JP4964108B2 - レンズ鏡胴およびカメラ - Google Patents

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本発明は、例えばミラーまたはプリズム等の偏向光学素子を用いて光路を折り曲げて屈曲鏡胴を構成するレンズ鏡胴に係り、特に、複数のレンズとレンズの光路を折り曲げる固定されたレンズ鏡胴とを有し、撮影時に前記偏向光学素子よりも物体側に1つ以上のレンズが配置されるレンズ鏡胴およびそのようなレンズ鏡胴を用いたカメラに関するものである。
近年、コンパクトカメラ等においては、撮影レンズとしてズームレンズを用いることが一般化しつつある。このようなズームレンズはレンズ鏡胴が大型化しがちであるが、カメラとしては、携帯性を向上させるために、レンズ鏡胴を含めたカメラの小型化、特に薄型化が要求されている。このため、カメラの薄型化の技術が多数提案されている。例えば、カメラの薄型化の手段として、回転筒と回転筒に設けられたカム溝を用いて複数のレンズ群を任意の位置に移動させ、各群の間隔を変化させることでズーミングを行い、非撮影時には、各群の間隔をできるかぎり小さくするようにするために、レンズを保持する径の異なる筒を重ね合わせるように収納して、レンズ鏡胴の長さを短縮する沈胴タイプのレンズ鏡胴が用いられている。さらにレンズ鏡胴における光軸の途中に光路を反射偏向するミラーまたはプリズム等のような偏向光学素子を介挿して、光軸を折り曲げることにより、カメラボディの長辺や短辺の長さを利用して光路長を確保し、カメラ全体の厚さを薄くする屈曲鏡胴が、多数提案されている。特に、このような屈曲鏡胴は、鏡胴の厚さを偏向光学素子とその前側に配置されるレンズの厚さのみでほぼ構成することが可能であり、薄型化には効果的である。
一般に屈曲鏡胴は、光路を屈曲させる偏向光学素子と、前記偏向光学素子を保持している固定筒と、前記偏向光学素子よりも物体側の第1のレンズ群と、前記偏向光学素子よりも像面側に配置され光軸上に移動可能として保持された1つ以上の移動レンズ群と、シャッタと、絞りとを有して構成されている。前記第1のレンズ群は、固定レンズ群であるので、前記固定筒に固定的に保持されており、前記移動レンズ群は、前記固定筒に可動的に保持されており、前記シャッタおよび絞りは、前記固定筒に固定的にまたは可動的に保持されている。前記移動レンズ群が移動することによって、ズーミングおよびフォーカシングを行うようにしている。なお、像面側にも固定レンズを設けている場合もある。これら第1のレンズ群および移動レンズ群等の撮像レンズにより集光した被写体像がCCD等の撮像素子上に結像され、撮影される。
このような屈曲鏡胴を用いてカメラを構成する場合には、第1のレンズ群の最も物体側のレンズ面の前方を遮蔽するバリア部材や、カメラボディの背面側に液晶モニタ等の表示装置を配置するため、カメラの厚さは、主としてバリア、レンズ群、偏向光学素子、固定筒および液晶モニタによって決定される。これらは、カメラの厚さを決める最小構成であるが、昨今においては、更なる薄型化を達成すべく、様々な構成が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2007−86141号)には、偏向光学素子に相当する反射部材としてプリズムが用いられており、このプリズムを含むレンズ群が回転軸を中心に回転して、カメラからの突出部をカメラ内に収納する構成が開示されている。すなわち、この構成では、撮影時には、プリズムの物体側のレンズがカメラから突出するが、非撮影時には、プリズムと物体側のレンズを一体的に回転軸によって回転させて、物体側のレンズ部分をカメラ内に収納し、非撮影時におけるカメラの厚みを薄くするようにしている。しかしながら、この構成は、プリズムが可動であるため、プリズムの繰り返し位置精度を充分に高くすることが要求される。なぜならば、プリズムの傾き角の変動は、反射偏向される光軸に2倍の角度変動を生じさせてしまうからである。
カメラの厚みを薄くするための他の構成として、例えば特許文献2(特開2006−259685号)には、偏向光学素子に相当する反射光学素子としてのプリズムを、非撮影時に撮像素子側に退避させ、その空いた空間にプリズムよりも前方の物体側のレンズ群が沈胴し収納されることにより、非撮影時におけるカメラの厚みを薄くする構成が開示されている。また、特許文献3(特開2006−106071号)には、反射ミラーを回転軸を中心として回転させて畳み込むことによって空いた空間に、物体側のレンズ群を収納する構成が開示されている。これら特許文献2および特許文献3の構成においても、上述した特許文献1の場合と同様に、プリズムやミラー等の偏向光学素子を可動としているため、偏向光学素子を著しく高い位置精度で移動させることが要求されることになる。
特開2007−86141号公報 特開2006−259685号公報 特開2006−106071号公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、屈曲光路を形成するために光路を折り曲げる偏向光学素子を可動とすることなく、非撮影時における厚さ寸法を小さくすることを可能とするレンズ鏡胴およびカメラを提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、光路を屈曲するための偏向光学素子を移動させることなく、簡単な構成で、高い光学性能を達成しつつ光路屈曲光学系を薄型化することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、退避レンズ群を、他のレンズ群と干渉することなく、円滑に且つ効率良く退避させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、簡単な構成で、撮影時における退避レンズ群の高い位置精度の確保および円滑な退避動作を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、簡単な構成で、退避レンズ群の所要の方向についての進退移動および位置精度の安定化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、退避時に、退避レンズ群の移動に関連する構成を偏向光学素子よりも物体側に配置することなく、効果的に薄型化することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある
発明の請求項の目的は、特に、簡単な構成で、撮影時に偏向光学素子よりも前方に位置する退避レンズ群を非撮影時に高い位置精度にて移動退避させ、薄型化することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
発明の請求項の目的は、特に、非撮影時における厚さ方向寸法を効果的に低減し、効率良く薄型化することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、光路を屈曲するための偏向光学素子を移動させることなく、光学性能を劣化させずに非撮影時に薄型化することを可能とするカメラを提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、退避レンズ群の退避時に、光学系を保護するバリア部材が、充分に近接して偏向光学素子の前方を覆い、効果的に薄型化することを可能とするカメラを提供することにある
本発明の請求項10の目的は、特に、退避レンズ群の退避時に、光学系を保護するバリア部材が、充分に近接して偏向光学素子の前方を覆い、効果的に薄型化することを可能とするカメラを提供することにある。
本発明の請求項11の目的は、特に、光学系を保護するバリア部材と退避レンズ群が互いに干渉することなくスムーズに作動することを可能とするカメラを提供することにある。
請求項1に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、
複数のレンズとレンズの光路を折り曲げる固定された偏向光学素子とを有し、撮影時に前記偏向光学素子よりも物体側に1つ以上のレンズが配置されるレンズ鏡胴において、
前記物体側のレンズの少なくとも一部を構成し、撮影時には前記光路上に位置し、非撮影時には前記光路上から移動し、前記偏向光学素子の側方に退避する退避レンズ群を備え、
前記退避レンズ群は、1つ以上のレンズと、当該レンズを保持する保持枠とを有し、
前記保持枠は、ガイド軸に沿って摺動可能で且つ該ガイド軸を中心に回転可能として、前記ガイド軸に嵌合保持され、退避時には前記ガイド軸に従った移動および回転により前記退避レンズ群を退避させることを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、
前記ガイド軸は、前記偏向光学素子によって折り曲げられた光軸のなす平面とは垂直な方向に延在しており、
前記退避レンズ群は、退避時に、光軸方向について前記偏向光学素子と重なる範囲では前記ガイド軸に沿う方向へ移動し、前記偏向光学素子と重なる範囲外では前記ガイド軸を中心に回転して、前記偏向光学素子の側方に退避することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1または請求項2のレンズ鏡胴であって、
前記レンズ鏡胴は、
前記偏向光学素子を保持する固定部材と、
前記保持枠の光路上への進入時に光軸方向への移動を規制し退避時に係合が外れるガイド溝と、
前記保持枠を前記ガイド軸に沿う方向と回転方向に付勢する弾性部材と
をさらに備え、且つ
前記固定部材は、退避時に前記保持枠と係合して前記保持枠を回転させる係合部を有することを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項3のレンズ鏡胴であって、
前記ガイド軸と平行に設けられ、回転駆動源に結合されているリードスクリューと、
前記リードスクリューに螺合されたナットと
を備えてなり、
前記保持枠が前記弾性部材の付勢力により前記ナットに係合されていることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項4のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記ガイド軸は、前記偏向光学素子の物体側方向から見て、前記偏向光学素子の側方に並設されていることを特徴としている
求項に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記ガイド軸は、光軸方向について前記退避レンズ群の対物面よりも前記偏向光学素子側に配置されることを特徴としている
請求項に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記退避レンズ群は、撮影時には、光路上で最も物体側に配置される光学系であることを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカメラは、
請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成されることを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカメラは、請求項のカメラであって、
対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材をさらに有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置されることを特徴としている
請求項10に記載した本発明に係るカメラは、
請求項1〜請求項7のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成され、さらに対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材を有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置されることを特徴としている。
請求項11に記載した本発明に係るカメラは、請求項10のカメラであって、
前記バリア部材の開閉状態を検出する位置検出装置がさらに配設され、前記位置検出装置の検出に基づき前記バリア部材の開閉状態に応じて退避レンズ群を作動させる構成としたことを特徴としている。
本発明によれば、屈曲光路を形成するために光路を折り曲げる偏向光学素子を可動とすることなく、組立時の精度を維持し、安定した位置精度を確保しつつ非撮影時における厚さ寸法を小さくすることを可能とするレンズ鏡胴およびカメラを提供することができる。
すなわち、本発明の請求項1のレンズ鏡胴によれば、
複数のレンズとレンズの光路を折り曲げる固定された偏向光学素子とを有し、撮影時に前記偏向光学素子よりも物体側に1つ以上のレンズが配置されるレンズ鏡胴において、
前記物体側のレンズの少なくとも一部を構成し、撮影時には前記光路上に位置し、非撮影時には前記光路上から移動し、前記偏向光学素子の側方に退避する退避レンズ群を備え、
前記退避レンズ群は、1つ以上のレンズと、当該レンズを保持する保持枠とを有し、
前記保持枠は、ガイド軸に沿って摺動可能で且つ該ガイド軸を中心に回転可能として、前記ガイド軸に嵌合保持され、退避時には前記ガイド軸に従った移動および回転により前記退避レンズ群を退避させることによって、
特に、光路を屈曲するための偏向光学素子を移動させることがないため、組立時の精度を維持し、安定した位置精度を確保しつつ簡単な構成で、高い光学性能を達成しつつ光路屈曲光学系を薄型化することが可能となる。
また、本発明の請求項2のレンズ鏡胴によれば、請求項1のレンズ鏡胴において、
前記ガイド軸は、前記偏向光学素子によって折り曲げられた光軸のなす平面とは垂直な方向に延在しており、
前記退避レンズ群は、退避時に、光軸方向について前記偏向光学素子と重なる範囲では前記ガイド軸に沿う方向へ移動し、前記偏向光学素子と重なる範囲外では前記ガイド軸を中心に回転して、前記偏向光学素子の側方に退避することによって、
特に、退避レンズ群を、他のレンズ群と干渉することなく、円滑に且つ効率良く退避させることが可能となる。
本発明の請求項3のレンズ鏡胴によれば、請求項1または請求項2のレンズ鏡胴において、
前記レンズ鏡胴は、
前記偏向光学素子を保持する固定部材と、
前記保持枠の光路上への進入時に光軸方向への移動を規制し退避時に係合が外れるガイド溝と、
前記保持枠を前記ガイド軸に沿う方向と回転方向に付勢する弾性部材と
をさらに備え、且つ
前記固定部材は、退避時に前記保持枠と係合して前記保持枠を回転させる係合部を有することによって、
特に、簡単な構成で、撮影時における退避レンズ群の高い位置精度の確保および円滑な退避動作が可能となる。
本発明の請求項4のレンズ鏡胴によれば、請求項3のレンズ鏡胴において、
前記ガイド軸と平行に設けられ、回転駆動源に結合されているリードスクリューと、
前記リードスクリューに螺合されたナットと
を備えてなり、
前記保持枠が前記弾性部材の付勢力により前記ナットに係合されていることによって、
特に、簡単な構成で、退避レンズ群の所要の方向についての進退移動および位置精度の安定化が可能となる。
本発明の請求項5のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記ガイド軸は、前記偏向光学素子の物体側方向から見て、前記偏向光学素子の側方に並設されていることによって、
特に、退避時に、退避レンズ群の移動に関連する構成を偏向光学素子よりも物体側に配置することなく、効果的に薄型化することが可能となる。
発明の請求項のレンズ鏡胴によれば、請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記ガイド軸は、光軸方向について前記退避レンズ群の対物面よりも前記偏向光学素子側に配置されることによって、
特に、簡単な構成で、撮影時に偏向光学素子よりも前方に位置する退避レンズ群を非撮影時に高い位置精度にて移動退避させ、薄型化することが可能となる。
発明の請求項のレンズ鏡胴によれば、請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記退避レンズ群は、撮影時には、光路上で最も物体側に配置される光学系であることによって、
特に、非撮影時における厚さ方向寸法を効果的に低減し、効率良く薄型化することが可能となる。
本発明の請求項のカメラによれば、
請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成されることによって、
特に、光路を屈曲するための偏向光学素子を移動させることなく、光学性能を劣化させずに非撮影時に薄型化することが可能となる。
本発明の請求項のカメラによれば、請求項のカメラにおいて、
対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材をさらに有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置されることによって、
特に、退避レンズ群の退避時に、光学系を保護するバリア部材が、充分に近接して偏向光学素子の前方を覆い、効果的に薄型化することが可能となる
本発明の請求項10のカメラによれば、
請求項1〜請求項7のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成され、さらに対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材を有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置されることによって、
特に、退避レンズ群の退避時に、光学系を保護するバリア部材が、充分に近接して偏向光学素子の前方を覆い、効果的に薄型化することが可能となる。
本発明の請求項11のカメラによれば、請求項10のカメラにおいて、
前記バリア部材の開閉状態を検出する位置検出装置がさらに配設され、前記位置検出装置の検出に基づき前記バリア部材の開閉状態に応じて退避レンズ群を作動させる構成としたことによって、
特に、光学系を保護するバリア部材と退避レンズ群が互いに干渉することなくスムーズに作動することが可能となる。
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のレンズ鏡胴およびカメラを詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を示しており、それぞれ図1はレンズ鏡胴の要部の斜視図、図2はレンズ鏡胴の要部の正面図、そして図3はレンズ鏡胴の要部の分解斜視図である。図4は、図1〜図3のレンズ鏡胴に用いられる光学系の構成を示す、模式的な部分断面側面図である。また、図5〜図7は、図1〜図3のレンズ鏡胴における退避レンズ群の動作を示しており、それぞれ、図5は撮影時、図6は収納途中、そして図7は収納時の状態を示す斜視図である。図8および図9は、退避レンズ群と偏向光学素子としてのプリズムの動作位置関係を詳細に示しており、それぞれ、図8は撮影時、そして図9は非撮影収納時の状態を示す要部断面図である。図10および図11は、ナット部材と退避レンズ保持枠との係合動作関係をさらに詳細に示しており、それぞれ、図10は撮影時の(a)正面図と(b)A−A矢視断面図、そして図11は収納時の(a)正面図と(b)B−B矢視断面図である。
まず、図1〜図3に示す本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部および図4に示す光学系について説明する。
図1〜図3に示すレンズ鏡胴における光学系は、図4に詳細に示すように、物体側(図示上方)から、第1レンズ群G1、プリズムPR、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、絞り/シャッタユニットAS、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、第6レンズ群G6、第7レンズ群G7、光学フィルタOFおよび撮像素子ISが、光軸に沿って順次配置されて構成されている。
図4において、第1レンズ群G1は、最も物体側に配置される退避レンズ群として1枚以上のレンズにより構成され、物体側からの光が入射される。この第1レンズ群G1は、撮影状態では固定的に配置され、非撮影時の収納状態では光路外に退避する。プリズムPRは、入射光を反射偏向する偏向光学素子として用いられ、この場合、入射光を90度偏向して光軸を折り曲げて屈曲光路を形成する。第2レンズG2は、1枚以上のレンズにより構成され、プリズムPRの像面側に固定的に配置される。第3レンズ群G3は、1枚以上、例えば3枚、のレンズで構成され、光軸に沿って移動可能な可動レンズ群である。
絞り/シャッタユニットASは、光路上において光束を絞り込む絞り機能と光路を開閉するシャッタ機能とを有している。第4レンズ群G4は、1枚以上、例えば1枚、のレンズで構成され、光軸に沿って移動可能な可動レンズ群である。第5レンズ群G5は、1枚以上、例えば3枚、のレンズで構成され、光軸に沿って移動可能な可動レンズ群である。第6レンズ群G6は、1枚以上、例えば2枚、のレンズで構成され、光軸に沿って移動可能な可動レンズ群である。第7レンズ群G7は、1枚以上、例えば1枚、のレンズで構成されて、固定的に配置される。光学フィルタOFは、赤外線をカットするフィルタであり、ローパスフィルタの機能をも有していても良い。撮像素子ISは、CMOS(相補型金属酸化物半導体)またはCCD(電荷結合素子)等のイメージセンサにより構成され、受光面に結像される光学像を電子的な画像データに変換する。
第3レンズ群G3、第4レンズ群G4および第5レンズ群G5は、変倍用のレンズ群であり、図示されていない駆動機構により光軸上で所要の位置に移動させることができ、これら第3レンズ群G3〜第5レンズ群G5の移動により、焦点距離を変化させることができる。
なお、絞り/シャッタユニットASは、例えば第4レンズ群G4と一体的に移動しても良いが、単独で移動しても、あるいはこれら第3レンズ群G3〜第5レンズ群G5の動作を阻害しなければ固定しておいても良い。第6レンズ群G6は、フォーカス用のレンズ群であり、図示されていない駆動装置により光軸上を移動して、撮像素子ISの受光面に被写体光学像を結像させるべく、合焦動作を行う。これらのレンズ群の動作により、撮影時に、変倍動作および合焦動作を行うことができる。
図1〜図3に示すレンズ鏡胴は、レンズ保持枠11、主軸12、固定枠13、副軸14、圧縮トーションスプリング15、リードスクリュー16、パルスモータ17およびナット部材18を備えている。
退避レンズ群である第1レンズ群G1は、レンズ保持枠11によって保持されている。レンズ保持枠11は、ガイド軸である主軸12が嵌挿される円筒状のスリーブ部11aを有しており、主軸12のまわりでの回転移動および主軸12に沿うスライド移動を可能としている。すなわち、主軸12は、両端において固定枠13に固定され、これにより第1レンズ群G1は、主軸12に沿う方向に移動可能である。レンズ保持枠11には、第1レンズ群G1を挟んでスリーブ部11aの反対側に副ガイドピン11bが設けられている。固定枠13には、第1レンズ群G1を挟んで主軸12とは反対側に副軸14が固定されている。副ガイドピン11bは、撮影時に副軸14と固定枠13に挟み込まれるように配置されている。
主軸12の図示下端側には、固定枠13とレンズ保持枠11のスリーブ部11aとの間に、レンズ保持枠11を主軸方向に沿って図示上方に押圧する圧縮スプリングの機能と、レンズ保持枠11を主軸12を中心として副ガイドピン11bを副軸14へ向けて押しつける方向に回転させる回転力を発生させるトーションスプリングの機能とを併せ持つ圧縮トーションスプリング15を配置している。圧縮トーションスプリング15は、レンズ保持枠11に当接する側とは反対側において固定枠13に固定され、レンズ保持枠11側は、レンズ保持枠11に設けられたスプリング係合部11d(図8および図9参照)に係合している。圧縮トーションスプリング15の圧縮反発力によって、レンズ保持枠11は、主軸12の方向に沿って固定枠13のプリズムPR側へ付勢され、トーション力によってレンズ保持枠11は、副ガイドピン11bを副軸14を押しつける側に付勢される。固定枠13には、撮影状態においてレンズ保持枠11が係止される受け面13aを形成してあり、これによって第1レンズ群G1は光軸が垂直に交わる面で安定した位置を確保することができる。副ガイドピン11bがトーション力により副軸14に係合することによって、第1レンズ群G1の光軸の倒れを安定させることができる。
また、副ガイドピン11bを挟んで副軸14に対峙する固定枠13の受け面13dが副ガイドピン11bと極小の隙間を存して設けられることにより、使用者が不用意に第1レンズ群G1に接触したとしても、移動する量は少なく、接触から解放されれば元の位置に戻るようにすることができる。
固定枠13には、リードスクリュー16が直結されたパルスモータ17が固定されており、リードスクリュー16は主軸12と平行に配置されている。すなわち、主軸12、副軸14およびリードスクリュー16は、プリズムPRによって屈曲された光軸を含む平面に対して垂直に、互いに平行として配設されている。リードスクリュー16にはナット部材18が螺合しており、ナット部材18の回り止め突起18aは、固定枠13にリードスクリュー16および主軸12に平行に形成されている直進ガイド溝13bに嵌合している。これによりナット部材18を、リードスクリュー16の回転によって、リードスクリュー16に沿って直進移動させることが可能となる。
レンズ保持枠11は、ナット部材18の係合突起18bが係合するナット係合部11cを有し、これらは圧縮トーションスプリング15の圧縮反発力により係合している。なお、レンズ保持枠11のナット係合部11cは、主軸12の方向に適宜間隔を存して平行に対峙する2枚のほぼ扇形の板状の突出部で形成され、これら2枚の板状の突出部の間に、主軸12に沿う方向に若干の遊びを有してナット部材18の係合突起18bが係合している(図8、図9、図10および図11参照)。これによって、レンズ保持枠11を、主軸12上でパルスモータ17の回転に従って移動させることができる。
そして、固定枠13のプリズムPRから遠い側、つまり図示下方、に、レンズ保持枠11が移動してきたときに係合して、背面方向に案内する退避カム部13cを設けており、レンズ保持枠11が移動してくると、この退避カム部13cにレンズ保持枠11が係合して、レンズ保持枠11が、圧縮トーションスプリング15のトーション力に反して回転し、副ガイドピン11bが副軸14から離間する。ナット部材18が所定の位置まで移動すると、レンズ保持枠11は固定枠13に形成した退避空間に退避される(図7、図9および図11参照)。
なお、この実施の形態では、駆動源であるパルスモータ17に対してリードスクリュー16を直結するものとしているが、パルスモータ17とリードスクリュー16の間にギヤ等を介在させるようにしても良いし、駆動源をパルスモータ17でなくDC(直流)モータとしたり、またはパルスモータ17とリードスクリュー16ではなくリニアモータを用いる構成としても良い。
図5、図6および図7は、それぞれ、撮影状態から退避状態へレンズ保持枠11が移動する様子を示しており、図5は撮影状態(撮影時)、図6は退避収納の途中、そして図7は退避収納状態(収納時)を示している。また、図8および図9は、それぞれ、撮影時および非撮影時の退避収納状態を側方から見た一部を断面にて示す模式図である。主軸12、リードスクリュー16、パルスモータ17および副軸14がプリズムPRの側方に配置されていることで、収納時にレンズ鏡胴の構成要素に、プリズムPRの物体側の面よりも物体側に位置するものが存在せず、また、退避時にプリズムPRより背後方向(図示下方)にレンズ保持枠11が突出しないため、収納時のレンズ鏡胴の厚さはプリズムPRの厚さ寸法で決定され、最小の寸法となる。
また、図10および図11には、ナット部材18に設けられた回り止め突起18aと、固定枠13に設けられている直進ガイド溝13bとの嵌合状態、ならびにナット部材18の係合突起18bと、レンズ保持枠11に設けられたナット係合部11c(図2参照)との嵌合状態の詳細が示されている。図10において、(a)は、図2と同様の撮影時におけるレンズ鏡胴の要部の正面図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿う断面を矢印に従って図示下方から見た矢視断面図である。また、図11において、(a)は、収納時におけるレンズ鏡胴の要部の正面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿う断面を矢印に従って図示下方から見た矢視断面図である。上述した通り、レンズ保持枠11のナット係合部11cは、ナット部材18の係合突起18bの厚みよりも若干広い適宜間隔を存して平行に対峙する2枚のほぼ扇形の板状の突出部で形成されている。これらナット係合部11cの2枚の板状の突出部の間に、主軸12に沿う方向に若干の遊びを有してナット部材18の係合突起18bが係合している。
撮影時においては、図10の(a)に示すように、パルスモータ17によりリードスクリュー16を介して駆動されるナット部材18によってレンズ保持枠11が主軸12の図示上端に位置させられている。このとき図10の(b)に示すように、レンズ保持枠11は、圧縮トーションスプリング15によって、副ガイドピン11bを副軸14に当接押圧して、プリズムPRの物体側の光軸上の所定位置に配置されている。
また、収納時においては、図11の(a)に示すように、パルスモータ17によりリードスクリュー16を介して駆動されるナット部材18によってレンズ保持枠11が主軸12の図示下方に位置させられている。このとき図11の(b)に示すように、レンズ保持枠11は、固定枠13の退避カム部13cによって圧縮トーションスプリング15に抗して回転され、副ガイドピン11bが副軸14から離れて、レンズ保持枠11が固定枠13に形成された退避空間に退避している。なお、レンズ保持枠11のナット係合部11cがほぼ扇形をなしているのは、レンズ保持枠11の回転範囲において、ナット部材18の係合突起18bとの係合が外れないようにするためである。
以上述べたように、プリズムPRを固定した状態で、プリズムPRよりも物体側の第1レンズ群G1を、非撮影時にプリズムPRの側方に退避させることができ、レンズ鏡胴の厚さを最小寸法とすることができる。また、プリズムPRが固定されているため、プリズムPRの位置精度は、組付け時に依存し、精度を確保し易くなっている。レンズ保持枠11は、圧縮トーションスプリング15、主軸12および副軸14により、位置規制されて第1レンズ群G1の高い位置精度を確保している。
次に、本発明の第2の実施の形態として、上述したレンズ鏡胴を組み込んだカメラについて説明する。
図12および図13は、上述した本発明の第1の実施の形態のレンズ鏡胴を組み込んだ本発明の第2の実施の形態に係るカメラの要部の構成を示しており、図12は斜視図、図13はその分解斜視図である。
図14、図15および図16は、図12および図13に示したカメラの動作状態を説明するためのもので、それぞれ、図14は図12のカメラにおける撮影時の(a)正面図と(b)断面図、図15は収納途中の(a)正面図と(b)断面図、そして図16は収納時の(a)正面図と(b)断面図である。
図17、図18および図19は、退避レンズ群である第1レンズ群の挿入/退避動作と、バリアの開閉動作との連係の詳細を説明するために主としてレンズ保持枠とバリアを模式的に示すものであり、それぞれ、図17は、バリアが開いている撮影時の(a)斜視図と(b)上面図、図18は、収納途中の(a)斜視図と(b)上面図、そして図19は、バリアが閉じている収納時の(a)斜視図と(b)上面図である。
図12および図13に示すカメラは、レンズ鏡胴31、回路基板32、コンデンサ33、電池34、表示装置35、メモリカード36、ストロボ37、前カバー38、後カバー39およびバリア40を備えている。
レンズ鏡胴31は、上述の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴であり、図1〜図11における各部と同様の部分は同一の符号を付して示しその詳細な説明を省略する。回路基板32は、プリント配線基板であり、画像処理やカメラ制御等を行うための電装部品を配置実装している。コンデンサ33は、電源である電池34の電荷を蓄積して、ストロボ37を発光させるための電源として用いられる。電池34は、このカメラの電源であり、カメラの各部、例えばレンズ鏡胴31、回路基板32、コンデンサ33、表示装置35、メモリカード36、ストロボ37およびバリア40等にこれらを駆動するための電力を供給する。表示装置35は、LCD(液晶ディスプレイ)等を用いて構成され、カメラを動作させるための操作に係る情報、撮影され/格納された画像などを操作または状態に応じて表示する。
メモリカード36は、撮影された画像その他の情報を含む記録データを格納するフラッシュメモリを搭載した汎用タイプまたは専用タイプの記録媒体である。ストロボ37は、発光が要求されまたは指示されると、コンデンサ33の充電電荷を放電するなどして発光して、被写体を照光する。前カバー38および後カバー39は、カメラの外装カバー、いわゆるカメラボディ、を構成し、上述したレンズ鏡胴31、回路基板32、コンデンサ33、電池34、表示装置35、メモリカード36およびストロボ37等を保持/格納している。バリア40は、カメラボディの長手方向に沿ってスライド移動可能として前カバー38のレンズ鏡胴31を覗かせる開口部を開閉可能に設けられ、撮影時には開口部を開放して撮影可能とし、非撮影時には開口部を遮蔽して光学系を保護する。
図14は、バリア40を開いた撮影状態を示す(a)カメラの正面図および(b)そのC−C線に沿い図示矢印方向から見た矢視断面図、図15は収納途中の状態を示す(a)カメラの正面図および(b)そのD−D線に沿う矢視断面図、そして図16はバリアを閉じた収納時状態を示す(a)カメラの正面図および(b)そのE−E線に沿う矢視断面図である。
図14〜図16の各々の(b)の断面図からわかるように、バリア40は、図16の非撮影収納時には、レンズ保持枠11が光路外に退避した後に、図14の撮影時にレンズ保持枠11が配置されていたスペースに入り込むようになっている。これにより図16の非撮影時には、バリア40が開口部を覆っているにもかかわらず、バリア40とプリズムPRと表示装置35との厚さの合計で全体の厚さがほぼ決定され、カメラの厚さを最小に抑えることができる。
また、図17〜図19に示すように、バリア40には、位置検出装置として、例えばカメラ本体側にフォトインタラプタPIを設け、且つそれに対応してバリア40に、例えば遮光板40aが突設されている。図17〜図19においては、退避レンズである第1レンズ群G1の挿入/退避に際してのレンズ保持枠11とバリア40の位置関係の変化を示している。それぞれ、図17には、撮影時の(a)斜視図と(b)上面図、図18は、収納途中の(a)斜視図と(b)上面図、そして図19は、収納時の(a)斜視図と(b)上面図である。図示のようにバリア40は、図17の撮影時には開いており、図18の収納途中には、閉じ始めており、図19の収納時には閉じている。
図17に示す撮影状態においては、バリア40の遮光板40aはフォトインタラプタPIを遮光して位置検出装置としてバリア40が開状態にあることを検出している。この撮影状態から非撮影収納状態に移行する際には、まず、収納するためにバリア40が閉状態へ移動し始めると、位置検出装置としての遮光板40aがフォトインタラプタPIから外れて、バリア40の閉状態への移動が検出され、図示していないカメラ制御系によりパルスモータ17を駆動させて、レンズ保持枠11を回転させ退避させる。このようにして図19のような収納状態となる。
図19に示す収納状態においては、遮光板40aはフォトインタラプタPIから離れており、フォトインタラプタPIを遮光しておらず、位置検出装置としてバリア40が開状態にないことを検出している。逆に、図19に示す収納状態から撮影状態に移行する際には、バリア40が開き、完全に開いた状態となって、遮光板40aがフォトインタラプタPIを遮光し、バリア40が開いた状態であることが検出されると、レンズ保持枠11をプリズムPRの物体側に移動させ、撮影可能な状態とするように制御する。このようにすることにより、バリア40とレンズ保持枠11とを互いに干渉することなく作動させることができる。
上述したように、請求項1のレンズ鏡胴は、複数のレンズとレンズの光路を折り曲げる固定された偏向光学素子とを有し、撮影時に前記偏向光学素子よりも物体側に1つ以上のレンズが配置されるレンズ鏡胴において、前記物体側のレンズの少なくとも一部を構成し、撮影時には前記光路上に位置し、非撮影時には前記光路上から移動し、前記偏向光学素子の側方に退避する退避レンズ群を備え、前記退避レンズ群は、1つ以上のレンズと、当該レンズを保持する保持枠とを有し、前記保持枠は、ガイド軸に沿って摺動可能で且つ該ガイド軸を中心に回転可能として、前記ガイド軸に嵌合保持され、退避時には前記ガイド軸に従った移動および回転により前記退避レンズ群を退避させる。このようにすることで、退避時には、ほぼ、偏向光学素子とこの偏向光学素子を保持する固定部材のみの厚さとすることができ、さらに、偏向光学素子は撮影時および非撮影時に移動することがないため、組付け時の精度が維持される。このため、安定した位置精度を確保しつつ薄型のレンズ鏡胴を達成することができる。また、退避レンズ群をガイド軸に嵌合させることによって、退避レンズ群の位置精度を確保し、さらにそのガイド軸を利用して、偏向光学素子上からのスライド移動と回転移動により偏向光学素子の側方へ移動退避し、偏向光学素子の厚さ内に退避レンズ群が入ることになるので非撮影時の厚さを薄くすることができる。
請求項2のレンズ鏡胴においては、前記ガイド軸は、前記偏向光学素子によって折り曲げられた光軸のなす平面とは垂直な方向に延在しており、前記退避レンズ群は、退避時に、光軸方向について前記偏向光学素子と重なる範囲では前記ガイド軸に沿う方向へ移動し、前記偏向光学素子と重なる範囲外では前記ガイド軸を中心に回転して、前記偏向光学素子の側方に退避する。このようにすることで、退避レンズ群は、他のレンズ群と干渉することなく退避することができ、屈曲光軸のなす平面に垂直な方向に退避レンズ群が移動できることにより、最短移動距離で偏向光学素子の側方に移動することができる。
請求項3のレンズ鏡胴においては、前記レンズ鏡胴は、前記偏向光学素子を保持する固定部材と、前記保持枠の光路上への進入時に光軸方向への移動を規制し退避時に係合が外れるガイド溝と、前記保持枠を前記ガイド軸に沿う方向と回転方向に付勢する弾性部材と
をさらに備え、且つ前記固定部材は、退避時に前記保持枠と係合して前記保持枠を回転させる係合部を有する。このようにすることで、撮影時に退避レンズ群が光路上に侵入したときには、弾性部材によるガイド軸方向と回転方向への付勢により、ガイド溝とガイド軸に押付けられ、退避レンズ群の位置が安定させられ、退避時には係合部により退避位置に回転させることができるため、簡単な構成で退避レンズ群の位置精度の確保と退避動作が可能となる。
請求項4のレンズ鏡胴においては、前記ガイド軸と平行に設けられ、回転駆動源に結合されているリードスクリューと、前記リードスクリューに螺合されたナットとを備えてなり、前記保持枠が前記弾性部材の付勢力により前記ナットに係合されている。このようにすることで、退避レンズ群を簡単な構成でガイド軸方向に移動可能とし、退避レンズ群の位置精度を安定させて移動させることができる。
請求項5のレンズ鏡胴においては、前記ガイド軸は、前記偏向光学素子の物体側方向から見て、前記偏向光学素子の側方に並設されている。このようにすることで、退避時に偏向光学素子よりも物体側に退避レンズ群の駆動部材を無くしレンズ鏡胴を薄くすることができる
請求項のレンズ鏡胴においては、前記ガイド軸は、光軸方向について前記退避レンズ群の対物面よりも前記偏向光学素子側に配置される。このようにすることで非撮影時の状態においては、撮影時の状態よりもレンズ鏡胴の厚さを薄くすることができる
求項のレンズ鏡胴においては、前記退避レンズ群は、撮影時には、光路上で最も物体側に配置される光学系である。このようにすることで、非撮影時のレンズ鏡胴を厚さ方向が最小の構成とし薄くすることができる。
請求項のカメラにおいては、請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成される。このような構成とすることで、偏向光学素子の位置を固定したまま退避レンズ群が退避できるカメラとし、像性能を確保しつつ非撮影時のカメラの厚さを薄くすることができる。
請求項のカメラにおいては、対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材をさらに有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置される。このようにすることで、非撮影時にレンズや偏向光学素子を保護するバリアを持たせても、カメラの厚さを余計に増やすことなく薄くすることができる
請求項10のカメラは、請求項1〜請求項7のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成され、さらに対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材を有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置される。このようにすることで、非撮影時における偏向光学素子上の厚さを最小の構成とすることができ、厚さを薄くすることができる。
請求項11のカメラにおいては、前記バリア部材の開閉状態を検出する位置検出装置がさらに配設され、前記位置検出装置の検出に基づき前記バリア部材の開閉状態に応じて退避レンズ群を作動させる。このようにすることで、バリア部材と退避レンズ群が干渉することなくスムーズに作動させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を模式的に示す斜視図である。 図1のレンズ鏡胴の正面図である。 図1のレンズ鏡胴の分解斜視図である 図1のレンズ鏡胴に用いられる光学系の構成を示す模式的な部分断面側面図である。 図1のレンズ鏡胴における退避レンズ群の動作を説明するための撮影時の状態を示す斜視図である。 図1のレンズ鏡胴における退避レンズ群の動作を説明するための収納途中の状態を示す斜視図である。 図1のレンズ鏡胴における退避レンズ群の動作を説明するための収納時の状態を示す斜視図である。 図1のレンズ鏡胴における退避レンズ群と偏向光学素子としてのプリズムの動作位置関係を説明するための撮影時の状態を示す要部断面図である。 図1のレンズ鏡胴における退避レンズ群と偏向光学素子としてのプリズムの動作位置関係を説明するための非撮影収納時の状態を示す要部断面図である。 図1のレンズ鏡胴のナット部材と退避レンズ保持枠との係合動作関係を説明するための撮影時の(a)正面図と(b)A−A矢視断面図である。 図1のレンズ鏡胴のナット部材と退避レンズ保持枠との係合動作関係を説明するための収納時の(a)正面図と(b)B−B矢視断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るカメラの要部の構成を模式的に示す斜視図である。 図12のカメラの要部の構成を模式的に示す分解斜視図である。 図12のカメラの動作状態を説明するための撮影時の(a)正面図と(b)断面図である。 図12のカメラの動作状態を説明するための収納途中の(a)正面図と(b)断面図である。 図12のカメラの動作状態を説明するための収納時の(a)正面図と(b)断面図である。 図12のカメラにおける退避レンズ群の挿入/退避動作と、バリアの開閉動作との連係を説明するためにバリアが開いている撮影時の主としてレンズ保持枠とバリアを模式的に示す(a)斜視図と(b)上面図である。 図12のカメラにおける退避レンズ群の挿入/退避動作と、バリアの開閉動作との連係を説明するために収納途中の主としてレンズ保持枠とバリアを模式的に示す(a)斜視図と(b)上面図である。 図12のカメラにおける退避レンズ群の挿入/退避動作と、バリアの開閉動作との連係を説明するためにバリアが閉じている収納時の主としてレンズ保持枠とバリアを模式的に示す(a)斜視図と(b)上面図である。
符号の説明
11 レンズ保持枠
12 主軸(ガイド軸)
13 固定枠(固定部材)
14 副軸
15 圧縮トーションスプリング
16 リードスクリュー
17 パルスモータ
18 ナット部材
31 レンズ鏡胴
32 回路基板
33 コンデンサ
34 電池
35 表示装置
36 メモリカード
37 ストロボ
38 前カバー
39 後カバー
40 バリア
11a スリーブ部
11b 副ガイドピン
11c ナット係合部
11d スプリング係合部
13a 受け面
13b 直進ガイド溝
13c 退避カム部
18a 回り止め突起
18b 係合突起
40a 遮光板
G1 第1レンズ群(退避レンズ群)
PR プリズム(偏向光学素子)
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
AS 絞り/シャッタユニット
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
G7 第7レンズ群
OF 光学フィルタ
IS 撮像素子
PI フォトインタラプタ

Claims (11)

  1. 複数のレンズとレンズの光路を折り曲げる固定された偏向光学素子とを有し、撮影時に前記偏向光学素子よりも物体側に1つ以上のレンズが配置されるレンズ鏡胴において、
    前記物体側のレンズの少なくとも一部を構成し、撮影時には前記光路上に位置し、非撮影時には前記光路上から移動し、前記偏向光学素子の側方に退避する退避レンズ群を備え、
    前記退避レンズ群は、1つ以上のレンズと、当該レンズを保持する保持枠とを有し、
    前記保持枠は、ガイド軸に沿って摺動可能で且つ該ガイド軸を中心に回転可能として、前記ガイド軸に嵌合保持され、退避時には前記ガイド軸に従った移動および回転により前記退避レンズ群を退避させることを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 前記ガイド軸は、前記偏向光学素子によって折り曲げられた光軸のなす平面とは垂直な方向に延在しており、
    前記退避レンズ群は、退避時に、光軸方向について前記偏向光学素子と重なる範囲では前記ガイド軸に沿う方向へ移動し、前記偏向光学素子と重なる範囲外では前記ガイド軸を中心に回転して、前記偏向光学素子の側方に退避することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
  3. 前記レンズ鏡胴は、
    前記偏向光学素子を保持する固定部材と、
    前記保持枠の光路上への進入時に光軸方向への移動を規制し退避時に係合が外れるガイド溝と、
    前記保持枠を前記ガイド軸に沿う方向と回転方向に付勢する弾性部材とをさらに備え、且つ
    前記固定部材は、退避時に前記保持枠と係合して前記保持枠を回転させる係合部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記ガイド軸と平行に設けられ、回転駆動源に結合されているリードスクリューと、
    前記リードスクリューに螺合されたナットと
    を備えてなり、
    前記保持枠が前記弾性部材の付勢力により前記ナットに係合されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡胴。
  5. 前記ガイド軸は、前記偏向光学素子の物体側方向から見て、前記偏向光学素子の側方に並設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  6. 前記ガイド軸は、光軸方向について前記退避レンズ群の対物面よりも前記偏向光学素子側に配置されることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  7. 前記退避レンズ群は、撮影時には、光路上で最も物体側に配置される光学系であることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  8. 請求項〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成されることを特徴とするカメラ。
  9. 対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材をさらに有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置されることを特徴とする請求項に記載のカメラ。
  10. 請求項1〜請求項のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成され、さらに対物側の光路開口を非撮影時に遮蔽するバリア部材を有し、前記バリア部材は、遮蔽時に前記退避レンズ群が退避したスペースに配置されることを特徴とするカメラ。
  11. 前記バリア部材の開閉状態を検出する位置検出装置がさらに配設され、前記位置検出装置の検出に基づき前記バリア部材の開閉状態に応じて退避レンズ群を作動させる構成としたことを特徴とする請求項10に記載のカメラ。
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