JP6137441B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents
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Description
ところで、内燃機関のピストンは、コンロッドを介して、クランクシャフトに回動自在に連結されるため、ピストンの往復動(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程などによる)の際、スカート部の基本径部及びその周辺がシリンダの壁面と触れやすい。そのため、近時、スカート部では、スカート部の外面全体に、モリブデンコートといった潤滑性を有する潤滑部材をコーティングして、シリンダに対する潤滑性を向上させたり、耐久性を向上させたりすることが行われている。
請求項3の発明は、導入路のピストンヘッド側の端近傍である入口部は、ピストン周方向にラッパ形に拡開されるものとした。
請求項4に記載の発明は、さらにピストン上昇時に大きな荷重の加わる反スラスト側のフリクションがより確実に低減されるよう、溝部は、一対のスカート部のうち、シリンダ内をピストンが上昇するときにシリンダに対する面圧が高くなる側に設けられることとした。
請求項5に記載の発明は、さらに溝部に流入した潤滑油がより確実にスカート部の外部へ流出されるよう、導入路の基本径部側の端近傍である第1の出口部のピストン周方向における幅は、導出路のスカート部の裾端側の端近傍である第2の出口部の合計の幅よりも狭く形成されるものとした。
請求項7に記載の発明は、さらにシリンダ壁面に付着した潤滑油がより多く捕集されるよう、導入路のピストンヘッド部側の端近傍である入口部のピストン周方向における幅は、導入路の他端近傍である第1の出口部における幅よりも広く形成されるものとした。
請求項2,3の発明によれば、シリンダライナの内面に付着した潤滑油を、広範囲な領域からより多く捕集して、基本径部の中心領域の直上へ導ける。
請求項5の発明によれば、残る潤滑油は、導出路から速やかにスカート部の外部へ流出でき、過剰に潤滑油が基本径部及びその周辺に供給されるのを抑えることができる。これにより、過剰な潤滑油によるせん断抵抗の増加が抑えられ、ピストン上昇時のフリクションを低減することができる。
請求項7の発明によれば、シリンダ壁面に付着した潤滑油をより多く捕集することができる。
図1は、本発明を適用した内燃機関、例えばレシプロ式エンジンの一部を示している。
図1中1はシリンダであるところの筒形のシリンダライナ、2は同シリンダライナ1内に往復自在に収められたピストンである。シリンダライナ1は、吸気弁および排気弁が装着されている燃焼室(図示しない)直下に配置されている。ピストン2は、コンロッド3を介して、クランクシャフトのクランクピン(いずれも図示しない)に回転自在に連結されている。燃焼室(図示しない)には、例えば点火プラグや燃料噴射弁(いずれも図示しない)が設けられ、ピストン2の上昇動、下降動に連携した吸・排気弁の開閉、点火プラグの作動、燃料噴射弁の作動に基づき、所定の4サイクル(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)が行われ、ピストン2の往復運動をクランクシャフト(図示しない)で回転運動に変換して、クランクシャフトから回転駆動力が出力されるようにしている。
一対のスカート部10のコーティング層17のうち少なくとも一方には、本発明の要部となる溝パターンKが設けられる。本実施形態では、図6に示されるようにピストン上昇時、荷重が大きくなる反スラスト側のスカート部10にコーティングされているコーティング層17に、溝パターンKが設けられている。溝パターンKは,ピストンヘッド部7で掻き落とした後のシリンダライナ1の内面に残る潤滑油を捕集して、基本径部11a及びその周辺(肩部11bの境界α近傍)に潤滑油を供給するために用いるものである。これには、コーティング層17に導入路25、導出路30を形成する構造が用いられている。導入路25、導出路30は、いずれも溝部で形成される。
今、ピストン2が下死点から上死点へ上昇しているとする。このときピストン2は、反スラスト側がシリンダライナ1の内面に押し付けられながら上昇する。このとき、反スラスト側は、コンプレッションリング5やオイルリング6の有るピストンヘッド部7がシリンダライナ1の内面を通過し、同ピストンヘッド部7で潤滑油を掻き落とした後の、潤滑油の付着が少ないシリンダライナ1の内面をスカート部10が通過する。
このとき、導入路25の出口と連通する導出路30は、スカート部10の周方向へ変位してコーティング層30の裾端まで形成されている。このため、導入路25からの潤滑油は、肩部11bと基本径部11aとの外径の差異、導入路25と導出路30との周方向のずれなどにより、導入路25と導出路30の接続点(合流点)付近(境界線α近傍)に停滞する。むろん、潤滑油は、中心領域15の直上の油溜め部20にも溜まり停滞する。
つまり、基本径部11a及びその周辺の油膜は、基本径部11aの上方(周り)から潤滑油が、コーティング層17とシリンダライナ1の内面間に漏れ出すという間接的な手法により形成される。
加えて、導出路30は、スカート部10の中心線βを挟んで左右対称に周方向へずらして、2本(複数)配置してあるので、基本径部11aは、周りから潤滑油が供給されやすくなり、特に面圧の高くなる基本径部11aの中心領域15では、より均一に油膜が形成できる。しかも、導出路30は、スカード部10の中心線上に形成されないため、基本径部11aの中心領域15のコーティング層17は減らさずにすみ、中心領域15のコーティング層の耐久性をより向上させることができる利点もある。
本実施形態は、第1の実施形態とは異なり、導入路25の出口部28(本願の第1の出口部に相当)の幅a2を、導出路30の各出口部32の幅b2の合計の幅よりも広くしたものである。
このようにすると、導入路25から導入された潤滑油は、導出路30からシリンダ壁面と基本径部11aのコーティング層17間に漏れ出し易くなり、基本径部11aのコーティング層17に油膜が形成されやすくなる。このため、基本径部11aのコーティング層17の潤滑性や耐久性を、より向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば上述した実施形態では、反スラスト側のスカート部のコーティング層に導入路や導出路を形成した例を挙げたが、スラスト側のスカート部のコーティング層に導入路や導出路を形成しても、反スラスト側、スラスト側の双方に導入路や導出路を形成してもよい。また、上述した実施形態では、基本径部が一定の幅を有するものを例に挙げたが、プロフィールの形状はこれに限らない。例えば、プロフィールが弓状になっており、最大外径部分、即ち基本径部が一部しかないようなピストンにも適用可能である。
7 ピストンヘッド部
8 ピン孔部(被接続部)
10 スカート部
11a 基本径部
11b 肩部
15 中心領域
17 コーティング層
20 油溜め部
25 導入路
26 溝部
30 導出路
31 溝部
Claims (8)
- 内燃機関のシリンダヘッド内に配置されるピストンヘッド部と、
同ピストンヘッド部にコンロッド端を回動自在に接続させる被接続部と、
同被接続部の回動軸線を挟んだ前記ピストンヘッド部の両側を前記シリンダの壁面に沿って延ばし裾端を前記ピストンヘッド部とは反対側に配置して形成される一対のスカート部と、
前記スカート部の外面にコーティングされるコーティング層とを備えた内燃機関のピストンであって、
前記一対のスカート部は、前記ピストンの径方向における前記スカート部の外径が最大である基本径部と、前記基本径部よりも前記ピストンヘッド部側に位置し、前記基本径部よりも外径が小さい肩部とを備え、
前記一対のスカート部のうち少なくとも一方の前記コーティング層は、
前記コーティング層の前記ピストンヘッド部側の端部から前記肩部と前記基本径部との境界線近傍まで形成された導入路と、
前記導入路の前記基本径部側の端近傍である第1の出口部から周方向に変位して前記コーティング層の前記裾端側の端部まで形成される導出路とを有した溝部を備え、
前記導入路の前記第1の出口部は、前記肩部と前記基本径部との境界線と前記スカート部の外面上の中心線との交点に位置するとともに、
前記導入路は前記ピストンヘッド側の端部から前記境界線まで上下方向に直線状に延び、
前記導出路は、前記スカート部の外面上の中心線を挟んで左右対称に形成され、
前記導出路の本数は2本であり、前記導入路の本数は1本である
ことを特徴とする内燃機関のピストン。 - 前記導入路の前記ピストンヘッド部側の端近傍である入口部の前記ピストン周方向における幅は、前記第1の出口部の幅より広く拡開される
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。 - 前記導入路の前記ピストンヘッド側の端近傍である入口部は、前記ピストン周方向にラッパ形に拡開される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のピストン。 - 前記溝部は、前記一対のスカート部のうち、前記シリンダ内を前記ピストンが上昇するときに前記シリンダに対する面圧が高くなる側に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の内燃機関のピストン。 - 前記導入路の前記基本径部側の端近傍である第1の出口部のピストン周方向における幅は、前記導出路の前記スカート部の裾端側の端近傍である第2の出口部の合計の幅よりも狭く形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の内燃機関のピストン。 - 前記導入路の前記基本径部側の端近傍である第1の出口部のピストン周方向における幅は、前記導出路の前記スカート部の裾端側の端近傍である第2の出口部の合計の幅よりも広く形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の内燃機関のピストン。 - 前記導入路の前記ピストンヘッド部側の端近傍である入口部のピストン周方向における幅は、前記導入路の他端近傍である第1の出口部における幅よりも広く形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の内燃機関のピストン。 - 前記導入路と前記導出路との合流点には前記溝部の一部として油溜め部が形成されており、
前記油溜め部の前記スカート部の裾端側の端部は、
前記コーティング層を前記スカート部の裾端方向へ凹ませた凹部である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の内燃機関のピストン。
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