JP6138380B2 - 抗菌性被膜、それを備えた物品、抗菌性被膜の形成方法並びに抗菌性被膜形成用の塗布液 - Google Patents

抗菌性被膜、それを備えた物品、抗菌性被膜の形成方法並びに抗菌性被膜形成用の塗布液 Download PDF

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Description

本発明は、物品の表面に対して抗菌性及び抗かび性を付与できる抗菌性被膜、その抗菌性被膜が基材の表面に形成された物品、その抗菌性被膜の形成方法並びに抗菌性被膜形成用の塗布液に関するものである。
物品に抗菌性あるいは抗かび性を付与する方法として、抗菌性あるいは抗かび性を有する被膜を形成する方法が、簡便であり且つ多様な物品を処理できるために好ましく用いられている。例えば、特許文献1には、コロイダルシリカと有機ケイ素化合物との反応で得られる生成物と、抗菌性化合物とを主成分とする抗菌性コーティング用組成物が開示されている。特許文献2には、抗菌作用を有する金属イオンを担持させたゼオライト系固体粒子と、有機高分子体とからなるゼオライト粒子含有高分子体について開示されており、それを抗菌性のペイント又はコーティングに使用できることが記載されている。また、特許文献3には、抗菌性金属成分を含む無機酸化物微粒子を鱗片状基材上に担持してなる抗菌性粉体が開示されており、それを塗料又は樹脂フィルムに使用できることが記載されている。
特開平7−126555号公報 特開昭59−133235号公報 特開2008−56590号公報
従来の抗菌性被膜では、被膜中から抗菌性化合物が徐放されることで、抗菌作用が発現される。しかし、被膜が水に曝された場合、抗菌性化合物が徐々に溶出して失われ、その効果も徐々に失われてしまう。そのため、抗菌作用がより長く持続するように、被膜の材質を工夫することが試みられている。しかし、抗菌作用を発現させるためには、ある程度の抗菌剤の溶出が必要であるため、被膜中に含有できる抗菌剤の量により抗菌作用の持続性にも限界がある。
被膜中に含有される抗菌剤あるいは抗かび剤としては、各種の有機系薬剤、及び金属イオンを放出する無機系薬剤がある。金属イオンを放出する無機系薬剤は、低い添加濃度でも効果が得られるため、比較的長い期間にわたって抗菌作用を付与できる。それでも、被膜が水に頻繁に曝される場合や水洗浄が行われる場合は、抗菌作用の持続性に限界があった。一方で、抗菌作用の持続性を改善するために、無機系薬剤(金属化合物、金属など)の粒径を大きくしたり、添加量を多くしたりすると、被膜の強度及び外観が損なわれたり、徐放に伴う無機系薬剤の形状変化で被膜が劣化したり、また、添加量を多くした分だけ徐放される金属イオンが増えることになり、それによって金属イオンが無駄になったり、過剰な金属イオンにより被膜の着色や周辺部材の劣化を引き起こしたりという問題が生じる。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、強度及び外観を損なわず、水に曝されても長期間にわたり適度な量の抗菌剤を徐放できる抗菌性被膜を提供することを目的とする。
本発明は、0.3μm以上25μm以下の平均粒径を有する塊状金属粒子並びに0.01μm以上5μm以下の厚さ及び5以上200以下のアスペクト比を有する鱗片状金属粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属粒子と、0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカとを含み、前記金属粒子と前記鱗片状シリカとが合計で、前記抗菌性被膜に対して50質量%以上の量で存在し、前記金属粒子が、前記鱗片状シリカに対して2質量%以上50質量%以下の量で存在し、且つ前記金属粒子は、積層された前記鱗片状シリカの中に埋め込まれた状態であることを特徴とする抗菌性被膜である。
本発明によれば、強度及び外観を損なわず、水に曝されても長期間にわたり適度な量の抗菌剤を徐放できる抗菌性被膜を提供することができる。
本発明の実施の形態1による抗菌性被膜の模式断面図である。 本発明の実施の形態2による抗菌性被膜の模式断面図である。 本発明の実施の形態3による抗菌性被膜の模式断面図である。 本発明の実施の形態4による抗菌性被膜の模式断面図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1による抗菌性被膜は、0.3μm以上25μm以下の平均粒径を有する塊状金属粒子並びに0.01μm以上5μm以下の厚さ及び5以上200以下のアスペクト比を有する鱗片状金属粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属粒子と、0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカとを含み、金属粒子と鱗片状シリカとが合計で、抗菌性被膜に対して50質量%以上の量で存在し、金属粒子が、鱗片状シリカに対して2質量%以上50質量%以下の量で存在し、且つ金属粒子は、積層された鱗片状シリカの中に埋め込まれた状態であることを特徴とするものである。
図1は、実施の形態1による抗菌性被膜の模式断面図である。図1において、基材1の表面に、鱗片状シリカ2と金属粒子3とを含む抗菌性被膜10が形成されており、金属粒子3は、積層された鱗片状シリカ2に埋め込まれた状態(鱗片状シリカ2が金属粒子3を包むような状態)となっており、鱗片状シリカ2は、金属粒子3近傍以外では基材1の面方向に配向した状態となっている。鱗片状シリカ2は、その平坦面同士が付着して強固な構造を形成しているために、クラック等が生じにくく、水に曝されても剥離しない。抗菌性被膜10が水に曝された場合、金属粒子3から僅かずつ金属イオンが徐放される。金属イオンの徐放経路は、鱗片状シリカ2の積み重なりの影響で、非常に長いものとなり、徐放速度が適度に抑制される。また、金属粒子3が鱗片状シリカ2の強固な構造中に存在しているために、金属イオンの徐放に伴う金属粒子3の体積減少あるいは酸化による金属粒子3の体積増加が起こっても、抗菌性被膜10の劣化及び徐放特性の変化が起こりにくいという効果が得られる。実施の形態1による抗菌性被膜10は、鱗片状シリカ2と金属粒子3とから構成されているため、樹脂を主成分とし金属粒子を添加した従来の被膜と比べて、金属イオンによる樹脂着色の問題や被膜の破壊を回避することができる。また、そのような従来の被膜では表面に露出していない金属粒子からは金属イオンの徐放が起こりにくいという問題が起こるが、実施の形態1による抗菌性被膜10では、積層された鱗片状シリカ2間が金属イオンの徐放経路となっているため、そのような問題が回避できる。
金属粒子3としては、水中に抗菌作用を有する金属イオンを放出できるものであればよく、銅、銀、ニッケル、コバルト、スズ又はこれらの少なくとも1種を含む合金、例えば、黄銅、青銅、白銅、赤銅、丹銅、洋白、クロム銅、リン青銅等が挙げられる。これらの中でも、抗菌性及び抗かび性が高く且つ人体に対する安全性が高いという観点から、銅、銀又はこれらの少なくとも1種を含む合金が好ましい。
金属粒子3は、塊状金属粒子、鱗片状金属粒子又はこれらの混合物である。なお、ここでの塊状とは、球状、回転楕円体、卵形、板状、針状のもの、あるいはこれらが、結合したり、混合したりしたものである。金属粒子3が塊状金属粒子である場合、0.3μm以上25μm以下の平均粒径を有するものであることが必要であり、0.5μm以上12μm以下の平均粒径を有するものであることが好ましい。塊状金属粒子の平均粒径が0.3μm未満であると、表面積が大きくなる上に、塊状金属粒子を包むように鱗片状シリカ2が配置せずに、鱗片状シリカ2間の狭い隙間に挟まれた状態や鱗片状シリカ2の凝集体の隙間に入り込んだ状態となりやすくなる。そのため、金属イオンの徐放速度が必要以上に大きくなる。一方、塊状金属粒子の平均粒径が25μmを超えると、鱗片状シリカ2が塊状金属粒子を包むような状態となりにくくなる。そのため、被膜にクラックが入りやすくなり、塊状金属粒子が脱落したり、金属イオンの徐放速度を適度に維持することが困難になる。なお、ここでの平均粒径とは、レーザ回折式粒子径分布測定装置により測定した値である。
金属粒子3が鱗片状金属粒子である場合、上述のレーザ回折式粒子径分布測定装置で得られる球体に近似した粒子径ではその特徴を把握できない。鱗片状金属粒子の形状は、顕微鏡による粒子形状の直接観察やその他の方法で把握する必要がある。鱗片状金属粒子としては、0.01μm以上5μm以下の厚さと5以上200以下のアスペクト比(最長径/厚さ)とを有するものであることが必要であり、0.05μm以上3μm以下の厚さと10以上100以下のアスペクト比とを有するものであることが好ましい。鱗片状金属粒子の厚さが0.01μm未満であると、長期間にわたって金属イオンを徐放することが困難になる。一方、鱗片状金属粒子の厚さが5μmを超えると、被膜に欠陥が生じやすくなる。また、鱗片状金属粒子のアスペクト比が5未満であると、鱗片状金属粒子を用いることによる効果が認められない。抗菌性被膜10では、鱗片状金属粒子のアスペクト比が大きくなるに従い被膜による光の反射が強くなり、鱗片状金属粒子の溶解に従い被膜による光の反射が弱くなる。鱗片状金属粒子のアスペクト比が200を超えると、上記した光の反射の変化が大きくなり過ぎるので好ましくない。逆に、この現象を、抗菌性及び抗かび性の指標として積極的に利用することも可能である。
金属粒子3として、上記した鱗片状金属粒子を用いることで、鱗片状金属粒子と鱗片状シリカとが積層するような状態となり、抗菌性被膜10にクラックやボイド等の欠陥が形成されにくくなり、金属イオンを安定して徐放することができる。
鱗片状シリカ2は、0.0005μm以上0.5μm以下の厚さと10以上5000以下のアスペクト比とを有するものであることが必要であり、0.01μm以上0.3μm以下の厚さと20以上3000以下のアスペクト比(最長径/厚さ)とを有するものであることが好ましい。鱗片状シリカ2の厚さが0.0005μm未満であると、被膜形成のための塗布液の調合が困難になる。一方、鱗片状シリカ2の厚さが0.5μmを超えると、十分な被膜強度が得られない。また、鱗片状シリカ2のアスペクト比が10未満であると、鱗片状シリカ2が金属粒子3を包むように配置せずに、金属イオンを安定して徐放することができない。一方、鱗片状シリカ2のアスペクト比が5000を超えると、10未満の場合と同様に、金属イオンを安定して徐放することができない。
抗菌性被膜10には、金属粒子3と鱗片状シリカ2とが合計で50質量%以上含まれることが必要である。金属粒子3と鱗片状シリカ2とが合計で50質量%未満であると、金属粒子3及び鱗片状シリカ2以外の成分(例えば樹脂成分)が多く含まれるため、金属粒子3が積層された鱗片状シリカ2に埋め込まれた状態となりにくくなり、金属イオンの適度な徐放速度を得ることが困難になる。
抗菌性被膜10において、金属粒子3は、鱗片状シリカ2に対して、2質量%以上50質量%以下で含まれることが必要であり、5質量%以上40質量%以下で含まれることが好ましい。金属粒子3の量が2質量%未満であると、十分な抗菌性及び抗かび性が得られない。一方、金属粒子3の量が50質量%を超えると、被膜の物理的な強度が低下する。
なお、ここでの質量割合は、金属粒子3及び鱗片状シリカ2の何れについても、100℃で十分に乾燥して測定した場合の値である。
抗菌性被膜10は、金属粒子3、鱗片状シリカ2及び溶媒を含有する抗菌性被膜形成用の塗布液を基材1に塗布した後、乾燥することにより形成することができる。溶媒としては、水、エタノール、2−プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジグリム類、2−メチルピロリジノン、酢酸、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の塗料に利用される各種溶剤、あるいはこれらの混合物が利用可能である。これらの中でも、安全性が高く且つ低コストであるという観点から、水が好ましい。また、塗布液に含まれる水に対して、2−メチルピロリジノンやジメチルスルホキシド等の高沸点の極性溶剤を1質量%以上20質量%以下の割合で混合することで、基材1(特にプラスチック基材)の表面への塗布性を向上させたり、得られる被膜の強度を向上させることができる。これは、乾燥時にこれらの極性溶剤が最後まで残留することで、鱗片状シリカ2同士あるいは鱗片状シリカ2と基材1とが密着しやすいように配置されやすいためであると考えられる。
塗布液中の鱗片状シリカ2の濃度は、塗布液に対して、0.2質量%以上40質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。鱗片状シリカ2の濃度が0.2質量%未満であると、得られる抗菌性被膜10の膜厚が薄すぎる場合が多い。塗布液を繰り返し塗布した場合でも金属粒子3が抗菌性被膜10中に均一に分布できない場合があるため好ましくない。一方、鱗片状シリカ2の濃度が40質量%を超えると、塗布液の粘度が上がり過ぎ、撹拌や塗布が困難になる場合があるため好ましくない。また、抗菌性被膜10において、金属粒子3は、鱗片状シリカ2に対して、2質量%以上50質量%以下で含まれることが必要であることから、塗布液中の金属粒子3の濃度は、鱗片状シリカ2に対して、2質量%以上50質量%以下であり、好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
必要に応じて、界面活性剤、凝集剤等の添加剤を塗布液に添加してもよい。界面活性剤の添加により、塗布液と基材1とのなじみが改善され、塗布性が向上すると共に、得られる抗菌性被膜10の強度も向上できる。凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム等の一般的なものの他、非イオン性界面活性剤等で凝集作用を有するものがあり、これらを利用することができる。凝集剤を塗布液に微量添加することで、塗布液の分離を抑制したり、基材1上での塗布液の流れを制御したりすることが可能であり、塗布液の扱いやすさを向上することができる。更に、抗菌性被膜10にクラック等の欠陥が生じにくくなるという効果もある。適切な凝集剤の量は、材料によって異なるため明確に定義することは困難であるが、一つの尺度として濁度で判定可能である。凝集剤の添加前の濁度に対し、添加後の濁度が1.2倍以上2倍以下の範囲であると良好な効果が得られる。1.2倍に満たない添加量であると、液の沈降が逆に激しくなる傾向にあり、塗布性の向上効果は殆ど認められない。一方、2倍を超える添加量であると、得られる抗菌性被膜10の膜質が劣化し、金属粒子3の脱落や金属イオンの溶出が多くなってしまう。
塗布液の基材1への塗布は、スプレーコーティング、刷毛塗り、バーコーター、掛け流し等の一般的な方法で行うことができる。これらの中でも、様々な形状の基材1に適用でき且つ簡便であるという点で、スプレーコーティングが好ましい。塗布後の乾燥は常温乾燥でもよいが、赤外線や温風で加熱することで残留溶剤の除去や抗菌性被膜10を硬化させる効果が得られる。
抗菌性被膜10が形成される基材1としては、特に限定されず、抗菌性及び抗かび性が必要とされる物品の種類に応じて適宜選択することができる。基材1の例としては、アルミニウム、ステンレス等の金属基材、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
また、抗菌性被膜10の膜厚は、抗菌性及び抗かび性が必要とされる物品の種類に応じて適宜設定すればよいが、0.1μm以上500μm以下であることが好ましく、0.3μm以上100μm以下であることが更に好ましい。0.1μm未満の膜厚では、物品表面に存在する被膜の量が少なすぎ、抗菌性が十分でなかったり、洗浄や摩擦により抗菌性が失われやすく好ましくない。一方、500μmを超える膜厚では、被膜による着色が大きくなったり、被膜成分の剥離や脱落が起こりやすくなったりして好ましくない。
実施の形態1によれば、強度及び外観を損なわず、水に曝されても長期間にわたり適度な量の金属イオンを徐放できる抗菌性被膜を提供することができる。また、この抗菌性被膜を基材の表面に形成することで、物品の外観を損なうことなく、水に曝されても長期間にわたり抗菌性及び抗かび性を発現することのできる物品を提供することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による抗菌性被膜は、0.3μm以上25μm以下の平均粒径を有する塊状金属粒子並びに0.01μm以上5μm以下の厚さ及び5以上200以下のアスペクト比を有する鱗片状金属粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属粒子と、0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカと、樹脂成分とを含み、金属粒子と鱗片状シリカとが合計で、抗菌性被膜に対して50質量%以上の量で存在し、金属粒子が、鱗片状シリカに対して2質量%以上50質量%以下の量で存在し、樹脂成分が、抗菌性被膜に対して50質量%未満の量で存在し、且つ金属粒子は、積層された鱗片状シリカの中に埋め込まれた状態であることを特徴とするものである。
図2は、実施の形態2による抗菌性被膜の模式断面図である。図2において、基材1の表面に、鱗片状シリカ2と金属粒子3と樹脂成分4とを含む抗菌性被膜20が形成されており、樹脂成分4は、積層された鱗片状シリカ2の隙間などに分散した状態となっており、金属粒子3は、積層された鱗片状シリカ2に埋め込まれた状態(鱗片状シリカ2が金属粒子3を包むような状態)となっており、鱗片状シリカ2は、金属粒子3近傍以外では基材1の面方向に配向した状態となっている。抗菌性被膜20に樹脂成分4を含有させることで、基材1(特にプラスチック基材)に対する密着性が向上したり、抗菌性被膜20の耐摩耗性が向上するという効果が得られる。これは、樹脂成分4が鱗片状シリカ2と基材1とのバインダーとなったり、樹脂成分4が鱗片状シリカ2同士のバインダーとなり、摩擦等による強い変形圧力を受けた場合に弾性変形しやすくなるためであると考えられる。
樹脂成分4は、抗菌性被膜20に対して、50質量%未満の量で含まれることが必要であり、1.0質量%以上50質量%未満の量で含まれることが好ましい。樹脂成分4が50質量%未満であれば、鱗片状シリカ2の隙間を通しての金属イオンの徐放を阻害することはなく、実施の形態1と同様に、金属イオンを安定して徐放することができると共に、抗菌性被膜20の劣化が起こりにくいという効果が得られる。また、樹脂成分4は金属イオンにより劣化しやすいが、樹脂成分4が50質量%未満であれば、金属イオンによる膜物性の低下はほとんど顕在化しない。
特に、樹脂成分4が微量、具体的には1.0質量%以上20質量%以下含まれると、樹脂成分4が鱗片状シリカ2間に介在し、鱗片状シリカ2の隙間を適度に拡げ、金属イオンの徐放を促進する効果が得られる。一方、樹脂成分4が50質量%以上であると、金属イオンの適度な徐放速度を得ることが困難になる。すなわち、樹脂成分4が多すぎる場合には、鱗片状シリカ2が金属粒子3を包むように配置しにくくなったり、鱗片状シリカ2同士が配向した状態となりにくくなるためである。
樹脂成分4としては、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン、フッ素樹脂等が挙げられる。塗布時あるいは塗布直後のハンドリング性が良好であるという観点から、これらの少なくとも1種の樹脂を含むエマルジョン及びこれらの少なくとも1種の樹脂を水に分散させたディスパージョンを用いることが好ましい。
抗菌性被膜20は、金属粒子3、鱗片状シリカ2、樹脂成分4及び溶媒を含有する抗菌性被膜形成用の塗布液を基材1に塗布した後、乾燥することにより形成することができる。樹脂成分4を含有する塗布液の乾燥は、被膜の強度を向上させるという点から加熱により行うことが好ましい。好ましい乾燥条件は、40℃以上150℃以下で1分以上60分以下である。
塗布液の調製方法及び塗布方法は、実施の形態1と同様の方法を適用できるが、樹脂成分4を含有する塗布液は粘度が大きくなりやすく、抗菌性被膜20が厚く形成されやすくなるので、塗布液中の各成分の濃度を調整することが好ましい。具体的には、塗布液中の固形分が、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上25質量%以下であることが更に好ましい。固形分が0.1質量%未満であると、得られる抗菌性被膜20が薄くなりやすいため好ましくない。一方、固形分が30質量%を超えると、塗布液の粘度が上がり過ぎ、得られる抗菌性被膜20が厚くなりやすいため好ましくない。なお、ここでの固形分は、120℃で十分に乾燥した時の残留重量から求める値である。
なお、実施の形態2では、使用する金属粒子3、鱗片状シリカ2、基材1、溶媒、好ましい抗菌性被膜20の膜厚等は、実施の形態1で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3による抗菌性被膜は、実施の形態1又は2の抗菌性被膜を覆うように、0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカからなる上塗り層を形成したことを特徴とするものである。
図3は、実施の形態3による抗菌性被膜の模式断面図である。図3において、基材1の表面に、鱗片状シリカ2と金属粒子3とを含む実施の形態1による抗菌性被膜10が形成されており、その表層に鱗片状シリカ2からなる上塗り層5が更に形成されて一体化し、抗菌性被膜30となっている。上塗り層5を形成することで、抗菌性被膜10の表層の存在する凹凸が平坦化されるという効果が得られる。抗菌性被膜10の表層に凸部が存在すると、表層を擦った時などに局所的に力が働き、抗菌性被膜10が破壊されやすい。表層が破壊されると金属粒子3の露出や脱離が起こり、金属イオンを安定して徐放できなくなる。上塗り層5を表層に形成することで、このような破壊を抑制できる。また、上塗り層5は、抗菌性被膜10よりも強度的に優れるため、耐摩耗性が更に向上する。
上塗り層5は、鱗片状シリカ2を溶媒に分散させた塗布液を塗布した後、乾燥することにより形成することができる。この塗布液の塗布は、抗菌性被膜10を形成するための塗布液を基材に塗布し、溶媒が蒸発した後であればいつでも可能である。抗菌性被膜10を硬化させる場合は、上塗り層5を形成した後に加熱等を行うことが好ましい。抗菌性被膜10を加熱等により硬化させた後に、上塗り層5を形成する場合、抗菌性被膜10と上塗り層5との間に密着性の低い境界部分が形成され、剥離等が起こる場合がある。
上塗り層5を形成するための塗布液の鱗片状シリカ2及び溶媒としては、実施の形態1で例示したものと同様のものが使用できる。塗布液中の鱗片状シリカ2の濃度は、0.1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上15質量%以下であることが更に好ましい。鱗片状シリカ2の濃度が0.1質量%未満であると、上塗り層5の膜厚が薄くなり過ぎて効果が得られない。一方、鱗片状シリカ2の濃度が25質量%を超えると、上塗り層5の膜厚が厚くなり過ぎて、金属イオンの徐放が阻害される場合があるため好ましくない。
上塗り層5の膜厚は、金属イオンの徐放を阻害せずに耐摩耗性を向上させる観点から、0.05μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることが更に好ましい。
なお、図3では、実施の形態1による抗菌性被膜10を覆うように、上塗り層5を形成した場合について説明したが、実施の形態2による抗菌性被膜20を覆うように、上塗り層5を形成しても同様の効果が得られる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4による抗菌性被膜は、実施の形態1〜3の何れかの抗菌性被膜と基材との間に、樹脂成分と0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカとからなる下塗り層を形成したことを特徴とするものである。
図4は、実施の形態4による抗菌性被膜の模式断面図である。図4において、基材1の表面に、樹脂成分4と鱗片状シリカ2とからなる下塗り層6が形成され、その上に鱗片状シリカ2と金属粒子3とを含む実施の形態1による抗菌性被膜10が形成されて一体化し、抗菌性被膜40となっている。基材1がプラスチック基材である場合や、基材1の表面が汚染されていたり、劣化したりしている場合には、抗菌性被膜10は、界面で剥離することがある。下塗り層6を抗菌性被膜10と基材1との間に形成することで、このような剥離を抑制できる。
下塗り層6は、鱗片状シリカ2、樹脂成分4及び溶媒を含有する塗布液を基材1に塗布した後、乾燥することにより形成することができる。塗布液の調製方法及び塗布方法は、実施の形態1及び2と同様の方法を適用できる。
下塗り層6を形成するための塗布液の鱗片状シリカ2及び溶媒としては、実施の形態1で例示したものと同様のものが使用できる。また、下塗り層6を形成するための塗布液の樹脂成分4としては、実施の形態2で例示したものと同様のものが使用できる。塗布液中の樹脂成分4の濃度は、鱗片状シリカ2の質量の0.5倍以上10倍以下であることが好ましく、1倍以上3倍以下であることが更に好ましい。樹脂成分4の濃度が0.5倍未満であると、下塗り層6と基材1との間の密着性向上の効果が十分に得られない。樹脂成分4の濃度が10倍を超えると、下塗り層6と抗菌性被膜10との間の密着性が十分に得られない場合が多いため好ましくない。塗布液中の樹脂成分4の濃度が上記範囲内であれば、下塗り層6は、基材1及び抗菌性被膜10の両方に対して高い親和性を示し、被膜全体としての密着性、ひいては被膜の強度を向上することができる。なお、ここでの質量は、120℃で十分に乾燥した状態での測定値である。
下塗り層6は、厚すぎると基材表面の色調等を変化させたりすることがあるため、効果が得られるための必要最小限の膜厚とすることが好ましく、その膜厚は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.2μm以上2μm以下であることが更に好ましい。
なお、図4では、実施の形態1による抗菌性被膜10と基材1との間に、樹脂成分4と鱗片状シリカ2とからなる下塗り層6を形成した場合について説明したが、実施の形態2による抗菌性被膜20と基材1との間あるいは実施の形態3による抗菌性被膜30と基材1との間に、樹脂成分4と鱗片状シリカ2とからなる下塗り層6を形成しても同様の効果が得られる。
<実施例1>
約0.1μmの厚さ及び約5μmの最長径(アスペクト比=約50)を有する鱗片状銀粒子(福田金属箔粉工業株式会社製Ag−XF301)を1.0質量%、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を2.5質量%含む水分散液を調製した。
この水分散液をガラス板上にスプレーにて塗布し、室温で十分に乾燥させて、ガラス板上に厚さ約0.8μmの抗菌性被膜を形成した(鱗片状銀粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して100質量%の量で存在し、鱗片状銀粒子が鱗片状シリカに対して40質量%の量で存在する)。
このサンプルを、室温の流水中に3日間曝した後、JIS Z 2911に従って抗かび試験を実施した。また、水洗前後の外観の変化を目視にて評価した。これらの結果を表1に示す。
なお、抗かび試験は、下記基準に従って評価した。
0:肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない
1:肉眼ではかびの発育が認められないが、顕微鏡下ではかびの発育が明らかに認められる
2:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満である
3:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上50%未満である
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上である
5:菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている
<実施例2>
鱗片状銀粒子の代わりに、約0.2μmの厚さ及び約3μmの最長径(アスペクト比=15)を有する鱗片状青銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製No.7770)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス板上に厚さ約1.0μmの抗菌性被膜を形成した(鱗片状青銅粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して100質量%の量で存在し、鱗片状青銅粒子が鱗片状シリカに対して40質量%の量で存在する)。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
鱗片状銀粒子の代わりに、0.4μmの平均粒径を有する塊状銅粒子(住友金属鉱山株式会社製CUP−030)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス板上に厚さ約1.2μmの抗菌性被膜を形成した(銅粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して100質量%の量で存在し、銅粒子が鱗片状シリカに対して40質量%の量で存在する)。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
エチルシリケートの塩酸加水分解液に、約0.1μmの厚さ及び約5μmの最長径(アスペクト比=約50)を有する鱗片状銀粒子(福田金属箔粉工業株式会社製Ag−XF301)が1.0質量%となるように添加して水分散液を調製した。
この水分散液をガラス板上にスプレーにて塗布し、120℃で1時間加熱乾燥させて、ガラス板上に厚さ約0.5μmの被膜を形成した。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
鱗片状シリカの代わりに、球状シリカであるコロイダルシリカ(平均粒径12nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス板上に厚さ約0.3μmの被膜を形成した。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
鱗片状銀粒子の代わりに、平均粒径0.1μmの球状銀粒子(シグマ−アルドリッチ製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス板上に厚さ約0.6μmの被膜を形成した。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
<比較例4>
未処理のガラス板を、室温の流水中に3日間曝した後、JIS Z 2911に従って抗かび試験を実施した。また、水洗前後の外観の変化を目視にて評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0006138380
表1から分かるように、各実施例では高い抗かび性が認められたのに対し、各比較例では抗かび性は非常に低かった。比較例1では、緻密なシリカ膜が形成されるため、金属イオンの徐放が良好に行われなかったと考えられる。比較例2では、球状シリカを用いため、水洗時の金属イオンの流出が激しかったと考えられる。比較例3では、球状銀粒子の平均粒径が小さ過ぎるため、水洗で金属イオンが枯渇したと考えられる。実施例1〜3は、これらの問題がすべて解消されていることを示している。
<実施例4>
実施例3と同様にして抗菌性被膜を形成した後、加重80g/cm2で不織布を被膜表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを、室温の流水中に3日間曝した後、JIS Z 2911に従って抗かび試験を実施した。また、摩擦前後の外観の変化を目視にて評価した。これらの結果を表2に示す。
<実施例5>
実施例1と同様にして抗菌性被膜を形成した後、被膜表面に、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を1.0質量%含む水分散液をスプレーにて塗布し、室温で十分に乾燥させて、厚さ約0.2μmの上塗り層を形成した。次いで、加重80g/cm2で不織布を上塗り層表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例6>
実施例1の抗菌性被膜を形成する代わりに、実施例2の抗菌性被膜を形成したこと以外は実施例5と同様にしてサンプルを作製した。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例7>
実施例1の抗菌性被膜を形成する代わりに、実施例3の抗菌性被膜を形成したこと以外は実施例5と同様にしてサンプルを作製した。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
<実施例8>
実施例3と同様にして抗菌性被膜を形成した後、被膜表面に、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を3.0質量%含む水分散液をスプレーにて塗布し、室温で十分に乾燥させて、厚さ約0.5μmの上塗り層を形成した。次いで、加重80g/cm2で不織布を上塗り層表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006138380
表2から分かるように、上塗り層を形成していない実施例4では、摩擦試験後に被膜が摩耗して、白濁が僅かに薄くなった上に、抗かび性も劣化した。実施例8では、鱗片状シリカからなる上塗り層を形成したため、耐摩耗性は良好であるが、上塗り層の膜厚が厚いため、抗かび性は実施例4と同等であることが分かる。実施例5〜7では、適度な膜厚を有する上塗り層を形成したため、耐摩耗性が向上し、抗かび性の劣化も抑制されている。
<実施例9>
0.4μmの平均粒径を有する塊状銅粒子(住友金属鉱山株式会社製CUP−030)を1.0質量%、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を2.5質量%、変性ポリオレフィン樹脂水性分散液(ユニチカ株式会社製アローベース(登録商標)SD−1010)を固形分で2.5質量%を含む水分散液を調製した。
この水分散液をガラス板上にスプレーにて塗布し、80℃で10分間加熱乾燥させて、ガラス板上に厚さ約1.5μmの抗菌性被膜を形成した(塊状銅粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して約58質量%の量で存在し、塊状銅粒子が鱗片状シリカに対して40質量%の量で存在する)。次いで、加重80g/cm2で不織布を被膜表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表3に示す。
<実施例10>
0.4μmの平均粒径を有する塊状銅粒子(住友金属鉱山株式会社製CUP−030)を1.0質量%、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を2.5質量%、ポリウレタンエマルジョン(株式会社トクシキ製TKA−100)を固形分で2.5質量%を含む水分散液を調製した。
この水分散液をガラス板上にスプレーにて塗布し、100℃で15分間加熱乾燥させて、ガラス板上に厚さ約1.2μmの抗菌性被膜を形成した(塊状銅粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して約58質量%の量で存在し、塊状銅粒子が鱗片状シリカに対して40質量%の量で存在する)。次いで、加重80g/cm2で不織布を被膜表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表3に示す。
<比較例5>
0.4μmの平均粒径を有する塊状銅粒子(住友金属鉱山株式会社製CUP−030)を1.0質量%、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を2.5質量%、変性ポリオレフィン樹脂水性分散液(ユニチカ株式会社製アローベース(登録商標)SD−1010)を固形分で4.0質量%を含む水分散液を調製した。
この水分散液をガラス板上にスプレーにて塗布し、80℃で10分間加熱乾燥させて、ガラス板上に厚さ約1.2μmの抗菌性被膜を形成した(塊状銅粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して約47質量%の量で存在し、塊状銅粒子が鱗片状シリカに対して40質量%の量で存在する)。次いで、加重80g/cm2で不織布を被膜表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表3に示す。
<比較例6>
約50μmの平均粒径を有する塊状銅粒子(株式会社高純度化学研究所製)を1.0質量%、約0.1μmの厚さ及び約1.5μmの最長径(アスペクト比=約15)を有する鱗片状シリカ(AGCエスアイテック株式会社製サンラブリー(登録商標)LFS−150)を5.0質量%、変性ポリオレフィン樹脂水性分散液(ユニチカ株式会社製アローベース(登録商標)SD−1010)を固形分で5.0質量%を含む水分散液を調製した。
この水分散液をガラス板上にスプレーにて塗布し、80℃で10分間加熱乾燥させて、ガラス板上に厚さ約5.0μmの抗菌性被膜を形成した(塊状銅粒子と鱗片状シリカとが合計で抗菌性被膜に対して約55質量%の量で存在し、塊状銅粒子が鱗片状シリカに対して20質量%の量で存在する)。次いで、加重80g/cm2で不織布を被膜表面に押しつけて10往復擦った。
このサンプルを実施例4と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006138380
表3から分かるように、実施例9及び10では、摩擦試験後も被膜の外観は変化せず、高い耐摩耗性が得られている。実施例4と実施例9及び10との対比から、樹脂成分の添加により耐摩耗性が向上していることが分かる。更に、実施例9及び10では、摩擦試験後も高い抗かび性が維持されていることが分かる。一方、比較例5では、樹脂成分を被膜に対して50質量%以上添加したため、抗かび性が損なわれている。比較例6では、摩擦試験で塊状銅粒子が脱落し抗かび性が得られなかった。これは、塊状銅粒子が大きいため膜中から脱落しやすいためである。
<実施例11>
実施例9と同様の水分散液を調製した。
この水分散液を、ルームエアコン(三菱電機株式会社製霧ヶ峰(登録商標)MSZ−HM363)の筺体の凝結水が流れる部分(ポリスチレン製)の下流側半分に、掛け流しにて塗布し、室温で十分に乾燥させて、厚さ約1.5μmの抗菌性被膜を形成した。この凝結水が流れる部分は、断面が円弧となる溝形状を有しており、熱交換機から滴下される凝結水を受け止めるとともに、上流側から下流側に向けて凝結水が流れるように勾配が設けられている。抗菌性被膜を下流側に形成した理由は、凝結水が、抗菌性被膜を形成していない部分を流れた後に抗菌性被膜を形成した部分を流れるようにするためである。
A宅、B宅及びC宅の一般家庭内にルームエアコンを設置し、夏季3ヶ月間(6月15日〜9月15日)冷房運転を行った。凝結水が流れる部分を、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製CM−600d)を用いて測定し、未使用品との色差ΔE*abを求めた。このΔE*abを汚れの指標とした。結果を表4に示す。
Figure 0006138380
表4から分かるように、抗菌性被膜を形成していない部分に比べ、抗菌性被膜を形成した部分は明らかに着色が少なかった。通常、凝結水が流れる部分は、微生物繁殖による汚れ付着が激しいが、本発明の抗菌性被膜を形成することによりそれが抑制されることが示された。
なお、本国際出願は、2015年5月15日に出願した日本国特許出願第2015−099824号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本国際出願に援用する。
1 基材、2 鱗片状シリカ、3 金属粒子、4 樹脂成分、5 上塗り層、6 下塗り層、10,20,30,40 抗菌性被膜。

Claims (11)

  1. 0.3μm以上25μm以下の平均粒径を有する塊状金属粒子並びに0.01μm以上5μm以下の厚さ及び5以上200以下のアスペクト比を有する鱗片状金属粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属粒子と、
    0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカと
    を含んだ抗菌性被膜であって
    前記金属粒子と前記鱗片状シリカとが合計で、前記抗菌性被膜に対して50質量%以上の量で存在し、
    前記金属粒子が、前記鱗片状シリカに対して2質量%以上50質量%以下の量で存在し、且つ
    前記金属粒子は、複数の前記鱗片状シリカで包み込まれた状態であることを特徴とする抗菌性被膜。
  2. 前記金属粒子を包み込んだ鱗片状シリカ以外の鱗片状シリカは、その平坦面が前記抗菌性被膜が形成される基材の面方向に配向した状態であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性被膜。
  3. 前記金属粒子が、銅、銀又はこれらの少なくとも1種を主成分とする合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性被膜。
  4. 樹脂成分を前記抗菌性被膜に対して50質量%未満含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の抗菌性被膜。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の抗菌性被膜が基材の表面に形成されていることを特徴とする物品。
  6. 前記抗菌性被膜を覆うように、0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカからなる上塗り層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の物品。
  7. 前記抗菌性被膜と前記基材との間に、樹脂成分と0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカとからなる下塗り層が形成されていることを特徴とする請求項又はに記載の物品。
  8. 0.3μm以上25μm以下の平均粒径を有する塊状金属粒子並びに0.01μm以上5μm以下の厚さ及び5以上200以下のアスペクト比を有する鱗片状金属粒子からなる群から選択される少なくとも1種の金属粒子と、
    0.0005μm以上0.5μm以下の厚さ及び10以上5000以下のアスペクト比を有する鱗片状シリカと、
    溶媒と
    を含んだ抗菌性被膜形成用の塗布液であって、
    前記金属粒子が、前記鱗片状シリカに対して2質量%以上50質量%以下の量であり、且つ
    形成される抗菌性被膜に対して、前記金属粒子と前記鱗片状シリカとが合計で50質量%以上の量であることを特徴とする抗菌性被膜形成用の塗布液。
  9. 前記金属粒子が、銅、銀又はこれらの少なくとも1種を主成分とする合金であることを特徴とする請求項に記載の抗菌性被膜形成用の塗布液。
  10. 樹脂成分を更に含み、前記塗布液中の固形分が0.1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項又はに記載の抗菌性被膜形成用の塗布液。
  11. 請求項10の何れか一項に記載の抗菌性被膜形成用の塗布液を基材の表面に塗布する工程と、
    塗布された前記塗布液を乾燥する工程と
    を備えることを特徴とする抗菌性被膜の形成方法。
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