JP6134638B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキにおいて、板材にプレス加工による打抜き成形を施すことにより、キャリパの一部の部品を形成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、同様の打抜き成形により、キャリパを支持する部品を形成する技術がある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002−39232号公報 特開昭57−6138号公報
ディスクブレーキにおいて、コストの低減が求められており、材料費についてもこれを低減することが求められている。
したがって、本発明は、材料費を低減可能なディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、キャリパのブリッジ部材が、シリンダ部材が固定される固定部と、該固定部からディスク軸方向に延出してディスクの外周を跨ぐブリッジ部と、該ブリッジ部からディスク径方向に延出して前記ディスクの側面に対向する爪部と、が板材を打抜き加工することにより成形されてなるもので、前記打抜き加工時に、前記爪部となる部位は、その先端側が前記固定部となる部位へ向かって延びるように形成される。
また、本発明は、キャリアが、車両の非回転部分に取り付けられる取付穴を有してディスクの回転方向に延びて形成され両端部が前記ディスクの外周側へ延びるインナビーム部と、該インナビーム部の各端部を基端部とし該基端部から前記ディスクの外周を跨いで前記ディスクの軸方向に延びる一対のディスクパス部と、該一対のディスクパス部の先端部同士を結ぶように形成されるアウタビーム部と、が板材を打抜き加工することにより成形されてなるもので、前記打抜き加工時に、前記インナビーム部となる部位のうち前記取付穴が形成される部位が、前記一対のディスクパス部となる部位の間に配置されるように形成される。
本発明のディスクブレーキによれば、材料費を低減可能となる。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示すアウタ側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示すインナ側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのキャリアを示すインナ側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのキャリアを示すアウタ側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのキャリアの打抜き加工後、曲げ加工前の状態を示す展開図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのキャリアの打抜き加工時の部品取りの配置を示す図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのブリッジ部材を示すアウタ側から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキのブリッジ部材の打抜き加工後、曲げ加工前の状態を示す展開図である。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキについて図面を参照して以下に説明する。
本実施形態のディスクブレーキ10は、車両用、具体的には四輪自動車用のもので、図示略の車輪とともに回転する図1〜図3に示すディスク11を制動することで、車両を制動するものである。なお、本発明は、自動二輪車等の他の車両にも勿論適用可能である。以下においては、ディスク11の径方向をディスク径方向と称し、ディスク11の軸線方向をディスク軸方向と称し、ディスク11の回転方向をディスク回転方向と称す。また、ディスク径方向に沿いディスクブレーキ10のディスク回転方向中心とディスク11の回転中心とを通過する線をブレーキ中央線と称す。
図1〜図3に示すように、ディスクブレーキ10は、キャリア12と、キャリア12にディスク軸方向に摺動可能となるように支持される一対の摩擦パッド13,14と、キャリア12にディスク軸方向に摺動可能に支持されるキャリパ15とを備えている。
図1に示すように、キャリア12は、ディスク11の外径側の外周面11aを跨ぐように配置されて車両の非回転部分に固定される。図3に示すように、一対の摩擦パッド13,14は、一方の摩擦パッド13がディスク11のアウタ側(車幅方向外側:図3の左側)の側面11bに対向するように配置され、他方の摩擦パッド14がディスク11のインナ側(車幅方向内側:図3の右側)の側面11cに対向するように配置される。一対の摩擦パッド13,14は、それぞれディスク回転方向両側がキャリア12に支持される。つまり、キャリア12は、一対の摩擦パッド13,14をディスク軸方向に案内する。
キャリパ15は、図1〜図3に示すように、ディスク11の外径側の外周面11aを跨いだ状態でディスク軸方向に摺動可能となるようにキャリア12に支持されている。キャリパ15は、一対の摩擦パッド13,14を移動させてディスク11に押圧することによりディスク11に摩擦抵抗を付与して車輪にブレーキをかける。
キャリア12は、ブレーキ中央線を含みディスク11の中心軸線を含む平面を中心に鏡面対称の形状をなしており、キャリア本体18と図1,図2に示す一対のガイド部材19,19とからなっている。キャリア本体18は、一定板厚の一枚の金属板からプレス成形を主体に形成されている。キャリア本体18は、図2に示すように、ディスク11に対してそのインナ側の側面11cに対向するように配置されるインナビーム部20と、図1に示すように、ディスク11に対してそのアウタ側の側面11bに対向するように配置されるアウタビーム部21と、ディスク11の半径方向外側を超えてこれらインナビーム部20とアウタビーム部21とをディスク回転方向両端位置で連結する一対のディスクパス部22,22とを有している。
インナビーム部20は、ディスク軸方向に直交する同一平面内に配置されており、一対のディスクパス部22,22は、インナビーム部20のディスク回転方向両端部のディスク径方向外側からディスク軸方向に沿って延出している。アウタビーム部21は、ブレーキ中央線に直交する同一平面内に配置されている。
以下、ディスク回転方向に沿う方向を幅方向、ブレーキ中央線に沿う方向を高さ方向、ディスク軸方向に沿う方向を奥行方向として、キャリア本体18を主に図4,図5を参照して説明する。キャリア本体18は、その幅方向の中央を通り幅方向に対し直交する平面を中心として鏡面対称の形状をなしている。
インナビーム部20は、その板厚方向が奥行方向となっている。インナビーム部20は、図4に示すように、ビーム本体部25と、一対の端側延出部26,26とからなっている。ビーム本体部25は、ベース板部27とその幅方向両側の一対の傾斜板部28,28とからなっている。ベース板部27は高さ方向の長さが一定で幅方向に直線状に延びる形状をなしている。つまり、ベース板部27は高さ方向一側の端縁部27aと高さ方向逆側の端縁部27bとが平行をなしている。
一方の傾斜板部28は、ベース板部27の幅方向の一端部から幅方向の外側かつ高さ方向の一側に傾斜して延出しており、他方の傾斜板部28はベース板部27の幅方向の他端部から幅方向の外側かつ高さ方向の前記一方と同側に傾斜して延出している。一対の傾斜板部28,28は、幅方向に対する傾斜角度が同等になっている。
一対の傾斜板部28,28は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。傾斜板部28は、高さ方向一側の端縁部28aが、ベース板部27の端縁部27aの幅方向の近接側の端部から幅方向外側ほど高さ方向の端縁部27b側に位置するように傾斜して延出している。また、傾斜板部28は、高さ方向逆側の端縁部28bが、ベース板部27の端縁部27bの幅方向の近接側の端部から幅方向外側ほど高さ方向の端縁部27aに対し反対側に位置するように傾斜して延出している。
ビーム本体部25には、幅方向に間隔をあけて一対の取付穴30,30が板厚方向(奥行方向)に貫通して形成されている。一方の取付穴30はベース板部27と一方の傾斜板部28との境界位置に形成されており、他方の取付穴30はベース板部27と他方の傾斜板部28との境界位置に形成されている。一対の取付穴30,30は、ビーム本体部25において、端縁部27bよりも端縁部27aに近い側に形成されている。
一方の端側延出部26は、ビーム本体部25の一方の傾斜板部28のベース板部27に対し反対側の端部から、ベース板部27に対する傾斜板部28の傾斜側と同じ高さ方向に延出している。他方の端側延出部26は、ビーム本体部25の他方の傾斜板部28のベース板部27に対し反対側の端部から、ベース板部27に対する傾斜板部28の傾斜側と同じ高さ方向に延出している。一対の端側延出部26,26は、互いに平行をなしている。
一対の端側延出部26,26は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。端側延出部26は、幅方向のベース板部27に対し反対側の端縁部26aが、幅方向の近接側の傾斜板部28の端縁部28aの端縁部27aに対し反対側の端部から、高さ方向に沿って端縁部27aから離れる方向に延出しており、幅方向のベース板部27側の端縁部26bが、幅方向の近接側の傾斜板部28の端縁部28bの端縁部27bに対し反対側の端部から、高さ方向に沿って端縁部27bから離れる方向に延出している。端側延出部26は、高さ方向のベース板部27に対し反対側に端縁部26bの端縁部28bに対し反対側の端部から幅方向に沿ってベース板部27から離れる方向に延出する端縁部26cを有している。この端縁部26cは端縁部26b側が端縁部26bに対し反対側よりも高さ方向においてベース板部27側に位置するように段差状をなしている。
一対の端側延出部26,26には、端縁部26b,26bから幅方向に凹む一対のパッド支持凹部32,32が形成されている。一方のパッド支持凹部32は、一方の端側延出部26の端縁部26bから、他方の端側延出部26に対し反対方向に凹んで形成されており、他方のパッド支持凹部32は、他方の端側延出部26の端縁部26bから、一方の端側延出部26に対し反対方向に凹んで形成されている。つまり、一対のパッド支持凹部32,32は同一直線上において互いに反対方向に凹んでいる。一方の端側延出部26には、パッド支持凹部32が形成されることにより、高さ方向のビーム本体部25に対し反対側に他方の端側延出部26側に向けて突出する突起部34が形成されており、他方の端側延出部26には、パッド支持凹部32が形成されることにより、高さ方向のビーム本体部25に対し反対側に一方の端側延出部26側に向けて突出する突起部34が形成されている。これら一対の突起部34,34は、相互近接側に突出している。
一対の端側延出部26,26には、一対の嵌合穴33,33が板厚方向(奥行方向)に貫通して形成されている。一方の嵌合穴33は一方の端側延出部26の高さ方向のビーム本体部25に対し反対側の端部に形成されており、他方の嵌合穴33は他方の端側延出部26の高さ方向のビーム本体部25に対し反対側の端部に形成されている。
図5に示すように、一対のディスクパス部22,22は、一対の基端延出部35,35と、一対の中間湾曲部36,36と、一対の先端延出部37,37とからなっている。
一方のディスクパス部22は、一方の基端延出部35と、これに繋がる中間湾曲部36と、これに繋がる先端延出部37とからなっており、他方のディスクパス部22は、他方の基端延出部35と、これに繋がる中間湾曲部36と、これに繋がる先端延出部37とからなっている。一対の基端延出部35,35は、インナビーム部20と同一平面に配置されており、インナビーム部20から同一直線上において互いに反対方向に延出している。
図4に示すように、一対の基端延出部35,35は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。基端延出部35は、幅方向の近接側の端側延出部26のビーム本体部25に対し反対側の端部から、幅方向に沿ってビーム本体部25から離れる方向に延出している。基端延出部35は、幅方向の近接側の端側延出部26の端縁部26aの端縁部28aに対し反対側の端部から幅方向に端縁部26bから離れる方向に延出する端縁部35aと、幅方向の近接側の端側延出部26の端縁部26cの端縁部26bに対し反対側の端部から幅方向に端縁部26bから離れる方向に延出する端縁部35bとを有している。端縁部35aはキャリア本体18の外部に中心を有する円弧状をなしている。また、端縁部35bは、端縁部26c側が端縁部26cの近接側と同一平面に配置されており、端縁部26cに対し反対側が、基端延出部35内に中心を有する円弧状をなしている。
図5に示すように、一対の中間湾曲部36,36は、基端延出部35,35の板厚方向の同側に延出している。一対の中間湾曲部36,36は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。中間湾曲部36は、同じディスクパス部22を構成する基端延出部35の高さ方向のビーム本体部25側の端縁部から湾曲して基端延出部35の板厚方向(奥行方向)の一側に延出している。中間湾曲部36は、基端延出部35側が基端延出部35に沿い、延出先端側ほど基端延出部35とのなす角度が大きくなるように湾曲している。中間湾曲部36は、同じディスクパス部22を構成する基端延出部35の端縁部35aの端縁部26aに対し反対側の端部から湾曲しつつ延出する端縁部36aと、同じディスクパス部22を構成する基端延出部35の端縁部35bの端縁部26cに対し反対側の端部から端縁部36aと平行をなして湾曲しつつ延出する端縁部36bとを有している。
一対の先端延出部37,37は、同一平面に配置されており、この平面は、インナビーム部20を含む平面との交線が幅方向に沿っている。一対の先端延出部37,37は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。先端延出部37は、同じディスクパス部22を構成する中間湾曲部36の基端延出部35に対し反対側の端部から基端延出部35の板厚方向に沿って延出している。先端延出部37は、奥行方向において中間湾曲部36から離れるほど高さ方向においてベース板部27から離れるように傾斜している。先端延出部37は、同じディスクパス部22を構成する中間湾曲部36の端縁部36aの端縁部35aに対し反対側の端部からこの端縁部36aと同一平面をなして延出する端縁部37aと、中間湾曲部36の端縁部36bの端縁部35bに対し反対側の端部からこの端縁部36bと同一平面をなして延出する端縁部37bとを有している。
アウタビーム部21は、一対の傾斜延出部41,41と、連結部42と、一対のパッド支持部43,43とからなっている。
一対の傾斜延出部41,41は、先端延出部37,37から離れるほど互いに近づくように傾斜する形状をなしている。一対の傾斜延出部41,41は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。傾斜延出部41は、幅方向の近接側の先端延出部37の中間湾曲部36に対し反対側の端部から、奥行方向に沿ってインナビーム部20に対し反対側に延出している。傾斜延出部41は、幅方向の近接側の先端延出部37の端縁部37aの端縁部36aに対し反対側の端部から延出する端縁部41aを有しており、この端縁部41aはキャリア本体18の外部に中心を有する円弧状をなしている。傾斜延出部41は、幅方向の近接側の先端延出部37の端縁部37bの端縁部36bに対し反対側の端部からこの端縁部37bと同一平面をなして延出する端縁部41bと、この端縁部41bの端縁部37bに対し反対側の端部からこの端縁部41bに対し傾斜して延出する端縁部41cとを有している。一方の傾斜延出部41において、端縁部41cは端縁部41bから離れるほど、幅方向において他方の傾斜延出部41に近づくように傾斜している。
連結部42は、一対の傾斜延出部41,41のディスクパス部22,22に対し反対側の端部同士を連結している。連結部42は、幅方向の中間範囲に形成され奥行き方向においてインナビーム部20側に対向する端縁部42aが、インナビーム部20と平行をなしており、この端縁部42aの幅方向の両側に端縁部42aよりもインナビーム部20側に突出するように段差状をなす一対の端縁部42b,42bが形成されている。端縁部42b,42bはそれぞれの端縁部42aに対し反対側の端部がキャリア本体18の外側に中心を有する円弧状をなしている。連結部42は、奥行方向においてインナビーム部20に対し反対側に端縁部42cを有している。端縁部42cは、端縁部42aと平行をなしており、端縁部41c,41cの端縁部41b,41bに対し反対側の端部同士を結んでいる。
一対のパッド支持部43,43は鏡面対称の形状をなしているため、ここでは、一方について説明する。パッド支持部43は、幅方向の同側の傾斜延出部41のインナビーム部20側からこのインナビーム部20に向けて延出している。パッド支持部43は、幅方向の近接側の傾斜延出部41の端縁部41aの端縁部37aに対し反対側の端部から奥行方向に沿ってインナビーム部20側に延出する端縁部43aと、端縁部43aの端縁部41aに対し反対側の端部から幅方向に沿って他方のパッド支持部43の方向に延出する端縁部43bと、端縁部43bの端縁部43aに対し反対側の端部から奥行方向に沿って連結部42側に延出する端縁部43cと、端縁部43cの端縁部43bに対し反対側の端部から幅方向に沿って幅方向近接側の傾斜延出部41側に延出して段差面42bに繋がる端縁部43dとを有している。
アウタビーム部21、つまり、一対の傾斜延出部41,41、連結部42および一対のパッド支持部43,43は、同一平面に配置されている。この平面は、インナビーム部20を含む平面と直交しており、インナビーム部20を含む平面との交線が幅方向に沿っている。
キャリア本体18は、図4に示す取付穴30,30がディスク軸方向に沿うように配置され、この状態で取付穴30,30に挿通される締結具によって、車両の非回転部分に取り付けられる。車両の非回転部分に取り付けられた取付状態で、インナビーム部20は、図2に示すように、板厚方向がディスク軸方向に直交し、ビーム本体部25がディスク回転方向に沿って延在し、一方の端側延出部26がビーム本体部25のディスク回転方向の一端部からディスク径方向外方に延出し、図示は略すが他方の端側延出部26がビーム本体部25のディスク回転方向の他端部からディスク径方向外方に延出する。つまり、上記の取付状態で、インナビーム部20は、ディスク回転方向に延びて形成され両端部の端側延出部26,26がディスク11の外周側へ延びる。また、上記の取付状態で、図4,図5に示す一対のパッド支持凹部32,32が、ディスク回転方向に沿って互いに反対方向に凹むことになり、いずれもディスク軸方向に貫通することになる。これらのパッド支持凹部32,32に、図1〜図3に示すインナ側の摩擦パッド14がディスク軸方向に移動可能に支持される(図示略)。
また、上記の取付状態で、図2に示すように、一方のディスクパス部22は、一方の端側延出部26のビーム本体部25に対し反対側の端部位置からディスク軸方向にディスク11の外周面11aを越えて延出しており、他方のディスクパス部22も同様、図1に示すように他方の端側延出部26からディスク軸方向にディスク11の外周面11aを越えて延出している。つまり、図1,図2に示す一対のディスクパス部22,22は、それぞれが、インナビーム部20の端部である端側延出部26を基端部としこの基端部からディスク11の外周を跨いでディスク11の軸方向に延びている。
また、上記の取付状態で、図1に示すように一対のディスクパス部22,22の先端部同士を結ぶように形成されるアウタビーム部21は、ディスク回転方向に沿って延在することになり、全体がブレーキ中央線に直交する同一平面内に配置される。上記の取付状態で、一対の傾斜延出部41,41の内側に一対のパッド支持部43,43がディスク回転方向に離間して配置され、これらのパッド支持部43,43にアウタ側の摩擦パッド13がディスク軸方向に移動可能に支持される。以上により、キャリア12は、そのキャリア本体18が、一対の摩擦パッド13,14をディスク11の軸方向に案内する。
キャリア本体18は、一定板厚の一枚の金属製の板材(例えば鋼板)からプレス成形を主体に形成されている。つまり、キャリア本体18を形成する場合には、まず、一枚の平坦な板材をプレス装置により打抜き加工することによって図6に示す平板状のキャリア本体中間形成体18Aを形成する。このキャリア本体中間形成体18Aは、上記となる部位であるインナビーム部形成部20Aと、上記となる部位であるアウタビーム部形成部21Aと、上記ディスクパス部22,22とは異なるディスクパス部形成部22A,22Aとを有している。
ディスクパス部形成部22A,22Aは、上記中間湾曲部36,36の湾曲前の平坦な中間湾曲部形成部36A,36Aと、上記先端延出部37,37のアウタビーム部21に対し傾斜する前の先端延出部形成部37A,37Aとを有している。中間湾曲部形成部36A,36Aは、それぞれ、上記した端縁部36a,36bの変形前の端縁部36aA,36bAを有しており、先端延出部形成部37A,37Aは、それぞれ、上記した端縁部37a,37bの変形前の端縁部37aA,37bAを有している。キャリア本体中間形成体18Aにおいて、インナビーム部形成部20Aには、取付穴30,30と嵌合穴33,33とが形成されており、これらも上記した打抜き加工時に形成されることになる。
キャリア本体中間形成体18Aは、インナビーム部形成部20Aおよびアウタビーム部形成部21Aの延在方向を幅方向とすると、この幅方向の中央位置を通り幅方向に対し直交する平面を中心として鏡面対称の形状をなしている。キャリア本体中間形成体18Aは、インナビーム部形成部20Aとアウタビーム部形成部21Aとを結ぶ方向を高さ方向とすると、この高さ方向において、インナビーム部形成部20Aのビーム本体部25が端側延出部26,26よりもアウタビーム部形成部21A側に配置されている。そして、ディスクパス部形成部22A,22Aが、端側延出部26,26の幅方向の両外側で高さ方向に延出し、インナビーム部形成部20Aを越えた位置でアウタビーム部形成部21Aに繋がっている。
よって、キャリア本体中間形成体18Aにおいて、インナビーム部形成部20Aは、取付穴30,30が形成される部位であるビーム本体部25が、ディスクパス部22,22となる部位である一対のディスクパス部形成部22A,22Aの間に挟まれて配置されるように形成されている。その際に、ビーム本体部25は、高さ方向の位置をディスクパス部形成部22A,22Aと重ね合わせている。言い換えれば、キャリア本体中間形成体18Aは、ビーム本体部25およびアウタビーム部21が並んで設けられ、ビーム本体部25から延出する端側延出部26,26と、アウタビーム部形成部21Aから延出するディスクパス部形成部22A,22Aとが同方向に延出し延出先端側で繋がっている。これにより、キャリア本体中間形成体18Aは、全体として凹の字形状をなしている。
キャリア本体中間形成体18Aにおいて、インナビーム部形成部20Aのビーム本体部25の端縁部27aと、アウタビーム部形成部21Aの連結部42の端縁部42aとが互いに平行をなして高さ方向において対向している。また、ビーム本体部25の傾斜板部28の端縁部28bと、これと幅方向の同側にあるパッド支持部43の端縁部43bとが、高さ方向において対向している。また、端側延出部26の端縁部26aと、これと幅方向の同側にあるディスクパス部形成部22Aの端縁部36aAとが、互いに平行をなして幅方向において対向している。
一枚の板材を打抜き加工することによりキャリア本体中間形成体18Aを形成する際には、図7に示すように、一枚の板材45に対し複数(図7の図示例では5枚)のキャリア本体中間形成体18Aを打ち抜く。このとき、一枚の板材45に対する複数のキャリア本体中間形成体18Aの部品取りの配置は、一のキャリア本体中間形成体18Aのインナビーム部形成部20Aの端側延出部26,26の間に、他の一のキャリア本体中間形成体18Aの一側の端側延出部26およびディスクパス部形成部22Aが入り込み、さらに他の一のキャリア本体中間形成体18Aの一側の端側延出部26およびディスクパス部形成部22Aが入り込むように配置する。
つまり、複数のキャリア本体中間形成体18Aが高さ方向の位置を合わせて幅方向に間隔をあけて一列状に並べられ、これらとは高さ方向の向きを逆にして、他の複数のキャリア本体中間形成体18Aが高さ方向の位置を合わせて幅方向に間隔をあけて一列状に並べられる。加えて、一方の列の複数のキャリア本体中間形成体18Aのそれぞれの端側延出部26,26の間に、他方の列の複数のキャリア本体中間形成体18Aの隣り合うもの同士が、近接する互いの端側延出部26,26およびディスクパス部形成部22A,22Aを入り込ませるようにして配置される。これにより、一方の列の複数のキャリア本体中間形成体18Aと、他方の列の複数のキャリア本体中間形成体18Aとが、高さ方向の位置を互いに重ね合わせるとともに幅方向の位置を互いに重ね合わせる千鳥状の配置に配置される。
上記した部品取りの配置において、高さ方向に隣り合うキャリア本体中間形成体18A,18Aは、パッド支持凹部32と突起部34とを高さ方向の位置を合わせて互いに幅方向に対向させている。
そして、打抜き加工により形成されたキャリア本体中間形成体18Aのディスクパス部形成部22A,22Aにプレス装置による曲げ加工を施すことにより、中間湾曲部形成部36A,36Aを湾曲させて中間湾曲部36,36とし、先端延出部形成部37A,37Aをアウタビーム部形成部21Aに対し屈曲させて先端延出部37,37とすることで、キャリア本体18が形成される。なお、取付穴30,30および嵌合穴33,33は打抜き加工ではなく切削加工で穿設することも可能である。
図1,図2に示すように、一対のガイド部材19,19は、小径外径部46とこれよりも大径の大径外径部47とを有している。一対のガイド部材19,19は、それぞれ、小径外径部46が、キャリア本体18の図4に示す嵌合穴33,33の対応する一方にアウタビーム部21に対し反対側から嵌合されることになり、その際に図2に示すように大径外径部47と小径外径部46との間の段差面をインナビーム部20に当接させる。このようにして一対のガイド部材19,19がキャリア本体18に嵌合固定されてキャリア12となる。ガイド部材19,19はディスク軸方向に沿って配置される。ガイド部材19,19は、図示は略すが、それぞれに軸方向の大径外径部47側の端部から小径外径部46側の中間位置までガイド穴が形成されており、その結果、有底円筒状をなしている。
アウタ側の摩擦パッド13は、図1に示すように、裏板51と、裏板51の板厚方向の一側に貼付される摩擦材52とを有している。裏板51は、摩擦材52を支持する基板部53と、一対の凸部54,54とを有しており、一対の凸部54,54には一対の嵌合凹部55,55が形成されている。一方の凸部54は、基板部53のディスク回転方向の一端部からディスク回転方向に沿って基板部53から離れる方向に突出しており、他方の凸部54は、基板部53のディスク回転方向の他端部からディスク回転方向に沿って基板部53から離れる方向に突出している。一方の嵌合凹部55は、一方の凸部54のディスク径方向中間部に形成されており、ディスク回転方向に沿って他方の凸部54に近づく方向に向け凹んでいる。他方の嵌合凹部55は、他方の凸部54のディスク径方向中間部に形成されており、ディスク回転方向に沿って一方の凸部54に近づく方向に向け凹んでいる。
摩擦パッド13は、一方の凸部54に形成された一方の嵌合凹部55が一方のパッド支持部43に摺動可能に嵌合することになり、他方の凸部54に形成された他方の嵌合凹部55が他方のパッド支持部43に摺動可能に嵌合する。このようにして、アウタ側の摩擦パッド13は、キャリア12に対してディスク回転方向およびディスク径方向の移動が規制されながらディスク軸方向に移動可能に支持される。摩擦パッド13は、制動時に摩擦材52がディスク11に当接することになり、その際に生じる制動トルクを、キャリア12が主にディスク回転方向出口側のパッド支持部43で受ける。
インナ側の摩擦パッド14は、裏板61と、裏板61の板厚方向の一側に貼付される摩擦材62とを有している。裏板61は、摩擦材62を支持する基板部63と、図示略の一対の凸部とを有している。一方の凸部は、基板部63のディスク回転方向の一端部からディスク回転方向に沿って基板部63から離れる方向に突出しており、他方の凸部は、基板部63のディスク回転方向の他端部からディスク回転方向に基板部63から離れる方向に突出している。
インナ側の摩擦パッド14は、一方の凸部が図4,図5に示す一方のパッド支持凹部32に摺動可能に嵌合され、他方の凸部が他方のパッド支持凹部32に摺動可能に嵌合される。これにより、インナ側の摩擦パッド14は、キャリア12に対してディスク回転方向およびディスク径方向の移動が規制されながらディスク軸方向に移動可能に支持される。摩擦パッド14は、制動時に摩擦材62がディスク11に当接することになり、その際に生じる制動トルクを、キャリア12が主にディスク回転方向出口側の端側延出部26で受ける。
キャリパ15は、図1,図2に示すように、キャリパ本体70、一対のスライドピン71,71および一対のピンブーツ72,72と、図3に示すピストン73、シール部材74、ピストンブーツ75およびブリーダプラグ76とを有している。図1および図2に示すように、キャリパ本体70は、シリンダ部材81と、これとは別体に成形されるブリッジ部材82とからなっている。
シリンダ部材81は、鋳造による一体成形品であり、具体的には鋳鉄製となっている。シリンダ部材81は、有底筒状をなすシリンダ本体部85と、このシリンダ本体部85の軸方向中間位置の周方向の180度異なる位置から径方向外方に突出する一対の突出部86,86と、これらと90度異なる位置から径方向外方に突出する図3に示す突出部87とを有している。つまり、シリンダ部材81は、全体として有底筒状に形成されており、シリンダ部材81の外周には、一対の突出部86,86および突出部87が径方向外側に突出して形成されている。一対の突出部86,86には、図1において一方のみ図示するが、それぞれにシリンダ本体部85の軸方向に沿って貫通するネジ穴88が形成されている。図3に示すように、突出部87にも、ネジ穴89が形成されている。
シリンダ本体部85は、筒状部94とその軸方向の一端を閉塞する底部95とを有しており、筒状部94の底部95に対し反対側が開口部96となっている。図2に示すように、シリンダ部材81は、底部95の中央位置にて底部95から開口部96とは反対方向に突出する中央突起部98と、底部95の中央突起部98よりも径方向外側位置にて底部95から中央突起部98と同方向に突出する一対の突起部99,99と、これらを繋ぐこれらよりも低く突出する連結部100とを有している。図3に示す突出部87は、シリンダ本体部85に対して、図2に示す一対の突起部99,99の間の中央位置と中央突起部98の中心とを結んだ線の延長方向に突出している。
図3に示すように、中央突起部98にはこれと底部95とを貫通するネジ穴103が形成されており、このネジ穴103には図示略のブレーキ配管の螺合部材が螺合される。これにより、ブレーキ配管がシリンダ本体部85の内部に連通する。連結部100の一対の突起部99,99の間位置には係合穴104が形成されており、この係合穴104には、図示略のブレーキ配管の係合部材が係合される。これにより、ブレーキ配管のシリンダ部材81からの延出方向を一定させる。車両への取り付け時に上側となる一方の突起部99には、図示略のネジ穴が形成されており、このネジ穴に、エア抜き用のブリーダプラグ76が螺合されている。
図2に示すように、シリンダ本体部85は、外周側に、底部95側にあって外周面が円筒面状をなす小径外径部110と、底部95に対し反対側にあって外周面が小径外径部110よりも大径の円筒面状をなす大径外径部111とを有している。上記した一対の突出部86,86および突出部87は、大径外径部111の小径外径部110側の端部位置に形成されている。突出部86,86および突出部87の小径外径部110側の端面は、大径外径部111の小径外径部110側の端面と同一平面に配置されて図3に示す一つの端面112を形成している。
シリンダ本体部85には、その内部にピストン73が配置される。その際に筒状部94の内周側の円筒面状の案内面114にピストン73を摺動可能に嵌合させる。筒状部94の内周部の開口部96側には、開口端位置に、案内面114よりも径方向外方に凹む円環状の係止溝115が形成されており、この係止溝115よりも若干底部95側に、案内面114よりも径方向外方に凹む円環状のシール溝116が形成されている。シール溝116は、軸方向の全体を大径外径部111の範囲内に配置しており、突出部86,86および突出部87の端面112は、シール溝116よりもシリンダ部材81の底部95側に配置されている。シール溝116は、軸方向の位置を突出部87の底部95に対し反対側の端縁部に重ね合わせており、図1,図2に示す突出部86,86に対しても同様、これらの底部95に対し反対側の端縁部に軸方向の位置を重ね合わせている(図示略)。シリンダ部材81は、ブリーダプラグ76が取り付けられるネジ穴を除けば、図3に示す突出部87の中心線とシリンダ本体部85の中心線とを含む平面を中心に鏡面対称の形状をなしている。
ピストン73は、筒状部120とその軸方向の一端を閉塞する底部121とを有しており、筒状部120の底部121に対し反対側が開口部122となっている。ピストン73は、シリンダ本体部85の案内面114に、筒状部120の外周側の円筒状の摺動面123で摺動可能に嵌合することになる。その際に、ピストン73は、底部121が底部95側に、開口部122が底部95に対し反対側に位置する向きでシリンダ本体部85内に配置される。ピストン73の外周部の開口部122側には、摺動面123よりも径方向内方に凹む円環状の係止溝124が形成されている。
シリンダ部材81の内周側に形成されたシール溝116には、シール部材74が配置されている。シール部材74は、シリンダ部材81の内周側とピストン73の外周側との隙間をシールする。また、シリンダ部材81の内周側に形成された係止溝115にはピストンブーツ75の一端が係止され、ピストン73の外周側に形成された係止溝124には、このピストンブーツ75の他端が係止される。これにより、ピストンブーツ75がピストン73の移動を許容しつつシリンダ部材81とピストン73との隙間に異物が進入することを規制する。
ブリッジ部材82は、図2に示すようにシリンダ部材81が固定される固定部130と、固定部130のディスク径方向外側の端縁部からディスク軸方向に延出してディスク11の外周を跨ぐブリッジ部131と、図3に示すようにブリッジ部131の固定部130に対し反対側からディスク径方向内方に延出してディスク11の側面11bに対向する爪部132とを有している。固定部130および爪部132は、ブリッジ部131からディスク径方向の内方に延出している。
以下、ディスク回転方向に沿う方向を幅方向、ブレーキ中央線に沿う方向を高さ方向、ディスク軸方向に沿う方向を奥行方向として、ブリッジ部材82を主に図8を参照して説明する。ブリッジ部材82は、その幅方向の中央を通り幅方向に対し直交する平面を中心に鏡面対称の形状をなしている。
固定部130は、幅方向の長さが一定の基板部135と、基板部135の高さ方向のブリッジ部131とは反対方向にあって幅方向の中央側ほどブリッジ部131に対し反対側に位置するように膨出する形状の膨出板部136とを有している。基板部135の幅方向の両端部には、それぞれのブリッジ部131に対し反対側の端部位置に、板厚方向(奥行方向)に貫通する貫通穴137が形成されている。基板部135は一定幅となっていることから、幅方向両側の端縁部135a,135aが平行をなしている。膨出板部136は、幅方向の中央の端縁部136aが基板部135側に中心を有する円弧状をなしており、その両側の端縁部136b,136bがそれぞれの基板部135に対し反対側に中心を有する円弧状をなしている。固定部130には、幅方向の中央および両側に貫通穴138,138,138が板厚方向(奥行方向)に貫通して形成されている。
ブリッジ部131は、固定部130と幅方向の位置を一致させて固定部130から奥行方向に延出している。ブリッジ部131は、固定部130の膨出板部136に対し反対側の端縁部から高さ方向に湾曲しつつ固定部130に対し垂直方向(奥行方向)に延出する湾曲板部141と、湾曲板部141の固定部130に対し反対側の端縁部から平坦な形状で固定部130に対し垂直方向に延出する平坦板部142とを有している。湾曲板部141は、幅方向に見て、湾曲板部141と固定部130とで挟まれる範囲側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲板部141は、固定部130側の部分が、奥行方向の固定部130側ほど高さ方向においても固定部130に近づき、固定部130に対し反対側の部分が、奥行方向に固定部130から離れるほど高さ方向において固定部130に近づくように湾曲している。
湾曲板部141は、固定部130と同じ幅の一定幅となっており、固定部130と幅方向の位置を一致させている。よって、湾曲板部141は、幅方向両側の端縁部141a,141aが平行をなしている。一方の端縁部141aは一方の端縁部135aの端縁部136bに対し反対側の端部から延出しており、他方の端縁部141aは他方の端縁部135aの端縁部136bに対し反対側の端部から延出している。
平坦板部142は、湾曲板部141側の部分が湾曲板部141と同じ幅の一定幅となっており、湾曲板部141と幅方向の位置を一致させている。よって、この部分の幅方向両側に設けられた端縁部142a,142aが平行をなしている。一方の端縁部142aは一方の端縁部141aの端縁部135aに対し反対側の端部から延出しており、他方の端縁部142aは他方の端縁部141aの端縁部135aに対し反対側の端部から延出している。連続的に配置される一側の端縁部135a,141a,142aは同一平面に配置されており、連続的に配置される逆側の端縁部135a,141a,142aも同一平面に配置されている。
平坦板部142は、湾曲板部141に対し反対側の幅方向両側に設けられた端縁部142b,142bが先端側ほど互いの幅方向の間隔が狭くなるように傾斜している。一方の端縁部142bは、一方の端縁部142aの端縁部141aに対し反対側の端部から延出しており、他方の端縁部142bは、他方の端縁部142aの端縁部141aに対し反対側の端部から延出している。平坦板部142は、一対の端縁部142b,142bの端縁部142a,142aに対し反対側の端部同士を結ぶ端縁部142cを有している。端縁部142cは、固定部130と平行をなしている。
ブリッジ部材82には、幅方向の中央に、固定部130からブリッジ部131にかけて連続する挿通穴145が形成されている。挿通穴145は、固定部130からブリッジ部131の湾曲板部141にかけて配置される領域部146と、ブリッジ部131の固定部130に対し反対側に配置される領域部147とに分けられている。領域部147は領域部146よりも幅が広くなっている。
挿通穴145は、領域部146に配置される内縁部145a、一対の内縁部145b,145bおよび一対の内縁部145c,145cと、領域部147に配置される一対の内縁部145d,145dおよび一対の内縁部145e,145eと、領域部146の領域部147側の端部に配置される一対の内縁部145f,145fとを有している。
内縁部145aは、挿通穴145の中で最も膨出板部136側にあって、膨出板部136の端縁部136aと同心の半円状をなしている。上記した三カ所の貫通穴138,138,138は、内縁部145aの中心から等距離の位置に内縁部145aの周方向に90度間隔で形成されている。一方の内縁部145bは、内縁部145aの一端から端縁部135aと平行をなして延出し、他方の内縁部145bは、内縁部145aの他端から端縁部135aと平行をなして延出している。よって、内縁部145b,145b間の幅は一定となっている。内縁部145b,145b間の幅は、図2に示すシリンダ部材81の小径外径部110の外径よりも広く、大径外径部111の外径よりも狭くなっている。
図8に示す一方の内縁部145cは、一方の内縁部145bの内縁部145aに対し反対側の端部から端縁部141aと平行をなして延出し、他方の内縁部145cは、他方の内縁部145bの内縁部145aに対し反対側の端部から端縁部141aと平行をなして延出する。内縁部145c,145c間の幅は一定となっている。連続する一方の内縁部145b,145cは同一平面に配置され、連続する他方の内縁部145b,145cも同一平面に配置されている。一方の内縁部145fは、一方の内縁部145cの内縁部145bに対し反対側の端部から幅方向に沿って他方の内縁部145cに対し離間する方向に延出する。他方の内縁部145fは、他方の内縁部145cの内縁部145bに対し反対側の端部から幅方向に沿って一方の内縁部145cに対し離間する方向に延出する。
一方の内縁部145dは、一方の内縁部145fの内縁部145cに対し反対側の端部から端縁部142aと平行をなして延出し、他方の内縁部145dは、他方の内縁部145fの内縁部145cに対し反対側の端部から端縁部142aと平行をなして延出する。内縁部145d,145d間の幅は一定となっており、この幅は、内縁部145c,145c間の幅よりも広くなっている。内縁部145d,145d間の中心は、内縁部145c,145c間の中心と幅方向の位置を一致させている。一方の内縁部145eは、一方の内縁部145dの内縁部145fに対し反対側の端部から他方の内縁部145d側に延出し、他方の内縁部145eは、他方の内縁部145dの内縁部145fに対し反対側の端部から一方の内縁部145d側に延出している。内縁部145e,145eは、いずれも挿通穴145内に中心を有する円弧状をなしている。
挿通穴145が形成されることにより、ブリッジ部材82は、基板部135が幅方向に離間する一対の分割部150,150に分割され、これらは、それぞれの幅方向の両端縁部が端縁部135aおよび内縁部145bとなる。また、湾曲板部141が幅方向に離間する一対の分割部151,151に分割され、これらは、それぞれの幅方向の両端縁部が端縁部141aおよび内縁部145cとなる。また、平坦板部142が幅方向に離間する一対の分割部152,152とこれらを繋ぐ連結部153とからなり、分割部152,152は、それぞれが端縁部142a,142b,142cおよび内縁部145dを含む。連結部153は、端縁部142cおよび内縁部145e,145eを含む。
爪部132は、固定部130およびブリッジ部131と幅方向の中心位置を一致させるようにして、ブリッジ部131の連結部153より固定部130側つまり挿通穴145内側に配置されている。爪部132は、ブリッジ部131の挿通穴145のうちの最も固定部130に対し反対側にある一対の内縁部145e,145eの間に形成されており、連結部153の奥行方向における固定部130側の端縁部から延出している。爪部132は、連結部153の奥行方向における固定部130側の端縁部から湾曲しつつ平坦板部142に対し垂直な高さ方向に固定部130と同側に延出する湾曲板部160と、湾曲板部160の連結部153に対し反対側の端縁部から平坦な形状で平坦板部142に対し垂直をなして延出する平坦板部161とを有している。湾曲板部160は、幅方向に見て、その奥行方向の固定部130とは反対側に中心を有する円弧状をなしている。よって、湾曲板部160は、連結部153から奥行方向において固定部130側に位置するほど高さ方向において平坦板部142から離れるように湾曲している。平坦板部161は固定部130と平行をなしている。
湾曲板部160は、一定幅となっており、幅方向両側の端縁部160a,160aが平行をなしている。一方の端縁部160aは一方の内縁部145eの他方の内縁部145e側の端部から延出しており、他方の端縁部160aは他方の内縁部145eの一方の内縁部145e側の端部から延出している。平坦板部161は、一定幅となっており、幅方向両側の端縁部161a,161aが平行をなしている。一方の端縁部161aは一方の端縁部160aの内縁部145eとは反対側の端部から延出しており、他方の端縁部161aは他方の端縁部160aの内縁部145eとは反対側の端部から延出している。端縁部161a,161aの幅は、端縁部160a,160aの幅と同等であり、これらは幅方向の中心位置を一致させている。平坦板部161は、湾曲板部160に対し反対の端縁部161bが、端縁部161a,161aの端縁部160a,160aとは反対側の端部同士を連結させており、幅方向に沿って延在している。端縁部161bは爪部132における最も突出先端側の端縁部となっている。平坦板部161は、固定部130にこれと平行をなして対向する対向面161cを有している。爪部132は、ブリッジ部131に対し反対側の端縁部161bが、ブリッジ部131の平坦板部142と平行な直線状をなしており、中間部に高さ方向に凹む部分がないノンリセスの形状になっている。
ブリッジ部材82は、一定板厚の一枚の金属製の板材(例えば鋼板)からプレス成形を主体に成形されている。つまり、ブリッジ部材82を成形する場合には、まず、一枚の平坦な板材をプレス装置により打抜き加工することによって図9に示す平板状のブリッジ部材中間形成体82Aを形成する。このブリッジ部材中間形成体82Aは、上記した固定部130となる部位である固定部形成部130Aと、上記したブリッジ部131となる部位であるブリッジ部形成部131Aと、上記した爪部132となる部位である爪部形成部132Aと、上記した挿通穴145となる挿通穴形成部145Aとを有している。ブリッジ部材中間形成体82Aは、固定部130の延在方向を幅方向とすると、この幅方向の中心位置を通り幅方向に直交する平面を中心とする鏡面対称形状をなしている。
ブリッジ部形成部131Aは、上記と同様の平坦板部142と、上記湾曲板部141とは異なる平坦な湾曲板部形成部141Aとを有している。湾曲板部形成部141Aは上記した分割部151,151の変形前の分割部151A,151Aを有しており、これらは、それぞれ、端縁部141aおよび内縁部145cの変形前の端縁部141aAおよび内縁部145cAを有している。爪部形成部132Aは、上記した平坦板部161と上記した湾曲板部160とは異なる平坦な湾曲板部形成部160Aとを有している。湾曲板部形成部160Aは上記した端縁部160a,160aの変形前の端縁部160aA,160aAを有している。ブリッジ部形成部131Aには、貫通穴137,137および貫通穴138,138,138が形成されており、これらも打抜き加工で形成されている。
ブリッジ部材中間形成体82Aにおいては、ブリッジ部形成部131Aの連結部153が固定部形成部130Aに対し反対側の端部に位置しており、この連結部153から延出する爪部形成部132Aは、爪部形成部132Aの先端、すなわち、平坦板部161の先端つまり端縁部161b側が、挿通穴形成部145A内において固定部形成部130Aへ向かって延びるように形成されている。これにより、端縁部160aA,161aと、これと幅方向同側にある内縁部145dとが、幅方向において対向する。
一枚の板材を打抜き加工することによりブリッジ部材中間形成体82Aを形成する際に、一枚の板材に対し複数のブリッジ部材中間形成体82Aを打ち抜く。このとき、一枚の板材に対する複数のブリッジ部材中間形成体82Aの部品取りの配置は、例えば、連結部153と固定部130とを結ぶ方向である高さ方向の位置を合わせて、これに直交する幅方向に複数並べられる配置となる。
そして、打抜き加工により成形されたブリッジ部材中間形成体82Aの湾曲板部形成部141Aおよび湾曲板部形成部160Aをプレス装置による曲げ加工を施すことにより、湾曲板部形成部141Aを湾曲させて湾曲板部141とし、湾曲板部形成部160Aを湾曲させて湾曲板部160とすることで、ブリッジ部材82が成形される。なお、貫通穴137,137および貫通穴138,138,138は、打抜き加工ではなく切削加工で穿設することも可能である。
図2に示すように、ブリッジ部材82には、シリンダ部材81が挿通穴145の固定部130側の領域部146に挿通されて取り付けられている。つまり、シリンダ部材81は、底部95側を先頭にして爪部132側からブリッジ部材82の挿通穴145に挿通され、突出部86,86および突出部87が、ブリッジ部材82の固定部130の爪部132側の面に当接させられる。ここで、シリンダ部材81を固定部130と爪部132との間から挿通穴145に挿通させる際に、挿通穴145が上方に開放されているため、シリンダ部材81を、その固定部130側が爪部132側よりもブリッジ部131側に位置するように傾斜させた状態で挿通させることができる。
小径外径部110が挿通穴145の内縁部145aと同心状に配置された状態で、ボルト170がブリッジ部材82の図3に示す中央の貫通穴138に挿通されてシリンダ部材81の突出部87のネジ穴89に螺合され、これにより、突出部87が、固定部130の爪部132側の面に当接する。また、図2に示す他のボルト170がブリッジ部材82の図8に示す一の側方の貫通穴138に挿通されてシリンダ部材81の図1に示す一方の突出部86のネジ穴88に螺合され、これにより、この突出部86が、固定部130の爪部132側の面に当接する。また、図2に示すさらに他のボルト170がブリッジ部材82の図8に示す他の側方の貫通穴138に挿通されてシリンダ部材81の図2に示す他方の突出部86の図示略のネジ穴に螺合される。これにより、この突出部86が、固定部130の爪部132側の面に当接する。このようにして、シリンダ部材81がブリッジ部材82の固定部130に結合され固定される。
なお、キャリパ15を製造する製造工程では、例えば、図3に示すシール部材74、ピストン73、ピストンブーツ75およびブリーダプラグ76が予め組み付けられた状態のシリンダ部材81が、ブリッジ部材82に図2に示すボルト170,170,170で組み付けられることになる。
上記固定状態で、挿通穴145は、シリンダ部材81の径方向においてシリンダ部材81よりもブリッジ部131側まで延びており、シリンダ部材81のブリッジ部131側に開口している。また、上記固定状態で、挿通穴145は、シリンダ部材81の軸方向において、シリンダ部材81の開口部96側の端部よりも、底部95に対し反対側まで延在している。また、上記固定状態で、爪部132は、図3に示すその端縁部161bがシリンダ部材81のシリンダ本体部85の中心よりもブリッジ部131に対し反対側に位置しており、爪部132の対向面161cは、シリンダ部材81の開口部96やピストン73の開口部122に対向している。
図1,図2に示すように、一対のスライドピン71,71は、それぞれが取付ボルト173とピン本体174とを有している。図1に示す一方のスライドピン71は、取付ボルト173がブリッジ部材82の固定部130に形成された図8に示す一方の貫通穴137に、爪部132に対し反対側から挿通される。図1に示す一方のスライドピン71は、この取付ボルト173に固定部130の爪部132側からピン本体174を螺合させることで、固定部130に取り付けられる。また、図2に示す他方のスライドピン71は、取付ボルト173がブリッジ部材82の固定部130に形成された図8に示す他方の貫通穴137に、爪部132に対し反対側から挿通される。図2に示す他方のスライドピン71は、この取付ボルト173に固定部130の爪部132側からピン本体174を螺合させることで、固定部130に取り付けられる。スライドピン71,71は、固定部130の基板部135に対し垂直をなし、それぞれの固定部130からの爪部132側への延出長さが、固定部130からのブリッジ部131の延出長さよりも短くなっている。
キャリパ15は、図1に示す一方のスライドピン71が、ピン本体174において一方のピンブーツ72に挿通された後にキャリア12の一方のガイド部材19の図示略のガイド穴に摺動可能に挿通されることになり、図2に示す他方のスライドピン71が、ピン本体174において他方のピンブーツ72に挿通された後にキャリア12の他方のガイド部材19の図示略のガイド穴に摺動可能に挿通されることになる。これにより、キャリパ15はキャリア12にディスク軸方向に沿って摺動可能に支持される支持状態になる。図1に示す一方のピンブーツ72は一端が一方のピン本体174の基端側に係止され、他端側が一方のガイド部材19に係止される。図2に示す他方のピンブーツ72は一端が他方のピン本体174の基端側に係止され、他端側が他方のガイド部材19に係止される。
上記支持状態で、図3に示すように、キャリパ15は、シリンダ部材81に配置されたピストン73がディスク11の側面11cに対向する状態となり、一方の摩擦パッド14のディスク11に対し反対側に配置されることになる。よって、ピストン73が摩擦パッド14に当接可能となる。また、上記支持状態で、ブリッジ部材82のブリッジ部131がシリンダ部材81からディスク11を跨いで延出し、爪部132の平坦板部161の対向面161cが、ディスク11の側面11bに対向する状態となり、他方の摩擦パッド13のディスク11に対し反対側に配置されることになる。これにより、爪部132の平坦板部161が、ディスク11の側面11bに対向する部位となる。そして、爪部132の平坦板部161が対向面161cにおいて、摩擦パッド13に当接可能となる。つまり、ブリッジ部材82は、ブリッジ部131が固定部130からディスク軸方向に延出してディスク11の外周を跨ぐことになり、爪部132の平坦板部161がブリッジ部131からディスク径方向内方に延出して摩擦パッド13のディスク11に対し反対側に配置されることになる。
また、上記支持状態で、シリンダ部材81の案内面114がディスク軸方向に沿う状態となり、ピストン73がディスク軸方向に沿う状態でディスク軸方向に移動する。上記支持状態で、ブリッジ部材82に形成された挿通穴145がシリンダ部材81の小径外径部110よりもディスク径方向外側に空間部を有する状態になる。上記支持状態で、キャリパ15は、ブリッジ部131がディスク回転方向に沿う状態となり、固定部130および爪部132の平坦板部161がディスク軸方向に直交する状態となる。また、上記支持状態で、ブリッジ部131の平坦板部142がブレーキ中央線に対して直交する状態になる。
上記のディスクブレーキ10において、ネジ穴103に螺合される図示略のブレーキ配管を介してキャリパ15のシリンダ本体部85とピストン73との間にブレーキ液が導入されると、ピストン73がディスク軸方向に沿ってディスク11側に移動して一対の摩擦パッド13,14のうちの一の摩擦パッド14に当接しこれをディスク11側に押圧してディスク11に接触させる。摩擦パッド14がディスク11に押し付けられると、その反力でキャリパ15が、図1,図2に示すスライドピン71,71をガイド部材19,19に対してスライドさせながら、ブリッジ部材82の爪部132をディスク11側に移動させる。すると、爪部132が一対の摩擦パッド13,14のうちの他の摩擦パッド13に当接しこれをディスク11側に押圧してディスク11に接触させる。このようにして、キャリパ15が、ディスク11に両側の摩擦パッド13,14を押し付けて摩擦抵抗を生じさせることにより、ディスク11と一体に回転する車輪にブレーキをかける。
上記した特許文献1に記載のディスクブレーキにおいては、ヨークと呼ばれるキャリパの一部を構成する部品が、板材にプレス加工による打抜き成形を施すことにより形成されている。しかしながら、この部品は、中央に設けられた開口部内にインナ側のパッドおよびこれを支持する部材とアウタ側のバッドとを配置し、この開口部の縁部でアウタ側のバッドをディスク軸方向に押圧する構造であるため、開口部ひいてはその全体が、ディスク回転方向に大きなものとなって、材料費が増大してしまう。
これに対し、本実施形態に係るディスクブレーキ10のブリッジ部材82は、そのシリンダ部材81が固定される固定部130と、固定部130からディスク軸方向に延出してディスク11の外周を跨ぐブリッジ部131と、ブリッジ部131からディスク径方向に延出してディスク11の側面11bに対向する爪部132とが、板材を打抜き加工することにより形成されるものとなっている。このように爪部132を有し、この爪部132で摩擦パッド13を押圧する構造であるため、打抜き加工により形成されるブリッジ部材中間形成体82Aのディスク回転方向の幅を抑えることができる。したがって、材料費を低減可能となる。
また、爪部132のディスク11の側面11bに対向する部位である平坦板部161が、打抜き加工時のブリッジ部材中間形成体82Aでは、その先端側が、挿通穴形成部145A内において、固定部130へ向かって延びるように形成されている。これにより、ブリッジ部材中間形成体82Aは、爪部形成部132Aの平坦板部161が固定部130とは反対側に延びる場合よりも高さが低くなる。よって、ブリッジ部材中間形成体82Aの歩留まりを向上可能であり、材料費をさらに低減可能となる。
上記した特許文献2に記載のディスクブレーキでは、同様の打抜き成形により、サポートと呼ばれるキャリパを支持する部品を形成するようになっている。しかしながら、この部品は、打抜き成形時に中央に大きな開口を形成することになるため、歩留まりが良いとは言えず、材料費が増大してしまう。
これに対し、本実施形態に係るディスクブレーキ10のキャリア本体18は、車両の非回転部分に取り付けられる取付穴30,30を有してディスクの回転方向に延びて形成され両端の端側延出部26,26がディスク11の外周側へ延びるインナビーム部20と、インナビーム部20の各端部を基端部とし該基端部からディスク11の外周を跨いでディスク11の軸方向に延びる一対のディスクパス部22,22と、一対のディスクパス部22,22の先端部同士を結ぶように形成されるアウタビーム部21と、が板材45を打抜き加工することにより形成されるものとなっている。そして、インナビーム部20の取付穴30,30が形成される部位であるビーム本体部25が、打抜き加工時のキャリア本体中間形成体18Aでは、一対のディスクパス部22,22となる部位であるディスクパス部形成部22A,22Aの間に配置されるように形成されている。これにより、キャリア本体中間形成体18Aは、ビーム本体部25がアウタビーム部21に近接することになり、これらの間に生じる中央の開口が小さくなり、高さが低くなる。よって、キャリア本体中間形成体18Aの歩留まりを向上可能であり、材料費を低減可能となる。
また、キャリア本体中間形成体18Aが上記形状となることで全体として凹の字形状となり、その結果、複数のキャリア本体中間形成体18Aを、高さ方向の位置を互いに重ね合わせるとともに幅方向の位置を互いに重ね合わせて配置して打抜き加工時の部品取りを行うことができる。したがって、歩留まりをさらに向上可能であり、材料費をさらに低減可能となる。
以上の実施形態においては、車両の非回転部分に取り付けられ、一対の摩擦パッドをディスクの軸方向に案内するキャリアと、該キャリアに摺動可能に設けられ、前記一対の摩擦パッドを移動させるキャリパと、を備え、該キャリパは、有底筒状に形成されて、その内部に前記一対の摩擦パッドのうちの一の摩擦パッドを押圧するピストンが配置されるシリンダ部材と、該シリンダ部材と別体に成形され、前記シリンダ部材から前記ディスクを跨いで延出して前記一対の摩擦パッドのうちの他の摩擦パッドを押圧するブリッジ部材と、を結合して形成され、該ブリッジ部材は、前記シリンダ部材が固定される固定部と、該固定部からディスク軸方向に延出して前記ディスクの外周を跨ぐブリッジ部と、該ブリッジ部からディスク径方向に延出して前記ディスクの側面に対向する爪部と、が板材を打抜き加工することにより成形されてなるディスクブレーキであって、前記打抜き加工時に、前記爪部となる部位はその先端側が前記固定部となる部位へ向かって延びるように形成されている。これにより、ブリッジ部材の打抜き加工時に、爪部となる部位が、その先端側が固定部とは反対側に向かって延びるように成形する場合よりも、ブリッジ部材の打抜き加工時の高さが低くなる。よって、ブリッジ部材の打抜き加工時の歩留まりを向上可能であり、材料費の低減が可能となる。
また、以上の実施形態においては、車両の非回転部分に取り付けられ、一対の摩擦パッドをディスクの軸方向に案内するキャリアと、該キャリアに摺動可能に設けられ、前記一対の摩擦パッドを移動させるキャリパと、を備え、前記キャリアは、前記車両の非回転部分に取り付けられる取付穴を有してディスクの回転方向に延びて形成され両端部が前記ディスクの外周側へ延びるインナビーム部と、該インナビーム部の各端部を基端部とし該基端部から前記ディスクの外周を跨いで前記ディスクの軸方向に延びる一対のディスクパス部と、該一対のディスクパス部の先端部同士を結ぶように形成されるアウタビーム部と、が板材を打抜き加工することにより成形されてなるディスクブレーキであって、前記打抜き加工時に、前記インナビーム部となる部位のうち前記取付穴が形成される部位が、前記一対のディスクパス部となる部位の間に配置されるように形成されるようにしている。このため、キャリアは、その打抜き加工時に、インナビーム部の取付穴が形成される部位が、アウタビーム部に近接することになり、高さが低くなる。よって、キャリアの打抜き加工時の歩留まりを向上可能であり、材料費の低減が可能となる。
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
11b 側面
12 キャリア
13 摩擦パッド(他の摩擦パッド)
14 摩擦パッド(一の摩擦パッド)
15 キャリパ
18A キャリア本体中間形成体
20 インナビーム部
21 アウタビーム部
22 ディスクパス部
22A ディスクパス部形成部(ディスクパス部となる部位)
25 ビーム本体部(取付穴が形成される部位)
30 取付穴
45 板材
73 ピストン
81 シリンダ部材
82 ブリッジ部材
82A ブリッジ部材中間形成体
130 固定部
131 ブリッジ部
132 爪部
161 平坦板部(ディスクの側面に対向する部位)

Claims (2)

  1. 車両の非回転部分に取り付けられ、一対の摩擦パッドをディスクの軸方向に案内するキャリアと、
    該キャリアに摺動可能に設けられ、前記一対の摩擦パッドを移動させるキャリパと、
    を備え、
    該キャリパは、
    有底筒状に形成されて、その内部に前記一対の摩擦パッドのうちの一の摩擦パッドを押圧するピストンが配置されるシリンダ部材と、該シリンダ部材と別体に成形され、前記シリンダ部材から前記ディスクを跨いで延出して前記一対の摩擦パッドのうちの他の摩擦パッドを押圧するブリッジ部材と、を結合して形成され、
    該ブリッジ部材は、
    前記シリンダ部材が固定される固定部と、該固定部からディスク軸方向に延出して前記ディスクの外周を跨ぐブリッジ部と、該ブリッジ部からディスク径方向に延出して前記ディスクの側面に対向する爪部と、が板材を打抜き加工することにより成形されてなるディスクブレーキであって、
    前記打抜き加工時に、前記爪部となる部位は、その先端側が前記固定部となる部位へ向かって延びるように形成されることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 車両の非回転部分に取り付けられ、一対の摩擦パッドをディスクの軸方向に案内するキャリアと、
    該キャリアに摺動可能に設けられ、前記一対の摩擦パッドを移動させるキャリパと、
    を備え、
    前記キャリアは、
    前記車両の非回転部分に取り付けられる取付穴を有してディスクの回転方向に延びて形成され両端部が前記ディスクの外周側へ延びるインナビーム部と、
    該インナビーム部の各端部を基端部とし該基端部から前記ディスクの外周を跨いで前記ディスクの軸方向に延びる一対のディスクパス部と、
    該一対のディスクパス部の先端部同士を結ぶように形成されるアウタビーム部と、が板材を打抜き加工することにより成形されてなるディスクブレーキであって、
    前記打抜き加工時に、前記インナビーム部となる部位のうち前記取付穴が形成される部位が、前記一対のディスクパス部となる部位の間に配置されるように形成されることを特徴とするディスクブレーキ。
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