JP6139474B2 - リサイクル方法およびリサイクルシステム - Google Patents
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Description
しかし、ウレタン断熱材と組み合わせて使われる真空断熱材のガラス繊維は不燃物のため、ウレタン断熱材と真空断熱材を混合してリサイクル処理すると、リサイクル成形品の発熱量の低下や、燃焼後の灰分の増加といった問題を引き起こす。このため、真空断熱材を含む断熱材は、サーマルリサイクルに不適であった。
冷蔵庫のリサイクル処理には、手作業でおこなわれる前処理工程があり、その後、実施例のリサイクルシステムにより破砕・分別回収がおこなわれる。
前処理された冷蔵庫筐体は、外側は鉄を中心とする材料、内側はABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂の総称)を中心とする材料からなる箱体であり、筐体の外側と内側の間には、硬質ウレタンフォームからなるウレタン断熱材やガラス繊維を含む真空断熱材が形成・配置されている。また、これらの箱体の間には、電線やネジ/ビスが含まれている。本実施例のリサイクルシステムは、前処理された冷蔵庫筐体を処理して、鉄・非鉄金属・ABS樹脂等のプラスチック・圧縮ウレタン、断熱フロンなどに分別・回収される。
ここで、冷蔵庫破砕機11には、最頂部ブレーカーにより投入物が粗破砕され、ローターに組み込まれたリングハンマーと本体ケースの内張りライナーとの間で、決められたサイズ以下になるまで噛み砕かれる竪型衝撃破砕機が適している。
詳細は後述するが、ガラス繊維塊34は、撹拌によりガラス繊維塊34の内部に混入した鉄粉35により、ウレタン破砕片36との磁気分別をおこなっている。このため、冷蔵庫破砕機11には、材料の撹拌力が高く、微粉が生成されやすい竪型衝撃破砕機が適している。
ウレタン断熱材と真空断熱材の破砕で生じたウレタン破砕片36とガラス繊維塊34の選別方法の詳細は後述する。
上記の磁力選別方式と風力式比重選別方式と両方式の組み合わせの詳細については、後述する。
ウレタン圧縮機25は、造粒装置であってもよい。
ここで、回収したガラス繊維塊34は、鉄粉35やプラスチック粉といった異物を除去し、ガラス純度を高めることで、ガラス繊維材としてマテリアルリサイクルが可能となる。もちろん、リサイクル不可能な廃棄物として処分してもよい。
最初に、コンプレッサやトレーの取り外し等の前処理された冷蔵庫筐体を、竪型衝撃破砕機等の冷蔵庫破砕機11により破砕、撹拌して、鉄、非鉄金属、ABS樹脂等のプラスチック、断熱材(ガラス繊維・ウレタン)などを含む混合破砕片を生成する(S31)。
詳細には、真空断熱材をガラス繊維の芯材と外被材(プラスチック・金属箔ラミネートフィルム)に破砕するとともに、破砕したガラス繊維(ガラス繊維塊34)に、冷蔵庫筐体の箱体を形成する鉄の破砕粉(鉄粉)が混入するように撹拌する。
そして、S32で選別した断熱材破砕片32を、ウレタン・ガラス繊維選別装置23により、ウレタン破砕片36とガラス繊維塊34に磁力分別する(S33)。
詳しくは、S31で冷蔵庫筐体を破砕する際に撹拌をおこなうことで、ガラス繊維塊34の内部に鉄粉が混入している。このため、本来は非磁性体のガラス繊維塊34が、磁性をもつようにふるまい、磁力吸引可能になる。これに対して、ウレタン破砕片36は、表面に鉄粉が付着しているだけなので、磁力吸引されることはない。S33の磁力分別は、これを利用して、磁性をもつガラス繊維塊34と非磁性のウレタン破砕片36を分別する。
そして、S34で微粉砕したウレタン微粉を、ウレタン圧縮機25により圧縮して減容・成型する(S35)。
図4にウレタン・ガラス繊維選別装置23の一実施例である磁力選別方式の高磁力選別機41の概要を示す。
ウレタン破砕片36とガラス繊維塊34が混合した断熱材破砕片32が搬送用のコンベア42により搬送される。鉄粉35を含むガラス繊維塊34は、コンベア42の先端の高磁力磁石プーリ43の磁力により、磁力吸引されて仕切り板44より手前側に落下し、ウレタン破砕片36は磁力吸引されずに仕切り板44より遠方側に落下する。こうして、断熱材破砕片32がウレタン破砕片36とガラス繊維塊34とに選別される。
ウレタン破砕片36とガラス繊維塊34の落下位置は、コンベア42の搬送速度と高磁力磁石プーリ43の磁束密度、仕切り板44の角度を適宜調整して決める。
さらに選別精度を良くするためには、接触面で、0.8テスラから1.0テスラの磁束密度が好ましい。
このため、ウレタン破砕片36とガラス繊維塊34を均等に分散するために、コンベア42を振動コンベアや振動フィーダにする場合には、ガラス繊維塊34から鉄粉35が脱落しない程度の振動にする必要がある。
鉄粉35のサイズは、ガラス繊維塊34の繊維間隔より小さく、かつ、ガラス繊維に保持される程度であればよく、数百μm以下、好ましくは100μm以下で10μm以上であればよい。
また、鉄粉35の量は、ガラス繊維重量比で0.3%以上1.0%以下が好ましい。
つぎに、ウレタン・ガラス繊維選別装置23の他の構成を図5により説明する。
図5は、断熱材破砕片32を、ウレタン破砕片36とガラス繊維塊34の比重差により選別する吸引式の風力選別機の構成をしめす図である。
ウレタン風力選別機15で選別回収された断熱材破砕片32は、振動フィーダ52に投入されて、選別カラム53に定量供給される。
選別カラム53では、重比重物のウレタン破砕片36が空気の流れに逆らって下方に落下し、軽比重物のガラス繊維塊34は空気の流れに乗って上方へ運ばれる。上方に運ばれたガラス繊維塊34は、サイクロン54で遠心力により風と分離された後、ロッカーバルブ56を介して搬出される。
なお、ウレタン・ガラス繊維選別装置23への適用は、吸引式風力選別機51に限定されるものではなく、吹上げ式風力選別機や密閉式風力選別機といった吸引式以外の風力式比重選別方式の適用を制限するものではない。
つぎに、実施例1で説明した磁力選別によるウレタン破砕片36とガラス繊維塊34の選別方法と、実施例2で説明した比重差を利用した風力比重選別方法を組み合わせて、よりウレタンの選別精度を向上したウレタン・ガラス繊維選別装置23を提供する実施例を説明する。
そして、風力比重選別された重比重物と軽比重物を、それぞれ高磁力選別機41に投入し、ウレタン破砕片36を選別する(S64、S65)。ウレタン破砕片36の選別は、上述のとおり、重比重物と軽比重物から鉄粉が混入したガラス繊維塊34を磁気吸引して断熱材破砕片32から除去することによりおこなう。
15 ウレタン風力選別機
23 ウレタン・ガラス繊維選別装置
24 微粉砕機
25 ウレタン圧縮機
32 断熱材破砕片
34 ガラス繊維塊
35 鉄粉
36 ウレタン破砕片
Claims (8)
- ウレタン断熱材と、ガラス繊維を芯材とする真空断熱材を断熱材として併用する装置のリサイクル方法であって、
前記装置の筐体を破砕して筐体の混合破砕片を生成し、
前記混合破砕片のなかから断熱材の破砕片を選別し、
前記断熱材の破砕片をウレタン破砕片とガラス繊維塊に分別し、
前記ウレタン破砕片を微粉砕し、
圧縮して圧縮ウレタンを生成することを特徴とするリサイクル方法。 - 請求項1に記載のリサイクル方法において、
前記装置の筐体の破砕時に生成される鉄粉を、破砕片の撹拌により前記ガラス繊維塊に混入させ、
前記断熱材の破砕片の選別は、風力比重選別によりおこない、
前記ウレタン破砕片とガラス繊維塊の分別は、前記ガラス繊維塊に混入する鉄粉を磁力吸引して前記ガラス繊維塊を選別する磁力選別によりおこなうことを特徴とするリサイクル方法。 - 請求項2に記載のリサイクル方法において、
前記筐体の混合破砕片を生成する際に、前記鉄粉とは別に用意した鉄粉を前記ガラス繊維塊に添加することを特徴とするリサイクル方法。 - 請求項1に記載のリサイクル方法において、
前記断熱材の破砕片の選別は、風力比重選別によりおこない、
前記ウレタン破砕片とガラス繊維塊の分別は、前記ウレタン破砕片の比重とガラス繊維塊の比重の違いに基づき、風力比重選別によりおこなうことを特徴とするリサイクル方法。 - 請求項2に記載のリサイクル方法において、
前記断熱材の破砕片の選別は、風力比重選別によりおこない、
前記ウレタン破砕片とガラス繊維塊の分別は、
前記断熱材の破砕片を風力比重選別により重比重物と軽比重物とに一次選別し、前記重比重物と軽比重物のそれぞれを、磁力選別により磁性体と非磁性体とに二次選別して、
前記二次選別で磁性体に選別された重比重物と軽比重物を前記ガラス繊維塊に選別し、前記二次選別で非磁性体に選別された重比重物と軽比重物を前記ウレタン破砕片に選別することによりおこなうことを特徴とするリサイクル方法。 - ウレタン断熱材と、ガラス繊維を芯材とする真空断熱材を断熱材として併用する装置のリサイクル方法であって、
前記装置の筐体を破砕してウレタン破砕片と、前記筐体の破砕時に生成される鉄粉が混入したガラス繊維塊とを含む筐体の混合破砕片を生成し、
前記混合破砕片のなかから前記ウレタン破砕片と前記ガラス繊維塊を風力比重選別し、前記ガラス繊維塊に混入した鉄粉を磁力吸引してガラス繊維塊を除去して、ウレタン破砕片を選別し、
前記ウレタン破砕片を微粉砕・圧縮して圧縮ウレタンを生成することを特徴とするリサイクル方法。 - ウレタン断熱材と、ガラス繊維を芯材とする真空断熱材を断熱材として併用する装置を破砕して、ウレタン破砕片とガラス繊維塊を含む混合破砕片を生成する破砕機と、
前記破砕機の混合破砕片から前記断熱材の破砕片を選別するウレタン風力選別機と、
前記断熱材の破砕片をウレタン破砕片とガラス繊維塊に分別するウレタン・ガラス繊維選別装置と、
前記分別されたウレタン破砕片をさらに微粉砕する微粉砕機と、
前記微粉砕されたウレタン破砕片を圧縮して圧縮ウレタンを生成するウレタン圧縮機と、
を備えることを特徴とするリサイクルシステム。 - 請求項7に記載のリサイクルシステムにおいて、
前記破砕機は、前記装置の筐体の破砕時に鉄粉を生成し、前記混合破砕片を撹拌して前記ガラス繊維塊の内部に前記鉄粉を混入させ、
前記ウレタン・ガラス繊維選別装置は、磁石プーリを有し、前記鉄粉が混入したガラス繊維塊を磁力吸引して、前記断熱材の破砕片をウレタン破砕片とガラス繊維塊に分別することを特徴とするリサイクルシステム。
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