JP6142734B2 - Simカードの製造方法とsimカード製造用基板 - Google Patents

Simカードの製造方法とsimカード製造用基板 Download PDF

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本発明は、SIMカードの製造方法とSIMカード製造用基板に関する。詳しくは、SIMカードをカード状の板状枠体から折り取りするための輪郭である溝を打ち抜きする際の打ち抜き不良を低減させる技術に関する。
携帯電話等に装着して使用するSIMカードやミニサイズSIMカードは、通常の札入れサイズのICカードとして製造してから、小型のSIMカードとして、枠体であるICカードから折り取りするための連結部を残して外周輪郭溝を打ち抜きし、使用時に該連結部を折って使用するようにされている。
従来、SIMカードもコアシートやオーバーシートを積層して製造されていたが、近年、SIMカードには、表面にレーザ発色層を有する単層基材の使用が試験されている。
この基材は中心となる支持層とその表裏の透明層からなる3層共押出し材料であるが、単層基材として扱いできる。
SIMカードは、携帯電話等に装着したままで使用され、通常のICカードのように諸種の適性や装飾的要素があまり求められないからである。
しかし、SIMカードであっても、カードの識別番号表示や色彩を施す印刷が必要であり、従来は通常のICカードと同様にオフセット印刷や熱転写プリントによる識別番号の印字等を行っていたが、レーザ発色層を有する基材では、文字部分はレーザ印字するようにされている。
この基材は、耐熱性のある中心支持層とその表裏面(または少なくとも片面)に、黒色に発色するレーザ発色層を備えているが、シルクスクリーンによる下引き印刷をしてから色彩印刷をした場合に、前記外周輪郭溝を打ち抜きすると、輪郭溝際に微小な基材の割れを伴って打ち抜かれ、それが原因で不良品になるという問題がある。
不良品を調査した結果、基材の割れは、レーザ発色層に生じており、シルクスクリーンインキ中の溶剤成分が、基材のレーザ発色層に影響を与えていることが認められた。
本願で使用するカード用基材は、PET−G樹脂からなる中心支持層とその両面の発色層であるポリカーボネートとPET−Gのアロイ樹脂の3層共押出し材料であるが、本願は、上記打ち抜き適性と印刷適性との総合的な適性を検討するものである。
ここで、SIMカードやミニサイズSIMカードの製造について説明する。
図7は、SIMカード10が板状枠体16に保持されている図、図8は、ミニサイズSIMカード10が板状枠体16に保持されている図、である。いずれも(A)は、平面図、(B)は、ICモジュール5部分のA−A線断面図である。
SIMカード10は、ほぼ長方形状であって外形が15×35mmのICモジュール付きカードである。ミニサイズSIMカード10は、より縮小した形状であり、実質的にはICモジュール付き端子基板サイズのカードである。SIMカードもミニサイズSIMカードも、サイズの違いはあっても用途は同様のものである。
これらは接触型ICカードと同一の製造工程で製造できることから、札入れサイズのカード(ISO7810で規定するID−1型カード)規格で製造することが多い。
このカードを板状枠体16とし、その中に外周輪郭溝11を打ち抜きし、薄肉にされている連結部(ブリッジ)12、13を折り取りして使用できるようにされている。ICモジュール5の端子位置もISOで規定する位置にされるが、SIMカード専用用途であれば、その位置に限定されることはない。
本発明の適用されるSIMカードは、代表的には接触型ICカードの一種であって、ICモジュール基板21の表面に接触端子板22を有し、ICモジュール基板21の下面にはICチップが実装されている。SIMカード10の表面または裏面、および板状枠体16には彩色がされ、カード番号その他の表示がされることもある。
以下、上記の双方のSIMカードを含めて単に「SIM」とも呼称して説明する。
カード用基材は、以下に説明するように、白色の支持基材の表裏に透明な白色層を積層しているので、外観は白色である。従って、SIM10自体の外観を白色以外にする目的と、その周囲の板状枠体16にも設ける絵柄や表示のために印刷を施す必要がある。
SIM用基材にレーザ印字適性を有するものを使用することで、単層基材の表裏(またはいずれか一方)に印刷後、ICモジュールを装着し、レーザ印字し、外周輪郭溝11を打ち抜きしてSIMを完成する。
従来のように、表裏のコアシートに印刷してからオーバーシートを積層して貼合し、プレスラミネートをする工程を経ないで製造できる特徴がある。
レーザビームを照射することにより発色する発色層をカード基材自体に持たせることを記載する先行技術文献に特許文献1や特許文献2がある。
特許文献1は、支持層とレーザビーム照射により発色する発色層を少なくとも一の面に有するカード用シートについて記載している。発色前の発色層は可視光透過性を有し、ポリエステル系樹脂からなることを要件としている。発色剤については、光熱変換による発熱によって有色金属酸化物を形成する各種金属を挙げているが、特に限定してはいない。
特許文献2は、ポリカーボネート系樹脂、もしくはポリカーボネート系樹脂と実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂とのポリマーアロイを主成分とする発色層樹脂と接着層からなるカード用シートについて記載している。発色剤については、特許文献1と同様に、発熱によって有色金属酸化物を形成する各種金属や光吸収剤を挙げているが特には限定していない。ただし、実施例ではスズ系発色剤を使用している。
また、SIM(Subscriber Identity Module)に関連する先行特許文献として、特許文献3等がある。同文献では、SIMに換えてUIMの語を使用しているが同様のものである。
特開2004−148642号公報 特開2004−243685号公報 特開2005−267144号公報
表面にレーザ発色層を有するカード用基材に印刷し、小型のカードを打ち抜きする際に、基材の割れを生じることのない印刷条件を含むSIMカードの製造方法を見出し、当該印刷条件により印刷されたSIMカード製造用基板を提供することを課題とする。
なお、SIMカード製造用基板とは、SIMを打ち抜きする直前の基板をいうものとする。
本発明の要旨の第1は、PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなる層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカードの製造方法において、前記外面基材層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷をした後、オフセット絵柄印刷を行い、その後、打ち抜き刃型を用いてSIMカードを打ち抜きすることを特徴とするSIMカードの製造方法、にある。
本発明の要旨の第2は、PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなりレーザビーム照射により発色するレーザ発色層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカードの製造方法において、前記発色層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷をした後、オフセット絵柄印刷を行い、その後、打ち抜き刃型を用いてSIMカードを打ち抜きすることを特徴とするSIMカードの製造方法、にある。
本発明の要旨の第3は、PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなる層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカード製造用基板において、前記外面基材層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要を樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷がされ、その上にオフセット絵柄印刷がされていることを特徴とするSIMカード製造用基板、にある。
本発明の要旨の第4は、PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなりレーザビーム照射により発色するレーザ発色層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカードの製造用基板において、前記発色層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷がされ、その上にオフセット絵柄印刷がされていることを特徴とするSIMカード製造用基板、にある。
SIMカードの断面を示す拡大図である。 SIMカード用基材と表面および裏面印刷層の断面図である。 SIMの外周輪郭線を打ち抜いた状態を示す拡大図である。 SIMの外周輪郭線を打ち抜いた状態を示す拡大図である。 図3の欠陥箇所を表面粗さ測定器で測定したチャート図である。 図4の欠陥箇所を表面粗さ測定器で測定したチャート図である。 SIMカードが板状枠体に保持されている図である。 ミニサイズSIMカードが板状枠体に保持されている図である。
本発明が対象とするSIMカードについて説明する。図1は、SIMカードの断面を示す拡大図である。平面図は、図7、図8の従来品と同様なので図示を省略する。
SIM10は、カード用基材100の面に凹部20を穿って、当該凹部20内にICモジュール5を実装した構成になっている。ICモジュール5のICモジュール基板21の裏面にはICチップ2が搭載されており、ICモジュール基板21の表面側は接触端子板22になっている。
接触端子板22面には、ISOで規定する複数の端子が形成され、ICチップと必要な各端子間は導通が確保されている。
本発明の特徴は、カード用基材100とSIM10の表面印刷110と裏面印刷120にあるので、以下、説明する。
図2は、SIMカード用基材100と表面および裏面印刷層の断面図である。
カード用基材100は、白色の支持層101と該支持層の両面に、レーザビーム照射により黒色に発色する発色層102を有している特徴がある。ただし、発色層102はオフセット印刷側のみとする場合もある。あるいは発色層と同一の基材樹脂構成とするが、発色剤を含まない層とする場合もある。
カード用基材100は、表裏の発色層102には、ポリカーボネート樹脂と非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(PET−G樹脂)のポリマーアロイ樹脂を、支持層101には非結晶性の芳香族ポリエステル樹脂(PET−G樹脂)を使用し、この3層を共押し出しした材料が使用されている。
支持層101には酸化チタン(TiO)等の白色顔料が配合されていて白色の反射光を生じるようにされている。発色層102は、本来的には従来のオーバーシートの機能をするもので、レーザビーム照射前においては可視光透過性を有している。
従って、白色顔料や有色着色剤を含まない。レーザビーム照射後も、印字部分以外は透明であることはいうまでもない。ここで、「可視光透過性」とは、当該層の裏面に配置された層を視覚的に視認できるような透明性をいう。
発色層102中には、発色剤が分散されているが、発色層を形成する樹脂の屈折率と、混合する発色剤の屈折率との差は小さいことが好ましく、屈折率の差が小さくなるようにすることで、発色層102の可視光透過性を高めることができる。
発色剤としては、レーザビームによる発熱によって黒色の金属酸化物を形成する各種金属や金属化合物、黒色化する熱応答性染料等が挙げられる。発色層に、レーザビームの波長を吸収する光吸収剤を含有させてもよい。このような発色層にレーザビームを照射すると、光吸収剤等の周辺のバインダー樹脂が炭化し、この炭化した部分が黒色を呈する。
あるいはまた、金属酸化物等の発色剤と光吸収剤とを併用してもよい。このように、その目的を果たすものであればよく、本発明では特にその材質を限定しない。
本発明においてポリカーボネート樹脂とは、主成分がポリカーボネートである樹脂組成物を意味する。ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールとアセトンから合成されるビスフェノールAから、界面重合法、エステル交換法、ピリジン法等によって製造されるもの、ビスフェノールAとジカルボン酸誘導体、例えばテレ(イソ)フタル酸ジクロリド等との共重合体により得られるポリエステルカーボネート、ビスフェノールAの誘導体、例えばテトラメチルビスフェノールA等の重合により得られるものを例示することができる。
本発明において実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂とは、芳香族ジカルボン酸等成分とジオール成分との脱水縮合体をいい、その中でも結晶性が低く、プレス融着等の実用上頻繁に行われる熱加工を行っても、結晶化による白濁や融着不良を起さないものをいう。なお、本発明においては、非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂に類似するものには、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等も含まれる。
支持層101と表裏の発色層102によりSIMカードの厚みとするためには、カード用基材100の合計厚みが、0.8mm程度になるようにし、一方側の発色層102の厚みは65μm程度とする。従って、表裏両面に発色層を設ける場合、中心の支持層101は670μm程度となる。
図2において、表面印刷110は、シルクスクリーン印刷によるシルクメジウム層111とオフセット絵柄印刷112とオフセットオーバープリント113とからなっている。シルクメジウム層111とは、着色剤を含まない透明な樹脂層のことであり、「下引き印刷」の役割をはたす層である。厚みは2〜3μm程度である。
オフセットオーバープリント113も着色剤を含まない透明な樹脂層であるが、オフセット絵柄印刷112には着色剤が含まれる。オフセット絵柄印刷といっても着色のみのベタ印刷も含む意味である。オフセット印刷による層は、シルクスクリーン印刷層よりも薄い層になるのが通常である。
裏面印刷120も、シルクスクリーン印刷によるシルクメジウム層121とオフセット絵柄印刷122、およびオフセットオーバープリント123とからなっている。
シルクスクリーン印刷によるシルクメジウム層111,121は、樹脂として塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合樹脂を主体とするものを使用することが好ましい。
また、溶剤としては、ジアセトンアルコールとジイソブチルケトンを1対1の比率で使用するのが好ましい。前記外周輪郭溝の打ち抜き性に影響を与えず、インキの保存安定性にも優れるからである。また、インキ中にキシレンを含まないか微量とするのが好ましい。溶剤にキシレンを含むと、前記発色層102を劣化させ、外周輪郭溝11の打ち抜き適性を低下させるからである。
次に、図面を参照して、SIM製造上の具体的問題点について説明する。
図3、図4は、SIMの外周輪郭溝を打ち抜いた状態を示す拡大図である。図3、図4において、(A)は、板状枠体16におけるSIMの位置を示し、(B)は、以下に説明する表面粗さ測定器の蝕針の走査方向を符号Y1,Y2で示している。
試料は、カード用基材100の表裏面に印刷した後であって、ICモジュール装着前のカード用基材のみを打ち抜いた試験品なので、ICモジュール5は装着されていない。
外周輪郭溝11は、幅2.0mmであり、溝の両側を鋼製の切れ刃を埋め込んだ抜き型と、それに対応する雌型とにより、基材表面(図の上面)側から、カード1枚毎に打ち抜いて形成するものである。ただし、多面付けで製造する場合は、複数のSIMの輪郭溝を同時に打ち抜く場合もある。
連結部(ブリッヂ)12,13は輪郭溝11の内側の線L1,L2に沿ってハーフカットされている。この部分は、肉厚が100〜200μmほど残っているが折り取り可能にされている。
図3の下側の輪郭溝11内に、僅かに見える針先状の形状S1が基材の割れに起因する欠陥箇所である。この針先状の形状S1部分を、表面粗さ測定器「サーフコム」で形状測定した図が、図5に示す図である。割れ部分の深さは約100μmで、針先状部分の高さが、約75μmであることが読み取れる。輪郭溝11部分自体の深さは、貫通しているので、チャートは途中で中断している。
図4の場合も同様であり、左側の輪郭溝11内に見える針先状の形状S2が基材の割れに起因する欠陥箇所である。この針先状の形状S2部分を、上記表面粗さ測定器で形状測定した図が、図6に示す図である。割れ部分の深さは約90μmで、針先状部分の高さも約90μmであることが読み取れる。
これらの結果から、基材の割れは発色層102部分の厚み65μmよりはやや深いものの、打ち抜きによる変形や印刷層の厚みも考慮すると、当該発色層部分の変形に原因するものと推測される。なお、この割れは、裏面側の発色層部分に生じる場合もある。
上記の、図3〜図6のような欠陥を解決するのが本願の目的であり、以下、実施例と比較例を参照して説明する。
以下の実施例1〜実施例3、および比較例1〜比較例5のカード用基材100には、前述したように厚み800μmであって、支持層101が670μm、表裏の発色層102が、それぞれ65μmのもの(三菱樹脂株式会社製)を使用した。
表裏の発色層102は、ポリカーボネート樹脂と非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(PET−G樹脂)のポリマーアロイ樹脂であり、支持層101にはPET−G樹脂からなる材料である。支持層101には酸化チタン(TiO)を含み白色であるが、発色層102には、黒色発色剤を含むが、発色前の外観は透明である。
〈メジウム層の表面印刷〉
(実施例1)
以下の組成のシルクスクリーン印刷用メジウムインキと希釈溶剤を使用して、カード用基材100にメジウム印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
(なお、成分量の数値の単位は、質量%である。実施例2以下も同様。)
実施例1では[VAHSメジウムPG]:希釈溶剤[PGHS希釈溶剤]を、1:0.2の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
[VAHSメジウムPG(昭和インキ株式会社製)]
(塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体) 24
(塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体) 4
(シクロヘキサノン) 20
(芳香族炭化水素混合物) 16
(ジアセトンアルコール) 18
(ジイソブチルケトン) 18
[PGHS希釈溶剤]
(ジアセトンアルコール) 50
(ジイソブチルケトン) 50
(実施例2)
実施例1と同一のシルクスクリーン印刷用メジウムインキと希釈溶剤を使用して、カード用基材100にメジウム印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
実施例2では[VAHSメジウムPG]:希釈溶剤[PGHS希釈溶剤]を、1:0.3の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
(実施例3)
実施例1と同一のシルクスクリーン印刷用メジウムインキと希釈溶剤を使用して、カード用基材100にメジウム印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
実施例3では[VAHSメジウムPG]:希釈溶剤[PGHS希釈溶剤]を、1:0.4の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
(比較例1)
以下の組成のシルクスクリーン印刷用メジウムインキと希釈溶剤を使用して、カード用基材100にメジウム印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
比較例1では、[VAHSメジウム]:希釈溶剤[PGHS希釈溶剤]を、1:0.2の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
[VAHSメジウム(昭和インキ株式会社製)]
(塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体) 24
(塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体) 4
(シクロヘキサノン) 40
(芳香族炭化水素混合物) 32
[PGHS希釈溶剤]
(ジアセトンアルコール) 50
(ジイソブチルケトン) 50
上記組成から、[VAHSメジウム]インキの組成中の溶剤成分(シクロヘキサノンと芳香族炭化水素混合物)の半量を、[PGHS希釈溶剤]で置換した組成が、前記[VAHSメジウムPG]に相当することが判る。
(比較例2)
比較例1と同一のシルクスクリーン印刷用メジウムインキと同一の希釈溶剤を使用して、カード用基材100にメジウム印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
比較例2では、インキ:希釈溶剤を1:0.3の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
(比較例3)
比較例1と同一のシルクスクリーン印刷用メジウムインキと同一の希釈溶剤を使用して、カード用基材100にメジウム印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
比較例3では、インキ:希釈溶剤を1:0.4の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
(比較例4)
実施例1と同一のシルクスクリーン印刷用メジウムインキを使用した。ただし、希釈溶剤は、キシレン単独溶剤を使用した。インキ:希釈溶剤を1:0.3の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。メジウム層の膜厚は、2〜3μmであった。
(比較例5)
シルクスクリーン印刷用メジウムインキを使用しないで、アクリル系の紫外線硬化型オフセット用透明アンカーインキを使用して、オフセット枚葉印刷機でオフセットアンカーの印刷を行った。アンカー層の膜厚は、1μm程度であった。
〈メジウム層の裏面印刷〉
実施例1〜実施例3については、実施例1の表面印刷に使用した[VAHSメジウムPG]と[PGHS希釈溶剤]を使用し、インキ:希釈溶剤を1:0.3の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
比較例1〜比較例3については、比較例1の表面印刷に使用した[VAHSメジウム]と[PGHS希釈溶剤]を使用し、インキ:希釈溶剤を1:0.3の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
比較例4については、比較例1の表面印刷に使用した[VAHSメジウム]を使用したが、希釈溶剤は、キシレン単独溶剤を使用した。インキ:希釈溶剤を1:0.3の希釈率で希釈し、350メッシュのスクリーンを使用してベタ印刷を行った。
比較例5については、アクリル系の紫外線硬化型オフセット用透明アンカーインキを使用して、オフセット枚葉印刷機でオフセットアンカーの印刷を行った。
実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例5のメジウム層またはアンカー層の膜厚は、表面側と同程度となった。
〈オフセットによる表裏印刷〉
実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例4で印刷したメジウム層またはオフセットアンカー層の上に、表面側は紫外線硬化型オフセット印刷インキを使用して、まず墨色のオフセットベタ印刷の2回刷り印刷を行った。次に、紫外線硬化型透明オーバープリントインキを使用してオーバープリントの印刷を行った。
裏面側も、墨色のオフセットベタ印刷の2回刷り印刷とオフセットオーバープリントの印刷を行った。使用印刷インキは、表面印刷と同一である。
2回刷りの墨部分の膜厚は、1μm程度となった。
〈打ち抜き試験〉
図8に示すような外形、12.0×15.0mmのSIMを、鋼製の切れ刃を埋め込んだ抜き型と、それに対応する雌型とにより、基材表面(図の上面)側から打ち抜きした。外周輪郭溝11の溝幅は、約2mmである。打ち抜きは、SIMカード1枚毎に行い、それぞれ240枚を打ち抜きした。
〈印刷剥離試験および外観検査〉
打ち抜き時において、インキ落ち(剥がれ)の有無を確認した。また、印刷後のSIMの外観検査を行った。
両試験について、特に異常がないものを「良」とし、異常があるものを「不良」とした。
〈試験結果〉
Figure 0006142734
表1に見られるように、打抜き不良率(%)は、メジウムインキと希釈溶剤を混合した状態の印刷直前のインキ中のPGHS溶剤の含有率(%)の増加に伴い、低減することが認められる。PGHS溶剤は、ジアセトンアルコールとジイソブチルケトンが1:1の比率で混合された溶剤であり、実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の希釈前のインキ中と希釈溶剤に使用されている。インキを当該溶剤で希釈した使用直前のインキ中の、PGHS溶剤が、46.7%(四捨五入して47%)以上である場合は、打抜き不良(割れ不良)が、0%になることが、表1から読み取れる。
例えば、実施例1では、(塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体)が24%、(塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体)が4%、(シクロヘキサノン)が20%、(芳香族炭化水素混合物)が16%、であるので、これらの合計量が64%になり、インキ中の[PGHS希釈溶剤]は、36%になる。
また、希釈溶剤としての[PGHS希釈溶剤]は、20%なので、印刷直前の[PGHS希釈溶剤]は、56/120=46.7%になる。表1中の「印刷時インキ中のPGHS溶剤含有率(%)」は、このようにして、印刷直前の「PGHS溶剤含有率」を算出したものである。
なお、比較例4は、希釈溶剤にキシレンを単独で使用しているが、この場合は、打抜き不良(割れ不良)が、50%にもなり、キシレンが基材に対して、良くない影響を与えることが理解できる。
なお、比較例5は、打抜きによる「割れ」不良は無いが、打抜き時のインキ剥離があり、オフセットアンカーでは十分な打抜き耐性が認められないことになる。
ただし、印刷外観は、何れも良好であった。
2 ICチップ
5 ICモジュール
10 SIM,SIMカード、ミニサイズSIMカード
11 外周輪郭溝
12、13 連結部(ブリッジ)
16 板状枠体
20 凹部
21 ICモジュール基板
22 接触端子板
100 カード用基材
101 支持層
102 発色層
110 表面印刷
120 裏面印刷

Claims (4)

  1. PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなる層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカードの製造方法において、前記外面基材層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷をした後、オフセット絵柄印刷を行い、その後、打ち抜き刃型を用いてSIMカードを打ち抜きすることを特徴とするSIMカードの製造方法。
  2. PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなりレーザビーム照射により発色するレーザ発色層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカードの製造方法において、前記発色層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷をした後、オフセット絵柄印刷を行い、その後、打ち抜き刃型を用いてSIMカードを打ち抜きすることを特徴とするSIMカードの製造方法。
  3. PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなる層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカード製造用基板において、前記外面基材層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要を樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷がされ、その上にオフセット絵柄印刷がされていることを特徴とするSIMカード製造用基板。
  4. PET−G樹脂からなる白色の支持層と該支持層の外面に、ポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなりレーザビーム照射により発色するレーザ発色層を有する基材をカード用基材とするSIMカードを該基材から打ち抜いて製造するSIMカードの製造用基板において、前記発色層に対して、溶剤成分として、ジアセトンアルコールとジイソブチルアルコールを主溶剤とし、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体を主要樹脂成分として含むシルクスクリーンメジウムインキを用いて下引き印刷がされ、その上にオフセット絵柄印刷がされていることを特徴とするSIMカード製造用基板。

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