JP6136151B2 - 抗疲労物質の評価方法 - Google Patents

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本発明は、生体試料中のリボヌクレアーゼL(インターフェロン誘導型抗ウイルス酵素)の発現量を指標とした、被験物質の疲労に対する有効性を客観的に判定する方法に関する。
疲労は日常生活の中で、誰もが感じる一般的な感覚である。多忙を極める現代社会において、疲労の蓄積を事前に回避するような環境下で生活することは、困難な状況にある。このような生活環境を考慮すると、回復困難な疲労状態に陥る前に適切な疲労対策を講じるということが、QOLを維持する上で、重要なポイントとなる。
疲労対策には、十分な休息および睡眠をとる事はもとより、疲労に対して有効な物質の摂取が考えられる。疲労に対して有効な物質としては、タウリンなど一般的に広く認知されている物質が挙げられる。タウリンの抗疲労効果は、一般的に広く認知されているものの(非特許文献1)、疲労が主観的な感覚であるがゆえに、抗疲労効果を客観的に評価することは極めて困難であった。疲労に対して有効な医薬品等を開発するためにも、その効果を簡便かつ適正に評価できる方法を見出すことが求められている。
体力科学 55(6) P604
被験物質による肉体疲労の回復度合いを簡便かつ適正に評価できる方法がなければ、肉体疲労の回復を促進するのに有効な医薬品等の評価が的確になし得ず、肉体疲労の回復に有効な医薬品等の開発にも支障を生じることとなる。
そこで、本発明の課題は、客観的に被験物質の疲労に対する有効性を判定できる評価方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、生体試料中のリボヌクレアーゼLを指標として、被験物質の疲労に対する有効性を判定しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
かかる本発明の態様は、次のとおりである。
(1)生体試料中のリボヌクレアーゼL又はそのホモログの発現量を指標とした被験物質の疲労に対する有効性を判定する方法。
(2)生体試料が、血液又は肝臓又は筋肉である前記(1)に記載の被験物質の疲労に対する有効性を判定する方法。
(3)疲労が、肉体疲労である前記(1)から(2)記載の被験物質の疲労に対する有効性を判定する方法。
動物が疲労状態にある時、抗疲労物質を投与した動物の生体試料では、抗疲労物質非投与の動物の生体試料と比較して、リボヌクレアーゼLの発現量が増加することを明らかにし、抗疲労物質の有効性を判定することが可能なことを見出した。
マウス血液におけるRnaselの発現量変化の結果を示すグラフである。
本発明の被験物質の疲労に対する有効性を判定する方法としては、被験物質の有効性を判定する方法は言うまでもなく、疲労を回復、改善又は予防し得る物質を探索する方法も含むが、これらに限ったものではない。
本発明で用いる生体試料の起源(被験体)としては、好ましくは哺乳動物であり、ヒトである事が特に好ましい。生体試料としては、血液、唾液、精液などの体液、肝臓、心筋、骨格筋などの組織や細胞が挙げられる。これらの試料は、倫理的な問題が生じないように採血、採取又はバイオプシーなどにより、被験体から分離されることが望ましい。好ましくは、生体試料が血液又は肝臓又は筋肉であり、特に好ましくは血液である。
本発明における「疲労」とは、肉体疲労、身体疲労、筋肉疲労、運動疲労、精神疲労などであり、身体に負荷を与える作業(身体作業)により末梢組織(肝臓、心筋、骨格筋など)が疲労することに起因する肉体疲労(身体作業による肉体疲労)などが特に好ましい。ここで言う「身体作業」には、産業活動における労働作業のみでなく、日常生活における作業や運動、走行、自転車こぎ、階段の昇降などの動作も含む。疲労した状態とは、例えば、身体作業あるいは精神作業などにより、身体あるいは精神に負荷を与えた際に生じる作業効率(パフォーマンス)が低下した状態を示す。疲労の程度(疲労度)とは、上記疲労した状態の程度(度合い)を意味し、パフォーマンスの低下等の指標で表すことも可能である。
本発明における「遺伝子」とは、DNA又はRNAのいずれもでもよく、ゲノムDNAのみならず、mRNA、aRNA、cRNA及びcDNAなども含むものであり、全長遺伝子のみでなく、その一部を含む遺伝子(EST)でもよい。
ここで言う「その一部を含む遺伝子」とは、ハイブリダイズする際に十分な配列長を有するものであれば、その長さは特に限定されないが、好ましくは少なくとも10塩基以上である。また、遺伝子には、塩基配列又はアミノ酸配列などによって特定される遺伝子、例えば、塩基配列と相補的な塩基配列からなる遺伝子とハイブリダイズする遺伝子が含まれる。
本発明における「ホモログ」とは、対象となる遺伝子又はタンパク質と、塩基配列又はアミノ酸配列において、高い相同性を有しており、その相同性は、少なくとも50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。「ホモログ」がタンパク質として存在する場合には、上記塩基配列又はアミノ酸配列の相同性に加えて、対象となるタンパク質と同様の生物学的機能を有することが好ましい。本発明における生物学的機能としては、例えば「リボヌクレアーゼ活性」が挙げられる。
本発明で用いる遺伝子又はタンパク質は、少なくともヒト、マウス又はラットにて公知の遺伝子又はタンパク質であり、その塩基配列又はアミノ酸配列は公知であり、当業者に利用可能なものである。これら遺伝子又はタンパク質は、The HUGO Gene Nomenclature (HGNC)、米国立生物工学情報センター(NCBI)、欧州分子生物学研究所(EMBL)、日本DNAデータバンク(DDBJ)などのデータベースに登録されており、これらのデータベースにおいて遺伝子シンボル、Entrez GeneID(EGID)、HGNC ID、Mouse Genome Informatics(MGI)又はアクセッション番号(Accessoion number)などによって容易に塩基配列又はアミノ酸配列などの情報を入手する事ができる。これら遺伝子又はタンパク質のいくつかは、KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)、BioCarta、GenMAPPなどのパスウェイデータベースや遺伝子オントコロジー(GO)データベースにも登録されており、機能的情報を容易に得ることもできる。
本発明における「リボヌクレアーゼLの発現量」とは、遺伝子の発現量又はタンパク質の発現量のいずれでもよい。
本発明の方法においては、好ましくはリボヌクレアーゼL遺伝子及びそのホモログ遺伝子の発現変動を分析及び/又は比較する。
本発明のリボヌクレアーゼL遺伝子とは、Rnasel(アクセッション番号 NM_021133.3;配列番号1)及びそのホモログ遺伝子である。
遺伝子の発現量を測定する方法としては、例えば、当該遺伝子を認識するプライマーを用いた遺伝子の増幅手法が挙げられる。ここで使用する遺伝子にはmRNAのみでなく、RNAから調整されたcRNA、cDNA又はaRNAも含まれる。測定のためには先ずmRNAを抽出するが、RNAは、当該分野で公知の方法によって抽出してもよいし、市販のキットを用いて行ってもよい。「プライマーを用いた遺伝子の増幅手法」としては、特に限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の原理を利用した方法(PCR法、Q−PCR法、RT−PCR法など)、LAMP法、ICAN法などを挙げることができる。これらの増幅手法の条件や方法は、当業者に公知であり、当業者であれば適宜設定することができる。
遺伝子の発現量を測定する他の方法としては、当該遺伝子を認識するプローブを用いたサザンハイブリダイゼーション法やノーザンハイブリダイゼーション法などを挙げることができる。これらのハイブリダイゼーション手法の条件や方法は、当業者に公知であり、当業者であれば適宜設定することができる。
タンパク質の発現量を測定する方法としては、当該タンパク質を認識する抗体等を利用する方法などがある(ウェスタンブロッティング法など)。ここで使用する抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のどちらでもよく、市販の抗体を用いてもよい。また、ポリクローナル抗体やモノクローナル抗体は、当該分野で周知の方法によって作製することができる。これらの抗体は修飾されていてもよい。
タンパク質の発現量を測定する他の方法としては、タンパク質の活性を測定してもよい。本発明では、「リボヌクレアーゼ活性」を当業者に公知の方法に基づき測定することが可能である。
タンパク質の発現量を測定する他の方法として、二次元電気泳動、LC/MS質量分析法、クロマトグラフィー、核磁気共鳴分光法、免疫沈降法、ELISAなどの方法も使用可能であり、特に限定されない。
遺伝子やタンパク質の発現量は、必要に応じて、疲労の状態の有無において発現量がほとんど変動しない遺伝子又はタンパク質(例えば、ハウスキーピング遺伝子)の発現量に基づいて補正することができる。「ハウスキーピング遺伝子」としては、グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)やβ−アクチン(ACTB)などを挙げることができる。
本発明によれば、被験体に被験物質を投与し、当該被験体由来の生体試料におけるリボヌクレアーゼLの発現量の変動を測定することによって、当該被験物質の疲労に対する有効性(効果)を判定することができる。被験物質の疲労に対する有効性を判定する方法としては、例えば、疲労の状態である被験体において、被験物質の投与前と投与後にリボヌクレアーゼLの発現量を比較し、薬物投与により発現量が増加している場合に、被験物質は疲労に対して有効であると判定することができる。また、被験物質を投与する前に、疲労の状態である被験体を被験物質投与群と被験物質非投与群に分け、これらの群におけるリボヌクレアーゼLの発現量を比較し、被験物質を投与した群の発現量が、被験物質を投与しなかった群の発現量より増加している場合に、被験物質は疲労に対して有効であると判定することができる。被験体への被験物質の投与は、経口投与又は非経口投与のいずれでもよく、身体作業による身体への負荷と組み合わせる場合は、被験物質の特性に応じて、身体作業の前でも後でもよく、前後でもよく、投与の時期は特に限定されない。細胞培養培地への被験物質の添加においても、リボヌクレアーゼLの発現量を変動させる処置の前でも後でもよく、前後に添加してもよい。
リボヌクレアーゼLの発現量の“増加”又は“減少”の判断をする際には、例えば、一定の倍率をもって“増加”又は“減少”と判断するFold Change比較の方法により判断する方法が好ましい。例えば、一定の倍率を「1.5倍」とした場合には、ある被験体由来の生体試料におけるリボヌクレアーゼLの発現量が非疲労の状態の被験体由来の生体試料(健常対照体)におけるリボヌクレアーゼLの発現量と比較して1.5倍以上増加(50%以上増加)又は減少(50%以上減少)している場合に、“増加”又は“減少”と判断し、当該被験体は疲労の状態であると判定することができる。一定の倍率は1.5倍以上が好ましいが、特には限定されない。
また、統計的処理によってリボヌクレアーゼLの発現量の“増加”又は“減少”の判断をすることも可能である。例えば、t−検定(2群の場合)、分散分析(3群以上の場合)、多変量解析、クラスタリング、判別分析などの方法、回帰直線を求める方法、相関係数を求める方法など、公知の方法が広く知られている。これらの統計的処理における基準の設定は、当業者であれば、適宜行うことができる。
本発明においては、疲労状態のみでは発現変動しないが、疲労状態の被験体に被験物質を投与することで発現上昇が認められる遺伝子又はタンパク質を、疲労に対する新たな生体内防御機構を活性化させる遺伝子又はタンパク質であると考える。疲労状態の被験体に被験物質を投与し、被験体由来の生体試料におけるリボヌクレアーゼLの発現量を増加させる物質を、疲労を回復、改善又は予防し得る候補物質として選択することによって、疲労を回復、改善又は予防し得る物質を探索することができる。
本発明によれば、リボヌクレアーゼLの発現量を測定し疲労の程度を判定するための疲労判定試薬又は疲労判定キットが提供される。本発明の疲労判定試薬又は疲労判定キットには、リボヌクレアーゼLに特異的な抗体などが含まれている。本発明の疲労判定試薬又は疲労判定キットには、更に所望により、標識、標識二次抗体、担体、サンプル希釈液、酵素基質、反応停止液、標準物質、リン脂質酸化体及び/又はその代謝物の発現量や特徴などから疲労の程度を判定するための資料などを含めてもよい。さらに必要に応じて、洗浄バッファー、保存剤、防腐剤などを加えることもできる。本発明の疲労判定試薬又は疲労判定キットに含まれる抗体などは、1種のみでもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。これらは、固体でも液体でもよく、単一又複数の固相上に固定されているもの、例えば、マイクロタイタープレートのようなプレートに個別に分注された状態となっていてもよい。本発明にかかる疲労判定キットは、被験体の血液などの生体試料を採取するための手段を含んでいてもよい。また、疲労判定キットの包装材に付されたラベル又は添付された文書に、生体試料におけるリボヌクレアーゼLの発現量を指標として被験体の疲労の程度を判定するために使用できることを表示していてもよい。さらに、本発明にかかる疲労判定キットは、コンピューターなどの従来公知の演算装置を用いてなるキットとなっていてもよい。
以下に試験例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
試験例1 抗疲労物質の作用評価
トレッドミル装置(Panlab社製)の傾斜角を10°に設定し、BALB/c雄性マウス(日本エスエルシー(株)、1群8匹)に、漸増式(15cm/sから4分毎に5cm/sずつ速度を増加)に走行運動を負荷し、走行不能となる第1限界走行速度を算出した。その後、休憩時間を4時間挟み、再度、同じ条件にて、走行運動を負荷し、走行不能となる第2限界走行速度を算出した。
被験物質(タウリン)は走行運動試験の前日まで1日1回で21日間の連続投与を行った(300mg/kg、p.o)。走行運動試験当日は、1度目の走行運動試験終了直後に投与した。
第1限界走行速度に対する第2限界走行速度の低下率を算出し、疲労の度合いを比較した結果、対照群(タウリン非投与群)では休憩時間4時間のときの第2限界走行速度の低下率は16.4%であった。一方、タウリン投与群では第2限界走行速度の低下率は6.3%であり、有意な低下率の抑制、すなわちパフォーマンスの低下の改善が認められ、抗疲労効果が確認された。
試験例2 遺伝子発現量の変化(DNAマイクロアレイ)
行った試験は、(1)走行運動の負荷、(2)組織の採取、(3)RNAの抽出、(4)遺伝子の発現量の分析及び比較、の工程よりなる。尚試験には、被験物質のタウリンを投与したタウリン群とその溶媒を投与した対照群を用いた。
(1)走行運動の負荷
トレッドミル装置(Panlab社製)の傾斜角を10°に設定し、BALB/c雄性マウス(日本エスエルシー(株)、1群4匹)に、漸増式(15cm/sから4分毎に5cm/sずつ速度を増加)に走行運動をさせ、疲労を負荷した。タウリンおよび溶媒は走行運動試験の前日まで1日1回で21日間の連続投与を行った(300mg/kg、p.o)。
(2)組織の採取
走行運動負荷群は、走行4時間後に深麻酔条件下で腹部大静脈から血液を1mL採取した。採取した血液には、ヌクレアーゼ不含水1mLを添加し、Isogen−LS(ニッポンジーン)2mLを添加し、血液を溶解した。溶解した血液は液体窒素中で急速凍結後、−80℃で一時保管し、後日RNA抽出に供した。非走行群に対しても、同様の方法で採取した。
(3)RNAの抽出
Isogen−LS(ニッポンジーン社)に溶解されている血液サンプル4mLの半量を用いて精製を行った。Isogen−LS溶解サンプル2mLに対し、クロロホルム400μLを加えて、十分ボルテックスし遠心の後、水層800から1000μLをRNA粗抽出液として回収した。得られたRNA粗抽出液をRNeasy Mini kit中のColumnに流し入れ、RNAを吸着させた。洗浄後60μLのヌクレアーゼ不含水に溶解させた。RNAを含むヌクレアーゼ不含水1μLを、NanoDropSpectrophotometer(NanoDrop社)を用いてRNAの定量及び純度指標による品質確認を行った。
ヌクレアーゼ不含水1μL中のRNAを、常法により変性後、BioAnalyzer 2100 (Agilent社)を用いて電気泳動し、分解度指標による品質確認を行った。その後、5μgの抽出したTotal RNAから、GLOBINclearTM−Mouse/Rat Kit(Ambion社)を用いて、同キットの規定プロトコールに従って、血液中に大量に含まれるグロビンmRNAの除去処理を行い、30μLのKit付属Elution Bufferに溶解させた。RNAを含むKit付属Elution Buffer 1μLを、NanoDropSpectrophotometer(NanoDrop社)を用いてRNAの定量及び純度指標による品質確認を行った。Kit付属Elution Buffer 1μL中のRNAを、常法により変性後、BioAnalyzer 2100 (Agilent社)を用いて電気泳動し、分解度指標による品質確認を行った。
(4)遺伝子の発現量の分析及び比較
Affymetrix社において作製されたゲノム上の既知、及び想定される28853個の遺伝子について25mer×770317個の対象と完全一致するオリゴヌクレオチド・プローブ(パーフェクトマッチプローブ)が搭載されたDNAマイクロアレイ(GeneChip Mouse Gene 1.0 ST Array)を用い、遺伝子発現量の解析を行った。具体的には、次の手順で行った。
WT Expression Kit(Ambion社)を用い、プロトコールに従って、250ngのTotal RNAより、anti−sense鎖cRNAの合成を介して、sense 鎖cDNAを合成した。その後、WT Terminal Labeling and Control Kit(Affymetrix社)を用いて、合成したcDNAを断片化し、その5’末端にビオチンラベルを行った。中途産物であるcRNAを常法により変性後、断片化前のcDNA及び断片化後のcDNA(100から375ng)をBioAnalyzer 2100を用いて電気泳動し、品質確認を行った。
5μgの断片化ビオチンラベルcDNAを、GeneChip Hybridization Wash and Stain Kit(Affymetrix社)を用い、プロトコールに従って、GeneChip Arrayへハイブリダイズさせるハイブリカクテルを調製した。ハイブリカクテルを、まず99℃で5分間ヒートブロックを用いてインキュベーションし、続けて45℃で5分間GeneChip Hybryidization Oven 640(Affymetrix社)を用いてインキュベーションし、微量高速遠心機で室温、20,400×g、1分間遠心した。GeneChip Arrayへハイブリカクテル80μLを注入し、45℃で17時間、毎分60回転で、GeneChip Hybryidization Oven 640内で、ハイブリダイゼーションを行った。
ハイブリダイゼーション完了後、GeneChip Hybridization Wash and Stain KitとGeneChip Fluidics Satation 450(Affymetrix社)を用い、システム制御ソフトウェア・Affymtrix GeneChip Command Console (AGCC)(Affymetrix社)上の規定プロトコールに従って、GeneChip Arrayの染色及び洗浄を行った。同じくCommand Console 上の規定プロトコールに従って、GeneChip Scanner 3000 7G(Affymetrix社)によりGeneChip Arrayをスキャンし、各遺伝子プローブの蛍光強度を遺伝子発現データのアレイ毎の画像ファイル(DATファイル)として取得した。更に Command Consoleを用いて、DATファイルを数値化可能なCELファイルへ変換した。
解析ソフトウェア・Expression Console(Affymetrix社)を用い、CELファイルから標準化された発現シグナル値の数値データをテキストファイルとして出力した。発現シグナル値の標準化には、本アレイにおけるAffymetrix社標準のRMA−skech法を用いた。
各群のアレイの遺伝子発現データを比較した結果、対照群(タウリン非投与群)では、Rnaselの発現量に変動は認められなかったが、タウリン投与群ではRnaselの発現量の増加が認められた。すなわち、Rnaselは、疲労回復時に発現が増加することが明らかとなり、被験物質の疲労に対する有効性を判定することが可能なことが明らかとなった。
本発明は、疲労の研究分野、疲労を改善するための医薬や食品の評価などの分野などにおいて利用可能である。例えば、本発明を利用することにより、医薬品や食品等による疲労の回復、改善及び予防の予測が容易になる。さらには、本発明により、疲労に対して有効な医薬品や食品等の開発が可能となる。

Claims (2)

  1. 生体試料中の配列番号1で規定されるリボヌクレアーゼL遺伝子の塩基配列と95%以上の同一性を有し、且つリボヌクレアーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は配列番号1で規定される該遺伝子によりコードされるタンパク質のアミノ酸配列と95%以上の同一性を有し、リボヌクレアーゼ活性を有するタンパク質の発現量が増加することを指標とした被験物質の肉体疲労に対する有効性を判定する方法。
  2. 生体試料が、血液又は肝臓又は筋肉である請求項1に記載の被験物質の肉体疲労に対する有効性を判定する方法。
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