JP6137366B2 - 光硬化性インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、映像表示装置などの光学機器を製造するために好適に用いられる光硬化性インクジェットインクに関する。更に詳しくは、本発明は、バックライトユニットに使用されるマイクロレンズを有する光学部品の製造などに適した光硬化性インクジェットインクに関する。
かねてより、映像表示装置用導光板に形成されるマイクロレンズは、金型を使った射出成形により形成されていた。この方法は製品設計毎に金型が必要であり、少量多品種のマイクロレンズを製造する際には、非常にコストのかかる方法であった。
近年、安価かつ設計自由度の高い製造方法としてインクジェット法により基板表面にマイクロレンズを形成する方法が提案されているが、従来の組成物を用いて形成されるマイクロレンズは、パターンサイズおよびパターン高さのばらつきが大きく、問題であった。この問題を改善するために、基板表面をインクジェット法により撥液処理することが提案されている。この撥液処理には、表面撥液性硬化膜を形成することができるネガ型感光性組成物(例えば、特許文献1 特開2008−209739号公報を参照)などを用いることができる。
特開2008−209739号公報
しかしながら、特許文献1に記載のネガ型感光性組成物は、アクリル樹脂基板等の基板に対する濡れ広がり性が悪い場合があった。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたもので、アクリル樹脂基板等の基板に対する濡れ広がり性に優れる光硬化性インクジェットインクを提供することにある。
本発明者等は、特定量の有機溶媒、特定の多官能(メタ)アクリレート、界面活性剤および光重合開始剤を含有する光硬化性インクジェットインクによれば前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の項を含む。
[1] 有機溶媒(A)と、シクロアルキルおよびシクロアルキレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、ウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレート(B)と、界面活性剤(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する光硬化性インクジェットインクであって、
前記溶媒(A)の含有量が光硬化性インクジェットインク100重量%に対して40〜98重量%である、光硬化性インクジェットインク。
[2] 前記多官能(メタ)アクリレート(B)が、トリシクロデカン骨格を有する多官能(メタ)アクリレートである、[1]に記載の光硬化性インクジェットインク。
[3] 前記多官能(メタ)アクリレート(B)が、下記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートである、[1]または[2]に記載の光硬化性インクジェットインク。
Figure 0006137366
(式(1)中、Ra、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立にHまたはCH3であり、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数である。)
[4] さらに、ウレタン(メタ)アクリレート(E)を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインク。
[5] 前記ウレタン(メタ)アクリレート(E)が、下記式(2)または(3)で表される化合物である、[4]に記載の光硬化性インクジェットインク。
Figure 0006137366
(式(2)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の二価の有機基であり、R4およびR5は、それぞれ独立に水素または炭素数1〜6のアルキルであり、mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整数である。)
Figure 0006137366
(式(3)中、R6、R8およびR9は、それぞれ独立に炭素数1〜20の二価の有機基であり、R7は、炭素数1〜40の三価の有機基であり、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に炭素数1〜10の二価の有機基であり、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に水素または炭素数1〜6のアルキルであり、p、qおよびrは、それぞれ独立に0または1であり、s、tおよびuは、それぞれ独立に1〜3の整数である。)
[6] 前記式(2)におけるR1およびR3が、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレンであり、R2が下記群(e)から選ばれる1種の二価の基である、[5]に記載の光硬化性インクジェットインク。
Figure 0006137366
[7] 前記式(3)におけるR6、R8およびR9が、下記群(f)から選ばれる1種の二価の有機基であり、R7が下記群(g)から選ばれる1種の三価の有機基であり、R10、R11およびR12は、それぞれ炭素数1の二価の有機基である、[5]に記載の光硬化性インクジェットインク。
Figure 0006137366
Figure 0006137366
[8] 前記界面活性剤(C)が、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインク。
[9] 前記界面活性剤(C)が、反応性基を少なくとも1つ有する化合物である、[1]〜[8]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインク。
[10] 前記界面活性剤(C)の反応性基が、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基である、[9]に記載の光硬化性インクジェットインク。
[11] 前記溶媒(A)が、沸点100〜300℃の有機溶媒である、[1]〜[10]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインク。
[12] 前記溶媒(A)が、ヒドロキシ基を有する化合物である、[1]〜[11]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインク。
[13] 25℃における粘度が1.0〜30mPa・sである、[1]〜[12]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインク。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の光硬化性インクジェットインクを硬化させることで得られる表面撥液性硬化膜。
[15] [14]に記載の表面撥液性硬化膜の上にインクジェット法により形成されたマイクロレンズ。
[16] [15]に記載のマイクロレンズを有する光学部品。
[17] [16]に記載の光学部品を含む映像表示装置。
本発明の光硬化性インクジェットインクは、アクリル樹脂基板等の基板に対する濡れ広がり性に優れる。このため、本発明の光硬化性インクジェットインクをインクジェット法でアクリル樹脂基板等の基板に塗布し、硬化させることで、膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を容易に形成することができる。また、本発明の光硬化性インクジェットインクから得られる表面撥液性硬化膜上に、インクジェット法でマイクロレンズを形成した場合には、パターン直径と高さのばらつきが小さいマイクロレンズを容易に形成することができる。さらに、本発明の光硬化性インクジェットインクによれば、着色の少ない導光板等の光学部品を製造することができるため、該インクは高品位な映像表示装置を製造するのに有用である。
[1.光硬化性インクジェットインク]
本発明の光硬化性インクジェットインク(以下「本発明のインク」ともいう。)は、有機溶媒(A)と、シクロアルキルおよびシクロアルキレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、ウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレート(B)と、界面活性剤(C)と、光重合開始剤(D)とを含んでなり、前記溶媒(A)を光硬化性インクジェットインク100重量%に対して40〜98重量%の量で含む。
本発明のインクは、前記特定量の有機溶媒(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)、界面活性剤(C)、および光重合開始剤(D)を含有するため、アクリル樹脂基板等の基板に対する濡れ広がり性に優れ、該インクをインクジェット法でアクリル樹脂基板等の基板に塗布し、硬化させることで、膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を容易に形成することができる。また、本発明のインクから得られる表面撥液性硬化膜上に、インクジェット法でマイクロレンズを形成した場合には、パターン直径と高さのばらつきが小さいマイクロレンズを容易に形成することができる。
本発明のインクは、本発明の要旨を損なわない範囲で必要に応じて重合禁止剤、エポキシ化合物以外の熱硬化性化合物、難燃剤、熱重合開始剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤およびシランカップリング剤などのその他の成分、ウレタン(メタ)アクリレート(E)、および/または、多官能(メタ)アクリレート(B)およびウレタン(メタ)アクリレート(E)以外のラジカル重合性化合物(F)を含んでもよい。
本発明のインクは無色であっても有色であってもよい。光透過率の観点からは無色が好ましいが、発明の効果を妨げない範囲で有色の化合物を含有してもよい。例えば、硬化膜の状態を検査する際に基板との識別を容易にするために、着色剤を含んでもよい。これらの場合、硬化膜の色が黄色味を帯びないことが好ましく、例えば、青色の着色剤を用いることができる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両者または一方を示すために用いられる。「エポキシ化合物」は、エポキシ基(オキシラン)を有する化合物を意味する。
<1.1.有機溶媒(A)>
本発明のインクは、該インク100重量%に対して、有機溶媒(A)を40〜98重量%含有する。溶媒(A)の含有量が前記範囲にあると、基板への濡れ広がり性に優れるインクが得られ、インクジェット法により、薄い膜厚(例えば1μm以下)の表面撥液性硬化膜を形成することができる。このため、着色の少ない表面撥液性硬化膜が得られる。前記溶媒(A)の含有量は、本発明のインク100重量%に対して50〜90重量%であることが好ましく、50〜70重量%であることがより好ましい。
また、前記溶媒(A)が沸点100〜300℃の有機溶媒であると、得られるインクは、インクジェット法でアクリル樹脂基板等の基板上に塗布されたときに、該基板への濡れ広がり性が良好となり、また、均一な膜厚の表面撥液性硬化膜を形成することができるため好ましく、さらに前記溶媒(A)としては、ヒドロキシ基を有する化合物を用いることが、インクジェットヘッドの目詰まりが起こりにくいインクを得ることができる等のためより好ましい。
沸点が100〜300℃である有機溶媒の具体例としては、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、アニソール、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルイミダゾリジノンを挙げることができる。
また、前記ヒドロキシ基を有する化合物の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、および1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
前記溶媒(A)としては、これらヒドロキシ基を有する化合物を溶媒(A)全体の40重量%以上含有する有機溶媒が好ましい。
前記溶媒(A)としては、これらの有機溶媒の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる化合物を溶媒(A)全体の40重量%以上含有する有機溶媒を用いることが、膜厚均一性の高い表面撥液性硬化膜を得る点等から好ましい。
本発明のインクに用いられる溶媒(A)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.2.シクロアルキルおよび/またはシクロアルキレンを有し、かつ、ウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレート(B)>
本発明のインクは、シクロアルキルおよびシクロアルキレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、ウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレート(B)(以下「化合物(B)」ともいう。)を含有する。本発明のインクが化合物(B)を含むと、インクジェット法で塗布した際に基板への濡れ広がり性に優れるインクを得ることができ、均一で膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を形成することができる。
なお、「多官能(メタ)アクリレート」とは、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートのことである。
前記化合物(B)としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロデカン、ジシクロペンタンおよびアダマンタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記化合物(B)の具体例としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレートおよび水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、前記化合物(B)としては、インクジェット法により、光学特性が良好で膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を容易に形成できる等の点から、トリシクロデカン骨格を有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
前記化合物(B)としては、さらに前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートであることが、アクリル樹脂基板に対する濡れ広がり性に優れるインクが得られる等の点から好ましい。
なお、前記式(1)において、例えば、mが2または3であるとき、この化合物は複数のRbを有する。この場合、任意の2つのRbは同一であってもよいし、異なってもよい。この規則は、Rcにも適用される。また、この規則は、他の式においても適用される。
前記化合物(B)としては、公知の方法で製造した化合物を用いてもよいし、また市販品を用いてもよい。
本発明のインクに用いられる化合物(B)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクにおいて、前記化合物(B)の含有量が、溶媒(A)を除く含有成分の合計100重量%に対し、15〜95重量%であると、アクリル樹脂基板に対する濡れ広がり性に優れるインクが得られるため好ましく、より好ましくは20〜90重量%であり、さらに好ましくは30〜90重量%である。
<1.3.ウレタン(メタ)アクリレート(E)>
本発明のインクは、ウレタン(メタ)アクリレート(E)(以下「化合物(E)」ともいう。)を含有してもよい。化合物(E)を含有するインクは、少ない露光量で硬化し(高感度)、得られる表面撥液性硬化膜は、膜厚均一性が良好となり、アクリル樹脂基板等の基板に対する密着性に優れ、さらに、膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を容易に形成できるため好ましい。
化合物(E)としては、前記式(2)または(3)で表される化合物を用いることが、光硬化性に優れるインクが得られ、アクリル樹脂基板等の基板に対する密着性により優れる表面撥液性硬化膜を形成できる等の点から好ましい。
前記式(2)中、
1およびR3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の二価の有機基であり、膜厚均一性がより良好な表面撥液性硬化膜が得られる点等から、好ましくはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレンであり、
2は、炭素数1〜20の二価の有機基であり、膜厚均一性がより良好な表面撥液性硬化膜が得られる点等から、好ましくは前記群(e)から選ばれる1種の二価の基であり、
mおよびnは、それぞれ独立に1〜3の整数であり、インクの硬化性の点等から、それぞれ独立に2または3が好ましく、3であることがより好ましい。
前記式(3)中、
6、R8およびR9は、それぞれ独立に炭素数1〜20の二価の有機基であり、膜厚均一性がより良好な表面撥液性硬化膜が得られる点等から好ましくは前記群(f)から選ばれる1種の二価の有機基であり、
7は、炭素数1〜40の三価の有機基であり、膜厚均一性がより良好な表面撥液性硬化膜が得られる点等から、好ましくは前記群(g)から選ばれる1種の三価の有機基であり、
10、R11およびR12は、それぞれ独立に炭素数1〜10の二価の有機基であり、膜厚均一性がより良好な表面撥液性硬化膜が得られる点等から好ましくは炭素数1の二価の有機基であり、
13、R14およびR15は、それぞれ独立に水素または炭素数1〜6のアルキルであり、インクの光硬化性の点等から好ましくは水素または炭素数1のアルキルであり、
p、qおよびrは、それぞれ独立に0または1であり、
s、tおよびuは、それぞれ独立に1〜3の整数であり、インクの硬化性の点等から、それぞれ独立に2または3であることが好ましい。
前記化合物(E)としては、下記式(2')、(3')または(4')で表される化合物を含む成分を用いることが、アクリル樹脂基板等の基板に対する密着性に優れ、かつ、光学特性に優れる表面撥液性硬化膜を形成できる点等から好ましい。下記式(2')で表される化合物を含む成分としては、NK オリゴ U−6LPA(商品名、新中村化学工業(株)製)などが挙げられ、式(3')で表される化合物を含む成分としては、NK オリゴ U−6HA(商品名、新中村化学工業(株)製)などが挙げられ、式(4')で表される化合物を含む成分としては、NK オリゴ U−15HA(商品名、新中村化学工業(株)製)などが挙げられる。
Figure 0006137366
Figure 0006137366
Figure 0006137366
本発明のインクに用いられうる化合物(E)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクにおいて、前記化合物(E)の含有量が、化合物(B)の重量と化合物(E)の重量との合計100重量%に対し、5〜85重量%であると、光硬化性に優れるインクが得られ、アクリル樹脂基板等の基板に対する密着性に優れる表面撥液性硬化膜が得られるため好ましく、より好ましくは10〜70重量%であり、さらに好ましくは10〜60重量%である。
<1.4.前記化合物(B)および(E)以外のラジカル重合性化合物(F)>
本発明のインクは、前記化合物(B)および(E)以外のラジカル重合性化合物(F)(以下「化合物(F)」ともいう。)を含んでもよい。具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、およびジオキサンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明のインクに用いられうる化合物(F)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.5.界面活性剤(C)>
本発明のインクは、界面活性剤(C)を含有する。界面活性剤(C)を含有すると、得られる表面撥液性硬化膜の表面撥液性が高くなるので好ましい。
界面活性剤(C)の具体例としては、ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(商品名、共栄社化学工業(株)製)、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK344、BYK346(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)、KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(商品名、信越化学工業(株)製)、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(商品名、セイミケミカル(株)製)、フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(商品名、(株)ネオス製)、EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(商品名、三菱マテリアル(株)製)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−475、メガファックR−08、メガファックR−30(商品名、DIC(株)製)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を挙げることができる。
また、界面活性剤(C)がフッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤であると、得られる表面撥液性硬化膜の表面撥液性がより高くなるので好ましい。特に界面活性剤(C)がシリコーン系界面活性剤であると、得られる表面撥液性硬化膜上にインクジェット法によりマイクロレンズを形成したときに、大きさのばらつきが小さいマイクロレンズが得られるためより好ましい。
さらに、界面活性剤(C)が反応性基を少なくとも1つ有する化合物であると、溶媒(A)を多く含有するインクであっても硬化性が高いインクとなるので好ましい。前記反応性基としては、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であることが、硬化性が高いインクを得る点等から好ましい。
反応性基として(メタ)アクリロイル基を有する界面活性剤の具体例としては、RS-72K(商品名、DIC(株)製)、BYK UV 3500、BYK UV 3570(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)、TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250、TEGO Rad 2300、TEGO Rad 2500(商品名、エボニック デグサ ジャパン(株)製)を挙げることができる。
また、反応性基としてエポキシ基を有する界面活性剤としては、RS−211K(商品名、DIC(株)製)等を挙げることができる。
本発明のインクに用いられる界面活性剤(C)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクにおいて、化合物(B)と界面活性剤(C)との重量比((B):(C))が1,000:1〜1:5の範囲であると、インクの光硬化性および得られる硬化膜表面の撥液性にバランス良く優れるため好ましく、より好ましくは500:1〜1:3の範囲であり、さらに好ましくは300:1〜1:2の範囲であり、特に好ましくは200:1〜1:1の範囲である。
<1.6.光重合開始剤(D)>
本発明のインクは、光重合開始剤(D)を含む。光重合開始剤(D)は、紫外線または可視光線の照射によりラジカルまたは酸を発生することのできる化合物であれば特に限定されないが、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤、フェニルグリオキシレート系開始剤、オキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤またはアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましく、この中でも特にアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、フェニルグリオキシレート系開始剤およびオキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤が、インクの光硬化性、得られる表面撥液性硬化膜の光透過率等の観点からより好ましい。
光重合開始剤(D)の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’
−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピル
キサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4
’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イ
ソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、
ベンズアントロン、2−ヒロドキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プ
ロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オ
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1
−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブ
タン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1
−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、オキシ−フェニル−アセチック
アシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、オ
キシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチルエステル
、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブ
チルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3
,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−(4’−メトキシ
スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−
ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2
’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−ク
ロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メ
トキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサ
ゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾ
チアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−ク
ロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2
,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシ
カルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロ
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2
’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2
’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,
5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチ
ルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプ
ロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフル
オロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−
トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、CPI−100P、CPI−100A、CP
I−110P、CPI−210S、CPI−200K(商品名、サンアプロ(株)製)、
サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−697
6(商品名、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオ
プトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172
(商品名、旭電化工業(株)製)、CI−5102、CI−2855(商品名、日本曹達
(株)製)、エサキュア1064、エサキュア1187(商品名、ランベルティ(株)製
)、オムニキャット550(商品名、アイジーエム レジン(株)製)、イルガキュア2
50、イルガキュア754(商品名、BASFジャパン(株)製)、ロードシル フォト
イニシエーター2074(商品名、ローディア・ジャパン(株)製)を挙げることができ
る。
この中でも、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4'−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチルエステル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
本発明のインクに用いられる光重合開始剤(D)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクにおいて、光重合開始剤(D)の含有量が、化合物(B)100重量部に対して1〜50重量部であると、紫外線に対する光硬化性に優れるインクが得られ、また、高い光透過率の表面撥液性硬化膜が得られるため好ましく、より好ましくは1〜45重量部であり、さらに好ましくは5〜40重量部である。
<1.7.重合禁止剤>
本発明のインクは、保存安定性を向上させるために重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤の具体例としては、4−メトキシフェノール、ハイドロキノンおよびフェノチアジンを挙げることができる。これらの中でもフェノチアジンを用いると、長期の保存においても粘度の増加が小さいインクが得られるため好ましい。
本発明のインクに用いられうる重合禁止剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクにおいて、重合禁止剤の含有量が、化合物(B)100重量部に対して0.01〜1重量部であると、長期の保存においても粘度の増加が小さいインクが得られるため好ましく、保存安定性と光硬化性とのバランスを考慮すると、より好ましくは0.01〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部である。
<1.8.エポキシ化合物以外の熱硬化性化合物>
本発明のインクは、エポキシ化合物以外の熱硬化性化合物を含んでもよい。前記熱硬化性化合物としては、熱硬化させることが可能な官能基を有する化合物であれば特に限定されず、ビスマレイミド、フェノール性水酸基を含有する樹脂、メラミン樹脂およびエポキシ硬化剤などが挙げられる。
本発明のインクに用いられうるエポキシ化合物以外の熱硬化性化合物は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
本発明のインクにおいて、エポキシ化合物以外の熱硬化性化合物の含有量が、化合物(B)100重量部に対して2〜50重量部であると、得られる表面撥液性硬化膜の耐熱性が向上するため好ましく、より好ましくは5〜30重量部であり、さらに好ましくは10〜20重量部である。
1.8.1 ビスマレイミド
ビスマレイミドとしては、例えば、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。下記式(5)で表されるビスマレイミドは、例えばジアミンと酸無水物とを反応させることで得られる。
Figure 0006137366
式(5)中、R16およびR18はそれぞれ独立に水素またはメチルであり、R17は下記式(6)で表される二価の基である。
Figure 0006137366
式(6)中、R19およびR20はそれぞれ独立に、連続しない(隣り合わない)任意のメチレンが酸素で置き換えられてもよい炭素数1〜18のアルキレン、置換基を有してもよい芳香環を有する二価の基、または置換基を有してもよいシクロアルキレンである。前記置換基としては、例えば、カルボキシル、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシが挙げられる。耐熱性の高い表面撥液性硬化膜が得られる点で、R19およびR20はそれぞれ独立に下記群(h)から選ばれる1種の二価の基であることが好ましい。
Figure 0006137366
式(6)中、Xは下記群(i)から選ばれる1種の二価の基である。
Figure 0006137366
本発明のインクに用いられうるビスマレイミドは、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
1.8.2 フェノール性水酸基を含有する樹脂
フェノール性水酸基を含有する樹脂としては、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド類との縮合反応により得られるノボラック樹脂、ビニルフェノールの単独重合体(水素添加物を含む)、およびビニルフェノールとこれと共重合可能な化合物とのビニルフェノール系共重合体(水素添加物を含む)などが好ましく用いられる。
フェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テルペン骨格含有ジフェノール、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、およびβ−ナフトールなどが挙げられる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、およびアセトアルデヒドなどが挙げられる。
ビニルフェノールと共重合可能な化合物としては、(メタ)アクリル酸またはその誘導体、スチレンまたはその誘導体、無水マレイン酸、酢酸ビニル、およびアクリロニトリルなどが挙げられる。
フェノール性水酸基を含有する樹脂の具体例としては、レヂトップPSM−6200(商品名、群栄化学工業(株)製)、ショウノールBRG−555(商品名、昭和電工(株)製)、マルカリンカーMS−2P、マルカリンカーCST70、マルカリンカーPHM−C(商品名、丸善石油化学(株)製)が挙げられる。
本発明のインクに用いられうるフェノール性水酸基を含有する樹脂は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
1.8.3 メラミン樹脂
メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合により製造される樹脂であれば特に限定されず、メチロールメラミン、エーテル化メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、メチロールベンゾグアナミン、およびエーテル化メチロールベンゾグアナミン等の縮合物などが挙げられる。これらの中でも、得られる表面撥液性硬化膜の耐薬品性が良好となる点で、エーテル化メチロールメラミンの縮合物が好ましい。
メラミン樹脂の具体例としては、ニカラックMW−30、MW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM(商品名、三和ケミカル(株)製)が挙げられる。
本発明のインクに用いられうるメラミン樹脂は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
1.8.4 エポキシ硬化剤
本発明のインクは、得られる表面撥液性硬化膜の耐薬品性をより向上させるためにエポキシ硬化剤を含有してもよい。エポキシ硬化剤としては、酸無水物系硬化剤およびポリアミン系硬化剤などが好ましい。
酸無水物系硬化剤としては、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
ポリアミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチルジフェニルメタン、およびジアミノジフェニルスルフォンなどが挙げられる。
本発明のインクに用いられうるエポキシ硬化剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.9.難燃剤>
本発明のインクは、難燃剤を含有してもよい。本発明のインクが難燃剤を含有すると、難燃性の高い表面撥液性硬化膜が得られるため好ましい。難燃剤としては、難燃性を付与できる化合物であれば特に限定されないが、低有毒性、低公害性および安全性等の観点から、有機リン系難燃剤を用いることが好ましい。
有機リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、および縮合9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどが挙げられる。
難燃剤としては、得られる表面撥液性硬化膜を高温状態にさらした場合でも難燃剤のブリードアウトが起こりにくい点で、下記式(7)で表される構造を有する化合物を用いることが好ましい。下記式(7)で表される構造を有する化合物としては、下記式(8)で表される化合物が好ましく、下記式(8)で表される化合物としては、縮合9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドなどが挙げられる。下記式(8)で表される化合物の市販品としては、HFA−3003(商品名、昭和電工(株)製)などが挙げられる。
Figure 0006137366
Figure 0006137366
式(8)中、vは0〜2の整数であり、wは1〜3の整数であり、v+wは3である。好ましくは、vは1または2であり、wは1または2であり、v+wは3である。
本発明のインクに用いられうる難燃剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
なお、前記難燃剤は公知の方法で製造した化合物を用いてもよいし、また上記昭和電工(株)製のHFA−3003(商品名)等の市販品を用いてもよい。
本発明のインクにおいて、難燃剤の含有量が、化合物(B)100重量部に対して15〜30重量部であると、得られる表面撥液性硬化膜の難燃性が向上するため好ましく、より好ましくは20〜25重量部である。
<1.10.熱重合開始剤>
本発明のインクは、加熱工程によりインクの硬化性を向上させるために熱重合開始剤を含有してもよい。熱重合開始剤の具体例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180(商品名、三新化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの中でも2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、および2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
本発明のインクに用いられうる熱重合開始剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.11.紫外線吸収剤>
本発明のインクは、得られる表面撥液性硬化膜の耐候性向上の観点から紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびトリアジン系紫外線吸収剤を挙げることができる。具体的には、TUNIVIN PS、TUNIVIN 400、TUNIVIN 405、TUNIVIN 460、TUNIVIN 479、TUNIVIN 1577FF(商品名、BASFジャパン(株)製)などを挙げることができる。
本発明のインクに用いられうる紫外線吸収剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.12.酸化防止剤>
本発明のインクは、得られる表面撥液性硬化膜の透明性の向上、および高温にさらされた場合の黄変を防止する観点等から酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤の具体例としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、IRGAFOS XP40、IRGAFOS XP60、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L(商品名、BASFジャパン(株)製)などを挙げることができる。
本発明のインクに用いられうる酸化防止剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.13.シランカップリング剤>
本発明のインクは、得られる表面撥液性硬化膜の基板への密着性を向上させるためにシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤の具体例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらの中でも3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは、反応基を有しており他成分と共重合することができるので好ましい。
本発明のインクに用いられうるシランカップリング剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
<1.14.インクの粘度>
本発明のインクの、E型粘度計で測定した25℃における粘度は1.0〜30mPa・sであることが好ましい。粘度がこの範囲であると、本発明のインクをインクジェット法
で塗布する場合に、インクジェット装置による吐出性が良好となる。25℃における本発明のインクの粘度は、さらに好ましくは1.2〜25mPa・sであり、特に好ましくは1.5〜20mPa・sである。
<1.15.インクの調製方法>
本発明のインクは、原料となる各成分を公知の方法により混合することで調製することができる。
特に、本発明のインクは、前記(A)〜(D)成分ならびに必要に応じて(E)成分、(F)成分および/またはその他の成分を混合し、得られた溶液を例えばフッ素樹脂製のメンブレンフィルターを用いてろ過して、必要により脱気することで調製されることが好ましい。このようにして調製されたインクは、インクジェット法による塗布時の吐出性に優れる。
<1.16.インクの保存>
本発明のインクは、−20〜25℃で保存すると保存中の粘度増加が小さく、保存安定性が良好となる。
[2.インクジェット法によるインクの塗布]
本発明のインクは、公知のインクジェット法を用いて塗布することができる。インクジェット法としては、例えば、インクに力学的エネルギーを作用させてインクをインクジェットヘッドから吐出させるピエゾ方式、およびインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる塗布方法(いわゆるサーマル方式)が挙げられる。
インクジェット法を用いることにより、本発明のインクを予め定められたパターン状に容易に塗布することができ、均一なパターンを大きな基板上に形成することができる。
インクジェットヘッドとしては、例えば、金属および/または金属酸化物などからなる発熱部を有するものが挙げられる。金属および/または金属酸化物の具体例としては、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、Al等の金属およびこれらの金属の酸化物が挙げられる。
本発明のインクを用いて塗布を行う際に用いる好ましい塗布装置としては、例えば、インクが収容されるインク収容部を有するインクジェットヘッド内のインクに、塗布信号に対応したエネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させながら、前記塗布信号に対応した塗布(描画)を行う装置が挙げられる。
前記インクジェット塗布装置は、インクジェットヘッドとインク収容部とが分離されているものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いてもよい。また、インク収容部はインクジェットヘッドに対し分離可能または分離不能に一体化されて、キャリッジに搭載されるものでもよく、装置の固定部位に設けられてもよい。後者の場合、インク供給部材、例えばチューブを介してインクジェットヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。
[3.インクの用途]
本発明のインクは、基板、特にアクリル樹脂基板に対する濡れ広がり性に優れるため、映像表示装置などの光学機器の製造、バックライトユニットなどに使用されるマイクロレンズを有する光学部品の製造、具体的にはマイクロレンズアレイを製造する際の基板の表面を撥液処理するため等に好適に用いられる。また、本発明のインクによれば、着色の少ない導光板等の光学部品を製造することができるため、該インクは高品位な映像表示装置を製造するのに有用である。さらに、本発明のインクによれば、光学部品や映像表示装置の大型化にも対応することができる。
[4.表面撥液性硬化膜]
本発明の表面撥液性硬化膜は、上述した本発明のインクを硬化させることで得られ、インクジェット法により基板表面に塗布した後に、紫外線や可視光線等の光を照射して硬化させることで得られる膜が好ましい。
紫外線や可視光線等を照射する場合の照射する光の量(露光量)は、インクの組成に応じて適宜調節すればよいが、100〜5,000mJ/cm2が好ましく、200〜4,000mJ/cm2がより好ましく、300〜3,000mJ/cm2がさらに好ましい。また、照射する紫外線や可視光線等の波長は、200〜500nmが好ましく、200〜450nmがより好ましい。
なお、本発明において、露光量はウシオ電機(株)製の受光器UVD−365PD(商品名)を取り付けた積算光量計UIT−201(商品名)で測定した値である。
光を照射するには露光装置を用いればよく、露光装置としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプまたはハロゲンランプなどを搭載し、200〜500nmの範囲で、紫外線や可視光線等を照射する装置であれば特に限定されない。
本発明のインクが塗布される基板は、インクが塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状であってもよい。
前記基板としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)などからなるポリエステル系樹脂基板;ポリエチレンおよびポリプロピレンなどからなるポリオレフィン樹脂基板;ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリイミドなどからなる有機高分子フィルム;セロハンからなる基板;金属箔;ポリイミドと金属箔との積層フィルム;目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、ポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷんまたはカルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙;およびガラス基板を挙げることができる。
これらの中でも、アクリル系樹脂基板を用いることが好ましい。
前記基板としては、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、酸化防止剤、劣化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤および/または電磁波防止剤などの添加剤を含有した基板を用いてもよい。また、前記基板としては、基板の表面の少なくとも一部に、必要によりコロナ処理、プラズマ処理、またはブラスト処理などの易接着処理を施した基板であってもよく、表面に易接着層や保護膜、ハードコート膜を設けた基板であってもよい。
基板の厚さは特に限定されないが、通常、10μm〜10mmであり、使用する目的により適宜調整される。
本発明の表面撥液性硬化膜の膜厚は特に限定されないが、光学特性上好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。
本発明の表面撥液性硬化膜の膜厚が前記範囲にあると、着色が少なく高い光透過率の硬化膜が得られるため、高い光学特性が求められる導光板の形成に好適に用いられる。
本発明のインクは、基板、特にアクリル樹脂基板に対する濡れ広がり性に優れるため、基板上に基板を覆うような膜を形成する際には、印刷の解像度が低くても、膜面が均一な表面撥液性硬化膜を得ることができる。このため、膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を形成することができる。
これに対し、従来のインクでは、基板、特にアクリル樹脂基板に対する濡れ広がり性が悪いため、印刷の解像度が高くないと基板を覆うような膜を形成することが困難であり、このため、着色しやすい膜厚の厚い硬化膜しか形成することができない場合が多かった。
本発明の表面撥液性硬化膜は薄膜化可能であり、高い光透過率、高い強度を示すため、特に、バックライトユニット等に使用されるマイクロレンズの製造、具体的にはマイクロレンズアレイを製造する際に基板の表面に設けられる撥液性膜の形成に好適に用いられる。
[5.マイクロレンズ]
本発明のマイクロレンズは、前記本発明の表面撥液性硬化膜の上にインクジェット法により形成される。このため、パターン直径と高さのばらつきが小さいマイクロレンズを容易に形成することができる。
前記マイクロレンズの形成には、マイクロレンズ形成用インクを用いればよく、該インクとしては、特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。また、マイクロレンズの形成方法は、特に制限されず、用いるインクに応じて適宜調整すればよい。
前記マイクロレンズのレンズ径は特に限定されないが、通常10〜100μmが好ましく、15〜60μmがさらに好ましく、20〜50μmが特に好ましい。
レンズの高さについても特に限定されないが、通常0.5〜30μmが好ましく、1〜20μmがさらに好ましく、2〜10μmが特に好ましい。
また、レンズ径に対するレンズ高さの比は特に限定されないが、光の取り出し効率に優れる光学部品等を製造できる点から、好ましくは0.18以上、より好ましくは0.2以上である。
[6.光学部品]
本発明の光学部品は、前記マイクロレンズを有する。このため、光学特性に優れる光学部品である。
[7.映像表示装置]
本発明の映像表示装置は、前記光学部品を含む。このため、表示特性に優れる映像表示装置である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、以下では、実施例または比較例で得られた光硬化性インクジェットインクを単にインクと呼ぶことがある。すなわち、例えば光硬化性インクジェットインク1をインク1と呼ぶことがある。
[実施例1]
溶媒(A)であるプロピレングリコールモノメチルエーテル(以後「PGME」と略す。)と、多官能(メタ)アクリレート(B)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(以後「IRR214K」と略す。IRR214Kは商品名、ダイセル・サイテック(株)製)と、界面活性剤(C)であるBYK UV 3500(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製、以後「BYK3500」と略す。)と、光重合開始剤(D)であるイルガキュア754(商品名、BASFジャパン(株)製、以後「I754」と略す。)とを下記組成にて混合し、溶液を得た後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のメンブレンフィルター(孔径1μm)でろ過し、ろ液(光硬化性インクジェットインク1)を得た。このインク1中に溶媒(A)は50.0重量%含有されている。
(A) PGME: 3.48g
(B) IRR214K: 3.00g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
E型粘度計(東機産業(株)製 TV−22(商品名)、以下同じ)を用い、25℃におけるインク1の粘度を測定した結果、5.1mPa・sであった。
(ドットの形成)
4cm角のアクリル樹脂基板(旭化成テクノプラス(株)製、デラグラスAD999(商品名))を用意した。インク1をインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix Inc.製のDMP−2831(商品名))に装着し、10pl(ピコリットル)用のインクジェットヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度30℃、駆動周波数5kHz、塗布回数1回の吐出条件で、用意した基板上に300μm間隔でドットパターンを塗布した。この基板にUV照射装置((株)ジャテック製のJ−CURE1500(商品名))を用いて積算露光量1,000mJ/cm2の光を照射し、インク1を硬化させることで、ドットパターンが形成された基板を得た。この基板を用いて、以下の測定を行った。
(ドット径の評価)
基板上に形成されたドット径をOLYMPUS(株)製光学式顕微鏡BX51(商品名)を用いて測定を行ったところ、108μmであった。ドット径の値には、3箇所の測定の平均値を用いた。結果を表1に示す。
(ドット高さの評価)
基板上に形成されたドット高さをKLA−Tencor Japan(株)製触針式膜厚計P−15(商品名)を使用して測定し、その平均値を算出した。ドット高さの値には、3箇所の測定の平均値を用いた。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク2を調製した。ただし、多官能(メタ)アクリレート(B)としてアルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(以後「CD580」と略す。CD580は商品名、サートマー社製)を用いた。このインク2中に溶媒(A)は50.0重量%含有されている。
(A) PGME: 3.48g
(B) CD580: 3.00g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
25℃における得られたインク2の粘度は6.1mPa・sであった。このインク2を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク3を調製した。ただし、多官能(メタ)アクリレート(B)として水添ビスフェノールAジアクリレート(以後「BisADA」と略す。)を用いた。このインク3中に溶媒(A)は55.0重量%含有されている。
(A) PGME: 4.25g
(B) BisADA: 3.00g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
25℃における得られたインク3の粘度は5.8mPa・sであった。このインク3を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク4を調製した。ただし、ウレタン(メタ)アクリレート(E)として前記式(2')で表されるウレタンアクリレートを含む成分(以後「U−6LPA」と略す。U−6LPAは商品名、新中村化学工業(株)製。)を用いた。このインク4中に溶媒(A)は60.0重量%含有されている。
(A) PGME: 5.22g
(B) IRR214K: 1.50g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6LPA: 1.50g
25℃における得られたインク4の粘度は5.7mPa・sであった。このインク4を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク5を調製した。ただし、多官能(メタ)アクリレート(B)としてCD580(商品名)を用い、ウレタン(メタ)アクリレート(E)としてU−6LPA(商品名)を用いた。このインク5中に溶媒(A)は60.0重量%含有されている。
(A) PGME: 5.22g
(B) CD580: 1.50g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6LPA: 1.50g
25℃における得られたインク5の粘度は6.1mPa・sであった。このインク5を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク6を調製した。ただし、多官能(メタ)アクリレート(B)としてBisADAを用い、ウレタン(メタ)アクリレート(E)としてU−6LPA(商品名)を用いた。このインク6中に溶媒(A)は60.0重量%含有されている。
(A) PGME: 5.22g
(B) BisADA: 1.50g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6LPA: 1.50g
25℃における得られたインク6の粘度は6.2mPa・sであった。このインク6を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク7を調製した。ただし、ウレタン(メタ)アクリレート(E)として前記式(3')で表されるウレタンアクリレート(以後「U−6HA」と略す。U−6HAは商品名、新中村化学工業(株)製。)を用いた。このインク7中に溶媒(A)は65.0重量%含有されている。
(A) PGME: 6.46g
(B) IRR214K: 1.50g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6HA: 1.50g
25℃における得られたインク7の粘度は6.1mPa・sであった。このインク7を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1と同様にして、下記組成の光硬化性インクジェットインク8を調製した。ただし、ウレタン(メタ)アクリレート(E)として前記式(4')で表されるウレタンアクリレート(以後「U−15HA」と略す。U−15HAは商品名、新中村化学工業(株)製。)を用いた。このインク8中に溶媒(A)は65.0重量%含有されている。
(A) PGME: 6.46g
(B) IRR214K: 1.50g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−15HA: 1.50g
25℃における得られたインク8の粘度は6.3mPa・sであった。このインク8を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にして、下記組成のインク9を調製した。ただし、多官能(メタ)アクリレート(B)であるIRR214K(商品名)に代え、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以後「M402」と略す。M402は商品名、東亞合成(株)製。)を用い、ウレタン(メタ)アクリレート(E)としてU−6LPA(商品名)を用いた。このインク9中に溶媒(A)は65.0重量%含有されている。
(A) PGME: 6.46g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6LPA: 1.50g
− M402: 1.50g
25℃における得られたインク9の粘度は5.8mPa・sであった。このインク9を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様にして、下記組成のインク10を調製した。ただし、多官能(メタ)アクリレート(B)であるIRR214K(商品名)を用いず、ウレタン(メタ)アクリレート(E)としてU−6LPA(商品名)を用いた。このインク10中に溶媒(A)は70.0重量%含有されている。
(A) PGME: 8.12g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6LPA: 3.00g
25℃における得られたインク10の粘度は5.3mPa・sであった。このインク10を用いて実施例1と同様の方法でドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
[参考例1]
実施例1と同様にして、下記組成のインク11を調製した。ただし、ウレタン(メタ)アクリレート(E)としてU−6LPA(商品名)を用いた。このインク11中に溶媒(A)は38.0重量%含有されている。
(A) PGME: 2.13g
(B) IRR214K: 1.50g
(C) BYK3500: 0.0300g
(D) I754: 0.450g
(E) U−6LPA: 1.50g
25℃における得られたインク11の粘度は17.7mPa・sであった。このインク11を用いて吐出電圧(ピエゾ電圧)23V、ヘッド温度32℃、駆動周波数5kHz、塗布回数1回の吐出条件に変更した以外は実施例1と同様にドットパターンが形成された基板を作成し、ドット径および高さの測定を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0006137366
インクジェット法により膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を形成するには、インクの着滴径(ドット径)およびその高さ(ドット高さ)が極めて重要である。
ドット径の値が大きくなるにつれ基板に対する濡れ広がりが大きいとされ、印刷の解像度を低く設定しても均一な膜を形成することが可能となり膜厚の薄い硬化膜を得られる指標となる。また、ドット高さについても小さい値になるほど膜厚の薄い硬化膜が得られることを示す指標となる。インクジェット法により膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を形成するには、これらを同時に満たすことが好ましい。
比較例1,2のインク9,10に比べて、多官能(メタ)アクリレート(B)を含有する実施例1〜8のインク1〜8は、アクリル樹脂基板に対して非常に高い濡れ性示すことが確認された。また、特にインク1,2および4は、アクリル樹脂基板に対して非常に高い濡れ性示すことが確認された。実施例1〜8と参考例1の結果から、特定量の溶媒を含むインクを用いることで、ドット径が大きく、ドット高さの低いドットパターンを形成できるため、該インクは、基板に対して高い濡れ性を示すことが確認される。この結果から、本発明のインクは、インクジェット法により、膜厚の薄い表面撥液性硬化膜を形成することができることが分かる。
[実施例9](マイクロレンズ形成による基板評価)
ペンタエリストールトリアクリレート(以後「M305」と略す。M305は商品名、東亞合成(株)製。)と、単官能(メタ)アクリレートであるテトラヒドロフルフリルメタクリレート(以後「THFMA」と略す。)と、I754とを下記組成にて混合し、溶液を得た後、PTFE製のメンブレンフィルター(孔径1μm)でろ過し、ろ液(マイクロレンズ形成用のインク12)を得た。
・M305: 100.0g
・THFMA: 100.0g
・I754: 14.0g
E型粘度計を用い、25℃におけるインク12の粘度を測定した結果、17.1mPa・sであった。
(表面撥液処理)
4cm角のアクリル樹脂基板(商品名:旭化成テクノプラス(株)製、デラグラスAD999)を用意した。インク1をインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix Inc.製のDMP−2831(商品名))に装着し、10pl用のインクジェットヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度30℃、駆動周波数5kHz、塗布回数1回の吐出条件で、印刷解像度を256dpiに設定して用意した基板全面に塗布した。この基板にUV照射装置((株)ジャテック製のJ−CURE1500(商品名))を用いて積算露光量1,000mJ/cm2の光を照射し、インク1を硬化させることで、表面撥液処理を行った(表面撥液性硬化膜が形成された基板1aを得た)。同様にして、インク2〜10を用いて表面撥液性硬化膜が形成された基板2a〜10aを得た。なお、インク2および4については印刷解像度を256dpiに設定し、インク3および5〜10については印刷解像度を512dpiに設定した。これらの表面撥液性硬化膜が形成された基板1a〜10aを用いて、以下の測定を行った。
(マイクロレンズの形成)
マイクロレンズ形成用のインク12をインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(DMP−2831(商品名)、FUJIFILM Dimatix(株)製)に装着し、10pl用のインクジェットヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)20V、ヘッド温度31℃、駆動周波数5kHz、塗布回数1回の吐出条件で、未処理のアクリル樹脂基板(デラグラスAD999)上および表面撥液性硬化膜(基板1a〜10a)上に150μm間隔で1ドットずつ吐出した。ドットパターンが等間隔で形成されたアクリル樹脂基板および表面撥液性硬化膜に積算露光量2,000mJ/cm2の光を照射し、インク12を硬化させることで、マイクロレンズが形成された基板を得た。マイクロレンズの形状をOLYMPUS(株)製光学式顕微鏡BX51(商品名)で観察し、真円形で大きさが揃っている場合を○、形がいびつであるか大きさにばらつきがある場合を×とした。結果を表2に示す。
(マイクロレンズ径の評価)
基板上に形成されたマイクロレンズ径をOLYMPUS(株)製光学式顕微鏡BX51(商品名)を用いて測定した。マイクロレンズ径の値には、3箇所の測定の平均値を用いた。結果を表2に示す。
(マイクロレンズ高さの評価)
基板上に形成されたマイクロレンズの高さをKLA−Tencor Japan(株)
製触針式膜厚計P−15(商品名)を使用して測定し、その平均値を算出した。マイクロレンズ高さの値には、3箇所の測定の平均値を用いた。結果を表2に示す。
Figure 0006137366
マイクロレンズのレンズ高さ/レンズ径は、例えば、マイクロレンズをバックライトユニットに用いた場合に、バックライトユニットからの光の取り出し効率を考慮すると、約0.2以上であることが好ましい。このため、本発明のインクは、マイクロレンズ形成用の基板の表面処理剤として好適である。
以上の結果から明らかなように、本発明のインクは、アクリル樹脂基板に対して非常に高い濡れ性示すため、インクジェット法により薄い膜厚の表面撥液性硬化膜を形成することができる。したがって、高品位の映像表示装置等に用いられる導光板の製造に好適に用いられる。
本発明のインクは、高品位な光学部品を製造するのに有用である。

Claims (11)

  1. 有機溶媒(A)と、シクロアルキルおよびシクロアルキレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、ウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレート(B)と、界面活性剤(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する光硬化性インクジェットインクであって、
    前記溶媒(A)の含有量が光硬化性インクジェットインク100重量%に対して40〜98重量%であり、
    前記界面活性剤(C)が、反応性基を少なくとも1つ有する化合物である、光硬化性インクジェットインク
    の硬化体である表面撥液性硬化膜。
  2. 前記多官能(メタ)アクリレート(B)が、トリシクロデカン骨格を有する多官能(メタ)アクリレートである、請求項1に記載の表面撥液性硬化膜。
  3. 前記多官能(メタ)アクリレート(B)が、下記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の表面撥液性硬化膜。
    Figure 0006137366
    (式(1)中、Ra、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立にHまたはCH3であり、mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数である。)
  4. 前記界面活性剤(C)が、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面撥液性硬化膜。
  5. 前記界面活性剤(C)の反応性基が、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面撥液性硬化膜。
  6. 前記溶媒(A)が、沸点100〜300℃の有機溶媒である、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面撥液性硬化膜。
  7. 前記溶媒(A)が、ヒドロキシ基を有する化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面撥液性硬化膜。
  8. 前記光硬化性インクジェットインクの25℃における粘度が1.0〜30mPa・sである、請求項1〜のいずれか1項に記載の表面撥液性硬化膜。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の表面撥液性硬化膜の上に形成されたマイクロレンズ。
  10. 請求項に記載のマイクロレンズを有する光学部品。
  11. 請求項10に記載の光学部品を含む映像表示装置。
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