JP6142001B2 - 蓄電システム、及び蓄電方法 - Google Patents
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Description
本願は、2013年12月27日に、日本に出願された特願2013−272145号及び2014年1月31日に、日本に出願された特願2014−017346号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
なお、特許文献1には、電力需要量に基づいて太陽電池に要求される適正発電量を求め、この要求される発電量に応じて、太陽電池の発電量を調整する発電システムが開示されている。
また、特許文献2には、太陽電池で発電された電力を有効に充電するために、容量の異なる複数の蓄電部を備える電源装置が開示されている。
特許文献3には、コンデンサの光発電部への接続と、コンデンサのバッテリーへの接続とを切り替えるスイッチ回路を備える電源装置が開示されている。
すなわち、負荷装置が連続した仕事を行うためにはそれ相応の容量の蓄電池に電力を蓄積する必要がある。しかし、蓄電池に大きい容量のものを用いた場合、蓄電に時間がかかり、蓄電池で駆動される負荷装置を起動するまでの時間が長くなるという問題がある。
上記特許文献1〜3に記載の発電システム又は電源装置は、上記問題に対応できていない。特に、特許文献2及び3の電源装置では、容量の小さな蓄電部やコンデンサからは外部の装置に給電できないため、容量の大きな蓄電部やバッテリーが十分に充電されるまで外部の装置に給電できない。
上記態様に係る蓄電システムにおいては、容量の異なる2種類の蓄電池を用い、それぞれの蓄電池から外部負荷装置に電力を供給できる。そして、第1切換部は、第1蓄電池に充電される電圧が第1閾値の電圧になるまで、第1蓄電池だけに発電素子の発電電力が給電されるように第1スイッチ部を制御する。そして、第1蓄電池の電圧が所定の電圧である第1閾値の電圧を超えた場合に、第1切換部は、第1蓄電池から第2蓄電池へ給電が行われるように第1スイッチ部を制御する。
これにより、蓄電システムは、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、外部負荷装置に給電する出力電圧を早く立ち上げることができる。特に、第1蓄電池が外部負荷装置に接続されているため、容量の大きな第2蓄電池が充電される前でも外部負荷装置に供給する出力電圧を立ち上げることができる。
上記態様に係る蓄電システムにおいては、第1蓄電池及び第2蓄電池と、外部負荷装置との間の電気的な接続状態及び切断状態を切り替える第2スイッチ部を設ける。そして、第2切換部は、第1蓄電池の電圧が第2閾値の電圧よりも高い場合に、第2スイッチ部を接続状態にして蓄電システムから外部負荷装置に給電を行う。また、第2切換部は、第1蓄電池の電圧が第2閾値の電圧よりも低い場合に、第2スイッチ部を切断状態にして蓄電システムから外部負荷装置を切り離す。
これにより、蓄電システムは、蓄電装置を初期充電する場合等、第1蓄電池の電圧が低い状態の場合に、外部負荷装置への給電を停止して無駄な電力消費を抑えることにより、第1蓄電池への充電を早めることができる。
これにより、蓄電システムは、外部負荷装置に給電を行う場合に、外部負荷装置を確実に動作させることができる。
上記態様に係る蓄電システムにおいて、第1切換部は、第1蓄電池の電圧が第1閾値の電圧を超えたことを検出した場合に、第1蓄電池と第2蓄電池との間を接続する。その後、第1蓄電池から第2蓄電池に給電が行われることにより第1蓄電池の電圧が低下する。そして、第1切換部は、第1蓄電池の電圧が、第1閾値の電圧から所定の電圧分だけ低い第3閾値の電圧以下に低下したことを検出した場合に、第1蓄電池と前記第2蓄電池との間の接続を切断する。つまり、第1切換部は、ヒステリシス特性を用いて第1スイッチ部の開閉を制御する。
これにより、蓄電システムは、第1蓄電池から第2蓄電池へ給電を行うことができるとともに、第1蓄電池の電圧が所定の電圧以下に低下しないようにすることができる。
これにより、蓄電システムは、第1蓄電池から第2蓄電池へ給電を行う際に、第1蓄電池の電圧が第2閾値の電圧以下に低下しないようにすることができる。
これにより、蓄電システムは、第1蓄電池から第2蓄電池へ給電を行う際に、第2スイッチ部が不連続に開閉を繰り返すことを回避できる。
これにより、蓄電システムでは、第1スイッチ部が開放している場合においても、第2蓄電池から外部負荷装置に給電を行うことができる。
これにより、蓄電システムは、発電素子の出力電圧をDC/DCコンバータにより昇圧して、蓄電池に給電することができる。
これにより、蓄電システムは、低照度用の太陽電池から出力される電力を大きな容量の蓄電池を用いて蓄電する場合においても、外部出力する出力電圧を早く立ち上げることができる。
これにより、蓄電システムにおいて、太陽電池は、必要とされる電圧を出力することができる。
これにより、蓄電システムは、低照度色素増感太陽電池から出力される電力を大きな容量の蓄電池を用いて蓄電する場合においても、外部出力する出力電圧を早く立ち上げることができる。
これにより、蓄電システムは、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、外部負荷装置に給電する出力電圧を早く立ち上げることができる。特に、第1蓄電池が外部負荷装置に接続されているため、容量の大きな第2蓄電池が充電される前でも外部負荷装置に供給する出力電圧を立ち上げることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る蓄電システムが用いられる環境監視システムの概略構成を示す構成図である。図1に示すように環境監視システム1は、環境発電を行う発電素子の発電電力を蓄電池に蓄積する蓄電システム100と、蓄電システム100から給電される外部負荷装置200とで構成される。外部負荷装置200としては、例えば、配線や電池交換なしで動作するワイヤレスセンサとして機能する環境モニタ装置210等が挙げられる。
環境モニタ装置210は、オフィス等の室内の温度を測定する温度センサ211と、室内の湿度を測定する湿度センサ212とを備える。環境モニタ装置210は、温度センサ211により測定した室内温度の情報と、湿度センサ212により測定した室内湿度の情報とを、無線通信ユニット213により、周期的に外部の監視システム300に向けて無線送信する。なお、図1に示す例では、環境モニタ装置210が温度センサ211と湿度センサ212とを備える例を示したが、他の環境に関する情報を検出するセンサであってもよい。他の環境に関する情報とは、例えばCO2濃度や、振動、水位、照度、電圧、電流、音声、画像などである。
このようなセンサを備える環境監視システム1であっても、環境に関する情報を送信でき、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、外部負荷装置に給電する出力電圧を早く立ち上げることができる。
図2A及び図2Bに示す太陽電池110は、4つの太陽電池セルを直列に接続した例であるが、直列に接続される太陽電池セルの個数は限定されない。太陽電池セルの個数は、DC/DCコンバータ130に向けて出力される電圧が、DC/DCコンバータ130において所定の効率以上で昇圧動作が行える電圧になるように選択される。例えば、太陽電池セルが低照度色素増感太陽電池である場合、直列に接続される太陽電池セルの個数を、例えば、最低3個以上にすることが望ましい。
本実施形態に係る蓄電システムでは、上記問題を解決するために、容量の異なる2種類の蓄電池A121及び蓄電池B122と、スイッチング機構としてのスイッチ部140(第1スイッチ部)とを用いる。
太陽電池110は、図2A及び図2Bに示した低照度用の太陽電池である。蓄電装置120は、エナジーハーベストの用途に対応する二次電池やコンデンサ等で構成され、容量の小さな蓄電池A121と、容量の大きな蓄電池B122と、で構成されている。
また、蓄電池B122の容量の大きさは、外部負荷装置200の負荷容量と、外部負荷装置200を連続して駆動できる時間とに応じて設定される。例えば、蓄電池A121に対する蓄電池B122の容量比率は、数倍から数十倍程度に設定される。
DC/DCコンバータ130の出力側は、給電線DCL1を介して、蓄電池A121に接続されるとともに、スイッチ部140の一方の端子aに接続されている。スイッチ部140の他方の端子bは、給電線DCL2を介して、蓄電池B122に接続されている。
なお、図3では、スイッチ部140として、機械式接点を用いたスイッチSW1で構成される例を示している。しかしながら、実際には、スイッチSW1は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチを含んでいる。
つまり、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1よりも低い場合に、制御信号CNT1によりスイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、蓄電池A121と蓄電池B122とを電気的に切り離す。これにより、太陽電池110の発電電力が、DC/DCコンバータ130を介して、蓄電池A121のみに給電されるようになる。
なお、蓄電池B122に給電を行う際には、DC/DCコンバータ130の出力電力が小さいため、主に蓄電池A121が蓄電池B122へ給電を行う。このため、以下の説明では、蓄電池B122への給電は、蓄電池A121から行われるものとして説明する。
従って、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えていることを検出して、一旦スイッチSW1をONにする制御信号CNT1を出力した後、電圧Vaが電圧V1’(第3閾値の電圧)に低下するまで、SW1をONにする制御信号CNT1を出力し続ける。
なお、電圧V1’は、電圧V1よりも所定の電圧だけ低く、外部負荷装置200の駆動可能電圧VLよりも所定の電圧だけ高く設定される(V1’>VL)。つまり、電圧V1も外部負荷装置200の駆動可能電圧VLよりも高い電圧に設定される(V1>V1’>VL)。これにより、DC/DCコンバータをコールドスタートモードになりにくくすることができる。
以下、図5を参照して、蓄電池A121及び蓄電池B122への充電動作の態様について説明する。
蓄電装置120への給電を最初に開始する場合、つまり、蓄電池A121と蓄電池B122との両方が未充電の場合は、まず、状態(1)に示すように、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにする。それにより、DC/DCコンバータ130から蓄電池A121にのみ充電電流Iaが流され、蓄電池A121が優先して充電される。
図6の時刻t0において、太陽電池110からDC/DCコンバータ130を介して蓄電装置120の充電が開始される。時刻t0における充電開始時には、図5の状態(1)に示すように、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、蓄電池A121のみへの給電を開始する。
なお、外部負荷装置200は、例えば、前述した環境モニタ装置210であり、環境モニタ装置210は、周期的に温度情報や湿度情報等を外部に無線送信する。
このため、蓄電池A121の電圧Vaは、図6の破線で囲んだ部分Eで拡大して示すように、電圧V1と電圧V1’の間で変動する電圧となる。
そして、時刻t2以降、蓄電池B122への充電が進み、蓄電池B122の電圧Vbが、次第に上昇していく。
なお、蓄電池A121及び蓄電池B122の電圧が電圧VHになると、DC/DCコンバータ130は、蓄電池A121及び蓄電池B122への過充電を防ぐために、出力を停止して、蓄電池A121及び蓄電池B122への給電を停止する。
以下、図7を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、蓄電池A121及び蓄電池B122が未充電の状態にあるとする。そして、蓄電システム101が起動すると(ステップS11)、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにする(ステップS12)。そして、太陽電池110は、DC/DCコンバータ130を介して、蓄電池A121のみに給電を開始する(ステップS13)。
そして、ステップS14において、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えていると判定された場合(ステップS14:Yes)、ステップS15の処理に移行する。ステップS15では、切換部160が、スイッチ部140のスイッチSW1をONにして、蓄電池A121から蓄電池B122への給電が開始される。蓄電池A121から蓄電池B122へ給電を行うことにより、蓄電池A121の電圧Vaが下降する。
そして、ステップS16において、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1’よりも低下していないと判定された場合(ステップS16:No)、切換部160は、ステップS15の処理に戻り、蓄電池A121から蓄電池B122への給電を継続する。
一方、ステップS16において、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1’よりも低下していると判定された場合(ステップS16:Yes)、切換部160は、ステップS12の処理に戻り、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、再び、蓄電池A121のみへの給電を開始する。
上記処理の流れにより、蓄電システム101は、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、外部負荷装置200に出力する電圧を早く立ち上げることができる。また、蓄電システム101では、外部負荷装置200を駆動させつつ、蓄電池B122への蓄電を進めることができる。
なお、図8は、蓄電池A121及び蓄電池B122の電圧の詳細な変化特性ではなく、蓄電池A121及び蓄電池B122に対する充電の態様を概念的に示している。つまり、図8は、オフィスの室内が照明や外部光の入射により明るくなる「明」の期間と、夜間等において室内の照明が消灯して暗くなる「暗」の期間とが一日単位で繰り返される場合の、週単位(月曜から日曜日)での蓄電池A121と蓄電池B122との電圧変化の傾向を概念的に示している。
以下、図8を参照して、蓄電池A121の電圧Vaと蓄電池B122の電圧Vbとの週単位での推移の概要について説明する。
続いて、蓄電池A121の電圧Vaが次第に増加し、時刻t11に至り、蓄電池A121の電圧Vaが電圧Va1になると、蓄電池B122への給電が開始され、蓄電池B122の電圧Vbが上昇し始める。
続いて、時刻t11から時刻t12まで、つまり、時刻t12においてオフィスの照明等が落とされ「暗」の期間に入るまで、蓄電池A121及び蓄電池B122への給電が継続され、時刻t12において、蓄電池A121の電圧Vaは、電圧Va2まで上昇し、蓄電池B122の電圧は、電圧Vb1まで上昇する。
なお、蓄電池A121の電圧Vaが、電圧Va1まで低下した状態においても、蓄電池A121が電圧Va1を外部負荷装置200に給電して、外部負荷装置200を連続して駆動できるように設定されている。つまり、蓄電池A121の充電容量は、オフィスの照明等が消されて暗くなる「暗」の期間、外部負荷装置200を駆動できるように設定されている。
このように、蓄電システム101では、「明」の期間に、蓄電池A121への給電と、蓄電池B122への給電とが行われ、「暗」の期間に、蓄電池A121から外部負荷装置200に給電が行われるとともに、蓄電池B122への給電が停止される。
そして、4日目の時刻t43以降、スイッチ部140のスイッチSW1が継続的にON状態になり、蓄電池A121の電圧と蓄電池B122の電圧は同じ電圧(Va≒Vb)で推移する。
以上説明したように、蓄電システム101を週単位で運用する場合、平日(1日目から5日目)に蓄電池B122の充電を行っておき、休日(6日目及び7日目)に、蓄電池B122に蓄積された電力を利用することができる。
図9に示す蓄電システム101Aは、電圧検出部155と、切換部170(第2切換部)と、スイッチ部180(第2スイッチ部)と、制御部185と、を備えている点で図3に示す蓄電システム101と異なる。切換部170と制御部185とを追加した理由については後述するが、まず、蓄電システム101Aの構成と動作とについて説明する。
また、スイッチ部180は、一方の端子aが給電線DCL1に接続され、他方の端子bが、給電線DCL10を介して、外部負荷装置200に接続されている。
スイッチ部180は、切換部170から入力される制御信号CNT2の指示内容に応じて、内部のスイッチSW2をON又はOFFにすることにより、給電線DCL1と給電線DCL10との間の電気的な接続状態及び切断状態の切換を行う。つまり、スイッチSW2をONにすることにより、給電線DCL1と給電線DCL10とが接続され、蓄電システム101Aから外部負荷装置200に電力が供給される。
つまり、切換部170は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧VLを超える場合に、スイッチ部180のスイッチSW2をONにする。それにより、給電線DCL1と給電線DCL10とが接続され、蓄電システム101Aの電力が外部負荷装置200に供給される。また、切換部170は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧VL以下の場合に、スイッチ部180のスイッチSW2をOFFにする。それにより、給電線DCL1と給電線DCL10とが電気的に切り離され、蓄電システム101Aの電力が外部負荷装置200に供給されないようにする。
図10を参照して、まず、蓄電池A121及び蓄電池B122が未充電の状態にあるとする。そして、蓄電システム101Aが起動すると(ステップS21)、切換部170は、スイッチ部140のスイッチSW2をOFFにして、外部負荷装置200への給電が停止される(ステップS22)。
そして、ステップS24において、蓄電池A121の電圧Vaが駆動可能電圧VLを超えていないと判定された場合(ステップS24:No)、切換部170は、スイッチSW2をOFF状態にして(ステップS25)、再び、ステップS23の処理に戻り、蓄電池A121の電圧Vaを検出する。
これにより、蓄電システム101Aでは、蓄電装置120を初期充電する場合等、蓄電池A121の電圧が低い状態の場合に、外部負荷装置200への給電を停止して無駄な電力消費を抑えることにより、蓄電池A121への充電を早めることができる。
また、蓄電システム101Aは、外部負荷装置200の入力電源仕様(入力電圧範囲)に応じた電圧を供給できる場合にのみ、外部負荷装置200に給電を行うようにできる。
そして、蓄電池A121から蓄電池B122へ電流を流すことにより、蓄電池A121の電圧Vaが低下し始める。そして、時刻t3において、蓄電池A121の電圧が電圧V1’まで低下した場合に、切換部160は、スイッチSW1をOFFにして、蓄電池B122を蓄電池A121から電気的に切り離す。つまり、時刻t2から時刻t3の間、スイッチSW1がONになる。
そして、時刻t7に至り、例えば、夜間などになり太陽電池110の発電が停止し、DC/DCコンバータ130から蓄電池A121及び蓄電池B122への充電が停止する。
なお、時刻t8においてスイッチSW1がOFFの状態においても、蓄電池B122は、供給回路165を介して、外部負荷装置200への給電を行うことができる。
続いて、時刻t8から時刻t9にかけて、蓄電池B122の電圧Va、Vbが、駆動可能電圧VL(=Vout+ΔVo)以下になると、スイッチSW2がOFFになり、蓄電システム101Aから外部負荷装置200への給電が停止される。
また、蓄電システム101Aでは、切換部160だけがヒステリシス特性を持つ例について説明したが、切換部170についてもヒステリシス特性を持たせるようにしてもよい。つまり、切換部170が、蓄電池A121の電圧が駆動可能電圧VLを超えているか否かを検出する際にも、ヒステリシス特性を持つようにしてもよい。
これにより、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、蓄電システム101の出力電圧を早く立ち上げることができる。このため、蓄電システム101は、外部負荷装置200を早く起動することができる。
図14に示す蓄電システム102は、図3に示す蓄電システム101と比較すると、以下の点が異なる。まず、蓄電システム102は、図3に示すスイッチ部140を含まず、スイッチ部141を備える。また、蓄電装置120が単体の蓄電池123で構成される。また、切換部190の比較器191が、蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfを、不図示の基準電圧生成回路から出力される所定の基準電圧Refmと比較する。そして、スイッチ部141は、接点cが給電線DCL0を介して太陽電池110に接続され、接点aが給電線DCL1に接続され、接点bが給電線DCL3を介してDC/DCコンバータ130に接続されている。
他の構成は、図3に示す蓄電システム101と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、以下の説明において、DC/DCコンバータ130における変換効率が所定の値以上になる蓄電池123の電圧Vaをメインブーストの電圧Vmと呼ぶ。また、メインブーストの電圧Vm、つまりDC/DCコンバータ130がメインブーストモードになる電圧としては、DC/DCコンバータ130の変換効率が70%以上となる蓄電池123の電圧であることが好ましい。
そして、蓄電池123の電圧Vaが所定の電圧Vc以下の場合、切換部190は、スイッチSW3の接点aと接点cとを導通させて、太陽電池110から蓄電池123に直接給電を行わせる。また、蓄電池123の電圧が所定の電圧Vcを超えている場合、切換部190は、スイッチSW3の接点bと接点cとを導通させて、DC/DCコンバータ130を介して蓄電池123に給電を行わせる。なお、所定の電圧Vc(第1閾値)は、DC/DCコンバータ130がメインブーストモードになった後に、DC/DCコンバータ130に給電されるように設定されればよく、所定の電圧(第1閾値)Vcと、DC/DCコンバータ130がメインブーストモードになる電圧Vmとが等しくてもよい。
図15の状態(1)に示すように、蓄電池123の電圧Vaが所定の電圧Vcになるまでは、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通させる。そして、太陽電池110から蓄電池123に電流Iaを流して直接給電が行われる。その後、蓄電池123の電圧Vaが所定の電圧Vcになると、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点bと接点cとを導通させて、太陽電池110からDC/DCコンバータ130に給電が行われる。さらに、DC/DCコンバータ130から蓄電池123に電流Ibを流して給電が行われる。
まず、蓄電池123が未充電の状態にあるとする。そして、蓄電システム102が起動すると(ステップS100)、切換部190は、最初に、スイッチ部140に制御信号CNT3を送り、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通にして、接点bと接点cとを非導通にする(ステップS101)。これにより、切換部190は、太陽電池110から蓄電池123への直接給電を開始させる(ステップS102)。
そして、ステップS103において、蓄電池123の電圧Vaが電圧Vcを超えていないと判定された場合(ステップS103:No)、ステップS101の処理に戻る。この場合、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通にし、接点bと接点cとを非導通にして、太陽電池110から蓄電池123への直接給電を継続させる。
続いて、切換部190は、ステップS103の処理に戻り、再び、ステップS103からの処理を開始する。
特に、所定の照度以下の環境においては、蓄電池123として低照度用の低照度色素増感太陽電池が用いられ、発生電力が小さい。この場合、蓄電池123と導通するDC/DCコンバータ130は、蓄電池123の電圧Vaが第1閾値の電圧Vm以上になるまでは変換効率の低いモードになる。そして、蓄電池123の電圧が第1閾値の電圧Vm以上になると、DC/DCコンバータ130は変換効率が高いメインブーストモードになる。
従って、蓄電システム102は所定の照度以下の環境において特に有効である。
これにより、蓄電システム102では、蓄電池123の電圧Vaが低い状態において、DC/DCコンバータ130の昇圧時の変換ロスに影響されることなく、太陽電池110から蓄電池123に直接給電できる。このように、蓄電システム102では、蓄電池123の電圧Vaが低い状態において、蓄電池123への蓄電時間を早めることができる。従って、蓄電池123の電圧を早く立ち上げることができる。
図17に示す蓄電システム103は、図3に示す蓄電システム101と比較すると、スイッチ部141と切換部190とをさらに備える点だけが異なる。他の構成は、図3に示す蓄電システム101と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、同時に、蓄電システム102と同様にして、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通させて、接点bと接点cとは非導通にさせる。つまり、蓄電システム103では、蓄電池A121が未充電、或いは、蓄電池A121の電圧Vaが低い場合に、DC/DCコンバータ130を介さずに、発電素子である太陽電池110から蓄電池A121に直接給電する。
その後は、蓄電システム101と同様にして、蓄電池A121の電圧が外部負荷装置200を駆動可能な駆動可能電圧VL(=動作電圧Vout+ΔVo)に到達した場合に、外部負荷装置200に給電を開始し、蓄電池A121の電圧が電圧V1(V1>VL>Vc)に到達した場合に、蓄電池A121から蓄電池B122への給電を開始する。
容量の小さい第1蓄電池A121から容量の大きい第2蓄電池に給電された後でも所定の電圧Vc以上となることで、第1蓄電池A121から第2蓄電池への給電後も、DC/DCコンバータ130はコールドスタートモードにならない。従って、メインブーストモードを維持することが可能となり、より効率的に蓄電できる。
例えば、図17に示した蓄電システム103に、図9に示した蓄電システム101Aのように、切換部170(第2切換部)や、スイッチ部180(第2スイッチ部)や、制御部185を加えてもよい。これにより、図17に示した蓄電システム103の効果に加えて、図9に示した蓄電システム101Aの効果も得ることができる。
Claims (11)
- 環境発電を行う発電素子の発電電力により給電され、外部負荷装置に電力を供給するように構成される第1蓄電池と、
前記第1蓄電池よりも容量が大きく、前記外部負荷装置に電力を供給するように構成される第2蓄電池と、
前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間の電気的な接続状態及び切断状態の切換を行う第1スイッチ部と、
前記第1蓄電池の電圧と前記外部負荷装置の駆動可能電圧以上である第1閾値の電圧とを比較し、その比較結果に応じて前記第1スイッチ部を制御する第1切換部と、
を備え、
前記第1切換部は、前記第1蓄電池の電圧が前記第1閾値の電圧以下の場合に、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間を切断状態にして、前記発電素子の発電電力が前記第1蓄電池のみに給電されるように前記第1スイッチ部を制御し、
前記第1切換部は、前記第1蓄電池の電圧が前記第1閾値の電圧を超えている場合に、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間を接続状態にして、前記第1蓄電池から前記第2蓄電池へ給電が行われるように前記第1スイッチ部を制御する
蓄電システム。 - 前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池と前記外部負荷装置との間の電気的な接続状態及び切断状態の切換を行う第2スイッチ部と、
前記第1蓄電池の電圧と、前記外部負荷装置が動作可能な動作電圧よりも所定の電圧分だけ高くかつ前記第1閾値の電圧よりも低く設定される第2閾値の電圧とを比較し、その比較結果に応じて、前記第2スイッチ部を制御する第2切換部と、
を備え、
前記第1蓄電池の電圧が前記第2閾値の電圧よりも高い状態の場合、前記第2切換部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池と前記外部負荷装置との間が接続状態になるように前記第2スイッチ部を制御し、
前記第1蓄電池の電圧が前記第2閾値の電圧よりも低い状態の場合、前記第2切換部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池と前記外部負荷装置との間が切断状態になるように前記第2スイッチ部を制御する
請求項1に記載の蓄電システム。 - 前記第1切換部は、ヒステリシス特性を有しており、前記ヒステリシス特性を用いて前記第1蓄電池の電圧と前記第1閾値の電圧とを比較し、
前記第1切換部は、前記第1蓄電池の電圧が前記第1閾値の電圧を超えている場合に、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間が接続状態になるように前記第1スイッチ部を制御し、
前記第1切換部は、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間が接続状態で、かつ前記第1蓄電池の電圧が前記第1閾値の電圧よりも所定の電圧だけ低い第3閾値の電圧以下に低下した場合に、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間が切断状態になるように前記第1スイッチ部を制御する
請求項1または請求項2に記載の蓄電システム。 - 前記第1切換部の前記ヒステリシス特性における前記第1閾値の電圧と前記第3閾値の電圧との間のヒステリシス幅は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池と前記外部負荷装置との間の電気的な接続状態及び切断状態を切り替える第2スイッチ部の開閉を制御する際に使用される第2閾値の電圧に対応して設定される
請求項3に記載の蓄電システム。 - 前記第3閾値の電圧は、前記第2閾値の電圧よりも所定の電圧分だけ高くなるように設定される
請求項4に記載の蓄電システム。 - 前記第1スイッチ部は、並列に接続された供給回路を有し、
前記供給回路は、前記第2蓄電池から前記第1蓄電池に流れる電流を抑止し、かつ前記第2蓄電池から前記外部負荷装置に向けて電流を流すように構成される
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の蓄電システム。 - 前記発電素子の出力電圧を所定の電圧に変換して、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池とに給電を行うDC/DCコンバータを備える
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の蓄電システム。 - 前記発電素子は、所定の照度以下の環境において使用可能な低照度用の太陽電池である
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の蓄電システム。 - 前記太陽電池は、太陽電池セルを直列に接続して構成される
請求項8に記載の蓄電システム。 - 前記太陽電池は、低照度色素増感太陽電池である請求項8または請求項9に記載の蓄電システム。
- 環境発電を行う発電素子の発電電力により給電され、外部負荷装置に電力を供給するように構成される第1蓄電池と、前記第1蓄電池よりも容量が大きく、前記外部負荷装置に電力を供給するように構成される第2蓄電池と、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間の電気的な接続状態及び切断状態の切換を行う第1スイッチ部と、前記第1蓄電池の電圧と前記外部負荷装置の駆動可能電圧以上である所定の第1閾値の電圧とを比較し、その比較結果に応じて前記第1スイッチ部を制御する第1切換部と、を備える蓄電システムを準備し、
前記第1蓄電池の電圧が前記第1閾値の電圧以下の場合に、前記第1切換部が、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間を切断状態にして、前記発電素子の発電電力が前記第1蓄電池のみに給電されるように前記第1スイッチ部を制御し、
前記第1蓄電池の電圧が前記第1閾値の電圧を超えている場合に、前記第1切換部が、前記第1蓄電池と前記第2蓄電池との間を接続状態にして、前記第1蓄電池から前記第2蓄電池へ給電が行われるように前記第1スイッチ部を制御する
ことを含む蓄電方法。
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