JP6141730B2 - 自動車用充電ケーブル保持装置及び建物 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用充電ケーブル保持装置及び建物に関する。
下記特許文献1には、電気自動車用充電装置に関する発明が開示されている。この電気自動車用充電装置は、駐車スペース近傍に設けられた本体と、本体の上部に屈伸自在に設けられるアームと、アームに保持される充電ケーブルと、充電ケーブルの先端に設けられるコネクタとを備えている。したがって、屋根付き車庫が無い場合でも、本体近傍に駐車される電気自動車やプラグインハイブリッド車(以下、両車を総称して「電気自動車」と称する。)を上方から跨いで電気自動車の反対側までアームが伸長することで、充電ケーブルとコネクタを引き回す作業が容易となる。これにより、電気自動車が駐車する向きに制約を受けることなく電気自動車を充電することが可能となる。
特開2012−095425号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、装置が大掛かりであると共に、電気自動車に車載されている携帯型の充電ケーブルを利用した充電については対応されていない。また、本体の高さが調整できるものの、アームは水平に延びるため、高さが不十分なときは人の動線とアーム(充電ケーブル)が重なってしまい、歩行者がアームに接触する可能性がある。
本発明は上記問題を考慮し、電気自動車を充電する際に、簡易な構造によって充電ケーブルと歩行動線とが重ならず、歩行者の動線を確保できる自動車用充電ケーブル保持装置及び建物を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、建物外壁に設けられる給電設備の近傍から当該建物外壁に沿って上方向へ向って当該外壁に取り付けられると共に、充電ケーブルが着脱可能とされた第1アームと、一方の端部が取り付け部を介して前記第1アームへ取り付けられると共に、当該取り付け部を中心に上下方向に回動及び停止可能とされかつ当該充電ケーブルが着脱可能とされた第2アームと、を備えている。
請求項2記載の発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、請求項1に記載の自動車用充電ケーブル保持装置において、前記第2アームは、前記第1アームとの角度が90度以上とされた跳ね上げ位置と、前記第1アームに重ねられた折り畳み位置とを選択的にとる。
請求項3記載の発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、請求項1又は請求項2に記載の自動車用充電ケーブル保持装置において、前記第1アームと前記第2アームとには、充電ケーブルが保持可能なフックがそれぞれ設けられている。
請求項4記載の発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、請求項1〜請求項3に記載の自動車用充電ケーブル保持装置において、前記第1アーム及び前記第2アームは、前記充電ケーブルが取り付けられた状態で前記折り畳み位置を取ることが可能とされている。
請求項5記載の発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、請求項1〜請求項4に記載の自動車用充電ケーブル保持装置において、前記第2アームは、前記折り畳み位置をとる際に、前記給電設備を外部から覆うことが可能とされている。
請求項6記載の発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、請求項1〜請求項5に記載の自動車用充電ケーブル保持装置において、前記第2アームは、長手方向に伸縮可能とされている。
請求項7記載の発明に係る建物は、外壁の少なくとも1箇所に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載された自動車用充電ケーブル保持装置が取り付けられている。
請求項1記載の本発明によれば、建物外壁に取り付けられると共に、外壁に設けられた給電設備の近傍から外壁に沿って上方向へ向けて取り付けられ、かつ充電ケーブルが着脱可能とされた第1アームを備えている。また、一方の端部が取り付け部を介して第1アームへ取り付けられると共に、取り付け部を中心として上下方向に回動及び停止可能とされかつ充電ケーブルが着脱可能とされた第2アームを備えている。したがって、電気自動車へ充電をする時には、車載されている充電ケーブルを取り出して第1アームと第2アームとへ取り付ける。これにより、充電ケーブルは給電設備から第1アーム内まで建物外壁の近い所に沿って配策される。また、充電ケーブルを第1アームと第2アームとに取り付けた状態で第2アームを上方向へ回動及び停止させると、第2アームが上方向へ向けられる。これにより、第2アーム内から電気自動車へと配策される充電ケーブルは歩行スペースを通る歩行者の頭部より上方に配策させることが可能となる。つまり、歩行スペースを通行する歩行者の動線より外側に充電ケーブルを配策させることができるため、歩行スペースを通行する歩行者が充電ケーブルに足を引っ掛けることがなくなる。
請求項2記載の本発明によれば、第2アームは、第1アームとの角度が90度以上とされた跳ね上げ位置と、第1アームに重ねられた折り畳み位置とを選択的にとる。したがって、電気自動車へ充電する時には、充電ケーブルを取り付けた第2アームを跳ね上げ位置へ回動及び停止させることで、駐車スペースに駐車された電気自動車の上部の高い位置に充電ケーブルが配策される。このため、充電ケーブルを接続する電気自動車の充電口が、自動車用充電ケーブル保持装置側の車両側面ではなく反対側の車両側面(自動車用充電ケーブル保持装置から遠い側)にある場合でも、充電ケーブルは電気自動車の上部を通ることで充電口と接続させることが可能となる。さらに、自動車用充電ケーブル保持装置を使用しない場合は、充電ケーブルを第1アーム及び第2アームから取り外し、第2アームを折り畳み位置へ回動及び停止させることで、場所を取らないように自動車用充電ケーブル保持装置を格納することが可能となる。
請求項3記載の本発明によれば、第1アームと第2アームとには、充電ケーブルが着脱可能なフックがそれぞれ設けられている。したがって、フックに充電ケーブルを押し込むことで充電ケーブルを第1アーム及び第2アームに取り付けることが可能となる。また、取り付けられた充電ケーブルをフックから引き離すことで充電ケーブルを第1アーム及び第2アームから取り外すことが可能となる。
請求項4記載の本発明によれば、第1アームと第2アームとに充電ケーブルが取り付けられた状態で第2アームを折り畳むことができる。したがって、充電ケーブルを予め取り付けておけば、電気自動車へ充電する際に第1アームと第2アームとに充電ケーブルを取り付ける作業を省くことができる。同時に、使用者が第1アーム及び第2アームに充電ケーブルが取り付けられていることを認識することで、使用者は第2アームを跳ね上げ位置へと回動させる。つまり、本装置を使用せずに充電ケーブルを、歩行者スペースを通行する歩行者の動線と重なる位置に配策させることがなくなる。
請求項5記載の本発明によれば、第2アームが折り畳まれる場合は、給電設備が第2アームにより外部から覆われる構成とされている。したがって、使用者が電気自動車へ充電を行う際は、第2アームを上方へ回動させてから、第2アームに覆われた給電設備に充電ケーブルを接続する。つまり、使用者が本装置に気付かずに充電ケーブルを給電装置から直接電気自動車へ接続することが無い。また、第2アームが折り畳まれている場合には、自動車用充電ケーブル保持装置と給電設備とは一体的な外観となる。
請求項6記載の本発明によれば、第2アームは長手方向に伸縮可能な構成とされている。したがって、第2アームを縮めた状態で回動させることにより、回動範囲が小さくなることから、電気自動車と自動車用充電ケーブル保持装置との位置が近い場合でも、第2アームが電気自動車と接触することが無い。
請求項7記載の本発明によれば、建物の外壁の少なくとも1箇所に請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された自動車用充電ケーブル保持装置が取り付けられる。したがって、建物近傍に駐車される電気自動車を充電する際の充電ケーブルを、歩行スペースを通行する歩行者の動線より外側に配策させることができる。
請求項1記載の本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、電気自動車を充電する際に、簡易な構造によって充電ケーブルと歩行動線とが重ならず、歩行者の動線を確保できるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、充電口の向きを考慮して電気自動車を駐車する必要がない。つまり、電気自動車の駐車の向きが制限されることがないという優れた効果を有する。また、自動車用充電ケーブル保持装置を使用しない場合は場所を取らずに格納できるため、電気自動車を駐車スペースへ駐車させる際や歩行者が歩行スペースを歩行する際に自動車用充電ケーブル保持装置が障害とならないという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、工具等を使わずに容易に充電ケーブルを着脱することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、充電ケーブルを、歩行スペースを通行する歩行者の動線より外側に確実に配策させることが可能となり、歩行者の動線を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、簡易な構造で確実に歩行者の動線を確保することができるばかりでなく、外壁の外観が煩雑とならずにすっきりするという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置は、狭小地に建てられる建物に取り付けられる場合においても、歩行者の動線を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る建物は、電気自動車を充電する際に、簡易な構造によって充電ケーブルと歩行動線とが重ならず、歩行者の動線を確保できるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置を有する建物を概略的に示した外観側面図である。 第1実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の使用時を示す拡大側面図である。 第1実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の可動範囲の一部を示す拡大側面図である。 第1実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の一部を示す拡大断面図である。 第2実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の一部を示す拡大側面図である。 第3実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の一部を示す拡大側面図である。 第4実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の使用時を示す拡大側面図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る自動車用充電ケーブル保持装置の第1実施形態について説明する。
図1には、建物としての住宅10の外観側面図が示されている。この住宅10の外壁12側の近傍には、電気自動車14が駐車可能とされた駐車スペース16が設けられている。また、住宅10と駐車スペース16に駐車された電気自動車14との間には、電気自動車14への乗り降りをすると共に住宅10への出入りをするために歩行者が通行可能とされた歩行スペース18が設けられている。
また、住宅10の外壁12の下部には、箱型でかつ下面に後述する電源プラグ20が接続可能とされた給電設備としての充電コンセント22が取り付けられている。この充電コンセント22には、住宅10内に設けられた図示しない分電盤からの電気配線が接続されており、この配線により電力が供給されている。
さらに、外壁12には、充電コンセント22の上部に自動車用充電ケーブル保持装置24が取り付けられている。この自動車用充電ケーブル保持装置24は、充電コンセント22の近傍から外壁12に沿って上方向へ向けて取り付けられた第1アーム26を備えている。また、第1アーム26よりも長く設定されかつ第1アーム26の上端部28に回動可能に取り付けられた第2アーム30を備えている。
第1アーム26の下部34には、フック38が取り付けられている。また、図4に示されるように、第1アーム26は、断面が溝形形状とされており、この溝型の底面36にフック38が取り付けられている。なお、この第1アーム26は,金属製でもよいし樹脂製でもよい。
フック38は、第1アーム26の底面36へ取り付けられる取付部40と、取付部40から上方へ延出されかつ取付部40の左右端部にそれぞれ対向するように設けられる延出部42、44とで構成されている。この延出部42、44の上部内側面46の形状は、対向する間隔が下側に向って狭まるように傾斜が付けられている。また、延出部42、44の下部内側面48と取付部40の内面50は、連続した円弧形状とされている。この上部内側面46と下部内側面48との間には、フック38の中央へ突出した凸部32が設けられている。これにより、後述する充電ケーブル52をフック38の延出部42、44の間へ挿入させると、充電ケーブル52は上部内側面46の傾斜に沿って下部内側面48へ移動し、凸部32によって下部内側面48に保持される。
また、第2アーム30は、第1アーム26と同様に溝形の断面形状とされている。そして、第1アーム26における一方の側面54の外側面56から他方の側面58の外側面60までの寸法Aに対し、第2アーム30における一方の側面54の内側面62から他方の側面58の内側面64までの寸法Bが大きくなるよう設定されている。また、第2アーム30は、断面の溝の開口が第1アーム26の断面の溝の開口と対向するように取り付けられている。これにより、第2アーム30は、第1アーム26に重ねることが可能とされている。
さらに、第2アーム30の断面の溝の底面36には、第1アーム26に取り付けられたものと同じフック38が取り付けられている。なお、図2に示されるように、第2アーム30においてフック38は、第2アーム30の略中央部76及び第1アーム26へ取り付された端部66と反対側の端部82に取り付けられている。
第2アーム30は、一方の端部66が第1アーム26の上部68に取り付けられている。この一方の端部66には、第1アーム26の上部68への取り付け部としての軸70が設けられており、この軸70を介して第2アーム30は第1アーム26へ回動可能に取り付けられている。また、軸70には、図示しないスプリング等の付勢機構と、ロック機構が取り付けられている。これにより、第2アーム30を軸70を中心に上方に回動させると共に、ロック機構により予め設定された位置で停止、保持させることができる。つまり、図3に示されるように、第2アーム30は、第1アーム26との角度が90度以上とされた跳ね上げ位置72と、第1アーム26に重ねられた折り畳み位置74とへ回動及び停止させられることが可能となる。
図1に示されるように、駐車スペース16に駐車された電気自動車14へ充電する際には、まず電気自動車14のトランク等に車載されている充電ケーブル52を取り出す。この充電ケーブル52は、一方の先端には電源プラグ20が接続されており、この電源プラグ20は充電コンセント22に挿抜自在に接続可能とされている。また、充電ケーブル52の他方の先端には、充電コネクタ78が接続されており、この充電コネクタ78は電気自動車14の充電口80内の図示しない接続端子部に挿抜自在に接続可能とされている。これにより、電源プラグ20を充電コンセント22に接続し、充電コネクタ78を電気自動車14の充電口80内の接続端子部に接続することによって、住宅10から電気自動車14へ電力の供給が行われ、電気自動車14の蓄電池が充電される。
(第1実施形態の作用・効果)
次に、第1実施形態の作用並びに効果を説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置24は、建物としての住宅10の外壁12に取り付けられる第1アーム26を備えている。この第1アーム26は、外壁12に設けられた給電設備としての充電コンセント22の近傍から外壁12に沿って上方向へ向けて取り付けられ、充電ケーブル52が着脱可能とされている。また、一方の端部66が取り付け部としての軸70を介して第1アーム26へ取り付けられると共に、軸70を中心として上下方向に回動及び停止可能とされかつ充電ケーブル52が着脱可能とされた第2アーム30を備えている。したがって、電気自動車14へ充電をする時には、車載されている充電ケーブル52を取り出して第1アーム26と第2アーム30とへ取り付ける。これにより、充電ケーブル52は充電コンセント22から第1アーム26内まで住宅10の外壁12の近い所に沿って配策される。また、充電ケーブル52を第1アーム26と第2アーム30とに取り付けた状態で第2アーム30を上方向へ回動及び停止させると、第2アーム30が上方向へ向けられる。これにより、第2アーム30内から電気自動車14へと配策される充電ケーブル52は歩行スペース18を通る歩行者の頭部より上方に配策させることが可能となる。つまり、歩行スペース18を通行する歩行者の動線より外側に充電ケーブル52を配策させることができるため、歩行スペース18を通行する歩行者が充電ケーブル52に足を引っ掛けることがなくなる。これらのことから、電気自動車14を充電する際に、簡易な構造によって充電ケーブル52と歩行動線とが重ならないようにすることが可能となる。
また、図3に示されるように、第2アーム30は、第1アーム26との角度が90度以上とされた跳ね上げ位置72と、第1アーム26に重ねられた折り畳み位置74とを選択的にとる。したがって、電気自動車14へ充電する時には、充電ケーブル52を取り付けた第2アーム30を跳ね上げ位置72へ回動及び停止させることで、駐車スペース16に駐車された電気自動車14の上部の高い位置に充電ケーブル52が配策される。このため、電気自動車14の充電口80が、自動車用充電ケーブル保持装置24側の車両側面ではなく反対側の車両側面(自動車用充電ケーブル保持装置24から遠い側)にある場合でも充電ケーブル52は電気自動車14の上部を通ることで充電口80と接続させることが可能となる。さらに、自動車用充電ケーブル保持装置24を使用しない場合は、第2アーム30を折り畳み位置74へ回動及び停止させることで、場所を取らないように自動車用充電ケーブル保持装置24を格納することが可能となる。これにより、使用しない場合は、場所を取らずに格納できるため、電気自動車14を駐車スペース16へ駐車させる際や歩行者が歩行スペース18を歩行する際に障害とならない。
さらに、第1アーム26及び第2アーム30には、充電ケーブル52が着脱可能なフック38がそれぞれ設けられている。したがって、フック38に充電ケーブル52を押し込むことで充電ケーブル52を第1アーム26及び第2アーム30に取り付けることが可能となる。また、取り付けられた充電ケーブル52をフック38から引き離すことで充電ケーブル52を第1アーム26及び第2アーム30から取り外すことが可能となる。これにより、工具等を使わずに容易に充電ケーブル52を着脱することができる。
これに対し、従来の電気自動車用充電装置は、駐車スペース16の近傍に設けられた本体と、本体の上部に屈伸自在に設けられるアームと、アームに保持される充電ケーブル52と、充電ケーブル52の先端に設けられる充電コネクタ78とを備えている。そして、本体近傍に駐車される電気自動車14を上方から跨いで電気自動車14の反対側までアームを伸長させ、充電ケーブル52と充電コネクタ78を引き回して電気自動車14を充電する。したがって、充電装置が大掛かりとなるため、充電装置を駐車スペース16に設置する際の施工期間が長くなると共に、駐車スペース16内に充電装置を設置するためのスペースが必要となり、駐車スペース16を有効に活用することができない。さらに、アームに予め充電ケーブル52と、充電ケーブルの先端に充電コネクタ78とが保持されている構成とされているため、電気自動車14に車載されている携帯型の充電ケーブル52を利用した充電ができない。このため、コストを抑制できないばかりでなく、充電口80の接続部が異なるタイプの電気自動車14を充電することができない。さらにまた、本体の高さが調整できるものの、アームは水平に延びるため、高さが不十分なときは歩行者の動線とアーム(充電ケーブル)が重なってしまい、歩行者がアームに接触する可能性がある。
しかし、本実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置24によれば、図1に示されるように、住宅10の外壁12に取り付けられた第1アーム26と、一方の端部66が第1アーム26へ取り付けられると共に上下方向に回動及び停止可能とされた第2アーム30とを備えた簡易な構成とされている。これにより、駐車スペース16内に本実施形態の自動車用充電ケーブル保持装置24を設置するためのスペースは不要となり、駐車スペース16を有効に利用することが可能となる。さらに、車載の充電ケーブル52を第1アーム26と第2アーム30に保持させて充電することが可能となるため、充電装置を設置する際に新たに充電ケーブル52と充電コネクタ78を設ける必要がない。このため、コストを抑制することができ、かつ充電口80の接続部の形状が異なるタイプの電気自動車14の充電も当該車両に車載された充電ケーブルを使用することで充電をすることが可能となる。さらに、第2アーム30は第1アームとの角度が90度以上とされた跳ね上げ位置で保持可能とされた構成となっているため、歩行スペース18を歩行する歩行者に対し第2アーム30及び充電ケーブル52が接触しない高さで保持させることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図5に示されるように、第1アーム26と第2アーム30とには、充電ケーブル52が取り付けられている。そして、充電ケーブル52が取り付けられた状態で、第2アーム30は折り畳み位置74を取ることが可能とされている。
(第2実施形態の作用・効果)
次に、第2実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成によれば、第1アーム26と第2アーム30とに充電ケーブル52が取り付けられた状態で第2アーム30を折り畳むことができる。したがって、充電ケーブル52を予め取り付けておけば、電気自動車14へ充電する際に第1アーム26と第2アーム30とに充電ケーブル52を取り付ける作業を省くことができる。同時に、使用者が第1アーム26及び第2アーム30に充電ケーブル52が取り付けられていることを認識することで、使用者は第2アーム30を跳ね上げ位置72へと回動させる。つまり、本装置を使用せずに充電ケーブル52を、歩行者スペース18を通行する歩行者の動線と重なる位置に配策させることがなくなる。これにより、充電ケーブル52を、歩行スペース18を通行する歩行者の動線より外側に確実に配策させることが可能となり、歩行者の動線を確保することができる。
[第3実施形態]
次に、図6を用いて、本発明の第3実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図6に示されるように、充電コンセント22は、第2アーム30の断面である溝形の内部に収まる形状とされている。したがって、第2アーム30が折り畳み位置74に位置する場合は、第2アーム30の内部に収まり、覆われる構成とされている。また、電源プラグ20が充電コンセント22の上面へと接続可能とされている。
(第3実施形態の作用・効果)
次に、第3実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成によれば、第2アーム30が折り畳まれる場合は、第2アーム30により充電コンセント22が外部から覆われる構成とされている。したがって、使用者が電気自動車14へ充電を行う際は、第2アーム30を上方へ回動させて、第2アーム30に覆われていた充電コンセント22に充電ケーブル52の電源プラグ20を接続する。つまり、本装置に気付かずに充電ケーブル52を充電コンセント22から直接電気自動車14へ接続することが無い。また、第2アーム30が折り畳まれている場合には、充電コンセント22と一体的な外観となる。これにより、簡易な構造で確実に歩行者の動線を確保することができるばかりでなく、外壁12の外観が煩雑とならずにすっきりする。
また、一般的に、充電コンセント22は、水やほこりが中に入り難くするために電源プラグ20の接続面が下面に設定されている(図1参照)。これに対し、本実施形態では、充電コンセント22が第2アーム30によって外部から覆われることにより、充電コンセント22を雨や風から遮ることが可能とされる。したがって、充電コンセント22における電源プラグ20の接続面を上面に設定することが可能となる。これにより、充電ケーブル52を、充電コンセント22から上にむけて容易に配策することが可能とされる。
[第4実施形態]
次に、図7を用いて、本発明の第4実施形態に係る自動車用充電ケーブル保持装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、第2アーム84は、第2大アーム86と第2小アーム88とによって構成されている。第2小アーム88は、第2大アーム86内に取り付けられると共に、第2大アーム86の長手方向に沿って移動可能とされている。つまり、第2アーム84は伸縮可能な構成とされている。
(第4実施形態の作用・効果)
次に、第4実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成によれば、第2アーム30は長手方向に伸縮可能な構成とされている。したがって、第2アーム30を縮めた状態で回動させることにより、回動範囲が小さくなることから、電気自動車14と自動車用充電ケーブル保持装置24との位置が近い場合でも、第2アーム30が電気自動車14と接触することが無い。これにより、狭小地に建てられる建物に取り付けられる場合においても、歩行者の動線を確保できる。
なお、第1実施形態〜第4実施形態では、第1アーム26が住宅10の外壁12に取り付られる構成としたが、これに限らず、住宅10の近傍に設けた支柱や壁等に第1アーム26が取り付けられる構造としてもよい。
また、第1実施形態〜第4実施形態では、第2アーム30が跳ね上げ位置72と折り畳み位置74とを選択的にとる構成とされているが、この跳ね上げ位置72が調整可能又は複数段設けられている構成としてもよい。つまり、第1アーム26と90度以上とされた通常の跳ね上げ位置72より、さらに上方へと回動し停止する第2跳ね上げ位置を設けてもよい。こうすることで、一般的に、SUV型やミニバン型の電気自動車はセダン型の電気自動車よりも車高が高くされているが、こういった車高が高い電気自動車を駐車スペースに駐車し充電する際には、充電ケーブル52をより高い位置で配設させることが可能となる。換言すると、第2アーム30の角度が調整されることで、充電ケーブル52を配策させる高さが調整可能とされている。これにより、車高が高い電気自動車に充電する際にも、車両を跨いで充電ケーブル52を配策することができる。これらのことから、車高が異なる電気自動車14を充電する場合でも、充電ケーブル52が電気自動車14にふれて車両へ汚れや傷をつける可能性を低くすることができる。
さらに、第3実施形態では、第1アーム26の下方に充電コンセント22が取り付けられている構成とされているが、これに限らず、第1アーム26内に充電コンセント22が収められている、自動車用充電ケーブル保持装置24と充電コンセント22が一体型とされた構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 建物(住宅)
12 外壁
22 給電設備(充電コンセント)
24 自動車用充電ケーブル保持装置
26 第1アーム
30 第2アーム
38 フック
52 充電ケーブル
66 端部
70 取り付け部(軸)
72 跳ね上げ位置
74 折り畳み位置
84 第2アーム

Claims (7)

  1. 建物外壁に設けられる給電設備の近傍から当該建物外壁に沿って上方向へ向って当該外壁に取り付けられると共に、充電ケーブルが着脱可能とされた第1アームと、
    一方の端部が取り付け部を介して前記第1アームへ取り付けられると共に、当該取り付け部を中心に上下方向に回動及び停止可能とされかつ当該充電ケーブルが着脱可能とされた第2アームと、
    を備えた自動車用充電ケーブル保持装置。
  2. 前記第2アームは、前記第1アームとの角度が90度以上とされた跳ね上げ位置と、前記第1アームに重ねられた折り畳み位置とを選択的にとる、
    請求項1記載の自動車用充電ケーブル保持装置。
  3. 前記第1アームと前記第2アームとには、充電ケーブルが着脱可能なフックがそれぞれ設けられている、
    請求項1又は請求項2記載の自動車用充電ケーブル保持装置。
  4. 前記第1アーム及び前記第2アームは、前記充電ケーブルが取り付けられた状態で前記折り畳み位置を取ることが可能とされている、
    請求項1〜請求項3記載の自動車用充電ケーブル保持装置。
  5. 前記第2アームは、前記折り畳み位置をとる際に、前記給電設備を外部から覆うことが可能とされている、
    請求項1〜請求項4記載の自動車用充電ケーブル保持装置。
  6. 前記第2アームは、長手方向に伸縮自在とされている、
    請求項1〜請求項5記載の自動車用充電ケーブル保持装置。
  7. 外壁の少なくとも一箇所に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載された自動車用充電ケーブル保持装置が取り付けられている、
    ことを特徴とする建物。
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