JP6142174B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は遊技機、特に通常遊技状態と、賞球の獲得に有利な大当り遊技状態と、大当りの当選確率を高くする高確率遊技状態と、役物により開閉される始動口の開放時間を長くする開放延長遊技状態とに移行可能な遊技機に関する。
従来、遊技機たるパチンコ機には、遊技球が始動口へ入球すると、これに起因して複数種類の乱数が抽出され、乱数値に基づいて大当りとなるか否かの当否判定を行ない、判定結果が大当りであれば大入賞口を開放して賞球の獲得に有利な大当り遊技状態に移行するものがある。
この種のパチンコ機には、通常の遊技状態、大当り遊技状態の他、大当り遊技の終了後に、前記当否判定の当選確率を高確率とする高確率遊技状態、および役物により開閉可能に構成されて役物開放時に入球を可能又は入球を容易にする始動口の開放時間を延長する開放延長遊技状態とに移行可能に構成されたものがある。尚、高確率遊技状態と開放延長遊技状態は重複して移行可能としたものもある。
一般に、高確率遊技状態や開放延長遊技状態に移行させるか否かは、始動口への入球時に抽出された乱数のうち大当り図柄決定用乱数により決定され、該決定結果は大当りの当否判定の結果と同様に特別図柄の確定表示によって、遊技者に報知される。
また、パチンコ機には、大当りを介して連続した高確率遊技状態への移行回数を計数して高確率遊技状態への移行を制限するリミッタを設けたものがある(例えば特許文献1参照)。リミッタは、高確率遊技状態の移行回数が予め設定さてれた所定の制限回数に達すると作動し、前記大当り図柄決定用乱数が高確率遊技状態に移行する特別図柄を示す値であっても特別図柄を変更し、高確率遊技状態の特別図柄を選択しない構成となり、高確率遊技状態に移行させず、通常確率遊技状態に戻すものである。
リミッタによれば、遊技を極端に遊技者に有利にさせないように制限できる上、一旦、高確率遊技状態の特別図柄で大当りとなると、ほぼリミッタの制限回数分の大当りを狙えるといった遊技の趣向性を向上させることができる。
特開平10−15177号公報
しかしながら従来のリミッタを有するパチンコ機では、一旦、大当り遊技終了後に高確率遊技状態に移行され、ほぼリミッタの制限回数分の大当りが約束された遊技性を有する構成であり、通常遊技状態から高確率遊技状態に移行する大当りを獲得するまでは、遊技者は大量の賞球の獲得を目指して、遊技に集中して大当りを引き当てるまで遊技を楽しむことができる。だが、高確率遊技状態に移行した後は、リミッタが作動するまで、ただ、ひたすら遊技球を発射して制限回数分の大当り遊技を消化するだけであり、賞球を獲得できるものの遊技が単調になるおそれがあり、面白みに欠けるといった問題があった。
そこで発明は、高確率遊技状態であっても、遊技者を遊技に集中させることができ、興趣の豊かな遊技を実現する遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
請求項1に記載の発明は、
第1始動口と、
役物の開閉作動により遊技球の入球を可能又は容易な状態と、入球困難な状態とに切替え可能に設けられ、所定の条件が成立することにより前記役物が所定の時間開放して入球可能又は容易な状態になる第2始動口と、
前記第1始動口又は前記第2始動口への入球に起因して抽出した乱数値により、大当り遊技状態を発生させるか否かの大当り判定を行う大当り判定手段と、
第1特別図柄を変動後に確定表示せしめて前記第1始動口への入球に起因する前記大当り判定の判定結果を示す第1特別図柄表示装置と、
第2特別図柄を変動後に確定表示せしめて前記第2始動口への入球に起因する前記大当り判定の判定結果を示す第2特別図柄表示装置と、
開閉可能に設けられて前記大当り遊技状態で開放する大入賞口と、を備え、
少なくとも遊技状態として、通常遊技状態、大当り遊技状態、前記大当り判定で当選する確率を通常遊技状態よりも高い高確率とするとともに前記役物の開放時間を通常遊技状態よりも長い開放延長とする第1の特典遊技状態、および前記大当り判定で当選する確率が通常遊技状態と同じであるが前記役物の開放時間を通常遊技状態よりも長い開放延長とする第2の特典遊技状態とに移行可能な遊技機において、
前記大入賞口に設けられた特定の領域と、
大当り遊技状態で遊技球が前記特定の領域を通過することにより当該大当り遊技状態の終了後に前記第1の特典遊技状態に移行させる第1の特典遊技状態移行手段と、
該第1の特典遊技移行手段により大当り遊技状態の終了後に第1の特典遊技状態に移行した回数をカウントするカウント手段と、
該カウント手段がカウントした回数が所定数に達することに起因して作動するリミッタ手段と、
前記第2の特典遊技状態に移行させる第2の特典遊技状態移行手段と、を備え、
大当り遊技状態として複数種類の遊技状態を有し、前記第1始動口への入球に起因して発生した大当り遊技状態よりも前記第2始動口への入球に起因して発生した大当り遊技状態の方が、前記特定の領域に遊技球が入球し易い大当り遊技状態となる割合が高くなるように構成され、
大当り遊技状態の終了後に通常遊技状態又は前記第2の特典遊技状態に移行すると、前記カウント手段によってカウントされた値を初期値にリセットするようにし、
前記カウント手段によってカウントされた値が初期値より大きい値をなす前記第1の特典遊技状態でかつ前記リミッタ手段が非作動の状態で大当り遊技状態が発生したが、当該大当り遊技状態で前記特定の領域への入球がなかった場合に、前記第2の特典遊技移行手段により当該大当り遊技状態の終了後に前記第2の特典遊技状態に移行させ、該遊技状態を前記大当り判定が第1の所定回数行われるまで継続させ、
前記第1の所定回数として、通常遊技状態での大当り判定の当選確率を分子が1からなる分数で示した値の分母よりも大きい数値に設定せしめ、
前記リミッタ手段の作動後に大当り遊技状態が発生した場合には、当該大当り遊技状態の終了後に前記第1の特典遊技状態および前記第2の特典遊技状態に移行させない、又は前記第2の特典遊技状態に移行させるが当該遊技状態の継続回数を前記第1の所定回数および前記分母の値よりも少ない第2の所定回数に設定せしめ、
更に、前記リミッタ手段が非作動時での前記特定の領域への入球により移行される前記第1の特典遊技状態の期間を前記第1の所定回数よりも多い第3の所定回数に設定せしめた構成とする。
請求項1の発明によれば、リミッタ手段が作動して第1の特典遊技状態が解除された場合と、特定の領域への入球がなく第1の特典遊技状態が解除された場合とでは、第2の特典遊技状態に移行する分、後者の方が次回の大当り(第1の特典遊技状態)を獲得するための遊技条件が有利となる。また、第1の特典遊技状態が解除されればカウント値は初期値に戻る。従って、遊技者は、第1の特典遊技状態になると、手堅く第1の特典遊技状態から大当り遊技をリミッタ手段が作動する制限回数まで継続させるか、又は、通常確率から直ぐに大当りを獲得できるか否かといったリスクがあるものの、あえて、リミッタ手段が作動する前に特定の領域への入球をさせずに第1の特典遊技状態を解除して、第2の特典遊技状態から前記制限回数以上の多くの大当りを獲得するためにチャレンジをするか否かを考えながら遊技することができる。尚、第1の特典遊技状態を解除するには、大当り遊技中に特定の領域に遊技球を入球させなければいい、つまり、遊技球を発射しなければよいだけなので、遊技者は容易に第1の特典遊技状態を解除することができる。
このように、最初に第1の特典遊技状態に移行する大当りを獲得するまでだけではなく、第1の特典遊技状態に移行した後も、遊技者は集中して遊技をすることができるようになり、興趣の豊かな遊技を実現できる。尚、第2の特典遊技状態はその継続回数を通常遊技状態の大当りの当選確率の分母よりも大きい数値としたので、第2の特典遊技状態の期間内で大当りが生起する可能性が高く、遊技者は前記チャレンジがしやすい。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の遊技機において、
通常遊技状態から大当り遊技状態へ移行し、当該大当り遊技状態で前記特定の領域への入球がなかった場合に、当該大当り遊技状態の終了後に前記第2の特典遊技移行手段により第2の特典遊技状態に移行させ、該遊技状態の期間を、前記第1の所定回数よりも少ない第4の所定回数に設定せしめた構成とする。
尚、第4の所定回数は、リミッタ手段の作動後の大当り遊技状態の終了後に第2の特典遊技状態に移行させる場合には、第2の所定回数よりも多い回数とし、かつ前記大当り判定で当選する確率の分母の値よりも小さな数とすることが望ましい。
請求項2の発明によれば、通常遊技状態において大当りとなり、当該大当り遊技終了後に第1の特典遊技状態に移行しなかった場合、遊技者は大きく落胆することになるが、大当り遊技終了後に第2の特典遊技状態に移行させることで次回の大当りへのチャンスを与えることができるので、遊技者の落胆を軽減する効果を奏する。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2のいずれかに記載の遊技機において、
大当り遊技状態中における前記大入賞口の開放パターンには、少なくとも前記特定の領域へ遊技球が入球し易い入球容易開放パターンと、該開放パターンよりも前記特定の領域への入球がし難い入球困難開放パターンが有り、何れの開放パターンを行うか決定する開放パターン決定手段を備え、
該開放パターン決定手段は、前記第1始動口又は前記第2始動口に遊技球が入球したことに起因して抽出される大当り図柄決定用乱数に応じて開放パターンを決定するようになし、
前記入球容易開放パターンに決定される前記大当り図柄決定用乱数は、前記第1始動口よりも前記第2始動口への入球に起因して抽出される割合が高く設定され、又は、前記第2始動口へ入球に起因して抽出される前記大当り図柄決定用乱数値は全て入球容易開放パターンに決定されるように設定せしめた構成とする。
尚、前記第1始動口への入球に起因して発生した前記大当り遊技よりも前記第2始動口への入球に起因した発生した大当り遊技のほうが、前記特定の領域に遊技球が入球し易い大当り遊技となる確率を高くすることが望ましい。
請求項3の発明によれば、役物の開放時間が延長されると(第1の特典遊技状態)になると、特定の領域に入球し易い大当りの発生確率が高くなるので、第1の特典遊技状態をリミッタ手段が作動する限回数まで継続することが極めて容易になる。つまり、一旦、第1の特典遊技状態に移行すると、第1の特典遊技状態が制限回数まで継続する確率が高くなるので(手堅くなる)、遊技者は、制限回数までは確実に大当りを獲得できるといった安定を望むか、第2の特典遊技状態に移行させてリミッタ手段のカウンタをリセットしてより多くの大当りの獲得を目指してチャレンジを望むかの選択が難しくなり、遊技者は策を巡らせつつ楽しんで遊技を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の遊技機において、
前記第1始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第1特別図柄の保留記憶として記憶せしめ、前記第2始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第2特別図柄の保留記憶として記憶せしめ、
かつ第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動させない構成となし、
前記大当り判定手段は、第1特別図柄の保留記憶および第2特別図柄の保留記憶が存在する場合、第1特別図柄の保留記憶の大当り判定よりも第2特別図柄の保留記憶の大当り判定を優先して実行せしめる構成とする。
請求項4の発明によれば、第1の特典遊技状態を容易にリミッタ手段が作動する制限回数まで継続することができる。
請求項1に記載の発明は、
請求項3又は4のいずれか1項に記載の遊技機において、
遊技盤にはその遊技領域のほぼ中央に設けられた演出装置を回避して遊技領域の左右両側にそれぞれ遊技球が流下可能の左右の流下路を備え、
通常は遊技球を遊技盤へ打ち出す発射口に近い左側流下路を狙う左打ち遊技を行うようになし、
前記第2始動口を、遊技盤の右側流下路を狙う右打ち遊技により右側流下路を流下した遊技球が入球可能な位置に配置せしめる一方、
前記第1始動口を、前記左打ち遊技により左側流下路を流下した遊技球よりも前記右打ち遊技により右側流下路を流下した遊技球の方が入球し難い位置に配置せしめた構成とする。
請求項5の発明によれば、第1の特典遊技状態をより容易にリミッタ手段が作動する制限回数まで継続することができる。
請求項6に記載の発明は、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記カウント手段によってカウントされた値が初期値より大きい値をなす前記第1の特典遊技状態であって、かつ、前記リミッタ手段が非作動の状態で、大当り遊技状態が発生したが、当該大当り遊技状態で前記特定の領域への入球がなかった場合に、当該大当り遊技状態の終了後に移行される前記第2の特典遊技状態の期間として複数種類の期間が設けられ、
前記第2の特典遊技状態の期間は、前記カウント手段のカウント値が小さい値よりも大きい値の方が、短い期間に設定せしめた構成とする。
尚、制限直前のカウント手段のカウント値であった場合でも、第2の特典遊技状態の期間は、通常遊技状態時における前記大当り判定手段による判定で当選する確率の分母の値よりも大きな数とすることが望ましい。
請求項6の発明によれば、第1の特典遊技状態の継続回数(カウント値)が少ない場合よりも多い場合のほうが大当り遊技状態の終了後に移行する第2の特典遊技状態の継続期間を短くした。よって第1の特典遊技状態の継続回数が多い場合よりも少ない場合のほうが大当りする確率(第1の特典遊技状態に移行する確率)は高くなる。従って遊技者は、制限回数に達する前に第1の特典遊技状態を解除してチャレンジするか否か、又どのタイミングでチャレンジしたらよいかといった策をいろいろ思考して遊技することとなり、より遊技に集中することになる。
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機の正面図である。 前記遊技機の遊技盤の正面図である。 前記遊技盤に設けられた特定領域と振分手段を示す要部拡大図である。 前記遊技機の背面図である。 前記遊技機の電気ブロック図である。 前記遊技機の遊技状態に関する説明図である。 前記遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される特別図柄の当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記遊技機の各種の大当り図柄を示す図である。 前記遊技機の各種の大当り図柄に関する説明図である。 前記遊技機の各種の大当り遊技の内容に関する説明図である。 前記主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記遊技機のリミッタのカウントと高確率開放延長遊技状態および開放延長遊技状態とに関する説明図である。 前記遊技機のリミッタ作動時の各種の大当り図柄を示す図である。 前記遊技機の高確率開放延長遊技状態に関して表示装置に表示される第1の演出表示態様を示す図である。 本発明の第2の実施形態の遊技機のリミッタのカウントと高確率開放延長遊技状態および開放延長遊技状態とに関する説明図である。 前記遊技機の高確率開放延長遊技状態に関して表示装置に表示される演出表示態様を示す図である。 前記遊技機の高確率開放延長遊技状態に関して表示装置に表示される他の演出表示態様を示す図である。 本発明の第3の実施形態の遊技機のリミッタのカウントと高確率開放延長遊技状態および開放延長遊技状態とに関する説明図である。 本発明の第4の実施形態の遊技機のリミッタのカウントと高確率開放延長遊技状態および開放延長遊技状態とに関する説明図である。
本発明を適用した実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172および残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
図2は、本パチンコ機の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口203、ワープ樋204、ステージなどが設けられている。
遊技領域20は、センターケース200により左右に分けられ、センターケース200の左側には遊技球が流下可能な左側流下路Lが設けられ、センターケース200の右側には遊技球が流下可能な右側流下路Rとが設けられている。
遊技球を左側流下路Lへ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を弱めに発射する「左打ち」を行う。当該「左打ち」により、遊技領域20の中央下部に開閉扉により開閉可能に設けられた第1大入賞口24への入球、および遊技領域20の左下部に設けられた複数の普通入賞口27への入球を狙える。
更に「左打ち」により、センターケース20の左側面に設けられた前記ワープ入口203よりワープ樋204を通して、センターケース20の中央直下位置で前記第1大入賞口24の上方位置に設けられた常時入球が可能な第1始動口23Aへの入球を狙える。第1始動口23Aは、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1の特別図柄(以下、単に第1特図という)の抽選が実行される。
一方、遊技球を右側流下路Rへ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を強く発射する「右打ち」を行う。右側流下路Rには、常時、遊技球が通過可能に設けられた作動ゲート(作動口)22、チューリップ式普通電動役物(普電役物)からなる第2始動口23B、および開閉扉にて開閉可能に設けられた第2大入賞口25が設置されている。
作動ゲート22は遊技球の通過により普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される起因となるゲートである。第2始動口23Bは入球により第2の特別図柄(以下、単に第2特図という)の抽選が実行される起因となる入球口である。第2大入賞口25の内部には、Vゾーン(特許請求の範囲の「特定の領域」に相当)26、およびVゾーン26への入球を規制するシャッター30が設けられている。
「右打ち」によりこれら作動ゲート22、第2始動口23Bおよび第2大入賞口25を狙うことができる。更に「右打ち」により第1大入賞口24への入球も可能である。だが、「右打ち」による第1始動口23Aへの入球は第1始動口23Aの右横に設けられた複数の遊技釘等により困難な構成である。
遊技領域20の中央下端部で、第1大入賞口24の直下の盤面最下部にはアウト口205が設けられている。
遊技盤2の右下端部には、レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普通図柄表示装置29および普図保留数表示装置291が設けられている。
図3(a)(b)は前記第2大入賞口25の作動の説明図である。第2大入賞口25は、開閉扉250の開放時に入球した遊技球を装置内へ取り入れる取入口251を備え、これより内部へ取り込まれる。
前記取入口251の直下位置には開閉可能な左右一対のシャッター30が設置してある。図3(a)に示すように、シャッター30が閉じた状態では取入口251より送り出された遊技球をシャッター30の左右両側位置の入賞口252へ案内する。
一方、図3(b)に示すように、シャッター30が開くことにより、取入口251から送り出される遊技球を下方のVゾーン26へ入球させることが可能となる。このようにシャッター30は、閉位置と開位置とに変位することにより遊技球を入賞口252又はVゾーン26へ振分ける。
尚、本実施形態では、シャッター30は、第2大入賞口25の開閉扉250の開閉とは無関係に、常時、一定の間隔で開閉作動を繰返している。
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図4の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530および外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)および内枠が閉鎖しているか否か検出する前面枠閉鎖SW(スイッチ)501、意匠枠閉鎖SW502、第1始動口23Aへの入球を検出する第1特図始動SW503、第2始動口23Bへの入球を検出する第2特図始動SW504、作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、第1大入賞口24への入球を検出する第1カウントSW506、第2大入賞口25の入賞口252への入球を検出する第2カウントSW507、Vゾーン26への入球を検出する特定領域SW508、および普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW509等の検出信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29および普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、第1大入賞口ソレノイド510、第2大入賞口ソレノイド511、シャッターソレノイド512および普通電役ソレノイド513が接続されている。そして第1大入賞口ソレノイド510又は第2大入賞口ソレノイド511を制御して第1大入賞口24又は第2大入賞口25を開放作動せしめる。またシャッターソレノイド512を制御してVゾーン26を開閉作動せしめ、更に普電役物ソレノイド513を制御して第2始動口23Bの普電役物の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸および精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
発射制御装置44は、発射ハンドルの回転操作を検出するスイッチ524、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14(524)の回動信号および発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射および停止させる。
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタンやジョグダイヤルの操作を検出する遊技SW15などの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置29の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2始動口23Bへの入賞が可能となる。本実施形態では第2始動口23Bは常時入球が可能な構成ではないので、普図の当りにより入球可能としたが、第2始動口が通常も入球が可能な構成の場合は普図の当りにより通常時よりも入球を容易とする。尚、第1特図と第2特図とは同時に変動させない。
第1又は第2始動口23A,23Bへの入球があると、これらに起因して乱数が抽出され、該乱数の値に基づいて第1特図又は第2特図の当否判定を行う。また判定に伴い、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bと演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。第1特図又は第2特図の何れのときも判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,28A,28Bに大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する。尚、演出図柄表示装置21には第1又は第2特図に対応する擬似演出図柄が表示される。
大当り遊技は、第1大入賞口24を開放し所定の時間または入球数が所定数に達して閉じるまでの動作を1ラウンドとして、所定数のラウンドを継続することを基本遊技としている。そして、大当り遊技の最終ラウンドにおいて第2大入賞口25を開放して、該最終ラウンドにおいて第2大入賞口25のVゾーン26への入球があれば、当該大当り遊技の終了後、遊技状態を大当りの当選確率が高確率とされる高確率遊技状態と、普図の当選が高確率となるとともに普電役物の平均開放時間が延長される開放延長遊技状態とが組合わされた高確率開放延長遊技状態(第1の特典遊技状態)へと移行する。尚、高確率遊技状態と開放延長遊技状態は個別に移行可能である。また開放延長は、普図や特図の変動時間が短縮されるので時間短縮(時短)とも呼ばれる。
高確率遊技状態は、後述の「確変カウンタ」により高確率遊技状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続される。
同様に開放延長遊技状態は、後述の「開放延長カウンタ」により開放延長遊技状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続される。
図6に示すように、本パチンコ機1の特図の大当り確率は、通常遊技状態では「50分の1」であり、高確率開放延長遊技状態では「49分の1」であり、開放延長のみ遊技状態では「50分の1」である。
普図の変動時間は、通常遊技状態では「40秒」であり、高確率開放延長遊技状態および開放延長のみ遊技状態はいずれも「5秒」である。
普電役物の開放時間は、通常遊技状態では「1秒」であり、高確率開放延長遊技状態および開放延長のみ遊技状態はいずれも「4秒」である。
またパチンコ機1は、高確率開放延長遊技状態への移行に関し、「リミッタ」(特許請求の範囲の「リミッタ手段」に相当)を設けて、連続して大当り遊技終了後に高確率開放延長遊技状態に移行した移行回数を「移行カウンタ」(特許請求の範囲の「カウント手段」に相当)により計数し、該移行回数が所定の回数に達すると、次に大当りが生起してもその大当り遊技状態の終了後に高確率開放延長遊技状態へ移行させない(制限する)構成である。
そして、リミッタが作動して高確率開放延長遊技状態への移行が制限された場合と、Vゾーン26への入球がなく高確率開放延長遊技状態へ移行されない場合とでは、後者の方が次回の大当り(高確率開放延長遊技状態)を獲得するための遊技条件が有利となるように構成してあり、遊技者に、リミッタが作動するまで高確率開放延長遊技状態を継続させるか、又は、リミッタが作動する前に高確率開放延長遊技状態を解除するかといった選択を可能としている。
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図7は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、第1および第2特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102)、第1および第2特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S104)、第1および第2特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105)、第1および第2特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図8に示す「始動入賞処理」は、第1始動口23A、第2始動口23Bに遊技球が入球したとき、又は普図の作動ゲート22を遊技球が通過したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に格納(記憶)する。そして記憶した乱数が予め設定された値か否かについて、当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、各始動口23A,23Bへの入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。以後、第1始動口23Aに遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口23Bに遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、作動ゲート22を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶とする。本実施形態における記憶可能な保留記憶数は第1保留記憶、第2保留記憶、普図保留記憶、各4個ずつである。
当該「始動入賞処理」は、先ず、第1特図始動SW503により第1始動口23Aへの入球を検出したか否か判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S206の処理に移行する。入球が有れば(S200:yes)、主制御装置40に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S201)。上限値であれば(S201:no)、S206に進み、上限値未満であれば(S201:yes)、抽出した大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S202)。
続いて、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S203)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ判定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。これらの判定を行うことによって、記憶した乱数値は遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
S204の処理では、前記先読判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置42に送信し、続くS205の処理で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
次に、S206の処理では、第2特図始動SW504により第2始動口23Bへの入球を検出したか否か判定する。入球が無ければ(S206:no)S212の処理に移行する。入球が有れば(S206:yes)、主制御装置40に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S207)。上限値であれば(S207:no)、S212に進み、上限値未満であれば(S207:yes)、抽出した大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S208)。
続いて、記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S209)。第1保留記憶と同様に、大当り決定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ判定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。これらの判定を行うことによって、記憶した乱数値は遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
S210の処理では、前記先読判定結果から第2先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置42に送信し、続くS211の処理で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
次にS212の処理では、普通図柄作動SW505により作動ゲート22の通過があったか否か確認する。ゲート通過が無ければ(S212:no)リターンする。ゲート通過が有れば(S212:yes)、主制御装置40に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S213)。上限値であれば(S213:no)、リターンする。上限値未満であれば(S213:yes)、抽出した当り決定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S214)。加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信し(S215)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1および第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置21上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本パチンコ機では、演出図柄表示装置21では普図の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置42に送信する構成も考えられる。これにより、普電役物の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に図9,10,11,12に基づいて主制御装置40で実行される「特図当否判定処理」について説明する。
この処理は、主制御装置40が第1又は第2始動口23A,23Bへの入球時に取得した大当り決定用乱数と抽選時(判定時)の遊技状態(通常遊技状態か高確率遊技状態か)とに応じて大当りを生起させるか否か判定し、判定結果が大当りなら、大当り図柄決定用乱数に基づいて複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定し、決定した大当り図柄に応じて大当り遊技の遊技内容や大当り遊技後の遊技状態の種別が決定される。
図9に示すように特図当否判定処理では先ず、条件装置が未作動か否かを確認する(S300)。これは大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特図の抽選で当選した場合(取得した大当り決定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。条件装置が未作動であれば(S300:yes)、特図が変動停止中であるか否かの確認(S301)、確定図柄の非表示期間であるかであるか否かの確認(S302)が行われる。
前記S301、S302の両処理が肯定判定なら(S301:yes、S302:yes)、図10に示すように、S310の処理において第2保留記憶があるか否かを確認する。第2保留記憶が有れば(S310:yes)、S312に移行する。第2保留記憶が無ければ(S310:no)、第1保留記憶があるか否かを確認する(S311)。第1保留記憶が無ければ(S311:no)特別遊技処理に移行する。
第1保留記憶が有れば(S311:yes)、S312の処理に移行する。このようにS310とS311の処理により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
続くS312の処理では、当否判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。次に、このように減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S313)。
続く、S314の大当り決定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り決定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り決定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/50)用と高確率用(1/49)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技状態であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS315の処理では、前記S314の比較処理に基づいて当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続くS317の処理では大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づいて、例えば、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、大当り遊技の開放パターン(ラウンドの総数、第1大入賞口24又は第2大入賞口25の開放態様)等の設定がなされる。尚、前記S315の処理は特許請求の範囲に記載の「大当り判定手段」に、前記S317の処理は特許請求の範囲に記載の「開放パターン決定手段」に相当する。
前記大当り図柄は、図13(a)に示すように、第1特図(特図1)では「EL,EP,FE,FH・・・・PL,LH」などの10種類の図柄が準備されており、大当り図柄決定用乱数に応じて一つの図柄が決定される。例えば、大当り図柄決定用乱数が「0」であれば図柄「EL」が、大当り図柄決定用乱数が「9」であれば図柄「LH」が選択される。
一方、第2特図(特図2)では、図13(b)に示すように、「EL,FE,HF,LF,PL」などの5種類の図柄が準備されており、大当り図柄決定用乱数に応じて一つの図柄が決定される。例えば、大当り図柄決定用乱数が「0」又は「1」であれば図柄「EL」が、大当り図柄決定用乱数が「8」又は「9」であれば図柄「PH」が選択される。
図14および図15に示すように、第1特図の大当り図柄のうち「EP,FH,HP,PE,LH」は「入球困難図柄」とされ、これらに応じた大当り遊技の大入賞口の開放パターンは、大当り遊技の第1ラウンドから第9ラウンドまでの各ラウンドで第1大入賞口24が28秒間又は9個の遊技球が入賞するまで開放され、大当り遊技の最終ラウンドである第10ラウンドにおいて第2大入賞口25が0.9秒間又は9個の遊技球が入賞するまで開放される。即ち、第2大入賞口25への入球が困難となる開放パターンであり、換言すればVゾーン26への入球が困難な開放パターンである。
一方、第1又は第2特図の大当り図柄「EL,FE,HF,LF,PL」は「入球容易図柄」とされ、これらに応じた大当り遊技の大入賞口の開放パターンは、大当り遊技の第1ラウンドから第9ラウンドまでの各ラウンドで第1大入賞口24が28秒間又は9個の遊技球が入賞するまで開放され、大当り遊技の最終ラウンドの第10ラウンドにおいて第2大入賞口25が28秒間又は9個の遊技球が入賞するまで開放される。即ち、第2大入賞口25への入球が容易な開放パターンであり、換言すればVゾーン26への入球が容易な開放パターンである。
尚、第2特図の大当り図柄として、第1特図と同様に10種類の図柄から一つの図柄を決定するようにしてもよく、この場合、入球容易図柄である「EL,FE,HF,LF,PL」が選択される確率を高くする。
図10に戻って大当りの設定後、S318で前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
前記S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、特図のハズレ図柄の選択を行う。次にS318の処理に移行して、特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
大当りであってもハズレであっても前記S318の処理に続いて、S320の処理において、前記当否判定の結果を示すデータ(大当り図柄の種類、ハズレの種類(リーチの有無)、変動時間等)を含んだ変動指示コマンドをサブ統合制御装置42に出力するとともに、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおいて特別図柄を変動表示させる処理を行い、特別遊技処理1に移行する。従って、サブ統合制御装置42は前記変動指示コマンドを受信することにより、大当り図柄の種類、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
図9の前記S301の処理において特図が変動中であれば(S301:no)、図11に示すようにS330の処理において、特図の変動時間(S318で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを確認し、変動時間の経過が確認できれば(S330:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置42に出力するとともに、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bを制御してS316又はS319で決定した図柄を確定表示させる(S331)。
図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置42は演出図柄制御装置43に予め決められた特図に対応する擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置43は、その信号により演出図柄表示装置21を制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特図と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
続くS332の処理において、確定表示した特図が大当りを示すか大当り図柄であるか否かを確認する。大当り図柄であれば(S332:yes)、S333の確定図柄表示設定処理において確定図柄を表示させておく時間の設定を行い、S334の処理において大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を実行する。
続くS335の処理において、高確率遊技状態であることを示す「確変フラグ(F)」、および開放延長遊技状態であることを示す「開放延長フラグ(F)」をともに「0」にリセットする。とともに、高確率遊技状態の継続期間を計る「確変カウンタ」、および開放延長遊技状態の継続期間を計る「開放延長カウンタ」のカウントを「0」にリセットする。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。その後、特別遊技処理へ移行する。
前記S332の処理で、大当り図柄でなければ(S332:no)、S337の処理で確定図柄を表示する表示時間の設定を行う。続くS338の処理において、確変フラグが「1」であるか否かを確認し、確変フラグが「1」であれば(S338:yes)、確変カウンタを減算し(S339)、減算した確変カウンタの値が「0」あるか否かを確認する(S340)。確変カウンタの値が「0」であれば(S340:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S341)。
続くS342の処理において、開放延長フラグが「1」であるか否かを確認し、開放延長フラグが「1」であれば(S342:yes)、開放延長カウンタを減算し(S343)、減算した開放延長カウンタの値が「0」あるか否かを確認する(S344)。開放延長カウンタの値が「0」であれば(S344:yes)、開放延長フラグを「0」にリセットする(S345)。その後、「特別遊技処理」に移行する。
図9に戻って前記S302の処理において確定図柄が表示中であれば(S302:no)、図12に示すS350の処理において前記S318の処理で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを確認する。表示時間が終了であれば(S350:yes)、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bを制御して特図の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置42に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行う(S351)。その後、特別遊技処理に移行する。
次に主制御装置50が実行する「特別遊技処理」を、図16ないし図19に基づいて説明する。「特別遊技処理」は大当り遊技の進行を制御する処理である。
図16に示すように、先ず、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを確認する(S400)。条件装置が未作動であれば(S400:yes)、第1大入賞口24および第2大入賞口25が閉鎖中か否かを確認する(S401)。閉鎖中であれば(S401:yes)、大当り遊技の開始演出中か否かを確認する(S402)。大当り遊技の開始演出中であれば(S402:yes)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを確認し(S403)、演出が終了する時間であれば(S403:yes)、第1大入賞口24を開放する大入賞口開放処理(S404)を行い、リターンする。
前記S402の処理で大当り遊技の開始演出中でなければ(S402:no)、S405の処理においてインターバル中か否か判定する。このインターバルとは、第1大入賞口24が閉じている状態から再度、第1大入賞口24又は第2大入賞口25が開放されるまでの時間のことである。インターバル中であれば(S405:yes)、次にS406の処理においてインターバルが終了する時間か否かを判定する(S406)。終了する時間であれば(S406:yes)、次回の大当り遊技の動作が第1ラウンド目から第9ラウンド目までの範囲であるか否かを確認する(S407)。そうであれば(S407:yes)、第1大入賞口24を開放する第1大入賞口開放処理を行い(S408)、リターンする。
次回の大当り遊技の動作が第10ラウンド目であれば(S407:no)、第2大入賞口25を開放する第2大入賞口開放処理を行い(S409)、リターンする。
勿論、第2大入賞口25の開放態様は、第1特図または第2特図の大当り図柄に応じて開放される。即ち、前記「入球容易図柄」では開放時間が長く、前記「入球困難図柄」では開放時間が短い。
前記S405の処理においてインターバル中でなければ(S405:no)、非大当り遊技の終了演出中であるか否かを確認し(S411)、前記終了演出中であれば(S411:no)、サブ統合制御装置42に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S412)、リターンする。
該大当り開始演出処理(S412)では、主制御装置40はサブ統合制御装置42に大当り開始演出指示コマンドを送信し、大当り開始演出指示コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、パチンコ機に設けられた各種LED、ランプ113を大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音声をスピーカ112から出力させる。また、サブ統合制御装置42は、演出図柄制御装置43に信号を送信し、演出図柄表示装置21において大当り開始演出を表示させる。
前記S401において第1大入賞口24又は第2大入賞口25が開放中であれば(S401:no)、図17に示すように、S420の処理において開放中の大当り遊技が最終の第10ラウンドであるか否か、即ち第2大入賞口25が開放中であるか否かを確認する。第10ラウンドであれば(S420:yes)、S421の処理において、特定領域SW508によりVゾーン26へ遊技球の入球があったか否かを確認する。Vゾーン26への入球が確認できれば(S421:yes)、続くS422の処理においてVゾーン26への入球があったことを示す「特定フラグ」が「0」であるか否かを確認する。「特定フラグ」は主制御装置40が記憶する値であり、値が「1」なら既にVゾーン26に遊技球が入球したことを示し、「0」ならVゾーン26に入球していないことを示す。
前記特定フラグが「0」であれば(S422:yes)、続くS423の処理において高確率開放延長遊技状態への移行を規制する前記リミッタが作動したことを示す「リミッタフラグ(F)」が「1」であるか否かを確認する。「リミッタフラグ」は主制御装置40が記憶する値であり、大当り遊技状態の終了後に高確率開放延長遊技状態に移行した移行回数が所定の回数に達してリミッタが作動したときに値が「1」となる。
リミッタが非作動でありリミッタフラグが「1」でなければ(S423:no)、前記特定フラグに「1」をセットする。
S424の処理に続いて、図18に示すように、S430の処理において作動(開放)中の大入賞口(第1大入賞口24又は第2大入賞口25)への遊技球の入球数が規定数(9個)未満か否かを確認し、規定数(9個)未満であれば(S430:yes)、S431の処理において第1大入賞口24又は第2大入賞口25の最大開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間終了でなければ(S431:no、)リターンする。
前記S430の処理で入球数が規定数(9個)(S430:no)又は、前記S431の処理で大入賞口の開放時間終了(S431:yes)であれば、続くS432の処理において開放中の大入賞口(第1大入賞口24又は第2大入賞口25)を閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う。尚、第1大入賞口24又は第2大入賞口25のいずれを問わず大入賞口は、1球の入球がなくても開放時間を過ぎると閉鎖され、次のラウンドへ移行、又は入球のないラウンドが最終ラウンドのときは大当り遊技を終了する。
S432の処理後は、該処理で終了したラウンドが最終の第10ラウンド目であったか否か確認し(S433)、第10ラウンド目であれば(S433:yes)、S434の処理においてサブ統合制御装置42に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する。該大当り終了演出処理は、前記図13のS412の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置40からサブ統合制御装置42に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられた各種LED、ランプ113や演出図柄表示装置21において大当りの終了演出を行うための処理である。
続くS435の処理において条件装置の停止処理を行う。
一方、前記S433の処理で開放を終了したラウンドが第10ラウンド目でなければ(S433:no)、インターバル処理を開始し(S436)、リターンする。
前記S435の処理の後、図19に示すようにS440の処理において、前記特定フラグが「1」であるか否かを確認する。特定フラグが「1」であれば(S440:yes)、大当り遊技終了後に高確率開放延長遊技状態に移行した移行回数を計数する前記移行カウンタのカウント値を加算して(S441)、該カウント値が制限回数の「5」であるか否かを確認する(S442)。
前記カウント値が「5」であれば(S442:yes)、前記リミッタフラグに「1」をセットする(S443)。
該S443の処理の後、又は前記カウント値が「5」でない場合(S442:no)、S444の処理において「確変フラグ」に「1」をセットする。続くS445の処理において「開放延長フラグ」に「1」をセットする。
前記確変フラグは大当り遊技後の遊技状態を高確率遊技状態に移行させるためのもので、値を「1」とすることで高確率遊技状態に移行させる。
前記開放延長フラグは大当り遊技後の遊技状態を開放延長遊技状態に移行させるためのもので、値を「1」とすることで開放延長遊技状態に移行させる。
そして、S446の処理において前記特定フラグを「0」にリセットし、続くS447の処理において、大当り遊技終了後に高確率遊技状態と開放延長遊技状態とを組み合わせた高確率開放延長遊技状態へ移行する期間の設定を行い、高確率遊技状態の期間を規制する前記確変カウンタおよび開放延長遊技状態の期間を規制する前記開放延長カウンタをそれぞれ設定する。この場合、高確率開放延長遊技状態の期間は、図20に示すように、特図の当否判定が1万回(特許請求の範囲の「第3の所定回数」に相当)に達するで継続されるように前記両カウンタに「1万」をセットする。
尚、前記S443の処理でリミッタが作動すると、当該大当り遊技の終了後、高確率開放延長遊技状態へ移行されるものの、次に大当りが生起しても、図21に示すように、選択される大当り図柄は、第1特図および第2特図のいずれも、入球困難図柄である「EP,FH,HP,PE,LH」の中から選択され、大当り遊技中に特定領域へ入球させないようにして大当り終了後に高確率および開放延長へ移行させないようにしてある(図20の「0回」)。また、万が一、入球困難図柄で大当りし、当該大当り遊技中にVゾーン26への入球があったとても図17のS423で示すように、特定フラグが立たないので絶対に高確率開放延長状態には移行しない。
図19に戻って、前記S440の処理で特定フラグが「1」でなければ(S440:no)、Vゾーン26への入球が無いため、大当り遊技終了後に高確率開放延長遊技状態に移行せず、開放延長のみの遊技状態(第2の特典遊技状態)への移行が可能となる。そこで、S448の処理において、前記リミッタのカウント値に応じて開放延長の期間を設定する。即ち前記開放延長カウンタの設定を行なう。
開放延長遊技期間の設定は、図20に示すように、前記リミッタのカウント値が「0(初期値)」であれば開放延長遊技期間を「20回」(特許請求の範囲の「第4の所定回数」に相当)として開放延長カウンタに「20」をセットする。
前記リミッタのカウント値が「1ないし4」のいずれかであれば、連続して大当り遊技から高確率開放延長遊技状態への移行がなされた状態であり、開放延長の遊技期間を「100回」(特許請求の範囲の「第1の所定回数」に相当)として開放延長カウンタに「100」をセットする。期間の設定回数は通常遊技状態での大当り判定の当選確率を分子が1からなる分数で示した値の分母(「50」、図6参照)よりも大きい数値「100」に設定してある。
前記リミッタのカウント値が「5」であれば、リミッタが作動した状態であり、開放延長遊技に移行させず開放延長カウンタを「0」(特許請求の範囲の「第2の所定回数」に相当)にリセットする。
更に前記S448の処理において、大当りとなったときの大当り図柄が「入球困難図柄」の場合は、前記リミッタのカウント値に関係なく開放延長遊技に移行しないことが望ましく、開放延長カウンタを「0」にリセットする。
続いて、図19のS449の処理において、前記リミッタのカウント値が「1」以上であれば(S449:yes)、該リミッタのカウント値を「0」にリセットする(S450)。更にS451の処理において、前記リミッタフラグが「1」であれば(S451:yes)、リミッタフラグを「0」にリセットする(S452)。
前記S449の処理又はS451の処理が否定判定の場合、又はS451の処理に続いて、S453の処理において、前記448の処理で設定された開放延長期間の回数が「0」であるか否かを確認し、「0」でなければ(S453:no)、S454の処理において、前記開放延長フラグに「1」をセットして遊技状態を開放延長のみの遊技状態に移行させる。
次にS455の処理において、前記S444,S445,S454の処理等で決定された大当り遊技後の遊技状態を指定する状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42に送信する処理を実行する。その後、リターンする。
尚、前記S444およびS445の処理は特許請求の範囲に記載の「第1の特典遊技状態移行手段」に相当し、前記S454の処理は特許請求の範囲に記載の「第2の特典遊技状態移行手段」に相当する。
このように本「特別遊技処理」において、大当り遊技中でのVゾーン(特定の領域)26への入球の有無を確認し、入球があれば高確率開放延長遊技状態(第1の特典遊技状態)へ移行する制御(準備)を行う。また高確率開放延長遊技状態への移行に伴い、移行した回数をカウントし、移行回数が所定の回数(5回)に達すると次回の大当りにおいて高確率開放延長遊技状態への移行を規制する制御を行う。
この場合、前記S443の処理においてリミッタフラグが立って、次の特図の当否判定で大当りとなると、前記S316の大当り図柄選択処理において、図21に示すように、第1特図および第2特図の大当り図柄はいずれも、前記入球困難図柄である「EP,FH,HP,PE,LH」の中から選択される。従って、大当り遊技中にVゾーン26への入球がほとんどできず、高確率開放延長遊技状態へ移行しない。
一方、Vゾーン26への入球がなければ、開放延長のみの遊技状態(第2の特典遊技状態)へ移行する制御を行う。尚、最初の大当り遊技、即ち通常遊技状態から移行された大当り遊技(前記リミッタのカウント値が「0」)でVゾーン26への入球がない場合は、高確率開放延長遊技状態からの大当り遊技でVゾーン26への入球がない場合よりも短い期間、開放延長のみの遊技状態へ移行させる。
本パチンコ機は、通常遊技状態においては普図の当選確率が低く第2始動口23Bへの入球は望めないので、左側流下路Lへの「左打ち」により第1始動口23Aを狙って大当り遊技を目指す。
大当りとなり、大当り遊技の終了後に高確率開放延長遊技状態に移行すると、第1始動口23Aへの入球を起因とする第1特図の大当りよりも、第2始動口への入球を起因とする第2特図の大当りの方がVゾーン26への入球が容易な開放パターンが選択される可能性が高いうえ、普図の当選確率も高いので、右側流下路Lへの「右打ち」により作動ゲート22、第2始動口23Aおよび第2特図の大当り遊技を狙って連続して高確率開放延長遊技状態に移行させることを目指す。
また高確率開放延長遊技状態に移行すると、遊技者は次の様な遊技の方向性を選択することが可能となる。即ち、リミッタが作動するまで高確率開放延長遊技状態からの大当り遊技への移行を続ける、或いは、あえてVゾーン26へ入球させずに高確率開放延長遊技状態を解除して開放延長のみの遊技状態に移行させて、リミッタのカウンタをリセットして新たに大当り遊技(高確率開放延長遊技状態)への移行を狙うと言った選択が可能となる。前者は手堅くリミッタが作動するまでの5回の大当り遊技をほぼ確実に獲得できる。後者は開放延長のみの遊技状態から大当りを獲得できる保証はないが、開放延長のみの遊技状態から大当り(高確率開放延長遊技状態)を獲得できればリミッタの制限回数分以上の大当りを狙える。
尚、高確率開放延長遊技状態を解除するには、大当り遊技中にVゾーン26へ遊技球を入球させなければいい、つまり、遊技球を発射しなければよいだけなので、遊技者は容易に高確率開放延長遊技状態を解除することができる。
そこで大当り遊技が終了して高確率開放延長遊技状態に移行すると、遊技者に前記遊技の方向性を選択することを促す表示を行うことが望ましい。
図22(a)に示すように、大当り遊技の終了時には、演出図柄表示装置21の表示画面に、大当りの遊技の終了や高確率開放延長遊技状態に移行したことを示すコメント表示210,211を行う。またリミッタのカウント値が「0」で初回の高確率開放延長遊技状態への移行であれば、リミッタが作動するあと5回まで大当り遊技を狙えることを示すコメント表示212を行う。コメント表示212は、リミッタのカウント値に応じて大当り遊技の回数を変える。例えばカウント値が「2」では大当り回数は「3」とする。
次に、図22(b)に示すように、あえてVゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させた場合の開放延長のみの遊技状態の継続期間の表示213を行う。開放延長のみの遊技状態の継続間は特図の当否判定の回数を表す。即ち図例では開放延長のみの遊技状態の継続期間は特図の当否判定の回数が100回に達するまで継続される。
また表示画面には、遊技者が混乱しないように、高確率開放延長遊技状態では開放延長の継続期間は1万回であること、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させるとリミッタのカウント値がリセットされることを示すコメント表示214を行う。
更に高確率開放延長遊技状態で特図の変動が始まると、図22(c)に示すように、表示画面の上部に、リミッタのカウント値と、発生可能な大当り回数を示すコメント表示215を行う。また表示画面の上下中間部には特図に対応する三桁の数字等からなる演出擬似図柄216を表示する。そして、表示画面の下部には、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させた場合の状態の継続期間を示すコメント表示217を行う。
本パチンコ機1によれば、リミッタの作動により高確率開放延長遊技状態が解除された場合と、Vゾーン26への入球がなく高確率開放延長遊技状態が解除された場合とでは、開放延長のみの遊技状態に移行する分、後者の方が次回の大当り(高確率開放延長遊技状態)を獲得するための遊技条件が有利となる。従って、高確率開放延長遊技状態となると、手堅くリミッタが作動するまで高確率開放延長遊技状態を継続させてその分の大当りを獲得するか、又は、あえて、リミッタが作動する前にVゾーン26への入球をさせずに高確率開放延長遊技状態を解除して、開放延長のみの遊技状態でより多くの大当り(リミッタの制限回数以上の大当り)を獲得するためにチャレンジをするか否かを、遊技者は考えながら遊技することになる。従って、最初に高確率開放延長遊技状態に移行する大当りを獲得するまでだけでなく、高確率開放延長遊技状態に移行した後も、遊技者は集中して遊技することができるようになり、興趣の豊かな遊技を実現できる。
尚、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させた場合、該遊技状態ではその継続回数を通常遊技状態の大当りの当選確率の分母よりも大きい数値としたので、大当りが生起する可能性が高く、遊技者は前記チャレンジがしやすい。
また本パチンコ機1は、通常遊技状態からの大当り遊技状態でVゾーン26への入球がなかった場合に、大当り遊技終了後に開放延長のみの遊技状態に移行させることで次回の大当りへのチャンスを与えることができるので、遊技者の落胆を軽減することができる。この場合の開放延長のみの遊技状態の期間は、特図の変動回数が20回に達すまで継続され、高確率開放延長遊技状態からの大当り遊技状態でVゾーン26への入球なしに移行した開放延長のみの遊技状態の期間より短くしてある。
本パチンコ機1では、高確率開放延長遊技状態からの大当り遊技で、かつリミッタが非作動の時、即ちリミッタのカウント値が「1ないし4」のいずれかであるときに、Vゾーン26への入球なしに開放延長のみの遊技状態に移行すると、開放延長の期間は、前記カウント値に関わらず、一律に「100回」としているが、これに限るものではない。そこで、リミッタのカウント値に応じて開放延長の期間が相違する構成とした本発明の他の実施形態を説明する。
本実施形態の開放延長の期間は、図23に示すように、カウント値が「1」であれば開放延長の期間を「100回」とし、カウント値が「2」であれば開放延長の期間を「80回」、カウント値が「3」であれば開放延長の期間を「70回」、カウント値が「4」であれば開放延長の期間を「60回」とし、カウント値が大きくなるに伴って開放延長の期間が短くなる構成とした。尚、期間の設定回数は、いずれのカウント値であっても、通常遊技状態での大当り判定の当選確率を分子が1からなる分数で示した値の分母(「50」、図6参照)よりも大きい数値に設定してある。
カウント値が「0」の時は、先の実施形態と同様に開放延長の期間は「20回」とし、カウント値が「5」でリミッタの作動時は開放延長しない構成が望ましい。
そして、先の実施形態と同様、大当り遊技が終了して高確率開放延長遊技状態に移行すると、前記図22(a)の大当りの遊技の終了や高確率開放延長遊技状態に移行したことを示す表示を行った後に、図24に示すように、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させた場合の開放延長のみの遊技状態の期間の表示213を行う。この場合、表示213は初めに高確率開放延長遊技状態に移行したときに、カウント値と開放延長期間の関係を全て表示することが望ましい。また、連続2回目以降に高確率開放延長遊技状態に移行した場合には、当該遊技状態で大当りして、Vゾーン26への入球なしに移行する開放延長の期間を表示するようにしてもよい。
更に高確率開放延長遊技状態で特図の変動が始まると、図25に示すように、表示画面に、リミッタのカウント値と、これに応じた発生可能な大当り回数、およびVゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させた場合の遊技状態の期間を示す表示を行う。
図25(a)に示すように、リミッタのカウント値が「2」であれば、演出図柄表示装置21の表示画面上部のコメント表示215に、該カウント値と発生可能な大当り回数が「5回」であることを表示する。また表示画面下部のコメント表示217に、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させたときの遊技状態の期間が「80回」であることを表示する。
図25(b)に示すように、リミッタのカウント値が「4」であれば、コメント表示215に、該カウント値と発生可能な大当り回数が「2回」であることを表示し、コメント表示217に、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させたときの期間が「60回」であることを表示する。
図25(c)に示すように、リミッタのカウント値が「5」でリミッタ作動時には、コメント表示215に、該カウント値と発生可能な大当り回数が「1回」であることを表示し、コメント表示217に、Vゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させたときの期間が「0回」であることを表示する。
本実施形態によれば、先の実施形態と同様な作用効果に加え次のような作用効果を奏する。高確率開放延長遊技状態からVゾーン26へ入球させずに開放延長のみの遊技状態に移行させるタイミングは、リミッタのカウント値が大きいほど遊技者にとって有利である。即ち、既に獲得した大当りの回数が多いほど、これとこれらか獲得可能な大当り回数とを合わせた総数を多くすることが可能となる。これに対して本実施形態はカウント値が大きくなるほど開放延長期間を短くしたので、開放延長期間内の大当りとなる可能性が下がってリスクが大きくなる。従って遊技者は、開放延長のみの遊技状態に移行させるか否かの判断、又どのタイミングで移行させたらよいかといった策をいろいろ思考して遊技することとなり、より遊技に集中することになる。
更に他の実施形態として、図26に示すように、Vゾーン26への入球なしに開放延長に移行する期間を、リミッタのカウント値に応じて期間を相違させるとともに、短い期間として通常遊技状態での大当り判定の当選確率を分子が1からなる分数で示した値の分母(「50」、図6参照)よりも小さい数値に設定してもよい。図例ではカウント値が「4」のときに開放延長の期間を「25回」とした。
これによれば先の他の実施形態と同様な作用効果が得られ、かつ開放延長のみの遊技状態へ移行させたときの遊技者の緊張感を高めることができる。
また、前記いずれの実施形態においても、大当り図柄が「入球容易図柄」、「入球困難図柄」のいずれであっても、Vゾーン26へ遊技球が入球したか否かにより、高確率開放延長状態に移行させるか開放延長のみの遊技状態に移行させるか決定する構成としている。即ち「入球困難図柄」による開放パターンの大当り遊技であっても、万一、Vゾーン26への入球があれば高確率開放延長遊技状態を一万回付与する一方、Vゾーン26への入球なければ開放延長のみ遊技状態へ移行する構成であるが、これに限るものではない。
図27に示すように、「入球困難図柄」による開放パターンの大当り遊技であってもVゾーン26への入球があれば高確率開放延長遊技状態を一万回付与する構成は同様であるが、入球困難図柄による開放パターンでかつ高確率開放延長遊技状態から大当り遊技で、Vゾーン26への入球がない場合には開放延長のみ遊技状態へ移行させない構成としてもよい。
これによれば、遊技者の意思によりVゾーン26へ遊技球を入球させなかった場合には開放延長のみの遊技状態に移行するが、遊技者の意思とは関係なくVゾーン26に入らない開放パターンだった場合には開放延長へ移行させないといった区別をすることで、遊技者の緊張感を高めることができる。
また、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記いずれの実施形態においても、大当り遊技の第2大入賞口25の開放作動を最終ラウンドとしたが、これに限らず中間のラウンドで開放してもよい。また第2大入賞口25は1つのラウンドに限らず複数ラウンドで開放するようにしてもよい。このように第2大入賞口25の開放を複数ラウンドにした時は、どの開放パターンの大当りにおいても第2大入賞口25を開放するラウンドを同じにすることが望ましい。
更に演出図柄表示装置21にリミッタのカウント値を表示(コメント表示215)するように構成したが、リミッタが作動するまでのカウントダウン表示としてもよい。
更にまた、前記いずれの実施形態においても、リミッタのカウント値が「5」でリミッタ作動中は開放延長の期間を「0回」として開放延長へ移行しないが、これに限らず、開放延長へ移行する構成としてもよい。但し開放延長の期間は通常遊技状態における大当りの当選確率の分母よりも小さい回数とする。
また本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
2 遊技盤
23A 第1始動口
23B 第2始動口(役物)
24 第1大入賞口
25 第2大入賞口
26 Vゾーン(特定の領域)
28A 第1特別図柄表示装置
28B 第2特別図柄表示装置
40 主制御装置(大当り判定手段、第1の特典遊技状態移行手段、カウント手段、リミッタ手段、開閉制御手段、第1の特典情報設定手段、第2の特典情報設定手段、第2の特典遊技状態移行手段、開放パターン決定手段)
42 サブ統合制御装置
43 演出図柄制御装置

Claims (6)

  1. 第1始動口と、
    役物の開閉作動により遊技球の入球を可能又は容易な状態と、入球困難な状態とに切替え可能に設けられ、所定の条件が成立することにより前記役物が所定の時間開放して入球可能又は容易な状態になる第2始動口と、
    前記第1始動口又は前記第2始動口への入球に起因して抽出した乱数値により、大当り遊技状態を発生させるか否かの大当り判定を行う大当り判定手段と、
    第1特別図柄を変動後に確定表示せしめて前記第1始動口への入球に起因する前記大当り判定の判定結果を示す第1特別図柄表示装置と、
    第2特別図柄を変動後に確定表示せしめて前記第2始動口への入球に起因する前記大当り判定の判定結果を示す第2特別図柄表示装置と、
    開閉可能に設けられて前記大当り遊技状態で開放する大入賞口と、を備え、
    少なくとも遊技状態として、通常遊技状態、大当り遊技状態、前記大当り判定で当選する確率を通常遊技状態よりも高い高確率とするとともに前記役物の開放時間を通常遊技状態よりも長い開放延長とする第1の特典遊技状態、および前記大当り判定で当選する確率が通常遊技状態と同じであるが前記役物の開放時間を通常遊技状態よりも長い開放延長とする第2の特典遊技状態とに移行可能な遊技機において、
    前記大入賞口に設けられた特定の領域と、
    大当り遊技状態で遊技球が前記特定の領域を通過することにより当該大当り遊技状態の終了後に前記第1の特典遊技状態に移行させる第1の特典遊技状態移行手段と、
    該第1の特典遊技移行手段により大当り遊技状態の終了後に第1の特典遊技状態に移行した回数をカウントするカウント手段と、
    該カウント手段がカウントした回数が所定数に達することに起因して作動するリミッタ手段と、
    前記第2の特典遊技状態に移行させる第2の特典遊技状態移行手段と、を備え、
    大当り遊技状態として複数種類の遊技状態を有し、前記第1始動口への入球に起因して発生した大当り遊技状態よりも前記第2始動口への入球に起因して発生した大当り遊技状態の方が、前記特定の領域に遊技球が入球し易い大当り遊技状態となる割合が高くなるように構成され、
    大当り遊技状態の終了後に通常遊技状態又は前記第2の特典遊技状態に移行すると、前記カウント手段によってカウントされた値を初期値にリセットするようにし、
    前記カウント手段によってカウントされた値が初期値より大きい値をなす前記第1の特典遊技状態でかつ前記リミッタ手段が非作動の状態で大当り遊技状態が発生したが、当該大当り遊技状態で前記特定の領域への入球がなかった場合に、前記第2の特典遊技移行手段により当該大当り遊技状態の終了後に前記第2の特典遊技状態に移行させ、該遊技状態を前記大当り判定が第1の所定回数行われるまで継続させ、
    前記第1の所定回数として、通常遊技状態での大当り判定の当選確率を分子が1からなる分数で示した値の分母よりも大きい数値に設定せしめ、
    前記リミッタ手段の作動後に大当り遊技状態が発生した場合には、当該大当り遊技状態の終了後に前記第1の特典遊技状態および前記第2の特典遊技状態に移行させない、又は前記第2の特典遊技状態に移行させるが当該遊技状態の継続回数を前記第1の所定回数および前記分母の値よりも少ない第2の所定回数に設定せしめ、
    更に、前記リミッタ手段が非作動時での前記特定の領域への入球により移行される前記第1の特典遊技状態の期間を前記第1の所定回数よりも多い第3の所定回数に設定することを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    通常遊技状態から大当り遊技状態へ移行し、当該大当り遊技状態で前記特定の領域への入球がなかった場合に、当該大当り遊技状態の終了後に前記第2の特典遊技移行手段により第2の特典遊技状態に移行させ、該遊技状態の期間を、前記第1の所定回数よりも少ない第4の所定回数に設定することを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の遊技機において、
    大当り遊技状態中における前記大入賞口の開放パターンには、少なくとも前記特定の領域へ遊技球が入球し易い入球容易開放パターンと、該開放パターンよりも前記特定の領域への入球がし難い入球困難開放パターンが有り、何れの開放パターンを行うか決定する開放パターン決定手段を備え、
    該開放パターン決定手段は、前記第1始動口又は前記第2始動口に遊技球が入球したことに起因して抽出される大当り図柄決定用乱数に応じて開放パターンを決定するようになし、
    前記入球容易開放パターンに決定される前記大当り図柄決定用乱数は、前記第1始動口よりも前記第2始動口への入球に起因して抽出される割合が高く設定され、又は、前記第2始動口へ入球に起因して抽出される前記大当り図柄決定用乱数値は全て入球容易開放パターンに決定されるように設定したことを特徴とする遊技機。
  4. 請求項3に記載の遊技機において、
    前記第1始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第1特別図柄の保留記憶として記憶せしめ、前記第2始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第2特別図柄の保留記憶として記憶せしめ、
    かつ第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動させない構成となし、
    前記大当り判定手段は、第1特別図柄の保留記憶および第2特別図柄の保留記憶が存在する場合、第1特別図柄の保留記憶の大当り判定よりも第2特別図柄の保留記憶の大当り判定を優先して実行することを特徴とする遊技機。
  5. 請求項3又は4のいずれか1項に記載の遊技機において、
    遊技盤にはその遊技領域のほぼ中央に設けられた演出装置を回避して遊技領域の左右両側にそれぞれ遊技球が流下可能の左右の流下路を備え、
    通常は遊技球を遊技盤へ打ち出す発射口に近い左側流下路を狙う左打ち遊技を行うようになし、
    前記第2始動口を、遊技盤の右側流下路を狙う右打ち遊技により右側流下路を流下した遊技球が入球可能な位置に配置せしめる一方、
    前記第1始動口を、前記左打ち遊技により左側流下路を流下した遊技球よりも前記右打ち遊技により右側流下路を流下した遊技球の方が入球し難い位置に配置せしめたことを特徴とする遊技機。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技機において、
    前記カウント手段によってカウントされた値が初期値より大きい値をなす前記第1の特典遊技状態であって、かつ、前記リミッタ手段が非作動の状態で、大当り遊技状態が発生したが、当該大当り遊技状態で前記特定の領域への入球がなかった場合に、当該大当り遊技状態の終了後に移行される前記第2の特典遊技状態の期間として複数種類の期間が設けられ、
    前記第2の特典遊技状態の期間は、前記カウント手段のカウント値が小さい値よりも大きい値の方が、短い期間に設定されることを特徴とする遊技機。


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