JP6141717B2 - 貸越管理装置、金融サービスシステム、出金可能額設定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
また、一定の要件を満たす電子記録債権は優良担保として取り扱われる。従って、企業や個人事業者など電子記録債権の債権者は、支払期日前でも比較的容易に電子記録債権を現金化することができ、運転資金に充てることができる。
余裕分を見込んだ融資を受けることで、企業等は、通常、実際に使う金額以上の融資を受けることになり、より多くの利息を支払う必要がある。
さらに、現金が必要になる度に割引を受けることは企業等にとって事務負担が大きいことから、現金の必要の有無にかかわらず予め割引を受けておくという運用がしばしば行われている。この場合、企業は、実際に必要な金額以上に割引を受けることになり、より多くの割引手数料を支払う必要がある。
前記担保情報取得部が取得した前記債権額に基づいて前記電子記録債権の担保価値を取得する担保価値取得部と、融資対象者の口座残高を取得する口座残高取得部と、前記口座残高取得部が取得した前記口座残高と前記担保価値取得部が取得した前記担保価値との合計金額を、前記融資対象者の口座からの出金可能額に設定する出金可能額設定部と、を具備することを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態における金融サービスシステムのシステム構成を示す概略構成図である。同図において、金融サービスシステム1は、貸越管理装置110と、与信管理装置120と、勘定系システム130と、外接系システム140と、クライアント装置210と、財務会計システム220とを具備する。
また、貸越管理装置110と、外接系システム140と、クライアント装置210とは、通信ネットワーク400に接続されている。通信ネットワーク400には中継装置320を介して電子記録債権サーバ装置310が接続されている。
金融サービスシステム1における参加金融機関の数は1つ以上であればよく、複数であってもよい。また、金融サービスシステム1における利用企業の数は1つ以上であればよく、複数であってもよい。
貸越管理装置110は、例えばメインフレーム等のコンピュータを用いて構成される。貸越管理装置110が複数の装置にて構成されていてもよい。
また、貸越管理装置110が、(融資金額ではなく)出金可能額を設定するので、企業は、必要な金額だけ融資を受けることができる。具体的には、企業は実際に貸越となった金額の分だけ利息を支払えばよい。従って、企業は、余裕分を見込んだ融資を予め受けておく場合の利息や、電子記録債権の割引を予め受けておく場合の割引手数料のような、余分な利息や手数料を支払う必要が無い。この点において、企業の負担が小さい。
また、金融機関にとっては、企業に貸越サービスを提供することで、企業の囲い込みを図ることができる。
一方、企業が電子記録債権を譲渡担保として提供することで、金融機関は、期日における支払(決済)の取りはぐれを避けることができる。また、金融機関は、電子記録債権の二重譲渡等の不正による損害を回避できる。この点において、金融機関にとって融資の安全性を高めることができる。金融機関が安全に融資を行えることで、企業は、融資を受け易くなる。
企業が電子記録債権を譲渡担保として提供する一方で、期日における企業から金融機関への求償債権を譲渡担保提供のタイミングで発生させる旨を、貸越契約に含めておくようにしてもよい。これにより、企業等は安心して、金融機関へ電子記録債権を譲渡することができる。
あるいは、与信管理装置120が、電子記録債権の条件(例えば債務者名など)と掛け目との対応表を予め記憶しておくなど、自動的に掛け目を回答するようにしてもよい。
与信管理装置120は、例えばパソコン等のコンピュータを用いて構成される。与信管理装置120が複数の装置にて構成されていてもよい。
勘定系システム130は、例えばメインフレーム等のコンピュータを用いて構成される。勘定系システム130が複数の装置にて構成されていてもよい。
外接系システム140は、例えばメインフレーム等のコンピュータを用いて構成される。外接系システム140が複数の装置にて構成されていてもよい。
クライアント装置210は、例えばパソコンなどのコンピュータを用いて構成される。クライアント装置210が複数の装置にて構成されていてもよい。
財務会計システム220は、例えばパソコンなどのコンピュータを用いて構成される。財務会計システム220が複数の装置にて構成されていてもよい。あるいは、財務会計システム220とクライアント装置210とが、一台のパソコンにて構成されていてもよい。
また、電子記録債権サーバ装置310は、利用企業(クライアント装置210)からの電子記録債権の譲渡の記録請求に応じて、譲渡を記録原簿に記録し、記録結果を請求元および譲渡先へ送信する。ここで、電子記録債権の譲渡は記録原簿への記録が効力要件となっている。そこで、クライアント装置210は、電子記録債権の参加金融機関への譲渡の記録を中継装置320を介して電子記録債権サーバ装置310に請求して記録を受けることで、当該電子記録債権を譲渡担保として参加金融機関に提供する。
通信ネットワーク400は、参加金融機関(貸越管理装置110や外接系システム140)と、利用企業(クライアント装置210)と、中継センター(中継装置320)との間の通信を仲介する。通信ネットワーク400は、例えばインターネットなどの汎用ネットワークであってもよいし、金融サービスシステム1専用のネットワークであってもよい。あるいは、通信ネットワーク400が、複数の通信ネットワークを組み合わせて構成されていてもよい。
電子記録債権データ情報記憶部512は、電子記録債権データ取得部511が取得した通知やデータを記憶する。
与信管理データ通信部521は、電子記録債権の掛け目の問い合わせを与信管理装置120へ送信し、与信管理装置120から掛け目の通知を受信する。
口座情報通信部531は、支払金額取得部の一例に該当する。
また、口座情報通信部531は、譲渡担保債権の支払期日等に、電子記録債権の期日入金額を取得し、精算金額設定部541へ通知する。口座情報通信部531は、入金金額取得部の一例に該当する。
また、出金可能額設定部532は、譲渡担保となっている電子記録債権の精算時において、口座情報通信部531が取得した口座残高(出金可能額)から、精算対象の電子記録債権の担保価値を減算する。
当座貸越データ情報記憶部533は、当座貸越に関する各種情報を記憶する。特に、当座貸越データ情報記憶部533は、出金可能額設定部532が設定した出金可能額や、貸越実行日および貸越実行額の履歴(貸付実績)を口座毎に記憶する。また、当座貸越データ情報記憶部533は、担保価値取得部522が取得した担保価値を電子記録債権毎かつ口座毎に記憶する。また、当座貸越データ情報記憶部533は、精算金額設定部541が算出した貸越利息や手数料を貸越実行額毎かつ口座毎に記憶する。
具体的には、精算金額設定部541は、当座貸越データ情報記憶部533が記憶している貸越実行日および貸越実行額と、口座情報通信部531が取得した電子記録債権の期日入金日とに基づいて、貸越利息金額を算出する。そして、精算金額設定部541は、口座情報通信部531が取得した、電子記録債権の期日入金額(期日決済金額)から、貸越返済額(貸越実行額)および貸越利息金額を減算し、得られた減算結果から手数料を減算して、融資対象者への精算金額を設定する。ここでの手数料は、金融機関がサービス提供のために使用するコンピュータ等のリソース使用料に相当する。
また、出金可能額設定部532は、貸越枠を更新する。具体的には、出金可能額設定部532は、電子記録債権を譲渡担保とした貸越実行額や、当該貸越実行額に基づく出金や、当該貸越実行額の担保となっている電子記録債権の期日入金に基づく入金が行われた電子記録債権(精算対象の電子記録債権)を管理し、融資対象者の口座の出金可能額を調整する。
担保提供処理部612は、電子記録債権データ通信部611が情報を取得した電子記録債権を担保として提供するための処理を行う。具体的には、担保提供処理部612は、電子記録債権データ通信部611が情報を取得した電子記録債権のうち、参加金融機関への譲渡の記録請求を行う電子記録債権を抽出し、電子記録債権データ通信部611および中継装置320を介して電子記録債権サーバ装置310へ送信する。
入出金明細データ処理部631は、口座への入出金に関する処理や、入出金明細データ通信部632が取得した入出金明細データに対する処理を行う。
電子記録債権データ情報記憶部613は、電子記録債権データ通信部611が取得した電子記録債権に関する情報や、入出金明細データ処理部631が取得した入出金明細データに対して処理を行ったデータを記憶する。
仕訳データ通信部622は、仕訳データ生成部621が生成した仕訳データを、財務会計システム220へ送信する。
図4は、譲渡担保提供のための電子記録債権の譲渡に関する、金融サービスシステム1における処理の流れの例を示すシーケンス図である。
電子記録債権サーバ装置310は、例えば債務者側の利用者からの発生記録請求を受けて、電子記録債権を記録台帳に記録する(シーケンスS101)。そして、電子記録債権サーバ装置310は、電子記録債権の発生を中継装置320へ通知する(シーケンスS102)。
電子記録債権発生の通知を受けた中継装置320は、当該通知に基づいて、電子記録債権に関する情報を示す債権情報開示データを生成し(シーケンスS103)、関係企業のクライアント装置210へ送信する(シーケンスS104)。特に、中継装置320は、当該債権情報開示データを債権者側の利用企業へ送信する。
「項目名」欄には、発生記録結果データに含まれる項目(アイテム)の名前が示されている。「属性」欄の「N」は、該当項目に数字が格納されることを示し、「C」は、文字列が格納されることを示す。
「桁数」欄には、該当項目に示されるデータの桁数または文字数の最大値が示されている。「M/O」欄の「M」は該当項目が必須項目であることを示し、「O」は任意項目であることを示す。また、「入力値(例)」欄には、該当項目に格納されるデータの例が示されている。
ヘッダーレコードにおいて、項目「種別コード」は、業務種別(請求等の種類)を示す。例えば、債権情報開示の種別コードは「90」となる。
項目「文字コード」は、使用文字コードの区分を示す。文字コード欄の「0」はJISコードを示し、「1」はEBCDICコードを示す。
項目「開示種別コード」は、債権情報開示データでは常に、記録事項の開示を示す「1」となる。
項目「立場コード」は、開示範囲を指定しての開示の場合に設定される。01:債権者、02:債務者、03:電子記録保証人、05:支払者(債務者)、06:支払者(電子記録保証人)、07:支払者(第三者)、08:差押債権者(利用者)のいずれかの値となる。
項目「データレコード区分」は、データレコードの種類を示す。債権情報の場合、データレコード区分の値は「01」となる。
項目「発生日」は、対象となる電子記録債権の発生日を示す。
項目「債権金額」は、対象となる電子記録債権の債権額を示す。
項目「支払期日」は、対象となる電子記録債権の支払期日を年4桁、月2桁、日2桁で示す。
項目「債権状態区分コード」は、債権の状態を示す。0:存在、1:消滅(主たる債務者により支払済み)、2:取消のいずれかの値となる。
項目「譲渡制限有無フラグ」は、譲渡制限の有無を表す。「0」は、制限なしを示し、「1」は、譲渡先が金融機関のみに制限されていることを示す。
項目「支払等記録有無フラグ」は、支払等記録の有無を示す。0:なし、1:あり(債務者、一部弁済)、2:あり(債務者)、3:あり(電子記録保証人)、4あり(第三者)のいずれかの値となる。
項目「信託等記録有無フラグ」は、信託記録の有無を示す。0:信託記録なし、1:信託記録ありのいずれかの値となる。
項目「支払日」は、対象となる電子記録債権の支払日を年4桁、月2桁、日2桁で示す。
項目「未決済金額」は、未決済金額を示す。未決済金額=債権金額+費用等−支払金額となる。
項目「支払不能有無フラグ」は、支払不能の有無を示す。0:なし、1:ありのいずれかの値となる。
項目「支払不能事由コード」は、支払不能事由を示す。1:0号、2:1号、3:2号のいずれかの値となる。
債権者の各項目は、電子記録債権の債権者の名称や口座番号など、債権者の口座に関する情報を示す。
トレーラーレコードには、データレコードに示される電子記録債権の合計件数や合計金額が示される。すなわち、データレコードに電子記録債権の情報を複数格納してもよく、トレーラーレコードは、その件数や合計金額を示す。
エンドレコードはデータの終了を示す。
また、仕訳データ生成部621が、電子記録債権データ通信部611の受信した債権情報開示データに基づいて、仕訳データを生成し(シーケンスS112)、仕訳データ通信部622が財務会計システム220へ送信する(シーケンスS113)。
債権情報開示データ(図5〜7)と同様、仕訳データは、ヘッダーレコードと、データレコードと、トレーラーレコードと、エンドレコードとの4つのレコードを有している。ヘッダーレコードと、トレーラーレコードと、エンドレコードとのデータ構造は、図5や図7の場合と同様である。但し、仕訳データのヘッダーレコードでは、通知作成日に代えて仕訳作成日となる。
仕訳データのデータレコードには、債権情報開示データの場合と同様の、該当する電子記録債権に関する各項目に加えて、仕訳に関する各項目が含まれる。
一方、クライアント装置210では、担保提供処理部612が、発生した電子記録債権を譲渡担保とするために、当該電子記録債権を参加金融機関へ譲渡するよう請求する一括記録請求データを生成する(シーケンスS115)。
ここでいう一括記録請求データは、電子記録債権の発生や譲渡などを記録原簿へ記録するよう請求するデータである。クライアント装置210など参加企業のシステムは、電子記録債権の発生記録請求も譲渡記録請求も、一括記録請求データを中継装置320へ送信することで、記録の請求を行う。
債権情報開示データ(図5〜7)と同様、一括記録請求データは、ヘッダーレコードと、データレコードと、トレーラーレコードと、エンドレコードとの4つのレコードを有している。ヘッダーレコードと、トレーラーレコードと、エンドレコードとのデータ構造は、図5や図7の場合と同様である。但し、仕訳データのヘッダーレコードでは、通知作成日に代えて記録請求日となる。
データレコードにおいて、取引相手の各項目は、電子記録債権の取引相手に関する各口座情報を示す。例えば、譲渡記録請求の場合、取引相手の各項目は、電子記録債権の譲受人に関する各情報を示す。また、発生記録請求(債務者請求方式)の場合、取引相手の各項目は、電子記録債権の債権者に関する各情報を示す。
項目「依頼人Ref.No」は、依頼人の参照番号を示す。
項目「保証随伴フラグ」は、保証随伴の有無を示す。「0」は保証随伴が無いことを示し、「1」は、保証随伴があることを示す。
電子記録債権サーバ装置310は、中継装置320からの請求に基づいて、電子記録債権の参加金融機関への譲渡を記録原簿へ記録(登録)する(シーケンスS121)。そして、電子記録債権サーバ装置310は、記録結果を中継装置320に通知する(シーケンスS122)。
図10は、一括記録結果データのヘッダーレコードおよびデータレコードのデータ構造の例を示す説明図である。
債権情報開示データ(図5〜7)と同様、一括記録結果データは、ヘッダーレコードと、データレコードと、トレーラーレコードと、エンドレコードとの4つのレコードを有している。トレーラーレコードと、エンドレコードとのデータ構造は、図7の場合と同様である。
ヘッダーレコードにおいて、項目「種別コード」、「文字コード区分」、「通知作成日」の各項目は、図5の場合と同様である。通知先の各項目は、記録結果の通知先となる利用者の利用者番号や名称など、通知先に関する各情報を示す。
項目「債権金額」、「支払期日」、「譲渡制限有無フラグ」、「記録番号」、「依頼人Ref.No」は、図6の場合と同様である。
項目「取消区分」は、発生・譲渡・分割等の通知を取り消す場合に使用される項目であり、取り消された場合に「1」が設定される。
項目「エラー区分」は、「エラー情報」は、エラー通知のための項目であり、通常、設定は行われない。
また、中継装置320は、一括記録結果データを貸越管理装置110へ送信する(シーケンスS126)。
図4のシーケンスS126で一括記録結果データを受信した貸越管理装置110では、電子記録債権データ情報記憶部512が、譲渡担保となる電子記録債権のデータを記憶する(シーケンスS201)。
また、与信管理データ通信部521が、譲渡担保となる電子記録債権のデータを与信管理装置120へ送信して、掛け目を問い合わせる(シーケンスS202)。
貸越管理装置110では、担保価値取得部522が、債権額に掛け目を乗算して、譲渡担保となる電子記録債権の担保価値を算出することで、当座貸越における貸越枠を設定する(シーケンスS211)。特に、口座利用者が複数の電子記録債権を譲渡担保として提供している場合、担保価値取得部522は、これら複数の電子記録債権の担保価値の合計額を貸越枠として設定する。
また、図4のシーケンスS126で不渡情報を取得した場合、担保価値取得部522は、当該電子記録債権に基づく貸越減算額を算出し、出金可能額設定部532へ通知する。
出金可能額設定部532は、設定した出金可能額を、貸越枠と共に、口座情報通信部531を介して勘定系システム130へ送信する(シーケンスS213)。例えば、出金可能額設定部532は、入出金明細データにて出金可能額や貸越枠を送信する。
債権情報開示データ(図5〜7)と同様、入出金明細データは、ヘッダーレコードと、データレコードと、トレーラーレコードと、エンドレコードとの4つのレコードを有している。
図12における各欄は、図5で説明したのと同様である。項目「データ区分」も、図5で説明したのと同様である。
出金可能額設定部532は、対象となる口座の情報に、出金可能額や貸越実行額を含めて勘定系システム130へ送信する。
入出金明細データのデータレコードには、個々の入出金に関する各項目が格納される。
トレーラーレコードには、データレコードに示される入出金明細の、入金、出金各々の件数や合計金額等が示される。すなわち、データレコードに複数回の入出金に関する情報を格納してもよく、トレーラーレコードは、その件数や合計金額等を示す。
エンドレコードは、レコードの総件数や口座数の情報を示し、また、データの終了を示す。ここで、1つの入出金明細データに複数の口座の情報を格納してもよく、エンドレコードは、その口座数等を示す。
また、クライアント装置210が、入出金明細を外接系システム140に照会すると、外接系システム140は、入出金明細データを勘定系システム130より取得する(シーケンスS221)。
外接系システム140が、勘定系システム130から取得した入出金明細データを、クライアント装置210へ送信すると(シーケンスS222)、クライアント装置210は、入出金明細データを表示する。特に、クライアント装置210は、出金可能額や、現金残高や、貸越枠を表示する(シーケンスS223)。また、クライアント装置210は、入出金明細データを基に、電子記録債権の入金消込や仕訳データの生成などを行う。
支払期日に電子記録債権の入金が行われるなど、譲渡担保となっている電子記録債権の支払等記録の処理がなされると、電子記録債権サーバ装置310が、中継装置320に対して当該処理の通知を行う(シーケンスS301)。
出金可能額は、貸越枠と口座残高との合計であり、貸越枠が更新されると出金可能額も更新される。
勘定系システム130は、貸越管理装置110から通知を受けた貸越枠を元帳に反映させる(シーケンスS321)。
また、勘定系システム130は、支払等記録がなされた電子記録債権の期日支払入金を精算して、預金残高に反映させる(シーケンスS322)。
例えば、月末の支払期日において、利用企業の預金残高が1000万円である場合、勘定系システム130は、支払を受けた400万円から、例えば、貸越返済額100万円と金利1万円と、手数料5千円(譲渡担保貸越契約手数料)を減算した398万5千円を預金残高に加えて、1000万円+398万5千円=1398万5千円に更新する。
一方、貸越枠は、支払期日前までは、譲渡担保されていた電子記録債権が400万円のうち、100万円が貸越実行されていたので、貸越額は400万−100万円=300万円となっていた。なお、ここでは、掛け目は100パーセントとなっている。
そして、支払期日に、電子記録債権の期日入金があり、その精算が行われた結果、譲渡担保された電子記録債権は消滅したので、貸越枠を0に更新する。
クライアント装置210が、入出金明細データを外接系システム140に照会すると(シーケンスS401)、外接系システム140は、入出金明細データを勘定系システム130から取得する(シーケンスS402)。
クライアント装置210が、入出金明細データに基づいて消込を行うことで、電子記録債権が決済されてから電子記録債権サーバ装置310が決済通知を送信するまでに時間がかかる場合でも、クライアント装置210は、速やかに消込を行うことができる。これにより、会計処理の遅延を回避することができる。
財務会計システム220は、仕訳データを会計データに反映させる(シーケンスS407)。
口座利用者である企業が、金融機関と貸越契約(当座貸越を受けるための契約)を予め締結しておくことで、出金可能額設定部532は、譲渡担保として提供された電子記録債権の担保価値に応じて出金可能額を設定する。従って、企業は、個々の譲渡担保融資について金融機関と契約を締結する必要が無く、出金操作にて簡単に融資を受けることができる。
また、出金可能額設定部532が、(融資金額ではなく)出金可能額を設定するので、企業は、必要な金額だけ融資を受けることができる。具体的には、企業は実際に貸越となった金額の分だけ利息を支払えばよい。従って、企業は、余裕分を見込んだ融資を予め受けておく場合の利息や、電子記録債権の割引を予め受けておく場合の割引手数料のような、余分な利息や手数料を支払う必要が無い。この点において、企業の負担が小さい。
また、金融機関にとっては、企業に貸越サービスを提供することで、企業の囲い込みを図ることができる。
このように、精算金額設定部541が、融資対象者への精算金額を設定することで、設定した精算金額を融資対象者の口座にて精算することができる。これにより、融資対象者は、手持ち資金と融資とを一元的に管理することができる。
また、出金可能額設定部532が、出金可能額を更新することで、出金可能額設定部532は、存続する譲渡担保に応じて動的に出金可能額を設定することができる。固定の貸越枠を設定する方法とは異なり、企業は、電子記録債権の譲渡担保の提供に応じて機動的に融資を受けることができる。特に、企業は、業績好調時に、より多くの電子記録債権を譲渡担保として提供して、より大きい金額の融資を受け、事業拡大を図ることができる。また、金融危機や自然災害等が発生した場合の運転資金を確保するためのバックアップファイナンス(バックアップファシリティ)としても活用できる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110 貸越管理装置
511 電子記録債権データ取得部
512 電子記録債権データ情報記憶部
521 与信管理データ通信部
522 担保価値取得部
531 口座情報通信部
532 出金可能額設定部
533 当座貸越データ情報記憶部
541 精算金額設定部
210 クライアント装置
611 電子記録債権データ通信部
612 担保提供処理部
613 電子記録債権データ情報記憶部
621 仕訳データ生成部
622 仕訳データ通信部
631 入出金明細データ処理部
632 入出金明細データ通信部
Claims (5)
- 担保となる電子記録債権の債権額を取得する担保情報取得部と、
前記担保情報取得部が取得した前記債権額に基づいて前記電子記録債権の担保価値を取得する担保価値取得部と、
融資対象者の口座残高を取得する口座残高取得部と、
前記口座残高取得部が取得した前記口座残高と前記担保価値取得部が取得した前記担保価値との合計金額を、前記融資対象者の口座からの出金可能額に設定する出金可能額設定部と、
を具備することを特徴とする貸越管理装置。 - 前記電子記録債権の貸越支払が行われると支払金額を取得する支払金額取得部と、
前記電子記録債権の期日支払が行われると入金金額を取得する入金金額取得部と、
前記支払金額取得部が取得した前記支払金額に基づく貸越返済額と貸越利息額とを、前記入金金額取得部が取得した前記入金金額から減算し、得られた減算結果に基づいて前記融資対象者への精算金額を設定する精算金額設定部と、
を具備し、
前記出金可能額設定部は、支払が行われた前記電子記録債権の担保価値を前記融資対象者の口座の出金可能額から減算する
ことを特徴とする請求項1に記載の貸越管理装置。 - 貸越管理装置とクライアント装置とを具備し、
前記クライアント装置は、
発生した電子記録債権の情報を取得する電子記録債権データ通信部と、
前記電子記録債権データ通信部が情報を取得した前記電子記録債権を担保として提供する処理を行う担保提供処理部と、
を具備し、
前記貸越管理装置は、
前記担保提供処理部が担保として提供する処理を行った前記電子記録債権の債権額を取得する担保情報取得部と、
前記担保情報取得部が取得した前記債権額に基づいて前記電子記録債権の担保価値を取得する担保価値取得部と、
融資対象者の口座残高を取得する口座残高取得部と、
前記口座残高取得部が取得した前記口座残高と前記担保価値取得部が取得した前記担保価値との合計金額を、前記融資対象者の口座からの出金可能額に設定する出金可能額設定部と、
を具備することを特徴とする金融サービスシステム。 - 貸越管理システムが行う出金可能額設定方法であって、
担保となる電子記録債権の債権額を取得する担保情報取得ステップと、
前記担保情報取得ステップにて取得した前記債権額に基づいて前記電子記録債権の担保価値を取得する担保価値取得ステップと、
融資対象者の口座残高を取得する口座残高取得ステップと、
前記口座残高取得ステップにて取得した前記口座残高と前記担保価値取得ステップにて取得した前記担保価値との合計金額を、前記融資対象者の口座からの出金可能額に設定する出金可能額設定ステップと、
を具備することを特徴とする出金可能額設定方法。 - 貸越管理システムを制御するコンピュータに、
担保となる電子記録債権の債権額を取得する担保情報取得ステップと、
前記担保情報取得ステップにて取得した前記債権額に基づいて前記電子記録債権の担保価値を取得する担保価値取得ステップと、
融資対象者の口座残高を取得する口座残高取得ステップと、
前記口座残高取得ステップにて取得した前記口座残高と前記担保価値取得ステップにて取得した前記担保価値との合計金額を、前記融資対象者の口座からの出金可能額に設定する出金可能額設定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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