JP6146245B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
シートバックの背面部に構成するポケット構造は、シートバックの背面部に面してポケット形成体が配設されて、上部が開口した袋状のポケット構造とされている。このポケットにおける開口部は物を入れる度に利用される部位であるため、剛性確保及び見栄え向上を図る観点から、ポケット形成体の開口部形成部位には樹脂製で板状の芯材が配設されて形成されている。
芯材は樹脂で形成されているため、長期使用していると樹脂の芯材にへたりが生じ、ポケット形成体の開口部形成部位の剛性が不充分となって、見栄えに影響を及ぼすことがあった。このため、樹脂の芯材に線状のワイヤ等をインサートして長期に亘って剛性を維持する方策が考えられるが、この場合には、部品点数が増えるという別の問題を生じる。
すなわち、シートバックの背面部に、当該背面部に面して配設されるポケット形成体により袋状に形成されるポケットを備えた乗物用シートであって、前記ポケット形成体の少なくともポケット開口部を形成する開口部形成部位には樹脂製で板状の芯材が配設されており、該芯材のシート幅方向の両端部は、シートバックの両側に配設されるシートバックフレームとオーバラップした配置関係として配置されていることを特徴とする。
なお、上述した乗物シートにおける前記芯材の両端部とシートバックフレームとのオーバラップした配置関係は、芯材がシートバックフレームより外側位置である配置関係、又は芯材がシートバックフレームより内側位置である配置関係がある。
図1は自動車に代表される乗物用シート10(以下、単に「シート10」と称することがある)のシートバック12を後方から見た斜視図である。通常、シート10は、着座者の座部となるシートクッション(不図示)と、背凭れとなるシートバック12と、頭部を支持するヘッドレスト(不図示)とから構成される。図1ではシート10のうちシートバック12のみが図示されている。本実施形態が対象とするシート10は相対的に前後位置関係に配置されるシート10のうち、前列位置に配置されるシート10を対象とするものである。前列位置のシート10のシートバック12の背面部14にポケット16が備えられていると、後列位置のシート10に着座した着座者は手荷物をこのポケット16に保管することができて便宜である。図1に示すシートバック12の背面部14のポケット16は、背面部14の幅方向の中央部位置が窪んで形成された位置に備えられている。すなわち、シートバック12の幅方向中央部位置の厚みが薄く形成されて構成されている。このため、後列位置のシート10に着座した着座者から見ると、前席のシートバック12の背面部14が窪んでいるため、それだけ利用できる空間スペースが広くなっており、ゆったりと着座できる等、有効に活用することができる。
ポケット16は、図2及び図3に示すように、外表皮26,内表皮28、芯材30とから構成されており、背面部14とにより小物を収納できる袋状に構成される。芯材30は、本実施形態では図3に良く示されるように、ポケット16の開口部16A側の上方部位置のみに配設されている。そして、本実施形態では芯材30が配設された上方部位が本発明で言う開口部形成部位に相当する。芯材30は樹脂製で板状に形成されている。この芯材30を表裏から外表皮26と内表皮28で挟んでポケット形成体25を構成している。なお、ポケット形成体25の芯材30が配設されていない下方部位置は外表皮26と内表皮28のみが重ね合わされた状態で構成されている。外表皮26と内表皮28は一体表皮で形成されており、図3に示されるようにポケット形成体25の上端で折り返して配設されている。また、図2に示すように外表皮26と内表皮28はシートバック12の背面部を形成するシートカバー24とも一体として形成されている。このポケット16を構成する外表皮26及び内表皮28と背面部14を構成するシートカバー24とを一体物として形成してポケット16を構成することは、公知の方法であるので、詳細説明は省略する(例えば、特許第5251426号公報等参照)。
なお、本実施形態では、芯材30と内表皮28及び背面部14との係止は、図3に示すように、芯材30の下方部位置で内表皮28と係止手段32により係止されていると共に、図2に示すように、両側位置で芯材30と内表皮28及び外表皮26の3者が係止手段34により一体的に係止されている。
ポケット16に小物を入れる時には、ポケット16の上方の開口部16Aから入れることになる。この場合、図2で見てポケット形成体25は後方に引かれることになる。このポケット形成体25が後方へ引かれることにより、芯材30の端部部位30Bは、サイドフレーム20とパッド部材22Aとの間の挟持状態が僅か引き抜かれた状態となりながら後方へ変形する。この端部部位30Bの変形は、中央部部位20Aより厚みが薄く形成されていることから、中央部部位20Aをあまり変形させることなく、容易に変形させることができて、スムースにポケット16に小物を入れることができる。
以上のように本実施形態によれば、芯材30はサイドフレーム20とオーバラックする位置まで延設して配設されているため、従来に比べ剛性を高くすることができて、長期に亘って良好なポケット状態を維持することができる。
芯材40の端部部位40Bの厚みは、上記の第1実施形態の場合と同様に中央部部位40Aより薄く形成されている。このため、ポケットへ小物を入れる際の変形動作は第1実施形態の場合と実質同様にして行なわれる。なお、芯材40の剛性は第2実施形態では端部部位と中央部部位の接続部がクランク状に屈曲して形成されていることから、第1の実施形態に比べ剛性が高く形成することができる。逆に見れば、第1実施形態の芯材30と第2実施形態の芯材40とを同じ剛性とするときには、第2実施形態の芯材30全体の厚みを第1実施形態の芯材30全体の厚みより薄くすることが可能となる。
図6に示すように、第2実施形態ではポケット形成体25の下方部位置は外表皮26のみで形成されている。
例えば、上記各実施形態では芯材30,40はポケット形成体25の上方部位置に配設した場合であったが、ポケット形成体25の全体に配設する構成であってもよい。
また、芯材30、40の厚みは端部部位30B,40Bと中央部部位30A,40Aとも同じ厚みであってもよい。
また、上記各実施形態では、ポケット16はシートバック12の背面部14の中央部位置を窪ませて形成し、窪んだ位置に配設したが、ポケット16を配設する背面部14は必ずしも窪んだ構成でなくてもよい。
12 シートバック
13 前面部
14 背面部
16 ポケット
16A 開口部
18 シートバックフレーム
20 サイドフレーム
22 パッド部材
24 シートカバー
25 ポケット形成体
26 外表皮
28 内表皮
30 芯材
30A 中央部部位
30B 端部部位
40 芯材
40A 中央部部位
40B 端部部位
Claims (4)
- シートバックの背面部に、当該背面部に面して配設されるポケット形成体により袋状に形成されるポケットを備えた乗物用シートであって、
前記ポケット形成体の少なくともポケット開口部を形成する開口部形成部位には樹脂製で板状の芯材が配設されており、
該芯材のシート幅方向の両端部は、前記シートバックの両側に配設されるシートバックフレームのサイドフレームとオーバラップした配置関係として、かつ、前記シートバック内部に配設されるパッド部材と前記サイドフレームとの間に挟持された状態として支持されていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記シートバックフレームのサイドフレームは横断面形状がコ字形に形成されており、
前記芯材の両端部と前記シートバックフレームのサイドフレームとのオーバラップした配置関係は、前記芯材が前記シートバックフレームのサイドフレームの断面コ字形の外側位置であることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記シートバックフレームのサイドフレームは横断面形状がコ字形に形成されており、
前記芯材の両端部と前記シートバックフレームのサイドフレームとのオーバラップした配置関係は、前記芯材がシートバックフレームのサイドフレームの断面コ字形の内側位置であることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の乗物用シートであって、
前記芯材は、前記シートバックフレームとオーバラップして配設される端部部位は中央部部位より薄い厚み形状で形成されていることを特徴とする乗物用シート。
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