以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルカメラの外観斜視図、図1(b)は図1(a)に示すデジタルカメラのバリアを閉じた状態を示す外観斜視図である。図2(a)は図1(a)に示すデジタルカメラを底面側から見た斜視図、図2(b)はデジタルカメラの底面側のスタンドを開いた状態を示す斜視図である。なお、本実施形態では、撮像装置として、小型且つ上下方向に薄型のフラットカムと称するデジタルカメラを例示する。
図1に示すように、本実施形態のデジタルカメラは、カメラ本体1の正面側(被写体側)にレンズユニット10の1群レンズ101aがバリア開口部501から被写体側に凸面が露出して配置される。ここで、1群レンズ101aは、本発明の撮影レンズの一例に相当する。
1群レンズ101aは、レンズ保護部材としてのバリア102により覆われる。バリア102は、カメラ本体1の側部に設けられた電源レバー103の操作に連動して、矩形状のバリア開口部501を閉じて1群レンズ101aを覆う閉位置とバリア開口部501を開いて1群レンズ101aを露出させる開位置との間で移動可能に構成されている。ここで、電源レバー103は、本発明の操作部材の一例に相当する。
電源レバー103は、カメラ本体1を正面側から見て左側の側部に設けられる。また、カメラ本体1を正面側から見て右側の側部には、撮影ボタン107(図10参照)が設けられる。
カメラ本体の上面部には、表示ユニット40が不図示の2軸ヒンジ部を介して取り付けられている。また、図2に示すように、カメラ本体1の底面側には、三脚ねじ取付部104、及びスタンド11が設けられる。スタンド11は、図2(b)に示すように、カメラ本体1に対して開閉可能に構成され、スタンド11を開くことで、仰角を変化させた撮影が可能となる。
図3は、レンズユニット10と制御基板20との関係を示す斜視図である。図3において、レンズ部101を通過した被写体光は、センサ部106の後述する撮像素子106a(図6参照)に結像して光電変換される。撮像素子106aは、センサ基板105に実装され、センサ基板105は、制御基板20と電気的に接続される。
制御基板20には、画像処理やカメラの動作を制御する制御IC部201が実装される。制御基板20は、レンズユニット10の背面側にレンズ部101の光軸に沿って配置され、これにより、カメラ本体1の上下方向の薄型化を実現している。
制御基板20の正面側から見て左側の側部には、外部の映像出力機器との接続端子2021が設けられる。また、制御基板20の正面側から見て右側の側部には、PCとの接続端子2022、メモリカード等の記録媒体2023が着脱可能に装着されるカードスロット、及びスイッチ(SW)素子2025が設けられる。
図4は、デジタルカメラの制御系を示すブロック図である。図4において、レンズ部101を通過してセンサ部106の撮像素子106aに結像した被写体光は、撮像素子106aで光電変換された後、センサ基板105を介して制御基板20に実装された制御IC部201に出力される。制御基板20には、制御IC部201の他に、電源検出スイッチ(以下、電源検出SWという。)2013、プログラムメモリ部2014、及びSW素子2025が実装される。
制御IC部201は、画像処理部2011、CPU等で構成される制御部2010、及び揮発性メモリからなるワークメモリ2012を有する。
画像処理部2011は、撮像素子106aから出力されるアナログ映像データを輝度信号および色差信号のデジタル映像データに変換する。画像処理部2011で変換されたデジタル映像データは、ワークメモリ2012に書き込まれ、制御部2010の制御によって記録媒体2023へ出力される。
電源検出SW2013は、電源レバー103に対応する位置に配置され、電源レバー103を操作することで動作して、カメラ本体1の電源がオンとなる。SW素子2025は、撮影ボタン107に対応する位置に配置され、撮影ボタン107を操作することで動作してその操作信号を制御IC部201に出力する。
表示ユニット40は、LCD等で構成される表示パネル401、及び表示パネル401の表面に貼付等により設けられるタッチパネル402を備える。表示パネル401には、プログラムメモリ部2014に格納されている各種アイコン表示が出力される。
これにより、各種アイコン表示を表示パネル401に表示し、アイコン位置情報とタッチパネル402の操作位置情報とを制御IC部201で比較することによって、タッチパネル402での操作に基づくカメラ本体1の制御が可能となっている。
図5は、レンズユニット10の斜視図である。図6は、レンズユニット10の分解斜視図である。図5及び図6に示すように、レンズユニット10は、レンズ部101及びセンサ部106を有する。
レンズ部101は、レンズ保持側外装部108に1群レンズ101aの他に不図示の2群レンズ及び3群レンズが保持される。レンズ保持側外装部108には、側面から絞りユニット110がレンズ部101の各レンズ間に挿入されてレンズ保持側外装部108にビス等で固定されている。
センサ部106は、撮像素子106aが実装されるセンサ基板105と、センサ基板105が固定されるセンサ保持側外装部109とを有する。ここで、本実施形態では、撮像素子106aは、縦横比率が略3対4の矩形状となる撮像面を有し、カメラ本体1の上下方向が短辺方向になるよう配置される。
レンズユニット10は、光路長を短くして小型化を図るため、レンズ部101に対する撮像素子106aの相対位置関係が敏感となる。すなわち、レンズユニット10は、センサ基板105が固定されるセンサ保持側外装部109と、レンズ部101の複数のレンズを保持するレンズ保持側外装部108との相対位置関係が敏感となる。
そこで、レンズユニット10は、製造時にセンサ保持側外装部109とレンズ保持側外装部108の光軸方向の相対位置をカメラの製品ごとに個々に調整の上、接着固定する構成となっている。従って、レンズユニット10は、レンズ保持側外装部108に対するセンサ保持側外装部109の光軸方向の相対位置がカメラの製品ごとに異なることになる。
また、レンズ部101の1群レンズ101aは、撮影画角が180°と超広角の光学系を構成する。1群レンズ101aは、撮像素子106aの画面対角線長以上のイメージサークル径を有し、特に、本実施形態では、撮像素子106aの画面対角線長とイメージサークル径とを一致させた対角魚眼レンズを採用している。すなわち、レンズユニット10は、1群レンズ101aによるイメージサークルに、撮像素子106aの記録画像範囲を内接させるように構成されている。
図7は、レンズユニット10のレンズ部101を通して撮像素子106aに入射する光線の範囲を模式的に示す斜視図である。図8は、撮像素子106aに入射する光線の範囲をカメラ本体1の正面側から見た図である。
本実施形態では、図8に示すように、カメラ本体1の上下方向である撮像素子106aの短辺方向の光線とカメラ本体1の左右方向である撮像素子106aの長辺方向の光線とを比較して、撮像素子106aの対角方向で記録画像範囲が広い光学特性となっている。
このため、カメラ本体1の1群レンズ101aの周囲の外装をピント面側(像面側)に退避させる必要がある。特に、本実施形態のレンズユニット10は、最大画角が180°の超広角レンズを用いているので、レンズ部101の入射面を形成する1群レンズ101aをカメラ本体1の外装から被写体側に突出させる必要がある。
そこで、本実施形態では、光線範囲外からの有害な光線によって生じるフレアやゴーストの影響を避けるため、光線範囲外からの不要光を遮光するレンズフードとしての複数の外装突出部301〜304を矩形状のバリア開口部501の周囲4辺に設けている。
外装突出部301〜304のうち、カメラ本体1の上下に設けられた外装突出部301,302は、カメラ本体1の上下方向から見て、レンズ部101の光軸中心部に対応する部分が被写体側に突出し、レンズ部101の周辺部に対応する部分が光軸中心部よりピント面側(像面側)に退避している。
また、カメラ本体1の左右に設けられた外装突出部303,304も同様に、カメラ本体1の左右方向から見て、レンズ部101の光軸中心部が被写体側に突出し、両側部が光軸中心部よりピント面側(像面側)に退避している。
図9は、デジタルカメラを底面側から見た平面図である。図10は、デジタルカメラを撮像素子106aの対角方向から見た斜視図である。
図9に図示するように、外装突出部302が設けられることで、1群レンズ101aは、デジタルカメラの底面側から見えない。これにより、デジタルカメラの底面側からの光束は1群レンズ101aに入射しない。外装突出部301も外装突出部302と同様に設けられている。このため、外装突出部301が設けられることで、デジタルカメラの天面側からの光束は1群レンズ101aに入射しない。また、外装突出部301〜304が設けられることで、1群レンズ101aを保護して1群レンズ101aに疵等が付くのを防止している。
これに対し、図10に図示するように、1群レンズ101aは、デジタルカメラを撮像素子106aの対角方向から見える。すなわち、外装突出部301〜304は、バリア開口部501の4隅で1群レンズ101aよりもピント面側に退避している。これにより、通常の花弁形状のレンズフードと同様に、不要光を遮光して、撮像素子106aの対角方向に入射光線のケラレが生じないようになっている。
図11(a)は、図9のA−A線におけるデジタルカメラの断面図である。図11(b)は、図8のB−B線におけるデジタルカメラの断面図である。なお、図11(b)では、便宜上、天地を逆にして図示している。また、図11(a)及び図11(b)のいずれも、バリア102の開状態における外装突出部301〜304の断面形状を図示している。
図11に示すように、外装突出部301,302の裏面側には、それぞれバリア102が移動可能な空間3010,3020が設けられ、空間3010、3020の側壁3011,3021は、バリア102の摺動面を形成している。
また、外装突出部303の裏面側には、空間3030が設けられ、空間3030には、バリア102が閉じる際にバリア102の先端部1023(図21(a))が挿入される。外装突出部304の裏面側には、空間3040が設けられ、空間3040は、バリア102が開く際のバリア102の収納部の入り口を形成する。
図12(a)は、バリア102の開状態でのバリアユニットの斜視図である。図12(b)は、バリア102の閉状態でのバリアユニットの斜視図である。図中の一点鎖線は、1群レンズ101aの光軸を表わしている。
図12に示すように、バリア102は、連結アーム85を含む駆動機構により開閉動作が行われる。連結アーム85を含むバリア102の駆動機構は、バリアベース60に組み込まれる。電源レバー103が操作されることで、バリア102は、開閉動作を行う。
図13は、バリアベース60をカメラ本体1の正面側から見た斜視図である。図14は、バリアベース60をカメラ本体1の背面側から見た斜視図である。
バリアベース60は、合成樹脂材料で形成され、1群レンズ101aが挿入される丸穴601が形成されている。バリアベース60の丸穴601の周囲には、バリア102が開いた状態で外部に露出する外観部600が配置される。図14に示すように、外観部600の裏面には、レンズユニット10の位置決めを行う係合穴602が設けられている。
また、外観部600の一方側には、バリア収容部610が連結され、バリア収容部610のカメラ本体1の背面側には、制御基板20との位置決め部611、及び制御基板20との締結部612が設けられている。外観部600の他方側には、マイク保持部621及びスピーカ保持部622が設けられている。
図14に示すように、スピーカ保持部622には、スピーカ保持板金694を介してスピーカ693が保持固定される。マイク保持部621には、マイク690(図18参照)が保持固定される。また、本実施形態では、レンズ部101の光軸を挟んでマイク690の反対側には、電源レバー保持カバー150を介してマイク691(図22参照)が設けられる。スピーカ693、及びマイク690,691は、制御基板20に電気的に接続されて、音声の記録と音声の再生が可能となっている。
また、図13に示すように、バリアベース60には、コ字形状のダンパー695が取り付けられている。ダンパー695は、外装突出部304の空間3040に設けられ、バリア102を閉じた際にバリア102の先端部1023に当接してストッパとして機能する突出部6951を有する。ダンパー695の突出部6951には、長穴が設けられ、これにより、突出部6951を弾性変形しやすくしている。バリアベース60の背面側には、レンズユニット10が組み込まれる。
図15(a)はバリアベース60にレンズユニット10を組み付ける方法を説明するための斜視図、図15(b)は図15(a)の背面側から見た斜視図である。図16は、バリアベース60にレンズホルダ70の対向面側に設けられるレンズユニット10の保護板金80を組み付ける様子を示す斜視図である。図17(a)はバリアベース60にレンズホルダ70と保護板金80が組み込まれた状態を示す斜視図、図17(b)は図17(a)の背面側から見た斜視図である。
レンズユニット10は、上述したように、レンズ保持側外装部108とセンサ保持側外装部109の光軸方向の相対位置を製品毎に調整した単焦点レンズユニットである。ここで、図15に示すように、レンズ保持側外装部108の正面側には、ビス71a,71bの挿通孔が形成された第1のフランジ1081と、光軸を間に挟んで第1のフランジ1081の反対側に配置される第2のフランジ1082とが設けられる。
第1のフランジ1081には、バリアベース60の係合穴602に係合する位置決めボス1083が設けられる。また、第2のフランジ1082は、バリアベース60のバリア収容部610の側面に設けられた孔部614と係合することで、回転方向の位置決めがなされる。
レンズユニット10は、バリアベース60に対してカメラ本体1の背面側から挿入した後、レンズホルダ70をレンズ部101の光軸方向と直交する方向から組み込み、正面側からビス71a,71bにて締結される。その後、図16に示すように、レンズホルダ70の対向面側に保護板金80を組み込み、これにより、図17に示すように、レンズ部101の上下両方の面が保護される構造となっている。
レンズホルダ70と保護板金80とは互いにビスによって締結されることで電気的に接続され、レンズホルダ70は、後述する制御基板保持板金450を介して制御基板20に電気的に接続される。
また、本実施形態では、保護板金80の端部4箇所をバリアベース60と接続することで、保護板金80がコ字形状で上面が開口したバリアベース60の梁として機能する。これにより、保護板金80とバリアベース60によって、バリアユニットの剛性が向上し、レンズユニット10の上面の保護が可能となる。
レンズホルダ70は、図15に示すように、レンズユニット10の図の上面側に配置されるレンズ保護部700と、レンズ保護部700から折り曲げられて、レンズユニット10の両側面に配置される第1及び第2の曲げ部710,720とを有する。第1の曲げ部710には、ビス71a,71bが締結されるビス穴が形成される。
レンズ保護部700には、位置決め孔701が設けられ、位置決め孔701がバリアベース60の位置決めボス623に係合することで、バリアベース60に対してレンズホルダ70が位置決めされる。また、レンズホルダ70の組み付け後、レンズホルダ70の第1の曲げ部710及び第2の曲げ部720は、レンズ保持側外装部108の第1及び第2のフランジ1081,1082の背面側に配置される。
ビス71a,71bは、バリアベース60からレンズ保持側外装部108の第1のフランジ1081の挿通孔を挿通して、レンズホルダ70の第1の曲げ部710のビス穴に締結される。
このとき、ビス71a,71bの締結により、レンズホルダ70の第1の曲げ部710は、カメラ本体1の正面側に引き込まれる。これにより、レンズ保持側外装部108の第1のフランジ1081は、バリアベース60の外観部600裏面に押しつけられることとなる。
一方、第2の曲げ部720の先端には、バネ性を有する部位721と、バリアベース60に係合する部位722とが設けられる。また、バリアベース60のバリア収容部610に設けられた回転位置決め孔部614には、部位722が背面側に退避することを阻止する係止部615が連続して設けられている。
ここで、バネ性を有する部位721は、組み立て状態でレンズ保持側外装部108の第2のフランジ1082の背面側に位置しており、そのバネ性によって、第2のフランジ1082をカメラ本体1の正面側に押し出す方向に付勢する。これにより、第2のフランジ1082は、バリアベース60の外観部600の裏面に押し付けられる。
このように構成することで、レンズ保持側外装部108に設けた第1及び第2のフランジ1081,1082とバリアベース60とが隙間なく固定され、レンズユニット10が光軸に対して傾くことなく、精度良くレンズホルダ70に固定される。
このように、本実施形態では、レンズユニット10の保護と固定を一つの板金部材であるレンズホルダ70で実現することができ、部品点数の削減が可能となる。
また、レンズユニット10をレンズホルダ70のレンズ保護部700で保護しているので、センサ保持側外装部109に外力が印加された場合でも、レンズユニット10のレンズ保持側外装部108とセンサ保持側外装部109の相対位置を維持できる。
また、本実施形態では、バリアベース60をコ字形状とすることで、レンズユニット10の上下の厚み方向にバリアベース60を配置しなくてすみ、高剛性な薄いカメラの提供が可能となる。
レンズユニット10の周囲に、レンズホルダ70と保護板金80を配置することにより、レンズホルダ70と保護板金80は、1群レンズ101aが挿入される丸穴601から印加される静電気に対する避雷針として機能する。
すなわち、レンズホルダ70と保護板金80でレンズユニット10を囲うことで、丸穴601から侵入した静電気が絞りユニット110や制御基板20などの内部の電気部品に達しないようにしている。
図18は、レンズユニット10が組み込まれたバリアユニットと前カバー部材50とを示す斜視図である。また、図19(a)は前カバー部材50及び化粧カバー部材51を下方(底面側)から見た斜視図、図19(b)は前カバー部材50及び化粧カバー部材51を上方(天面側)から見た斜視図である。
前カバー部材50には、上述した外装突出部301〜304が設けられる、図19に示すように、前カバー部材50には、アルミ等の金属材料で形成された化粧カバー部材51が組み付けられる。前カバー部材50は、合成樹脂で形成され、上述した空間3010,3020を形成する側壁3011,3021は、バリア102の摺動面になっている。
また、前カバー部材50を弾性を有する合成樹脂で形成することで、外力によって塑性変形が生じて空間3010,3020が狭まってバリア102が動作しなくなるような不具合を防止する。
図20は、バリアベース60とバリア102の駆動機構の分解斜視図である。バリアベース60には、シャフト130を介して回動アームユニット14の基端側回転アーム141が回動可能に支持される。
回動アームユニット14は、基端側回転アーム141、先端側アーム142、及びコイルバネ143を有する。基端側回転アーム141には、後述する電源SW操作を行う突出部1411と、連結アーム85との連結ボス1412とが設けられている。ここで、コイルバネ143は、本発明の付勢部材の一例に相当する。
先端側アーム142は、摺動性の高いPOM(ポリアセタール)で形成され、基端側回転アーム141の孔に係合する3本のスライド軸1423a,1423b,1423cを有する。
上記構成により、回動アームユニット14は、先端側アーム142と基端側回転アーム141との間の距離が伸縮可能となっている。
ここで、スライド軸1423a,1423b,1423cは、回動アームユニット14の回転軸であるシャフト130のラジアル方向に配置されている。また、先端側アーム142には、バリア102が回動可能に連結されるバリア連結軸1420が設けられ、バリア連結軸1420は、回動アームユニット14の回転軸であるシャフト130と平行に配置される。
図21(a)は、バリア102が閉位置にあるときの回動アームユニット14の状態を示す斜視図である。図21(b)は、バリア102が中間位置(閉位置と開位置との間)にあるときの回動アームユニット14の状態を示す斜視図である。図21(c)は、バリア102が開位置にあるときの回動アームユニット14の状態を示す斜視図である。
図21に示すように、バリア102は、閉状態で1群レンズ101aを覆う主面1020と、主面1020の両側に形成された摺動部1021,1022と、連結部1024とを有する。
摺動部1021,1022は、上述した空間3010,3020に入り込む部分である。バリア102の先端部1023は、バリア102が閉じた際に上述した空間3030に入り込み、ストッパとして機能するダンパー695に当接する。連結部1024は、バリア102が閉じた際に、上述した空間3040に配置される。
回動アームユニット14は、バリア102の閉位置から開位置の間で先端側アーム142と基端側回転アーム141とが伸縮しながら90°回動する。それに伴い、バリア102は、バリア連結軸1420を中心として回動アームユニット14の回転方向と相反方向に回動する。
ここで、回動アームユニット14における先端側アーム142と基端側回転アーム141間の距離は、図21(b)に示すバリア102の中間位置で最も短くなるように設定されている。
コイルバネ143は、先端側アーム142と基端側回転アーム141との間において、スライド軸1423cに圧縮状態で外挿されて、先端側アーム142と基端側回転アーム141とを互いに離間する方向に付勢する。
図21において、基端側回転アーム141と先端側アーム142とが互いに離れないように、先端側アーム142に設けた爪部1425が基端側回転アーム141に設けた凹部1415に係合して軽保持がなされている。また、先端側アーム142に設けた2箇所の当接部1426は、コイルバネ143の付勢力で外側に押し出され、電源レバー保持ユニット15に設けられている第1の円弧状レール151aに押しつけられた状態となる。
本実施形態では、バリア連結軸1420の近傍に配置されたスライド軸1423a,1423bより軸方向長さが長いスライド軸1423cにコイルバネ143を配置することで、コイルバネ143の弾性変形範囲が大きくなるようにしている。なお、本実施形態では、コイルバネ143をスライド軸1423cにのみ配置しているが、バリア連結軸1420の位置を変更する等して他のスライド軸にもコイルバネを配置してもよい。
図22は、バリア102が閉じた状態での要部断面図である。図23(a)はバリア102が中間位置にあるときの要部断面図、図23(b)はバリア102が開いた状態での要部断面図である。
図22及び図23に示すように、バリア102は、1群レンズ101aの凸面形状に沿った曲面形状に形成され、図22に示すバリア102の閉じ状態で、バリア102の先端部1023がダンパー695に当接し、コイルバネ143により閉方向に付勢される。
また、図23(b)に示すバリア102の開き状態では、バリア102の連結部1024に設けた一対の突出部1025がバリアベース60のストッパ部616(図13参照)に当接し、コイルバネ143により開方向に付勢される。なお、コイルバネ143によるバリア102の付勢方向については、後述する。
バリア102は、図22及び図23に示すように、レンズユニット10の背面側に設定された光軸上の仮想軸心Zを中心とした仮想円Xに沿って円弧運動を行う。これにより、バリア102の閉状態における1群レンズ101aとバリア102との距離を最小にすることができ、カメラ本体1の小型化が可能となる。
また、バリア102が開状態では、バリア102がカメラ本体1の内部に円弧状に斜めに収納されることにより、カメラ本体1の正面側のスペースを有効活用することができ、これにより、バリア収納部の正面側にマイク691を配置することが可能となる。
また、本実施形態では、外装突出部301,302の中央部の凸部と両側部を接続する円弧の中心を光軸上の仮想軸心Zと一致させている。また、バリア102の摺動部1021,1022と上述した空間3010,3020を形成する側壁3011,3021とについても、同様に、円弧の中心を光軸上の仮想軸心Zと一致させている。
このように構成することによって、バリア102の開閉動作時のガイドとして外装突出部301,302を利用することができる。これにより、対角魚眼レンズを使用したデジタルカメラにおいても、1群レンズ101aを保護するバリア102をカメラ本体1の内部に収納可能に配置することが可能となる。
この結果、1群レンズ101aを保護する着脱可能なレンズキャップを使用することなく、携帯時に1群レンズ101aに触れて汚れが付いたり、取り回しにより1群レンズ101aに疵が付いたりする等の問題を回避することができる。
図21に戻って、回動アームユニット14の先端側アーム142には、上述したように、2箇所の当接部1426が連結軸1420の両側に位置して設けられている。当接部1426は、バリア102の開閉のいずれの状態においても、バリア102より僅かに突出するように配置される。
また、当接部1426は、図22及び図23のいずれの状態においても、コイルバネ143の付勢力により電源レバー保持ユニット15の円弧状レール151に押しつけられた状態となっている。
円弧状レール151は、電源レバー保持カバー150に設けた第1のレール151aと、押さえ部材154に設けた第2のレール151b(図27参照)とにより構成される。これにより、バリア102の開閉時に、先端側アーム142が円弧状レール151に沿って移動する。ここで、円弧状レール151の円弧中心は、光軸上の仮想軸心Zとなっている。
バリア102の先端部1023には、凸形状部が設けられ、バリア102の開閉動作中、バリア102の先端部1023は、外装突出部301,302の空間3010,3020内の側壁3011,3021(図11参照)にガイドされる。前述したように、外装突出部301,302の側壁3011,3021も円弧状に形成され、その円弧中心は、光軸上の仮想軸心Zとなっている。
一方、基端側回転アーム141の回動中心は、レンズ部101の光軸からレンズ部101の径方向に離間した位置に配置される。すなわち、基端側回転アーム141は、光軸から離間した軸心Nを中心に円弧状に回動する。基端側回転アーム141と先端側アーム142との回動軌跡の差は、回動アームユニット14を伸縮可能な構成とすることで解消している。
図22及び図23に示すバリア102の開閉動作時に、回動アームユニット14が伸縮しながら図の時計周り方向に回動することで、バリア102が開閉動作する。すなわち、光軸から離間した軸心Nを中心として基端側回転アーム141が回動することで、バリア102を開閉動作させることが可能となる。
これにより、レンズユニット10の上面又は下面にバリア102の駆動機構を配置することなく、レンズユニット10の一側にのみ配置した駆動機構により、レンズ部101の光軸上の仮想軸心Zを中心にバリア102を円弧状に開閉動作させることが可能となる。
コイルバネ143は、バリア102の開状態では、バリア102を開方向に付勢し、バリア102の閉状態では、バリア102を閉方向に付勢する。また、図23(a)に示すバリア102の中間位置で、バリア102に対するコイルバネ143による付勢方向が反転する。
図22に示す回動アームユニット14の回動中心Nは、光軸上の仮想軸心Zからθx=45°の方向に離れたレンズユニット10を避けた位置に配置される。ここで、図22に示す2点鎖線Yは、回動アームユニット14の回動中心Nからバリア102が閉じた際の先端側アーム142の当接部1426までの距離を半径として描いた仮想の円である。
回動アームユニット14は、仮想円Yと仮想円Xとの差分Qを伸縮しながらバリア102の開閉動作に連動して90°回動する。そして、回動アームユニット14の伸縮方向の長さは、バリア102の開位置とバリア102の閉位置とで最も長くなり、回動アームユニット14が45°回動した中間位置で最も短くなる。
また、基端側回転アーム141と先端側アーム142の間に設けたコイルバネ143についても、バリア102の開位置とバリア102の閉位置とで最も長くなり、回動アームユニット14が45°回動した中間位置で最も短くなる。
このように構成した結果、例えばバリア102を図22に示す閉位置から僅かに開方向に動作させると、コイルバネ143が短くなる。このとき、回動アームユニット14には、コイルバネ143がエネルギー的に比較的安定な図22の状態に戻ろうとして、バリア102に対して閉方向に付勢する力が発生する。
また、バリア102をコイルバネ143が最も短くなる図23(a)の中間位置の状態を超えて開方向に動作させると、コイルバネ143は、回動アームユニット14を開方向に動作させるほど、中間位置よりも長くなる。
そのため、コイルバネ143がエレルギー的に安定している図23(b)の自然長に近い状態に向かってバリア102が開状態へと遷移する。その結果、コイルバネ143は、図23(b)に示すバリア102の開状態では、バリア102を開方向に付勢する荷重を発生させる。
このように、バリア102の中間位置でバリア102に対するコイルバネ143による付勢方向を反転させる為、本実施形態では、上述したように、回動アームユニット14の回動中心Nを光軸上の仮想軸心Zからθx=45°の方向に離れた位置に配置している。
ここで、θxは、次式で求められる。
θx=θ1+(1/2)×θ2
θ1:バリア閉位置における光軸に対する傾き角
θ2:バリア開閉における遷移角度
本実施形態では、θ1=0°、θ2=90°であるため、θx=45°となる。
また、仮想軸心Zからθx=45°の方向にマイク691を配置している。このように、回動アームユニット14が最も短くなる位置にマイク691を配置することで、効率のよいレイアウトとすることができ、カメラ本体1の小型化が可能となる。
図24は、電源レバー103と回動アームユニット14とを連結する連結アーム85の組み込み時の様子を示す斜視図である。図25は、連結アーム85を示す図である。
図24及び図25に示すように、連結アーム85は、連結アームプレート850に、回転軸となる回転スリーブ851と、電源レバー103の長溝と係合する電源レバー連結ピン852とをカシメて構成されている。図24に示すように、連結アーム85は、バリアベース60に設けた連結アーム回転軸617に回転スリーブ851を挿入することで、バリアベース60に対して回動可能に支持される。
また、連結アーム85には、回転スリーブ851を間に挟んで電源レバー連結ピン852の反対側に、回動アームユニット14との連結部としての連結孔853が形成されている。連結孔853は、回転スリーブ851に向かうにつれて幅広になる長孔形状に形成されている。
図26は、バリアベース60と電源レバー保持ユニット15の分解斜視図である。図27(a)は、バリア102が閉じた状態での電源レバー保持ユニット15の要部断面図である。図27(b)は、バリア102が中間位置にあるときの電源レバー保持ユニット15の要部断面図である。図27(c)は、バリア102が開いた状態での電源レバー保持ユニット15の要部断面図である。なお、図27では、図の上側がカメラ本体1の正面側となる。
図26に示すように、電源レバー保持ユニット15は、樹脂製の電源レバー保持カバー150に、電源レバー103が挿入され、電源レバー103のノブ部1030の挿入穴1035(図27参照)に、コイルバネ152とボール153が挿入される。そして、バリアベース60側から電源LED窓1541を有する透明樹脂製の押さえ部材154がビス155で電源レバー保持カバー150に固定される。
また、電源レバー保持ユニット15は、ビス156によって、電源レバー保持カバー150及び押さえ部材154がバリアベース60に組み込まれたバリアユニットに固定され、図24に示す状態となる。電源レバー103は、レンズ部101の光軸方向(図27の上下方向)にスライド操作が可能に構成されている。また、電源レバー103は、コイルバネ152の付勢力によりボール153を介して外側(図の右側)に押し付けられる。
図27に示すように、押さえ部材154の裏面には、凹溝154e及び凹溝154gが形成され、凹溝154eと凹溝154gとは、円弧面154fで滑らかに接続される。本実施形態では、電源レバー103のスライド操作に応じて、図27(c)の状態で、ボール153が凹溝154eに係合し、図27(a)の状態で、ボール153が凹溝154gに係合する。そして、図27(a)及び図27(c)の状態では、コイルバネ152は僅かに圧縮状態となり、図27(b)の状態で、コイルバネ152の圧縮量が最も大きくなる。
即ち、図27(b)の状態では、電源レバー103がコイルバネ152の付勢力により外側(図の右側)に押し付けられる力が最も大きくなる。また、図27(a)及び図27(c)の状態では、電源レバー103がコイルバネ152の付勢力により外側(図の右側)に押し付けられる力は、図27(b)より小さく、電源レバー103の軽保持が行われる。
図28(a)は、バリア102が閉じた状態でのカメラ本体1の正面側の要部断面図である。図28(b)は、図28(a)の状態からバリア102が開き方向に移動した状態でのカメラ本体1の正面側の要部断面図である。図29(a)は、図28(b)の状態からバリア102が更に開き方向に移動した状態でのカメラ本体1の正面側の要部断面図である。図29(b)は、バリア102が開いた状態でのカメラ本体1の正面側の要部断面図である。
図28に示すように、電源レバー103は、電源レバー連結ピン852を介して連結アーム85に連結されている。電源レバー103をカメラ本体1の正面側(図の上側)にスライド操作すると、連結アーム85が回転スリーブ851を中心として図の反時計回り方向に回動する。
このとき、連結アーム85は、連結孔853が基端側回転アーム141に設けた連結ボス1412に当接して回動アームユニット14に係合している。これにより、連結アーム85から連結ボス1412に回転モーメントが加えられ、回動アームユニット14は、バリア102の開方向である図の時計回り方向に動作する。
連結アーム85の連結孔853は、連結ボス1412に当接する位置における法線方向に対する基端側回転アーム141の回転中心と連結ボス1412とを結ぶ線とのなす角度θcが大きくなるよう形成される。
具体的には、連結孔853は、回動アームユニット14の回動方向における連結ボス1412との間の隙間が連結アーム85の回動中心である回転スリーブ851に向けて大きくなるように形成される。これにより、連結アーム85の回転トルクが効率よく回動アームユニット14に伝達されるようになっている。
図28(a)の状態では、電源レバー保持ユニット15のボール153が凹溝154gに係合して軽保持されている。この状態で、バリア102を開方向に動作させるべく電源レバー103を図の上側にスライド操作すると、電源レバー103に連動して連結アーム85が回転スリーブ851を中心として反時計回り方向に回動する。
このとき、連結アーム85の連結孔853が回動アームユニット14の連結ボス1412に当接し、連結ボス1412には、連結孔853側面から図の下方向の荷重が作用する。これにより、回動アームユニット14の回動動作が開始されてバリア102が開方向に移動し、図28(b)に示す状態となる。
図28(b)の状態から更に電源レバー103を図の上側にスライド操作すると、図29(a)に示すように、回動アームユニット14がバリア102の中立位置である45°を超えてコイルバネ143の付勢力が反転し、バリア102が開方向に移動する。
このとき、回動アームユニット14の連結ボス1412は、連結アーム85の連結孔853の図の上側の側面から離れて下側の側面に当接し、連結孔853から連結アーム85の動作を助長する方向に荷重が印加される。
そして、図29(a)の状態から更に電源レバー103を図の上側にスライド操作すると、図29(b)に示すように、回動アームユニット14がバリア102の開位置に回動して電源レバー保持ユニット15のボール153が凹溝154eに係合して軽保持される。
このとき、バリア102の突出部1025がバリアベース60のストッパ部616に当接し、バリア102がコイルバネ143により開き方向に付勢されて、開状態を保持される。
このように、カメラ本体1のバリア102の退避側の側面に設けた電源レバー103の操作に連動して回動アームユニット14を介してバリア102を開閉動作させることが可能となる。
これにより、バリア102の開閉動作を行う機構の全てをレンズユニット10のバリア102の退避側のスペースに配置することができ、レンズユニット10の上面又は下面にバリアの駆動機構を配置する必要をなくして、カメラ本体1の薄型化が可能となる。
また、本実施形態では、バリア102(電源レバー103)が中間位置(図28(b))にあるとき、回動アームユニット14の回転中心と連結ボス1412と連結アーム85の回動中心と電源レバー連結ピン852とを結ぶ線が直線状に配置されるようにしている。
図28(b)に示すように、ユーザ操作により電源レバー103が中間位置にある状態では、回動アームユニット14に閉じ方向(図28(a)に戻ろうとする方向)の付勢力が作用して、電源レバー103が中間位置で止まりにくくなっている。
図29(a)に示すように、電源レバー103を中間位置を超えてバリア102の開方向にスライド操作すると、それに応じて回動アームユニット14も中間位置を超える。これにより、回動アームユニット14のコイルバネ143によるバリア102の付勢力とコイルバネ152による電源レバー103の付勢力が互いに干渉することなく、連結アーム85で回動アームユニット14と電源レバー103を連結することができる。
本実施形態では、回動アームユニット14のみではなく、電源レバー103側にも軽保持手段を設けている。ここで、図29(b)に示す矢印は、バリア102の開閉ストロークと電源レバー103のスライドストロークを表したものである。
図29(b)に示すように、電源レバー103のスライドストロークに対して、バリア102の開閉ストロークは非常に大きい。そのため、例えば、電源レバー103のみに軽保持手段を設けた構成にすると、電源レバー103の僅かな位置ズレにより、バリア102の位置が大きくズレることとなる。そして、このズレ分を加味して、バリア102の1群レンズ101aを覆う面積を大きくする必要があり、カメラが大型化する。
また、回動アームユニット14及び電源レバー103バリア102の一方のみに軽保持手段を設けた場合、連結アーム85の連結孔853と基端側回転アーム141の連結ボス1412との当接が安定せず、ガタつきが生じることになる。これは、軽保持手段を設けていない側の付勢力が作用しないためである。
図30(a)は、制御基板20、レンズユニット10及びバリアユニットを組み込んだ状態を示す斜視図である。図30(b)は、図30(a)の底面側から見た斜視図である。本実施形態では、電源レバー103のユーザ操作に連動して電源のオン/オフが行われる。
図30(a)に示すように、バリアユニットは、制御基板20を保持する制御基板保持板金450に組み込まれる。制御基板20には、図30(b)に示すように、バリア102の退避側における制御基板20の幅方向の側部に電源検出SW2013が電源レバー103に近接して実装され、電源検出SW2013の切片2015を押し下げることで、電源がオンとなる。
図31は、電源検出SW2013の動作を説明するための図である。図31に示すように、電源検出SW2013は、先端に切片2015が回動可能に設けられている。切片2015は、無負荷状態では不図示のコイルバネの付勢力によって上方に回動した状態aとなり、この状態では、カメラ本体1の電源はオフとなる。電源検出SW2013は、切片2015に対して図の矢印方向にコイルバネの付勢力以上の荷重を加えることで状態bから状態cへと移行する。
電源検出SW2013は、状態b以降で切片2015と内部回路がショートし、カメラ本体1の電源がオンとなる。このとき、制御基板20の電源検出SW2013の裏面側に実装された電源LEDが点灯して電源LED窓1541が点灯すると同時に表示ユニット40の表示パネル401が点灯する。本実施形態では、バリア102の開動作に伴って回動アームユニット14が電源検出SW2013の切片2015を押し下げて状態cとなり、カメラ本体1の電源がオンとなる。
図32(a)は、バリア102が閉じた状態での回動アームユニット14と電源検出SW2013との関係を示す図である。図32(b)は、図32(a)の状態からバリア102が開き方向に移動した状態での回動アームユニット14と電源検出SW2013との関係を示す図である。図32(c)は、図32(b)の状態からバリア102が更に開き方向に移動した状態での回動アームユニット14と電源検出SW2013との関係を示す図である。図32(d)は、バリア102が開いた状態での回動アームユニット14と電源検出SW2013との関係を示す図である。
本実施形態では、回動アームユニット14の基端側回転アーム141に設けた突出部1411によって電源検出SW2013の切片2015を動作させる。制御基板20は、回動アームユニット14の回動軸に対して直交する方向に沿って配置される。制御基板20には、突出部1411に対応する位置に電源検出SW2013が配置される。そして、電源レバー103の操作に連動して連結アーム85及び回動アームユニット14が回動動作し、突出部1411によって電源検出SW2013の切片2015を操作する。
本実施形態では、基端側回転アーム141に突出部1411を設けることで、回動アームユニット14の伸縮によるバラツキの影響を受けることなく、電源検出SW2013の切片2015の操作が可能となる。
また、本実施形態では、電源検出SW2013の切片2015の回動軸と回動アームユニット14の回動軸とが、互いに直交するよう配置されている。そのため、突出部1411は、制御基板20の厚さ方向から見て、図32(a)に示すバリア102の閉状態では制御基板20に重ならず、バリア102の開動作中に制御基板20に重なるように制御基板20の外から移動してくる。その結果、図32(d)に示すバリア102の開状態で、電源検出SW2013と基端側回転アーム141の突出部1411とが投影上重なった状態となる。
また、カメラ本体1の電源オンのタイミングは、回動アームユニット14の全ストロークのうち、65°倒れた位置に設定しており、65°から90°の回動位置では、常に電源がオンとなるようになっている。回動アームユニット14の回動軸と電源検出SW2013の切片2015の回動軸とを直交配置することで、突出部1411の僅かな形状変更によって、電源のオンタイミングを自在に変化させることが可能となる。
また、電源検出SW2013をレンズユニット10の背面側に配置された制御基板20に実装することで、電源検出SW2013を配置するための新たな子基板が不要となり、コストダウンが可能となる。
このように、本実施形態では、レンズユニット10の上面又は下面に電源検出SW2013を実装した基板を配置することなく、カメラ本体1の電源のオン/オフ操作とバリア102の開閉操作、即ち回動アームユニット14の回動動作を連動して行うことができる。このため、レンズユニット10の上下方向に薄いバリア付きカメラの提供が可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、レンズユニット10の一側にのみ配置した駆動機構により、レンズ部101の光軸上の仮想軸心Zを中心にバリア102を円弧状に開閉動作させることが可能となる。これにより、カメラにおけるバリア102の回動軸の軸方向の寸法を短くすることができ、カメラの上下方向の薄型化を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、図33を参照して、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図33(a)は、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラの外観斜視図である。図33(b)は、図33(a)に示すデジタルカメラのバリアを閉じた状態を示す外観斜視図である。なお、上記第1の実施形態に対して、重複又は相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のデジタルカメラは、バリア102を手動操作で開閉動作させる。図33(a)に示すように、バリア開口部501の周囲3辺には、外装突出部301〜303が設けられ、バリア102は、上記第1の実施形態と同様に、円弧状レール151に沿って開閉動作する。また、バリア102には、ユーザが手動操作でバリア102を開閉動作させる際に、指を掛ける指掛け部900が設けられている。
指掛け部900は、図33(a)に示すバリア102の開状態では、1群レンズ101aを間に挟んで外装突出部303に対向して配置され、上記第1の実施形態の外装突出部304と同様の機能を有する。
すなわち、カメラ本体1の上下に設けられた外装突出部301,302は、カメラ本体1の上下方向から見て、レンズ部101の光軸中心部が被写体側に突出し、両側部が光軸中心部よりピント面側(像面側)に退避している。また、バリア102の開状態でカメラ本体1の左右に配置される外装突出部303及び指掛け部900も同様に、カメラ本体1の左右方向から見て、レンズ部101の光軸中心部が被写体側に突出し、両側部が光軸中心部よりピント面側(像面側)に退避している。
これにより、外装突出部301〜303及び指掛け部900により、1群レンズ101を保護して1群レンズ101aに疵等が付くのを防止するとともに、不要光を遮光して、撮像素子106aの対角方向に入射光線のケラレが生じないようにしている。その他の構成、及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。