JP6136172B2 - 樹脂製容器 - Google Patents
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Description
このように傾斜パネルを形成しておくことにより、減圧時に容器内方に向かって傾斜パネルが凹状に変形すると同時に胴部が捩じれ、減圧吸収効果を高められている。
肩部と底部とを有し、
胴部に、該胴部の中心軸に対して傾斜した傾斜パネルおよび傾斜柱部が周方向に交互に複数設けられている樹脂製容器において、
前記傾斜柱部を、三次元的に直線的に延びる真直形状とし、
前記傾斜柱部の水平断面形状は、前記中心軸方向に亘って、同一の形状であるとともに
同じ大きさであり、
前記傾斜柱部の上端は、前記肩部の下端と接続され、
前記傾斜柱部の下端は、前記底部の上端と接続されており、
前記傾斜柱部の幅中央が三次元的に直線的に延びていることを特徴とする。
1.前記傾斜柱部の水平断面形状が、容器外方に向けて凸となる形状である。
2.前記傾斜パネルは、水平断面形状が容器内方に湾曲している。
3.前記胴部の傾斜柱部の下端を通り胴部の中心軸と平行に引いた基準線に対する傾斜角度を、5°〜45°とした。
4.前記傾斜パネルの前記胴部に占める高さ方向の割合を、1/4〜1/1とした。
1.傾斜柱部の水平断面形状が容器外方に向けて凸となる形状としておけば、剛性が高く、縦圧縮荷重に対する強度を高くすることができる。また、減圧が大きくなっても、傾斜柱部の形状が維持されるので、捩じれ変形による減圧吸収効果も高くなる。
2.傾斜パネルの胴部の水平断面形状を容器内方に湾曲させておけば、減圧吸収時に傾斜パネルが変形しやすい。
3.傾斜柱部の基準線に対する傾斜角度を5°〜45°としておけば、縦圧縮荷重に対する強度と、ねじれ変形による減圧吸収効果を、バランスよく確保することができる。
4.また、傾斜パネルの前記胴部に占める高さ方向の割合を、1/4〜1/1程度しておけば、捩じりによる減圧吸収効果が効果的に作用する。
図1において、1は本発明の実施の形態に係る樹脂製容器全体を示している。この樹脂製容器1は、PET等の合成樹脂で成形されたブロー成形容器で、胴部3と、胴部3の下端部を閉塞する底部5と、胴部3の上端から上方に向かって徐々に縮径される肩部7と、肩部7の上端から円筒状に突出する口部9とを有する構成となっている。肩部7は、概略円錐台形状で、円形状の下端部が胴部3の上端に連なり、円形状の上端部が口部9の下端に連なっており、口部9には不図示のキャップが螺着されて密閉される。
ここで、中心軸Nに対して傾斜するとは、対象となる傾斜パネル2または傾斜柱部4を正面視したときに、奥の中心軸Nを正面の傾斜パネル2または傾斜柱部4に投影した中心線である基準線Mに対し傾斜している状態を指す。
傾斜柱部4は、三次元的に直線的に延びる真直形状で、図2に模式的に示すように、中心軸Nの周囲に所定間隔で等配され、上端4a及び下端4bが、中心軸Nを中心として描いた上端仮想円C1と下端仮想円C2上に位置している。上端仮想円C1と下端仮想円C2は同一径で、傾斜柱部4の上端4aは、下端4bに対して、相対的に周方向一方側、本実施の形態では、口部9側から底部5側を見て反時計回り方向に、所定角度θだけずれるように傾斜しており、各傾斜柱部4は、互いにねじれの位置関係にある。幾何学的には、各傾斜柱部4は、胴部3の中心軸Nを中心として回転させた回転軌跡である単葉双曲面上に位置するように配置される。
この上端仮想円C1は、肩部7との境界となる上部環状部31に対応し、下端仮想円C2は、底部5との境界となる下部環状部32に対応するもので、この実施の形態では、傾斜パネル2及び傾斜柱部4を設ける領域は、胴部3の高さ方向全長に亘って設けられている。
傾斜パネル2の下端部についても、下部環状部32の上端と傾斜パネル2の下端部との間に、上方に向かって容器内方に傾斜し、上縁に円弧状の接続部22aを備えた段差部22が設けられている。
この樹脂製容器1は、たとえば飲料等の熱処理された内容物が充填され、キャッピングされた後、内容物が冷えると、内部が減圧状態となり、剛性の低い胴部3の傾斜パネル2が容器内方に撓み変形して減圧が吸収される。
この傾斜パネル2については、図1に示すように、傾斜柱部4と上部環状部31との鋭角側の隅角部2aと、傾斜柱部4と下部環状部32との鋭角側の隅角部2bを結ぶ対角線Fに沿った谷折れが生じ、捩じり変形が助長されると共に、相乗的に傾斜パネル2の撓み変形が大きくなり、減圧吸収効果が大きくなる。
特に、傾斜柱部4の、谷折れの起点となる上下の隅角部2a、2bは、円弧状段差部21,22のくさび状部分に応力が集中して屈曲しやすい構造となっており、減圧吸収効果
がより高くなっている。
図5及び図6は、本発明の他の実施の形態に係る樹脂製容器を示している。
この実施の形態は、肩部70についても、減圧吸収用の傾斜パネル72を設けたものである。肩部70以外は上記実施の形態と同一なので、以下の説明では、上記実施の形態と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
傾斜パネル72は、胴部3から連続する中心軸Nに対して傾けられた減圧吸収用の傾斜パネル72が周方向に複数(図示例では12箇所)設けられ、隣接する傾斜パネル72の境界部分に傾斜パネル72と同一方向に傾斜する傾斜柱部74が設けられている。
上端仮想円C3は口部9の付け根部の径とほぼ同一、下端仮想円C4は胴部3の上部環状部31と連続する環状の肩部下端部73と同一径で、傾斜柱部74の上端74aは、下端74bに対して、相対的に周方向一方側、図示例では、胴部3と同様に、口部9側から底部5側を見て反時計回り方向に、所定角度θ1だけずれるように傾斜している。各傾斜柱部74は、互いにねじれの位置関係にあり、幾何学的には、各傾斜柱部74は、胴部3の中心軸Nを中心として回転させた回転軌跡である単葉双曲面上に位置するように配置される。
傾斜柱部74の傾斜角度α1として、傾斜柱部4の下端を通り中心軸Nと平行に引いた基準線Mに対する角度をとると、傾斜角度α1は5°〜45°とすることが好適である。
上記傾斜柱部4は、その水平断面形状の円弧形状の中央を結ぶ真直線を中心に上下方向の一端から他端に向けて徐々に回転変位するように捩じれた形状となっているが、捩じれた構成ではなく、たとえば、水平断面形状を上下方向の一端から他端に向けて平行に移動させた軌跡となるように、捩じれの無い真直形状となっていてもよい。
また、傾斜柱部4の水平断面形状は、容器外方に向かって湾曲する凸形状であればよく、円弧形状に限定されず、たとえば、矩形、台形、三角形等の種々の形状を選択し得る。
また、傾斜パネル2の水平断面形状については、凹状に湾曲する円弧状に限定されるものではなく、傾斜柱部4の外接円より容器内方側に位置する形状であればよく、平坦形状でもよいし、容器外側に凸状に膨らんでいてもよい。要するに減圧時に容器内方に撓んで、容器内部の減圧を吸収できるような形状であればよい。
また、傾斜柱部74は稜線状に限らず、傾斜柱部4同様、水平断面が円弧形状、矩形、台形、三角形等の種々の形状となる柱状であってもよい。
また、胴部3の水平断面形状は略正八角形状に限らず、その他の略正多角形状でもよい。
さらにまた、上記した実施の形態では、上部環状部31と下部環状部32が同一径の場合について説明したが、径が異なっていてもよい。その場合、傾斜パネル2は側面から見ると略台形状で、底部5側から肩部7側に向かって反時計回りに捩じれた立体形状となる。
また、上部環状部31と下部環状部32が真円の円筒状で、傾斜柱部4の上端4a及び下端4bが真円上に配置された場合を例にとって説明したが、これに限らず楕円状の上部環状部、下部環状部に即して傾斜柱部の上端及び下端を楕円状に配置してもよい。
また、部分的に設ける場合は、この傾斜パネル2及び傾斜柱部4を設ける領域を、胴部3の高さ方向の1個所だけでなく、複数箇所に設けてもよい。
2 傾斜パネル
3 胴部
31 上部環状部、32 下部環状部
4 傾斜柱部、4a 上端、4b 下端、
5 底部、
7 肩部、
9 口部、
70 肩部
72 傾斜パネル、73 肩部下端部
74 傾斜柱部
N 胴部の中心軸
M 基準線
α、α1 傾斜角度
θ、θ1 位相差
Claims (4)
- 肩部と底部とを有し、
胴部に、該胴部の中心軸に対して傾斜した傾斜パネルおよび傾斜柱部が周方向に交互に複数設けられている樹脂製容器において、
前記傾斜柱部を、三次元的に直線的に延びる真直形状とし、
前記傾斜柱部の水平断面形状は、前記中心軸方向に亘って、同一の形状であるとともに同じ大きさであり、
前記傾斜柱部の上端は、前記肩部の下端と接続され、
前記傾斜柱部の下端は、前記底部の上端と接続されており、
前記傾斜柱部の幅中央が三次元的に直線的に延びていることを特徴とする樹脂製容器。 - 前記傾斜柱部の水平断面形状が、容器外方に向けて凸となる形状である請求項1に記載の樹脂製容器。
- 前記傾斜パネルは、水平断面形状が容器内方に湾曲している請求項1又は2に記載の樹脂製容器。
- 前記胴部の傾斜柱部の下端を通り胴部の中心軸と平行に引いた基準線に対する傾斜角度を5°〜45°とした請求項1乃至3のいずれかの項に記載の樹脂製容器。
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JP2012220510A JP6136172B2 (ja) | 2012-10-02 | 2012-10-02 | 樹脂製容器 |
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