JP6146709B2 - 鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法 - Google Patents

鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、鋼板に急熱とこれに続く急冷とを適用する熱処理を繰り返し施して行う結晶粒微細化処理のために鋼板と誘導子とを鋼板の長手方向に相対移動させながら鋼板に誘導加熱とこれに続く水冷とを順次適用する鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法に関し、詳しくは、鋼板と誘導子とを相対的に往復移動させて熱処理を繰り返し施す際に鋼板に引張力を作用させるようになった鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法に関し、更に詳しくは、引張力の強化に適う鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法に関する。
鋼の熱処理に関してAc3直上に急熱しこれに続いて急冷する熱処理を繰り返し施す処理法により超微細粒鋼材が得られることや、結晶粒を微細化すれば強度・靱性が共に上昇すること、鋼製品の表面にオーステナイト化温度域とマルテンサイト変態温度域とを往復させる急熱と急冷を複数回繰り返して微細な細粒層を形成することにより硬さと靱性を両立させるとともにシャルピー衝撃値ばかりか破壊靱性も向上させられることが知られており、急熱は高周波誘導加熱で急冷は水冷で具現化できることも知られている。
また、有限長の鋼板については(例えば特許文献1参照)、高硬度を維持しつつ破壊靱性を高める結晶粒微細化処理を実施するのに好適な鋼板熱処理装置が開発されており、この装置は、鋼板の長手方向の両端に係合して鋼板をその長手方向を鉛直方向に配向させた状態で且つ曲り許容状態で保持する支承部材と、これを介して鋼板を長手方向に移動させる昇降機構と、鋼板の移動加熱用の誘導子と鋼板の急冷用の放水部とを組みにした熱処理ユニットと、この熱処理ユニットを水平面内で移動させて位置と面内方位の調節を行う水平面内調節機構とを備えている。
さらに(例えば特許文献2参照)、有限長の鋼板に急熱とこれに続く急冷とを適用する熱処理を繰り返し施して行う結晶粒微細化処理のために鋼板を長手方向に移動させながら鋼板に誘導加熱とこれに続く放水冷却とを順次適用する鋼板熱処理装置において、鋼板の長手方向の両端を全幅に亘って挟持して鋼板をその長手方向に引っ張る保持機構を備えたものも知られている。この鋼板保持機構は、直線移動可能な可動枠と、この可動枠に固定された挟持具と、固定されないもう一つの挟持具と、この非固定の挟持具に作用して鋼板に引張力をかける引張力付与部材とを具えている。引張力付与部材は、油圧シリンダ等で具体化され、引張力をフィードバック制御にて精度良く制御する。このような引張力付与方式により、鋼板を横置きに近い傾斜置きでセットしておき、その鋼板に対して横置き横移動に近い傾置斜動にて結晶粒微細化処理を施すことができるので、装置や設備のコストダウンに加えて、鋼板セッティング作業の負担軽減も、叶うものとなっている。
また(例えば特許文献3参照)、長手方向に引張力を付与して鋼板に熱処理を行うと長手方向には伸び変形が生じ幅方向と厚み方向には縮み変形が生じるところ、そのような熱処理を結晶粒微細化のため何回も繰り返すと、その変形が蓄積されて増大するが、結晶粒微細化処理後に駄肉を切り落としたり必要部分だけ打ち抜いたりすることで比較的容易に要求仕様に適うことができる長手方向や幅方向と異なり、後加工での調整が何かと不都合な板厚については、後加工が不要になるような鋼板の選定や選定鋼板の処理内容調整を行えるよう而もそれを簡便に行えるよう、板厚よりも安直に測れて而も測定内容も絞り込める物理量である長手方向伸びを板厚縮みの代わりに用いて引張力付与式結晶粒微細化処理の内容を調整するようになった鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法もある。
特開2006−348339号公報 特開2009−167440号公報 特開2011−063871号公報
このような従来の鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法では、有限長の鋼板に引張力を付与しながら移動加熱を繰り返す引張力付与式結晶粒微細化処理を採用したことで、鋼板の硬さや靱性を共に高めることができるようになっている(特許文献2参照)。また、長手方向伸びを板厚縮みの代わりに用いて引張力付与式結晶粒微細化処理の内容を調整することで、板厚の後加工を省くことまでできるようになっている(特許文献3参照)。
ところが、当初の要求仕様に応えると、それより厳しい仕様を満たすことが求められ、それに応えるには鋼板に付与する引張力を強化することが有効なことがあるが、そのような要請に応えるべく引張力を強化し続けると、いずれ、熱処理時に鋼板の端部を保持する挟持具の挟持力による摩擦力を引張力が上回って、クランプ位置がずれたり、さらには鋼板の保持能力を喪失することにもなりかねない。そのため、鋼板保持機構の鋼板保持力を挟持力の限界よりも高めることが必要となる。そして、そのような対策として、先ずは、挟持具を保持力の強い他の保持具にて置き換えることが考えられる。
しかしながら、挟持具は、鋼板用クランパとして実績を重ねたものであり、使い易いばかりか、薄い鋼板の保持には欠かせない。すなわち(特許文献2参照)、引張力付与式結晶粒微細化処理の最中に鋼板の端を全幅に亘って挟持することで、簡便に、鋼板の両端部を真っ直ぐにするとともに、引張力を鋼板のほぼ全域で均一化できるので、鋼板の曲りや歪みを矯正するのにも役立っている。そのため、挟持具の使用は継続したい。
そこで、挟持具を使用し続けながらも不足の保持力を簡便に補えるように改良することが第1技術課題となる。
また、不足の保持力を補う手段を付加するに際して、少なくとも全幅挟持での引張力付与による鋼板の曲りや歪みの矯正の機能を損なわないようにすることが必要であり、できれば、その矯正機能が高まるようにすることが望ましい。
そこで、鋼板の曲りや歪みの矯正についても優良な処理結果が得られるように改良することが第2技術課題となる。
さらに、鋼板の両端部は、挟持等によって不所望に変形したり、中央部に対する適切な熱処理から外れた不所望な加熱や冷却によって細粒化が不十分だったりするので、後加工で切り捨てられるが、その切り捨て分が少なくなるようにすることが望ましい。
そこで、鋼板の先端の近くまで中央部と同様に熱処理することができるように改良することが第3技術課題となる。
本発明の鋼板熱処理装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、急熱とこれに続く急冷とを適用する熱処理を繰返し施して行う結晶粒微細化処理の対象となった鋼板の長手方向の両端を全幅に及んで把持する把持部と、前記把持部に作用して前記鋼板を長手方向に引っ張る引張力付与部材と、前記把持部にて保持された前記鋼板に対し幅方向には全域に亘り長手方向には一部区間で対峙するように配置された急熱用の誘導子と、この誘導子の隣に又は近くに配置されて前記鋼板に対し幅方向には全域に亘り長手方向には一部区間で対峙する急冷用の放水部とを備えていて、前記鋼板と前記誘導子および前記放水部とを長手方向に相対移動させながら前記鋼板に誘導加熱とこれに続く放水冷却とを順次適用する鋼板熱処理装置において、前記把持部が、前記鋼板の長手方向の端部を全幅に及んで挟持する挟持具に加えて、前記鋼板の長手方向の端部の穿孔に引っ掛かる引掛具も具備していることを特徴とする。
また、本発明の鋼板熱処理装置は(解決手段2)、上記解決手段1の鋼板熱処理装置であって、前記引掛具が前記挟持具の一部に突部として形成されたものであることを特徴とする。
さらに、本発明の鋼板熱処理装置は(解決手段3)、上記解決手段1,2の鋼板熱処理装置であって、前記把持部は、前記鋼板の長手方向の端部の全幅のうち中央部分を把持する部位が前記挟持具に加えて前記引掛具も設けられて引掛追設部になっているのに対し、前記中央部分より幅方向で縁側の部位には前記挟持具が設けられているが前記引掛具が設けられていない引掛不設部になっていることを特徴とする。
また、本発明の鋼板熱処理装置は(解決手段4)、上記解決手段1〜3の鋼板熱処理装置であって、前記把持部において前記挟持具と前記引掛具とが非磁性体にて保持されていることを特徴とする。
また、本発明の鋼板熱処理装置は(解決手段5)、上記解決手段1〜4の鋼板熱処理装置であって、前記把持部のうち前記鋼板の長手方向の端部と直に接する部分が、前記鋼板の長手方向の端部の全幅に対して完全に連続しているのでなく複数箇所に分散した欠落部を含んだ断続状態になっており、且つ、前記欠落部が、前記把持部にて保持された前記鋼板の長手方向の端部を越えていて、前記放水部から前記鋼板上に放たれた水を前記鋼板の長手方向の先端より落下させうるようになっていることを特徴とする。
また、本発明の鋼板熱処理装置は(解決手段6)、上記解決手段3の鋼板熱処理装置であって、前記鋼板の長手方向の端部の複数の穿孔のうち中央部分の穿孔に対しては前記引掛追設部の前記引掛具が作用するとともに中央部分以外の穿孔に対しては前記引掛不設部の前記挟持具が作用するようになっていることを特徴とする。
また、本発明の鋼板熱処理方法は(解決手段6)、上記解決手段3の鋼板熱処理装置を用いる鋼板熱処理方法であって、前記鋼板熱処理装置で前記鋼板に熱処理を施すのに先立って前記鋼板の長手方向の端部に穿孔する際、前記引掛追設部にて把持される部分に加えて、前記引掛不設部にて把持部される部分にも、穿孔することを特徴とする。
このような本発明の鋼板熱処理装置にあっては(解決手段1)、挟持具を具備した把持部に引掛具まで追加したことにより、挟持具だけでは不足する保持力が引掛具によって補われるので、鋼板の全幅に及ぶ挟持具の利点を損なうことなく、保持力を強化することができる。しかも、引掛具の利用は、鋼板の適宜箇所に穿孔することで簡便に行える。
したがって、この発明によれば、挟持具を使用し続けながらも不足の保持力を簡便に補える鋼板熱処理装置を実現することができ、上述した第1技術課題が解決される。
また、本発明の鋼板熱処理装置にあっては(解決手段2)、挟持具と引掛具とを一体物にしたことにより、装置組立時の部材取付け作業では、挟持具の装着に随伴して引掛具の装着が済ませられるうえ、装置への鋼板セッティング作業でも、一回の挟持動作で引掛動作まで随伴して行われるので、作業が簡便かつ迅速に行えることとなる。
したがって、この発明によれば、使い易さを損なうことなく第1技術課題を解決することができる。
さらに、本発明の鋼板熱処理装置にあっては(解決手段3)、挟持具も引掛具も設けた引掛追設部を鋼板の長手方向の端部の全幅のうち中央部分に限定したことにより、その両縁側に掛かる引張力が全幅の中央部分より小さくなりやすくなっている。
このように全幅配置の挟持具と併用する引掛具は全幅に分布させるよりも中央部分に限定した方が、挟持具の全幅配置からの類推に反して、鋼板の曲りや歪みがより的確に矯正されるということが、種々の試行錯誤を重ねた結果、見いだされた。
それらの実験結果では、引掛追設部を全幅の半分以下に制限して幅方向の中央に配置すれば、ほとんど場合に、従来より良好な矯正結果が得られた。
その要因を探ると、引掛具は挟持具と異なり引張力が過大になっても位置ずれで緩和されることがないところ、引掛具による引張力は、鋼板の端部の全幅の中央部分に引掛具を作用させた場合は幅方向において両側へ広く分散しながら長手方向へ伝わるが、鋼板の端部の全幅の縁部に引掛具を作用させた場合は、長手方向への伝達において幅方向へは片側しか分散しないので、局所的に過剰強化になりがちなためと思われる。
したがって、この発明によれば、鋼板の曲りや歪みの矯正にも優れる鋼板熱処理装置を実現することができ、上述した第1技術課題に加えて第2技術課題も解決される。
また、本発明の鋼板熱処理装置にあっては(解決手段4)、挟持具と引掛具との保持部材に非磁性体を採用したことにより、鋼板に流れる誘導電流に対する把持部の影響が緩和されるので、鋼板の長手方向の両端部の誘導加熱が従来よりも適正化される。
したがって、この発明によれば、端部の加熱状態の適正化により鋼板の先端の近くまで中央部と同様に熱処理することができる鋼板熱処理装置を実現することができ、上述した第1技術課題に加えて第3技術課題も解決される。
また、本発明の鋼板熱処理装置にあっては(解決手段5)、欠落部が無いと把持部の近くに不所望なまで多量に滞留する冷却水が、新たに設けられた欠落部を通って鋼板の先端から落下することで、鋼板上から鋼板外へ速やかに排出されるので、鋼板端部の過剰な冷却を回避することができる。
しかも、鋼板の全幅に及ぶ把持部において欠落部と直接接触部とが交互配置で分散しているので、鋼板の長手方向の両端部の全幅で過剰な冷却を回避することができる。
したがって、この発明によれば、端部の冷却状態の適正化により鋼板の先端の近くまで中央部と同様に熱処理することができる鋼板熱処理装置を実現することができ、上述した第1技術課題に加えて第3技術課題も解決される。
また、本発明の鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法にあっては(解決手段6)、把持部の引掛不設部による把持についても鋼板の穿孔が係わるようにしたことにより、引掛具の引張力が加わる引掛追設部ほどではないが、引掛具の無い引掛不設部であっても、平坦面に対する挟持具の挟持力より穿孔に対する挟持具の挟持力の方が強いので、それなりに保持力が強化される。そのため、引張力の分布状態を概ね維持しながら全体の引張力を更に底上げすることが可能となるので、利点を損なうことなく又は利点を増しながら結晶粒微細化処理の適用範囲を更に高張力側へ広げることができる。
したがって、この発明によれば、引掛不設部の挟持力まで簡便に強化されるので、上述した第1技術課題に加えて第2技術課題も高度に解決される。
本発明の実施例1について、鋼板熱処理装置の構造を示し、(a)が水受器を外した装置の正面図、(b)が鋼板保持機構の平面図、(c)が把持部の縦断正面図である。 (a)が鋼板の平面図、(b)が鋼板保持中の一対の把持部の正面図、(c)が把持部の縦断正面図である。 (a),(b)が何れも把持部の縦断正面図である。 (a)が一対の把持部の正面図とその下側部分の平面図、(b)が鋼板保持中の一対の把持部の正面図とその下側部分の平面図、(c)が鋼板保持中の一対の把持部の正面図とその上側部分の平面図である。 (a)が挟持具の平面図と側面図、(b)が引掛具一体化挟持具の平面図と側面図、(c),(d),(e)が何れも引掛具一体化挟持具の平面図である。
このような本発明の鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜5に示した実施例1は、上述した解決手段1〜5,6(出願当初の請求項1〜5,6〜7)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際し、断面にはシングルハッチングを施し幅の広狭で部材を区別したが、表面は、白地のまま残す他、空間や他部材との区別の容易化のため、散点模様や,格子模様,ダブルハッチング等を適宜付している。
また、それらの図示に際して、簡明化等のため、電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
さらに、従来の誘導加熱装置用のものと同じでよい一般的な部材や機構、例えばプッシャーや,高周波電源,給排水設備なども、図示を割愛した。
本発明の鋼板熱処理装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、(a)が水受器を外した鋼板熱処理装置20の正面図、(b)が鋼板保持機構30の平面図、(c)が把持部40の縦断正面図である。
また、図2は、(a)が結晶粒微細化処理対象の鋼板10の平面図、(b)が鋼板10とそれを保持している一対の把持部40,40との正面図、(c)が開状態で空の把持部40の縦断正面図である。
さらに、図3は、(a)が開状態のところへ鋼板10の端部を挿入した把持部40の縦断正面図、(b)が閉じて鋼板10を把持した把持部40の縦断正面図である。
また、図4は、(a)が一対の把持部40,40の正面図と,その下側部分の平面図であり、(b)が鋼板10を保持している一対の把持部40,40の正面図と,その下側部分の平面図であり、(c)が鋼板10を保持している一対の把持部40,40の正面図と,その上側部分の平面図である。
また、図5は、(a)が挟持面を波形に加工した挟持具41の平面図と側面図、(b)が右寄り引掛具一体化挟持具41+42の平面図と側面図、(c)が左寄り引掛具一体化挟持具41+42の平面図、(d)が左右対称の引掛具一体化挟持具41+42の平面図、(e)が挟持面の大部分を波形にした引掛具一体化挟持具41+42の平面図である。
この鋼板熱処理装置20は(図1(a)参照)、結晶粒微細化処理の対象となった有限長で薄い鋼板10に結晶粒微細化処理として急熱とこれに続く急冷とを適用する熱処理を繰返し施して行う際に、鋼板10をその長手方向に移動させながら、鋼板10に対して誘導加熱によって急熱を適用するとともに、これに続く放水冷却によって鋼板10に急冷を適用するものであるが、その順次適用を横置き水平移動にて遂行するために、簡略図示した誘導子21と放水部22と台24と脚部25,26と鋼板保持機構30と、図示しない高周波電源装置と水冷装置と水受器と制御装置(コントローラ)とを具えている。
これらのうち鋼板保持機構30以外は、公知の従来品で足りるので(例えば特許文献1〜3参照)、簡潔に例示すると、鋼板10は、材質がJIS G3128(SHY)やJIS G4103(SNCM)で、サイズが厚さ3〜12mm×幅300〜800mm×長さ500〜2000mmである。誘導子21は、水冷可能な銅管等の電気良導体からなり、放水部22は、放水口を多数形成された管体からなり、何れも、コイル状に捲回されて、鋼板保持機構30に保持された鋼板10と幅方向には全域に亘り長手方向には一部区間で対峙する状態で、台24のほぼ中央位置に近接して又は隣接して装着されている。
台24は、鋼板10を保持する鋼板保持機構30の概ね二倍の長さを持った直線状・平行線状の枠体等を主体としたものであり、それに鋼板保持機構30を搭載させて長手方向に定速や高速で直線移動・往復移動させるようになっている。この例では、台24の両端が固定的な脚部25,26で支持されていて、制御装置の制御に従って鋼板保持機構30ひいては鋼板10が水平な状態で往復移動させられるようになっている。
高周波電源装置と水冷装置は、やはり制御装置の制御に従って、鋼板10の急熱に必要な高周波電力を誘導子21に供給するとともに、鋼板10の急冷に必要な冷却水を放水部22に供給するようになっている。
鋼板保持機構30は(図1(b)参照)、鋼板10の長手方向の両端を全幅に亘って挟持して鋼板10をその長手方向に引っ張るために、台24に直線移動可能に装着される可動枠31と、この可動枠31に固定された把持部40と、これに対向配置され可動枠31には固定されていないもう一つの把持部40と、この非固定の把持部40に作用して一対の把持部40,40を引き離そうとすることにより一対の把持部40,40の間の鋼板10に引張力をかける引張力付与部材32とを具えている。引張力付与部材32は、油圧シリンダ等で具体化されており、鋼板10に常時一定の引張力を掛けるために、図示しない圧力フィードバックの自動制御がなされるようになっている(特許文献2参照)。
把持部40は(図1(c)参照)、全長が鋼板10の全幅以上である点や、鋼板10の端部を乗せ易いよう下側が固定されていて鋼板10の端部を把持したり放したりするための開閉が上側の揺動によって行われる点で、従来と同様のものであり(特許文献2参照)、高い強度や剛性を要するので鋼材などから作られている下側の固定クランプ44と固定支軸45と揺動駆動部46と揺動クランプ47とを具備している。揺動クランプ47が固定支軸45を揺動中心とし、揺動クランプ47の把持側の揺動端部が固定クランプ44の上方に位置し、揺動クランプ47の非把持側の揺動端部が揺動駆動部46に連結しているので、揺動駆動部46の駆動に応じて揺動クランプ47が揺動することにより、固定クランプ44と揺動クランプ47との開度が可変されるようになっている。
この把持部40は、従来と異なり、固定クランプ44と揺動クランプ47とが鋼板10を直に把持するのでなく、それらに装着された上下の挟持具41や引掛具42にて鋼板10の端部を把持するものとなっている。具体的には、揺動クランプ47の揺動端部には上側のホルダ43を介在させて挟持具41が装着されており、固定クランプ44の上端部には下側のホルダ43を介在させて挟持具41か引掛具42が装着されている。引掛具42は、後で詳述するが、把持部40の全長や鋼板10の全幅に亘って設けられている訳でなく、中央部の引掛追設部(52)にだけ離散的に設けられている。これに対し、挟持具41は、上側ばかりか下側も把持部40のほぼ全長域に設けられていて、鋼板10の長手方向の端部を全幅に及んで挟持するものとなっているが、やはり後で詳述するように、完全に連続しているのでなく、複数箇所に欠落部(48)を含んで断続状態になっている。
挟持具41や引掛具42は硬くて強い工具鋼などから作られるが、それらと固定クランプ44や揺動クランプ47との間に介在するホルダ43は、上側のものも下側のものも、高周波焼き入れ用の磁力の影響を受け難いステンレス鋼やりん青銅アルミニウム合金などから作られている。
さらに、これも後で詳述するように、引掛追設部(52)に配置される挟持具41と引掛具42は、引掛具42が挟持具41の一部に突部として形成されて、引掛具一体化挟持具41+42となっている。
鋼板10の長手方向の両端部には(図2(a)参照)、鋼板熱処理装置20で熱処理を施すのに先立って、予め、幅方向に適宜な間隔で多数(図示の例では等ピッチで6個)の穿孔11が形成されるが、その穿孔11より引掛具42の突部が少し小さいので、引掛具42は、穿孔11に入り込んで穿孔11に引っ掛かるものとなっている。
また、厚さの異なる鋼板10に同じ把持部40を共用しうるように、引掛具42の高さは最薄の鋼板10の厚さより小さくなっている。
このような鋼板10の両端を一対の把持部40,40にて把持させるには(図2(b)参照)、上述したように把持部40の開閉部(挟持部)では、引掛具一体化挟持具41+42を装備した開閉部下側部分が固定され、挟持具41を装備した開閉部上側部分が上下動するようになっているので、先ず(図2(c)参照)、揺動クランプ47の揺動にて上側のホルダ43及び挟持具41を上昇させて、上側の挟持具41と下側の引掛具一体化挟持具41+42とを離隔させる。次に(図3(a)参照)、その開閉部(41,42)の間隙に鋼板10の端部を差し込んで鋼板10を開閉部下側部分に載せ置くが、その際に、鋼板10の穿孔11が引掛具42の直ぐ上に来るように、できれれば引掛具42が穿孔11に入り込むように、位置合わせする。
それから(図3(b)参照)、揺動クランプ47の揺動にて上側のホルダ43及び挟持具41を下降させて、開閉部(41,42)を閉じれば、把持部40が鋼板10の端部を引っ掛けながら挟持するようになっている。その閉動作時には、制御装置が、穿孔11における引掛具42の遊びを自動解消するシーケンス制御を行うようにもなっている。
すなわち、制御装置は、上述した引張力付与部材32の圧力制御に加えて、揺動駆動部46の油圧シリンダの作動油の圧力検出に基づく挟持力のフィードバック制御も行うようになっており、両圧力制御を利用することで、閉時初期は挟持力を小さく維持しておいて、熱処理時より弱いながらも挟持具41の摩擦力よりは強い引張力を掛けて引掛具42を穿孔11の内壁に当接させ、その当接が圧力上昇で検出できたら、熱処理遂行に適うところまで挟持力を十分に強め更に引張力も十分に強めるようになっている。
さらに、このような把持部40の開閉部の下側部分について、鋼板10の幅方向に対応する奥行方向における状態を述べると(図4(a)参照)、固定クランプ44に幾つか(図示の例では5個)の欠落部48が切欠形成されていて、把持部40のうち鋼板10の長手方向の端部と直に接する部分である挟持具41と、それを保持するホルダ43とが、鋼板10の長手方向の端部の全幅に対して完全に連続しているのでなく、複数箇所(図示の例では6箇所)に分散した断続状態になっている。
しかも、そのように分散した複数箇所(図示の例では6箇所)のうち、鋼板10の長手方向の端部の全幅のうち中央部分を把持する部位に該当する箇所(図示の例では中央の2箇所)は引掛追設部52になっており、そこには引掛具一体化挟持具41+42が設けられている。これに対し、その中央部分より幅方向(奥行方向)で縁側(前後・外側)の部位に該当する箇所(図示の例では手前の2箇所と奥の2箇所)は引掛不設部51,51になっており、そこには引掛具42の無い挟持具41が設けられている。
また(図4(b)参照)、把持部40における欠落部48の形成は、把持部40に把持された鋼板10の穿孔11の所に欠落部48が来ないように、穿孔11,11の間か穿孔11の外側に対応する部位に限られている。これにより、把持時には挟持具41も引掛具42も何れかの穿孔11の所に来て、挟持具41は穿孔11に覆い被さり、引掛具42は穿孔11に入り込むので、把持部40は、鋼板10の長手方向の端部の複数の穿孔11のうち中央部分の穿孔11に対しては引掛追設部52の引掛具一体化挟持具41+42が作用するとともに、中央部分以外の穿孔11に対しては引掛不設部51の挟持具41が作用するものとなっている。
把持部40の開閉部の上側部分にも(図4(c)参照)、鋼板10の幅方向に対応する奥行方向における状態については、下側部分と一対一で対応する複数箇所に同様の欠落部48が切欠形成されていて、把持部40のうち鋼板10の長手方向の端部と直に接する部分である挟持具41が、鋼板10の長手方向の端部の全幅に対して完全に連続しているのでなく複数箇所に分散した欠落部48を含んだ断続状態になっている。なお、ここでは、把持部40の開閉部の上側部分には引掛具一体化挟持具41+42は設けられておらず、挟持具41だけが穿孔11対応の複数箇所(図示の例では6箇所)に配設されている。
また(図4(b),(c)参照)、欠落部48は、把持部40の開閉部の上側部分に形成されたものであれ、下側部分に形成されたものであれ、何れも、挟持具41や引掛具一体化挟持具41+42はもちろんホルダ43も切り裂いて固定クランプ44や揺動クランプ47の途中まで達しているので、把持部40に鋼板10を保持させた状態では、欠落部48が鋼板10の長手方向の端部を越えるため、熱処理時に放水部22から鋼板10の上に放たれた水を鋼板10の長手方向の先端より落下させうるようになっている。
ここで(図5参照)、挟持具41や引掛具一体化挟持具41+42の好適例を幾つか挙げるが、何れも欠落部48による分断によって小片化されて製造容易になっている。なお、図示した段付き貫通穴は、何れも、取付用ボルトの挿通穴である。
先ず(図5(a)参照)、挟持具41は、鋼板10との接触面を高低差1〜2mm程度の波形にして摩擦力ひいては挟持力を強化している。接触面の形状には、波形であれば図示した直線状三角波や鋸歯状波が使い易いが、曲がっていても良く、錐体等の尖りを分布させても良い。引張力の増強を総て引掛具42の加勢に委ねるのであれば、挟持具41の接触面は、平坦であっても良く、面粗度を粗く仕上げる程度でも良い。
次に(図5(b)〜(d)参照)、引掛具一体化挟持具41+42は、挟持具41における鋼板10との接触面の一部に、薄い円板状の突部を形成して、これを引掛具42としたものである。ボルト挿通穴との配置割の関係で引掛具42を挟持具41の中央に配置できない場合は(図5(b),(c)参照)、中央より手前か奥かで両者を使い分けるが、引掛具42を挟持具41の中央に配置できれば(図5(d)参照)、挟持具41と同様に、引掛具一体化挟持具41+42も一態様で済む。引掛具42が突き出ているため、引掛具一体化挟持具41+42のうち鋼板10との接触面は、切削等の加工を施しづらいが、そこにも上述の挟持具41と同様の加工を施した方が(図5(e)参照)、把持部40による挟持状態が鋼板10の全幅に亘って均一化されるので、好ましい。
この実施例1の鋼板熱処理装置20を用いて行う本発明の鋼板熱処理方法について、図面を引用して説明する。
結晶粒微細化処理の対象となった鋼板10には(図2(a)参照)、結晶粒微細化のための熱処理を施すのに先立って、鋼板熱処理装置20にセットする前に予め、長手方向の両端部に穿孔11を穿孔しておくが、その際(図4参照)、把持部40のうち引掛追設部52にて把持される部分に加えて、引掛不設部51にて把持部される部分にも、穿孔11を形成しておく。また、鋼板熱処理装置20には、通電量や,放水量,移動速度,処理回数など結晶粒微細化処理に適した既知の値を設定しておく(特許文献2など参照)。
鋼板熱処理装置20の初期設定や調節が済んだら、台24上の可動枠31の両端部に装備されている一対の把持部40,40を開かせておき、利用可能なクレーンや鋼板吸着機等を備えたハンドリング装置で処理対象の鋼板10を保持して、鋼板10を誘導子21及び放水部22に挿入し、鋼板10の両端を上述のようにして把持部40,40に把持させる(図2(c),図3(a),(b),図4(b),(c),図1(b)参照)。それから、鋼板10を保持した鋼板保持機構30を台24の片側に移動させるとともに(図1(a)参照)、引張力付与部材32にて鋼板10に所要の引張力を掛けると、結晶粒微細化のための熱処理の準備が整う。
その後は結晶粒微細化のための熱処理が鋼板熱処理装置20によって自動で行われるが、その手順等は公知なので(例えば特許文献1〜3参照)、概要を述べると、鋼板保持機構30の定速送りにて鋼板10を誘導子21と放水部22に対して鋼板10の長手方向に相対移動させながら、誘導子21での誘導加熱によって鋼板10の局所を急熱するとともに、放水部22での放水によって鋼板10の局所を急熱後に急冷する、という移動方式の焼き入れが結晶粒微細化に必要なだけ鋼板10に対して繰り返される。
こうして、所望の熱処理を終え、鋼板10の温度が下がったら、処理済みの鋼板10を鋼板熱処理装置20から外すが、その作業も、把持部40の開動作等で容易に行える。
しかも、本発明の鋼板熱処理装置20にあっては、鋼板10の両端部が、把持部40の挟持具41によって、断続的ではあるが全幅に及んで挟持されて、真っ直ぐな状態に形状強制されているので、熱処理後には曲りや歪みが矯正される。その矯正は、結晶粒微細化のため鋼板10に付与された長手方向の引張力によって、鋼板10の中央部へも押し広げられるので、鋼板10の全域で曲りや歪みが矯正されるが、引掛具42の加勢によって挟持具41の挟持力が補強されて、鋼板10の引張力が強化されるため、曲りや歪みの矯正能力も向上する。さらに、全幅配置の挟持具41と併用する引掛具42は全幅でなく中央部分に限定したことにより、鋼板10の曲りや歪みがより的確に矯正される。試作機での実験結果を挙げると、挟持具41だけでなく引掛具42も全幅配置したときには最大値5〜7mm程度の歪みが発現していたのに対し、引掛具42を6箇所のうち中央の2箇所に限定した本実施例では、歪み最大値が2〜3mm程度まで改善されている。
また、本発明の鋼板熱処理装置20にあっては、挟持具41や引掛具一体化挟持具41+42の保持部材に非磁性体からなるホルダ43が採用されているため、誘導子21にて鋼板10の端部に流される誘導電流が把持部40の磁化によって過剰になるという不所望な把持部40の影響が、従来品に比べて緩和される。
さらに、そこへ放水部22から注がれた冷却が、把持部40に分散形成された欠落部48を通って速やかに、鋼板10の上から落下排出されるため、滞留水による過剰な冷却や蒸気の泡による冷却の斑といった不所望な冷却も従来より軽減される。
このように、鋼板10の長手方向の両端部について、誘導加熱も水冷も従来より適正化されるため、結晶粒微細化不良のため後加工で切り捨てる分量が少なくて済む。
[その他]
上記実施例では、引掛具一体化挟持具41+42が把持部40の開閉部の下側にしか設けられていなかったが、引掛具一体化挟持具41+42を把持部40の開閉部の上下両方に設けても良く、下側の引掛具42と穿孔11との嵌合を利用した位置合わせが不要なら引掛具一体化挟持具41+42の配設を把持部40の開閉部の上側だけにしても良い。
上記実施例では、台24が水平な固定台であったが、台24は、高さ調整可能な台でも良く、縦型の台でも良く(特許文献1参照)、傾斜した固定台でも良く、傾斜角を変えられる台でも良く(特許文献2参照)、例えば脚部25,26をシリンダ等で伸縮可能にすれば高さも傾きも可変調整することができる。
上記実施例では、引張力付与式結晶粒微細化処理による板厚の変化には言及しなかったが、引張力を強化すると板厚の変化量が増すので、適宜な物理量を測定してそれに応じて引張力付与式結晶粒微細化処理の内容を調整するのも良い(例えば特許文献3参照)。
上記実施例では、引掛具42が挟持具41と一体化されていたが、その要件を外して良ければ、引掛具42を鋼板10の挟持後に装着するようにしても良い。例えば、上記実施例で引掛具42が形成されていた所に挟持具41もホルダ43も貫通する縦孔を予め穿孔形成しておき、そこへ挟持後にストッパ付きピンを挿入するようにしても良い。
本発明の鋼板熱処理装置および鋼板熱処理方法は、薄板の有限長鋼板に適用が限定される訳でなく、両端の把持にて保持されるとともに適度な引張力が付与されるのであれば、厚板に近い又は厚板に属する有限長鋼板にも適用することができる。挟持具に引掛具が加勢して引張力が増強されているので、適用範囲が厚板側へ広がっている。
10…鋼板(薄板)、11…穿孔、
20…鋼板熱処理装置、
21…誘導子、22…放水部、24…台、25,26…脚部、
30…鋼板保持機構、31…可動枠、32…引張力付与部材、
40…把持部、
41…挟持具、42…引掛具、43…ホルダ(非磁性体)、
44…固定クランプ、45…固定支軸、46…揺動駆動部、
47…揺動クランプ、48…欠落部、51…引掛不設部、52…引掛追設部

Claims (7)

  1. 急熱とこれに続く急冷とを適用する熱処理を繰返し施して行う結晶粒微細化処理の対象となった鋼板の長手方向の両端を全幅に及んで把持する把持部と、前記把持部に作用して前記鋼板を長手方向に引っ張る引張力付与部材と、前記把持部にて保持された前記鋼板に対し幅方向には全域に亘り長手方向には一部区間で対峙するように配置された急熱用の誘導子と、この誘導子の隣に又は近くに配置されて前記鋼板に対し幅方向には全域に亘り長手方向には一部区間で対峙する急冷用の放水部とを備えていて、前記鋼板と前記誘導子および前記放水部とを長手方向に相対移動させながら前記鋼板に誘導加熱とこれに続く放水冷却とを順次適用する鋼板熱処理装置において、前記把持部が、前記鋼板の長手方向の端部を全幅に及んで挟持する挟持具に加えて、前記鋼板の長手方向の端部の穿孔に引っ掛かる引掛具も具備していることを特徴とする鋼板熱処理装置。
  2. 前記引掛具が前記挟持具の一部に突部として形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の鋼板熱処理装置。
  3. 前記把持部は、前記鋼板の長手方向の端部の全幅のうち中央部分を把持する部位が前記挟持具に加えて前記引掛具も設けられて引掛追設部になっているのに対し、前記中央部分より幅方向で縁側の部位には前記挟持具が設けられているが前記引掛具が設けられていない引掛不設部になっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された鋼板熱処理装置。
  4. 前記把持部において前記挟持具と前記引掛具とが非磁性体にて保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された鋼板熱処理装置。
  5. 前記把持部のうち前記鋼板の長手方向の端部と直に接する部分が、前記鋼板の長手方向の端部の全幅に対して完全に連続しているのでなく複数箇所に分散した欠落部を含んだ断続状態になっており、且つ、前記欠落部が、前記把持部にて保持された前記鋼板の長手方向の端部を越えていて、前記放水部から前記鋼板上に放たれた水を前記鋼板の長手方向の先端より落下させうるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載された鋼板熱処理装置。
  6. 前記鋼板の長手方向の端部の複数の穿孔のうち中央部分の穿孔に対しては前記引掛追設部の前記引掛具が作用するとともに中央部分以外の穿孔に対しては前記引掛不設部の前記挟持具が作用するようになっていることを特徴とする請求項3記載の鋼板熱処理装置。
  7. 請求項3記載の鋼板熱処理装置を用いる鋼板熱処理方法であって、前記鋼板熱処理装置で前記鋼板に熱処理を施すのに先立って前記鋼板の長手方向の端部に穿孔する際、前記引掛追設部にて把持される部分に加えて、前記引掛不設部にて把持部される部分にも、穿孔することを特徴とする鋼板熱処理方法。
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