JP6141751B2 - 駆動力配分制御装置 - Google Patents

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本発明は、駆動力配分制御装置に関し、特に、四輪駆動車両の後輪の左右駆動力配分を制御する駆動力配分制御装置に関する。
従来から、エンジンの駆動力を左右前輪と左右後輪へ分配出力可能な四輪駆動車において、左後輪の伝動系及び右後輪の伝動系それぞれに左後輪クラッチ及び右後輪クラッチを挿置し、これら左後輪クラッチ及び右後輪クラッチの締結力を調節することにより、駆動力を左後輪及び右後輪に配分して出力する左右駆動力配分制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来から、このような左右駆動力配分制御装置を用いて車両の旋回挙動が運転状態に応じたものとなるよう左右後輪の駆動力を異ならせる左右輪駆動力配分制御が知られている。より具体的には、この制御では、アンダーステア傾向が検知された場合には、旋回後外輪側クラッチの締結力を増大させて旋回後外輪に駆動トルクを付加することにより、ヨーモーメントを回頭方向に増加させ、回頭性を向上させる。一方、オーバーステア傾向が検知された場合には、旋回後内輪側クラッチの締結力を増大させて旋回後内輪に駆動トルク付加することにより、ヨーモーメントを反回頭方向(すなわち車両を回頭させない方向)に増加させ、回頭性を抑制する。
特開2011−218988号公報
ところで、クラッチは、速い回転側から遅い回転側(回転速度の速い方から遅い方)にしか駆動力(トルク)を伝達できないという特性を持っているため、前輪よりも後輪の方が速く回っているときには、後輪側へ駆動力を流すことができない。そこで、上述した特許文献1に記載の左右駆動力配分制御装置が適用された四輪駆動車両では、トランスファから車両後方へ延在するプロペラシャフトの後端とリヤドライブシャフトとの間を傘歯車組で構成した終減速機を介して駆動結合し、該終減速機の減速比を、トランスファからプロペラシャフトへの増速伝動比との関連において、左右前輪に向かう駆動力の一部をリヤドライブシャフトへ増速下に向かわせるようなギヤ比としている。より具体的には、特許文献1に記載の四輪駆動車両では、左右の後輪クラッチの入力側回転速度と出力側回転速度の回転速度差(クラッチスリップ量)を0にした場合、左右前輪に対して左右後輪が約2%増速されるように(すなわち前輪速<後輪速とならないように)、トランスファと終減速機のトータルのギヤ比を設定している。
しかしながら、上述したようにギヤ比を設定することにより、上記クラッチスリップ量を0にしたときに左右の後輪クラッチよりも上流側(前輪側)の回転数が後輪よりも早くなるように設定した場合、加速旋回時には駆動力を伝達/付加できるものの、減速旋回時に駆動力を伝達/付加できなくなるという問題が生じる。すなわち、減速旋回時に左右の後輪クラッチを締結すると、後輪に駆動力を付与してしまうことになる。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、左右の後輪クラッチそれぞれの締結力を調節することにより、左右後輪への駆動力配分を制御可能に構成された四輪駆動車両において、加速旋回時及び減速旋回時双方において、オーバーステア、アンダーステアを抑制することが可能な駆動力配分制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る駆動力配分制御装置は、左右前輪及び左右後輪それぞれに駆動力を伝達可能に構成されている四輪駆動車両の後輪の左右駆動力配分を制御する駆動力配分制御装置であって、前輪側ファイナルギヤを含む前輪側のトータルギヤ比とギヤ比が同一に設定された後輪側ファイナルギヤと、後輪側ファイナルギヤと左後輪との間に介装され、左後輪に伝達される駆動力を調節する左後輪クラッチと、後輪側ファイナルギヤと右後輪との間に介装され、右後輪に伝達される駆動力を調節する右後輪クラッチと、旋回時に、車両のステア特性に基づいて、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチそれぞれの締結力を制御する制御手段とを備える。該制御手段は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立している場合において、車両のステア特性がオーバーステアのときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ締結し、車両のステア特性がアンダーステアのときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ解放することを特徴とする。
本発明に係る駆動力配分制御装置によれば、前輪側ファイナルギヤを含む前輪側のトータルギヤ比(すなわち変速機の出力軸と左右前輪との間に介在する全てのギヤのトータルのギヤ比)と後輪側ファイナルギヤのギヤ比とが同一に設定されているため、上記クラッチスリップ量を0にしたときに左右の後輪クラッチの上流側(前輪側)の回転数と後輪の回転数が同一となる。そのため、加速旋回時に駆動力を伝達/付加でき、かつ、減速旋回時にも駆動力を伝達/付加できなくなることを防止することができる。すなわち、減速旋回時に左右の後輪クラッチをつないだとしても、後輪に駆動力が付与されることはない。よって、加速旋回時及び減速旋回時いずれにおいてもオーバーステア、アンダーステアを抑制することが可能となる。
一方、前輪側のトータルギヤ比と後輪側ファイナルギヤのギヤ比とを同じにした場合、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しているときに、原則的に、旋回後外輪へ駆動力を付加できなくなる。ここで、本発明に係る駆動力配分制御装置によれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立している場合において、オーバーステアのときには、左後輪クラッチ、右後輪クラッチが共に締結されて、直進性が向上される。これにより、ステア特性をニュートラルステア方向に改善することが可能となる。一方、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立している場合において、アンダーステアのときには、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチそれぞれが解放されるため、後輪側から制動力がかかることを防止することができる。
本発明に係る駆動力配分制御装置では、制御手段が、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がアンダーステアの場合において、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値以上のときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ解放し、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値未満のときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させることが好ましい。
上述したように、前輪側のトータルギヤ比と後輪側ファイナルギヤのギヤ比とを同じにした場合、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しているときには、原則的に、旋回後外輪へ駆動力を付加できなくなる。ただし、アッカーマンジオメトリが成立している場合であっても、旋回半径が小さい領域では、旋回後外輪へ駆動力を付加できる。すなわち、前輪中心の旋回半径が旋回後外輪の旋回半径よりも大きい場合には、旋回後外輪への駆動力伝達が可能である。ここで、本発明に係る駆動力配分制御装置によれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しており、かつアンダーステアの場合において、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値未満のときに、旋回後外輪側のクラッチの締結力が増大されることにより、アンダーステアを抑制することができる。
一方、アッカーマンジオメトリが成立している場合であって、旋回半径が大きい領域、すなわち、前輪中心の旋回半径が旋回後外輪の旋回半径以下の領域では、旋回後外輪の速度の方が前輪よりも速くなり、旋回後外輪への駆動力付加ができなくなる。このときに旋回後外輪側のクラッチをつなぐと逆に制動力がかかることになる。ここで、本発明に係る駆動力配分制御装置によれば、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値以上のときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチそれぞれが解放されるため、後輪側から制動力がかかることを防止することができる。
本発明に係る駆動力配分制御装置では、制御手段が、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がアンダーステアの場合において、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ解放し、総駆動力が所定値以上のときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させることが好ましい。
上述したように、前輪側のトータルギヤ比と後輪側ファイナルギヤのギヤ比とを同じにした場合、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しているときには、原則的に、旋回後外輪へ駆動力を付加できなくなる。ただし、アッカーマンジオメトリが成立している場合であっても、四輪に伝達される総駆動力が所定値以上のときには、前輪にスリップ率が発生し、前輪の回転数が増大するため、旋回後外輪側のクラッチを締結することにより駆動力を旋回後外輪側に流せるようになる。ここで、本発明に係る駆動力配分制御装置によれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しており、かつアンダーステアの場合において、四輪に伝達される総駆動力が所定値以上のときに、旋回後外輪側のクラッチの締結力が増大されるため、アンダーステアを抑制することができる。
一方、アッカーマンジオメトリが成立している場合であって、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときには、旋回後外輪の速度の方が前輪よりも速くなり、旋回後外輪への駆動力付加ができなくなる。このときに旋回後外輪側のクラッチをつなぐと逆に制動力がかかることになる。ここで、本発明に係る駆動力配分制御装置によれば、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチそれぞれが解放されるため、後輪側から制動力がかかることを防止することができる。
本発明に係る駆動力配分制御装置では、制御手段が、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がニュートラルステアの場合には、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチの締結力を保持することが好ましい。
このようにすれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立している状態において、車両のステア特性をニュートラルステアに保持することができる。
本発明に係る駆動力配分制御装置では、制御手段が、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立していない場合において、車両のステア特性がオーバーステアのときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後内輪側のクラッチの締結力を増大させ、車両のステア特性がアンダーステアのときに、左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させることが好ましい。
このようにすれば、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立していない場合において、オーバーステアの場合には、旋回後内輪側のクラッチの締結力が増大されて旋回後内輪に駆動力が付加されることにより、ヨーモーメントを反回頭方向に増加させ、回頭性を抑制することができる。一方、アンダーステアの場合には、旋回後外輪側クラッチの締結力が増大されて旋回後外輪に駆動力が付加されることにより、ヨーモーメントを回頭方向に増加させ、回頭性を向上させることができる。
本発明によれば、左右の後輪クラッチそれぞれの締結力を調節することにより、左右後輪への駆動力配分を制御可能に構成された四輪駆動車両において、加速旋回時及び減速旋回時双方において、オーバーステア、アンダーステアを抑制することが可能となる。
実施形態に係る駆動力配分制御装置が搭載された四輪駆動車両の構成を示すブロック図である。 旋回時における、旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)と前輪中心の旋回半径(Rft)との関係を説明するための図である。 前輪中心の旋回半径(Rft)>旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)となる場合の旋回後外輪(Rr_out)、前輪中心(Rft)、及び前旋回外輪(Rf_out)それぞれの旋回半径を示す図である。 前輪中心の旋回半径(Rft)<旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)となる場合の旋回後外輪(Rr_out)、前輪中心(Rft)、及び重心点(Rg)それぞれの旋回半径を示す図である。 実施形態に係る駆動力配分制御装置による左右後輪駆動力配分制御の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る駆動力配分制御装置1の構成について説明する。図1は、駆動力配分制御装置1が搭載された四輪駆動車両(以下、単に「車両」ということもある)4の構成を示すブロック図である。
エンジン20は、例えば水平対向型の4気筒ガソリンエンジンである。エンジン20の出力軸(クランクシャフト)には、エンジン20からの駆動力を変換して出力する変速機30が接続されている。なお、変速機30は、手動変速機(MT)でもよいし、有段自動変速機(AT)や無段変速機(CVT)等の自動変速機でもよい。エンジン20から入力された駆動力は、変速機30で変換された後、前輪側の駆動系(詳細は後述する)を介して前輪側に伝達されるとともに、後輪側の駆動系(詳細は後述する)を介して後輪側に伝達される。これにより、左右前輪10FL,10FR、及び左右後輪10RL,10RRに駆動力が伝達される。
前輪側の駆動系において、変速機30からの駆動力は、トランスファ40(トランスファドライブギヤ40a、トランスファドリブンギヤ40b)、及び、フロントドライブシャフト41を介してフロントディファレンシャル(以下「フロントデフ」という)42に伝達される。フロントデフ42は、例えば、ベベルギヤ式の差動装置である(特許請求の範囲に記載の前輪側ファイナルギヤに相当)。フロントデフ42からの駆動力は、左前輪ドライブシャフト43Lを介して左前輪10FLに伝達されるとともに、右前輪ドライブシャフト43Rを介して右前輪10FRに伝達される。
後輪側の駆動系において、変速機30からの駆動力は、上述したトランスファ40(トランスファドライブギヤ40a)から車両後方へ延在するプロペラシャフト44を介してファイナルギヤ60(特許請求の範囲に記載の後輪側ファイナルギヤに相当)に伝達される。ファイナルギヤ60は、例えば、ハイポイドピニオン60aおよびハイポイドギヤ60bからなるハイポイドギヤである。ここで、ファイナルギヤ60のファイナルギヤ比は、トランスファ40およびフロントデフ42(ファイナルギヤ)のトータルギヤ比(すなわち変速機30の出力軸と左右前輪10FL,10FRとの間に介在する全てのギヤのトータルのギヤ比)と同一となるように設定されている。
ファイナルギヤ60(ハイポイドギヤ60b)にはリヤドライブシャフト51が接続されている。このリヤドライブシャフト51の左右両端には、左後輪10RLに伝達される駆動力を調節する左後輪クラッチ52L、および右後輪10RRに伝達される駆動力を調節する右後輪クラッチ52Rがそれぞれ取り付けられている。また、左後輪クラッチ52Lには、左後輪ドライブシャフト53Lを介して左後輪10RLが接続されている。一方、右後輪クラッチ52Rには、右後輪ドライブシャフト53Rを介して右後輪10RRが接続されている。
よって、ファイナルギヤ60からの駆動力は、ファイナルギヤ60と左後輪10RLとの間に配設された左後輪クラッチ52Lにより調節された後、左後輪ドライブシャフト53Lを介して左後輪10RLに伝達される。また、ファイナルギヤ60からの駆動力は、ファイナルギヤ60と右後輪10RRとの間に配設された右後輪クラッチ52Rにより調節された後、右後輪ドライブシャフト53Rを介して右後輪10RRに伝達される。
四輪駆動車両4では、車両4の旋回性能を向上させたり、車両4の実挙動(実ヨーレートなど)が車両4の運転状態や走行状態に応じた目標通りのものとなるように、左後輪クラッチ52Lおよび右後輪クラッチ52Rの結合力を調節する左右輪駆動力配分制御が行われる。左後輪クラッチ52Lおよび右後輪クラッチ52Rそれぞれには、例えば、供給電流に応じて締結力を調節できる電磁クラッチが用いられ、当該締結力は、AWDコントローラ70によって制御される。なお、左後輪クラッチ52L、右後輪クラッチ52Rの係合力が最大の状態では、後輪10RL,10RRの駆動系と直結した状態となる。また、左後輪クラッチ52Lおよび右後輪クラッチ52Rとして、油圧式のクラッチを用いてもよい。
AWDコントローラ70には、4つの車輪速センサ81、ヨーレートセンサ82、横加速度センサ83、及び、操舵角センサ84などが接続されている。車輪速センサ81は、例えば、車輪10FL,10FR,10RL,10RRの中心に取り付けられた歯車の回転を磁気ピックアップ等によって検出することにより、車輪10FL,10FR,10RL,10RRの回転状態を検出する。ヨーレートセンサ82は、車両4の重心点を通る鉛直軸まわりの回転角速度(ヨーレート)を検出する。横加速度センサ83は、車両4に作用する横方向の加速度を検出する。また、操舵角センサ84は、ピニオンシャフトの回転角を検出することにより、操舵輪である前輪10FL,10FRの操舵角を検出する。
AWDコントローラ70は、上述した各種センサから取得した各種情報に基づいて、車両4のステア特性に基づいて、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rそれぞれの締結力を制御(すなわち後輪10RL,10RRの左右駆動力配分を制御)する。すなわち、AWDコントローラ70は、特許請求の範囲に記載の制御手段として機能する。そのため、AWDコントローラ70は、左右駆動力配分制御部71を機能的に備えている。AWDコントローラ70は、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び入出力I/F等を有して構成されている。そして、AWDコントローラ70では、ROMに記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、左右駆動力配分制御部71の機能が実現される。また、AWDコントローラ70は、左後輪クラッチ52L、右後輪クラッチ52Rを駆動するドライバ等を備えている。
AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリ(後輪軸延長上に旋回中心が存在する幾何学的関係)が成立している場合(詳細は後述する)において、車両4のステア特性がオーバーステアのときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rをそれぞれ締結する。一方、車両4のステア特性がアンダーステアのときに、左後輪クラッチ52L、及び、右後輪クラッチ52Rをそれぞれ解放する。
ここで、上述したように、ファイナルギヤ60のファイナルギヤ比は、トランスファ40およびフロントデフ42のトータルギヤ比と同一となるように設定されている。このようにファイナルギヤ比が設定されている四輪駆動車両4において、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立している場合の、旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)と前輪中心の旋回半径(Rft)との関係を図2に示す。ここで、旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)及び前輪中心の旋回半径(Rft)それぞれは、次式(1)(2)で表わされる。
Figure 0006141751
なお、Rgは重心点の旋回半径、Rftは前輪中心の旋回半径、Rr_outは後旋回外輪の旋回半径、Ltrdはトレッド、Lwbはホイールベース、Lrは重心〜後軸間距離である。
ここで、Rr_out=Rftとなる場合を考えると、次のような関係が成立する。
Figure 0006141751
すなわち、旋回後外輪の旋回半径Rr_out>(Lwb/Ltrd)+(Ltrd/4)が成立する旋回では、Rft>Rr_outとなり、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rが駆動力を伝達できるため、Rr_out側車輪(旋回後外輪)に駆動力が伝えられる。一方、上記関係式が成立しない場合(Rft≦Rr_out)、クラッチの特性により、Rr_out側車輪(旋回後外輪)にトルク伝達ができない。このときに旋回後外輪側のクラッチをつなぐと逆に制動力がかかることになる。そのため、AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立している場合において、車両4のステア特性がアンダーステアのときに、左後輪クラッチ52L、及び、右後輪クラッチ52Rをそれぞれ解放する。
しかしながら、アッカーマンジオメトリが成立している場合であっても、旋回半径が小さい領域では、旋回後外輪へ駆動力を付加できる。より具体的には、前輪中心の旋回半径が旋回後外輪の旋回半径よりも大きい場合には、旋回後外輪への駆動力伝達が可能である。すなわち、図3に示されるように、前輪中心の旋回半径(Rft)>旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)となる場合には、旋回後外輪(Rr_out)へのトルク伝達が可能である。なお、図3は、前輪中心の旋回半径(Rft)>旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)となる場合の旋回後外輪(Rr_out)、前輪中心(Rft)、及び前旋回外輪(Rf_out)それぞれの旋回半径を示す図である。
一方、アッカーマンジオメトリが成立している場合であって、旋回半径が大きい領域、すなわち、前輪中心の旋回半径が旋回後外輪の旋回半径以下の領域では、旋回後外輪の速度の方が前輪よりも速くなり、旋回後外輪への駆動力付加ができなくなる。すなわち、図4に示されるように、前輪中心の旋回半径(Rft)<旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)となる場合には、旋回後外輪(Rr_out)へのトルク伝達は不可能となる。なお、図4は、前輪中心の旋回半径(Rft)<旋回後外輪の旋回半径(Rr_out)となる場合の旋回後外輪(Rr_out)、前輪中心(Rft)、及び重心点(Rg)それぞれの旋回半径を示す図である。
そのため、AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がアンダーステアの場合において、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値(例えば7乃至8m、車両に応じて設定)以上のときに、左後輪クラッチ52L、及び、右後輪クラッチ52Rをそれぞれ解放し、旋回後外輪の旋回半径が上記所定のしきい値未満のときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させる。
同様に、アッカーマンジオメトリが成立している場合であっても、四輪に伝達される総駆動力が所定値以上のときには、前輪10FL,10FRにスリップ率が発生し、前輪10FL,10FRの回転数が増大するため、旋回後外輪側のクラッチを締結することにより駆動力を旋回後外輪側に流せるようになる。一方、アッカーマンジオメトリが成立している場合であって、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときには、旋回後外輪の速度の方が前輪10FL,10FRよりも速くなり、旋回後外輪への駆動力付加ができなくなる。このときに旋回後外輪側のクラッチをつなぐと逆に制動力がかかることになる。
そこで、AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両4のステア特性がアンダーステアの場合において、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときに、左後輪クラッチ52L、及び、右後輪クラッチ52Rをそれぞれ解放し、総駆動力が上記所定値以上のときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させる。
一方、AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両4のステア特性がオーバーステアのときには、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rをそれぞれ締結する。また、AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がニュートラルステアの場合には、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rの締結力を保持する。
さらに、AWDコントローラ70(左右駆動力配分制御部71)は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立していない場合において、車両4のステア特性がオーバーステアのときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rのうち、旋回後内輪側のクラッチの締結力を増大させ、車両4のステア特性がアンダーステアのときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させる(すなわち通常制御を実行する)。
次に、図5を参照しつつ、駆動力配分制御装置1の動作について説明する。図5は、駆動力配分制御装置1による左右後輪駆動力配分制御の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、AWDコントローラ70において、所定のタイミングで繰り返し実行される。
ステップS100では、推定車体速度(以下、単に「車速」ともいう)Vが求められる。ここで、推定車体速度Vは、例えば、次式(3)に基づき、4輪それぞれの車輪速Vfl,Vfr,Vrl,Vrrの平均値から求めることができる。
V=(Vfl+Vfr+Vrl+Vrr)/4 ・・・(3)
なお、加速時には、4輪の車輪速のうち上から3番目の値を推定車体速度Vとし、減速時には上から2番目の値を推定車体速度Vとしてもよい(すなわち、なるべくスリップしていない車輪速を推定車体速度Vとする)。
次に、ステップS102では、アッカーマンジオメトリが成立しているか否かについての判断が行われる。ここで、アッカーマンジオメトリが成立しているか否かは、例えば、次のようにして判断することができる。具体的には、次式(4)を満足する場合、すなわち、車速Vが低く、滑り角速度が略ない場合にアッカーマンジオメトリが成立していると判断することができる。
V≦30(km/h)&&|dβ/dt|≦1(deg/s) ・・・(4)
ただし、V=(Vfl+Vfr+Vrl+Vrr)/4、dβ/dt=γ−Ay/V(ここで、γはヨーレートセンサ値、Ayは横加速度センサ値)である。
なお、上述した方法に代えて、車輪速Vベース旋回半径R_vと、操舵角センサ値δhベース旋回半径R_δとの差が略ないとき、すなわち、次式(5)が成り立つときに、アッカーマンジオメトリが成立していると判断してもよい(すなわち旋回半径の10%以内の差であれば可とする)。
|R_v−R_δ|≦R_δ*0.1 ・・・(5)
ただし、R_v=√{(Rr_out_v−Ltrd/2)^2+Lr^2}(ここで、Rr_out_v=(Vrr・Ltrd)/(Vrr−Vrl)である。)、R_δ=Lwb/(δh/n)(ここで、nはステアリングギヤ比、Ltrdはトレッド、Lwbはホイールベースである)。
ここで、アッカーマンジオメトリが成立している場合(原則的に旋回後外輪に駆動力を付加できない場合)には、ステップS104に処理が移行する。一方、アッカーマンジオメトリが成立していないとき(旋回後外輪に駆動力を付加できるとき)には、ステップS112に処理が移行する。
ステップS112では、通常のツインクラッチ制御が実行される。すなわち、車両4のステア特性がオーバーステアのときには、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rのうち、旋回後内輪側のクラッチの締結力が増大され、車両4のステア特性がアンダーステアのときには、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力が増大される。その後、本処理から一旦抜ける。
ステップS104では、ステア特性がアンダーステアか否かについての判断が行われる。ここで、ステア特性がアンダーステアか否かは、例えば、次のようにして判断することができる。すなわち、まず、次式(6)に基づいて、リアルタイムのスタビリティファクタKが算出される。
Figure 0006141751
一方、基準スタビリティファクタξを予め実験等により求めるとともに、ステア特性との関係を、例えば、次のように設定して記憶しておく。
(1)K>ξus=ξ+0.001の場合には、アンダーステア。
(2)K<ξos=ξ−0.001の場合には、オーバーステア。
(3)ξos=ξ−0.001≦K≦ξus=ξ+0.001の場合には、ニュートラルステア。
そして、算出されたリアルタイムのスタビリティファクタKがどの領域に入るかにより、ステア特性がアンダーステア(又は、オーバーステア/ニュートラルステア)であるか否かが判断される。ここで、ステア特性がアンダーステアではないときには、ステップS106に処理が移行する。一方、ステア特性がアンダーステアの場合には、ステップS108に処理が移行する。
ステップS106では、ステア特性がオーバーステアか否かについての判断が行われる。ここで、ステア特性がオーバーステアか否かの判断手法は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。ここで、ステア特性がオーバーステアではないときには、ステップS112に処理が移行する。なお、ステップS112の処理内容は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。その後、本処理から一旦抜ける。一方、ステア特性がオーバーステアの場合には、ステップS110に処理が移行する。
ステップS110では、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rがそれぞれ締結される(すなわち回頭抑制制御が実行される)。その後、本処理から一旦抜ける。
上述したステップS104が肯定された場合(ステア特性がアンダーステアの場合)、ステップS108では、後外輪の旋回半径が算出される。ここで、後外輪の旋回半径(R_out)は、例えば、上述したR_δを使用して、R_out=R_δとする。
続いて、ステップS114では、旋回後外輪の半径が所定のしきい値(例えば7乃至8m)以上か否かについての判断が行われる。ここで、旋回後外輪の半径R_out≧しきい値R_out_minか否かを判定する場合、上述したように、Rr_out_min=Lwb^2/Ltrd+Ltrd/4となるため、Rr_out−Rr_out_min=Lwb/(δh/n)−(Lwb^2/Ltrd+Ltrd/4)が0以上であれば、ステップS114が肯定される。ここで、旋回後外輪の半径がしきい値以上の場合(図4参照)には、ステップS112に処理が移行する。なお、ステップS112の処理内容は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。その後、本処理から一旦抜ける。一方、旋回後外輪の半径がしきい値未満のとき(図3参照)には、ステップS116に処理が移行する。
ステップS116では、総駆動力が所定値以上であるか否かについての判断が行われる。ここで、総駆動力が所定値以上であるか否かについての判断は次のようにして行うことができる。すなわち、まず、次式(7)に基づいて、総駆動力Fxを算出する。
総駆動力Fx=Teg*iGR/Rt ・・・(7)
ただし、Tegはエンジントルク(吸入空気量等から算出)、iGRは総ギヤ比(エンジンからタイヤまでの間の全てのギヤ比)、Rtはタイヤ半径である。
一方、総駆動力Fxに対してスリップ率が非線形領域に入るかどうかを予め実験等で求め、その境目の総駆動力FxをFx_slp(所定値に相当)とする。そして、Fx−Fx_slp>0であれば、ステップS116が肯定される。ここで、総駆動力Fxが所定値以上の場合には、ステップS112に処理が移行する。なお、ステップS112の処理内容は上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。その後、本処理から一旦抜ける。一方、総駆動力Fxが所定値未満のときには、ステップS118に処理が移行する。
ステップS118では、左後輪クラッチ52L、及び、右後輪クラッチ52Rがそれぞれ解放される。その後、一旦本処理から抜ける。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、前輪側のトランスファ40及びフロントデフ42のトータルのギヤ比(すなわち変速機30の出力軸と左右前輪10FL,10FRとの間に介在する全てのギヤのトータルのギヤ比)と後輪側のファイナルギヤ60(終減速歯車)のギヤ比(終減速比)とが同一に設定されているため、クラッチスリップ量を0にしたときに左右の後輪クラッチ52L,52Rの上流側(前輪側)の回転数と後輪10RL,10RRの回転数が同一となる。そのため、加速旋回時に駆動力を伝達/付加でき、かつ、減速旋回時にも駆動力を伝達/付加できなくなることを防止することができる。すなわち、減速旋回時に左右の後輪クラッチ52L,52Rをつないだとしても、後輪10RL,10RRに駆動力が付与されることはない。よって、加速旋回時及び減速旋回時いずれにおいてもオーバーステア、アンダーステアを抑制することが可能となる。
一方、前輪側のトータルギヤ比とファイナルギヤ60のギヤ比とを同じにした場合、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しているときに、原則的に、旋回後外輪へ駆動力を付加できなくなる。ここで、本実施形態によれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立している場合において、オーバーステアのときには、左後輪クラッチ52L、右後輪クラッチ52Rが共に締結されて、直進性が向上される。これにより、ステア特性をニュートラルステア方向に改善することが可能となる。一方、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立している場合において、アンダーステアのときには、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rそれぞれが解放されるため、後輪10RL,10RR側から制動力がかかることを防止することができる。
上述したように、アッカーマンジオメトリが成立している場合であっても、旋回半径が小さい領域では、旋回後外輪へ駆動力を付加できる。すなわち、前輪中心の旋回半径が旋回後外輪の旋回半径よりも大きい場合には、旋回後外輪への駆動力伝達が可能である。ここで、本実施形態によれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しており、かつアンダーステアの場合において、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値未満のときに、旋回後外輪側のクラッチの締結力が増大されることにより、アンダーステアを抑制することができる。
一方、アッカーマンジオメトリが成立している場合であって、旋回半径が大きい領域、すなわち、前輪中心の旋回半径が旋回後外輪の旋回半径以下の領域では、旋回後外輪の速度の方が前輪10FL,10FRよりも速くなり、旋回後外輪への駆動力付加ができなくなる。このときに旋回後外輪側のクラッチをつなぐと逆に制動力がかかることになる。ここで、本実施形態によれば、旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値以上のときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rそれぞれが解放されるため、後輪10RL,10RR側から制動力がかかることを防止することができる。
上述したように、アッカーマンジオメトリが成立している場合であっても、四輪に伝達される総駆動力が所定値以上のときには、前輪10FL,10FRにスリップ率が発生し、前輪10FL,10FRの回転数が増大するため、旋回後外輪側のクラッチを締結することにより駆動力を旋回後外輪側に流せるようになる。ここで、本実施形態によれば、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立しており、かつアンダーステアの場合において、四輪に伝達される総駆動力が所定値以上のときに、旋回後外輪側のクラッチの締結力が増大されるため、アンダーステアを抑制することができる。
一方、アッカーマンジオメトリが成立している場合であって、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときには、旋回後外輪の速度の方が前輪10FL,10FRよりも速くなり、旋回後外輪への駆動力付加ができなくなる。このときに旋回後外輪側のクラッチをつなぐと逆に制動力がかかることになる。ここで、本実施形態によれば、四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときに、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rそれぞれが解放されるため、後輪10RL,10RR側から制動力がかかることを防止することができる。
本実施形態によれば、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両4のステア特性がニュートラルステアの場合には、左後輪クラッチ52L及び右後輪クラッチ52Rの締結力が保持されるため、旋回時にアッカーマンジオメトリが成立している状態において、ニュートラルステアを保持することができる。
本実施形態によれば、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立していない場合において、オーバーステアの場合には、後内輪側のクラッチの締結力が増大されて後内輪に駆動力が付加されることにより、ヨーモーメントを反回頭方向(回頭させない方向)に増加させ、回頭性を抑制することができる。一方、アンダーステアの場合には、後外輪側クラッチの締結力が増大されて後外輪に駆動力が付加されることにより、ヨーモーメントを回頭方向に増加させ、回頭性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
1 駆動力配分制御装置
4 四輪駆動車両
10FL 左前輪
10FR 右前輪
10RL 左後輪
10RR 右後輪
20 エンジン
30 変速機
40 トランスファ
41 フロントドライブシャフト
42 フロントディファレンシャル
43L 左前輪ドライブシャフト
43R 右前輪ドライブシャフト
44 プロペラシャフト
51 リヤドライブシャフト
52L 左後輪クラッチ
52R 右後輪クラッチ
53L 左後輪ドライブシャフト
53R 右後輪ドライブシャフト
60 ファイナルギヤ
70 AWDコントローラ
71 左右駆動力配分制御部
81 車輪速センサ
82 ヨーレートセンサ
83 横加速度センサ
84 操舵角センサ

Claims (5)

  1. 左右前輪及び左右後輪それぞれに駆動力を伝達可能に構成されている四輪駆動車両の後輪の左右駆動力配分を制御する駆動力配分制御装置であって、
    前輪側ファイナルギヤを含む前輪側のトータルギヤ比とギヤ比が同一に設定された後輪側ファイナルギヤと、
    前記後輪側ファイナルギヤと左後輪との間に介装され、左後輪に伝達される駆動力を調節する左後輪クラッチと、
    前記後輪側ファイナルギヤと右後輪との間に介装され、右後輪に伝達される駆動力を調節する右後輪クラッチと、
    旋回時に、車両のステア特性に基づいて、前記左後輪クラッチ及び前記右後輪クラッチそれぞれの締結力を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立している場合において、
    車両のステア特性がオーバーステアのときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ締結し、
    車両のステア特性がアンダーステアのときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ解放する
    ことを特徴とする駆動力配分制御装置。
  2. 前記制御手段は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がアンダーステアの場合において、
    旋回後外輪の旋回半径が所定のしきい値以上のときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ解放し、
    前記旋回後外輪の旋回半径が前記所定のしきい値未満のときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させることを特徴とする請求項1に記載の駆動力配分制御装置。
  3. 前記制御手段は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がアンダーステアの場合において、
    四輪に伝達される総駆動力が所定値未満のときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチをそれぞれ解放し、
    前記総駆動力が前記所定値以上のときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力配分制御装置。
  4. 前記制御手段は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立しており、かつ、車両のステア特性がニュートラルステアの場合には、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチの締結力を保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動力配分制御装置。
  5. 前記制御手段は、旋回時に、アッカーマンジオメトリが成立していない場合において、
    車両のステア特性がオーバーステアのときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後内輪側のクラッチの締結力を増大させ、
    車両のステア特性がアンダーステアのときに、前記左後輪クラッチ及び右後輪クラッチのうち、旋回後外輪側のクラッチの締結力を増大させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動力配分制御装置。
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