JP2008136633A - 変形爪の矯正具および変形爪の矯正方法 - Google Patents

変形爪の矯正具および変形爪の矯正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一般家庭で患者自身が簡単に矯正でき、量産性が高く、安価に市場に提供することができる変形爪の矯正具および変形爪の矯正方法を提供する。
【解決手段】 爪11の表面に当接され、爪11の両側端縁部を引っ張り上げるような原形復元力を発揮する部材からなる矯正板部2と、矯正板部2の爪の先端側に位置する端部から矯正板部2の裏面側に折り返されて延び、爪11の先端縁に係止される略U字形状の係止片部3、4とを備える。従って、一般家庭で患者自身が矯正具1を簡単に使用することができ、矯正具1の取り外しも容易であるため、医師や専門家などの手が必要なく、患者自身でも巻き爪などを矯正することができ、矯正費用を安価に抑えることができる。さらに、矯正具1は、部品数の低減を図れ、量産性が高く、安価に市場に提供することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、変形爪、例えば、内側に屈曲変形した巻き爪などを矯正するための矯正具およびそれを用いた矯正方法に関し、特に、矯正具の構造や矯正方法の簡略化を図った技術に関する。
爪が変形して、例えば、爪の側端の角が肉に突き刺さって炎症を起こすことがある。爪の側端の角が肉に突き刺さるような方向に伸びる場合の多くは、爪が内側に屈曲変形した状態、所謂、巻き爪状態になっている。これは、靴で圧迫される足の指に生じ易く、特に、最も外側にあって大きい親指での発生が多く、かかる親指の爪は大きくて硬いため、肉に突き刺った場合の刺激も大きく、炎症や化膿を起こしてしまう。
このような巻き爪などの変形爪を治療するには、矯正具によって爪の形状を正常に戻す方法と、手術によって爪の変形した領域を切除する方法の2つに分かれている。
このうち矯正具を用いた方法は、鋼板や樹脂板等の板ばねや形状記憶金属板、形状記憶樹脂板若しくは線材(ワイヤ)などを爪の表面に装着し、これらの原形復元力などにより、爪の両側端縁部に爪の巻き方向と逆向の引っ張り力を継続的に作用させて、屈曲した爪を正常な形状に矯正するものであり、従来より、特許文献1〜4に示すようなものが提案されている。
特許文献1に示した矯正具は、それぞれ線材からなり、爪の両側端縁に係止され、かつ、爪の表面に当接される2つの矯正体と、線材からなり、該2つの矯正体間に連結されて爪の両側端縁部を変形方向と反対方向に引っ張り上げる矯正作動部とからなるものである。
特許文献2に示した矯正具は、爪を伸ばした部分の爪の両側端縁に引っかけられる2つの折返端部と、これらと接続または一体に連接し、矯正力を作用させるための矯正部とからなるものである。
特許文献3に示した矯正具は、線材からなり、爪の両側端縁に係止される係止部と、中央に略ループ状に屈曲形成されて、その径が調節可能な調節部とからなるものである。
特許文献4に示した矯正具は、接着剤により爪の表面に接着される矯正板からなり、矯正板の接着後に該矯正板の表面を含む爪の表面に固化剤を塗布して固定するものである。
特開2001−276104号公報 特開2003−265508号公報 実用新案登録番号第2527125号 特開2005−66003号公報
しかしながら、これらの従来技術にはそれぞれ次のような問題点があった。
特許文献1に示した矯正具は、2つの矯正体の先端を爪の両側端縁にそれぞれ係止させるため、個人差がある爪の幅方向寸法に対応して矯正具の幅を設定しておかなければ、装着ができず、常に的確な引っ張り力が得られない、また、爪の変形が矯正されていくに従って、2つの矯正体間に連結される矯正作動部を捩じって矯正具の幅を変化させる必要がある。従って、一般家庭で患者自身が矯正具を簡単に使用することはできず、矯正具の取り外しも困難であるため、医師や専門家などの手を必要とし、患者自身では巻き爪などを矯正することができず、矯正費用が嵩む。さらに、矯正具の装着や取り外すのが困難であるため、夜間や就寝中のみの矯正が不可能であり、例えば、靴などを履く外出時にも矯正具をしておく必要があり、矯正具によって、靴下や靴などを傷つける心配がある。また、この矯正具は、2つの矯正体と矯正作動部とから構成されており、部品数が多く、量産には向かず、コスト的に不利である。
特許文献2に示した矯正具においては、2つの折返端部を爪の両側端縁に係止させて装着を行う構成であるため、矯正部の弾性復元力で2つの折返端部が変形するおそれがあり、これを防止するため、矯正部と折返端部とを硬度の異なる素材からなる別部品で構成しており、部品数が多く、量産には向かず、コスト的に不利である。また、矯正部と折返端部とを同一素材で一体化したものでは、上記と同様の理由から、折返端部を矯正部よりも断面積を大きくしており、形状が複雑になるなど、製作費用が嵩み、高価である。さらに、このものでは、矯正具の幅を調節できるように、矯正部を接離可能な2分割体から構成し、該分割体同士の接続位置を調節し得る構成が採られているが、やはり、部品数が多くなり、量産には向かず、コスト的に不利である。
特許文献3に示した矯正具においては、2つの係止部を爪の両側端縁に係止させて装着を行う構成であるため、中央の略ループ状の調節部の径を調節する必要があり、一般家庭で患者自身が矯正具を簡単に使用することはできない。
特許文献4に示した矯正具においては、矯正板を接着剤を使用して爪の表面に接着する構成であるため、矯正板の幅の調節を行う必要がないものの、矯正板が容易に剥がれないように、矯正板の接着後に固化剤を塗布しているため、矯正が終了した後に、ピン状の治具で矯正板と固化剤を爪からはぎ取る必要があり、面倒で手間の掛かる取り外し作業が必要があると共に、専用の治具が必要である。
本発明は、上記のような課題を解決するためなされたものであり、矯正具の爪への装着構造の改良を図って、構成を簡略化し、しかも、装着や取り外しの作業が容易で、専用の治具も必要なく、一般家庭で患者自身が簡単に矯正でき、量産性が高く、安価に市場に提供することができるなどの特徴を有する変形爪の矯正具および変形爪の矯正方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、請求項1に係る変形爪の矯正具は、爪の両側端縁部を引っ張り上げて、該爪の変形を直す矯正具であって、前記爪の表面に当接され、該爪の両側端縁部を引っ張り上げるような原形復元力を発揮する部材からなる矯正板部と、該矯正板部の前記爪の先端側に位置する端部から当該矯正板部の裏面側に折り返されて延び、前記爪の先端縁に係止される略U字形状の係止片部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る変形爪の矯正具は、前記係止片部は、前記矯正板部の端部の両側に離間してそれぞれ設けられたことを特徴とする。
請求項3に係る変形爪の矯正具は、前記矯正板部と係止片部とは、前記原形復元力を発揮する部材に一体に形成されることを特徴とする。
請求項4に係る変形爪の矯正具は、前記矯正具は、接着手段により接着されることを特徴とする。
請求項5に係る変形爪の矯正具は、前記接着手段は、接着テープであることを特徴とする。
請求項6に係る変形爪の矯正方法は、前記矯正具を用いた爪の変形を直す矯正方法であって、前記矯正板部を爪の表面に当接した状態で、前記係止片部を該爪の先端縁に係止させる工程と、前記矯正具を接着させる工程と、を含むことを特徴とする。
請求項7に係る変形爪の矯正方法は、前記矯正具を接着させる工程は、接着テープを使用することを特徴とする。
請求項1に係る発明の変形爪の矯正具および請求項6に係る発明の変形爪の矯正方法によれば、係止片部を爪の先端縁に係止させるため、個人差がある爪の幅方向寸法に対応して矯正板部の幅を設定しておかなくとも、装着が可能であり、常に的確な引っ張り力が得られ、また、爪の変形が矯正されていくに従って、矯正板部の幅を変化させる必要もなく、矯正板部の幅の調節が不要である。従って、一般家庭で患者自身が矯正具を装着でき、簡単に使用することができ、矯正具の取り外しも容易であるため、医師や専門家などの手が必要なく、患者自身でも巻き爪などを矯正することができ、矯正費用を安価に抑えることができる。さらに、矯正具の装着や取り外すのが簡単にできるため、夜間や就寝中のみの矯正が可能であり、例えば、靴などを履く外出時には矯正具をしなくとも済み、矯正具によって、靴下や靴などを傷つける心配がない。また、矯正具を装着した状態で、矯正板部の原形復元力で係止片部が変形するおそれがなく、矯正板部と係止片部とを硬度の異なる素材からなる別部品で構成したり、係止片部を矯正具よりも断面積を大きくする必要がなく、矯正具の構造の簡略化を図ることができる。
請求項2に係る発明の変形爪の矯正具によれば、係止片部を矯正板部の端部の両側に離間してそれぞれ設けたことにより、矯正具の爪への装着状態が安定化すると共に、矯正板部を爪の表面に沿って変形し易く、原形復元力をより効果的に発揮させることができる。
請求項3に係る発明の変形爪の矯正具によれば、矯正板部と係止片部とを原形復元力を発揮する部材に一体に形成すれば、部品数の低減を図れ、例えば、矯正具を製作するに当たって、前記部材に切り込みを入れた後、矯正板部の裏面側に折り返す作業を行えば良いため、量産性が高く、安価に市場に提供することができる。
請求項4に係る発明の変形爪の矯正具によれば、矯正具は、係止片部を爪の先端縁に係止させるだけではなく、接着手段により接着するため、矯正具が外れにくく、従来の矯正具のように固化剤を使用せずに済み、固化剤などを爪からはぎ取るための作業や専用の治具が不要である。
請求項5に係る変形爪の矯正具および請求項7に係る発明の変形爪の矯正方法によれば、身近にある絆創膏などの接着テープを使用して、矯正具の接着を簡単に行うことができ、取り外しも容易で、手間を要しない。
以下、添付された図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明に係る変形爪の矯正具の一実施形態の裏側から見た斜視図を示している。
矯正具1は、爪11(図2参照)の両側端縁部を引っ張り上げて、該爪11の変形を直すものであり、矯正板部2と2つの係止片部3、4とから構成されている。前記矯正板部2は、長方形状の鋼板や樹脂板などの板ばね部材或いは形状記憶金属板、形状記憶樹脂板などの原形復元力を発揮する部材から形成されており、爪11の表面に当接され、該爪11の両側端縁部を引っ張り上げるような原形復元力を発揮する。前記係止片部3、4は、前記矯正板部2の爪11の先端側の端部の両側からそれぞれ若干前方に延びた後、該矯正板部2の裏面側に折り返されて延び、前記爪11の先端縁にそれぞれ係止される略U字形状に形成されている。
この場合、例えば、矯正板部2と折返片部3、4とは、原形復元力を発揮する部材に一体に形成されている。なお、係止片部3、4は、矯正具1の爪11への装着状態の安定化を図ると共に、矯正板部2を爪11の表面に沿って変形し易くして、原形復元力をより効果的に発揮させるため、矯正板部2の端部の両側に離間して設けることが好ましい。
また、かかる矯正具1を製作する場合には、方形状の原形復元力を発揮する部材に略コ字状の切り込みを入れて、一部を方形状に切除して両端に片部が延びた形状にし、該両端の片部をそれぞれ矯正板部2の裏面側に折り返して略U字形状の係止片部3、4を設ければ良く、プレス機械などで簡単に製作することができる。
次に、かかる矯正具1の使用方法、すなわち、この矯正具1を用いた矯正方法について説明する。図2および図3は、矯正具1の爪11への装着状態を示す斜視図および爪11を前方から見た正面図である。
これらの図に示すように、先ず、矯正板部2を、例えば足の親指10の爪11の表面に当接した状態で、係止片部3、4を爪11の先端縁にそれぞれ係止させる(請求項6の係止する工程に相当)。このような状態では、矯正板部2が爪11表面に沿って変形する。次に、矯正具1を接着させる(請求項6の接着する工程に相当)。この場合、図2および図3に示す如く、例えば、接着手段としての接着テープ20の一端部を矯正板部2の表面に貼り、他端部を爪11の表面に貼る。接着テープ20としては、絆創膏などを使用すれば良い。
また、靴下や靴を履く場合には、これらを傷付けないように、図4に示す如く、矯正具1の表面から該矯正具1全体を覆い、かつ、親指10の先端を覆うように、接着テープ21を巻いて貼っても良い。なお、接着テープ21として、パット付の絆創膏などを使用すれば、このパットにより、靴下や靴を傷付けるのをより効果的に防止できる。
このようにして、矯正具1を爪11に装着した状態では、その矯正板部2が爪11の表面に沿って変形し、その原形復元力により爪11の両端縁部に例えば爪11の巻き方向と図3の矢印で示す逆向の引っ張り力を継続的に作用させ、爪11の両側端縁部を引っ張り上げるため、巻き爪などが矯正される。なお、巻き爪などの爪の変形程度に応じて、矯正具1の矯正板部2の大きさを調整すれば良く、例えば、巻き爪の巻き状態が大きければ、矯正板部2を大きく形成すれば良い。
このような矯正具1は、2つの係止片部3、4を爪11の先端縁にそれぞれ係止させるため、個人差がある爪11の幅方向寸法に対応して矯正板部2の幅を設定しておかなくとも、装着が可能であり、常に的確な引っ張り力が得られ、また、爪11の変形が矯正されていくに従って、矯正板部2の幅を変化させる必要もなく、矯正板部2の幅の調節が不要である。
従って、一般家庭で患者自身が矯正具1を装着して後、絆創膏などで接合するだけで、簡単に使用することができ、矯正具1の取り外しも容易であるため、医師や専門家などの手が必要なく、患者自身でも巻き爪などを矯正することができ、矯正費用を安価に抑えることができる。さらに、矯正具1の装着や取り外すのが簡単にできるため、夜間や就寝中のみの矯正が可能であり、例えば、靴などを履く外出時には矯正具1をしなくとも済み、矯正具1によって、靴下や靴などを傷つける心配がない。勿論、図4を用いて説明したように、矯正具1を装着したまま、接着テープ21を巻いて貼って、靴下や靴などを履いても良い。
また、2つの係止片部3、4を爪11の先端縁にそれぞれ係止させるため、装着した状態で、矯正板部2の原形復元力で2つの係止片部3、4が変形するおそれがなく、矯正板部2と係止片部3、4とを硬度の異なる素材からなる別部品で構成したり、係止片部3、4を矯正板部2よりも断面積を大きくする必要がなく、矯正具1の構造の簡略化を図ることができる。
さらに、かかる矯正具1において、矯正板部2と係止片部3、4とを原形復元力を発揮する部材に一体に形成すれば、部品数の低減を図れ、上述したように、矯正具1を製作するに当たって、方形状の原形復元力を発揮する部材に略コ字状の切り込みを入れた後、矯正板部2の裏面側に折り返す作業を行えば良いため、量産性が高く、安価に市場に提供することができる。
なお、本実施形態によれば、矯正具1は、係止片部3、4を爪11の先端縁に係止させるだけではなく、接着テープ20あるいは21により接着するため、矯正具1が外れにくく、従来の矯正具のように固化剤を使用せずに済み、固化剤などを爪からはぎ取るための作業や専用の治具が不要であり、しかも、身近にある絆創膏などの接着テープを使用して、矯正具1の接着を簡単に行うことができ、取り外しも容易で、コスト的にも有利であるし、手間を要しない。
一般家庭で患者自身が簡単に爪の変形の矯正をすることができ、しかも、量産性が高く、安価に市場に提供することができる変形爪の矯正具および矯正方法となる。
図1は、本発明に係る変形爪の矯正具の一実施形態を裏側から見た斜視図である。 図2は、同上の矯正具の爪への装着状態を示す斜視図である。 図3は、同上の矯正具の爪への装着状態を示す図で、前方から見た正面図である。 図4は、同上の矯正具の爪への装着方法の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 矯正具
2 矯正板部
3、4 係止片部
10 親指
11 爪
20、21 接着テープ

Claims (7)

  1. 爪の両側端縁部を引っ張り上げて、該爪の変形を直す矯正具であって、
    前記爪の表面に当接され、該爪の両側端縁部を引っ張り上げるような原形復元力を発揮する部材からなる矯正板部と、
    該矯正板部の前記爪の先端側に位置する端部から当該矯正板部の裏面側に折り返されて延び、前記爪の先端縁に係止される略U字形状の係止片部と、を備えた
    ことを特徴とする変形爪の矯正具。
  2. 前記係止片部は、前記矯正板部の端部の両側に離間してそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1記載の変形爪の矯正具。
  3. 前記矯正板部と係止片部とは、前記原形復元力を発揮する部材に一体に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の変形爪の矯正具。
  4. 前記矯正具は、接着手段により接着されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の変形爪の矯正具。
  5. 前記接着手段は、接着テープであることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の変形爪の矯正具。
  6. 前記矯正具を用いた爪の変形を直す矯正方法であって、
    前記矯正板部を爪の表面に当接した状態で、前記係止片部を該爪の先端縁に係止させる工程と、
    前記矯正具を接着させる工程と、
    を含む
    ことを特徴とする変形爪の矯正方法。
  7. 前記矯正具を接着させる工程は、接着テープを使用することを特徴とする請求項6記載の変形爪の矯正方法。
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