JP6138369B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
そして、このサクションフィルタを通過、あるいは、燃料ポンプを構成するモーター部で発生するブラシ、コンミテータなどの摩耗粉を含めた夾雑物に対しては、燃料ポンプの下流側(燃料流路で見て、燃料ポンプの次段という意味)に配設した高圧フィルタ、例えば紙製の濾過エレメントで捕捉することが広く知られている。
サクションフィルタは、吸入口の周囲空間を囲む保持部材に繊維網で形成されたフィルタ部材が取り付けられた構成になっている。
燃料タンクに加えられた衝撃が燃料ポンプに伝達され、燃料ポンプが損傷を受けることを防ぐため、保持部材の長手方向の軸材を弾性体で形成して燃料タンクの衝撃を吸収できる構成とし、燃料ポンプ吸入口下面と燃料タンク底面に一定間隙をとっている。
且つ、燃料残量が少ない時に車両が傾斜したり旋回して燃料が燃料タンク内で片寄っても、間隙に対応する量の燃料を有効に利用することができるように、サクションフィルタの先端側を燃料タンク底面に接触するように装着する対策が講じられている(例えば、特許文献1参照)。
一方で近年自動車用燃料タンクについては、軽量化による省エネルギー推進、タンクとしてのトータルコスト削減等により樹脂化が進んできている。
しかし、樹脂タンクは各種の外力が作用した際の変形量が大きいため、接触損傷回避のための燃料ポンプ吸入口下面と燃料タンク底面との隙間を大きく取る必要がある。
そのため、燃料残量が少ない時にサクションフィルタの燃料に浸漬しない部分が増加し燃料の吸上げ性が悪化する、という欠点があった。
この構造によりプレートはフランジに対して燃料タンク天地方向、つまり図1における上下方向における離間距離が調節可能となっており、スプリングの付勢力により燃料ポンプは常に燃料タンク底面に押し付けられた状態で配置されることになる。
この構成では燃料タンクに各種の外力が作用した際の燃料タンク変形時でも、燃料ポンプ吸入口下面と燃料タンク底面との距離が一定に保たれるため、燃料残量が少ない時にサクションフィルタの燃料に浸漬しない部分が増加することも無く、燃料の吸上げ性が悪化し難い。
しかし、この構成はポンプモジュール全体を燃料タンク底面に押し付けるため、複雑な構造となり、ポンプモジュールのトータルコスト増加に繋がる、という欠点があった。
この構造により、スプリングの弾発力によって可動側吸入管と燃料フィルタが下方へ付勢される。
図3では固定側吸入管と可動側吸入管との間の対向側面がOリングによってシールされることにより液密状態を確保している。
図5では吸入管としてベローズ形伸縮管を使用しており、スプリングを用いずにベローズ形伸縮管の弾性により燃料フィルタは下方へ付勢される。
これらの構成により、燃料ポンプ装置をタンク深さの異なる各種の燃料タンクにそのまま配置することができ、また燃料タンクが変形したり収縮したりしても吸入管全体の長さが自動的に変わるので、吸入管の折損や燃料ポンプ本体の破損を起こさず、安全性及び耐久性が向上する。
しかし、この構成は燃料ポンプ本体の吸込口と燃料フィルタを接続する吸入管に弾性構造を具備し、且つ液密性を確保するために吸入管にOリングを使用することから、吸入管の摺動性が悪くなり、スプリングの弾発力が弱い場合、燃料タンク収縮時には摺動出来ても、燃料タンク拡張時には摺動し難い。
逆にスプリングの弾発力が強い場合、燃料タンク拡張時には摺動出来ても、燃料タンク収縮時には摺動し難く、吸入管の折損や燃料ポンプ本体の破損に繋がる。
このように燃料タンクの動的変形に追従出来ず、燃料フィルタの下面を燃料タンクの底部壁に十分接触させることが出来ない、という欠点があった。
前記フィルタホルダは、前記サクションフィルタを保持する剛体部と、前記剛体部を前記燃料ポンプに弾性的に接続すると共に、前記剛体部を前記燃料タンクの底面側に付勢し、前記剛体部の一部を前記燃料タンクの底面に当接させる弾性部材とを有し、前記サクションフィルタの底面を前記燃料タンクの底面に接触させた状態で、前記サクションフィルタの前記燃料タンクの底面に対する位置を固定する。
図1において、燃料供給装置101は、大別すると、上側ケース1a、図示しないインジェクタへの燃料ホースなどが接続される吐出パイプ1b、リターン配管1c、およびコネクタ1dを一体成形によって具備する絶縁性樹脂であるフランジ1、上側ケース1aと固着されることでフィルタケース15を形成する、やはり絶縁性樹脂である下側ケース2、この下側ケース2と例えばスナップフィットで係合され、後述する燃料ポンプを保持するポンプホルダ3、後述する燃料タンク底面に付勢される剛体部4aを具備し、弾性部材4bによりポンプホルダ3に対して弾性接続となるように配設されるフィルタホルダ4、このフィルタホルダ4に装着されるサクションフィルタ5、後述する燃料ポンプの吸入口とサクションフィルタ5の出口開口5aを接続する自在変形可能な可撓性の接続管6、および下側ケース2の側面に装着され、後述する燃料タンク内の燃料の油面を検出するフロート7aを備えた液面検出器7により構成されている。
なお、コネクタ1dからのリード線8は、燃料ポンプと接続される駆動用、液面検出器7と接続される信号用および後述するアース用が具備されていることは周知の通りである。
また、フィルタホルダ4、接続管6は、ポリアセタールやポリイミド等の樹脂で形成されている。
なお、サクションフィルタ5にて燃料タンク102内の夾雑物を取り除き、取り切れなかったもの、あるいは、燃料ポンプ9を構成する図示しないブラシ、コンミテータなどの摩耗粉を含めた夾雑物は、高圧フィルタ10にて捕捉することは周知の通りである。
また、プレッシャーレギュレータ11によって、インジェクタに供給される燃料の圧力が所定値に保たれることも、やはり周知の通りである。
燃料の圧力が所定値に保たれた結果、余剰となった燃料は、リターン配管1cを経由して、プレッシャーレギュレータ11より排出されポンプホルダ3の開口部3aに達する。
なお、フランジ1、フィルタケース15、ポンプホルダ3、燃料ポンプ9、高圧フィルタ10、プレッシャーレギュレータ11等により、ポンプモジュールが構成される。
そして、フィルタホルダ4は、サクションフィルタ5を保持する剛体部4aと、この剛体部4aを燃料ポンプ9に弾性的に接続すると共に、剛体部4aを燃料タンク102の底面102b側に付勢するコイルばね等の弾性部材4bとを有している。
更に、可撓性の接続管6は、一端をフィルタホルダ4の剛体部4aに固定されたサクションフィルタ5の出口開口5aに接続され、他端を燃料ポンプ9の吸入口9bに接続されている。
このような構成により、フィルタホルダ4の弾性部材4bの弾性力により、フィルタホルダ4に具備された剛体部4aが燃料タンク102の底面102bに付勢されており、サクションフィルタ5の底面5bは燃料タンク102の底面102bに接してはいるものの、燃料タンク102の底面102bからの付勢力はサクションフィルタ5の底面5bには働くことがないようになっている。
上側ケース1aの紙面上、下側から高圧フィルタ10を挿入し、上側ケース1aの天井に当接させることで、この高圧フィルタ10と吐出パイプ1bが連通するとともに、上側ケース1aと高圧フィルタ10の下端面同士が面一(ツライチ)となる。
この下端面に下側ケース2を、例えば熱板溶着することで、上側ケース1aと下側ケース2の固着はもとより、高圧フィルタ10も固着されることから、前述したように、上側ケース1aと下側ケース2を固着させることで形成させるものをフィルタケース15と呼んでいる。
なお、この高圧フィルタ10のエレメント10aを燃料が通過する際、静電気が発生するが、この静電気はエレメント10aが挟着される、導電性樹脂で成形された内筒10bに蓄えられるため、前述した熱板溶着のときに、やはり導電性樹脂で成形された図示しない端子部材を、フィルタケース15から露出するように、内筒10bと溶着させ、この端子部材に前述したアース線を接続すれば、静電気を容易に放散することができ好ましい。
この係合により、プレッシャーレギュレータ11がポンプホルダ3に保持されるとともに、燃料ポンプ9の吐出口9aに冠着された接続管14が、下側ケース2に設けた燃料吸入口2cに液密に嵌着されることになる。
この燃料吸入口2cはエレメント10aに連通している。
これに、液面検出器7を装着し、リード線8をコネクタ1dに接続することで、図1で説明した、燃料供給装置101が組み上がる。
すなわち、図示しないバッテリーからコネクタ1d、リード線8を介して、燃料ポンプ9に電流が供給されると、燃料ポンプ9内の図示しないシャフトを回転軸として、やはり図示しないインペラとともに回転する。
この回転に伴い、燃料タンク102内の燃料103は、サクションフィルタ5で夾雑物が取り除かれたのち、可撓性の接続管6を通って、吸入口9bから導入、および加圧された後、吐出口9aから吐出される。
この吐出された加圧燃料は、エレメント10aに導入され、ここで、サクションフィルタ5を通過、あるいは、ブラシなどの摩耗粉を含めた夾雑物を捕捉したのち、吐出パイプ1bを介してインジェクタに供給される。
そして、前述したように、インジェクタに供給される燃料の圧力は、プレッシャーレギュレータ11によって所定値に保たれるとともに、この所定値に保った結果、余剰となった燃料は、リターン配管1cを経由して、プレッシャーレギュレータ11より排出される。この排出された燃料は、再度サクションフィルタ5を介して吸い上げられることになる。
また、更なる燃料吸上げ性向上のためには、サクションフィルタ5の全体を燃料に浸漬させ、余分なベーパ、エアの吸込みを低減させる必要があるが、本発明では、サクションフィルタ5の底面5bが燃料タンク102の底面102bに接しながら、且つ各種の外力が燃料タンク102に作用した際に燃料タンク102が拡張したり収縮したりしても、フィルタホルダ4の弾性部材4bの弾性力により、フィルタホルダ4に具備された剛体部4aが燃料タンク102の底面102bに常に付勢されることから、燃料残量が少ない時でも、サクションフィルタ5の底面5bを燃料タンク102の底面102bに接触させるだけではなく、サクションフィルタ5の全体を燃料に浸漬させることが出来、安定した燃料吸上げ性を確保することが出来る。
1c リターン配管、1d コネクタ、2 下側ケース、
2a リターン流路終端、2b 係合突起、2c 燃料吸入口、
3 ポンプホルダ、3a 開口部、3b 内底、3c 係合孔、
3d 底面、4 フィルタホルダ、4a 剛体部、4b 弾性部材、
4c 底面、5 サクションフィルタ、5a 出口開口、5b 底面、
6 接続管、6a 一端、6b 他端、7 液面検出器、
7a フロート、8 リード線、9 燃料ポンプ、9a 吐出口、
9b 吸入口、10 高圧フィルタ、10a エレメント、
10b 内筒、11 プレッシャーレギュレータ、
12 クッションラバー、13 Oリング、14 接続管、
15 フィルタケース、101 燃料供給装置、102 燃料タンク、
102a 開口部、102b 底面、103 燃料。
Claims (3)
- 燃料タンクの上部開口に装着され、前記燃料タンクの燃料を高圧フィルタを介して吐出させる燃料ポンプと、
前記燃料タンクの底部に配置され、前記燃料タンクの燃料を前記燃料ポンプに吸い込む前に濾過するサクションフィルタと、
前記燃料ポンプと前記サクションフィルタとの間に配設され、前記燃料ポンプに対して前記サクションフィルタを弾性的に保持するフィルタホルダと、
前記サクションフィルタの出口開口と前記燃料ポンプの吸入口とを弾力的に接続する可撓性の接続管とを備え、
前記フィルタホルダは、
前記サクションフィルタを保持する剛体部と、
前記剛体部を前記燃料ポンプに弾性的に接続すると共に、前記剛体部を前記燃料タンクの底面側に付勢し、前記剛体部の一部を前記燃料タンクの底面に当接させる弾性部材とを有し、
前記サクションフィルタの底面を前記燃料タンクの底面に接触させた状態で、前記サクションフィルタの前記燃料タンクの底面に対する位置を固定する
ことを特徴とする燃料供給装置。 - 前記接続管は、一端を前記剛体部に固定された前記サクションフィルタの出口開口に接続され、他端を前記燃料ポンプの吸入口に接続されていることを特徴とする請求項1記載の燃料供給装置。
- 前記燃料ポンプは、前記高圧フィルタを収容するフィルタケースの下方に配設されると共に、前記フィルタケースは前記燃料タンクの上部開口に装着されるフランジと一体成型されていることを特徴とする請求項1または2記載の燃料供給装置。
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