以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(発明に至った経緯)
特許文献1および2の表示方法では、バックライトの点滅により可視光通信信号を映像に重畳する。そのため、バックライトの消灯時間中は可視光通信信号の送信ができない。可視光通信信号を送信ができない期間は、信号の伝達ミスの要因となるため、画質を低下させた状態で通信を行うしかない。なお、本開示において、画格とは画面サイズのことである。
また、これらの方法では、画格サイズ、および焦点合わせのレベルなどの制限があるため、画像認識に時間がかかるという課題がある。
そこで本開示は、画質を大きく劣化させることなく、通信に要する制限を緩和しながら、可視光通信信号を映像に挿入して送信することができる表示方法などを提供する。
本開示の一態様に係る表示方法は、映像信号に含まれる画像をフレームごとに表示する表示方法であって、可視光通信信号を符号化することによって、可視光通信用の縞模様の画像を第1の可視光通信画像として生成する可視光通信画像生成ステップと、所定のフレームにおいて、前記映像信号に含まれる画像を表示する第1の表示ステップと、前記所定のフレームにおいて、表示される前記画像の平均輝度よりも一様に低い輝度の画像を識別用画像として表示し、続けて前記第1の可視光通信画像を表示する第2の表示ステップとを含み、前記第2の表示ステップでは、前記映像信号に含まれる画像が前記所定のフレーム内で表示された後、前記第1の識別用画像および前記第1の可視光通信画像をそれぞれ、前記所定のフレームと同じフレーム内で、当該所定のフレームよりも短い期間だけ表示する。
これにより、例えば全黒画像または一様に灰色の画像が識別用画像として表示された後に第1の可視光通信画像が表示されるため、フレームごとに表示される画像を順次露光型のイメージセンサーを用いて撮像することによって得られる撮像画像には、可視光通信信号の開始位置を示す一様に黒または灰色のラインが表れる。したがって、そのイメージセンサーを備える受信装置は、その撮像画像から可視光通信信号を容易に読み出すことができる。その結果、可視光通信信号を適切に送信することができる。また、可視光通信信号の送信のためにバックライトを点滅させる必要がないため、画質を大きく劣化させることなく、通信に要する制限を緩和しながら、可視光通信信号を映像に挿入して送信することができる。
また、前記表示方法は、さらに、前記第1の可視光通信画像が表示された後に、可視光通信用の縞模様の画像を第2の可視光通信画像として表示する第3の表示ステップを含んでもよい。
これにより、縞模様の可視光通信画像が繰り返し表示されるため、受信装置は、それらの可視光通信画像によって示される可視光通信信号を確実に受信することができる。
また、前記第3の表示ステップでは、前記第1の可視光通信画像の縞模様の向きと異なる向きの縞模様の前記第2の可視光通信画像を表示してもよい。
これにより、繰り返し表示される可視光通信画像の縞模様の向きが異なるため、イメージセンサーに含まれる各露光ラインの向きによって可視光通信信号の受信確率が低下すること(撮像エラー発生確率が上昇すること)を抑えることができる。
また、前記第3の表示ステップでは、前記第1の可視光通信画像の縞模様を構成する互いに異なる2つの輝度値または色を入れ換えることによって示される反転画像を、前記第2の可視光通信画像として表示してもよい。例えば、前記第1および第2の可視光通信画像のそれぞれの縞模様は、補色の関係を有する2つの色を用いて構成されている。
これにより、繰り返し表示される可視光通信画像が、例えばポジに対するネガなどの反転画像として表示されるため、可視光通信画像が表示されることによる画像のちらつきを抑えることができる。
また、前記第3の表示ステップでは、前記第1の可視光通信画像と前記第2の可視光通信画像との表示間隔が20m秒以下となるように、前記第2の可視光通信画像を表示してもよい。
これにより、可視光通信画像が人の目に視認され難くすることができ、映像信号の画像に対する可視光通信画像の影響を抑えることができる。
また、前記表示方法は、さらに、前記第1の可視光通信画像が表示された後、前記第2の可視光通信画像が表示されるまでの間に、前記識別用画像を再び表示する第1の再表示ステップを含んでもよい。
これにより、第1の可視光通信画像と第2の可視光通信画像とが表示される間に識別用画像が表示されるため、受信装置は、第1の可視光通信画像による可視光通信信号と、第2の可視光通信画像による可視光通信信号とを適切に分離して受信することができる。
また、前記表示方法は、さらに、前記第2の可視光通信画像が表示された後に、前記識別用画像を再び表示する第2の再表示ステップを含んでもよい。
これにより、上述の撮像画像において、第2の可視光通信画像による可視光通信信号の終了位置を明確にすることができ、その可視光通信信号を適切に送信することができる。
また、前記第1または第2の再表示ステップでは、前記所定のフレーム内で、当該所定のフレームよりも短い期間だけ前記識別用画像を再び表示してもよい。
これにより、識別画像を目立たなくすることができ、映像信号の画像に対する識別画像の影響を抑えることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態にかかる可視光通信システムの一例を示す概略図である。
表示装置100は、例えば液晶表示装置であり、表示部110に映像を表示することができる。また、この表示部110に表示されている映像には、表示されている映像に関する情報を示す可視光通信信号が挿入されている。表示装置100の表示部110に表示されることによって送信された可視光通信信号を、受信装置200は表示部110に表示された映像を撮像することで受信する。受信装置200は、例えば、順次露光型のイメージセンサーが内蔵されているスマートフォンとして構成されている。これによりユーザーは、表示部110に表示されている画像に関連する情報などを受け取ることができる。
なお、本実施の形態では、表示装置100として液晶表示装置を例にあげているが、表示装置100は、有機EL表示装置、プラズマ表示装置などのディスプレイ機器、或いは、プロジェクション表示装置、プロジェクターなどの投影型の表示装置であっても良い。
また、受信装置200としてスマートフォンを例に挙げているが、受信装置200は、順次露光が可能なタイプのイメージセンサーを搭載した電子機器であればよい。例えばデジタルスチルカメラなどでもよい。
図2は、本実施の形態にかかる表示装置100の概略構成の一例示すブロック図である。図2に示すように、表示装置100は、表示部110、第1の入力部120、第1の信号処理部130、表示制御部140、第2の入力部150、および第2の信号処理部160を備えている。
第1の入力部120は、放送電波、映像録画機、映像再生機、PCなどからアンテナケーブル、映像信号線、例えばコンポジットケーブルや、HDMI(登録商標)ケーブル、PJLinkケーブルなど、或いはLANケーブルなどを通じて、表示部110に表示される映像に関する映像信号を受信し、第1の信号処理部130に送信する。尚、映像録画機或いは映像再生機においては種々の記録媒体に保存した信号を用いても良い。
第1の信号処理部130は、入力された映像信号に復号処理などの一般的な画像処理を施した後、各フレームを複数のサブフレームに分解する。第1の信号処理部130は、サブフレームと映像信号の大きさ、表示タイミングや明るさなどを示す情報を表示制御部140と第2の信号処理部160に送信する。なお、フレームは、映像信号に含まれる1枚のピクチャを表示する時間であって、例えば1/60秒である。また、サブフレームは、フレームを分割することによって得られる時間であって、例えば、フレームの1/4の時間である。
第2の入力部150では、PCなどで作成された可視光通信信号を専用のケーブルなど、或いは、LANケーブルなどを通じて受信する。尚、可視光通信信号は、放送電波の一部に重畳して、アンテナケーブルを通じて入力しても良いし、それを録画した映像録画機、或いは別途PCなどで作成された可視光通信信号を映像信号と重畳したものを映像録画機或いは映像再生機からHDMI(登録商標)ケーブルやPJLinkケーブル等の一部のラインに載せて送受信しても良い。映像録画機或いは映像再生機においては種々の記録媒体に保存した信号を用いても良い。また、外部から受信する以外にも、表示装置100のIDなど、表示装置に内蔵された情報を利用し、インターネットなどを通じてサーバー情報を読み込み取得する情報に代替する方法もある。第2の入力部150は、受信した信号を、第2の信号処理部160に送信する。以下、可視光通信信号の一連のデータの1まとまりを1ブロックとして標記することとする。
第2の信号処理部160は、第2の入力部150よりに入力された可視光通信信号の変調信号を作成し、変調信号を元に可視光通信画像を作成する。可視光通信信号の符号化では、JEITA−CP1222、或いは、1223に準拠した符号化を行っても良いし、IEEE−P802.15.7などの規格を用いても良い。また、符号化だけであれば、それに対応した受信装置を用いて構成してもよい。これら以外の符号化方法、例えばマンチェスターコーディングなどを用いて変調しても良い。更には、ここでは、あくまで、二値での符号化を行っていたが、階調表現をそのまま使用できることをかんがみると、三値以上で符号化すること、すなわち、従来の2倍以上の情報量を伝達することも可能である。
また、第2の信号処理部160は、第1の信号処理部130から入力される映像信号に含まれる映像の明るさ等に関する情報に基づいて、1フレームを構成するサブフレームのうち、どのサブフレームに可視光通信画像を挿入させるかを決定する。例えば、比較的明るく表示されるフレームの中のサブフレームを選択して可視光通信画像を挿入する。また、第2の信号処理部160は、比較的明るく表示されるサブフレームを選択して可視光通信画像を挿入してもよい。
また、重みをつけたサブフレームを用いて階調表現している場合には、誤差拡散などにより階調表現の幅を広げている場合がある。この場合、重みの低いサブフレームを用いる際には、誤差拡散などでも輝度が変動しなく、点灯状態が継続される期間を選択して、可視光通信画像を表示しても良い。
さらに、通常の映像表示に関しては、可視光通信画像を表示することによる輝度の上昇低下を他のサブフィールドで補正を行い、連続した映像として違和感なく視聴できる表示方法を用いても良い。
なお、既存のサブフレームではなく、1フレーム内に、通常の映像を表示する時間領域と、可視光通信画像を表示する時間領域を設定または作成してもよい。この際も、可視光通信画像が挿入または表示されるフレームとして、第2の信号処理部160が比較的明るいフレームを選択しても良い。
また、可視光通信画像を挿入する位置また時間領域が予め決められている場合は、第2の信号処理部160によって行われる、可視光通信画像を挿入するサブフレーム又は時間領域の決定に関する処理を行わなくてもよい。この場合は、予め決められているサブフレーム又は時間領域に可視光通信画像を挿入して表示または出力すればよい。
また、可視光通信画像を表示する時間は、できる限り短時間にするほうが望ましいが、受信装置側の性能によるところも大きいので、本件は後に詳述する。
第2の信号処理部160は、生成した可視光通信画像と可視光通信画像を挿入するサブフレーム又は時間領域を示す表示タイミング情報とを表示制御部140に送信する。
表示制御部140は、第1の信号処理部130及び第2の信号処理部160よりそれぞれ入力される表示タイミング情報に応じて、第1の信号処理部130より入力される映像信号に、第2の信号処理部160より入力される可視光通信画像を挿入する。なお、表示制御部140は、後述するとおり、映像の応答速度などを考慮すると、固体半導体素子を用いたスイッチングを行える素子を用いて画像表示することが望ましい。表示部110は、表示制御部140より入力される映像信号を表示する。
図3は、本実施の形態にかかる受信装置200の一構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、受信装置200は、撮像部210、映像化部220、信号判定部230、および信号復調部240を備えている。
撮像部210は、表示部110に表示されている画像を撮像する。撮像部210は、例えば、順次露光型のイメージセンサーで構成される。撮像を開始すると、イメージセンサーは、順次横列として順次露光を行い、撮像したデータをバッファ(図示せず)に格納する。イメージセンサーによっては、列(露光ライン)毎に順次露光をするものや、各露光素子毎、一定の素子の群として順次露光するものなど存在するが、取り扱いは同じで、あくまで画像の横方向に配列されたデータを取得することが目的である。
映像化部220は、撮像部210で撮像されバッファに格納されているデータに対して、各画素毎の輝度を、二次元表示したビットマップとして表現し、信号判定部230に映像として出力する。
信号判定部230は、映像化部220より入力された映像に可視光通信画像が含まれているかどうかを判定する。まず、信号判定部230は、1ブロックの大きさのデータごとに、データのヘッダ部分を探し、データが含まれているか否かを判断する。信号判定部230は、入力された映像に可視光通信画像が挿入されていると判定した場合は、入力された映像を信号復調部240に出力すると共に、撮像部210に撮像動作をやめるよう指示する。また、信号判定部230が、入力された信号に可視光通信画像が挿入されていないと判定した場合には、撮像部210は、バッファに格納したデータを、撮像して得られた画像データに上書を行いながら順次露光を更に繰り返す。ここで、信号判定部230は、一定期間撮像を行っても、可視光通信画像が挿入されている映像を判定できない場合は、撮像部210の撮像動作を停止させる。
信号復調部240は、信号判定部230より出力された映像から可視光通信画像を取り出して、元の可視光通信信号に復調する。
次に、可視光通信信号を画像化した可視光通信画像について説明する。
図4は、可視光通信画像の一例を示した図である。図4の(a)は、1ブロックの可視光通信信号を符号化した符号化画像Pを示し、水平方向に明暗の表示となって表現される。図4の(a)の符号化画像Pは、図4の(b)に示すように、そのまま鉛直方向に、表示部110の両端付近、つまり画面の両端付近まで、延伸されることによって、符号化画像P1が生成される。その後、図4の(c)に示すように、図4の(b)の符号化画像P1を横方向に5回繰り返し表示し、最終的な可視光通信画像が生成される。ここで、横方向への繰り返し回数は、1ブロックの符号化画像の大きさと、映像(画面)の大きさに応じて決定する。
なお、1ブロックの符号化画像を延伸していることによって、後述するように、多くの露光ラインで捉えることができるため、受信確率を向上させることが期待できる。また、1ブロックの符号化画像を繰り返し表示しているのは、表示装置100と受信装置200間の距離、受信装置200の撮像部210の性能によって画格が異なることに対応するためである。これは、受信装置200が表示部110全体を撮影する性能がなくても、表示部110に表示されている可視光通信画像のいずれかの部分を撮影すれば、図4の(a)で示す符号化画像P1が取得できることを示す。可視光通信画像をこのように生成することで、受信装置200の撮影状況の制約を緩和することが可能となる。符号化画像の繰り返し回数は多いほど近接した撮影が有効になる。また、受信装置200が、画面全体を撮像できることを前提とするならば、符号化画像を繰り返す必要は必ずしもない。
以下、本実施の形態にかかる可視光通信システムの動作について具体的に説明する。まず、表示装置100の動作を説明する。
図5は、本実施の形態にかかる表示装置100の動作を説明する図である。図5において、横方向を時間軸とする。
図5の(a)は第1の信号処理部130から出力される画像、同図の(b)は第2の信号処理部160から出力される画像、同図の(c)は、表示制御部140から出力される画像を示す。
まず、図5の(a)に示すように、第1の信号処理部130からは、1/F秒間に4枚の画像が出力される。これは、第1の入力部120に入力された映像が、1/F秒間に4つの画像を表示することを示している。第1の信号処理部130は、表示制御部140に、1/F秒間に4つの画像を表示する表示タイミング情報を送信する。また、第1の信号処理部130は、画像A11、A21、A31、A41、…を1/F秒毎に表示制御部140に出力する。さらに、第1の信号処理部130は、表示制御部140に送信した表示タイミング情報と同じ表示タイミング情報を第2の信号処理部160に送信する。
次に、図5の(b)に示すように、第2の信号処理部160は、予め保持している全黒画像B1と、第2の入力部150から入力された可視光通信信号より生成した可視光通信画像C1とを表示制御部140に出力する。この場合、第2の信号処理部160は、画像A1x、A2x、A3x、A4xを、画像の明るさなどから、可視光通信画像を混入する画像と決定する(xは、画像がx番目のフレームにあることを表す)。また、第2の信号処理部160は、1/F秒間に4枚の画像を表示し、3枚目に全黒画像Bx、4枚目に可視光通信画像Cxを混入させることを決定する。第2の信号処理部160は、決定した表示に関する情報を、表示タイミング情報として表示制御部140に出力する。例えば、xは1である。
次に、図5に示すように、表示制御部140は、第1の信号処理部130から入力された画像Aと、第2の信号処理部160から入力された全黒画像Bxおよび可視光通信画像Cxとの表示タイミングを、入力された表示タイミング情報に応じて決定する。この場合、表示制御部140は、表示部110が1/F秒間に4枚の画像を表示するよう制御する。表示制御部140は、4枚の画像において、1枚目および2枚目には、第1の信号処理部130から送信された画像A11、A21を表示部110に表示するように制御し、3枚目には、第2の信号処理部160から送信された全黒画像B1を表示部110に表示するように制御し、4枚目に、第2の信号処理部160から送信された可視光通信画像C1を表示部110に表示するように制御する。
さらに、表示制御部140は、次の1/F秒間に4枚の画像を表示するよう制御する。この場合、表示制御部140は、4枚の画像において、1枚目および2枚目には、画像A1(x+1)、A2(x+1)を表示部110に表示するように制御し、3枚目には、全黒画像B(x+1)を表示部110に表示するように制御し、4枚目には、可視光通信画像C(x+1)を表示部110に表示するよう制御する。図5の例では、4枚目の可視光通信画像C1を90度回転し、可視光通信画像C1と同じサイズに成型した可視光通信画像C2を混入させている。すなわち、可視光通信画像を複数回混入させるときは、同じ可視光通信画像を複数回混入させても良いし、元の可視光通信画像を反転したり、回転させて混入させても良い。これは、受信装置200の撮像方向または角度などに対応するのに有効である。全黒画像B1とB2は同じであってもよく、可視光通信画像C1とC2は同じものであっても、前述したように異なるものでも良い。
また、各画像A1x、A2x、A3x、A4x、全黒画像Bx、および可視光通信画像Cxはそれぞれ1/F秒間隔で表示される。
尚、映像によっては、可視光通信画像を連続したフレームで表示せず、いくつかのフレーム毎に表示、或いはランダムに表示しても良い。
なお、本実施の形態のサブフレームとは、階調表現のために作成されたサブフレームに限らず、液晶表示装置などの所謂4倍駆動など、画質向上のために作成されたサブフレームであってもよい。
次に、受信装置200の動作を説明する。
図6Aおよび図6Bは、本実施の形態にかかる受信装置の動作を説明する図である。図6Aおよび図6Bにおいて、横方向を時間軸とする。
図6Aの(a)は表示装置100の表示部110に表示される画像、同図の(b)は、撮像部210における各露光ラインの露光時間、同図の(c)は受信装置が撮像した画像を示す。
図6Aの(a)に示すように、表示部110には、1/F秒に4枚の画像が表示される。図6Aの(a)の例では、4枚の画像において、3枚目に全黒画像B1、4枚目に可視光通信画像C1が表示される。
撮像部210は、表示部110に表示されている映像を撮像する。撮像部210が、順次露光型のイメージセンサーで構成されている場合、撮像を開始すると、イメージセンサーは、順次横列として順次露光を行い、撮像したデータをバッファ(図示せず)に格納する。各順次露光を行う単位を、特にここではライン状に順次行うことを想定しているため、露光ラインと呼ぶ。図6Aの(b)の場合は、露光ラインL1、L2,L3、…の順に露光が行われる。
なお、図6Aの(b)では、一例としてイメージセンサーは10本の露光ラインに分割されているが、これ以外の分割数でも良いし、また、ライン状でなくともよい。各々の露光ラインの露光時間が他の露光ラインの露光時間と非常に短い時間だけオーバーラップするように、各露光ラインは順次露光する。
図6Aの(c)は、全露光ラインの撮像が終了した時点のバッファに格納されている画像を示す。この場合、フレーム内の画像の始まりと、撮像の1単位の始まりが偶然にも一致しているが、これがずれて撮像の単位が始まったとしてもよい。この場合、受信装置200側での撮像した画像では、図6Aの(c)に示すように、上から3番目の横方向に信号が幅の短い横縞として撮像されている。これに対して、画像中の場所が上下するだけで、必ず横縞が観察されるため、特にタイミングを制御する必要もなく、トリガ信号をどこかから拾う必要もない。図6Aの(c)の場合、露光ラインL6に可視光通信画像が撮像されている。
映像化部220は、撮像部210で撮像されバッファに格納されているデータに対して、各画素毎の輝度を、二次元表示したビットマップとして表現し、信号判定部230に映像として出力する。
信号判定部230は、映像化部220より入力された映像に可視光通信画像が含まれているかどうかを判定する。図6Aの場合、信号判定部230は、図6Aの(c)の映像が入力されると、露光ラインL1〜L10において、露光ラインL6に可視光通信画像が挿入されていると判定し、入力された映像を信号復調部240に出力すると共に、撮像部210に撮像動作をやめるよう指示する。
信号復調部240は、信号判定部230より出力された映像から可視光通信画像を示す露光ラインL6の画像を取り出して、元の可視光通信信号に復号する。
なお、信号判定部230の判定は、入力される映像単位で行ったが、露光ライン毎に行ってもよい。その場合は、露光ラインL6に可視光通信画像が含まれると判定した時点で、露光ラインL7以降の判定を行わず、撮像部210の動作を止めても良い。
また、図6Aに示すように1秒間にF個のフレームで映像が構成され、可視光通信画像が表示される期間は、1フレームのうちの一部の時間、本実施の形態では1フレームの1/4の場合を説明した。可視光通信画像が表示される期間は1/4フレーム以外でも良いが、信号をできる限り視認しにくいという面で、少なくとも1/4フレーム以下が望ましい。さらに、受信装置200側の対応可能な範囲でできるだけ小さな値の方が望ましい。
以上のような構成により、短い期間に可視光通信画像を挿入し、露光時間が充分短かければ、つまり、図6Aに基づくと、nF分の1秒(図6Aの場合はn=4)よりも充分早い露光時間(シャッタースピード)であれば、どこかの該当する露光ラインが可視光通信画像を表示している時間に該当する。露光ラインの露光時間中に、他の画像が挿入しないことが望ましいため、更には、図6Aの例では、4F分の1秒の更に半分より小さい露光時間にすると、確実に他の画像が挿入されない画像を撮像することが可能となる。なお、図6Bに示すように、全黒画像Bxの代わりに、全黒画像よりも一様に輝度が明るい全グレー画像Bxを挿入してもよい。
このように、順次露光型の撮像部210で撮像する受信装置200と表示装置100との組合せにより、簡便に、タイミングに制約されないため、単純な構成にて可視光通信信号を送受信することが可能となる。
つまり、本実施の形態の表示方法は、図5、図6Aおよび図6Bに示すように、映像信号に含まれる画像をフレーム(例えば1/F秒)ごとに表示する表示方法であって、可視光通信信号を符号化することによって、可視光通信用の縞模様の画像を第1の可視光通信画像(C1)として生成する可視光通信画像生成ステップと、所定のフレームにおいて、前記映像信号に含まれる画像(A11、A21)を表示する第1の表示ステップと、前記所定のフレームにおいて、表示される前記画像(A11、A21)の平均輝度よりも一様に低い輝度の画像を識別用画像(B1)として表示し、続けて前記第1の可視光通信画像(C1)を表示する第2の表示ステップとを含み、前記第2の表示ステップでは、前記映像信号に含まれる画像(A11、A21)が前記所定のフレーム内で表示された後、前記第1の識別用画像(B1)および前記第1の可視光通信画像(C1)をそれぞれ、前記所定のフレームと同じフレーム内で、当該所定のフレームよりも短い期間だけ表示する。
これにより、例えば全黒画像または一様に灰色の画像が識別用画像(B1)として表示された後に第1の可視光通信画像(C1)が表示されるため、フレームごとに表示される画像を順次露光型のイメージセンサーを用いて撮像することによって得られる撮像画像には、可視光通信信号の開始位置を示す一様に黒または灰色のライン(L4)が表れる。したがって、そのイメージセンサーを備える受信装置200は、その撮像画像から可視光通信信号を容易に読み出すことができる。その結果、可視光通信信号を適切に送信することができる。また、可視光通信信号の送信のためにバックライトを点滅させる必要がないため、画質を大きく劣化させることなく、可視光通信信号を映像に挿入して送信することができる。
また、本実施の形態における前記表示方法は、さらに、前記第1の可視光通信画像(C1)が表示された後に、可視光通信用の縞模様の画像を第2の可視光通信画像(C2)として表示する第3の表示ステップを含む。これにより、縞模様の可視光通信画像(C1、C2)が繰り返し表示されるため、受信装置200は、それらの可視光通信画像(C1、C2)によって示される可視光通信信号を確実に受信することができる。
なお、可視光通信画像を挿入する時間と、順次露光型の撮像部210の走査速度及び露光時間に関しては(式1)の関係を満たすことが望ましい。これは、可視光通信画像の前後の映像信号と一緒に可視光通信画像に対して、露光ラインが露光されることにより、S/Nが極端に悪化するためである。
(式1) 露光ライン1ラインの露光時間<1/(2×nF)
(式1)において、nは、映像の1フレームを均等に分割したサブフレームの数であり、Fは1秒間に表示されるフレーム数である。nは正の整数、Fは正の数である。
可視光通信画像または符号化画像が、人の目に残像として認識されにくい時間幅を考えると、可視光通信画像または符号化画像を表示する時間(1露光ラインの露光時間)は、1msec以内、さらに、0.2msec以内にすることが望ましい。現在の映像信号の一般的なフレーム数F=60で考えると、(式1)を満たすためには、n>8、望ましくは、n>40であることが望ましい。
以下、可視光通信画像または符号化画像を表示する時間として望ましい範囲を設定した理由を説明する。これは、人の目の時間分解能は、一般に、50msec程度であるとされ、それ以下は残像として前後の映像と交じり合った画像として認識されることによる。一方で、人の目が輝度の差として捉えられる限界は、個人差はあるものの、凡そ、隣接する領域の輝度差が2%つくと、ほとんどの人が、輝度差があることを認識するとされている。従って、挿入した可視光通信画像または符号化画像が前後の画像と交じり合って輝度差として認識されないためには、50msecの2%、すなわち、1msec以下の時間であることが望ましい。
なお、一般的な順次露光型イメージセンサーでは、汎用性を考えると、最低限1フレームを二分割しなければ完全に画像として残像が残る。1フレームをそのまま使用することになると、サブリミナル効果などの副作用も懸念されることから、n=2が最低限必要なフレーム分割数となる。これによると、1/480より小さい露光時間を選択することが望ましい。
また、映像機器から非常に短い期間、可視光通信画像または符号化画像を出す具体的手法としては、PDP(Plasma Display Panel)やEL(electro-luminescence)のように動作速度が速いものがある。つまり、PDPまたはELは、駆動信号による制御によって本実施の形態に対応できる。しかし、LCD(Liquid Crystal Display)などは、駆動だけ高速化しても液晶の反応速度が遅い場合には、本実施の形態に対応できない。このような際には、特にバックライトが、LED(Light Emitting Diode)などで点滅が高速にできるものであれば、LEDを消灯して短い時間だけ表示することが可能になる。プロジェクターについては、LCOS(Liquid crystal on silicon)など、液晶を使用しているものも同様に、光源側に制御を加えて、短時間の表示を実現できる。更に、デジタルミラーデバイス(DMD)など、高速駆動できるミラーデバイスにて、投影側へ光を射出する方法を取るプロジェクターの場合には、DMDの制御によって短時間表示することも可能であり、また、光源側での制御で、時間を切ることもでき、さらに、これらを合わせて時間を短くすることも可能である。
なお、本実施の形態においては、可視光通信信号を横方向に配列した場合について説明したが、これに限定するものではない。可視光通信信号を横方向に配列した場合、符号化画像は縦縞になる。そのため、受信装置200の撮像部210が横方向を単位とした縦方向への順次露光する方向にて画像を撮像しない場合、可視光通信信号の符号化画像を取得することができない。
また、一定以上の角度で受信装置200を傾けて撮像すると、データの1ブロックが撮像範囲に全て入らない、或いは縞模様と受信装置200の露光ラインとが平行になるため、データが取り得ないなどの課題も発生する。
図7は、可視光通信画像と受信装置200との角度と、撮像エラー発生確率との関係の一例を示す図である。
図7に示すように、可視光通信画像の縞模様と受信装置200との角度と、撮像エラー発生確率との関係は、ほぼコサイン則の形状を示すグラフに成る。これは、受信装置200における1つの露光ラインで得られる画格については、角度が変化すると、コサイン則に従ってその撮像できるデータの範囲が小さくなり、1つの露光ラインで撮像できるデータが1ブロック分とほぼ同等の領域まで小さくなると、急激にその誤認識の確率が高くなる。図7によって示される関係は、全画面にデータが4ブロック分格納された可視光通信画像または符号化画像を用い、受信装置200がほぼ全画面を撮像することができる位置から撮像した際の結果である。この関係から、135度(45度傾けて撮影する場合)程度までの角度であれば問題なくデータを入手できることがわかる。急激に変化する角度は、全画面中にデータが何ブロック格納されるか、或いは撮像する際にどの程度の距離で、全画面に対してどの程度の大きさに見える位置で撮像するかによって異なる。更に、垂直になると、理論的にもデータが取れなくなるため、受信装置を視聴者がどちら向き(縦向きか横向きか)に置くかによって、全く可視光通信信号の受信ができない状況が発生することが考えられる。これらの不具合を解決するために、可視光通信画像を縦方向や斜めに配置したり、縦部分と横部分で反転させるパターンに配置しても良い。
図8は、本実施の形態にかかる表示装置100が、縞模様の角度が異なる複数の可視光通信画像を表示する動作を説明するための図である。
例えば、図8に示すように、縦方向の縞模様の可視光通信画像C1と、横方向の縞模様の可視光通信画像C2と、斜め方向の縞模様の可視光通信画像C3と、可視光通信画像C3と逆の斜め方向の縞模様の可視光通信画像C4とを表示してもよい。
つまり、本実施の形態における上述の第3の表示ステップでは、図8に示すように、前記第1の可視光通信画像(C1)の縞模様の向きと異なる向きの縞模様の前記第2の可視光通信画像(C2、C3、C4)を表示する。これにより、繰り返し表示される可視光通信画像(C1、C2、C3、C4)の縞模様の向きが異なるため、イメージセンサーに含まれる各露光ラインの向きによって可視光通信信号の受信確率が低下すること(撮像エラー発生確率が上昇すること)を抑えることができる。
本実施の形態では、可視光通信画像における符号化画像の配置例として、符号化画像を鉛直方向に延伸させた後、横方向に数回繰り返し配置した例を説明した。しかし、配置例は、これに限定されない。
図9は、可視光通信画像の他の生成例を示す図である。
図9の(a)に示される可視光通信画像は、図4の符号化画像Pを1つだけ全画面に引き伸ばして配置することによって生成された画像である。このような配置をすることで、撮影された可視光通信画像の画素の大きさによる制限が緩和され、表示部110に対して長い距離を隔てた場所からの受信が可能となる。
図9の(b)に示される可視光通信画像は、図4の符号化画像Pを90度回転させ、横方向に延伸することによって生成された符号化画像P2を、縦方向に4回繰り返し配置することによって生成された画像である。この場合は、受信装置200の順次露光ラインがほぼ鉛直方向になる方向で受信できる。
図9の(c)に示される可視光通信画像は、図4の符号化画像Pを左回りにほぼ45度だけ回転し、画面全体に引き伸ばして配置することによって生成された画像である。図9の(d)によって示される可視光通信画像は、図9の(c)の可視光通信画像の例とは逆に、符号化画像Pを右回りに約45度だけ回転し、画面全体に引き伸ばして配置することによって生成された画像である。
図9の(a)〜(d)の配置を基本形とし、これらを組合せることで様々な配置が可能となる。例えば、図9の(e)に示される可視光通信画像は、画面を8分割し、縦方向の縞模様の符号化画像と、横方向の縞模様の符号化画像とを、市松模様が形成されるように、縦方向および横方向に配置することによって生成された画像である。このような可視光通信画像では、受信装置200は、画面のうちの少なくとも一つの符号化画像以上の画格にて撮像することで、受信装置200における撮像部210の向き及び角度がどこを向いていても、撮像することが可能となる(可視光通信信号を受信することができる)。図9の(f)によって示される可視光通信画像は、画面を斜めに分割し、図9の(c)の符号化画像と、図9の(d)の符号化画像とを組み合わせて配置することによって生成された画像である。
図9の(g)に示される可視光通信画像は、画面上側では元の符号化画像を縦方向に延伸して生成された符号化画像Q1を画面全体に横方向に4回繰り返し配置し、画面下側では、元の符号化画像を横方向に延伸して生成された符号化画像Q2を画面全体で横方向に2回繰り返し配置することによって生成された画像である。このように配置することで、受信装置200にて撮像される場所と、表示部110との距離が近ければ、受信装置200側で撮像される画像が大きく、その解像度は高くなり、その距離が遠ければ、解像度が低くなる。すなわち、表示部110との距離が近いところで撮像する場合は、繰り返し表示される符号化画像の数を多い方が好ましく、距離が離れているところでは、繰り返し表示される符号化画像の数が少ない方が好ましい。従って、図9の(g)の可視光通信画像では、そのどちらの場合にも対応できる。なお、可視光通信画像は、図9の(g)に示すように、2回と4回の繰り返し配置の組み合わせによって生成されているが、これ以外の数の組合せで生成されてもよい。
図9の(h)に示される可視光通信画像は、画面を上下方向に5分割し、分割によって生成されたそれぞれの領域に、縞の位相が異なる符号化画像を配置することによって生成された画像である。これによると、場所による明暗の局在化を避けることができるため、視線移動に伴うフリッカ防止の効果が期待できる。ここでは、縞模様が縦縞で、縦方向の分割を5つにし、一番上と一番下の位相が揃うように順次位相を変化させているが、分割数や位相変化はこれに限らず、ランダムでも良い。
また、図4或いは図9に示す画像は、それぞれ長所短所があるため、用途に応じて、これらの画像を任意に組み合わせた画像を可視光通信画像として使用してもよい。また、その際に、画像を任意の角度に回転して使用しても構わない。
さらに、可視光通信画像を時間的に繰り返し表示する場合に、用途に応じてフレーム毎に、表示する順番または画像の表示をランダムに変化させても良い。
なお、順次スキャンを行い、バックライトスキャンを行う液晶表示装置など、同時に全画面が表示されない期間が存在する表示装置においては、スキャン方向と垂直方向の縞模様を用いることで、通信確率の向上が期待できる。一般的な液晶表示装置においては、縦方向にスキャンが行われるため、図4の(b)の符号化画像の縦縞を横縞に置き換えた画像を適応することが望ましい。また、本実施の形態1では、1/F秒間に4枚の画像を表示し、4枚目に可視光通信信号を符号化した画像を表示したが、これに限定するものではない。例えば、該当する期間のみ可視光通信画像を表示し、それ以外の期間については通常の映像信号による画像を表示しても良い。この際に、可視光通信画像を挿入する分だけ映像信号が変化してしまうが、1フレーム内の映像信号のほかの部分の信号を補正することで対応しても良い。
また、そのまま通常の映像処理部にて処理した信号をそのまま表示制御部に送って表示を行ってもよい。更には、該当する1フレームの可視光通信画像以外の映像信号は全て無視して、その前後の映像と合わせて黒表示或いは一定の階調の灰色表示を行って、その信号のみを受信側に対して強調する方法を取っても良い。
また、本実施の形態では、可視光通信画像の前に全黒画像をおいているが、これは、映像信号画像と混じって信号を受信することを避けるためであり、必ずしも必要ではない。しかし、受信装置200側の性能の制約がこのような信号を入れることによって緩和されるため、一定の期間、全黒信号(全黒画像)を挿入しても良い。
また、本実施の形態では、可視光通信画像の前側にだけ全黒画像を挿入しているが、後側に挿入してもよい。更には、可視光通信画像の前後両方に挿入してもよい。この場合、前後の全黒画像の部分も合わせた時間を上記の可視光通信画像を挿入する時間に置き換えて考えるとよい。
また、全黒画像は、全面の輝度レベルが0%とした画像に限らない。全黒画像は、全面にわたり、あるいは、全面に占める割合が一定以上高い領域において、輝度が低いレベルであれば、その輝度レベルは0%でなくともよい。全面に占める割合が一定以上高い領域は、例えば、ディスプレイの性能に基づいて低輝度が一様に出力できない画面内の周辺部分よりも内側の領域である。周辺部分は、画面の周辺を囲む部分であり、その部分の幅は、例えば画面の縦幅または横幅の数%である。また、その輝度レベルは、可視光通信画像における黒の部分、すなわち、輝度の低い部分の輝度と一致する必要はない。但し、可視光通信信号を受信する感度を考慮すると、全面に渡る輝度が低いレベルの画像の輝度は、できるだけ輝度が低いことが望ましい。また、映像信号に含まれて表示される画像の平均輝度よりも一様に低い輝度の画像(識別用画像)であれば、上述の全黒画像の代わりにどのような画像を用いてもよい。例えば、全黒画像の代わりに、市松模様または縞模様などの画像を用いてもよいが、全画面に占める輝度の低い画素の割合が一定以上の画像であることが望ましい。
また、本実施の形態では、可視光通信画像を一定期間繰り返し表示したが、可視光通信画像と、その可視光通信画像の反転画像(白黒反転画像)を表示してもよい。
図10Aは、本実施の形態における反転画像の一例を示す図である。
表示装置100は、図10Aの(a)に示す可視光通信画像と、その可視光通信画像において白黒を反転させた白黒反転画像、つまり図10Aの(b)に示す可視光通信画像とを連続して表示してもよい。こうすることで、図10Aの(c)のように、人の目には平均化した像しか残らないため、縞模様と言う認識は更に軽減され、コントラストが多少悪化するにとどまる。白黒の表現は、100%レベルと0%レベルに限定するものではなく、比較的輝度の高いレベルと、輝度の低いレベルでも良い。また、輝度レベルの差は高い方が受信装置200側の制約などが緩和される一方で、平均的な信号による輝度は上昇するため、コントラストの悪化や信号画像が見えやすくなるなどの弊害もある。そのため、総合的に勘案してよいレベルを選ぶことが望ましい。また、1フレームの中の可視光通信画像を表示するサブフレーム或いは時間領域を2分割して、上記の2枚1組の白黒反転画像を用いても良い。
図10Bは、本実施の形態にかかる表示装置が、反転画像を含む複数の可視光通信画像を表示する動作を説明するための図である。
表示装置100は、例えば図10Bに示すように、縦方向の縞模様の可視光通信画像C1aと、可視光通信画像C1aの輝度(白と黒)を反転させた画像である可視光通信画像C1bと、横方向の縞模様の可視光通信画像C2aと、可視光通信画像C2aの輝度(白と黒)を反転させた画像である可視光通信画像C2bと、斜め方向の縞模様の可視光通信画像C3aと、可視光通信画像C3aの輝度(白と黒)を反転させた画像である可視光通信画像C3bと、可視光通信画像C3aと逆の斜め方向の縞模様の可視光通信画像C4aと、可視光通信画像C4aの輝度(白と黒)を反転させた画像である可視光通信画像C4bとを、連続的にまたは断続的に表示してもよい。
また、白は、RGB全てを表示させることによって表現される白であっても良い。特に、輝度を落とすための方法として、白以外の色を用いて、縞の輝度の高部分の輝度を落としても良い。また、縞を目立たなくするため、黒は、輝度が低いと言う意味であり、この黒も、RGB全てを用いることによって表現される黒であってもよく、それら全てを非表示常態にしておくことによって表現される黒でなくとも良い。更には、輝度が高い部分と低い部分で縞模様を作成したが、色で分離できる組合せであれば、RとGの縞などで縞模様を表現しても良い。更に、RとCなどの互いに補色関係にある色の組合せを用いても良い。補色関係の2色による反転画像の組み合わせを、白黒の場合と同様に用いても良い。この際には、撮像時にRGB分離ができるイメージセンサーとソフトが搭載された受信装置200を用いる必要がある。
このように、本実施の形態における上述の第3の表示ステップでは、図10Bに示すように、前記第1の可視光通信画像(C1a、C2a、C3a、C4a)の縞模様を構成する互いに異なる2つの輝度値または色を入れ換えることによって示される反転画像(C1b、C2b、C3b、C4b)を、前記第2の可視光通信画像として表示する。また、前記第1および第2の可視光通信画像(例えば可視光通信画像C1aと可視光通信画像C1b)のそれぞれの縞模様は、補色の関係を有する2つの色を用いて構成されていてもよい。
これにより、繰り返し表示される可視光通信画像(C1b、C2b、C3b、C4b)が、例えばポジに対するネガなどの反転画像として表示されるため、可視光通信画像が表示されることによる画像のちらつきを抑えることができる。
また、縞模様に関しては、繰り返し表示させる際に、画面上を少しずつ移動させるスクロールを行うことで目立たなくしてよいし、可視光通信画像を2つ以上の領域に分割してスクロールしても良い。この際には、スクロールの方向、スピードなどそれぞれ異なる動き方をして良いし、各々が同期したスクロールを行っても良い。
また、本実施の形態では、可視光通信信号を符号化後に画像データとして出力していたが、データのブロックの境目を明示するために、通常の符号化信号ではありえない枠状の画像信号を前後に挿入してもよい。これにより、前記枠状の画像信号が2つ以上認識されれば、1ブロックの信号を得たと判断することができるとともに、1ブロックの信号の画像上での大きさを確定することができる。
また、本実施の形態によると、受信装置200側のイメージセンサーにて一連の信号を一つの画像の中で完結する必要がある。しかし、情報量が多い際には、可視光通信信号のヘッダの部分に、当該可視光信号画像に含まれる情報が、可視光通信信号の先頭にあるのか、情報が多いために可視光通信信号が複数に分割され、その分割された中の何番目にあるか等の情報を、書き込んでも良い。具体的な例としては、JEITA−CP1222の規格のプリアンブルとタイプの部分を用いると、前記の情報をいくつかの画像に分割することも可能となる。もちろん分割のやり方、分割信号の出し方及びその分割情報の画像への収納法については、この例に限らない。また、確実に可視光通信信号を伝達する際に、繰り返し可視光通信画像を表示する方法がある。この際には、可視光通信信号を分割することにより得られる1つの信号に基づく画像を繰り返して表示し、次に、その信号の続きの信号に基づく画像を繰り返し表示させると言う方法もある。また、分割によって生成された一連の信号に基づく画像を順次表示し、これを一組として繰り返し表示させる方法もある。情報量の大きさや通常映像信号の種類などによって、どちらの表示方法を選択しても良い。
また、上述のように、ある可視光通信画像と、その反転画像とを比較的近い時間間隔で出力する場合、人の目の時間分解能の制約により、縞模様が消えて平均的な輝度の一様な画像が存在するのと同等になる。ここで、その二つの画像の表示間隔について説明する。
図11は、可視光通信画像と反転画像との表示間隔と、縞模様が見える人の割合(縞模様認識率)との関係を示す図である。
人の目の時間分解能は、50msec前後を閾値に急激に低下することが一般に知られている。図11に示ように、可視光通信画像と、その反転画像との間隔に応じて、それらの画像の縞模様の認識率は変化する。図11に示すグラフは、時間間隔と、縞模様が見える人の割合の関係を実験的に調べた結果であり、その実験では全面黒表示が行われている。また、縞は横縞であり、縞のピッチは3mmであり、視認を行う人と、画像が表示される画面とは1mは離れている。この結果より、従来言われているように、50msec付近から、縞模様が見える人の割合が急激に立ち上がるため、可視光通信画像と反転画像との間隔を50msec以下にすることが望ましい。また、ほぼ視認できない限界として20msec付近が挙げられるため、20msec以下にすることが更に望ましい。この結果より、通常の1秒間に60フレーム出力される映像においては、可視光通信画像とその反転画像とを4フレーム以上離すことは望ましくない。更には、それらの画像を1フレーム以内に留めることが望ましい。
このように、本実施の形態における上述の第3の表示ステップでは、前記第1の可視光通信画像と前記第2の可視光通信画像との表示間隔が20m秒以下となるように、前記第2の可視光通信画像を表示する。これにより、可視光通信画像が人の目に視認され難くすることができ、映像信号の画像に対する影響を抑えることができる。
図12は、本実施の形態における可視光通信画像および全黒画像の表示方法の他の例を示す図である。
例えば、表示装置100の表示部110は、図12の(a)に示すように、m番目のフレーム内において、映像信号に含まれる画像(映像)A1、全黒画像B1、可視光通信画像C1、全黒画像B2の順に、これらの画像を表示してもよい。具体的には、表示装置100の表示制御部140は、m番目のフレームに含まれる最初のサブフレームで、映像A1を表示部110に表示させ、次のサブフレームで、全黒画像B1を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、可視光通信画像C1を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで全黒画像B2を表示部110に表示させる。
このように、可視光通信画像C1が時間的に全黒画像B1,B2の間に表示されるため、受信装置200は、可視光通信画像C1による可視光通信信号を適切に受信することができる。
また、表示装置100の表示部110は、図12の(b)に示すように、m番目のフレーム内において、映像A1、全黒画像B1.可視光通信画像C1、可視光通信画像C1の反転画像である可視光通信画像C2、全黒画像B2の順に、これらの画像を表示してもよい。具体的には、表示装置100の表示制御部140は、m番目のフレームに含まれる最初のサブフレームで、映像A1を表示部110に表示させ、次のサブフレームで、全黒画像B1を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、可視光通信画像C1を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、その可視光通信画像C1の白と黒とを反転させた反転画像である可視光通信画像C2を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、全黒画像B2を表示部110に表示させる。
これにより、互いに反転画像である可視光通信画像C1、C2が連続して表示されるため、これらの画像の縞模様を目立たなくすることができる。
また、表示装置100の表示部110は、図12の(c)に示すように、m番目のフレーム内において、映像A1、全黒画像B1、可視光通信画像C1、全黒画像B2、可視光通信画像C1の反転画像である可視光通信画像C2、全黒画像B3の順に、これらの画像を表示してもよい。具体的には、表示装置100の表示制御部140は、m番目のフレームに含まれる最初のサブフレームで、映像A1を表示部110に表示させ、次のサブフレームで、全黒画像B1を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、可視光通信画像C1を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで全黒画像B2を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、既に表示された可視光通信画像C1の白と黒とを反転させた反転画像である可視光通信画像C2を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B3を表示部110に表示させる。
これにより、可視光通信画像C1,C2のそれぞれが時間的に全黒画像の間に表示されるため、受信装置200は、可視光通信画像C1,C2のそれぞれによる可視光通信信号を適切に受信することができる。さらに、互いに反転画像である可視光通信画像C1、C2が表示されるため、これらの画像の縞模様を目立たなくすることができる。
このように、本実施の形態における前記表示方法は、さらに、前記第1の可視光通信画像(C1)が表示された後、前記第2の可視光通信画像(C2)が表示されるまでの間に、前記識別用画像(B2)を再び表示する第1の再表示ステップを含む。これにより、第1の可視光通信画像(C1)と第2の可視光通信画像(C2)とが表示される間に識別用画像(B2)が表示されるため、受信装置200は、第1の可視光通信画像(C1)による可視光通信信号と、第2の可視光通信画像(C2)による可視光通信信号とを適切に分離して受信することができる。
さらに、本実施の形態にける前記表示方法は、さらに、前記第2の可視光通信画像(C2)が表示された後に、前記識別用画像(B3)を再び表示する第2の再表示ステップを含む。これにより、上述の撮像画像において、第2の可視光通信画像(C2)による可視光通信信号の終了位置を明確にすることができ、その可視光通信信号を適切に送信することができる。
さらに、本実施の形態における上述の第1または第2の再表示ステップでは、前記所定のフレーム内で、当該所定のフレームよりも短い期間だけ前記識別用画像(B2、B3)を再び表示する。これにより、識別画像(B2、B3)を目立たなくすることができ、映像信号の画像に対する識別画像(B2、B3)の影響を抑えることができる。
図13は、本実施の形態における可視光通信画像および全黒画像の表示方法の他の例を示す図である。
表示装置100の表示部110は、図13の(a)に示すように、m番目のフレーム内において、映像A1、全黒画像B1、可視光通信画像C1’、全黒画像B2、可視光通信画像C2’、全黒画像B3、可視光通信画像C3’、全黒画像B4の順に、これらの画像を表示してもよい。ここで、可視光通信画像C1’、C2’およびC3’は、図10Aの(a)および(b)によってそれぞれ示される可視光通信画像の関係と同様であって、これの画像が表示されると、これらの画像の縞が人に視認されずに、空間的に均一な像しか視認されない関係にある。つまり、可視光通信画像C1’、C2’およびC3’は、3つの画像の輝度の積算値が均一になる関係(以下、均一関係という)にある。
具体的には、表示装置100の表示制御部140は、m番目のフレームに含まれる最初のサブフレームで、映像A1を表示部110に表示させ、次のサブフレームで、全黒画像B1を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、可視光通信画像C1’を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで全黒画像B2を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、既に表示された可視光通信画像C1’と上述の均一関係にある可視光通信画像C2’を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B3を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、既に表示された可視光通信画像C1’およびC2’と上述の均一関係にある可視光通信画像C3’を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B4を表示部110に表示させる。
これにより、可視光通信画像C1’,C2’,C3’のそれぞれが時間的に全黒画像の間に表示されるため、受信装置200は、可視光通信画像C1’,C2’,C3’のそれぞれによる可視光通信信号を適切に受信することができる。さらに、均一関係にある可視光通信画像C1’,C2’,C3’が表示されるため、これらの画像の縞模様を目立たなくすることができる。なお、可視光通信画像C1’,C2’,C3’はそれぞれ白および黒によって表現されるが、白および黒の代わりに、互いに補色の関係にある2つの色によって表現されてもよい。
また、表示装置100の表示部110は、図13の(b)に示すように、m番目のフレームで可視光通信画像C1を表示し、(m+1)番目のフレームで、可視光通信画像C1に対応する可視光通信画像C2を表示してもよい。つまり。表示部110は、m番目のフレーム内において、映像A1、全黒画像B1、可視光通信画像C1、全黒画像B2の順に、これらの画像を表示する。さらに、表示部110は、(m+1)番目のフレーム内において、上述の映像信号に含まれる映像A2、全黒画像B3、可視光通信画像C2、全黒画像B4の順に、これらの画像を表示する。
具体的には、表示装置100の表示制御部140は、m番目のフレームに含まれる最初のサブフレームで、映像A1を表示部110に表示させ、次のサブフレームで、全黒画像B1を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、可視光通信画像C1を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで全黒画像B2を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述のm番目のフレームとは異なる(m+1)番目のフレームに含まれる先頭のサブフレームで、映像A2を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B3を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述の(m+1)番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、既に表示された可視光通信画像C1の反転画像である可視光通信画像C2を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B4を表示部110に表示させる。
これにより、互いに反転画像である可視光通信画像C1,C2がそれぞれ互いに異なるフレームで表示されるため、各フレーム内のコントラストを改善することができる。
図14は、本実施の形態における可視光通信画像および全黒画像の表示方法の他の例を示す図である。
表示装置100の表示部110は、図14に示すように、m番目のフレームで可視光通信画像C1’を表示し、(m+1)番目のフレームで、可視光通信画像C1’と上述の均一関係にある可視光通信画像C2’を表示し、(m+2)番目のフレームで、可視光通信画像C1’およびC2’と上述の均一関係にある可視光通信画像C3’を表示してもよい。つまり、表示部110は、m番目のフレーム内において、映像A1、全黒画像B1、可視光通信画像C1’、全黒画像B2の順に、これらの画像を表示し、(m+1)番目のフレーム内において、映像A2、全黒画像B3、可視光通信画像C2’、全黒画像B4の順に、これらの画像を表示する。さらに、表示部110は、(m+1)番目のフレーム内において、上述の映像信号に含まれる映像A3、全黒画像B5、可視光通信画像C3’、全黒画像B6の順に、これらの画像を表示する。
具体的には、表示装置100の表示制御部140は、m番目のフレームに含まれる最初のサブフレームで、映像A1を表示部110に表示させ、次のサブフレームで、全黒画像B1を表示部110に表示させる。その後、表示制御部140は、上述のm番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、可視光通信画像C1’を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで全黒画像B2を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述のm番目のフレームとは異なる(m+1)番目のフレームに含まれる先頭のサブフレームで、映像A2を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B3を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述の(m+1)番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、既に表示された可視光通信画像C1’と上述の均一関係にある可視光通信画像C2’を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B4を表示部110に表示させる。
その後、表示装置100の表示制御部140は、上述の(m+1)番目のフレームとは異なる(m+2)番目のフレームに含まれる先頭のサブフレームで、映像A3を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B5を表示部110に表示させる。その後、表示装置100の表示制御部140は、上述の(m+2)番目のフレームに含まれる、さらに次のサブフレームで、既に表示された可視光通信画像C1’およびC’と上述の均一関係にある可視光通信画像C3’を表示部110に表示させ、さらに次のサブフレームで、全黒画像B6を表示部110に表示させる。
これにより、受信装置200は、全黒画像によって、可視光通信画像C1’,C2’,C3’のそれぞれによる可視光通信信号を適切に受信することができる。さらに、均一関係にある可視光通信画像C1’,C2’,C3’が表示されるため、これらの画像の縞模様を目立たなくすることができる。さらに、各フレームのコントラストを改善することができる。
また、受信装置200は、周辺照明などの光源輝度の高周波ノイズを考慮して、露光時間を制御してもよい。
図15は、本実施の形態で説明した可視光通信画像の表示に至る手順を表したフローチャートである。図15に示すように、まず、表示装置100の第2の信号処理部160は、第2の入力部150から可視光通信信号を取得する(ステップS101)。次に、第2の信号処理部160は、その可視光通信信号を符号化して二値化する(ステップS102)。さらに、第2の信号処理部160は、二値化によって得られたそれぞれの値に対応する各画素の情報を決定する(ステップS103)。なお、各画素の情報とは、色(色には白および黒が含まれる)および明るさのうちの少なくとも一方である。また、第2の信号処理部160は、各画素の情報を決定する代わりに、外部からそれらの情報を取得してもよい。第2の信号処理部160は、これらの情報に基づいて、基本となる符号化画像P1を作成する(ステップS104)。そして、第2の信号処理部160は、表示部110の表示面に配置される符号化画像P1の領域、つまり符号化画像P1の大きさ、位置、または回転方向などを決定する(ステップS105)。なお、第2の信号処理部160は、これらの大きさ、位置または回転方向などの情報を外部から取得してもよく、予め定められた大きさ、位置または回転方向を決定してもよい。
次に、第2の信号処理部160は、その決定された大きさ、位置または回転方向などに基づいて符号化画像P1を配置する(ステップS106)。例えば、第2の信号処理部160は、符号化画像P1にある縞状模様の平行方向および垂直方向の少なくとも一方に沿って符号化画像P1を拡大または縮小したり、その符号化画像P1を回転したりする。
次に、第2の信号処理部160は、ステップS106における符号化画像P1の配置によって、表示部110の表示面に表示される可視光通信画像の作成が終了したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、終了していないと判定すると、第2の信号処理部160は、さらに、同じ符号化画像P1を繰り返し表示するか否かを判定する(ステップS108)。繰り返し表示しないと判定すると(ステップS108のNo)、第2の信号処理部160は、ステップS101からの処理を繰り返し実行する。つまり、第2の信号処理部160は、別の可視光通信信号を取得して、その別の可視光通信信号に対して上述と同様の処理を行うことにより、別の符号化画像P1を生成して配置する。一方、繰り返し表示しないと判定すると(ステップS108のYes)、第2の信号処理部160は、ステップS106からの処理を繰り返し実行する。このとき、第2の信号処理部160は、ステップS105で決定された大きさ、位置または回転方向などに基づいて、同じ符号化画像P1を拡大または縮小したり、回転したりする。
また、ステップS107において、可視光通信画像の作成が終了したと第2の信号処理部160によって判定されると(ステップS107のYes)、作成された可視光通信画像が第1の可視光通信画像として決定される。つづいて、表示制御部140は、所定の明るさの全黒画像を表示部110に所定の時間表示させる(ステップS109a)。表示制御部140は、作成された可視光通信画像を第1の可視光通信画像として表示部110に表示させる(ステップS110)。このとき、表示部110は、この最終的な第1の可視光通信画像を所定の時間表示する。次に、表示制御部140は、所定の明るさの全黒画像を表示部110に所定の時間表示させる(ステップS109b)。また、第2の信号処理部160は、第1の可視光通信画像の縞模様を構成する互いに異なる2つの輝度値または色を入れ換えることによって示される反転画像を、第2の可視光通信画像として作成する(ステップS111)。そして、表示制御部140は、その第2の信号処理部160によって作成された第2の可視光通信画像を表示部110に表示させる(ステップS112)。さらに、表示制御部140は、所定の明るさの全黒画像を表示部110に所定の時間表示させる(ステップS109c)。全黒画像を表示させる各ステップ(S109a、S109b、およびS109c)において、全黒画像の明るさ、および、その全黒画像を表示させる時間は同じでもよく、異なっていてもよい。また、ステップS111は、ステップS109bとステップS112との間で行われるが、他のタイミングで行われてもよい。例えば、ステップS111のタイミング、つまり第2の可視光通信画像を作成する時期は、ステップS107において可視光通信画像の作成が終了したと判定されたとき(ステップS107のYes)の後であってもよい。このように、ステップS111のタイミングは、ステップ112で第2の可視光通信画像が表示部110に表示されるまでの期間のうちのいずれの期間であってもよい。
次に、第2の信号処理部160は、次のフレームに対して可視光通信画像を作成するか否かを判定する(ステップS113)。ここで、生成すると判定すると(ステップS113のYes)、第2の信号処理部160は、ステップS101からの処理を繰り返し実行する。
なお、ステップS109a、S109b、S109c、S111およびS112のそれぞれの処理は、行われても、行わなくても良い。また、第2の信号処理部160は、符号化画像P1の縞状模様と垂直方向にその符号化画像P1を拡大または縮小する際には、二値化データの最小単位が画素の整数倍に相当するように、符号化画像P1のサイズを調整することが望ましい。また、作成される第1および第2の可視光通信画像のそれぞれは、表示部110の表示面の全領域に配置される必要はない。つまり、表示部110の表示面には、可視光通信画像が配置されない領域、言いかえれば、信号が送信されない領域があってもよい。このとき、表示制御部140は、第1の可視光通信画像が表示されている場合であっても、第2の可視光通信画像が表示されている場合であっても、信号が送信されない領域の輝度を、できる限り低い輝度に調整する。
図16は、高周波ノイズ周期が20マイクロ秒である場合の周辺照明などの光源輝度の高周波ノイズと、露光時間との関係を示す。高周波ノイズ周期に比べて露光時間が大きいほど、撮像画像は高周波ノイズの影響が少なくなり、光源輝度の推定が容易になる。露光時間が高周波ノイズ周期の整数倍のときは高周波ノイズの影響がなくなり、可視光通信信号の受信が最も容易になる。高周波ノイズの主な原因はスイッチング電源回路に由来し、多くの電灯用のスイッチング電源ではその周期は20マイクロ秒以下であるため、露光時間を20μsec以上とすることで、光源輝度の推定を容易に行うことができる。
また、通常の映像の一部に可視光通信画像をはめ込む形態で実施しても良い。この場合、表示部の限られた部分だけで可視光通信信号を受信するため、受信装置200と、画面との関係に制約が発生する。その一方で、映像信号の中に画面のその限られた部分に、受信装置200を向けるように誘導する画像を表示することで、解決することもできる。更に、本実施の形態では、可視光通信画像を目立たなく挿入する方法について説明したが、ここでは、領域が制限されているために、信号の縞模様を目立たなくする工夫を軽減しても良い。もちろん、できるだけ、目立たない方法を取っても良いし、取らなくともよい。また、非常に短い時間(例えば、1msec以下)でなく、連続的或いは比較的長い時間だけ、可視光通信画像を表示して、上述と同様の方法で可視光通信信号を受信してもよい。この際には、受信エラー(撮像エラー)の確率が大きく減少するために、繰り返し送信するなどの制約が緩和される。
なお、本実施の形態では、表示装置100として映像を表示するディスプレイを例に挙げているが、表示装置100は、プロジェクターのように映像を投影する機器であってもよい。
図17は、本実施の形態における表示装置100の3D映像への適用例を示す図である。
近年、種々の映像で取り入れられているメガネ式の3D映像に表示装置100を適応しても良い。この場合、表示装置100は、映像信号(左眼画像または右眼画像)が表示されるタイミングと少なくとも同じタイミングでは、可視光通信画像を左右の何れの眼にも出力しない。可視光通信画像を表示している期間にメガネの両眼のシャッターを閉じることにより、視聴者は違和感なく映像を視認することができる。
また、本実施の形態では、可視光通信画像が、連続的に、或いは比較的長い時間表示されることによって、人の目に認識される場合には、受信装置に具備される撮像部は、CCDなどのイメージセンサーであればよく、順次露光型のイメージセンサーでなくともよい。
また、本実施の形態では、表示装置100を用いて可視光通信を行う方法を説明したが、看板などの照明装置においても、同様の方法で実現することができる。
図18は、縦方向に複数のLEDを配した照明装置と、その駆動信号の一例とを示す図である。
図18の(a)に示すように、表示装置は、例えば縦方向に複数のLEDを配した照明装置である。各LED素子が可視光通信信号を符号化した横縞の最小単位に相当し、符号化したONまたはOFF信号に相当する。このような表示装置は、照明装置であるため、明るさが可視光通信信号によって変化しないように、図18の(b)で示す通常の可視光通信信号に加え、図18の(c)および(d)に示す可視光通信信号を、可視光通信信号出力期間において送信してもよい。図18の(c)および(b)に示す可視光通信信号は、縦方向に配列された各LEDの光の明暗によって表現され、さらに、それらの可視光信号では、各LEDの明と暗と(点灯と非点灯と)が反転している。
図18の(e)に、図18の(a)におけるLED1とLED3の制御の状態を示す。図18の(e)において、横軸は時間を示す。図18の(e)に示すように、照明装置は、可視光通信信号出力期間内の時刻t1に図18の(c)に示す可視光通信信号を出力し、時刻t2に図18の(d)に示す可視光通信信号を出力する。すなわち、照明装置は、時刻t1においては、LED3が非点灯、時刻t2においては、LED1が非点灯となるように各LEDを制御する。この動作を一定周期で繰り返す。これにより、照明装置においても、映像を表示する表示装置と同様に、可視光通信信号の送信が可能となる。尚、照明におけるチラツキなどを考慮すると、時刻t1およびt2で非点灯状態になる期間は、0.2msec以下であることが望ましい。
以上のように、図面および詳細な説明によって、出願人がベストモードと考える実施の形態と他の実施の形態とを提供した。これらは、特定の実施の形態を参照することにより、当業者に対して、請求の範囲に記載の主題を例証するために提供されるものである。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、それ以外の構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されているからといって、直ちにそれらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定を受けるべきではない。また、請求の範囲またはその均等の範囲において、上述の実施の形態に対して、種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
また、本開示には、以下の映像表示装置も含まれる。つまり、この映像表示装置は、入力される映像信号をフレーム単位で複数の画像に分解して出力する第1の信号処理部と、入力される可視光通信信号を符号化して符号化画像を生成し、前記符号化画像を所定の配置に配置して可視光通信画像を生成すると共に、前記可視光通信画像を表示する表示タイミングを決定する第2の信号処理部と、前記第1の信号処理部より出力される複数の画像に前記第2の信号処理部が決定した表示タイミングで前記可視光通信画像を挿入して表示するよう制御する表示制御部と、前記表示制御部の制御に従って前記第1の信号処理部より出力される複数の画像と前記可視光通信画像を表示する表示部とを備える。
また、映像表示装置は、可視光通信信号を出力可能な映像表示装置であって、映像を表示する表示面と、映像信号に基づいて前記表示パネルの表示面に可視光通信信号を符号化し、一定の規則で画像化した縞状画像を含む画像を作成する可視光通信信号制御部と、映像を表示するよう制御する表示制御部と、前記可視光通信信号を符号化して作成した画像を極短い時間映像に混入させて表示する一連の映像信号を編成し直す可視光通信信号符号化画像統合制御部と、これら映像信号を表示する表示面とを備える。
また、前記第2の信号処理部は、前記可視光通信画像を表示する極短い時間とは、1msec以内で、望ましくは0.2msec以内としてもよい。
また、前記可視光通信信号を符号化して作成した縞様画像を含む画像において、縞様画像は少なくとも1つのまとまりを持った可視光信号であって、表示面の縁辺に対して平行でない、或いは、複数の縞様画像を含み、互いに直交或いは鋭角を持って交わる状況を備えた映像を出力してもよい。
また、前記表示部の表示面に可視光通信信号を符号化し、所定の規則で画像化した縞状画像を表示する期間と連続して前記所定の縞状画像の各画素の補足を持ってなす縞状画像を表示面に表示することを特徴としてもよい。
また、本実施の形態では、液晶表示装置を表示装置100の一例として説明を行ったが、表示装置100をこれ以外の種類の表示装置に適応してもよい。
フラットタイプの表示装置のうち、プラズマディスプレイ(PDP)や、有機ELディスプレイ(OLED)等の自発光型のディスプレイは、各映像信号に基づいて、各々の原色(一般的にはR,G,Bであることが多い)のそれぞれの成分に対して階調をつけてそれらの成分を発光させ、映像表示を行う。PDPは、階調を量子化して重みをつけたサブフィールドにフレームを分解し、各々のサブフィールドにおいて点灯する/しないの情報を書き込み、時分割で発光することで、ほとんどの階調表現を行う。更なる階調表示を行うために、誤差拡散などの手法を用いて、空間的に分解を行うことで表現の幅を広げる場合もある。この際には、前述した各サブフィールドのうちのひとつ以上のサブフィールドの期間において符号化画像を出力することによって、符号化画像を表示することが可能となる。また、通常のサブフレーム構成以外の期間を設けて、その期間において符号化画像を表示することも可能となる。符号化画像は、1か0か(白か黒か、あるいは、Rとシアンなど補色関係の組み合わせ)の1ビットの信号のみを表示する場合には、短い期間のサブフレームを少なくともひとつ以上、符号化画像を表示する期間に割り当てる。これにより、その1ビットの信号を表示することが可能となる。
OLEDの場合には、PDPのように、重みをつけたサブフレームの組み合わせと、各画素の原色部分に相当する素子に流す電流とによって、単位時間当たりの発光エネルギーを制御することも可能である。そのため、サブフレームを割り当てる方法を適応することも可能であるが、別途、符号化画像を表示する期間を設けることのほうが望ましい。この際に、前述の1ビットの信号が構成される画像を作成する方法として、電流を流すか流さないかという観点で、画像を構成してもよい。しかし、別の電流量を流して輝度差をつけて符号化画像を構成することも可能であり、符号化画像を表示する期間も比較的高い自由度で選択することが可能となる。この際には、人の目で認識できないようにするために、できるだけ符号化画像による輝度を低くしたいという要求と、撮像する素子の感度によってその瞬間の輝度はできるだけ高くしたいという要求の両方を満たすため、たとえば非常に短い期間に高い輝度の符号化画像を表示することなどが可能である。
一方で、一般の液晶ディスプレイと同様に自発光型ではなく、バックライトなどの光源を必要とする表示装置には、例えば、MEMS(マイクロエレクトリックメカニカルシステム)を用いたフラットディスプレイと、プロジェクターなどがあげられる。さらに、プロジェクターには、DMDを用いた各画素に対応した反射素子を高速で駆動して映像を表示するタイプのプロジェクターと、液晶を用いたプロジェクターとがある。MEMSを用いたディスプレイは、一般的にMEMSの素子を原色ごとに設けて映像表示するものと、MEMSの素子を画素に対応する数だけ設けて、各原色は、光源を時分割して表示するものとがある。なお、後者のほうが一般的になると考えられている。
前者は、単純にPWM制御によって光源の光が透過する時間を制御することで階調表現するものと、PDPと同様に重みをつけたサブフレームにフレームを分割して量子化した階調データを用いて、各サブフレームの透過または不透過を制御することにより階調表現を行うものとがある。さらには、光源の輝度の変化との組み合わせでさらに広い範囲の階調表現をすることも可能となる。各々の表示装置において、OLEDと同様に、各サブフレームを用いて符号化画像を送信することが可能であるため、サブフレームでひとつの符号化画像を構成することも可能である。また、PWMの場合には、符号化画像を表示する期間を特定してもよい。さらに、輝度の変化と、時分割、あるいはセブフレーム制御との組み合わせの場合には、光源の輝度の制御がOLEDにおける電流量の制御と同様に、時間以外のパラメータによって階調表現することも可能である。このため、透過させる光の強度によって、1ビットの信号を表す符号化画像を作成して送信してもよい。
プロジェクターでは、スクリーンに投影した映像が時分割されて、非常に短い期間において符号化画像を構成できる制御を行えばよい。具体的にその制御の方法を説明する。
DMDを用いたプロジェクターには、各原色を時分割するタイプと、原色ごとにDMDを配置するタイプとがある。前者のタイプは、駆動形態としては、MEMSの場合とほぼ同様の構成により実現できる。しかし、プロジェクターの場合には、光源の光を反射した光をスクリーンに投影した際の画像に符号化画像を表示しなければならない。このため、設備の構成は異なるが、制御方法としては、PWMを用いた場合、サブフレームを用いた場合、光源光の強度制御まで用いた場合、および、それらを組み合わせた場合のそれぞれに応じた機器に合わせて、符号化画像をスクリーンに投影する手段が考えられる。これらも、すべてMEMSにおいて、バックライトの光を前面に透過させる場合と読み替えて行えばよい。後者のタイプでは、原色ごとの点灯または非点灯により符号化画像の信号量(ビット数)をあげてもよいが、すべての原色を同時に制御する、あるいは、同時に逆相の駆動を用いる。これにより、白黒あるいはお互いに補色の関係にある二色によって、符号化画像をスクリーンに投影することが可能となる。液晶を用いたプロジェクターに関しては、液晶ディスプレイを用いた場合と同様の方法で、符号化画像をスクリーンに投影することが可能となる。
図19Aは、本開示の一態様に係る表示方法のフローチャートである。
本開示の一態様に係る表示方法は、映像信号に含まれる画像をフレームごとに表示する表示方法であって、ステップSL11〜SL13を含む。つまり、この表示方法は、可視光通信信号を符号化することによって、可視光通信用の縞模様の画像を第1の可視光通信画像として生成する可視光通信画像生成ステップSL11と、所定のフレームにおいて、前記映像信号に含まれる画像を表示する第1の表示ステップSL12と、前記所定のフレームにおいて、表示される前記画像の平均輝度よりも一様に低い輝度の画像を識別用画像として表示し、続けて前記第1の可視光通信画像を表示する第2の表示ステップSL13とを含む。また、第2の表示ステップSL13では、前記映像信号に含まれる画像が前記所定のフレーム内で表示された後、前記第1の識別用画像および前記第1の可視光通信画像をそれぞれ、前記所定のフレームと同じフレーム内で、当該所定のフレームよりも短い期間だけ表示する。
図19Bは、本開示の一態様に係る表示装置のブロック図である。
本開示の一態様に係る表示装置L10は、映像信号に含まれる画像をフレームごとに表示する表示装置であって、構成要素L11〜L13を備える。つまり、この表示装置L10は、可視光通信信号を符号化することによって、可視光通信用の縞模様の画像を第1の可視光通信画像として生成する可視光通信画像生成部L11と、所定のフレームにおいて、前記映像信号に含まれる画像を表示する第1の表示部L12と、前記所定のフレームにおいて、表示される前記画像の平均輝度よりも一様に低い輝度の画像を識別用画像として表示し、続けて前記第1の可視光通信画像を表示する第2の表示部L13とを備える。また、第2の表示部L13は、前記映像信号に含まれる画像が前記所定のフレーム内で表示された後、前記第1の識別用画像および前記第1の可視光通信画像をそれぞれ、前記所定のフレームと同じフレーム内で、当該所定のフレームよりも短い期間だけ表示する。なお、可視光通信画像生成部L11は、例えば図2に示す第2の信号処理部160に相当し、第1および第2の表示部L12,L13は、例えば図2に示す表示制御部140および表示部110から構成される。
このような図19Aおよび図19Bによって示される表示方法および表示装置L10では、例えば、全黒画像または一様に灰色の画像が識別用画像として表示された後に第1の可視光通信画像が表示されるため、フレームごとに表示される画像を順次露光型のイメージセンサーを用いて撮像することによって得られる撮像画像には、可視光通信信号の開始位置を示す一様に黒または灰色のラインが表れる。したがって、その撮像画像から可視光通信信号を容易に読み出すことができる。その結果、可視光通信信号を適切に送信することができる。また、可視光通信信号の送信のためにバックライトを点滅させる必要がないため、画質を大きく劣化させることなく、可視光通信信号を映像に挿入して送信することができる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。例えばプログラムは、図19Aのフローチャートによって示される表示方法をコンピュータに実行させる。
なお、本開示における包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。