JP6135544B2 - 非水電解質二次電池用セパレータおよび非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
非水電解質二次電池は、一対の電極である正極および負極と、これらの間を絶縁するセパレータと、非水電解質とを備える。
非水電解質二次電池用の電極の構造としては、集電体とその上に形成された電極活物質層とを含む積層構造が知られている。
リチウムイオン二次電池では、Liイオンの移動により充放電がなされるが、電池内には充放電に寄与するLiイオン以外に微量の金属イオンが存在し得る。
Liイオン以外の微量の金属イオンとしては、正極活物質から溶出するNiイオン、CoイオンまたはMnイオン等、集電体から溶出するAlイオンまたはCuイオン等、あるいは、製造工程で混入する金属異物から溶出するCuイオンまたはFeイオン等が挙げられる。
上記のLiイオン以外の金属イオンは負極上で還元されて金属として析出し、この析出金属は内部短絡あるいは容量低下の原因となり得る。
かかる問題は、リチウムイオン二次電池に限らず、任意の非水電解質二次電池において生じ得る。
−NH(CH2CH2NH)nR (1)
[式(1)中、nは正の整数であり、RはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。]
特許文献1に記載のセパレータでは、金属イオンを捕捉する構造部分が−NH2基(1級アミノ基)および−NH基(2級アミノ基)を含む。実際に本発明者が特許文献1に記載のポリエチレンイミンを付与したセパレータについて試験を行ったところ、不可逆な副反応による容量低下が見られた(後記比較例2−1を参照)。
多孔質高分子膜からなるセパレータ本体の電極接触面および/または細孔内表面に、下記一般式(X)〜(Z)のいずれかで表される末端基を含む高分子化合物または修飾基を有する。
本発明の非水電解質二次電池用セパレータにおいて、金属イオン捕捉基は、セパレータ本体に付着した高分子化合物、あるいはセパレータ本体に結合した修飾基に含まれている。そのため、金属イオン捕捉基がセパレータ本体から脱離しにくく、金属イオン捕捉基に捕捉された金属イオンの脱離が抑制される。
前記高分子化合物は、前記末端基を有する少なくとも1種の単量体を付着させた後に当該単量体を重合して生成されたものであり、
前記修飾基は、前記セパレータ本体に対して前記末端基を有する少なくとも1種の単量体をグラフト重合して生成されたものであることが好ましい。
上記の本発明の非水電解質二次電池用セパレータの製造方法であって、
前記セパレータ本体に対して前記末端基を有する少なくとも1種の単量体を付着させた後に当該単量体を重合して前記高分子化合物を生成する工程、
または、
前記セパレータ本体に対して前記末端基を有する少なくとも1種の単量体をグラフト重合して前記修飾基を生成する工程を有する。
上記の本発明の非水電解質二次電池用セパレータと、当該非水電解質二次電池用セパレータを挟持する一対の電極とを備えたものである。
本発明の非水電解質二次電池用セパレータは、
多孔質高分子膜からなるセパレータ本体の電極接触面および/または細孔内表面に、下記一般式(X)〜(Z)のいずれかで表される末端基を含む高分子化合物または修飾基を有する。
上記一般式(Y)で表される末端基は、モルホリノ基である。
上記一般式(Z)で表される末端基は、炭素数3以上のアルキレン基を有する3級アミノ基である。
リチウムイオン二次電池では、Liイオンの移動により充放電がなされるが、電池内には充放電に寄与するLiイオン以外に微量の金属イオンが存在し得る。
Liイオン以外の微量の金属イオンとしては、正極活物質から溶出するNiイオン、CoイオンまたはMnイオン等、集電体から溶出するAlイオンまたはCuイオン等、あるいは、製造工程で混入する金属異物から溶出するCuイオンまたはFeイオン等が挙げられる。
これに対して、本発明で用いられる上記一般式(X)〜(Z)のいずれかで表される末端基では、NがHと結合していないので、電池内での反応性が低く、電池内での不可逆な副反応が抑制される。
すなわち、金属イオン捕捉基に、−NH2基(1級アミノ基)および−NH基(2級アミノ基)が含まれていなければよい。
炭素数2以下(n≦2)のアルキレン基を有する3級アミノ基は、NとHとが結合していないので電池内での不可逆な副反応を起こさないが、金属捕捉効果は不充分である。
炭素数3以上(n≧3)のアルキレン基を有する3級アミノ基では、Nに炭素数3以上のアルキレン基が結合していることで金属イオン捕捉基の鎖の自由度が増し、金属イオンの捕捉効果が高まると考えられる。
アルキレン基の炭素数nは3〜4が好ましい。
特許文献2には、製造方法として、セパレータ本体を、上記有機系インヒビターを可溶な溶剤に溶かした化合物剤に浸漬、スプレーまたは刷毛塗り等の方法を用いて接触させ、その後に乾燥する方法が挙げられている(段落0032)。
特許文献2に記載の有機系インヒビターはいずれも低分子化合物である。特許文献2の段落0030に、「電極板2・3やセパレータ4に予め塗布された当該化合物が、非水電解液を充填した際に非水電解液中に移動して非水電解液にも含まれる」と記載されているように、セパレータ本体に付着した特許文献2に記載の有機系インヒビターは容易に脱離し得る。上記有機系インヒビターが不要な金属イオンを捕捉しても、有機系インヒビター自身がセパレータ本体から脱離すれば、これに捕捉された金属イオンも有機系インヒビターと共にセパレータ本体から脱離し、内部短絡等の要因となり得る。
本発明のセパレータにおいて、金属イオン捕捉基は、セパレータ本体に付着した高分子化合物またはセパレータ本体に結合した修飾基に含まれている。そのため、金属イオン捕捉基がセパレータ本体から脱離しにくく、金属イオン捕捉基に捕捉された金属イオンの脱離が抑制される。
セパレータ本体としては、PP(ポリプロピレン)製多孔質フィルム、PE(ポリエチレン)製多孔質フィルム、あるいは、PP(ポリプロピレン)−PE(ポリエチレン)の積層型多孔質フィルム等のポリオレフィン製多孔質フィルムが好ましく用いられる。
電極接触面および/または細孔内表面における上記高分子化合物の形態は特に制限なく、層状あるいは粒状等が挙げられる。
セパレータ本体の電極接触面および/または細孔内表面に存在する上記高分子化合物は例えば、セパレータ本体に上記末端基を有する少なくとも1種の単量体を付着させた後に当該単量体を重合して形成することができる。
単量体溶液は必要に応じて、重合開始剤等の上記以外の重合に必要な成分を含むことができる。
単量体溶液はまた、必要に応じて、高分子の硬化と強度を促進させるために、架橋構造を形成する2官能性単量体等の架橋剤を含むことができる。
次に、溶媒を乾燥除去する。溶媒の乾燥除去方法は特に制限なく、温風乾燥、冷風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、および減圧加熱乾燥等が挙げられる。
次に、セパレータ本体に付着した単量体を、熱重合反応、あるいは、紫外光(UV)または電子線等を用いた光重合反応により重合させる。
以上のようにして、セパレータ本体の電極接触面および/または細孔内表面に、上記末端基を含む高分子化合物を層状あるいは粒状等の形態で形成することができる。
特に、架橋剤を用いた場合には、溶媒に不溶な高重合度の高分子層を形成できるため、セパレータ本体に対して単に溶媒に可溶な高分子化合物の溶液を接触させ、溶媒を乾燥除去する方法に比較して、金属イオン捕捉基のセパレータ本体からの脱離がより高いレベルで抑制され、好ましい。
他の製造方法としては、
セパレータ本体に対して、浸漬、塗布、およびスプレー噴霧等の方法により、主鎖を構成する単量体単位または側鎖を構成する単量体単位に上記末端基を有する高分子化合物の溶液を接触させ、溶媒を乾燥除去する方法等が挙げられる。
図1及び図2に、本発明に係る一実施形態の非水電解質二次電池の構成を示す。図1は模式全体図、図2は電極積層体の模式断面図である。
図2に示すように、電極積層体20は、正極21と負極22とがこれらを絶縁するセパレータ23を介して積層されたものである。
外装体11の外面には、外部接続用の2個の外部端子(一方はプラス端子、他方はマイナス端子)12が設けられている。
以下、リチウムイオン二次電池を例として、主な構成要素について説明する。
正極は、公知の方法により、アルミニウム箔などの正極集電体に正極活物質を塗布して、製造することができる。
公知の正極活物質としては特に制限なく、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNixCo(1−x)O2、およびLiNixCoyMn(1−x−y)O2等のリチウム含有複合酸化物等が挙げられる(式中、0<x<1、0<y<1)。
負極活物質としては特に制限なく、Li/Li+基準で2.0V以下にリチウム吸蔵能力を持つものが好ましく用いられる。負極活物質としては、黒鉛等の炭素、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物/遷移金属窒化物/遷移金属硫化物、および、これらの組合わせ等が挙げられる。
例えば、水等の分散剤を用い、負極活物質と、変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の結着剤と、必要に応じてカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)等の増粘剤とを混合して、ペーストを得、このペーストを銅箔等の集電体上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、負極を得ることができる。
非水電解質としては公知のものが使用でき、液状、ゲル状もしくは固体状の非水電解質が使用できる。
例えば、プロピレンカーボネ−トあるいはエチレンカーボネ−ト等の高誘電率カーボネート溶媒と、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の低粘度カーボネート溶媒との混合溶媒に、リチウム含有電解質を溶解した非水電界液が好ましく用いられる。
混合溶媒としては例えば、エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒が好ましく用いられる。
リチウム含有電解質としては例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPFn{CkF(2k+1)}(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)等のリチウム塩、及びこれらの組合わせが挙げられる。
セパレータとしては、上記の本発明のセパレータを用いる。
すなわち、多孔質高分子膜からなるセパレータ本体の電極接触面および/または細孔内表面に、上記一般式(X)〜(Z)のいずれかで表される末端基を含む高分子化合物または修飾基を有する非水電解質二次電池用セパレータを用いる。
外装体としては公知のものが使用できる。
二次電池の型としては、円筒型、コイン型、角型、あるいはフィルム型(ラミネート型)等があり、所望の型に合わせて外装体を選定することができる。
セパレータ本体として、市販のポリエチレン製セパレータを用意した。
下記一般式(x−1)で表されるビニルイミダゾールとエチレングリコールジアクリレートとを質量比50:50で混合して、単量体混合物を得た。
次に、上記単量体混合物に光重合開始剤を添加し、さらに溶媒としてエタノールを添加して、5質量%の単量体溶液を得た。
得られた単量体溶液に、上記セパレータ本体を1分間浸漬させた。
その後、単量体溶液からセパレータ本体を取り出し、10分間冷風乾燥により溶媒を除去した。
溶媒乾燥後の上記セパレータ本体にピーク波長365nmの紫外光(UV)を照射して、上記単量体を光重合させた。
以上のようにして、セパレータ本体の電極接触面(正極側と負極側の双方)と細孔内表面に、ビニルイミダゾールとエチレングリコールジアクリレートとの共重合体からなる高分子層を有するセパレータを得た。
下記一般式(y−1)で表されるアクリロイルモルホリンとエチレングリコールジアクリレートとを質量比50:50で混合して、単量体混合物を得た。この単量体混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、セパレータ本体の電極接触面(正極側と負極側の双方)と細孔内表面に、アクリロイルモルホリンとエチレングリコールジアクリレートとの共重合体からなる高分子層を有するセパレータを得た。
下記一般式(z−1)で表されるジメチルアミノプロピルアクリルアミドとエチレングリコールジアクリレートとを質量比50:50で混合して、単量体混合物を得た。この単量体混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、セパレータ本体の電極接触面(正極側と負極側の双方)と細孔内表面に、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドとエチレングリコールジアクリレートとの共重合体からなる高分子層を有するセパレータを得た。
実施例1で用いたセパレータ本体をそのままセパレータとして用意した。
実施例1と同じセパレータ本体を用意した。
市販のポリエチレンイミン(純正化学(株)社製、質量平均分子量600)をエタノールに溶解させて、5質量%溶液を得た。
得られた溶液に、上記セパレータ本体を浸漬させた。その後、溶液からセパレータ本体を取り出し、冷風乾燥により溶媒を除去した。
以上のようにして、セパレータ本体の電極接触面(正極側と負極側の双方)と細孔内表面に、ポリエチレンイミン層を有するセパレータを得た。
下記一般式(DMAA)で表されるジメチルアクリルアミドとエチレングリコールジアクリレートとを質量比50:50で混合して、単量体混合物を得た。この単量体混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、セパレータ本体の電極接触面(正極側と負極側の双方)と細孔内表面に、ジメチルアクリルアミドとエチレングリコールジアクリレートとの共重合体からなる高分子層を有するセパレータを得た。
各例においては、得られたセパレータを用い、セパレータを変える以外は同条件として、2種類の評価用リチウムイオン二次電池の製造を製造した。
正極活物質として、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用いた。
分散剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用い、上記の正極活物質と、導電剤であるアセチレンブラックと、結着剤であるPVDFとを混合および混練して、ペーストを得た。得られたペーストを集電体であるアルミニウム箔上にドクターブレード法で塗布し、乾燥し、プレス加工して、正極を得た。
負極活物質として、黒鉛を用いた。
分散剤として水を用い、上記の負極活物質と、結着剤である変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC)とを混合および混練して、ペーストを得た。得られたペーストを集電体である銅箔上に塗布し、乾燥し、プレス加工して、負極を得た。
エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=1/1/1(体積比)の混合溶液を溶媒とし、電解質としてリチウム塩であるLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解して、非水電界液を調製した。
負極とセパレータと正極とを1層ずつ重ねて電極積層体を得た。この電極積層体とフィルム外装体と非水電解液とを用い、公知方法により、フィルム型(ラミネート型)の第1の評価用リチウムイオン二次電池(Cu異物なし)を製造した。
負極とセパレータと正極とを1層ずつ重ね、さらに、正極上に直径200μmφ、厚み10μmのCu片を重ねて電極積層体を得た。この電極積層体を用いた以外は第1の評価用リチウムイオン二次電池と同様にして、第2の評価用リチウムイオン二次電池(Cu異物あり)を製造した。
同様に、実施例2のうち、第1の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を実施例2−1とし、第2の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を実施例2−2とする。
同様に、実施例3のうち、第1の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を実施例3−1とし、第2の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を実施例3−2とする。
同様に、比較例1のうち、第1の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を比較例1−1とし、第2の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を比較例1−2とする。
同様に、比較例2のうち、第1の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を比較例2−1とする。
同様に、比較例3のうち、第2の評価用リチウムイオン二次電池の製造および評価を比較例3−2とする。
各例の主な製造条件を表1に示す。
各例において得られた2種類の評価用リチウムイオン二次電池(Cu異物なし、Cu異物あり)について、25℃にて、電流密度1mA/cm2で4.1V(vs.Li/Li+)まで充電した後、電流密度1mA/cm2で3Vまで放電する初回充放電試験を実施した。
下記式で表される初回充放電効率を求めた。
初回充放電効率=(初期放電容量)/(初期充電容量)×100(%)
なお、初回充放電効率が低いということは、電池内での副反応が電荷を奪い、充電に寄与しない電荷が流れたことを意味する。
評価結果を表1に示す。
市販のセパレータにポリエチレンイミンを付与した比較例2では、正極上のCu異物なしの条件において、比較例1に対して初回充放電効率の大幅な減少が見られた。これは、ポリエチレンイミンに含まれる−NH2基(1級アミノ基)および−NH基(2級アミノ基)が副反応を起こし、充電に寄与しない反応により電荷が損失したことによると考えられる。
これに対して、実施例1〜3の正極上のCu異物なしの条件においては、比較例1の正極上のCu異物なしの条件と同等レベルの初回充放電効率が得られた。イミダゾール基を付与した実施例1、モルホリノ基を付与した実施例2、およびn=3のアルキレン基を有する3級アミノ基を付与した実施例3では、セパレータの改質による不可逆な副反応は生じず、セパレータ本体の電池特性が維持された。
これに対して、実施例1〜3では、正極上のCu異物ありの条件においても、充電中にCu異物の溶解析出による短絡が生じず、正極上のCu異物なしの条件と同等レベルの初回充放電効率が得られた。実施例1〜3では、Cuイオンがセパレータに捕捉されて負極上に析出せず、内部短絡が生じなかったと考えられる。
各例において得られた2種類の評価用リチウムイオン二次電池(Cu異物なし、Cu異物あり)について、25℃にて、満充電(充電圧:4.1V)した後、開回路状態で電池を放置し、自己放電量の経時変化を測定した。なお、初回充放電試験において、短絡を起こしたサンプルについては、この評価を実施していない。
評価結果を図3に示す。
実施例1〜3では、Cu異物なし、Cu異物ありのいずれの条件についても、自己放電量は比較例1のCu異物なしの条件に近いレベルであった。実施例1〜3では、Cu異物ありの条件において、Cuイオンがセパレータで捕捉されて負極上に析出せず、内部短絡が生じなかったと考えられる。
比較例3では、Cu異物なしの条件において、自己放電量は比較例1のCu異物なしの条件より大幅な減少が見られた。これは、ポリエチレンイミンに含まれる1級アミンと2級アミンが副反応を起こし、充電に寄与しない反応により電荷が損失したことによると考えられる。
11 外装体(電池容器)
12 外部端子
20 電極積層体
21 正極
22 負極
23 セパレータ
Claims (4)
- 前記高分子化合物は、前記末端基を有する少なくとも1種の単量体を付着させた後に当該単量体を重合して生成されたものであり、
前記修飾基は、前記セパレータ本体に対して前記末端基を有する少なくとも1種の単量体をグラフト重合して生成されたものである、
請求項1に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。 - 請求項1に記載の非水電解質二次電池用セパレータの製造方法であって、
前記セパレータ本体に対して前記末端基を有する少なくとも1種の単量体を付着させた後に当該単量体を重合して前記高分子化合物を生成する工程、
または、
前記セパレータ本体に対して前記末端基を有する少なくとも1種の単量体をグラフト重合して前記修飾基を生成する工程を有する、
非水電解質二次電池用セパレータの製造方法。 - 請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用セパレータと、当該非水電解質二次電池用セパレータを挟持する一対の電極とを備えた、非水電解質二次電池。
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