JP6145622B2 - 情報提供方法および情報提供装置 - Google Patents
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Description
例えば、サインボードであれば、表示を点滅させたり表示される情報を動かしたりする方法が採用されている。テレビのコマーシャルは、サインボードなどに比べて多彩な映像を提供することができることから、映像だけでなくそのコンテンツにストーリー性を与えるなどの工夫によって、視聴者の関心を惹くことが行なわれている。
また、特許文献2には、ディスプレイ画面を見ている人の携帯端末からの信号を受信して表示内容を変化させる技術が開示されている。
つまり、特許文献1、2の技術は、デジタルサイネージのディスプレイ画面に表示される内容を、その画面を見る可能性が最も高い人に合わせて変化させることによって、ディスプレイ画面にその人の注意を惹きつけるようにする技術である。
店舗や自動販売機などに設けるような小型のディスプレイを使用したデジタルサイネージであれば、特許文献1、2の技術を採用することによって人の購買意欲を掻き立てることも可能である。しかし、複数人が同じディスプレイを見ているような状況において特定の人に合わせた広告を表示した場合には、他の人の関心を損なってしまう場合もあり、特許文献1、2の技術を採用できる状況は限られる。
とくに、特許文献3、4の技術では、画像表示と眼鏡の作動を同期させなければならないので、眼鏡がコンピュータ等から画面表示に関する情報を取得できる環境が要求される。したがって、実質的には、家庭内などの特定の環境でしか採用することは難しく、デジタルサイネージに採用することは難しい。
そして、特許文献3〜6の技術に開示されているような特別な器具を所有している人はある程度その情報に関心を有している人であり、かかる技術を採用しても、デジタルサイネージに対して新たに人の関心を惹くことは難しい。言い換えれば、特許文献3〜6の技術では、デジタルサイネージに表示されている情報に特別な興味を有していない人の新たな関心を惹くことは難しい。
第2発明の情報提供装置は、第1発明において、前記配列形成部は、複数の前記情報表示配列データと、各情報表示配列データに基づいて表示される情報配列に対応する掩蔽配列を前記表示手段によって表示させるための複数の前記掩蔽配列データと、を生成する機能を有しており、前記表示タイミング決定部は、複数の前記情報表示配列データおよび複数の前記掩蔽配列データを表示するタイミングに関する前記タイミング情報を生成することを特徴とする。
第3発明の情報提供装置は、第1または第2発明において、前記配列形成部は、前記情報配列の情報表示配列を表示する光の色と、前記情報配列と前記掩蔽配列とを重畳させたときに前記情報表示配列と重畳する情報掩蔽配列を表示する光の色とが、補色関係となるように、前記情報表示配列データおよび前記掩蔽配列データを生成することを特徴とする。
第4発明の情報提供装置は、第1、第2または第3発明において、前記配列形成部は、前記情報表示配列と前記情報配列における情報表示配列以外の背景配列との輝度差が大きくなるように前記情報配列データを生成し、前記情報掩蔽配列の輝度が前記情報配列の背景配列の輝度と同等となり、該掩蔽配列における情報掩蔽配列以外の掩蔽背景配列の輝度が前記情報表示配列の輝度と同等となるように前記掩蔽配列データを生成することを特徴とする。
第5発明の情報提供装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記データ形成手段は、ダミー配列を前記表示手段によって表示させるためのダミー配列データを生成する機能を有しており、該ダミー配列は、前記情報配列および前記掩蔽配列に重畳させたときに、前記情報配列における情報表示配列が表示される位置かつ前記掩蔽配列における情報掩蔽配列が表示される位置に該情報掩蔽配列および前記情報表示配列と異なる配列を有するものであり、前記表示タイミング決定部は、前記情報配列が表示されるタイミングと前記掩蔽配列が表示されるタイミングの間に、前記ダミー配列が表示されるように、前記タイミング情報を生成することを特徴とする。
第6発明の情報提供装置は、第1乃至第5のいずれかに発明において、前記表示タイミング決定部は、各配列データを表示させるタイミングが、人が眼前で遮光物を振ったときに、遮光物が眼前に存在しないときに眼に入射される光によって前記情報配列の情報表示配列を人が知覚し得るように、前記タイミング情報を生成することを特徴とする。
第2発明によれば、情報提供装置によって表示されている光の配列に複数の情報を秘匿して表示させることができる。とくに、情報配列と掩蔽配列の各セットごとに表示周期を切り替えれば、遮断する周期に応じて異なる情報を人が取得することができる。
第3発明によれば、情報配列に含まれている情報表示配列等の秘匿性を高くすることができる。しかも、人の眼に入る光を適切に間欠的に遮断したときに、配列の明暗のちらつきが目立たなくなるし、手を振って光を遮断する場合には手を振る速さによって虹色が観察されるなどの楽しみが増えるという利点が得られる。さらに、秘匿する情報を配列に容易に埋め込むことができる。
第4発明によれば、情報配列に含まれている情報表示配列の秘匿性を高くすることができる。しかも、赤・青・緑の単色画面であっても画面内に情報を秘匿できるし、白色の照明用バックライトであっても情報の秘匿に使用できる。また、色の知覚特性の異なる観察者に対しても同じ配列で情報を提示できるという利点が得られる。
第5発明によれば、情報配列が表示されるタイミングと掩蔽配列が表示されるタイミングの間にダミー配列が表示されるので、顔を動かすなどの偶発的な動作によって情報配列の情報表示配列等が知覚されることを防ぐことができる。
第6発明によれば、人が手などの遮光物を振るだけで、情報配列の情報表示配列等を人が知覚することができる。しかも、手などの振り方によって、情報表示配列等が見えたり見えなかったりするので、情報表示配列等を読み取る行為にゲーム性を付与できる。そして、天井照明が情報配列等を含むようにしておけば、映像に秘匿されている情報表示配列等の情報を不特定多数の人が取得することも可能となる。すると、秘匿されている情報が有用または興味深い情報であれば、かかる情報が秘匿されている可能性がある天井照明に対して、人の関心を惹くことができる。
本発明の情報提供方法は、光の配列によって情報を表示する情報提供装置を用いて情報を提供する方法であって、表示される光の配列を切り替えることによって、特定の情報を表示する配列を秘匿した状態で表示しておくことができる方法である。
また、前記ディスプレイなどのような一般的な表示装置に限らず、複数の光源からの光などによって画像や文字を生成する場合も、本発明における「光の配列によって情報を表示する」という概念に含まれる。例えば、複数本の蛍光灯が並んでいる場合などにおいて、その蛍光灯の一部を消灯し一部を点灯することによって数字や文字、画像を形成できる場合がある。このように複数本の蛍光灯の点灯消灯によって数字や文字、画像などを表示することも、本発明における「光の配列によって情報を表示する」という概念に含まれる。
本発明の情報提供方法は、提供すべき情報を表示するように光が配列された情報配列と、この情報配列の情報を秘匿するように光が配列された掩蔽配列とを、適宜切り替えて表示する方法である。前記情報配列は、提供すべき情報を表示するように光が配列された情報表示配列がその光の配列の中に含まれている配列である。
また、本明細書では、「人が光の輝度や色などを認識できない」とは、神経が感じる刺激のレベルでは光の輝度や色の相違などを区別できているが、人の意識としては、区別できていない状態を意味している。本明細書の定義からすれば、サブリミナル効果を与えるようなレベルは、「人が光の輝度や色などを知覚できる」が、「人が光の輝度や色などを認識できない」レベルに相当する。
しかも、LEDディスプレイ等をから人の眼に入る光を適切に間欠的に遮断するだけで、人が伝達したい情報を取得できる。つまり、特別な器具を使用しなくても、伝達したい情報を人が取得することができる。例えば、人が手などの遮光物を振るだけで、情報配列の情報表示配列等を人が知覚することができるのである。
例えば、手などの振り方によって、情報表示配列等が見えたり見えなかったりするので、情報表示配列等を読み取る行為にゲーム性を付与できる。
すると、秘匿されている情報が有用または興味深い情報であれば、かかる情報が秘匿されている可能性があるデジタルサイネージに対して、人の関心を惹くことができる。
逆に、容易に人が情報表示配列を取得(復号)できるようにする場合には、情報表示配列と情報背景配列の境界のコントラストが高いことが好ましい。
つぎに、上述したような本発明の情報提供方法を実現できる情報提供装置1を説明する。
なお、情報提供装置1において光の配列によって表示される情報は、画像や文字列などがあるが、以下では、光の配列によって表示される情報が画像の場合を代表として説明する。つまり、上述した情報配列が情報画像に相当し、掩蔽配列が掩蔽画像に相当し、情報配列中の情報表示配列は情報像に相当し、掩蔽配列中の情報掩蔽配列は情報掩蔽像に相当する。また、情報配列の情報背景配列が情報背景像に相当し、掩蔽配列の掩蔽背景配列は掩蔽背景像に相当する。
まず、表示手段20は、光の配列によって画像を表示することができる装置である。
表示手段20は、例えば、ブラウン管や液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ビデオプロジェクタ、LED光源を複数並べて形成したディスプレイなどであるが、上述したように、複数の光源を有するものであれば、表示手段20として使用することが可能である。
データ形成手段10は、配列形成部11と、表示タイミング決定部15と、表示データ形成部18と、を備えている。
まず、配列形成部11は、表示手段20によって表示するベースとなる画像のデータを生成する情報配列形成機能12と、掩蔽配列形成機能13と、を有している。なお、配列形成部11は、両機能で生成された両画像のデータを表示データ形成部18に送信する機能も有している。
この情報配列形成機能12は、提供すべき情報を含んだ情報像が埋め込まれた情報画像のデータ(情報画像データ)を生成する機能である。具体的には、情報配列形成機能12では、図示しない情報供給手段(USBやインターネットなど)から提供される情報を情報像の形で埋め込んだ情報画像に関する情報画像データを生成するものである。
例えば、提供すべき情報が「JPO」という文字の場合には、図4に示すような情報画像を連続的に表示手段20で表示すると、「JPO」の文字を人が視認できるように、情報配列形成機能12は情報画像データを生成する。
情報画像において、「JPO」の文字などの情報像を人が視認できるようにする方法はとくに限定されない。例えば、情報像と背景の色を変えたり、情報像の輝度と背景の輝度を変えたりするなどの方法を採用することができる。とくに、情報像と背景の色を変えた場合には、両者の色が補色の関係になるようにしておけば、情報像と背景の境界を際立たせることができるので、情報像を人が知覚認識しやすくなる。
この掩蔽配列形成機能13は、情報画像と切り替えられながら表示手段20に表示される掩蔽画像のデータ(掩蔽画像データ)を生成する機能である。言い換えれば、掩蔽配列形成機能13は、情報画像を秘匿するために表示される掩蔽画像を表示手段20に表示させるための掩蔽画像データを生成する機能である。
掩蔽画像は、情報画像と同じ画像であって、情報画像と重畳させると情報像が視認不能となるように生成された画像とすることが好ましい。
この場合には、情報画像や掩蔽画像が赤・青・緑などの単色画面であっても、かかる画面内に情報像を埋め込んで秘匿することができる。また、後述するように、バックライトなどの白色の照明であっても情報像の秘匿に使用できる。そして、色の知覚特性の異なる観察者に対しても同じ配列で情報を提示できる。
もちろん、情報画像データと掩蔽画像データのいずれかが背景画像データを有している場合には、他方のデータに含まれる情報像または情報掩蔽像を、表示データ形成部18においてその背景画像データに埋め込むようにすればよい。例えば、情報画像データが情報像のデータと背景画像データを有している場合には、この背景画像データに情報掩蔽像を埋め込むようにすればよい。
表示タイミング決定部15は、情報画像および掩蔽画像を表示するタイミングを決定し、そのタイミングに関する情報(タイミング情報)を生成する機能を有している。なお、表示タイミング決定部15は、生成されたタイミング情報を表示データ形成部18に送信する機能も有している。
表示データ形成部18は、配列形成部11から送信される情報画像データおよび掩蔽画像データと、表示タイミング決定部15から送信されるタイミング情報に基づいて、表示手段20に表示させる表示データを生成するものである。なお、表示データ形成部18は、生成された表示データを表示手段20に送信する機能も有している。
同様に、情報画像の表示枚数がT2fpsの場合には、タイミング情報に基づいて、情報画像を1秒間表示したときの光量をF2とすると、情報画像を一回表示するときの光量がF2/T2となるように、情報画像データが修正される。
つぎに、本発明の情報提供装置1を用いて、本発明の情報提供方法を実施した場合の作用効果を説明する。
なお、以下では、無地の背景に、文字情報「JPO」を情報像として埋め込んだ場合を説明する。
すると、図3に示すように、データ形成手段10の情報配列形成機能12によって、情報画像Aを表示する情報画像データが生成される(図4(A)参照)。この情報画像データには、無地の背景に、背景と識別できる状態で「JPO」の文字が情報像A1として埋め込まれる。
一方、データ形成手段10の掩蔽配列形成機能13では、情報画像Aに基づいて、掩蔽画像Bを表示する掩蔽画像データが生成される(図4(B)参照)。この掩蔽画像データは、無地の背景に、背景と識別できる状態で「JPO」の文字が情報掩蔽像B1として埋め込まれる。この掩蔽画像Bでは、背景は情報画像Aの背景色と同じ色に調整され、情報掩蔽像B1の色は、情報像A1と重ねて表示されたときに情報掩蔽像B1が背景色と同色となるように調整される。
具体的には、表示タイミング決定部15では、情報画像データに含まれる情報画像および掩蔽画像データに含まれる掩蔽画像について減光処理が行われて、修正した情報画像データおよび修正した掩蔽画像データが生成される。そして、この修正した情報画像データに基づいて所定の周期で情報画像Aが表示手段20に表示され、それ以外のタイミングでは、修正した掩蔽画像データに基づいて掩蔽画像Bが表示手段20に表示されるように、表示データが形成される。
なお、上記例では、一つの情報画像Aと一つの掩蔽画像Bのセットを繰り返して表示する場合を説明したが、かかる一対の情報画像と掩蔽画像からなる複数のセットを適宜切り替えて表示させてもよい。この場合には、セット毎に切替周期が異なりしかもその周期が大きく異なれば、複数の異なる情報を秘匿させた場合に、遮光の方法によって、特定の情報だけを認識できる状態とすることができる。
図2に示すように、配列形成部11にダミー配列形成機能14を設けて、ダミー画像を形成するようにしてもよい。
遮光物によって光を遮る方法は、眼前で手指を振る方法だけでなく、様々な方法を採用することができる。例えば、団扇や扇子にスリット(図6参照)を形成しておいて、これを人が眼前で揺り動かしても同様な効果が得られる。また、扇風機の羽根などのように、機械的に遮光物を移動させても、同様な効果が得ることができる。機械的に遮光物を移動させた場合には、遮光物が光を遮る周期を一定に保つことができるので、確実に情報を得ることができるというメリットがあり、人が手や団扇などを移動させる場合には確実に情報を見ることができない代わりに情報を見ることにゲーム性を付与できるというメリットがある。
情報画像における情報像と情報背景像とが、補色関係となっている場合の例を、図7、図8に基づいて説明する。
なお、この場合には、一の画像に対して他の2つの画像が掩蔽画像として機能することになる。つまり、背景の色がRかつ情報像の色がGの画像を情報画像とすると、背景の色がGかつ情報像の色がBの画像と背景の色がBかつ情報像の色がRの画像が掩蔽画像に相当する。また、背景の色がGかつ情報像の色がBの画像を情報画像とすると、背景の色がRかつ情報像の色がGの画像と背景の色がBかつ情報像の色がRの画像が掩蔽画像に相当する。このように、一枚の情報画像に対して、複数枚の掩蔽画像を使用してもよい。
情報画像における情報像と情報背景像の輝度差がある場合の例を、図9に基づいて説明する。
また、上記例では、表示手段20からの光が直接的に人の眼に入る場合を説明したが、ビデオプロジェクタなどを使用して、表示手段20からの光が間接的に眼に入るような場合でも、同様の効果を得ることができる。
例えば、昼間に広告看板に対してプロジェクタから情報画像などを照射した場合でも、広告看板を見ている人が、眼前で手を振るなどすれば、プロジェクタから画像が照射されている部分だけが明滅して、その明滅によって人が情報を認識することができる。
上述した情報提供装置1では、表示手段に画像が表示される場合を説明した。しかし、上述したように、表示手段として、複数本の蛍光灯を並べた天井や、液晶ディスプレイのバックライトなどを使用することができる。以下では、かかる表示手段40を使用する情報提供装置1Bについて説明する。
図11に示すように、情報提供装置1Bの表示手段40は、天井照明や、液晶ディスプレイのバックライトなどであり、複数の蛍光灯や複数のLED光源などが配列されたものである。つまり、表示手段40の光源は、通常は、人の眼に連続して光を入射できるように点灯されているものであり、高速で点滅させたり高速で光の位相や色を変化させたりすることができるものである。かかる表示手段40を構成する光源はとくに限定されないが、例えば、インバータ蛍光灯やLED照明などを表示手段40の光源として使用することができる。
なお、情報提供装置1Bの表示手段40の例としては、複数本の蛍光灯を並べた天井や、液晶ディスプレイのバックライト、行灯看板の照明、看板等に光を照射して照らすための照明等を挙げることができるが、とくに限定されない。
図11に示すように、データ形成手段30は、情報提供装置1のデータ形成手段10と同様に、配列形成部31と、表示タイミング決定部35と、表示データ形成部38と、を備えている。また、配列形成部31は、情報配列形成機能32を備えている。
情報配列形成機能32は、提供すべき情報が表示する情報表示配列を形成する情報配列データを生成する機能である。情報配列形成機能32は、表示手段40の光源がどのように配列されているかに関する情報を記憶しており、この情報に基づいて情報配列データを生成する。
情報配列形成機能32において生成される情報配列データには、例えば、表示手段40に情報表示配列を表示させるために点灯または消灯させる光源の位置を指示するデータや、情報を表示させるために各光源の光量や光の位相や色を指示するデータが含まれている。なお、上記消灯の概念には、完全に光源から光が放出されない状態だけでなく、光源から放出される光が少なくなっている状態(つまり減光されている状態)も含まれている。
表示タイミング決定部35は、提供すべき情報を表示する配列で表示手段40を点灯させるタイミングを決定し、そのタイミングに関する情報(タイミング情報)を生成する機能を有している。なお、表示タイミング決定部35は、生成されたタイミング情報を表示データ形成部38に送信する機能も有している。
表示データ形成部38は、配列形成部31から送信される情報配列データと、表示タイミング決定部35から送信されるタイミング情報に基づいて、表示手段40の点灯を制御する表示データを生成するものである。
なお、表示タイミング決定部35は、生成された表示データを表示手段40に送信する機能も有している。
また、表示タイミング決定部35は、生成した表示データに基づいて、直接表示手段40の作動(つまり点灯)を制御してもよい。
つぎに、本発明の情報提供装置1Bを用いて、本発明の情報提供方法を実施した場合の作用効果を説明する。
なお、以下では、表示手段40として、光源が「88」という数字が形成されるように並べられた棒状の蛍光灯の場合であって、提供すべき情報が「29」という数字である場合を説明する。
すると、図12に示すように、データ形成手段31の情報配列形成機能32によって、数字情報「29」を表示手段40に情報表示配列を表示させる情報配列データが生成される。つまり、表示手段40を構成する複数の光源のうち、数字情報「29」を形成するために、どの光源を点灯または消灯させるかが決定され、情報配列データが生成される。
具体的には、表示タイミング決定部15では、表示手段40の個別の光源について、情報表示配列を表示させるために、どのタイミングでどの光源を点灯または消灯させるかに関するデータが生成され、このデータが表示データとして表示手段40に送信される。
上述したよう、情報提供装置1Bでは、掩蔽状態および情報表示状態が高速で切り替わる場合を説明したが、状態の切り替わりに伴うちらつきを抑える上では、ダミー点灯させてもよい。ダミー点灯とは、全ての光源を一定の期間連続して点灯させることを意味している。ダミー点灯期間は連続して光源が光を照射するので、その期間は全くちらつきがない状態とすることができる。したがって、掩蔽状態および情報表示状態を高速で切り替えながら点灯している状態において、ダミー点灯すれば、表示手段40のちらつきを低減することができる。
例えば、行灯看板やフィルムなどの透過型のポスターの照明等を、情報提供装置1Bの表示手段40とした場合には、ダミー点灯させれば、その間は安定した状態で看板やポスターが照らしだされる。すると、看板の文字やポスターの印刷などを見やすくなる効果が得られる。
かかるダミー点灯させるためのデータは、表示データ形成部38で生成してもよいが、ダミー点灯させるためのデータを生成するためのダミー配列形成機能34を配列形成部31が有していてもよい。
また、液晶ディスプレイでは、通常、バックライトを常時点灯した状態で、液晶セルを作動させることによって画像を表示する構成としている。つまり、バックライトは、照明器具として機能させているだけである。すると、このバックライトに、複数の点光源を複数配列したものを採用すれば、バックライトは実質的にLEDディスプレイと同様の構造を有することとなる。
つまり、液晶ディスプレイによって通常の画像を表示させた状態でも、液晶ディスプレイを見た状態で、人の眼の前で指の間を開いた手などを振れば、バックライトからの光に含まれている情報を細切れの残像として人が認識できるようになる。
上述したような本発明の情報提供方法によって情報を提供する事例として、以下のような場面を想定することができる。
そして、自販機広告や街角の広告などを手を振ってみると別の情報が見えるようにすると、広告や自動販売機への誘導効果も期待することができる。とくに、広告をしているメーカー等がスポンサーとなっているスポーツチーム等の試合結果が広告に現れるようにしたりすれば、広告や自動販売機への誘導効果を高くすることができる。
情報画像と掩蔽画像、ダミー画像を複数の列などに分割して、各画像の分割された各列の情報(画像)を組み合わせて、複数の画像を構成してもよい。例えば、画像Aを、情報画像の3n列、掩蔽画像の(3n+1)列、ダミー画像の(3n+2)列で構成する。一方、画像Bを、情報画像の(3n+1)列、掩蔽画像の(3n+2)列、ダミー画像の3n列で構成する。さらに、画像Cを、情報画像の(3n+2)列、掩蔽画像の3n列、ダミー画像の(3n+1)列で構成する。すると、各画像A、B、Cの見かけは明暗が入り乱れたパターンとなるため、そのままでは情報画像を視認できないようにできる。一方、各画像A、B、Cを表示手段の画面に切り替えて表示し、部分遮蔽物を通してその画面を観察すれば、情報画像等に含まれる文字部分の輪郭を視認できるようになる。
なお、情報画像等を分割する「列」とは水平方向に分割した「列」でもよいし、垂直方向に分割した「列」でもよく、とくに限定されない。
また、各画像において、情報画像等の各列を分割する方法はとくに限定されず、各列の幅が全ての画像で同じになるように分割しなくてもよく、ランダムな幅に分割してもよい。また、各画像を分割した列を組み合わせて画像を形成するときに、各列を並べる順番も規則的に並べなくてもよく、ランダムにならべてもよい。
さらに、情報画像等の分割は、列ごとに行わなくてもよく、適当な形状(例えば四角形など)に分割して、細切れ状態としてもよい。
さらに、通常のビデオカメラ(60フレーム毎秒)で表示画面を撮影した場合には白色画面にしか撮影されないが、ビデオの前で手を振りながら撮影すると埋め込まれた文字の輪郭が再現されることをした。
なお、表示した画像は、背景画像(灰白色)に、補色関係にある2色(シアンと赤)で形成された文字を埋め込んで、情報画像(情報像:シアン、背景像:灰白色)および掩蔽画像(情報掩蔽像:赤、掩蔽背景像:灰白色)を形成した。
本実験では、このシステムを使用することによって、毎秒240フレームの速度で情報画像と掩蔽画像を交互に表示した。
図15に示すように、98〜140Hzの間であれば、人が両画像に埋め込まれている文字情報を認識する上で必要なコントラストが復号画像に再現されていることが確認できる。
また、98〜135Hzとすれば、復号画像のコントラストが向上し、98〜110Hzの間、または、130〜135Hzの間は、さらにコントラストが向上し、かつ、この周波数の間はほぼ同等のコントラストが維持されることが確認できる。
さらに、110〜130Hzでは、周波数が120Hzに近づくに従ってコントラストが急激に向上し、とくに、118〜123Hzではコントラストが非常に高い状態となることが分かる。
1B 情報提供装置
10 データ形成手段
11 配列形成部
12 情報配列形成機能
13 掩蔽配列形成機能
14 ダミー配列形成機能
15 表示タイミング決定部
18 表示データ形成部
20 表示手段
30 データ形成手段
31 配列形成部
32 情報配列形成機能
34 ダミー配列形成機能
35 表示タイミング決定部
38 表示データ形成部
40 表示手段
A 情報画像
A1 情報像
B 掩蔽画像
B1 情報掩蔽像
Claims (6)
- 光の配列によって情報を秘匿した状態であって、該秘匿した情報を視認可能とする専用機器を使用せずに人が秘匿した情報を認識し得るように表示する装置であって、
光の配列によって情報を表示する表示手段と、
提供すべき情報に関する情報表示配列を含む情報配列を前記表示手段に表示させるための情報配列データと前記表示手段によって該情報配列に重畳させると前記情報表示配列が視認不能となるように生成された前記掩蔽配列を前記表示手段に表示させるための掩蔽配列データとを生成する配列形成部を有するデータ形成手段と、を備えており、
前記データ形成手段は、
前記表示手段が各配列を表示するタイミングに関するタイミング情報を生成する表示タイミング決定部を備えており、
前記表示タイミング決定部は、
前記情報配列データおよび前記掩蔽配列データに基づいて、前記情報配列および前記掩蔽配列が前記情報配列の情報表示配列を人が知覚することができない毎秒240フレーム以上の表示速度で切り替わるように、タイミング情報を生成するものであり、
前記表示手段が、
LED光源を複数配列した天井照明である
ことを特徴とする情報提供装置。 - 前記配列形成部は、
複数の前記情報表示配列データと、各情報表示配列データに基づいて表示される情報配列に対応する掩蔽配列を前記表示手段によって表示させるための複数の前記掩蔽配列データと、を生成する機能を有しており、
前記表示タイミング決定部は、
複数の前記情報表示配列データおよび複数の前記掩蔽配列データを表示するタイミングに関する前記タイミング情報を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。 - 前記配列形成部は、
前記情報配列の情報表示配列を表示する光の色と、前記情報配列と前記掩蔽配列とを重畳させたときに前記情報表示配列と重畳する情報掩蔽配列を表示する光の色とが、補色関係となるように、前記情報表示配列データおよび前記掩蔽配列データを生成する
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報提供装置。 - 前記配列形成部は、
前記情報表示配列と前記情報配列における情報表示配列以外の背景配列との輝度差が大きくなるように前記情報配列データを生成し、
前記情報掩蔽配列の輝度が前記情報配列の背景配列の輝度と同等となり、該掩蔽配列における情報掩蔽配列以外の掩蔽背景配列の輝度が前記情報表示配列の輝度と同等となるように前記掩蔽配列データを生成する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の情報提供装置。 - 前記データ形成手段は、
ダミー配列を前記表示手段によって表示させるためのダミー配列データを生成する機能を有しており、
該ダミー配列は、
前記情報配列および前記掩蔽配列に重畳させたときに、前記情報配列における情報表示配列が表示される位置かつ前記掩蔽配列における情報掩蔽配列が表示される位置に該情報掩蔽配列および前記情報表示配列と異なる配列を有するものであり、
前記表示タイミング決定部は、
前記情報配列が表示されるタイミングと前記掩蔽配列が表示されるタイミングの間に、前記ダミー配列が表示されるように、前記タイミング情報を生成する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の情報提供装置。 - 前記表示タイミング決定部は、
各配列データを表示させるタイミングが、人が眼前で遮光物を振ったときに、遮光物が眼前に存在しないときに眼に入射される光によって前記情報配列の情報表示配列を人が知覚し得るように、前記タイミング情報を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報提供装置。
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