を構成し、接着手段6は、内圧閾値に達した場合に破壊されるように調整される。この実施例において接着手段6は、別の図に比べて殊に明瞭に示されている。
図2gには、ケーシング2に形成されるアンダーカット部7に配置されておりかつアンダーカット部7によって形状結合的に保持される密閉手段5の実施例が示されている。ケーシング2の内部容積部における内圧が、あらかじめ設定した内圧閾値を上回ると直ちに、密閉手段5は、これがアンダーカット部7の形状結合的な保持状態から脱するようにフレキシブルに変形し、ケーシング2から切り離され、ひいては圧力調整開口部4が開放される。図2c,2d,2e,2gおよび2iに示した実施例による密閉手段5は、この密閉手段5が、ケーシング2の表面と平らな面を構成するようにケーシング2内の凹部8に配置される。
図2dには、密閉手段5が凹部8に挿入されることにより、ここでも同様に、ケーシング2の外側の表面と平らな面を構成する密閉手段5の1つの例が示されている。密閉手段5は、一部分が圧力調整開口部4に配置されているため、この実施例において密閉手段5と、ケーシング2殊に圧力調整開口部4との間に(少なくとも部分的に)形状結合的な接続部が生じる。密閉手段5の頭部領域と、ケーシング2の凹部8との間にはさらに、接着手段6の薄い層が被着され、この薄い層により、上記の接続部が材料結合的な分だけ補われる。
図2eには、2つの圧力調整開口部4を同時に密閉するただ1つの密閉手段5の実施例が示されている。これらの圧力調整開口部4は、並んで配置されており、密閉手段5は、各圧力調整開口部4に一部分が挿入されている。
図2fには、圧力調整開口部4に完全に挿入される密閉手段5の実施例が示されている。この実施例において密閉手段5と圧力調整開口部4との間の接続部は、摩擦結合だけによって行われるため、密閉手段5の表面に作用する内圧閾値が、密閉手段5と、圧力調整開口部4殊にケーシング2との間の静摩擦を上回ると、密閉手段5は圧力調整開口部から直ちに押し出される。ここでは上記の表面を適合させてかつ材料を選択して、所望の内圧閾値において切り離しが行われるようにする。ここでは密閉手段5は、実質的に縦長の詰め物として形成されている。
図2hにはアンダーカット部7によって形状結合的にケーシングに保持される密閉手段5の別の実施例が示されている。この実施例においてアンダーカット部7は、図2gに示した実施例の場合のようにケーシングと一体に形成されるのではなく、ケーシング2に固定されるリング9によって形成され、このリングが密閉手段5を形状結合的に保持するのである。上記の内圧閾値を上回った場合、密閉手段5は、可塑的に変形し、アンダーカット部7との形状結合的な接続部が解かれるため、圧力調整開口部4が開放される。
図2iには、個数が圧力調整開口部4の個数に等しくかつ圧力調整開口部4を密閉する密閉手段5が設けられている実施例が示されている。密閉手段5は同じに構成されており、密閉手段5とケーシング2との間の接続部も同じであり、すなわち保持力は同じである。この実施例においてもこの接続部は、(接着層6による)材料結合的な部分と、(圧力調整開口部4に一部分を挿入することによる)摩擦結合的な部分とを有する。
図3aにはケーシング2の内面に配置される密閉手段5を有する実施例が示されている。ケーシング2の内部容積部内のあらかじめ設定した内圧閾値において、密閉手段5は、可塑変形し、これによってケーシング2の内面から剥がれ、圧力調整開口部4を通って外部に押し出される。この実施形態の利点は、密閉手段5が意図に反して剥がれてしまうことを阻止できることである。
図3bには、密閉手段5がケーシング2の内部容積部の内面に配置されている別の実施列が示されている。密閉手段5は、実質的に湾曲したプレートとして構成されており、密閉手段5の湾曲部は、圧力調整開口部4内に突き出ているため、内圧閾値を上回った場合、密閉手段5の可塑変形は、湾曲部によって方向付けされて行われ、引き続いて密閉手段5は上記の内圧によって圧力調整開口部4から押し出されるのである。
図4aには1つのケーシング2に複数の圧力調整開口部4を有する実施例が示されている。ケーシング2は、一部分が示されている。2つの圧力調整開口部4は、円形に構成されており、並んでケーシング2に入れられている。図4bには、円形の4つの圧力調整開口部4が並んで配置された実施例が示されており、これらの圧力調整開口部はケーシング2に入れられている。
図5aには、ケーシング2に矩形の圧力調整開口部4を有する実施例が示されている。ケーシング2は、一部分が示されている。図5bにはケーシング2に矩形の圧力調整開口部4を有する別の実施例が示されており、図5bの圧力調整開口部4は、図5aの圧力調整開口部4に比べて一層平たく構成されている。
図6aには、円形のプレートとして構成され、圧力調整開口部4を密閉するようにケーシング2に配置され、かつ、ケーシング2に接続部されている密閉手段5の実施例が示されている。圧力調整開口部4も密閉手段5も共に断面が円形に形成されている。
図6bには、実質的に矩形の断面を有する密閉手段5の実施例が示されており、ここで実質的に矩形をした密閉手段5は、ケーシング2の正方形した2つの圧力調整開口部4を密閉している。
図6cには、六角形の断面を有する密閉手段5の実施例が示されており、密閉手段5は、並んで配置された円形の2つの圧力調整開口部4を密閉している。圧力調整開口部4は、並んで配置されており、かつ、ただ1つの密閉手段5によって密閉されている。密閉手段5は、ケーシング2の凹部8に配置されている。
1 流量測定装置、 2 ケーシング、 3 測定管、 4 圧力調整開口部、 5 密閉手段、 6 接着手段、 7 アンダーカット部、 8 凹部、 9 リング

Claims (11)

  1. ケーシング(2)および少なくとも1つの測定管(3)を含む流量測定装置(1)であって、
    前記ケーシング(2)は、内部容積部および少なくとも1つの圧力調整開口部(4)を有しており、
    前記内部容積部は、前記測定管(3)の少なくとも一部分を包囲しており、
    前記圧力調整開口部(4)は、密閉手段(5)によって密閉されている、流量測定装置(1)において、
    前記密閉手段(5)と前記ケーシング(2)との間に接続部が形成されており、
    当該接続部は、内圧があらかじめ設定した内圧閾値に達した場合、前記内部容積部における内圧が前記密閉手段(5)に及ぼす作用によって解除され、これによって前記密閉手段(5)が前記ケーシング(2)から切り離され
    複数の圧力調整開口部(4)が設けられており、
    複数の圧力調整開口部(4)がただ1つの密閉手段(5)によって密閉されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  2. 請求項1に記載の流量測定装置(1)において、
    前記接続部は、少なくとも一部分が材料結合的な接続部として形成されており、有利には当該接続部は、少なくとも一部分が接着手段(6)によって実現されており、あらかじめ設定した内圧閾値において前記接着手段(6)は少なくとも一部分が破壊される、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  3. 請求項1または2に記載の流量測定装置(1)において、
    前記接続部は、少なくとも一部分が摩擦結合的な接続部として形成されており、有利には前記密閉手段(5)は少なくとも一部分が前記圧力調整開口部(4)内に配置されており、殊に有利には完全に前記圧力調整開口部(4)内に配置されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記接続部は、少なくとも一部分が形状結合的な接続部として形成されており、
    有利には前記ケーシング(2)はアンダーカット部(7)を有しており、
    前記密閉手段(5)は少なくとも一部分が前記アンダーカット部(7)によって保持される、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記密閉手段(5)は、前記ケーシング(2)の表面に配置されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記密閉手段(5)は、前記ケーシング(2)の内面に配置されており、
    あらかじめ設定した内圧閾値において前記密閉手段(5)は、前記圧力調整開口部(4)を通ってフレキシブルに外側に抜け出る、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、前記圧力調整開口部(4)を包囲する凹部(8)が前記ケーシング(2)に配置されており、殊に
    前記密閉手段(5)は、少なくとも一部分が前記凹部(8)に配置されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  8. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記密閉手段(5)は、実質的に平らなプレートとして形成されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  9. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記密閉手段(5)は、実質的に湾曲したプレートによって形成されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  10. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記密閉手段(1)は、実質的に縦長の詰め物として形成されている、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の流量測定装置(1)において、
    前記圧力調整開口部(4)は、円形、楕円形または四角形の断面、殊に正方形の断面を有する、
    ことを特徴とする流量測定装置(1)。
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