次に、図1から図8に記載の巻爪矯正具1について説明する。
巻爪矯正具1は、図1または図2に示すように、巻爪40に装着されて、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正するように構成される。ここで、巻爪40とは、人体の指(主に足の親指)の爪の両側縁部が内側に丸まって当該指に食い込むような状態になったものを言う。巻爪矯正具1は、図1乃至図5に示すように、弾性部材10と、一対の端子部材20と、を具備する。
巻爪矯正具1の弾性部材10は、所定の弾性力を有する部材であり、形状記憶合金素材または形状記憶樹脂素材からなる直線状の棒状に構成される。弾性部材10は、巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で、巻爪40の両側縁部に亘るように巻爪40の上方(巻爪40の上面の上方)に配置される。弾性部材10は、巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で、その胴部(一端部および他端部以外の部分)が撓むようにして配置されて、巻爪40の両側縁部を引上げるように構成される。弾性部材10は、巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で巻爪40の両側縁部を引上げて、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正することができるような弾性力を有する。
巻爪矯正具1の一対の端子部材20は、巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される。巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で、例えば、巻爪矯正具1の一対の端子部材20のうち一方の端子部材20が巻爪40の左側縁部に配置され、他方の端子部材20が巻爪40の右側縁部に配置される。端子部材20は、フック部21と、挿入部22と、を備える。
巻爪矯正具1の端子部材20のフック部21は、巻爪40の側縁部に引掛けることができるように構成される。端子部材20のフック部21は、平板状の部材が正面視略U字状(正面視略コ字状)に形成されて構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20の挿入部22は、弾性部材10が取付けられる部分である。端子部材20の挿入部22は、弾性部材10の一端部または他端部が挿入されて、弾性部材10が固定されるように構成される。端子部材20の挿入部22は、一端側が開口する筒体で構成される。端子部材20の挿入部22は、他端側に底部を有する筒体で構成される。端子部材20の挿入部22は、弾性部材10の一端部または他端部の外径よりもやや大きい内径を有して構成される。端子部材20の挿入部22は、その開口から弾性部材10の一端部または他端部を挿入可能に構成される。端子部材20の挿入部22は、端子部材20の挿入部22に弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態では、挿入部22の内面と弾性部材10の外面とが当接して、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部22に挿入された状態を保持するように構成される。端子部材20の挿入部22は、そのフック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、巻爪40の上方(巻爪40の上面の上方)に位置するように構成される。端子部材20の挿入部22は、フック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、挿入部22の一端側が他端側よりも上方に位置するとともに、挿入部22の軸心が巻爪40の両側縁部を結ぶ直線に対して傾斜するように構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20は、金属素材からなる筒状の部材から成形される。巻爪矯正具1では、前記筒状の部材の他端部及び中央部をプレスして平板状に形成され、当該プレスして平板状に形成された部分を二ヶ所においてそれぞれ約90°折り曲げて正面視略U字状(コ字状)に形成することによって端子部材20のフック部21が形成され、前記筒状部材のプレスされていない部分で端子部材20の挿入部22が形成される。
このようにして、巻爪矯正具1の端子部材20は形成される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置する(図6乃至図8参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20の挿入部22に弾性部材10の一端および他端をそれぞれ挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に弾性部材10を配置する(図1または図2参照)。なお、このように弾性部材10を配置する前に、巻爪矯正具1が装着される巻爪40に応じた適切な長さになるように弾性部材10を予め切断しておく。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される。そして、このように巻爪40に装着された巻爪矯正具1では、弾性部材10の弾性力によって一対の端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢して、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正する。巻爪矯正具1では、このように巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態を数ヶ月間に渡って継続することによって、次第に巻爪40が解消されることとなる。
以上のように、弾性部材10と、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置し、一対の端子部材20の挿入部22に弾性部材10の一端部または他端部を挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に弾性部材10を配置して、弾性部材10の弾性力によって一対の端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40が解消するように巻爪40を矯正する巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に配置された一対の端子部材20に弾性部材10の一端および他端を接着することを要さずに、弾性部材10を巻爪40の上方に配置することができる。したがって、巻爪矯正具1によれば、従来の巻爪矯正具(一対の端子部材と弾性部材との接着箇所が十分に接着されるまで、前記接着箇所が動かないように端子部材と弾性部材とを保持しておく必要がある巻爪矯正具)に比べて、巻爪矯正具1の巻爪40への装着作業を容易に行うことができる。
巻爪矯正具1の端子部材20のフック部21は、平板状に構成されて、巻爪40の爪溝内における側縁部に引掛けることができるように構成される。端子部材20のフック部21は、フック部21の先端部が爪先側から根元側に爪溝に沿うように挿入されて行って爪の裏面と指(爪床)との間に配置されて、巻爪40の爪溝内における巻爪40の側縁部に配置されるように構成される。
このように、巻爪矯正具1の端子部材20のフック部21は、巻爪40の爪溝内における側縁部に引掛けることができるように構成される。このため、巻爪矯正具1では、巻爪40の爪溝内(爪先よりも根元側)において、弾性部材10の弾性力によって端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢する。そして、巻爪矯正具1では、このように巻爪40の爪溝内(爪先よりも根元側)において、巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢するため、巻爪40の矯正が終了して巻爪矯正具1を爪から取外した後においても当該爪が再び巻爪40の状態に戻り難くすることができる。また、巻爪矯正具1では、その端子部材20のフック部21が巻爪40の爪溝内における側縁部に引掛けることができるように構成されるため、先端部(遊離縁)の長さが短い巻爪40であっても装着することができる。したがって、巻爪矯正具1によれば、巻爪矯正具1が装着された巻爪40の先端部を切ることができ、巻爪40が過剰に伸びることによって、巻爪40が破損しやすくなること、巻爪40に鉤湾変形が生じること、靴下が破損すること、または、靴を履いたときに靴の内側で巻爪40が圧迫されて痛みが生じること、等を防止することができる。さらに、巻爪矯正具1によれば、その端子部材20のフック部21が巻爪40の爪溝内における側縁部に引掛けることができるように構成されるため、端子部材20のフック部21が巻爪40の爪溝外(巻爪40の先端部)における側縁部に引掛けられるものに比べて、巻爪矯正具1を再装着する頻度(巻爪矯正具1の装着位置を巻爪40の根元側へ変更する頻度)を低減させることができる。
なお、巻爪矯正具1の弾性部材10は、板状の部材で構成することもできる。
次に、図9から図17に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図9から図17に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図8に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図8に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図9乃至図14に示すように、弾性部材10と、一対の端子部材20と、脱落防止部材50と、を具備する。端子部材20は、フック部21と、挿入部22と、を備える。
巻爪矯正具1は、一対の端子部材20のうち一方の端子部材20(例えば、巻爪40の左側縁部に配置される端子部材20)の挿入部22の構成と、他方の端子部材20(例えば、巻爪40の右側縁部に配置される端子部材20)の挿入部22の構成とが、それぞれ異なるように構成される。巻爪矯正具1では、一対の端子部材20のうち少なくともいずれか一方の端子部材20の挿入部22は、一端側および他端側が開口する筒体で構成され、他方の一方の端子部材20の挿入部22は、一端側が開口するとともに他端側に底部を有する筒体で構成される。以下において、前記一対の端子部材20のうち一方の端子部材20を巻爪40の左側縁部に配置される端子部材20(以下「端子部材20L」という)とし、他方の端子部材20を巻爪40の右側縁部に配置される端子部材20(以下「端子部材20R」という)として、説明する。
巻爪矯正具1の端子部材20Lの挿入部22は、一端側が開口する筒体で構成される。端子部材20Lの挿入部22は、他端側に底部を有する筒体で構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20Rの挿入部22は、一端側および他端側が開口する筒体で構成される。端子部材20Rの挿入部22は、他端側に底部を有さない筒体で構成される。端子部材20Rの挿入部22は、弾性部材10の一端部または他端部の外径よりもやや大きい内径を有して構成される。端子部材20Rの挿入部22は、その開口から弾性部材10の一端部または他端部を挿入可能に構成される。端子部材20Rの挿入部22は、その他端側の開口から一端側の開口に弾性部材10を貫装可能に構成される。端子部材20Rの挿入部22は、挿入部22に弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態では、挿入部22の内面と弾性部材10の外面とが当接して、弾性部材10の一端部または他端部が挿入部22に挿入された状態を保持するように構成される。端子部材20Rの挿入部22は、そのフック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、巻爪40の上方(巻爪40の上面の上方)に位置するように構成される。端子部材20Rの挿入部22は、フック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、挿入部22の一端側が他端側よりも上方に位置するとともに、挿入部22の軸心が巻爪40の両側縁部を結ぶ直線に対して傾斜するように構成される。
巻爪矯正具1の脱落防止部材50は、弾性部材10に取付けられて、端子部材20Rの挿入部22に挿入された弾性部材10が端子部材20Rの挿入部22から脱落することを防止するように構成される。脱落防止部材50は、可塑性を有する素材で構成される。脱落防止部材50は、金属素材のワイヤで構成される。脱落防止部材50は、線状部51と、一対のリング部52と、を備え、線状部51の両端にリング部52が設けられて構成される。脱落防止部材50の線状部51は、端子部材20Rの挿入部22の軸心方向の長さよりも長く構成される。脱落防止部材50のリング部52は、弾性部材10を貫装可能に構成される。
巻爪矯正具1の脱落防止部材50は、その一対のリング部52に弾性部材10の一端部または他端部が挿入されて、端子部材20Rの挿入部22に挿入された弾性部材10が端子部材20Rの挿入部22から脱落することを防止するように構成される。脱落防止部材50は、端子部材20Rの挿入部22に弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態では、一対のリング部52に弾性部材10が挿入された状態で一対のリング部52の間に端子部材20Rの挿入部22が位置するように配置される。脱落防止部材50は、端子部材20Rの挿入部22に弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態では、一対のリング部52に弾性部材10が挿入された状態で一対のリング部52のうち一方のリング部52が端子部材20Rの挿入部22の一端側の開口側近傍に位置するとともに他方のリング部52が他端側の開口近傍に位置するように配置される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に端子部材20L・20Rのフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に端子部材20L・20Rをそれぞれ配置する。次に、巻爪矯正具1では、弾性部材10を、脱落防止部材50の他方のリング部52(外側に位置するリング部52)に挿入して、端子部材20Rの他端側の開口(外側に位置する開口)から端子部材20Rに挿入する(図15参照)。次に、巻爪矯正具1では、弾性部材10を、端子部材20Rの一端側の開口(内側に位置する開口)から突出させるようにして脱落防止部材50の一方のリング部52(内側に位置するリング部52)に挿入し、端子部材20Lの挿入部22に弾性部材10を挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に配置する。このとき、巻爪矯正具1では、端子部材20Rの他端側の開口(外側に位置する開口)から外側に弾性部材10の一部が突出した状態となっている(図16参照)。次に、巻爪矯正具1では、脱落防止部材50の線状部51を縒り合せて、脱落防止部材50の一対のリング部52を端子部材20Rの挿入部22の一端側の開口と他端側の開口との近傍に位置させた状態とする(図17参照)。次に、巻爪矯正具1では、端子部材20Rの他端側の開口(外側に位置する開口)から外側に突出する弾性部材10を、少なくとも端子部材20Rの外側(端子部材20Rのフック部21よりも外側)に突出しないような長さに切断する。そして、巻爪矯正具1では、脱落防止部材50の線状部51の縒り合せた部分を端子部材20Rの挿入部22に、端子部材20Rの他端側の開口から外側に突出する弾性部材10を端子部材20Rの挿入部22に、端子部材20Lの挿入部22に挿入される弾性部材10を端子部材20Lの挿入部22に、樹脂等の接着剤またはコーティング剤でそれぞれ固定する(不図示)。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される(図9または図10参照)。
以上のように、一対の端子部材20のうち少なくともいずれか一方の端子部材20(端子部材20R)の挿入部22が一端側および他端側が開口する筒体で構成される巻爪矯正具1では、弾性部材10を予め適切な長さに切断することなく弾性部材10を配置することができる。また、巻爪矯正具1では、弾性部材10の一端部または他端部を、一対の端子部材20のうちいずれか一方の端子部材20の挿入部22にその一端側の開口から挿入することを要さない(弾性部材10の一端部または他端部を、一対の端子部材20のうちいずれか一方の端子部材20の挿入部22にその他端側の開口から挿入する)。このため、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20の挿入部22がいずれも他端側に底部を有する筒体で構成されるものに比べて、弾性部材10を巻爪40の上方に配置する作業(弾性部材10を端子部材20の挿入部22に挿入する動作)を容易に行うことができる。したがって、巻爪矯正具1によれば、一対の端子部材20の挿入部22がいずれも他端側に底部を有する筒体で構成されるものに比べて、巻爪矯正具1の巻爪40への装着作業を容易に行うことができる。
また、脱落防止部材50を具備する巻爪矯正具1では、端子部材20の挿入部22が一端側および他端側が開口する筒体で構成されて、弾性部材10が端子部材20の挿入部22に貫装されるような構成であっても、端子部材20(端子部材20R)の挿入部22に挿入された弾性部材10が端子部材20の挿入部22から脱落することを防止することができる。
次に、図18から図27に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図18から図27に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図17に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図17に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図18乃至図23に示すように、一対の端子部材20と、一対の線状部材30と、を具備する。
巻爪矯正具1の端子部材20は、フック部21を備える。端子部材20は、金属素材からなる平面視長方形の平板状の部材の長手方向一端部側が正面視略U字状(正面視略コ字状)に形成されて構成される。端子部材20のフック部21は、前記正面視略U字状に形成される部分で構成される。
巻爪矯正具1の線状部材30は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で、当該一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するように構成される。線状部材30は、可塑性を有する素材で構成される。線状部材30は、金属素材のワイヤで構成される。線状部材30は、端子部材20にそれぞれ固定して設けられる。線状部材30は、平面視長方形の平板状の部材の長手方向他端部側(フック部21と反対側)に配置される。線状部材30は、端子部材20のフック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態(端子部材20が巻爪40の側縁部に配置された状態)で、線状部材30の先端部が少なくとも巻爪40の左右中央に至ることができるように構成される。一対の線状部材30は、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態(一対の端子部材20が巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置された状態)で、それぞれの線状部材30の先端部同士を交差可能に構成される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置する(図24乃至図26参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くことによって、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢する(図18乃至図20参照)。このとき、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30の縒り合せた部分が長く延出する場合、または、一対の線状部材30の縒り合せた部分よりも先端部側に縒り合せていない部分が長く延出する場合には、一対の線状部材30の長く延出する部分適度な長さに切断する。そして、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せた部分と、弾性部材10と、を樹脂等の接着剤またはコーティング剤(不図示)で、固定する。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される。
以上のように、巻爪矯正具1では、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作すること(一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くこと)によって、一対の端子部材20が巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置された状態(一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態)で、当該一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するように構成される。そして、巻爪矯正具1の線状部材30は、このように一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢することによって、一対の端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢して、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正する。したがって、巻爪矯正具1によれば、従来の巻爪矯正具(一対の端子部材20と弾性部材10の一端および他端との接着箇所が十分に接着されるまで、前記接着箇所が動かないように端子部材20と弾性部材10とを保持しておく必要がある巻爪矯正具)に比べて、巻爪矯正具1の巻爪40への装着作業を容易に行うことができる。
また、巻爪矯正具1の線状部材30は、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作するときに、一対の線状部材30を縛るようにして一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢することによって、一対の端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢して、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正することもできる。また、巻爪矯正具1の線状部材30は、樹脂素材からなる可撓性を有するワイヤで構成することもできる。
また、本実施形態では、巻爪矯正具1は、一対の線状部材30を具備するが、一個の線状部材30を具備する構成とすることもできる(図27参照)。このとき、一個の線状部材30の一端部が一対の端子部材20のうち一方の端子部材20に設けられ、当該一個の線状部材30の他端部が一対の端子部材20のうち他方の端子部材20に設けられる。またこのとき、一個の線状部材30は、巻爪40の左右の幅よりも長く構成されて、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で緊張しない(弛む)ように構成される。
次に、図28から図38に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図28から図38に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図27に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図27に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図28乃至図32に示すように、弾性部材10と、一対の端子部材20と、一対の線状部材30と、を具備する。
巻爪矯正具1の端子部材20は、フック部21と、挿入部22と、を備える。端子部材20は、金属素材からなる筒状の部材から成形される。
巻爪矯正具1の線状部材30は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で、当該一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するように構成される。線状部材30は、端子部材20にそれぞれ固定して設けられる。
巻爪矯正具1では、線状部材30の基端部を前記筒状の部材の一端側開口から挿入して前記筒状の部材の他端部に至るように配置した状態で、前記筒状の部材の他端部及び中央部をプレスして平板状に形成することによって線状部材30が端子部材20に固定され、当該プレスして平板状に形成された部分を二ヶ所においてそれぞれ約90°折り曲げて正面視略U字状(コ字状)に形成することによって端子部材20のフック部21が形成され、前記筒状部材のプレスされていない部分で端子部材20の挿入部22が形成される。線状部材30は、その基端部が、前記筒状の部材における二ヶ所において折り曲げられる部分のうち少なくとも前記筒状の部材の一端側開口側の折り曲げられる部分よりも前記筒状の部材の他端側開口側に位置してフック部21に至るように、配置される。このようにして、巻爪矯正具1では、端子部材20が形成されるともに端子部材20と線状部材30とが組み立てられる。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置する(図33乃至図35参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くことによって、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される一対の端子部材20の位置を固定する(図36または図37参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20の挿入部22に弾性部材10の一端および他端をそれぞれ挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に弾性部材10を配置する(図28または図29参照)。そして、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せた部分と、弾性部材10と、を樹脂等の接着剤またはコーティング剤(不図示)で、固定する。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される。
以上のように、巻爪矯正具1は、弾性部材10と、一対の端子部材20と、線状部材30と、を具備する。巻爪矯正具1の線状部材30は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作すること(一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くこと)によって、一対の端子部材20が巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置された状態(一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態)で、当該一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するように構成される。そして、巻爪矯正具1では、線状部材30によって、このように一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢することによって、一対の端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢して、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正する。
さらに、巻爪矯正具1の線状部材30は、このように一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される一対の端子部材20の位置を固定する。したがって、巻爪矯正具1によれば、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で弾性部材10を巻爪40の上に配置するときに、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される一対の端子部材20の位置がズレることを防止することができる。
また、巻爪矯正具1の線状部材30は、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作するときに、一対の線状部材30を縛るようにして一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される一対の端子部材20の位置を固定することもできる。
また、巻爪矯正具1は、一対の線状部材30を具備するが、一個の線状部材30を具備する構成とすることもできる(図38参照)。
次に、図39から図48に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図39から図48に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図38に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図38に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図39乃至図44に示すように、弾性部材10と、一対の端子部材20と、一対の線状部材30と、脱落防止部材50と、を具備する。
端子部材20は、フック部21と、挿入部22と、を備える。巻爪矯正具1では、一対の端子部材20のうち少なくともいずれか一方の端子部材20の挿入部22は、一端側および他端側が開口する筒体で構成され、他方の一方の端子部材20の挿入部22は、一端側が開口するとともに他端側に底部を有する筒体で構成される。以下において、前記一対の端子部材20のうち一方の端子部材20を巻爪40の左側縁部に配置される端子部材20(以下「端子部材20L」という)とし、他方の端子部材20を巻爪40の右側縁部に配置される端子部材20(以下「端子部材20R」という)として、説明する。
巻爪矯正具1の端子部材20Lの挿入部22は、一端側が開口する筒体で構成される。端子部材20Lの挿入部22は、他端側に底部を有する筒体で構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20Rの挿入部22は、一端側および他端側が開口する筒体で構成される。端子部材20Rの挿入部22は、他端側に底部を有さない筒体で構成される。
巻爪矯正具1の線状部材30は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、端子部材20L・20Rのフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で、当該端子部材20L・20Rを互いに近接する方向に付勢するように構成される。
巻爪矯正具1の脱落防止部材50は、弾性部材10に取付けられて、端子部材20Rの挿入部22に挿入された弾性部材10が端子部材20Rの挿入部22から脱落することを防止するように構成される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に端子部材20L・20Rのフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に端子部材20L・20Rをそれぞれ配置する。次に、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くことによって、端子部材20L・20Rを互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される端子部材20L・20Rの位置を固定する(図45参照)。次に、巻爪矯正具1では、弾性部材10を、脱落防止部材50の他方のリング部52(外側に位置するリング部52)に挿入して、端子部材20Rの他端側の開口(外側に位置する開口)から端子部材20Rに挿入する(図46参照)。次に、巻爪矯正具1では、弾性部材10を、端子部材20Rの一端側の開口(内側に位置する開口)から突出させて脱落防止部材50の一方のリング部52(内側に位置するリング部52)に挿入し、端子部材20Lの挿入部22に弾性部材10を挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に配置する。このとき、巻爪矯正具1では、端子部材20Rの他端側の開口(外側に位置する開口)から外側に弾性部材10の一部が突出した状態となっている(図47参照)。次に、巻爪矯正具1では、脱落防止部材50の線状部51を縒り合せて、脱落防止部材50の一対のリング部52を端子部材20Rの挿入部22の一端側の開口と他端側の開口との近傍に位置させた状態とする(図48参照)。次に、巻爪矯正具1では、端子部材20Rの他端側の開口(外側に位置する開口)から外側に突出する弾性部材10を、少なくとも端子部材20Rの外側(端子部材20Rのフック部21よりも外側)に突出しないような長さに切断する。そして、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せた部分を弾性部材10に、脱落防止部材50の線状部51の縒り合せた部分を端子部材20Rの挿入部22に、端子部材20Rの他端側の開口から外側に突出する弾性部材10を端子部材20Rの挿入部22に、端子部材20Lの挿入部22に挿入される弾性部材10を端子部材20Lの挿入部22に、樹脂等の接着剤またはコーティング剤でそれぞれ固定する(不図示)。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される(図39または図40参照)。
以上のように、巻爪矯正具1の線状部材30は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作すること(端子部材20L・20Rを互いに縒り合せて行くこと)によって、端子部材20L・20Rが巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置された状態(端子部材20L・20Rのフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態)で、当該端子部材20L・20Rを互いに近接する方向に付勢するように構成される。そして、巻爪矯正具1では、線状部材30によってこのように端子部材20L・20Rを互いに近接する方向に付勢することによって、端子部材20L・20Rを介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40を付勢して、巻爪40が解消するように巻爪40を矯正する。
さらに、巻爪矯正具1の線状部材30は、このように端子部材20L・20Rを互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される端子部材20L・20Rの位置を固定する。したがって、巻爪矯正具1によれば、端子部材20L・20Rのフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で弾性部材10を巻爪40の上に配置するときに、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される端子部材20L・20Rの位置がズレることを防止することができる。
また、巻爪矯正具1の線状部材30は、端子部材20L・20Rのフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作するときに、一対の線状部材30を縛るようにして端子部材20L・20Rを互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される端子部材20L・20Rの位置を固定することもできる。
以上のように、一対の端子部材20のうち少なくともいずれか一方の端子部材20(端子部材20R)の挿入部22が一端側および他端側が開口する筒体で構成される巻爪矯正具1では、弾性部材10を予め適切な長さに切断することなく弾性部材10を配置することができる。また、巻爪矯正具1では、弾性部材10の一端部または他端部を、一対の端子部材20のうちいずれか一方の端子部材20の挿入部22にその一端側の開口から挿入することを要さない(弾性部材10の一端部または他端部を、一対の端子部材20のうちいずれか一方の端子部材20の挿入部22にその他端側の開口から挿入する)。このため、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20の挿入部22がいずれも他端側に底部を有する筒体で構成されるものに比べて、弾性部材10を巻爪40の上方に配置する作業(弾性部材10を端子部材20の挿入部22に挿入する動作)を容易に行うことができる。したがって、巻爪矯正具1によれば、一対の端子部材20の挿入部22がいずれも他端側に底部を有する筒体で構成されるものに比べて、巻爪矯正具1の巻爪40への装着作業を容易に行うことができる。
また、脱落防止部材50を具備する巻爪矯正具1では、端子部材20の挿入部22が一端側および他端側が開口する筒体で構成されて、弾性部材10が端子部材20の挿入部22に貫装されるような構成であっても、端子部材20(端子部材20R)の挿入部22に挿入された弾性部材10が端子部材20の挿入部22から脱落することを防止することができる。
次に、図49から図59に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図49から図59に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図48に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図48に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図49乃至図54に示すように、弾性部材10と、一対の端子部材20と、一対の線状部材30と、を具備する。
巻爪矯正具1の端子部材20は、フック部21と、二個(複数個)の挿入部23と、を備える。端子部材20は、金属素材からなる平面視長方形の平板状の部材の長手方向一端部側が正面視略U字状(正面視略コ字状)に形成されて構成される。端子部材20のフック部21は、前記正面視略U字状に形成される部分で構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20の挿入部23は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態で、挿入部23の内面が弾性部材10側に近接する方向に収縮可能に構成される。端子部材20の挿入部23は、リング体で構成される。端子部材20の挿入部23は、可塑性を有する素材で構成される。端子部材20の挿入部23は、金属素材のワイヤで構成される。端子部材20の挿入部23は、弾性部材10の一端部または他端部の外径よりも大きい内径を有して構成される。端子部材20の挿入部23は、弾性部材10の一端部または他端部を挿入可能に構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20の二個の挿入部23は、前記平板状の部材の前記正面視略U字状に形成される部分以外の部分にそれぞれ設けられる。端子部材20の二個の挿入部23は、前記平板状の部材の長手方向に沿って、前記平板状の部材の長手方向他端部と中途部とにそれぞれ配置される。端子部材20の二個の挿入部23は、そのフック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、巻爪40の上方(巻爪40の上面の上方)に位置するように構成される。端子部材20の二個の挿入部23は、フック部21が爪の側縁部に引掛けられた状態で、前記平板状の部材における二個の挿入部23が設けられる部分を結ぶ直線が、巻爪40の両側縁部を結ぶ直線に対して傾斜するように、構成される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置する(図55参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くことによって、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢して、巻爪40の両側縁部にそれぞれ配置される一対の端子部材20の位置を固定する(図56参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20のそれぞれの二個の挿入部23に弾性部材10の一端および他端をそれぞれ挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に弾性部材10を配置する。このとき、巻爪矯正具1では、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の二個の挿入部23に挿入された状態で、端子部材20の二個の挿入部23をコヨリ状にするようにそれぞれ捩じって行くことによって、端子部材20の二個の挿入部23の内面を弾性部材10側に近接する方向にそれぞれ収縮させる(図49乃至図51参照)。巻爪矯正具1では、弾性部材10の一端部または他端部の全周に端子部材20の挿入部23が当接(密着)するように端子部材20の挿入部23を捩じる。巻爪矯正具1では、端子部材20の挿入部23に弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態で挿入部23の内面と弾性部材10の外面とが当接して、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部23に挿入された状態が保持される。そして、巻爪矯正具1では、端子部材20の二個の挿入部23のコヨリ状にされた部分を樹脂等の接着剤またはコーティング剤(不図示)で固定するとともに、一対の線状部材30を互いに縒り合せた部分と弾性部材10とを樹脂等の接着剤またはコーティング剤(不図示)で、固定する。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される。
以上のように、巻爪矯正具1では、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作すること(端子部材20の挿入部23をコヨリ状にするようにそれぞれ捩じって行くこと)によって、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部23に挿入された状態で、端子部材20の挿入部23の内面が弾性部材10側に近接する方向に収縮可能に構成される。巻爪矯正具1では、このように弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態で挿入部23の内面が弾性部材10側に近接する方向に収縮されることによって、弾性部材10の一端部または他端部の全周に端子部材20の挿入部23を当接させることができ、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部23から脱落することを確実に抑制することができる。
また、巻爪矯正具1は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態で挿入部23の内面が弾性部材10側に近接する方向に収縮可能に構成される挿入部23を、二個(複数個)備える。このため、巻爪矯正具1では、端子部材20の二個(複数個)の挿入部23に弾性部材10の一端部または他端部が挿入された状態で、弾性部材10の一端部の二箇所(複数箇所)、また、弾性部材10の他端部の二箇所(複数箇所)おいて端子部材20の挿入部23の内面と弾性部材10の外面とが当接して、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部23に挿入された状態が保持される。したがって、巻爪矯正具1によれば、端子部材20の挿入部23が単数のものに比べて、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部23から脱落することをより確実に抑制することができる。
また、巻爪矯正具1では、端子部材20の二個の挿入部23同士の間隔が極力広くなるように端子部材20の二個の挿入部23を配置(例えば、端子部材20の二個の挿入部23を、前記平板状の部材の前記正面視略U字状に形成される部分以外の部分における前記平板状の部材の長手方向両端に配置)することもできる。巻爪矯正具1では、このように端子部材20の二個の挿入部23を配置することによって、弾性部材10の一端部または他端部が端子部材20の挿入部23から脱落することを確実に抑制することができる。
なお、巻爪矯正具1の端子部材20の挿入部23を、可塑性を有する一対の線状のワイヤで構成し(図57参照)、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者によって操作されることによって一対の線状のワイヤからリング状に形成されるように構成することもできる。このとき、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者によって操作されて端子部材20の挿入部23(一対の線状のワイヤ)がリング状に形成されて、弾性部材10の一端部または他端部が当該端子部材20の挿入部23に挿入された状態で、端子部材20の挿入部23(一対の線状のワイヤを互いに)縒り合せて、また、端子部材20の挿入部23(一対の線状のワイヤ)を縛るようにして、端子部材20の挿入部23の内面が弾性部材10側に近接する方向に収縮させる。また、巻爪矯正具1の線状部材30は、樹脂素材からなる可撓性を有する素材で構成することもできる。
また、巻爪矯正具1は、端子部材20は、その平板状の部材の前記正面視略U字状に形成される部分以外の部分にワイヤが螺旋状に配置されることにより、二個(複数個)の挿入部23を構成することもできる(図58または図59参照)。
次に、図60から図67に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図60から図67に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図59に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図59に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図60乃至図64に示すように、弾性部材10と、一対の端子部材20と、一対の線状部材31と、を具備する。
巻爪矯正具1の線状部材31は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で、当該一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するとともに、縛るようにして弾性部材10を撓ませるように構成される。線状部材31は、その一端部に輪部32を備える金属素材のワイヤで構成される。線状部材31の輪部32は、弾性部材10を貫入可能な輪状に構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20は、フック部21と、二個(複数個)の挿入部24と、筒部25と、を備える。
巻爪矯正具1の端子部材20の筒部25は、線状部材31が貫入されるように構成される。端子部材20の筒部25は、一端側および他端側が開口する筒体で構成される。端子部材20の筒部25は、そのフック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、巻爪40の上方(巻爪40の上面の上方)に位置するように構成される。端子部材20の筒部25は、フック部21が巻爪40の側縁部に引掛けられた状態で、筒部25の一端側が他端側よりも上方に位置するとともに、筒部25の軸心が巻爪40の両側縁部を結ぶ直線に対して傾斜するように構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20の二個の挿入部24は、線状部材31の一部によって構成される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置する。次に、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20の筒部25に、一対の線状部材31の一部を挿入して配置する。このとき、巻爪矯正具1では、線状部材31の輪部32と他端部(輪部32を備えない側の端部)とが端子部材20の筒部25の一端側の開口側から突出するとともに、線状部材31の中途部(中途部の一部)が端子部材20の筒部25の他端側の開口側から突出するようにして、端子部材20の筒部25に線状部材31の一部を挿入して配置する(図65または図66参照)。巻爪矯正具1では、このように線状部材31を配置することより、線状部材31の輪部32と、端子部材20の筒部25の他端側の開口側から突出する線状部材31の中途部とで、端子部材20の二個の挿入部24として構成される。次に、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20の二個の挿入部24(線状部材31の輪部32、および、端子部材20の筒部25の他端側の開口側から突出する線状部材31の中途部)に弾性部材10の一端および他端をそれぞれ挿入し、斯かる状態で一対の線状部材31を互いに縒り合せて行くことによって、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するとともに、挿入部24(線状部材31)で縛るようにして弾性部材10を撓ませていき、巻爪40の上方に弾性部材10を配置する(図67参照)。そして、巻爪矯正具1では、一対の線状部材31の縒り合わせた部分と弾性部材10とを樹脂等の接着剤またはコーティング剤(不図示)で、固定する。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される(図39または図40参照)。
以上のように、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するとともに、弾性部材10を撓ませるように構成される線状部材31を具備する、巻爪矯正具1では、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢すると同時に、弾性部材10を撓ませることができ、従来の巻爪矯正具(一対の端子部材20と弾性部材10の一端および他端との接着箇所が十分に接着されるまで、前記接着箇所が動かないように端子部材20と弾性部材10とを保持しておく必要がある巻爪矯正具)に比べて、巻爪矯正具1の巻爪40への装着作業を容易に行うことができる。
次に、図68から図73に記載の巻爪矯正具1について説明する。なお、図68から図73に記載の巻爪矯正具1の説明は、図1から図67に記載の巻爪矯正具1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図67に記載の巻爪矯正具1の構成と異なる部分を中心に説明する。
巻爪矯正具1は、図68に示すように、一対の弾性部材10と、一対の端子部材20と、一対の線状部材30と、留め部材60と、を具備する。
巻爪矯正具1の一対の弾性部材10は、所定の弾性力を有する部材であり、形状記憶合金素材または形状記憶樹脂素材からなる直線状の棒状にそれぞれ構成される。一対の弾性部材10は、巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で、それぞれの一方の端部が巻爪40の両側縁部に位置するとともに、互いに交差するようにして巻爪40の上方(巻爪40の上面の上方)にそれぞれ配置される。一対の弾性部材10は、巻爪矯正具1が巻爪40に装着された状態で、その胴部が撓むようにして配置されて、巻爪40の両側縁部を引上げるようにそれぞれ構成される。弾性部材10は、前記撓むようにして配置された状態で、少なくとも、巻爪40の側縁から巻爪40の中央部よりも反対側の縁部側に亘るような長さにそれぞれ構成される。弾性部材10は、前記撓むようにして配置された状態で、巻爪40の側縁から巻爪40の反対側の縁部近傍に亘るようにそれぞれ構成される。
巻爪矯正具1の端子部材20は、フック部21と、挿入部22と、を備える。一対の端子部材20の挿入部22は、一対の弾性部材10の一端部がそれぞれ挿入されて、弾性部材10が固定されるように構成される。端子部材20の挿入部22は、一端側が開口する筒体で構成される。端子部材20の挿入部22は、他端側に底部を有する筒体で構成される。
巻爪矯正具1では、挿入部22の一端部を端子部材20の挿入部22に挿入し(図69参照)、当該挿入部22が端子部材20の挿入部22に挿入された状態で端子部材20の挿入部22がかしめられて端子部材20(端子部材20の挿入部22)に弾性部材10が固定されて構成される(図70参照)。
巻爪矯正具1の線状部材30は、巻爪矯正具1を巻爪40に装着する作業者が操作することによって、一対の端子部材20のフック部21が巻爪40の両側縁部にそれぞれ引掛けられた状態で、当該一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢するように構成される。
線状部材30は、端子部材20にそれぞれ固定して設けられる。
巻爪矯正具1の留め部材60は、一対の弾性部材10を撓ませた状態で互いに留めるように構成される。留め部材60は、一対の弾性部材10を撓ませた状態で挿入可能な筒状に構成される。
このように構成される巻爪矯正具1が、作業者によって巻爪40に装着される手順について説明する。
まず、巻爪矯正具1では、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20のフック部21をそれぞれ引掛けて、巻爪40の両側縁部に一対の端子部材20をそれぞれ配置する(図71参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の線状部材30を互いに縒り合せて行くことによって、一対の端子部材20を互いに近接する方向に付勢する(図72参照)。次に、巻爪矯正具1では、一対の弾性部材10をその他端部側から留め部材60に挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に弾性部材10を配置する(図73参照)。そして、巻爪矯正具1では、巻爪矯正具1では、一対の弾性部材10が留め部材60に挿入された状態で、一対の弾性部材10の他端部および留め部材60を巻爪40に、樹脂等の接着剤またはコーティング剤(不図示)で固定する。このようにして、巻爪矯正具1は、作業者によって巻爪40に装着される。なお、巻爪矯正具1では、一対の弾性部材10を留め部材60に挿入する前に、巻爪矯正具1が装着される巻爪40に応じた適切な長さになるように弾性部材10を予め切断しておくこともできる。また、巻爪矯正具1では、一対の弾性部材10を留め部材60に挿入した後に、巻爪矯正具1が装着される巻爪40に応じた適切な長さになるように弾性部材10を切断しておくこともできる。
以上のように、一対の端子部材20の挿入部22に一対の弾性部材10の一端部をそれぞれ挿入して、撓むようにして巻爪40の上方に弾性部材10を配置して、弾性部材10の弾性力によって一対の端子部材20を介して巻爪40の両側縁部を引上げるようにして巻爪40が解消するように巻爪40を矯正する、巻爪矯正具1では、弾性部材10の一端部と他端部とをそれぞれ一対の端子部材20の挿入部22に挿入するように構成されるものに比べて、弾性部材10を巻爪40の上方に配置する作業(弾性部材10を端子部材20の挿入部22に挿入する動作)を容易に行うことができる。したがって、巻爪矯正具1によれば、弾性部材10の一端部と他端部とをそれぞれ一対の端子部材20の挿入部22に挿入するように構成されるものに比べて、巻爪矯正具1の巻爪40への装着作業を容易に行うことができる。
一対の弾性部材10を撓ませた状態で互いに留めるように構成される留め部材60を具備する巻爪矯正具1では、一対の弾性部材10を撓ませて巻爪40に固定するときに、一対の弾性部材10同士が離間することを防止して、一対の弾性部材10を巻爪40の上方の所望の位置に配置(固定)する作業を容易に行うことができる。