<第1の実施形態>
以下、本発明にかかるファクシミリシステムの第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、ファクシミリシステム1の構成を示す。ファクシミリシステム1は、多機能周辺装置(MFP)10と、回線制御装置(BOX)40と、子機70とを備える。BOX40は、回線90を使用した通信の制御を行う通信装置である。MFP10とBOX40とは、アドホックモードの無線LAN接続方式により、TCP/IP通信の無線通信を直接に行うことが可能とされる。一方、子機70は、BOX40との無線通信を直接に行うことが可能とされる携帯無線端末である。
MFP10は、プリンタ12、スキャナ14、パネル16、入力部18、ROM20、CPU22、RAM24、EEPROM26、無線LAN送受信部28、無線LANアンテナ部32、および入出力ポート30を備えている。上記プリンタ12、スキャナ14、パネル16、入力部18、ROM20、CPU22、RAM24、EEPROM26、および無線LAN送受信部28は、入出力ポート30を介して互いに通信可能に接続されている。一方、無線LANアンテナ部32は、無線LAN送受信部28と通信可能に接続されている。
BOX40は、ROM42、CPU44、RAM46、EEPROM48、無線LAN送受信部50、モデム52、DCL送受信部54、無線LANアンテナ部58、電話回線接続部60、DCLアンテナ部62、および入出力ポート56を備えている。ROM42、CPU44、RAM46、EEPROM48、無線LAN送受信部50、モデム52、DCL送受信部54は、入出力ポート56を介して互いに通信可能に接続されている。一方、無線LANアンテナ部58は無線LAN送受信部50に接続され、電話回線接続部60はモデム52に接続され、DCLアンテナ部62はDCL送受信部54に接続されている。
子機70は、パネル72、入力部74、ROM76、CPU78、DCL送受信部80、DCLアンテナ部84、および入出力ポート82を備えている。パネル72、入力部74、ROM76、CPU78、およびDCL送受信部80は、入出力ポート82によって互いに通信可能に接続されている。DCLアンテナ部84は、DCL送受信部80に接続されている。
上記CPU22,44,78のそれぞれは、ROM20,42,76のそれぞれに記憶される制御プログラムを実行する。ROM20,42,76は、上記制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。RAM24,46は、書換可能な揮発性のメモリである。EEPROM26,48は、書換可能な不揮発性のメモリである。入力部18,74は、ユーザが、指示を入力するためのインターフェースである。パネル16,72は、各種演算結果を表示するインターフェースである。回線90を介して着信があった際、ユーザによって入力部18または入力部74が操作されることで、MFP10または子機70は、BOX40に対して回線90を閉結するための指示を送出する。BOX40は、その指示に応じて回線90を閉結する。ちなみに、MFP10は、受話器(図示略)を備えており、着信が通話を求めるものである場合、回線90が閉結されることで、子機70のみならず、MFP10の受話器によっても、通話が可能となっている。
上記プリンタ12は、印刷を実行する部位である。スキャナ14は、画像の読み取りを実行する部位である。
モデム52は、電話回線接続部60および回線90を介して、電話回線網92に接続されている。モデム52は、ファクシミリ機能によって送信するファクシミリデータを、回線90に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部60を介して送信したり、回線90から電話回線接続部60を介して入力された信号を受信し、ファクシミリデータへ復調したりするものである。
無線LANアンテナ部32,58は、2.4(GHz)帯の同一周波数帯における高周波エネルギ/電波の変換装置である。無線LAN送受信部28,50は、無線LANアンテナ部32,58を介して、アドホックモードの無線通信を行う。これにより、MFP10と回線90との間のデータ信号の中継が行われる。DCL送受信部54,80は、DCLアンテナ部62,84を介して、BOX40と子機70との間に無線通信を行う。これにより、子機70と、回線90との間の音声信号の中継が行われる。
上記ファクシミリシステム1は、ユーザ毎に、ファクシミリシステム1において実行可能な各種機能の利用制限を設定可能である。詳しくは、MFP10のEEPROM26に、ユーザ毎に各種機能の利用制限を定めたデータベース(制限情報に関するデータ)を記憶しており、これに基づき利用制限を実行する。
図2に、上記データベースを示す。ここで、ユーザIDとパスワードとは、MFP10にログインする際に入力が要求されるものである。図では、ユーザIDが「タナカ」の場合、ファクシミリデータの受信(FAX受信)、ファクシミリデータの送信(FAX送信)、コピーが許可される例が示されている。ちなみに、ユーザIDが「public」とは、ユーザのログインがなされていない状態を示す。本実施形態では、この場合、すべての機能の利用を禁止する。「ファクシミリデータの受信」の禁止とは、実際には、BOX40によって、回線90を介したファクシミリデータの受信がなされるものの、ファクシミリデータが表現する画像をMFP10によって印刷することを禁止する処理となる。
上記データベースを用いた利用制限を実行する場合、子機70からの指示をどうするかが問題となる。すなわち、例えばMFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであったとしても、子機70を利用しているユーザはFAX受信許可ユーザではないかもしれない。この場合、子機70からの指示に応じてファクシミリデータが表現する画像を印刷してしまう場合には、FAX受信許可ユーザではないユーザの指示によってファクシミリデータが表現する画像が印刷されるおそれがある。さらに、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであったとしても、このユーザは、ファクシミリデータが表現する画像の印刷以外の機能を利用することを望んでいることもありうる。すなわち、ユーザは、たとえば、MFP10のスキャナ14による画像のスキャン機能や、ファクシミリデータ以外のデータが表現する画像のプリンタ12による印刷機能の利用を望んでいることもありうる。この場合、着信に伴う子機70からの呼び出し音に反応して、子機70を手に取ったユーザが子機70からFAX受信を指示することで、MFP10からファクシミリデータが表現する画像が印刷されてしまうと、MFP10にログインしたユーザは、所望とする機能の使用が妨げられることとなる。
こうした事態に対処すべく、本実施形態では、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであっても、子機70からファクシミリデータの受信が指示される場合には、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を制限する。特に本実施形態では、印刷を制限する場合、BOX40からMFP10へのファクシミリデータが表現する画像の送信を行うことなく、ファクシミリデータをBOX40内に記憶保持する。次に、この処理について詳述する。なお、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を制限するうえでは、MFP10にユーザがログインすることで得られるユーザIDおよびパスワードが利用されるため、以下では、まず「MFP10のログインやログアウト時に特有の処理」について説明したのち、それ以外の処理である「通常時の処理」について説明する。
「MFP10のログインやログアウト時に特有の処理」
図3にログイン時等におけるMFP10の処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、CPU22は、ユーザがログインしている状態からログアウト状態に移行したか否かを判断する(S10)。そしてCPU22は、ログアウト状態への移行がなされていないと判断する場合(S10:No)、MFP10へのユーザのアクセスに際して、ユーザの認証処理を実行するか否かを判断する(S12)。ユーザの認証処理をするか否かは、MFP10の管理者等が、MFP10を操作することで、予め設定しておけばよい。そしてCPU22は、ユーザの認証処理を実行すると判断する場合(S12:Yes)、ユーザIDおよびパスワードの入力を受け付ける(S14)。そしてCPU22は、ユーザIDおよびパスワードの入力の受け付けに伴ってユーザ認証が成功したか否かを判断する(S16)。ここでは、入力されたユーザIDが上記データベースに登録されたものであって且つ、入力されたパスワードが入力されたユーザIDに対応する場合に、ユーザ認証が成功したと判断する。CPU22は、ユーザ認証処理に成功すると(S16:Yes)、ユーザ情報として、入力されたユーザIDと、このユーザがFAX受信を制限されるユーザであるか否かの情報とをBOX40に送信する(S18)。
一方、CPU22は、ログアウト状態への移行時であると判断する場合(S10:Yes)や、ユーザ認証処理を実行しないと判断する場合(S12:No)、ユーザ認証に成功しない場合(S16:No)には、ユーザIDが「public」である旨を、BOX40に送信する(S20)。
CPU22は、上記S18,S20の処理が完了すると、BOX40からのファクシミリデータの転送通知を受信したか否かを判断する(S22)。この処理は、後述する図4のS48の処理を前提とする。CPU22は、転送通知を受信しない場合(S22:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、転送通知を受信する場合(S22:Yes)、ファクシミリデータをBOX40から受信する処理を開始する(S24)。そしてCPU22は、ファクシミリデータの受信が完了するまで待機し(S26:No)、受信が完了すると(S26:Yes)、受信したファクシミリデータが表現する画像を印刷し(S28)、この一連の処理を一旦終了する。
図4に、MFP10へのログイン時におけるBOX40の処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、CPU44は、MFP10による上記S18の処理に伴って、MFP10からユーザ情報を受信すると(S30:Yes)、ユーザ情報をRAM46に記憶する(S32)。続いてCPU44は、RAM46に記憶したユーザ情報に基づき、MFP10にログインしているユーザがファクシミリデータの受信が許可されたユーザであるか否かを判断する(S34)。具体的には、CPU44は、ユーザ情報のうち、FAX受信を制限されるユーザであるか否かの情報を参照する。そしてCPU44は、ファクシミリデータの受信が許可されたユーザではないと判断する場合(S34:No)、この一連の処理を一旦終了する。これに対しCPU44は、ファクシミリデータの受信が許可されたユーザであると判断する場合(S34:Yes)、BOX40のEEPROM48内にファクシミリデータが記憶されているか否かを判断する(S36)。この処理は、ファクシミリデータの受信時に、MFP10のログインユーザがファクシミリデータの印刷が禁止されるユーザである場合等に、ファクシミデータがEEPROM48に記憶保持されることに鑑みたものである。すなわち、MFP10に新たにログインがなされる場合、MFP10によってファクシミリデータが表現される画像を印刷すべき状況となる可能性があるため、この処理を行っている。
そしてCPU44は、ファクシミリデータが記憶されていないと判断される場合(S36:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、ファクシミリデータが記憶されていると判断される場合(S36:Yes)、記憶されているファクシミリデータにユーザIDが関連付けられている(紐づいている)か否かを判断する(S38)。この処理は、後述する図5のS102の処理によってファクシミリデータにユーザIDが関連付けられていることがあるためになされるものである。そしてCPU44は、関連付けられていると判断する場合(S38:Yes)、MFP10にログインしているユーザのユーザIDと、記憶されたファクシミリデータに関連付けられているユーザIDとが一致するか否かを判断する(S40)。
CPU44は、MFP10にログインしているユーザのユーザIDと、上記関連付けられているユーザIDとが一致しないと判断する場合(S40:No)には、関連付けられているユーザが、FAX受信許可ユーザであるか否かを判断する(S41)。この処理の詳細は図示を省略しているが、MFP10との通信により、図2に示した制限情報に基づき実行すればよい。具体的には、例えば、関連付けられているユーザIDをBOX40からMFP10に送信し、MFP10から上記ユーザIDによって特定されるユーザがFAX受信許可ユーザであるか否かの判断結果を送信してもらえばよい。そして、CPU44は、上記S41の処理によってFAX受信許可ユーザではないと判断する場合や、上記S40の処理によって一致すると判断する場合、上記S38の処理によって関連付けられていないと判断する場合には、ファクシミリデータをMFP10に転送するデータとして設定する(S42)。
CPU44は、上記S42の処理が完了する場合や、上記S41の処理によってFAX受信許可ユーザであると判断する場合、EEPROM48内のすべてのファクシミリデータについて、S38,S40の処理が実施されたか否かを判断する(S44)。このように、S41の処理によってFAX受信許可ユーザであると判断する場合、転送するデータとして設定する処理に移行しないため、関連付けられているユーザとMFP10にログインしているユーザとの双方がFAX受信許可ユーザであって且つ、それらが互いに相違するユーザである場合には、ファクシミリデータがMFP10に転送されず、MFP10によってファクシミリデータが表現する画像が印刷されることもない。
CPU44は、記憶されているファクシミリデータの一部について上記S38,S40の処理が完了していないと判断される場合(S44:No)、S38の処理に戻る。これに対しCPU44は、記憶されているすべてのファクシミリデータについて上記S38,S40の処理が完了したと判断される場合(S44:Yes)、転送するデータがあるか否かを判断する(S46)。そしてCPU44は、転送するデータがあると判断する場合(S46:Yes),MFP10にファクシミリデータを転送する旨を通知する(S48)。これにより、図3のS22において転送通知ありと判断されることとなる。そしてCPU44は、MFP10にファクシミリデータを転送する処理を開始する(S50)。そしてCPU44は、ファクシミリデータを転送する処理が完了するまで待機し(S52:No)、転送する処理が完了する場合(S52:Yes)、この一連の処理を一旦終了する。
「通常時の処理」
図5に、BOX40の通常時の処理を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、CPU44は、まず着信があるか否かを判断する(S60)。ここで着信とは、BOX40を宛先とする呼出信号を回線90を介して受信することである。そしてCPU44は、着信があると判断する場合(S60:Yes)、MFP10および子機70に、着信ありの情報を通知する(S62)。これにより、MFP10および子機70では、着信がある旨をユーザに通知すべく、呼び出し音を発生させる。
続いてCPU44は、回線90を閉結して電話回線網92を介した外部装置(図示略)とBOX40との通信を可能とする指示を子機70から受信したか否かを判断する(S64)。この処理は、後述する図7のS142の処理を前提とする。そしてCPU44は、上記指示を受信していないと判断する場合(S64:No)、回線90を閉結する指示がMFP10から出力されることで、この指示を受信したか否かを判断する(S66)。この処理は、後述する図6のS114の処理を前提としている。そしてCPU44は、MFP10から上記指示を受信したと判断する場合(S66:Yes)、回線90を閉結する(S68)。続いてCPU44は、回線90を閉結したことをMFP10に通知し(S70)、MFP10からファクシミリデータの受信が指示されるのを待つ(S72)。この処理は、後述する図6のS120の処理を前提としている。そしてCPU44は、MFP10からファクシミリデータの受信を指示する旨の信号を受信するまで待機し(S72:No)、信号を受信すると(S72:Yes)、ファクシミリデータの受信処理を開始する(S74)。そしてCPU44は、ファクシミリデータの受信が完了するまで待機し(S76:No)、受信が完了すると(S76:Yes)、ファクシミリデータをEEPROM48に記憶する(S78)。続いてCPU44は、MFP10にファクシミリデータの受信が完了したことを通知する(S80)。
そしてCPU44は、MFP10に現在ログインしているユーザ情報があるか否かを、換言すれば、ユーザIDが「public」でないか否かを判断する(S82)。この処理は、図3のS18の処理によって、ユーザ情報がBOX40に送信されて且つ、その後にS20の処理によって「public」が送信されたことがないか否かを判断するためのものである。CPU44は、「public」であると判断する場合(S82:No)、ファクシミリデータが表現する画像をMFP10において印刷することが禁止されているとして、この一連の処理を一旦終了する。これにより、ファクシミリデータは、BOX40内のEEPROM48に記憶保持された状態となり、MFP10には送信されないことから、図2に示した制限情報に基づくファクシミリデータが表現する画像の印刷制限が実行されたこととなる。
一方、CPU44は、「public」でないと判断する場合(S82:Yes)、MFP10にログイン中のユーザが、FAX受信許可ユーザであるか否かを判断する(S84)。この処理は、ファクシミリデータが表現する画像をMFP10において印刷してよいか否かを判断するためのものである。そしてCPU44は、FAX受信許可ユーザではないと判断する場合(S84:No)、ファクシミリデータが表現する画像をMFP10において印刷することが禁止されているとして、この一連の処理を一旦終了する。これに対し、CPU44は、FAX受信許可ユーザであると判断する場合(S84:Yes)、ファクシミリデータが表現する画像をMFP10において印刷してよいとして、MFP10にファクシミリデータを転送する(S86)。
一方、CPU44は、上記S66の処理において、MFP10から受信していないと判断する場合、所定回数分の呼出信号が検出されたか否かを判断する(S88)。そしてCPU44は、検出されていないと判断する場合(S88:No)、S64に戻る一方、検出されたと判断する場合(S88:Yes)、回線90を閉結(S90)し、S74に移行する。これにより、着信がファクシミリデータによるものである場合、ファクシミリデータが受信され(S74),EEPROM48に記憶保持される(S78)。しかし、この場合には、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザでない限り、その表現する画像が印刷されることはない(S82、S84のいずれかでNo)。なお、着信が通話を求めるものであった場合、ファクシミリデータを受信する処理(S74)を実行することなく、この一連の処理を一旦終了する(図示略)。
CPU44は、上記S64の処理において、回線90の閉結指示を子機70から受信したと判断する場合(S64:Yes)、回線90を閉結するとともに、MFP10にログインしているユーザの情報を子機70に通知する(S92)。なお、この際、CPU44は、回線90を閉結した旨をMFP10にも通知する。これは、後述の図6のS124の処理のためである。ここで、ユーザ情報は、図3のS18の処理またはS20の処理によってMFP10からBOX40に送信された情報である。続いてCPU44は、ファクシミリデータの受信開始指示を子機70から受信したか否かを判断する(S94)。この際、後述する図7のS152の処理によって子機70からユーザIDが送信された場合には、ユーザIDについても受信することとなる。そしてCPU44は、受信していないと判断する場合(S94:No)、子機70からの閉結指示が受信された後、所定時間が経過したか否かを判断し(S95)、所定時間が経過していない場合(S95:No)、S94の処理に戻る。
これに対し、CPU44は、ファクシミリデータの受信開始指示を子機70から受信したと判断する場合(S94:Yes)や、所定時間が経過したと判断する場合(S95:Yes)、ファクシミリデータの受信処理を開始する(S96)。なお、上記着信が通話を求めるものである場合、所定時間が経過することで、この一連の処理を一旦終了すればよい(図示略)。そしてCPU44は、ファクシミリデータの受信処理が完了するまで待機し(S98:No)、完了すると(S98:Yes)、受信したファクシミリデータをEEPROM48に記憶する(S100)。続いてCPU44は、受信したファクシミリデータと、S94の処理において受信されたユーザIDとを関連付ける(紐付)処理を行う(S102)。ただし、この処理は、後述する図7のS152の処理を前提としており、この処理がなされない場合には、CPU44は、S102の処理をスキップする。次にCPU44は、子機70にFAX受信が完了したことを通知する(S104)。
次に、CPU44は、MFP10にログインしているユーザ情報があるか否かを、換言すれば、MFP10のログインユーザが「public」ではないか否かを判断する(S106)。ここでは、図3の処理において、S18の処理がなされて且つ、その後、S20の処理がなされていない場合に、ログインしているユーザ情報があると判断する。そしてCPU44は、ログインしているユーザ情報がないと判断する場合(S106:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、ログインしているユーザ情報があると判断する場合(S106:Yes)、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであるか否かを判断する(S108)。そしてCPU44は、FAX受信許可ユーザではないと判断する場合(S108:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、FAX受信許可ユーザであると判断する場合(S108:Yes)、MFP10にログインしているユーザIDと、子機70から入力されたユーザIDとが一致するか否かを判断する(S110)。換言すれば、MFP10にログインしているユーザIDと、S102の処理によってファクシミリデータと関連付けられたユーザIDとが一致するか否かを判断する。
そしてCPU44は、一致すると判断する場合(S110)、S86の処理に移行する。この処理は、上述したように、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を許可する処理である。これに対し、CPU44は、一致しないと判断する場合(S110:No)、この一連の処理を一旦終了する。これにより、ログインしているユーザ情報がないと判断する場合(S106:No)や、FAX受信許可ユーザではないと判断する場合(S108:No)に加えて、上記一致しないと判断する場合(S110:No)においても、ファクシミリデータが表現する画像の印刷が禁止される。すなわち、本実施形態では、子機70からファクシミリデータの受信が指示される場合、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであることに加えて、子機70を利用中のユーザとMFP10にログインしているユーザとが一致することを、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を許可する条件とする。この条件によれば、子機70を利用中のユーザが図2に示したデータベースに基づきFAX受信許可ユーザであったとしても、ファクシミリデータが表現する画像の印刷が禁止されることがありうる。この条件は、ファクシミリシステム1に子機70を設けたことに鑑みて追加されたものである。
図6に、MFP10の通常時の処理を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、CPU22は、まず、BOX40から着信がある旨の情報を受信したか否かを判断する(S112)。この処理は、上述の図5のS62の処理を前提とする。そしてCPU22は、着信がある旨の情報を受信したと判断する場合(S112:Yes)、ユーザが回線90を閉結すべく入力部18を操作したか否か(回線閉結操作実行)を判断する(S114)。CPU22は、回線90を閉結する操作がなされたと判断する場合(S114:Yes)、回線90を閉結する指示信号をBOX40に出力する(S116)。これにより、上述の図5のS68の処理が実行される。続いてCPU22は、入力部18のうち、ファクシミリデータの受信を指示するキー(FAX受信キー)が押下されたか否かを判断する(S118)。ここで、回線90が閉結されると、MFP10を通じてユーザは、着信が通話を求めるものであるのかファクシミリデータのためのものであるのかを把握することができるようになる。このため、ユーザは、着信が通話を求めるものである場合には受話器を取って通話する一方、ファクシミリデータのためのものである場合には、FAX受信キーを押下することで、ファクシミリデータの受信を指示する。
そしてCPU22は、FAX受信キーが押下されるまで待機し(S118)、FAX受信キーが押下されることで(S118:Yes)、ファクシミリデータの受信指示をBOX40に通知する(S120)。上述の図5のS72の処理は、このS120の処理を前提とする。なお、着信が通話を求めるものである場合には、S118の処理を抜けてこの一連の処理を一旦終了すればよい(図示略)。そしてCPU22は、BOX40からファクシミリデータの受信完了通知を受けるまで待機する(S122:No)。この処理は、図5のS80の処理が実行されるのを待つ処理である。そしてCPU22は、受信完了通知を受けると(S122:Yes)、ログインしているユーザが、FAX受信許可ユーザであるか否かを判断する(S128)。ここで、ログインしているユーザがいない場合には、ユーザIDが「public」であることから、FAX受信許可ユーザではないと判断する。
そしてCPU22は、FAX受信許可ユーザではないと判断する場合(S128:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、FAX受信許可ユーザであると判断する場合(S128:Yes)、BOX40からファクシミリデータを受信する処理を開始する(S130)。この処理は、図5のS110において肯定判断された後のS86の処理を前提としている。そしてCPU22は、ファクシミリデータの受信を完了するまで待機し(S132:No)、受信を完了すると(S132:Yes)、ファクシミリデータが表現する画像を印刷し(S134)、この一連の処理を一旦終了する。
これに対し、CPU22は、回線90を閉結する操作がなされていないと判断する場合(S114:No)、BOX40から回線90を閉結した旨の情報を受信したか否かを判断する(S124)。この処理は、図5のS92の処理を前提とする。そしてCPU22は、BOX40から回線90を閉結した旨の情報を受信していないと判断する場合(S124:No)、S114の処理に戻る一方、BOX40から回線90を閉結した旨の情報を受信したと判断する場合(S124:Yes)、BOX40からファクシミリデータの転送があるか否かを判断する(S126)。この処理は、図5のS110において肯定判断されることでS86の処理がなされるか否かを判断するものである。そしてCPU22は、ファクシミリデータの転送がないと判断する場合(S126:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、ファクシミリデータの転送があると判断する場合(S126;Yes)、S128に移行する。これにより、図5のS110において肯定判断されることでS86の処理がなされる場合、ファクシミリデータが表現する画像が印刷される(S134)。
図7に、子機70によって実行される処理を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、CPU78は、まず、BOX40から着信情報を受信したか否かを判断する(S140)。この処理は、図5のS62の処理を前提とする。そしてCPU78は、着信情報を受信したと判断する場合(S140:Yes)、ユーザが回線90を閉結すべく入力部74を操作したか否か(回線閉結操作実行)を判断する(S142)。CPU22は、回線90を閉結する操作がなされていないと判断する場合(S142:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、回線90を閉結する操作がなされたと判断する場合(S142:Yes)、BOX40からユーザ情報を受信する(S144)。この処理は、図5のS92の処理に応じたものとなっている。
続いてCPU78は、入力部74のうち、ファクシミリデータの受信を指示するキー(FAX受信キー)が、回線90を閉結する操作がなされてから所定時間以内に押下されたか否かを判断する(S146)。ここで、回線90が閉結されると、MFP10を通じてユーザは、着信が通話を求めるものであるのかファクシミリデータのためのものであるのかを把握することができるようになる。このため、ユーザは、着信が通話を求めるものである場合には、通話を開始する一方、ファクシミリデータのためのものである場合には、FAX受信キーを押下することで、ファクシミリデータの受信を指示する。
そしてCPU78は、FAX受信キーを押下していないと判断する場合(S146:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、FAX受信キーを押下したと判断する場合(S146:Yes)、MFP10にログインしているユーザがFAX受信禁止ユーザであるか否かを判断する(S148)。この処理は、S144の処理によって受信したユーザ情報に基づいて実行される。そしてCPU78は、FAX受信禁止ユーザではないと判断する場合(S148:No)、子機70を利用しているユーザに、入力部74を介したユーザIDの入力を促す(S150)。そしてCPU78は、入力されたユーザIDをBOX40に送信する(S152)。
一方、CPU78は、FAX受信禁止ユーザであると判断する場合(S148:Yes)や、ユーザIDをBOXに送信する処理が完了する場合(S152)には、BOX40に、FAX受信開始の指示信号を送信する(S154)。この処理が実行されることで、図5のS94の処理において肯定判断がなされる。そしてCPU78は、パネル72に、ファクシミリデータを受信中である旨を表示する(S156)。そしてCPU78は、BOX40からファクシミリデータの受信完了通知を受信するまで待機し(S158:No)、受信すると(S158:Yes)、パネル72に、ファクシミリデータの受信を完了した旨を表示し(S159)、この一連の処理を一旦終了する。なお、S158の処理は、図5のS104の処理を前提とする。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)子機70によってファクシミリデータの受信が指示される場合(図7のS154)、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであることに加えて、ログインしているユーザのユーザIDと子機70に入力されたユーザIDとが一致することを、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を許可する条件とした(S110)。これにより、まず第1に、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザではない場合に、子機70からファクシミリデータの受信が指示されても、ファクシミリデータが表現する画像が印刷される事態を回避することができる。第2に、子機70からファクシミリデータの受信を指示したユーザが、MFP10にログインしているユーザと相違し、MFP10にログインしているユーザがMFP10のファクシミリデータの受信とは相違する機能を利用しようとしている場合に、これが妨げられる事態を回避することができる。
(2)MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザである場合(S148:No)、子機70へのユーザIDの入力を受け付けた(S150)。ここで、本実施形態では、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであることを、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を許可する条件としているため、FAX受信許可ユーザではない場合、子機70からユーザIDが入力されても、これを利用することはできない。このため、上記処理によれば、ユーザIDの入力が必要となるときに限ってユーザIDの入力を受け付けることができる。
(3)子機70によって回線90の閉結が指示された後(S64:Yes)、子機70からファクシミリデータの受信の指示が所定時間以内になされない場合(S95:Yes)、ファクシミリデータを受信し(S96)、BOX40のEEPROM48に記憶させた(S100)。この場合、ファクシミリデータが表現する画像の印刷はなされない(S110:No)ことから、閉結指示の後、受信が指示されない場合であっても、ファクシミリデータを適切に扱うことができる。
(4)ファクシミリデータが表現する画像の印刷を禁止する場合(S82,S84,S106〜S110のいずれかでNo)、ファクシミリデータをMFP10に送信することなく、BOX40のEEPROM48に記憶保持した(S100)。これにより、例えば1台のBOX40に対してMFP10が複数台ある場合、図3のS14の処理によってFAX受信許可ユーザがログインしたMFP10に対して、ファクシミリデータを送信することができる。
(5)MFP10が着信の通知を受けると(S112:Yes)、MFP10から回線90の閉結を指示したり(S116)、ファクシミリデータの受信を指示したり(S120)できるようにした。これにより、MFP10にユーザがログインしている場合、そのユーザがファクシミリデータの受信を指示することができる。
(6)MFP10のログイン時、BOX40にファクシミリデータがあって且つ、ユーザIDと関連付けられている場合、そのユーザがFAX受信許可ユーザであるなら、そのユーザと、MFP10にログインしているユーザとが一致することを、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を許可する条件とした(S40,S41)。これにより、MFP10にログインしているユーザが、MFP10のファクシミリデータが表現する画像の印刷以外の機能を利用するためにログインした場合に、その機能の利用開始が、ファクシミリデータが表現する画像の印刷によって妨げられる事態を回避することができる。
(7)MFP10のログイン時、BOX40にファクシミリデータがあって且つ、ユーザIDと関連付けられている場合、そのユーザがFAX受信許可ユーザでないなら、そのユーザと、MFP10にログインしているユーザとが一致しなくても、MFP10にログインしているユーザがFAX受信許可ユーザであることを条件に、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を許可した(S41)。これにより、FAX受信が許可されないユーザにより子機70からファクシミリデータの受信が指示された場合であっても、MFP10にFAX受信許可ユーザがログインすることで、ファクシミリデータが表現する画像を印刷することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、MFP10にユーザがログインしていない状態において、子機70を利用するユーザがFAX受信許可ユーザである場合に、ファクシミリデータが表現する画像を印刷可能とする。以下、これを実現するための構成について説明する。
図8に、本実施形態にかかる子機70の処理の手順を示す。なお、図8において、先の図7に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、CPU78は、MFP10にログインしているユーザがFAX受信禁止ユーザであると判断する場合(S148:Yes)、ユーザIDが「public」であるか否かを判断する(S160)。そしてCPU78は、「public」ではないと判断する場合(S160:No)、S150の処理に移行する一方、「public」である場合(S160:Yes)、ユーザに、子機70の入力部74を操作してユーザIDとパスワードとを入力することを促す(S162)。ここで、ユーザIDとパスワードとは、MFP10にログインするときのものと同じものである。子機70の入力部74は、MFP10の入力部18と比較して小型であることなどから、ユーザIDとパスワードとをMFP10に入力する場合と比較して子機70に入力する場合には大きな労力を必要とする傾向にある。しかし、子機70とMFP10とが大きく離れており、ユーザがMFP10の配置場所まで移動することを望まない場合等には、子機70からユーザIDとパスワードとを入力することを望むことも考えられる。S162の処理は、こうした点に鑑みて設けられたものである。ユーザIDとパスワードとが入力されると、CPU78は、BOX40に、入力されたユーザIDとパスワードとを送信し(S164)、S154の処理に移行する。
図9に、BOX40の通常時の処理を示す。なお、図9に示す処理において、図5に示した処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、CPU44は、MFP10にログインしているユーザの情報がないと判断する場合(S106:No)、子機70からユーザIDおよびパスワードを受信したか否かを判断する(S170)。この処理は、図8のS164の処理を前提とする。そしてCPU44は、子機70からユーザIDおよびパスワードを受信していない場合(S170:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、子機70からユーザIDおよびパスワードを受信したと判断する場合(S170:Yes)、受信したユーザIDおよびパスワードをMFP10に送信する(S172)。これにより、後述する図10のS184の処理により、子機70からユーザIDおよびパスワードを入力したユーザが、MFP10からFAX受信許可ユーザではないとの通知を受ける場合(S174:No)、この一連の処理を一旦終了する。これに対し、CPU44は、MFP10からFAX受信許可ユーザであるとの通知を受ける場合(S174:Yes)、S86の処理に移行する。これにより、BOX40からMFP10にファクシミリデータが送信され、MFP10では、図6の処理によって、ファクシミリデータが表現する画像を印刷することとなる。
図10に、子機70に入力されたユーザIDおよびパスワードをMFP10が受信する場合の処理の手順を示す。
この一連の処理では、CPU22は、まずBOX40から子機70のログイン情報(ユーザIDおよびパスワード)を受信したか否かを判断する(S180)。この処理は、図9のS172の処理を前提とする。そしてCPU22は、これらを受信していないと判断する場合(S180:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、受信していると判断する場合(S180:Yes)、受信したユーザIDおよびパスワードから特定されるユーザが、FAX受信許可ユーザであるか否かを、図2に示したデータベースに基づき判断する(S182)。続いてCPU22では、判断結果をBOX40に送信する(S184)。これにより、図9のS174の処理が実行される。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて、さらに、以下の効果を有する。
(8)MFP10にユーザがログインしていない場合、子機70からログインすることを可能とした(図8のS162)。これにより、子機70からファクシミリデータが表現する画像の印刷を指示する処理が可能となる。
<実施形態と各手段との対応>
受信部…電話回線接続部60およびモデム52、印刷部…プリンタ12、無線端末…子機70、指示受付手段…図7のS146、受信指示手段(第1受信指示手段)…図7のS154、ログイン受付手段…図3のS14、制限情報…図2、制限情報記憶部…EEPROM26、制限手段…図4のS34、図5のS82,S84,S106〜S110,S170,S174、通知手段…図5のS62、受信制御手段…図5のS96とS74、特定情報受付手段…S150,S162、ユーザ特定情報…S150,S162で入力される情報、特定情報出力手段…S152,S164、特定情報入力手段…図5のS94、照合手段…S110、判断手段…S148、解除手段…S174のYesの場合の設定、閉結受付手段…図7のS142、閉結指示手段…図7のS142、ファクシミリデータ記憶部…EEPROM48、閉結受信手段…図5のS64、閉結制御手段…図5のS92、記憶手段…図5のS100、ファクシミリ装置…MFP10、中継装置…BOX40、第2受信指示手段…図6のS120。
<その他の実施形態>
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしてもよい。以下、上記実施形態の変形例としての実施形態を記載する。
MFP10にFAX受信が制限されないユーザがログインしているときにおいて、子機70によってファクシミリデータの受信の指示がなされる場合の印刷制限の手法としては、上記各実施形態において例示されたものに限らない。例えば、ログイン中のユーザに子機70の指示に応じてファクシミリデータが表現する画像を印刷してよいか否かを問い合わせるものであってもよい。これは、例えば、MFP10のパネル16に問い合わせを表示し、入力部18を介して許可するか否かの回答を受け付けるようにして行うことができる。
図7のS148の処理では、S144の処理によって受信したユーザ情報に基づき、ログインユーザがFAX受信禁止ユーザであるか否かを判断したがこれに限らない。例えば、BOX40を介してMFP10に、ログインユーザがFAX受信禁止ユーザであるか否かを問い合わせるようにしてもよい。
図7のS150では、MFP10にログインするのに必要なデータであるユーザIDおよびパスワードのうちのユーザIDを入力するようにしたが、これに限らない。例えば、子機70からユーザを特定する情報を入力する場合に専用のデータ(例えば、MFP10へのログイン時に必要なユーザIDよりもデータ量の小さい短縮データ)を入力するようにしてもよい。これにより、子機70への入力操作を簡素化することができる。
図8のS162では、子機70に、MFP10へのログインに必要なデータであるユーザIDおよびパスワードの双方を入力したがこれに限らない。例えば、MFP10へのログインに必要なデータであるユーザIDおよびパスワードとは相違する子機70入力時の専用のデータ(MFP10へのログイン時に必要なデータよりもデータ量の小さい短縮データ等)を入力するようにしてもよい。
上記各実施形態では、ファクシミリデータが表現する画像の印刷を禁止する場合に、ファクシミリデータをBOX40にて保持したがこれに限らない。例えば、MFP10のEEPROM26にて保持してもよい。
ファクシミリシステム1としては、MFP10とBOX40とが別体となっているものに限らず、これらが一体となっているものであってもよい。この場合、MFP10のCPU22とBOX40のCPU44とを共有化する等、ハードウェア手段の一部を共有化することも可能であり、その場合、上記各実施形態におけるBOX40とMFP10との通信処理を削除することができる。
図4の処理において、S38〜S46の処理を削除し、BOX40内にファクシミリデータがある場合(S36:Yes)、そのデータを転送する処理(S48)を実行するようにしてもよい。また、BOX40にファクシミリデータが記憶保持されている状況でFAX受信許可ユーザがMFP10にログインした場合、CPU22がファクシミリデータが表現する画像を印刷するか否かをそのユーザに問い合わせるようにしてもよい。この場合、CPU22は、印刷する旨の指示がなされることでファクシミリデータが表現する画像を印刷すればよい。
制限情報記憶部としては、MFP10が備えるEEPROM26に限らない。例えば、BOX40が備えるEEPROM48であってもよい。また、書き換え可能な不揮発性メモリにも限らず、例えばROM20等であってもよい。