以下に添付図面を参照して、本発明に係る制御機器用制振部材及び制御機器の耐震構造の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本発明の実施例1に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例1において、図1に示すように、制御機器用制振部材11は、隣接する2つの制御機器A,Bの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材11は、1つの制振部材本体12と、1つの制振部材補助体13が一体に連結されて構成されている。
制振部材本体12は、2つの制御機器A,Bにおける対向する第1面としての側面A1,B1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体13は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての上面A2,B2にそれぞれ沿って密着して配置されている。そして、この制振部材本体12と制振部材補助体13は、ほぼ直交する方向に一体に連結されている。
即ち、2つの制御機器A,Bは、裏面が縦型の基板10に密着し、図示しないボルトなどにより固定されている。この制御機器A,Bは、側面A1,B1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。
制御機器用制振部材11は、弾性部材であって、例えば、ゴム、樹脂などにより構成され、金型や押し出し成形により構成することが好ましい。制振部材本体12は、側面12a,12bの表面積が制御機器A,Bの側面A1,B1の表面積(高さと奥行き)とほぼ同様の大きさに設定され、厚さが制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sと同等または若干大きく設定されている。
また、制振部材補助体13は、下面13aの幅が制御機器A,Bの上面A2,B2の幅の半分以下の大きさに設定されると共に、奥行きが各上面A2,B2の奥行きと同等の大きさに設定され、厚さが制振部材本体12と同等の大きさに設定されている。
そして、制振部材本体12は、上端面に制振部材補助体13における下面13aの幅方向の中間部が連結されており、縦断面がT字をなすように構成されている。
従って、2つの制御機器A,Bが基板10に固定され、側面A1,B1の間に隙間Sが設けられている状態で、制御機器用制振部材11は、制振部材本体12が2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の間(隙間S)に挿入される。このとき、制振部材本体12の各側面12a,12bが制御機器A,Bの側面A1,B1に密着する。また、制振部材補助体13は、下面13aが制御機器A,Bの上面A2,B2に密着する。
その結果、隣接する2つの制御機器A,Bの間に制御機器用制振部材11が装着されることで、実施例1の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材11は、制振部材本体12が2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
このように実施例1の制御機器用制振部材11にあっては、2つの制御機器A,Bの対向する側面(第1面)A1,B1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体12と、2つの制御機器A,Bの対向しない上面(第2面)A2,B2にそれぞれ密着して配置されると共に制振部材本体12に連結される制振部材補助体13とから構成されている。
従って、2つの制御機器A,Bは、対向する側面A1,B1の間に制振部材本体12が密着して配置されると共に、対向しない上面A2,B2に制振部材補助体13が密着して配置されることで、地震などにより制御機器A,Bに振動が作用しても、この制御機器A,Bの振動が制御機器用制振部材11により吸収される。そのため、制御機器A,B同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,Bの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材11は、制御機器A,Bから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材11が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,Bの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
実施例1の制御機器用制振部材11では、制振部材本体12と制振部材補助体13をほぼ直交する方向に連結している。制振部材本体12と制振部材補助体13が直交に連結されることで、一般的な矩形状をなす制御機器A,Bの外面に対して適正に密着することができる。
また、実施例1の制御機器の耐震構造にあっては、隣接する2つの制御機器A,Bの間に制御機器用制振部材11が装着されて構成されている。従って、簡単な構成で制御機器A,Bの振動を適正に抑制可能とすることができ、耐震性を向上することができる。
図2は、本発明の実施例2に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例2において、図2に示すように、制御機器用制振部材21は、隣接する3つの制御機器A,B,Cの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材21は、1つの制振部材本体22と、2つの制振部材補助体23,24が一体に連結されて構成されている。即ち、実施例2の制御機器用制振部材21は、複数の制振部材補助体23,24が設けられている。
制振部材本体22は、3つの制御機器A,B,Cにおける対向する第1面としての側面A1,B1,C1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体23は、3つの制御機器A,B,Cの対向しない第2面としての上面A2,B2,C2にそれぞれ沿って密着して配置されている。制振部材補助体24は、3つの制御機器A,B,Cの対向しない第2面としての下面A3,B3,C3にそれぞれ沿って密着して配置されている。
そして、この制振部材本体22と制振部材補助体23,24は、ほぼ直交する方向に一体に連結されている。
即ち、3つの制御機器A,B,Cは、裏面が縦型の基板20に密着し、図示しないボルトなどにより固定されている。この制御機器A,B,Cは、側面A1,B1,C1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。この場合、制御機器A,B,Cの隙間Sは、一定であって、相違していてもよい。
制振部材本体22は、側面22a,22bの表面積が制御機器A,B,Cの側面A1,B1,C1の表面積(高さと奥行き)とほぼ同様の大きさに設定され、厚さが制御機器A,B,Cにおける側面A1,B1,C1の隙間Sと同等または若干大きく設定されている。
また、制振部材補助体23は、下面23aの幅が制御機器A,B,Cの上面A2,B2,C2の幅の半分以下の大きさに設定されると共に、奥行きが各上面A2,B2,C2の奥行きと同等の大きさに設定され、厚さが制振部材本体22と同等の大きさに設定されている。制振部材補助体24は、上面24aの幅が制御機器A,B,Cの下面A3,B3,C3の幅の半分以下の大きさに設定されると共に、奥行きが各下面A3,B3,C3の奥行きと同等の大きさに設定され、厚さが制振部材本体22と同等の大きさに設定されている。
そして、制振部材本体22は、上端面に制振部材補助体23における下面23aの幅方向の中間部が連結されると共に、下端面に制振部材補助体24における上面24aの幅方向の中間部が連結されており、縦断面がI字をなすように構成されている。
また、3つの制御機器A,B,Cと制振部材本体21との密着状態を保持する保持部材としてのバンド25が設けられている。このバンド25は、例えば、ゴム製で弾性力を有しており、3つの制御機器A,B,Cの外側に配置されることで、その弾性力により3つの制御機器A,B,Cと2つの制振部材本体21とを密着状態を維持することができる。
従って、3つの制御機器A,B,Cが基板20に固定され、側面A1,B1,C1の間にそれぞれ隙間Sが設けられている状態で、2つの制御機器用制振部材21は、各制振部材本体22が3つの制御機器A,B,Cにおける側面A1,B1の間(隙間S)、側面B1,C1の間(隙間S)に挿入される。このとき、制振部材本体22の各側面22a,22bが制御機器A,B,Cの側面A1,B1,C1に密着する。また、制振部材補助体23は、下面23aが制御機器A,B,Cの上面A2,B2,C2に密着し、制振部材補助体24は、上面24aが制御機器A,B,Cの下面A3,B3,C3に密着する。また、3つの制御機器A,B,Cの外側にバンド25を掛け回すことで、その弾性力により3つの制御機器A,B,Cと2つの制振部材本体21とを密着状態を維持する。
その結果、隣接する3つの制御機器A,B,Cの間に制御機器用制振部材21が装着されることで、実施例2の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材21は、制振部材本体22が各制御機器A,B,Cにおける側面A1,B1,C1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
このように実施例2の制御機器用制振部材21にあっては、3つの制御機器A,B,Cの対向する側面(第1面)A1,B1,C1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体22と、3つの制御機器A,B,Cの対向しない上面(第2面)A2,B2,C2にそれぞれ密着して配置されると共に制振部材本体22に連結される制振部材補助体23と、3つの制御機器A,B,Cの対向しない下面(第2面)A3,B3,C3にそれぞれ密着して配置されると共に制振部材本体22に連結される制振部材補助体24とから構成されている。
従って、3つの制御機器A,B,Cは、対向する側面A1,B1,C1の間に制振部材本体22が密着して配置されると共に、対向しない上面A2,B2,C2及び下面A3,B3,C3に制振部材補助体23,24が密着して配置されることで、地震などにより制御機器A,B,Cに振動が作用しても、この制御機器A,B,Cの振動が制御機器用制振部材21により吸収される。そのため、制御機器A,B,C同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,B,Cの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材21は、制御機器A,B,Cから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材21が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,B,Cの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
実施例2の制御機器用制振部材21では、複数の制振部材補助体23,24を設けている。従って、制振部材補助体23,24が制御機器A,B,Cの上面A2,B2,C2及び下面A3,B3,C3に密着して配置されることとなり、制御機器A,B,Cの振動を適正に抑制することができる。
実施例2の制御機器用制振部材21では、弾性力により3つの制御機器A,B,Cと2つの制振部材本体21とを密着状態を維持するバンド25を設けている。従って、バンド25により各制御機器A,B,Cと制振部材本体21との密着状態を適正に保持されることとなり、信頼性を向上することができる。
図3は、本発明の実施例3に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例3において、図3に示すように、制御機器用制振部材31は、隣接する4つの制御機器A,B,C,Dの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材31は、4つの制振部材本体32と、1つの制振部材補助体33が一体に連結されて構成されている。即ち、実施例3の制御機器用制振部材31は、複数の制振部材本体32が設けられている。
4つの制振部材本体32は、4つの制御機器A,B,C,Dにおける対向する第1面としての側面A1,B1,C1,D1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体33は、4つの制御機器A,B,C,Dの対向しない第2面としての下面A3,B3,C3,D3にそれぞれ沿って密着して配置されている。
そして、この4つの制振部材本体32と制振部材補助体33は、ほぼ直交する方向に一体に連結されている。
即ち、4つの制御機器A,B,C,Dは、裏面が縦型の基板30に密着し、図示しないボルトなどにより固定されている。この制御機器A,B,C,Dは、側面A1,B1,C1,D1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。
制振部材本体32は、側面32a,32bの表面積が制御機器A,B,C,Dの側面A1,B1,C1,D1の表面積(高さと奥行き)より小さい大きさに設定され、厚さが制御機器A,B,C,Dにおける側面A1,B1,C1,D1の隙間Sと同等または若干大きく設定されている。また、制振部材補助体33は、奥行きが制振部材本体32の奥行きと同等の大きさに設定され、厚さが制振部材本体32と同等の大きさに設定されている。
そして、4つの制振部材本体32は、下端面が1つの制振部材補助体33における上面33aに幅方向に所定間隔をもって連結されて構成されている。
従って、4つの制御機器A,B,C,Dが基板30に固定され、側面A1,B1,C1,D1の間にそれぞれ隙間Sが設けられている状態で、制御機器用制振部材31は、各制振部材本体32が4つの制御機器A,B,C,Dにおける側面A1,B1の間(隙間S1)、側面B1,C1の間(隙間S2)、側面C1,D1の間(隙間S3)、側面C1に挿入される。この場合、制御機器A,B,C,Dの隙間S1,S2,隙間S3は、一定であって、相違していてもよい。このとき、制振部材本体32の各側面32a,32bが制御機器A,B,C,Dの側面A1,B1,C1,D1に密着する。また、制振部材補助体33は、上面33aが制御機器A,B,C,Dの下面A3,B3,C3,D3に密着する。
その結果、隣接する4つの制御機器A,B,C,Dの間に制御機器用制振部材31が装着されることで、実施例3の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材31は、制振部材本体32が各制御機器A,B,C,Dにおける側面A1,B1,C1,D1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
このように実施例3の制御機器用制振部材31にあっては、4つの制御機器A,B,C,Dの対向する側面(第1面)A1,B1,C1,D1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体32と、4つの制御機器A,B,C,Dの対向しない下面(第2面)A3,B3,C3,D3にそれぞれ密着して配置されると共に制振部材本体32に連結される制振部材補助体33とから構成されている。
従って、4つの制御機器A,B,C,Dは、対向する側面A1,B1,C1,D1の間に制振部材本体32が密着して配置されると共に、対向しない下面A3,B3,C3,D3に制振部材補助体33が密着して配置されることで、地震などにより制御機器A,B,C,Dに振動が作用しても、この制御機器A,B,C,Dの振動が制御機器用制振部材31により吸収される。そのため、制御機器A,B,C,D同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,B,C,Dの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材31は、制御機器A,B,C,Dから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材31が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,B,C,Dの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
また、実施例3の制御機器用制振部材31では、1つの制振部材補助体33に対して複数の制振部材本体32を設けている。従って、制振部材本体33が複数設けられることで、所定隙間をもって並設された複数の制御機器A,B,C,Dの振動を効果的に抑制することができる。
この実施例3では、複数の制振部材本体32の下部に制振部材本体32を設けたが、脱落を考慮して上部に設けてもよい。
図4は、本発明の実施例4に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例4において、図4に示すように、制御機器用制振部材41は、隣接する4つの制御機器A,B,C,Dの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材41は、3つの制振部材本体42と、1つの制振部材補助体43が一体に連結されて構成されている。即ち、実施例4の制御機器用制振部材41は、複数の制振部材本体42が設けられている。
3つの制振部材本体42は、4つの制御機器A,B,C,Dにおける対向する第1面としての側面A1,B1,C1,D1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体43は、4つの制御機器A,B,C,Dの対向しない第2面としての裏面A4,B4,C4,D4にそれぞれ沿って密着して配置されている。
そして、この3つの制振部材本体42と制振部材補助体43は、ほぼ直交する方向に一体に連結されている。
即ち、4つの制御機器A,B,C,Dは、下面A3,B3,C3,D3が横型(水平型)の基板40に密着し、図示しないボルトなどにより固定されている。この制御機器A,B,C,Dは、側面A1,B1,C1,D1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。
3つの制振部材本体42は、後端面が1つの制振部材補助体43における内面43aに幅方向に所定間隔をもって連結されて構成されている。
従って、4つの制御機器A,B,C,Dが基板40に固定され、側面A1,B1,C1,D1の間にそれぞれ隙間Sが設けられている状態で、制御機器用制振部材41は、各制振部材本体42が4つの制御機器A,B,C,Dにおける側面A1,B1の間(隙間S)、側面B1,C1の間(隙間S)、側面C1,D1の間(隙間S)に挿入される。このとき、制振部材本体42の各側面42a,42bが制御機器A,B,C,Dの側面A1,B1,C1,D1に密着する。また、制振部材補助体43は、内面43aが制御機器A,B,C,Dの裏面A4,B4,C4,D4に密着する。
その結果、隣接する4つの制御機器A,B,C,Dの間に制御機器用制振部材41が装着されることで、実施例4の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材41は、制振部材本体42が各制御機器A,B,C,Dにおける側面A1,B1,C1,D1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
このように実施例4の制御機器用制振部材41にあっては、4つの制御機器A,B,C,Dの対向する側面(第1面)A1,B1,C1,D1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体42と、4つの制御機器A,B,C,Dの対向しない裏面(第2面)A4,B4,C4,D4にそれぞれ密着して配置されると共に制振部材本体42に連結される制振部材補助体43とから構成されている。
従って、4つの制御機器A,B,C,Dは、対向する側面A1,B1,C1,D1の間に制振部材本体42が密着して配置されると共に、対向しない裏面A4,B4,C4,D4に制振部材補助体43が密着して配置されることで、地震などにより制御機器A,B,C,Dに振動が作用しても、この制御機器A,B,C,Dの振動が制御機器用制振部材41により吸収される。そのため、制御機器A,B,C,D同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,B,C,Dの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材41は、制御機器A,Bから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材41が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,B,C,Dの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
また、実施例4の制御機器用制振部材41では、1つの制振部材補助体43に対して複数の制振部材本体42を設けている。従って、制振部材本体43が複数設けられることで、所定隙間をもって並設された複数の制御機器A,B,C,Dの振動を効果的に抑制することができる。
図5は、本発明の実施例5に係る制御機器用制振部材を表す概略図、図6は、実施例5の制御機器用制振部材の変形例を表す概略図である。
実施例5において、図5に示すように、制御機器用制振部材51は、隣接する2つの制御機器A,Bの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材51は、1つの制振部材本体52と、1つの制振部材補助体53が一体に連結されて構成されている。そして、制御機器用制振部材51は、2つの制御機器A,Bの間に圧入されて係止可能なくさび部54が設けられている。このくさび部54は、制振部材本体52と制振部材補助体53の連結部に設けられている。
制振部材本体52は、2つの制御機器A,Bにおける対向する第1面としての側面A1,B1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体53は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての上面A2,B2にそれぞれ沿って配置されている。
そして、この制振部材本体52と制振部材補助体53は、ほぼ直交する方向に一体に連結されており、制振部材本体52と制振部材補助体53の連結部にくさび部54が設けられている。
即ち、2つの制御機器A,Bは、裏面が縦型の基板(図示略)に密着し、図示しないボルトなどにより固定されている。この制御機器A,Bは、側面A1,B1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。
制御機器用制振部材51は、弾性部材であって、例えば、ゴム、樹脂などにより構成され、押し出し成形により構成することが好ましい。制振部材本体52は、その厚さが制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sと同等に設定されている。制振部材補助体53は、その幅(厚さ)が制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sより大きく設定されている。そして、制御機器用制振部材51は、制振部材本体52上端部の幅が上方に向かって漸次大きくなるようなくさび部54を介して制振部材補助体53が形成されている。即ち、制御機器用制振部材51は、くさび部54の両側に湾曲形状をなすテーパ部54a,54bが形成されることで、縦断面がT字をなすように構成されている。
従って、2つの制御機器A,Bが基板に固定され、側面A1,B1の間に隙間Sが設けられている状態で、制御機器用制振部材51は、制振部材本体52が上方から2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の間(隙間S)に挿入される。このとき、制振部材本体52の各側面52a,52bが制御機器A,Bの側面A1,B1に密着する。そして、くさび部54が側面A1,B1の上端側に係止し、制振部材補助体53が制御機器A,Bの上面A2,B2側に位置する。
その結果、隣接する2つの制御機器A,Bの間に制御機器用制振部材51が装着されることで、実施例5の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材51は、くさび部54が2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
なお、この実施例5の制御機器用制振部材51は、制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sの大きさにより挿入位置が変位することから、その幅や長さを調整可能としてもよい。即ち、図6に示すように、制御機器用制振部材61は、制御機器用制振部材51と同様に、制振部材本体62と制振部材補助体63が一体に連結されて構成されており、制振部材本体62と制振部材補助体63の連結部にくさび部64が設けられている。
この制御機器用制振部材61は、制振部材本体62に予め縦方向(長さ方向)に沿って切断線C1が形成されており、装着時にこの切断線C1で切断することで、制御機器用制振部材61A,61B,61Cとしてその幅を調整することができる。また、制御機器用制振部材61は、制振部材本体62に予め横方向(幅方向)に沿って切断線C2が形成されており、装着時にこの切断線C2で切断することで、その長さを調整することができる。この場合、制御機器用制振部材61は、制振部材本体62の一部が隣接する制御機器の間に配置していればよいことから、制御機器の間からはみ出した制振部材本体62の一部を除去すればよいものである。
このように実施例5の制御機器用制振部材51にあっては、2つの制御機器A,Bの対向する側面(第1面)A1,B1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体52と、2つの制御機器A,Bの対向しない上面(第2面)A2,B2側に配置されると共に制振部材本体52に連結される制振部材補助体53とから構成し、2つの制御機器A,Bの間に圧入されて係止可能なくさび部54を設けている。
従って、2つの制御機器A,Bは、対向する側面A1,B1の間に制振部材本体52が密着して配置されると共に、対向しない上面A2,B2側にくさび部54が圧入して係止されることで、地震などにより制御機器A,Bに振動が作用しても、この制御機器A,Bの振動が制御機器用制振部材51により吸収される。そのため、制御機器A,B同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,Bの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材51は、制御機器A,Bから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材51が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,Bの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
実施例5の制御機器用制振部材51では、くさび部54を制振部材本体52と制振部材補助体53の連結部に設けている。従って、2つの制御機器A,Bにおける対向する側面A1,B1の間に制振部材本体52が密着して配置されると共に、対向しない上面A2,B2に制振部材補助体が配置されるとき、くさび部54が2つの制御機器A,Bの間に圧入されることとなり、制振部材本体52と制振部材補助体53の適正な装着位置からのずれを防止することができる。
実施例5の制御機器用制振部材61では、制振部材本体62の長さまたは幅が調整可能となっている。従って、制御機器の大きさに応じて制振部材本体62の長さや幅を調整することで、専用部材を製造する必要がなくなり、汎用性を向上して製造コストの増加を防止することができる。
図7は、本発明の実施例6に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例6において、図7に示すように、制御機器用制振部材71は、隣接する2つの制御機器A,Bの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材71は、1つの制振部材本体72と、1つの制振部材補助体73が一体に連結されて構成されている。そして、制御機器用制振部材71は、2つの制御機器A,Bの間に圧入されて係止可能なくさび部74が設けられている。このくさび部74は、制振部材本体72と制振部材補助体73の連結部に設けられている。
制振部材本体72は、2つの制御機器A,Bにおける対向する第1面としての側面A1,B1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体73は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての上面A2と側面B1にそれぞれ沿って配置されている。
そして、この制振部材本体72と制振部材補助体73は、ほぼ直交する方向に一体に連結されており、制振部材本体72と制振部材補助体73の連結部にくさび部74が設けられている。
即ち、2つの制御機器A,Bは、裏面が縦型の基板(図示略)に密着し、図示しないボルトなどにより固定されている。この制御機器A,Bは、側面A1,B1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。この場合、制御機器A,Bは、その高さが相違しており、上面A2に対して上面B2が高い位置に位置している。
制御機器用制振部材71は、弾性部材であって、例えば、ゴム、樹脂などにより構成され、押し出し成形により構成することが好ましい。制振部材本体72は、その厚さが制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sと同等に設定されている。制振部材補助体73は、その幅(厚さ)が制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sより大きく設定されている。そして、制御機器用制振部材71は、制振部材本体72上端部の幅が上方に向かって漸次大きくなるようなくさび部74を介して制振部材補助体73が形成されている。即ち、制御機器用制振部材71は、くさび部74の一側に湾曲形状をなすテーパ部74aが形成され、他側に平坦形状をなす平面部74bが形成されることで、縦断面がL字をなすように構成されている。
従って、2つの制御機器A,Bが基板に固定され、側面A1,B1の間に隙間Sが設けられている状態で、制御機器用制振部材71は、制振部材本体72が上方から2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の間(隙間S)に挿入される。このとき、制振部材本体72の各側面72a,72bが制御機器A,Bの側面A1,B1に密着する。そして、くさび部74が側面A1,B1の上端側に係止し、制振部材補助体73が制御機器A,Bの上面A2,B2側に位置する。
その結果、隣接する2つの制御機器A,Bの間に制御機器用制振部材71が装着されることで、実施例6の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材71は、くさび部74が2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
このように実施例6の制御機器用制振部材71にあっては、2つの制御機器A,Bの対向する側面(第1面)A1,B1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体72と、2つの制御機器A,Bの対向しない上面(第2面)A2,B2側に配置されると共に制振部材本体72に連結される制振部材補助体73とから構成し、2つの制御機器A,Bの間に圧入されて係止可能なくさび部74を設けている。
従って、2つの制御機器A,Bは、対向する側面A1,B1の間に制振部材本体72が密着して配置されると共に、対向しない上面A2,B2側にくさび部74が圧入して係止されることで、地震などにより制御機器A,Bに振動が作用しても、この制御機器A,Bの振動が制御機器用制振部材71により吸収される。そのため、制御機器A,B同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,Bの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材71は、制御機器A,Bから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材71が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,Bの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
図8は、本発明の実施例7に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例7において、図8に示すように、制御機器用制振部材81は、隣接する2つの制御機器A,Bの間に装着されて振動を抑制可能なものである。この制御機器用制振部材81は、1つの制振部材本体82と、2つの制振部材補助体83,84が一体に連結されて構成されている。即ち、実施例7の制御機器用制振部材81は、複数の制振部材補助体83,84が設けられている。
制振部材本体82は、2つの制御機器A,Bにおける対向する第1面としての側面A1,B1にそれぞれ密着して配置されている。制振部材補助体83は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての下面A3,B3にそれぞれ沿って密着して配置されている。制振部材補助体84は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての下面A3,B3にそれぞれ沿って密着して配置されている。
そして、この制振部材本体82と制振部材補助体83,84は、ほぼ直交する方向に一体に連結されている。
即ち、2つの制御機器A,Bは、側面A1,B1同士の間に所定の隙間Sが設けられている。制振部材本体82は、下端部における長手方向の端部に連結部85,86を介して制振部材補助体83,84が連結されている。この連結部85,86は、連結強度を考慮して制振部材補助体83,84側が幅広となるテーパ形状をなしている。そして、連結部85は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての表面A5,B5にそれぞれ沿って密着して配置されている。連結部86は、2つの制御機器A,Bの対向しない第2面としての裏面A4,B4にそれぞれ沿って密着して配置されている。
従って、2つの制御機器A,Bが基板(図示略)に固定され、側面A1,B1の間に隙間Sが設けられている状態で、制御機器用制振部材81は、制振部材本体82が2つの制御機器A,Bにおける側面A1,B1の間(隙間S)に挿入される。このとき、制振部材本体82の各側面82a,82bが制御機器A,Bの側面A1,B1に密着する。また、制振部材補助体83,84は、上面83a,84aが制御機器A,Bの下面A3,B3に密着する。更に、連結部85,86は、は、内上面85a,86aが制御機器A,Bの表面A5,B4及び裏面A4,B4に密着する。
その結果、隣接する2つの制御機器A,Bの間に制御機器用制振部材81が装着されることで、実施例7の制御機器の耐震構造が構成されている。この場合、制御機器用制振部材81は、制振部材本体82が各制御機器A,Bにおける側面A1,B1の隙間Sに圧入されていることから、脱落が防止されている。
このように実施例7の制御機器用制振部材81にあっては、2つの制御機器A,Bの対向する側面(第1面)A1,B1にそれぞれ密着して配置される制振部材本体82と、2つの制御機器A,Bに対向しない表面(第2面)A5,B5及び裏面(第2面)A4,B4にそれぞれ密着して配置されると共に制振部材本体82に連結される制振部材補助体83,84とから構成されている。
従って、2つの制御機器A,Bは、対向する側面A1,B1の間に制振部材本体82が密着して配置されると共に、対向しない表面A5,B5及び裏面A4,B4に制振部材補助体83,84が密着して配置されることで、地震などにより制御機器A,Bに振動が作用しても、この制御機器A,Bの振動が制御機器用制振部材81により吸収される。そのため、制御機器A,B同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,Bの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材81は、制御機器A,Bから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材81が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,Bの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。
図9は、本発明の実施例8に係る制御機器用制振部材を表す概略図である。
実施例8は、図9に示すように、ハウジング100内に7つの制御機器A,B,C,D,E,F,Gが収容された場合の制御機器の耐震構造について説明する。このようにハウジング100内に7つの制御機器A,B,C,D,E,F,Gが収容されている場合、複数の制御機器用制振部材101,102,103,104を用いて制御機器A,B,C,D,E,F,Gの振動を抑制する。
即ち、制御機器A,B,C,Dの間に制御機器用制振部材101を配置する。制御機器C,D,Eの間に制御機器用制振部材102を配置する。制御機器E,Fの間に制御機器用制振部材103を配置する。制御機器E,F,Gの間に制御機器用制振部材104を配置する。また、ハウジング100と制御機器Aとの間に、制御機器Aの移動を拘束する拘束部材111を配置する。ハウジング100と制御機器F(制御機器用制振部材103)との間に、制御機器F,Gの移動を拘束する拘束部材112を配置する。
なお、制御機器用制振部材101,102,103,104は、前述した各実施例で説明した制御機器用制振部材11,21,31,41,51,61,71,81と構成は異なるものの、同様の機能を有するものであり、各制御機器A,B,C,D,E,F,Gの間に装着されて振動を抑制可能なものであって、制振部材本体と制振部材補助体を有している。
従って、各制御機器A,B,C,D,E,F,Gがハウジング100に収容されて固定され、隙間が設けられている状態で、各制御機器用制振部材101,102,103,104は、各制御機器A,B,C,D,E,F,Gに密着することで、振動を抑制する。
このように実施例8の制御機器の耐震構造にあっては、制御機器用制振部材101,102,103,104が制御機器A,B,C,D,E,F,Gの間に配置されることから、地震などにより制御機器A,B,C,D,E,F,Gに振動が作用しても、この制御機器A,B,C,D,E,F,Gの振動が制御機器用制振部材101,102,103,104により吸収される。そのため、制御機器A,B,C,D,E,F,G同士は、互いに接触することはなく、簡単な構成で制御機器A,B,C,D,E,F,Gの振動を適正に抑制することができる。また、制御機器用制振部材101,102,103,104は、制御機器A,B,C,D,E,F,Gから着脱自在であることから、この制御機器用制振部材101,102,103,104が劣化したときに容易に交換することができると共に、制御機器A,B,C,D,E,F,Gの保守点検作業や交換作業などを容易に行うことができる。