JP6133544B2 - ミクロセル保存方法 - Google Patents

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本発明は、ミクロセルの凍結保存方法に関する。
ミクロセル融合法(別称「微小核細胞融合法」)は、有用なDNAを含む、単一の染色体、染色体断片、人工染色体などの巨大核酸を供与細胞から受容細胞に移入することを可能にする技術である(特許文献1〜4、非特許文献1〜7)。この技術は、ミクロセル仲介染色体移入(MMCT)と称され、特に動物細胞間又は植物細胞間で遺伝物質を移動させることを可能にする利点を提供する。
ミクロセル融合法では、先ず、ミクロセルを誘導可能にする供与細胞を用意し、コルセミドなどの微小核誘導剤を使用して供与細胞を微小核化してミクロセルを得、限外濾過などの手法により精製する。この場合、供与細胞には、目的の有用なDNAを含む、染色体、染色体断片、人工染色体などの外来核酸が含有される。そのような外来核酸を含有するミクロセルを、適する培地中で、受容細胞と接触させることによって、ミクロセル融合を起こし、目的の外来核酸を受容細胞内に導入することができる。
ミクロセル融合法によって受容細胞にミクロセルを融合する場合、ミクロセルを生成し精製した直後に融合操作を行う必要がある。ミクロセルは細胞を破壊して取得されるため、ミクロセル自体は細胞のように自己修復能を持たず、長期の保存の後は、ミクロセルの膜構造が障害され修復されないことから、外来核酸を受容細胞に導入することが難しくなると考えられていた。このため、(1)ミクロセルの調製場所と受容細胞の培養場所とが同一でなければいけないことから、適用できる細胞種が限られること、(2)受容細胞の融合時期を厳密に最適化しなければ効率が低下すること、(3)1回の実験でのミクロセルの精製量に限界があるため、導入効率を改善できないこと、(4)卓越した技術の習得が必要であること、などの問題点がある。
いかなる研究者、技術者等であっても、必要なときに必要な場所でミクロセルを使用できるように、ミクロセルを長期間保存できる方法が望まれている。
特開2011-177145号公報 特開2010-004887号公報 米国特許第5,396,767号明細書 特開2008-200042号公報
Meaburn, K.J. et al., Chromosoma 2005, 114:263-274 Tomizuka, K. et al., Nature Genet. 1997, 16:133-143 Koi et al., Jpn. J. Cancer Res., 1989, 80:413 Lambert, C. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1991, 88:5907-5911 Sanford, J.A. and Stubbefield, E., Somatic Cell Mol. Genet., 1987, 13:279-284 Dhar, V. et al., Somatic Cell Mol. Genet., 1984, 10:547-559 McNeill-Killary et al., Meth. Enzymol., 1995, 254:133-152
このような状況において、本発明の目的は、ミクロセルを長期間保存可能にするための方法、及びそのような方法で保存されたミクロセル含有液を提供することである。
本発明の別の目的は、上記の方法で保存されたミクロセルを用いたミクロセル融合法を提供することである。
本発明は、要約すると、以下の特徴を含む。
(1) 細胞凍結保存液中で凍結された動物細胞由来ミクロセル含有液。
(2) 凍結保存液1mlあたりのミクロセル数が、1×104〜1×109個である、上記(1)に記載の動物細胞由来ミクロセル含有液。
(3) 細胞凍結保存液が、動物細胞の凍結保存に使用可能な血清含有若しくは無血清保存液、セルバンカー(商標)、又は、血清及びジメチルスルホキシドを含有する動物細胞用培地である、上記(1)又は(2)に記載の動物細胞由来ミクロセル含有液。
(4) ミクロセルが外来核酸を含むものである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の動物細胞由来ミクロセル含有液。
(5) 外来核酸が、有用な遺伝子、遺伝子座若しくはcDNAから選択されるDNAを含む、染色体、染色体断片又は人工染色体である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の動物細胞由来ミクロセル含有液。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の動物細胞由来ミクロセル含有液を−20℃〜−270℃で凍結保存することを含む、ミクロセル保存方法。
(7) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の凍結保存された動物細胞由来ミクロセル含有液からミクロセルを融解し、及び、無血清動物細胞用培地で洗浄してミクロセルを回収すること、並びに、前記ミクロセルと受容細胞とを融合し、融合した受容細胞を回収することを含む、凍結保存ミクロセルを用いたミクロセル融合方法。
(8) 無血清動物細胞用培地でのミクロセルの洗浄を2回行う、上記(7)に記載の方法。
本発明により、供与細胞から生成されたミクロセルを長期間にわたり保存することが可能になり、必要なときに必要な場所でミクロセルを使用することができるという、優れた利点が提供される。
この図は、本発明の凍結保存ミクロセルを使用した麻疹法によるミクロセル融合の効果について、該ミクロセルを実施例1で調製した細胞凍結保存液で保存した場合と、市販の細胞凍結保存液であるセルバンカー(十慈フィールド製)で保存した場合との間の、出現する薬剤耐性細胞コロニー数の比較を示すグラフである。図中、N1及びN2は、それぞれの細胞凍結保存液で凍結保存したときの試料番号を示す。 この図は、本発明の凍結保存ミクロセル(凍結保存法)と、非凍結保存ミクロセル(従来法)とを用いて、麻疹法によるミクロセル融合を実施したときの、平均薬剤耐性細胞コロニー数の比較を示すグラフである。
本発明をさらに詳細に説明する。
<ミクロセル及びその調製>
本発明で使用される「ミクロセル」(microcell)は、細胞を微小核化して作製され、少量の細胞質と1個又は少数の染色体を含む微小核(micronucleus)を含有する細胞である。このミクロセルは細胞と融合させることによって、任意の外来核酸、例えば、有用なDNAを含む、単一の染色体、染色体断片又は人工染色体といったメガベースサイズの核酸、を該受容細胞へ導入することを可能にする。このような融合法は、一般に、ミクロセル融合法又は微小核細胞融合法と呼ばれている。
ミクロセルを誘導可能にする供与細胞は、一般に動物細胞であり、好ましくは哺乳動物細胞であり、細胞の種類については、ミクロセルを誘導することができるならば制限はない。本明細書中、動物細胞は、初代培養細胞、株化細胞、継代細胞、培養細胞、体細胞、幹細胞などのいずれの形態の細胞も包含する。また、動物細胞は、例えば昆虫細胞などの無脊椎動物由来細胞、ヒト細胞、げっ歯類細胞などの哺乳動物由来細胞、鳥類由来細胞、両生類由来細胞、爬虫類由来細胞、魚類由来細胞などの脊椎動物由来細胞を含む。さらに具体的には、収率の点で好ましい供与細胞として、マウスA9細胞(Oshimura,M.,Environ. Health Perspect., 1991, 93:57)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞などが挙げられる。後述するように、一般に、供与細胞は、外来核酸、例えば、有用な遺伝子、cDNA、遺伝子座などのDNAを含む、単一染色体、その染色体断片、人工染色体などの外来核酸を発現可能に含むのがよい。
供与細胞の微小核化は、動物細胞を、コルセミドなどの微小核誘導剤を含有する培地中で長時間培養することによって行うことができる。ここで微小核誘導剤は、染色体の脱凝縮と核膜の再形成を誘起する能力をもつ。微小核誘導剤の濃度は、微小核化が起こるならば制限されないが、例えばコルセミドの場合、受容細胞約5×106個あたり約0.01μg/ml〜約1μg/ml、好ましくは0.04〜0.5μg/mlである。微小核化によって、供与細胞から、少量の細胞質と1個又は少数の染色体を含む微小核(micronucleus)を含有する細胞、すなわちミクロセルが形成される。培養は、供与細胞の培養条件を使用するものとし、培地として一般に動物細胞用培地が使用される。動物細胞用培地には、例えばイーグル培地(MEM)、イーグル最小必須培地(EMEM)、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、ハムF12培地などが含まれる。培地には、牛胎仔血清(FBS)(例えば10〜20%)などを添加してもよい。温度は、室温〜約37℃であり、また培養時間は、約12〜72時間が適当である。
微小核化細胞はさらに、例えばサイトカラシンBを用いて処理(脱核)されうる。微小核化した細胞を含む培養液を遠心管に入れ、サイトカラシンBを例えば約10μg/mlの濃度で添加し、34℃で約8,000rpm又は約11,900×g程度の回転数で約1時間遠心分離を行う。沈降したミクロセルを無血清培地に懸濁して回収する。
染色体を含むミクロセル内の染色体を断片化する場合には、例えば、ミクロセルに直接、γ線を照射する手法を便利に使用できる。
上記のようにして調製されたミクロセルは、受容細胞との融合前に精製することが望ましい。ミクロセルの精製は、例えば限外ろ過によって行うことができる。例えば、孔径(pore size)が8μm、5μm及び3μmである3種類のメンブレンを用意する。ミクロセルを懸濁した無血性培地を、初めに8μmの孔径のメンブレンによりろ過し、次にその濾液を5μmの孔径のメンブレンにてろ過する。さらに、3μmの孔径のメンブレンにてろ過し、精製する。こうして精製されたミクロセルは、例えば約2,000rpm、10分間の遠心分離を行って回収される。
<ミクロセルの凍結保存>
上記の方法で生成し精製されたミクロセルは、従来、用時調製後すぐに融合に用いられてきたが、本発明では凍結され保存され、そして、必要なときに必要な場所で、凍結保存されたミクロセルを融解し、受容細胞との融合に使用することができる。
凍結保存されたミクロセルが、従来法である非凍結保存ミクロセルと同等の融合効率を提供することは、まったく意外なことであった。その理由は、ミクロセルは通常の細胞とは異なり、細胞断片となっているため、膜構造を含む物理的な構造を修復する作用が失われており、凍結状態と通常状態への遷移の際にミクロセルの細胞膜や核は障害を受け、融合効率は著しく低下すると考えられてきたからである。
凍結に先立ち、精製ミクロセルは、細胞凍結保存液に懸濁する。細胞凍結保存液は、以下のものに限定されないが、動物細胞の凍結保存に使用可能な血清含有又は無血清保存液、例えば市販の細胞凍結保存用試薬(好ましくは、十慈フィールド製、三菱化学メディエンス製、等のセルバンカー)を使用することができる。セルバンカーの代替凍結保存液として、例えば、血清及びDMSO(ジメチルスルホキシド)を含有した動物細胞用培地を使用できる。動物細胞用培地は、例えばMEM、EMEM、DMEM、ハムF12などの動物細胞用培地、好ましくはDMEM培地、である。血清の例は、牛胎仔血清(FBS)である。DMSO及び血清を含有する場合、保存液の組成は,DMSOが5〜20%であり、95%〜80%になるように培地と血清の混合液を加えるが、好ましくは培地が50%、血清が40%、DMSOが10%である(ここで、%は容量%である)。凍結保存液に添加するミクロセルの個数は、凍結保存液1mlあたり、通常、1×104〜1×109個、好ましくは、5×105〜1×106個であるが、融合効率を著しく損なわないかぎり、上記の範囲に限定されないものとする。
或いは、精製ミクロセルを、遠心分離(例えば2000pm10分)を行い、上清を除去し、残存するミクロセルをセルバンカーに懸濁してもよい。セルバンカーの量は、例えばミクロセル1×106個あたり1mlである。
凍結保存液に懸濁したミクロセルは、次いで、凍結処理にかけられる。凍結保存は、一定の温度に保温可能な適当な冷凍装置(例えば、ディープフリーザー)、液体窒素若しくは液体ヘリウムなどの冷媒を用いて行うことができる。凍結保存温度は、−20℃〜−270℃、好ましくは−80℃であるが、融合効率を著しく損なわないかぎり、上記の範囲に限定されないものとする。
上記の条件で精製ミクロセルを凍結保存した場合、従来法と同等の融合効率を維持する保存日数として10〜15日又はそれ以上の期間の凍結保存が可能であるが、凍結保存条件を改善することによってさらに保存日数を高めることが可能である。保存日数を高めるには、例えば液体窒素又は液体ヘリウムを用いて、それぞれ約-196℃又は約-270℃の温度にて保存をする、凍結状態への遷移を穏やかに進める、もしくは、凍結保存液としてさらに最適な組成を用いるとよい。凍結状態への遷移を穏やかに進めるための例として、-80℃に凍結したのち約24時間後に-196℃若しくは-270℃で保存することや、0℃で数分、-20℃で数十分、-80℃で半日〜1日、そして-196℃若しくは-270℃で長期間保存すること、などが挙げられる。
融合効率は、融合後の受容細胞のうち目的核酸を含有するコロニー数を計数し、非凍結保存で用時調製のミクロセルを使用する従来法でのコロニー数を比較して、従来法の場合と同等かそれ以上であれば高いということができる。
凍結ミクロセルを融解し、無血清培地(上記)、好ましくは無血清DMEM培地、で1回又は複数回、好ましくは2回、洗浄を例えば4〜37℃で行う。2回洗浄を行う場合、融合効率が高まることが確認されている(後述の実施例1参照)。具体的には、凍結融解したミクロセルに無血清培地を適量加えて遠心し、上清を捨て、さらに新鮮な無血清培地を適量加えて遠心し、上清を捨てるという操作を行う。
本発明は、細胞凍結保存液中で凍結された動物細胞由来ミクロセル含有液も包含する。ここで、ミクロセル、細胞凍結保存液、凍結条件などは、上で説明したとおりである。凍結保存液1mlあたりのミクロセル数は、通常1×104〜1×109個、好ましくは5×105〜1×106個である。このような凍結されたミクロセル含有液は、上記の凍結方法によって作製可能である。また、ミクロセル含有液の凍結保存時の温度は、−20℃〜−270℃、好ましくは−80℃であるが、凍結されたミクロセル含有液は、流通可能であり、流通の間は約-20℃であっても問題がないと考えられる。
したがって、本発明はまた、上記の動物細胞由来ミクロセル含有液を−20℃〜−270℃で保存することを含む、ミクロセル保存方法を提供する。
<ミクロセル融合法>
ミクロセル融合法は、上記のとおり、目的の外来核酸、例えば染色体又は染色体断片などの巨大核酸、を供与細胞から受容細胞へ移入可能にする技術を提供する。この方法は、供与細胞を微小核化する第1工程、微小核化細胞を脱核する第2工程、ミクロセルを単離精製し凍結保存する第3工程、凍結融解(すなわち、解凍)したミクロセルと受容細胞を融合する第4工程、及び、生存する融合した受容細胞(ミクロセルハイブリッドクローン)を回収する第5工程を包含する。第1工程から第3工程までは、上で説明したとおりである。以下では第4工程及び第5工程について説明する。
受容細胞は、動物細胞、植物細胞のいずれでもよく、例えば初代培養細胞、株化細胞、体細胞、胚性幹(ES)細胞、人工多能性(iPS)細胞、体性幹細胞(例えば、組織幹細胞)、体細胞の前駆細胞、などの細胞から目的に応じて選択しうる。植物細胞を受容細胞とするときは、受容細胞からプロトプラストを形成し、ミクロセル融合に使用することができる(特開2009-254382号公報)。
凍結融解したミクロセルと受容細胞との融合は、完全にコンフルエントになる前で培養を終了した受容細胞に、凍結融解された精製ミクロセルを接触(例えば重層)させて培養する。ミクロセル融合細胞は、薬剤耐性株を選択するなどの手法で行うことができる。
融合は、PEG法、麻疹法(清水素行, 細胞工学ハンドブック, 羊土社(1992)、特開2011-177145号公報、等)などの手法を使用して行うことができる。
PEG法は、例えばPEG1000〜PEG2000のポリエチレングリコールを細胞融合のための融合剤として使用する方法である。PEG融合法は、細胞毒性を誘導するため細胞を損傷するといった欠点もあるが、動物細胞や植物細胞の細胞融合に使用されてきた一般的な方法である。
麻疹法は、本発明者らによりミクロセル融合のための改良法として開発されたものである。この方法は、麻疹ウイルスエンベロープタンパク質の存在下でミクロセルと受容細胞との融合を行なうことを含む。麻疹ウイルスエンベロープタンパク質として、ヘマグルチニン(H)タンパク質及び膜融合(F)タンパク質からなるものが好ましく使用できる。これらのタンパク質はまた、ミクロセル表面上に発現されていてもよい(特開2011-177145号公報)。
供与細胞には予め目的の有用な外来核酸を導入しておくことができる。外来核酸の導入は、ベクター法、相同組換え法、形質転換法、トランスフェクション法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法、リポソーム法、細胞透過性ペプチド使用法などの公知の方法で行うことができる。そうすることによって、該外来核酸はミクロセルに移動し、ミクロセル融合によって受容細胞内に導入される。
外来核酸は、目的に応じて選択されうる、遺伝子、cDNA、ゲノムDNA、染色体、染色体断片、人工染色体、人工核酸などの任意の核酸であり、好ましくは調節配列の制御下で発現可能にミクロセル内に存在する。一般に、ミクロセル融合は、数百キロベースを超えるサイズの核酸、特にメガベースサイズの特定の染色体、染色体断片、人工染色体などの巨大核酸であって、目的の有用な遺伝子、遺伝子座若しくはcDNAなどのDNAを含む該核酸を、細胞から別の細胞に移入又は導入するために好ましく使用できる。染色体は動物由来の染色体、好ましくは哺乳動物由来の染色体、例えばマウスなどのげっ歯類由来の染色体、ヒト、サルなどの霊長類由来の染色体など、植物由来の染色体、染色体断片、人工染色体などを含む。
人工染色体は、同じ動物種又は植物種の単一の染色体から誘導された、少なくともセントロメア、テロメア及び(長腕及び/又は短腕の)染色質部分を含むベクターであり、Cre-loxP系、テロメアトランケーションなどの技術を利用して作製することができる(再表2008-013067号公報、特開2009-254382号公報、等)。人工染色体の染色質部分には、発現可能に外来の遺伝子、遺伝子座、cDNAなどのDNAを挿入してもよい。
本明細書中「発現可能に」とは、外来遺伝子が、それが発現可能なようにプロモーター、エンハンサーなどの調節配列の制御下にあることを意味する。プロモーターやエンハンサーは、外来遺伝子の内因性プロモーターやエンハンサー、ウイルス由来のプロモーターやエンハンサー、などを包含し、それらに限定されないものとする。また、外来遺伝子、遺伝子座又はcDNAは、例えば、ヒト由来の有用タンパク質をコードする遺伝子、遺伝子座又はcDNA、ヒト疾患関連遺伝子、遺伝子座又はcDNA、ヒト疾患関連の原因遺伝子を正常化する遺伝子、遺伝子座又はcDNA、植物のストレス耐性、病害虫耐性又は農薬耐性などに関連する遺伝子、遺伝子座又はcDNA、などを包含し、それらに限定されない。
外来核酸には、薬剤耐性遺伝子、レポーター遺伝子などの選択マーカー遺伝子が含まれてもよい。薬剤耐性遺伝子には、例えばブラストサイジン、ハイグロマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、G418、ピューロマイシンなどの抗生物質に耐性な遺伝子が適宜含まれうる。レポーター遺伝子には、例えばGFP、EGFP、DsRed、GUS、ルシフェラーゼ遺伝子などが適宜含まれうる。これらの選択マーカー遺伝子によって外来核酸が導入されたミクロセル融合細胞の選択を可能にする。
ミクロセル融合は、動物細胞用培地又は植物細胞用培地にてミクロセルと受容細胞とを接触させて、上記のPEG法、麻疹法などの細胞融合手段を用いて行うことができる。ミクロセは、通常1×105〜1×108個、受容細胞は、通常1×106〜1×107個でそれぞれ融合にかけることができる。融合温度は、通常25〜37℃である。培地について、動物細胞用培地は上に例示したような培地を使用することができるし、植物細胞用培地は、MS培地(Murashige, T. and F. Skoog, Physiol. Plant, 18:100〜127, 1962)、R2培地などの植物プロトプラスト融合に使用可能な培地を使用することができる。
目的の外来核酸が受容細胞に導入されたことの確認は、受容細胞から抽出されたゲノムDNAに関して、例えば、PCR(ポリメラーゼチェインリアクション、Saikiら, Science, 239:487, 1988)、サザンブロット解析(Ausubelet al., Current protocols in molecular biology, John Wiley & Sons, Inc., 1994)、FISH(フルオレッセンスインサイチューハイブリダイゼーション、Lawrenceら, Cell, 52:51, 1988)などの周知の手法で行うことができる。
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって制限されないものとする。
[実施例1]
PEG法による凍結ミクロセル融合法の最適化(保存期間、洗浄回数の最適化)
(凍結微小核細胞融合と薬剤耐性クローンの単離)
ドナー(供与)細胞として、マウスA9細胞(DYS-HAC(完全ジストロフィンゲノム配列を有するヒト人工染色体);Yasuhiro Kazuki et al., Molecular Therapy, 2010, 18(2):386-393)を、10%FBSを添加したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s medium-high glucose: シグマ)培地中にて、12本の遠心用フラスコで培養し、コンフルエントになった時点で20%FBS、0.05μg/mlコルセミド(微小核誘導剤)を添加したDMEM培地に交換し、さらに48時間培養し、ミクロセルを形成させた。培養液を除去し、予め、37℃で保温したサイトカラシンB(10μg/ml,シグマ)溶液を12本の遠心用フラスコに満たし、34℃、8000rpm、1時間の遠心を行った。ミクロセルを無血清DMEM培地に懸濁し、8μm,5μm,3μmフィルターにて精製した。精製後、2000rpm、10分間遠心した。
ミクロセルを凍結保存する為に、10mlの凍結保存液の作製を行った。5mlの無血清DMEM培地に、4mlのFBS、1mlのDMSO(ジメチルスルホキシド,シグマ)を混合した。遠心を行い回収したミクロセルを1mlのDMSOに懸濁し、-80℃にて4日間、凍結保存した。
4日後、凍結保存したミクロセルを10mlの無血清DMEM中に溶かし、2000rpm、10分間遠心した。上清を除去し、PHA-P(フィトヘマグルチニン-P,シグマ)溶液[5mgのPHA-Pを無血清DMEM培地に完全に溶解し、濾過滅菌する]を2mlを添加し、懸濁した。
レシピエント(受容)細胞にはヒト由来線維芽細胞肉腫HT1080細胞(ATCC(米国)カタログ番号CCL-121TM)を用いた。10%FBSを添加したDMEM培地中にて、直径6cmの細胞培養皿で培養してコンフルエントにした。HT1080細胞の細胞表面を5ml無血清DMEM培地で3回洗浄後、2mlのPHA-P(シグマ)溶液にて懸濁したミクロセルを添加し、5%CO2、37℃、20分間インキュベートした。上清を除去し、PEG1000 (Wako)溶液[5gのPEG1000を無血清DMEM培地に完全に溶解し、DMSO(ジメチルスルホキシド)を1ml添加して濾過滅菌する]を1mlで正確に1分間融合した。5mlの無血清DMEM培地を添加し、洗浄した。この洗浄を3回行った。上清を除去し、5mLの10%FBS、DMEM培地を添加し、5%CO2、37℃にて24時間インキュベートし、PBS(-)で細胞表面を2回洗浄後にトリプシン処理により細胞を分散させ、DMEM培地に10%FBSを添加した培養液で回収し、4枚の直径10cmの細胞培養皿に播種し、一晩インキュベートした。更に翌日に、Blasticidin S(選択マーカー)を8μg/ml、HATサプリメント(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン;Gibco)を1倍の濃度になるように加え、14日間選択培養した。このとき得られた薬剤耐性細胞のコロニーは、13個であった。このことから、凍結保存したミクロセルを用いて、DYS-HACをHT1080細胞へと導入できることが分かった。
一方、凍結ミクロセルを融解時において、DMSO等の凍結培地は細胞障害性があるため、2回の無血清DMEM培地を用いた洗浄を行った結果、70個の薬剤耐性細胞のコロニーが得られた。このことから、凍結ミクロセルを融解するときには、無血清DMEM培地にて、ミクロセルを2回の洗浄を行うことが良いと分かった。また、この凍結保存方法において、14日間のミクロセルの凍結保存が可能であることが示された。
[実施例2]
麻疹法による凍結ミクロセル融合法の最適化(凍結保存液の最適化)
(凍結保存液の有効性の検討)
ミクロセルの凍結保存液の有効性の検討として、実施例1に記載の凍結細胞保存液(「凍結保存液」)で凍結保存したミクロセルおよび、市販の凍結細胞保存液「セルバンカー」(十慈フィールド)で保存したミクロセルを用いて、微小核細胞融合を行った。このときドナー細胞として、21HAC2(ヒト21番染色体由来GFP遺伝子配列を有するヒト人工染色体); Kazukiら, Gene Therapy, 2010, 18:384-393)含有麻疹ウイルス由来のエンベロープタンパクであるところの、ヘマグルニチン(H)タンパク及び、膜融合(F)タンパク発現CHO細胞(Motonobu Katoh et al.,BMC Biotechnol, 2010, 10: 37)を用いた。これらの作用により、ミクロセルがHT1080細胞(上記)と融合する為に、PEG1000溶液での処理を必要とせず、ミクロセルとHT1080細胞を混合培養することで21HAC2がHT1080細胞へと導入される。
上記のドナー細胞を6本の遠心用フラスコに培養し、前出の方法にて、ミクロセルを回収した。得られたミクロセルを前出の凍結保存液もしくは、セルバンカーを用いて、−80℃におき、2週間保存し、微小核細胞融合法に用いた。
また、レシピエント細胞として、2×106個のHT1080細胞を直径6cmの細胞培養皿に培養し、微小核細胞融合に用いた。
ミクロセル(1×106個)とHT1080細胞(2×106個)を24時間混合培養し、前出のように、6枚の直径100cmの培養皿に播種し、薬剤選択を行い、14日間培養した。
この検討の結果、図1に示すように、凍結保存液を用いた場合平均452個、セルバンカーを用いた場合平均409個の薬剤耐性コロニーが得られ、ミクロセルの保存はどちらの凍結保存方法を用いても可能であることが示された。また、凍結保存液の方が、セルバンカーよりもミクロセルの保存に適していることが示された。
[実施例3]
麻疹法を用いての非凍結保存ミクロセル融合(従来法)と凍結保存ミクロセル融合(本発明)との効率比較
(凍結保存したミクロセルを用いた場合と従来法との21HAC2導入効率の比較)
上記の試験により、凍結保存したミクロセルでの染色体導入が可能であることと、より有効なミクロセル凍結保存液が示されたため、従来法と比較して、凍結保存したミクロセルを用いた21HAC2導入効率の比較を行った。
この検討の結果、図2に示すように、従来法で得られた平均薬剤耐性細胞コロニー数は176個であり、凍結保存ミクロセルを用いた場合は164個であった。スチューデントのt検定の結果、P=0.165>0.05であり、有意な差はなかった。このことから、従来法と比較して、凍結保存したミクロセルを用いた場合でも同等の21HAC2導入効率が得られることが示された。
本発明は、染色体、染色体断片、人工染色体などの巨大核酸をミクロセル融合により供与細胞から受容細胞に移行させるための重要な技術であるミクロセル融合法において、ミクロセルの長期保存に関するものであるので、ミクロセルを必要なとき必要な場所で使用することが可能になり、染色体技術に関わる医療分野、農業分野、等で利用可能である。

Claims (7)

  1. 動物細胞由来ミクロセル及び動物細胞用培地を含有する、血清含有又は無血清の動物細胞凍結保存液であって、前記動物細胞由来ミクロセルが懸濁している、かつ前記動物細胞凍結保存液が凍結されていることを特徴とする、並びに、前記動物細胞凍結保存液が、前記動物細胞由来ミクロセル及び、(1)セルバンカー(登録商標)又は(2)血清及びジメチルスルホキシドを含有する動物細胞用培地からなることを特徴とする上記動物細胞凍結保存液。
  2. 動物細胞凍結保存液1mlあたりのミクロセル数が、1×104〜1×109個である、請求項1に記載の動物細胞凍結保存液。
  3. ミクロセルが外来核酸を含むものである、請求項1又は2に記載の動物細胞凍結保存液。
  4. 外来核酸が、有用な遺伝子、遺伝子座若しくはcDNAからなる群から選択されるDNAを含む、染色体、染色体断片又は人工染色体である、請求項3に記載の動物細胞凍結保存液。
  5. 動物細胞由来ミクロセルを、動物細胞用培地を含有するかつ前記ミクロセルを含有しない、血清含有又は無血清の動物細胞凍結保存液に懸濁し、前記動物細胞凍結保存液を−20℃〜−270℃で凍結保存することを含む、但し前記動物細胞凍結保存液が、(1)セルバンカー(登録商標)又は(2)血清及びジメチルスルホキシドを含有する動物細胞用培地である、ミクロセル保存方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の、動物細胞由来ミクロセルを含有するかつ凍結された動物細胞凍結保存液から前記ミクロセルを融解し、及び、無血清動物細胞用培地で洗浄してミクロセルを回収すること、並びに、前記ミクロセルと受容細胞とを融合し、融合した受容細胞を回収することを含む、凍結保存ミクロセルを用いたミクロセル融合方法。
  7. 無血清動物細胞用培地でのミクロセルの洗浄を2回行う、請求項6に記載の方法。
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