JP6143695B2 - アルミニウム加工油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム加工油組成物(アルミニウム加工用潤滑油組成物)に関するものである。
冷蔵庫やエアコン等の冷凍冷蔵システムの熱交換器には、アルミニウムフィンが使用されている。アルミニウムフィンは、平板状のアルミニウム部材(アルミニウムフィン材) を張り出し加工、絞り加工、打ち抜き加工、カーリング加工、しごき加工等塑性加工等することにより製造される。これらのアルミニウムフィン材の加工は、通常、油剤を用いて行われる。油剤としては、イソパラフィン等の合成系炭化水素が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
加工後にアルミニウムフィン材に付着している油剤は加熱により除去する必要がある。そのため、油剤には一定以上の揮発性が求められている。しかしながら、油剤の揮発性を良くすると、加工前、加工中に油剤が揮発してしまい十分な加工性が得られなくなる。また、被加工材であるアルミニウムフィンの保管、運搬、組立加工の際にアルミニウムフィン同士が直接接触して傷が発生する原因となったり、組立時の潤滑性が不足してしまう。一方、それらの不具合を防止するために揮発し難い油剤を使用すると、油剤除去工程において油剤を十分に除去できなくなる。
このため、油剤には、室温では揮発し難く、油剤除去工程における設定温度では速やかに、かつ十分に揮発するという相反する性能が求められている。また、臭気や作業員の肌荒れ等の防止の観点から、揮発性が過度に高くない油剤が望まれている。そのため、基油は揮発しやすい溶剤を用い、添加剤の使用によって加工性を補う方策がとられてきた。しかしながら、添加剤にも高い揮発性が求められるため選択の範囲が狭く、従来の油剤は上述の要求特性を全て満足しているとは言い難い。
特開平2−133495号公報
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであり、十分な油剤除去性を有した上で、限られた範囲の添加剤でも十分な加工性を発揮でき、臭気、肌荒れ等を防止可能なアルミニウム加工用潤滑油を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定性状を有する炭化水素油を使用することにより、添加剤の効果を最大限に発揮させることで、油剤除去性と加工性という相反する性能を高水準でバランス良く達成できるアルミニウム加工油組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、パラフィン系炭化水素を炭化水素油基準で90質量%以上含み、5%留出温度が190℃以上、95%留出温度が255℃以下、かつ、5%留出温度と95%留出温度の差が45℃以下である炭化水素油(A)90〜99質量%と、エステル、1価アルコールおよびカルボン酸から選ばれる油性剤(B)1〜10質量%を含有することを特徴とするアルミニウム加工油組成物である。
本発明のアルミニウム加工油組成物は、高い油剤除去性および加工性をバランス良く達成でき、なおかつ、臭気、皮膚刺激を抑え作業員の健康被害の抑制にも貢献する。
以下、本発明について詳述する。
本発明のアルミニウム加工油組成物(以下、単に加工油組成物という。)は、パラフィン系炭化水素を炭化水素油基準で90質量%以上含み、5%留出温度が190℃以上、95%留出温度が255℃以下、かつ、5%留出温度と95%留出温度の差が45℃以下である炭化水素油(A)を含有する。
炭化水素油(A)の5%留出温度は、190℃以上であることが必要であり、好ましくは195℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上であり、最も好ましくは205℃以上である。5%留出温度が190℃よりも低くなると臭気、皮膚刺激性の原因となり作業環境を悪化させる。
炭化水素油(A)の95%留出温度は、255℃以下であることが必要であり、好ましくは240℃以下であり、さらに好ましくは230℃以下であり、最も好ましくは220℃以下である。95%留出温度が255℃よりも高くなると除去性が悪化し作業効率や製品品質を損なう。
炭化水素油(A)の5%留出温度と95%留出温度の差は、45℃以下であることが必要であり、好ましくは20℃以下であり、さらに好ましくは10℃以下であり、最も好ましくは5℃以下である。5%留出温度と95%留出温度の差が45℃よりも大きくなると除去性が悪化し作業効率や製品品質を損なう。
炭化水素油(A)は、パラフィン系炭化水素を90質量%以上含有する。特に炭素数10〜13のパラフィン系炭化水素を、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、さらに好ましくは94質量%以上含有するものが望ましい。一方、炭素数10〜13のパラフィン系炭化水素の含有量は99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることがさらに好ましい。含有量が多すぎると加工性が低下し、少なすぎると除去性が低下する。なお、パラフィン系炭化水素は、直鎖であっても分岐鎖を有するものであっても良いが、加工性の点から直鎖であることが好ましい。
炭化水素油(A)中のn−テトラデカンの含有量は10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、4質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることが特に好ましく、1質量%以下であることが最も好ましい。n−テトラデカンの含有量が多いと添加剤の効果を妨げ加工性が低下する。また、油剤除去性が低下する場合がある。
本発明に用いられる炭化水素油には、オレフィン分は含まれない。オレフィン系炭化水素は、アルミニウムの加工において、加工性を向上させることが知られており、添加剤としての機能を発揮するため、アルミニウム加工油に含まれるオレフィン系炭化水素は本発明においては添加剤として取り扱う。
また、炭化水素油(A)中の芳香族分は、油剤の臭気や作業員の肌荒れの点から5容量%以下であることが好ましく、3容量%以下がより好ましく、2容量%以下がさらに好ましく、1容量%以下が特に好ましく、最も好ましくは0である。芳香族分を5容量%以下とすることにより、臭気や肌荒れ等を防止することができるとともに、使用する添加剤(油性剤)の効果をより向上させ良好な加工性を得ることができる。
なお、本発明における芳香族分とは、JIS K 2536「石油製品−炭化水素タイプ試験」の蛍光指示薬吸着法に準拠して測定された値を意味する。
本発明に係る炭化水素油は鉱油であっても合成油であってもよい。通常、炭化水素系溶剤などとして工業的に生産されている炭化水素油のうち、所定の性状のものを選択して利用することができる。
鉱油である場合は原油を常圧蒸留して得られた留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の1種又は2種以上の精製手段を適宜組み合わせて得ることができる。
合成油としては、ポリα−オレフィン(エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、およびこれらの水素化物など)などが使用可能である。
なお、炭化水素油の組成分析はガスクロマトグラムにて以下の条件で実施した。
Model:島津製作所社製GC−2010
Column:ウルトラアロイ_1HT(30mm×0.25mmf)
Carr.Gas:He100kPa
Inj.Temp:280℃
Oven Temp:40℃(5min)〜220℃
Temp.Rate:5℃/min
Inj.Vol:0.4mL(Split:70/1)
本発明の加工油組成物は、(B)油性剤成分として、(B1)エステル、(B2)1価アルコール、および(B3)カルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の油性剤を含有する。
(B1)成分であるエステル油性剤は、アルコールとカルボン酸とを反応させることにより得られるエステルからなる。アルコールとしては、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。また、カルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。
1価アルコールとしては、通常炭素数1〜24の1価アルコールが用いられる。このようなアルコールとしては、直鎖状のものでも分枝状のものでも、飽和アルコールでも不飽和アルコールでもよい。また、飽和で直鎖状のアルコールが好ましい。
多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価の多価アルコールが用いられる。
また、エステル油性剤を構成する一塩基酸としては、通常炭素数6〜24を有する直鎖又は分枝の脂肪酸が挙げられる。また、一塩基酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又はこれらの混合物であってもよい。
エステル油性剤としては、例えば、以下の(1b)〜(7b)成分が挙げられる。エステル油性剤としては、これらの例示成分のように、任意のアルコールとカルボン酸とを反応させて得られるエステルが使用可能であり、特にこれらに限定されるものではない。
(1b)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(2b)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(3b)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(4b)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(5b)一価アルコール及び多価アルコールの混合物と、多塩基酸との混合エステル
(6b)多価アルコールと、一塩基酸及び多塩基酸の混合物との混合エステル
(7b)一価アルコール及び多価アルコールの混合物と、一塩基酸及び多塩基酸の混合物
との混合エステル
エステル油性剤としては、上記したいずれのエステルも使用可能であるが、加工性に優れる点から、(1b)一価アルコールと一塩基酸とのエステルが好ましい。
油性剤として用いるエステルの合計炭素数には特に制限はないが、本発明の炭化水素油との相性に優れ油加工性により優れる点から、エステルの合計炭素数(アルコールの炭素数と一塩基酸の炭素数との合計)は7以上が好ましく、9以上がより好ましく、11以上が最も好ましい。また、エステルの合計炭素数が大き過ぎると除去性を低下させる恐れが大きくなること、本発明の炭化水素油との相性に優れ油加工性により優れる点から、合計炭素数は26以下が好ましく、24以下がより好ましく、22以下が最も好ましい。
(B2)成分の一価アルコールとしては、炭化水素油(A)との相性に優れ油加工性により優れる点から、一価アルコールの炭素数は6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が最も好ましい。また、炭素数が大き過ぎると除去性を低下させる恐れが大きくなること、炭化水素油(A)との相性に優れ油加工性により優れる点から、炭素数は20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下が最も好ましい。
(B3)成分のカルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよいが、炭化水素油(A)との相性に優れ油加工性により優れる点から、一塩基酸が好ましい。また、加工性に優れる点から、カルボン酸の炭素数は6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が最も好ましい。また、カルボン酸の炭素数が大き過ぎるとステインや腐食の発生を増大させる恐れが大きくなること、炭化水素油(A)との相性に優れ油加工性により優れる点から、炭素数は20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下が最も好ましい。特に、炭素数10以上18以下の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸が好ましい。
本発明の加工油組成物に使用する油性剤としては、上記各種油性剤の中から選ばれる1種のみを単独で又は2種以上の混合物として用いてもよいが、加工性をより向上できることから、(1)1価アルコールと一塩基酸とから得られる合計炭素数7〜26のエステル、(2)炭素数6〜20の一価アルコール、(3)炭素数6〜20の一塩基酸、及びこれらの混合物であることが好ましい。
油性剤の含有量は、組成物全量基準で、加工性の観点から、1質量%以上であり、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。一方、油性剤の含有量は、含有量が多過ぎると除去性の低下を増大させる恐れが大きくなることから、10質量%以下であり、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の加工油組成物は、(C)成分として、(B)成分の油性剤以外の含酸素化合物をさらに含有することが好ましい。
(B)成分の油性剤以外の含酸素化合物としては、以下の(C1)〜(C8)成分からなる群より選ばれる含酸素化合物が挙げられる。
(C1)数平均分子量が100以上1000未満である水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物
(C2)上記(C1)成分のハイドロカルビルエーテル又はハイドロカルビルエステル
(C3)数平均分子量が100以上1000未満のポリアルキレングリコール
(C4)上記(C3)成分のハイドロカルビルエーテル又はハイドロカルビルエステル
(C5)炭素数2〜20の2価アルコール
(C6)上記(C5)成分のハイドロカルビルエーテル又はハイドロカルビルエステル
(C7)炭素数3〜20の3価アルコール
(C8)上記(C7)成分のハイドロカルビルエーテル又はハイドロカルビルエステル
(C1)成分を構成する多価アルコールは、水酸基を3〜6個有する。水酸基を3〜6個有する多価アルコールには、以下の多価アルコールに加え、糖類も含まれる。
多価アルコールとしては、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜4量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン)、トリメチロールアルカン(例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン)、及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3.5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、イジリトール、タリトール、ズルシトール、アリトール等が挙げられる。
糖類としては、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マントース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース等が挙げられる。
これらの中では、加工性に優れる点から、グリセリン、トリメチロールアルカン、ソルビトールが好ましい。
また、(C1)成分を構成するアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが用いられる。加工性に優れる点から、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがより好ましい。
なお、2種以上のアルキレンオキサイドを用いた場合には、オキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合していても、ブロック共重合していてもよい。また、水酸基を3〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際、全ての水酸基に付加させてもよいし、一部の水酸基のみに付加させてもよいが、加工性に優れる点から、全ての水酸基に付加させた方が好ましい。
さらに、(C1)成分の数平均分子量(Mn)は100以上1000未満であり、好ましくは100以上800未満である。Mnが100未満の場合には、炭化水素油に対する溶解性が低下し好ましくない。一方、Mnが1000以上の場合には、油剤除去工程において加工後の被加工材の表面に油剤が残存する恐れがあるため好ましくない。
なお、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレンの換算の数平均分子量をいう。
(C1)成分としては、Mnが100以上1000未満となるように水酸基を3〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加反応させたものを用いてもよい。また、任意の方法で得られる水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の混合物や市販されている水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の混合物を、蒸留やクロマトグラフィーによってMnが100以上1000未満となるように分離したものを用いてもよい。なお、(C1)成分としては、これらの化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
(C2)成分は、Mnが100以上1000未満、好ましくは100以上800未満である水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を、ハイドロカルビルエーテル化又はエステル化させたものである。
(C2)成分としては、(C1)成分のアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化又はエステル化させたものが使用できる。ここで言うハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等の炭素数1〜24の炭化水素基を表す。
これらの中では、加工性に優れる点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)がより好ましい。
エステル化に用いる酸としては、通常、カルボン酸が挙げられる。このカルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよいが、通常、一塩基酸が用いられる。一塩基酸としては、炭素数6〜24の脂肪酸が挙げられ、直鎖状のものでも分枝状のものでもよい。また、一塩基酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又はこれらの混合物であってもよい。
これらの中では、特に炭素数8〜20の飽和脂肪酸、炭素数8〜20の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物が好ましい。なお、(C2)成分としては、これら化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
(C3)成分は、Mnが100以上1000未満のポリアルキレングリコールであり炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレンオキサイドを単独重合又は共重合したものが用いられる。炭素数2〜6のアルキレンオキサイドとしては、(C1)成分の説明において列挙したアルキレンオキサイドが挙げられる。
これらの中では、加工性に優れる点から、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがより好ましい。
なお、ポリアルキレングリコールの調製時に2種以上のアルキレンオキサイドを用いた場合には、オキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合していても、ブロック共重合していてもよい。
また、(C3)成分としては、Mnが100以上1000未満、好ましくは120以上700未満であることが必要であるが、Mnが100未満のポリアルキレングリコールは、炭化水素油への溶解性が低下し好ましくない。一方、Mnが1000以上のポリアルキレングリコールは、油剤除去工程において加工後の被加工材の表面に油剤が残存する恐れがあるため好ましくない。
またさらに、(C3)成分としては、アルキレンオキサイドを重合させる際にMnが100以上1000未満となるように反応させたものを用いてもよい。また、任意の方法で得られるポリアルキレングリコール混合物や市販されているポリアルキレングリコール混合物を、蒸留やクロマトグラフィーによってMnが100以上1000未満となるように分離したものを用いてもよい。なお、(C3)成分としては、これらの化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
(C4)成分は、Mnが100以上1000未満、好ましくは120以上700未満のポリアルキレングリコールを、ハイドロカルビルエーテル化又はエステル化させたものである。(C4)成分としては、(C3)成分のポリアルキレングリコールの末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化又はエステル化させたものが使用できる。ここでいうハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24の炭化水素基を表し、具体的には例えば(C2)成分の説明において列挙した各基が挙げられる。これらの中では、加工性に優れる点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)がより好ましい。
また、(C4)成分としては、(C3)成分のポリアルキレングリコールの末端水酸基をエステル化させたものも使用できる。エステル化に用いる酸としては、通常カルボン酸が挙げられる。このカルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよいが、通常、一塩基酸が用いられる。具体的には、上記(C2)成分の説明において列挙したものが挙げられる。なお、(C4)成分としては、これら化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
(C5)成分は、炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜18の2価アルコールである。ここでいう2価アルコールとは、分子中にエーテル結合を有しないものをいう。
(C6)成分は、炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜18の2価アルコール(但し、分子中にエーテル結合を有するものを除く。)を、ハイドロカルビルエーテル化させたもの又はエステル化させたものである。(C6)成分としては、(C5)成分の2価アルコールの末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化させたものが使用できる。ここでいうハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24の炭化水素基を表し、具体的には例えば(C2)成分の説明において列挙した各基が挙げられる。これらの中では、加工性に優れる点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)が更に好ましい。
また、(C6)成分としては、(C5)成分の2価アルコールの末端水酸基の一方又は両方を、エステル化させたものも使用できる。エステル化に用いる酸としては、通常、カルボン酸が挙げられる。このカルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよいが、通常一塩基酸が用いられる。具体的には、上記(C2)成分の説明において列挙したものが挙げられる。またさらに、(C6)成分のエステルは、(C5)成分の2価アルコールの末端水酸基の一方をエステル化したもの(部分エステル)であってもよく、末端水酸基の両方をエステル化したもの(完全エステル)であってもよい。これらの中では、加工性に優れる点から、部分エステルであることが好ましい。なお、(C6)成分としては、これら化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
(C7)成分は、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜18の3価アルコールである。ここでいう3価アルコールとは、分子中にエーテル結合を有しないものをいう。
(C8)成分は、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜18の3価アルコール(但し、分子中にエーテル結合を有するものを除く。)を、ハイドロカルビルエーテル化させたもの又はエステル化させたものである。(C8)成分としては、(C7)成分の3価アルコールの末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化させたものが使用できる。ここでいうハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24の炭化水素基を表し、具体的には例えば(C2)成分の説明において列挙した各基が挙げられる。これらの中では、加工性に優れる点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)がより好ましい。
また、(C8)成分としては、(C7)成分の3価アルコールの末端水酸基の一方又は全部を、エステル化させたものが使用できる。エステル化に用いる酸としては、通常、カルボン酸が挙げられる。このカルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよいが、通常一塩基酸が用いられる。具体的には、上記(C2)成分において列挙したものが挙げられる。なお、(C8)成分のエステルとしては、(C7)成分の3価アルコールの末端水酸基の一つ又は2つをエステル化したもの(部分エステル)であってもよく、末端水酸基の全部をエステル化したもの(完全エステル)であってもよい。これらの中では、加工性に優れる点から、部分エステルであることが好ましい。
(C8)成分としては、(C7)成分のうち、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−へキサントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3,4−ヘキサントリオール、1,3,5−ヘキサントリオール、1,3,6−へキサントリオール及び1,4,5−へキサントリオールのハイドロカルビルエーテル又は部分エステルが好ましい。なお、(C8)成分としては、これら化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
本発明において、上記(C1)〜(C8)成分の中から選ばれる1種の含酸素化合物を単独で用いてもよいし、異なる構造を有する2種以上の含酸素化合物の混合物を用いてもよい。上記(C1)〜(C8)成分の中では、加工性に優れる点から、(C3)成分、(C4)成分、(C5)成分及び(C8)成分が好ましく、(C3)成分、(C4)成分及び(C8)成分がより好ましい。
本発明の加工油組成物は、含酸素化合物(C)を含有していなくても良いが、含有させる場合その含有量は、該潤滑油の全量基準で0.01〜5質量%であることが好ましい。すなわち、含酸素化合物の含有量は0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。一方、含酸素化合物の含有量は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下である。含酸素化合物の含有量が少なすぎると加工性が不十分となることがあり、含有量を多くしても含有量に見合う効果が得られないことがある。
本発明の加工油組成物においては、その優れた効果をより一層向上させるため、必要に応じてオレフィン系炭化水素、極圧添加剤、酸化防止剤、さび止め剤、腐食防止剤、消泡剤等の添加剤を単独で又は2種以上を組み合わせて更に含有してもよい。
オレフィン系炭化水素としては、炭素数8〜16、特には炭素数12〜14のオレフィンを含有していても良い。オレフィン系炭化水素は、分子内に不飽和結合を有する鎖状炭化水素であり、分子内に二重結合を1個有しているものであっても、2個以上有しているものであってもよいが、二重結合を1個有しているものが好ましい。また、二重結合の位置についても特に制限はないが、潤滑性に優れる点から、末端に二重結合を有していることが好ましい。また、オレフィンは直鎖であっても分岐鎖を有するものであっても構わないが、特に直鎖が加工性に有効である。したがって、オレフィンとしては直鎖のα−オレフィンであることが好ましい。
直鎖のα−オレフィンとしては、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。なお、直鎖α−オレフィンとしては、様々な製法によって得られるものを用いることができるが、例えばエチレンを通常の手段で重合させて得られるエチレンオリゴマーを使用することができる。また、直鎖α−オレフィンとしては、これらの化合物を単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
オレフィン系炭化水素の含有量は、組成物全量基準で、1〜30質量%が好ましく、3〜25質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。オレフィンの含有量が少なすぎると加工性に対する効果が不十分となり、多すぎると除去性が低下する。
極圧添加剤としては、トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステル、ジアルキルハイドロゲンフォスファイト等の亜リン酸エステルなどのリン系化合物、及びジアルキルジチオリン酸亜鉛等の有機金属化合物が挙げられる。
極圧添加剤となるリン系化合物としては、亜リン酸エステルが、特にはジアルキルハイドロゲンフォスファイトリン酸エステルが好ましい。この場合のアルキル基は、炭素数4〜18、特には6〜12の直鎖アルキル基が好ましい。また、極圧添加剤の含有量は、組成物全量基準で、0.02〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。
酸化防止剤としては、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール(DBPC)等のフェノール系化合物、フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン及びジアルキルジチオリン酸亜鉛等の有機金属化合物が挙げられる。
さび止め剤としては、オレイン酸等の脂肪酸の塩、ジノニルナフタレンスルホネート等のスルホン酸塩、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステル、アミン及びその誘導体、リン酸エステル及びその誘導体が挙げられる。
腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系のものが挙げられる。
上記添加剤の合計含有量は、本発明の加工油組成物の全量基準で、通常0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の加工用油組成物は、アルミニウムの加工用油剤として使用されるが、特にアルミニウムフィン材の加工用油剤として好適である。なお、アルミニウムフィン材の材質としては、純アルミニウムが多く使用されているが、アルミニウム合金を使用してもよい。また、本発明の加工油組成物は、アルミニウムフィン材の表面を予め親水性被膜処理したプレコート材、及びそのような処理を施していない材料にも用いることができる。一般には、プレコート材の場合には、鉱油のみからなる油剤で加工できる可能性が高いが、プレコート処理を施していない材料を加工する場合には、本発明の加工用油組成物が上記含酸素化合物を含有することが好ましい。
本発明の加工油組成物によるアルミニウムの加工は、アルミニウム材料の表面に加工油組成物を塗布、スプレーなどにより接触させ、塑性加工などの加工処理を行い、その後、加工物を加熱することで、本発明の加工油組成物を除去することができる。このため、本発明によれば、加工後に加工油を除去するための洗浄工程を省略することも可能である。
なお、ここでいう被膜とは、アルミニウムフィン材上に形成された耐食性下地被膜とその被膜上に形成される親水性被膜とからなる膜をいう。耐食性下地被膜としては、無機系下地被膜と有機系下地被膜が挙げられる。無機系下地被膜としては、例えば、クロメート被膜、ベーマイト被膜、ケイ酸被膜又はこれらを組み合わせた被膜が挙げられる。また、有機系下地被膜として多用されているとしては、例えば、ポリ塩化ビニル− 酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、スチロール系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ユリアメラミン樹脂、ポリアセタール系樹脂及び繊維系樹脂が挙げられる。
なお、アルニウムフィン材の加工としては、例えば、張り出し加工、絞り加工、打ち抜き加工、カーリング加工及びチューブ挿通孔周辺の筒形立ち上がり壁をしごいて高くするしごき加工が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で使用した炭化水素油および添加剤は以下の通りである。
(炭化水素油)
A1:炭素数11の直鎖パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が210℃、95%留出温度が213℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が3℃である。
A2:炭素数11の直鎖パラフィンを90質量%以上、炭素数10〜13の直鎖パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が192℃、95%留出温度が226℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が34℃である。
A3:炭素数11の直鎖パラフィンを90質量%以上、炭素数10〜13の直鎖パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が203℃、95%留出温度が237℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が34℃である。
A4:炭素数11の直鎖パラフィンを90質量%以上、炭素数10〜13の直鎖パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が199℃、95%留出温度が231℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が32℃である。
A5:炭素数11の分岐パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が211℃、95%留出温度が213℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が2℃である。
A6:炭素数13の直鎖パラフィンを90質量%以上、炭素数10〜13の直鎖パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が218℃、95%留出温度が253℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が35℃である。
A7:炭素数13の直鎖パラフィンを90質量%以上、炭素数10〜13の直鎖パラフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が202℃、95%留出温度が243℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が41℃である。
A8:炭素数11のアルキルナフテンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が209℃、95%留出温度が213℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が4℃である。
A9:炭素数11のアルキルベンゼンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出 温度が214℃、95%留出温度が219℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が5℃である。
(油性剤)
B1−1:ステアリン酸ブチル
B1−2:カプリル酸メチル
B2−1:ラウリルアルコール
B2−2:炭素数13の分岐アルコール
B2−3:オレイルアルコール
B3−1:ラウリン酸
B3−2:ステアリン酸
(含酸素化合物)
C1−1:グリセリンのプロピレンオキサイド付加物(数平均分子量250)
C3−1:トリプロピレングリコール(分子量192)とテトラプロピレングリコール(分子量250)との質量比3:1の混合物
C4−1:テトラエチレングリコール(分子量194)のモノオレイルエーテル
C4−2:テトラエチレングリコール(分子量194)のジオレイルエーテ ル
C4−3:ポリエチレングリコール(数平均分子量200)のジラウリン酸エステル
C4−4:ポリエチレングリコール(数平均分子量200)のジオレイン酸エステル
C4−5:ポリエチレングリコール(数平均分子量300)のジステアリン酸エステル
C8−1:グリセリンジオレエートとグリセリントリオレエートとの質量比1:1の混合物
(その他の添加剤)
D1:亜リン酸エステル(ジアルキルハイドロジェンフォスファイト、アルキル基は炭素数8の直鎖アルキル基である。)
D2:酸化防止剤(ジ−ter−ブチル−p−クレゾール)
D3:炭素数11の直鎖オレフィンを90質量%以上、炭素数10〜13の直鎖オレフィンを99質量%以上含有する炭化水素油で、5%留出温度が184℃、95%留出温度が214℃であり、5%留出温度と95%留出温度の差が30℃である。
(実施例1〜34および比較例1〜7)
表1に示す本発明の各潤滑油組成物および比較用の各潤滑油組成物を調製し、以下の評価試験を行った。その結果を表1に併記した。炭化水素油および添加剤の含有量(質量%)はいずれも組成物全量基準である。また表中のT5、T95、T95−T5はそれぞれ5%留出温度(℃)、95%留出温度(℃)、5%留出温度と95%留出温度の差(℃)を表す。
(加工性試験)
各潤滑油を長さ300mm×幅30mm×厚さ0.6mmのアルミニウム板(材質:JISA1050材)の両面に塗布し、平面部を有する金属製ブロック(材質:SKD11)と平面部を有する金属製ブロック(材質:SKD11)の間に挟み、980N(100kgf)の力でブロックを押さえながら、アルミニウム板を一方向に引き抜き速度120mm/minになるように引き抜く際の力を測定し、要した引き抜き力から摩擦係数を算出した。算出された摩擦係数が0.55以下となったものは充分な潤滑性を有していると判断し、合格と評価した。
(除去性評価)
溶剤にて洗浄したアルミニウム試験片を120℃恒温漕内にて10分静置したのち、秤量する。この際の重量をA(g)とする。次に、この試験片をデシケータ内で室温まで冷却し、試料油を2g/mで塗布する。塗布前の試験片の質量をB(g)、塗布後の試験片の質量をC(g)とする。この試験片を120℃恒温漕内で1分間静置し、その後直ちに秤量しこれをD(g)とする。そして以下の式から試料油の蒸発量を求めた。蒸発量が90%以上となったものは充分な除去性を有していると判断し、合格と評価した。
蒸発量(%)=100×(D―A)/(C―B)
(臭気判定)
10名の被験者に40℃に加温した試料油の臭気を嗅いでもらい、3段階で評価した。『臭気を感じる』を1点、『やや臭気を感じる』を2点、『臭気を感じない』を3点とし、平均点を求めた。平均点が2.0以上となったものは充分な臭気抑制効果を有すると判断し、合格と評価した。特に2.5以上となったものは臭気抑制効果に非常に優れると判断した。表中においては平均点が2.5点以上を『○』、2.5点未満2.0点以上『△』、それ未満を『×』で表した。
(皮膚刺激性判定)
市販の絆創膏に0.5mlの試料油を含ませ、10名の被験者の腕の内側に張り、24時間後の肌の状態を観察し3段階で評価した。試験後の肌の状態が『赤い』を1点、『やや赤い』を2点、『変化なし』を3点とし、平均値を求めた。平均点が2.0以上となったものは皮膚刺激が充分弱いと判断し、合格と評価した。特に2.5以上となったものは皮膚刺激が非常に弱いと判断した。表中においては平均点が2.5点以上を『○』、2.5点未満2.0点以上を『△』、それ未満を『×』で表した。
Figure 0006143695

Claims (8)

  1. 直鎖パラフィン系炭化水素を炭化水素油基準で90質量%以上含み、5%留出温度が190℃以上、95%留出温度が255℃以下、かつ、5%留出温度と95%留出温度の差が10℃以下である炭化水素油(A)90〜99質量%と、エステル、1価アルコールおよびカルボン酸から選ばれる油性剤(B)1〜10質量%を含有することを特徴とするアルミニウム加工油組成物。
  2. 炭化水素油が、炭素数10〜13のパラフィン系炭化水素を90質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム加工油組成物。
  3. 炭化水素油中のn−テトラデカン含有量が10質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム加工油組成物。
  4. 炭化水素油中の芳香族分が1容量%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム加工油組成物。
  5. 油性剤(B)が、炭素数7〜26のエステル、炭素数6〜20の1価アルコールおよび炭素数6〜20のカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム加工油組成物。
  6. さらに、油性剤(B)以外の含酸素化合物(C)を組成物全量基準で0.01〜5質量%含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム加工油組成物。
  7. 含酸素化合物(C)が数平均分子量100以上1000未満のポリアルキレングリコールまたはその誘導体であることを特徴とする請求項に記載のアルミニウム加工油組成物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のアルミニウム加工油組成物を用いて、アルミニウムの加工を行う加工方法。
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