JP2000325077A - 細胞融合方法 - Google Patents

細胞融合方法

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JP2000325077A JP2000061944A JP2000061944A JP2000325077A JP 2000325077 A JP2000325077 A JP 2000325077A JP 2000061944 A JP2000061944 A JP 2000061944A JP 2000061944 A JP2000061944 A JP 2000061944A JP 2000325077 A JP2000325077 A JP 2000325077A
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Koji Itagaki
康治 板垣
Masao Kishi
昌生 岸
Makoto Takakura
良 高倉
Tomoko Sudo
朋子 須藤
Yoshio Imamura
美生 今村
Morimasa Tanimoto
守正 谷本
Naohiko Kajima
直彦 鹿島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な細胞融合方法の提供。 【解決手段】 細胞をポリエチレングリコール(PE
G)及びジメチルスルフォキシド(DMSO)溶液で浸
漬処理した後、電気パルス法により除核卵子と融合させ
ることを特徴とする、細胞融合方法。 【効果】 効率のよい細胞融合方法が提供され、クロー
ン動物あるいはトランスジェニック動物等を作製する方
法として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞、特に乳腺由
来細胞をポリエチレングリコール(PEG)及びジメチ
ルスルフォキシド(DMSO)溶液で処理した後、電気
パルス法により除核卵子と細胞融合することを特徴とす
る、細胞融合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核移植は、ある1個の細胞の核を他の細
胞に移植する操作であり、この操作により核を供与する
細胞(核体)1個を、核を除いた卵子(除核卵子)に細
胞融合させ核移植胚を作製し、これを体内又は体外培養
し、さらに受胚雌の子宮に移植することで産子を得るこ
とができる。この技術を用いることにより、同一遺伝情
報を持つ複数の個体(クローン動物)を得ることが可能
となる。家畜における核移植(Nuclear transplantatio
n)は、1986年、S.M.Willadsen がヒツジにおいて8 -16
細胞期の受精卵を、未受精卵から核を除去した細胞質に
移植し、電気的な細胞融合方法によって初めて成功した
(Nature,320,63-65,1986) 。ウシでは、1987年、R.S.Pr
ather らが同様の方法で成功している(Biology of Repr
oduction 37,859-866,1987) 。以来、核移植については
多数の報告がある。しかしながら、この方法では、受精
卵を核体に用いることから数に限りがある。そこで、よ
り多くのクローン動物を得るため、一度に大量の核体を
供給できる培養細胞を利用する試みがなされてきた。19
93年、M.M.Simsらはウシ胚盤胞期受精卵の内部細胞塊を
27日間培養後、これを用いて核移植を行い、産子を得る
ことに成功した(Proceeding of the National Academy
of Science USA,90,6143-6147,1993) 。さらに1996年に
はK.H.S.Campbellらはヒツジにおいてembryonic disc由
来の培養細胞(継代6-13代) を血清飢餓状態にし、この
細胞を核移植することにより、産子の獲得に成功した(N
ature,380,64-66,1996) 。又、1997年にはI.Wilmutらが
ヒツジにおいて培養した乳腺細胞及び線維芽細胞を血清
飢餓状態にし、同様に産子を獲得した(Nature,385,810-
813,1997) 。しかしながらこの場合、得られた頭数は乳
腺細胞では277個の核移植胚から1頭(発生率:0.4
%)、胎児線維芽細胞の場合で172個から3頭(発生
率:1.7%)と、非常に少なく、確立した技術とは言えな
い状況であった。その後、多くの研究者が同様の方法で
体細胞クローン動物を作出する試みを行った結果、複数
のクローン産子が得られている(Nature,394,368-373,1
998 、Science,282,2095-2098,1998、Theriogenology,5
1,216,1999)。しかし、そこで使用される体細胞の多く
は線維芽細胞、卵管由来細胞、あるいは卵丘細胞等であ
り、乳腺細胞を用いたクローン動物はI.Wilmutらが作出
したクローンヒツジ『ドリー』以降、得られていない。
この原因として、線維芽細胞等と比較して乳腺細胞では
融合率、発生率が低いこと等が挙げられる(Nature,385,
810-813,1997) 。
【0003】しかしながら、トランスジェニック動物を
作出する場合、線維芽細胞では、例えばヒト遺伝子を導
入し乳腺で発現させて乳中に目的物質を分泌させる際、
遺伝子の導入は確認できても、導入した遺伝子の発現レ
ベルを確認することはできない。一方、乳腺細胞では、
導入した遺伝子の発現レベルを核移植前に予めin vitro
で確認することができるため、効率的に目的物質の生産
性が高い動物を作出することが可能である。初乳由来の
乳腺細胞を利用する場合、上記した利点の他に、細胞の
採取時に生体を傷つけることがなく、線維芽細胞等の混
入もないため目的とする乳腺細胞のみを確実に得ること
ができるという点がある。実際に、生体を傷つけること
により採取する方法で細胞を提供した動物が死亡した例
があり、乳腺細胞、とりわけ生体を傷つけずに採取でき
る乳由来の乳腺細胞を用いたクローン動物作出法の確立
は不可欠であり、その過程において、乳腺細胞の分離、
培養の効率化、移植した乳腺細胞の融合率、発生率の向
上が重要である。
【0004】核移植における細胞融合方法としては、電
気パルス法が一般的に広く用いられている。その際、電
気パルスをかける時点で核を供与する細胞が、それを受
容する卵子と接していることが融合するための条件とな
る。そこで、接着性を高めるためにフィトヘマグルチニ
ン(PHA)等が用いられている(Biology of Reprodu
ction,50,935-939,1994 )。しかしながら、乳腺細胞に
おいてはPHA等を利用しても、融合率の向上は認めら
れない。この理由として、線維芽細胞等と比べてトリプ
シン処理によって単離後、再び培養容器の底面等に接着
するまでに要する時間が長いこと、あるいは細胞膜の形
状の違い等が挙げられる。この原因は、接着するために
必要となるコラーゲン等の細胞外マトリックスの種類や
量、分泌されるまでの時間等の違いや細胞膜を構成する
成分の質的、量的な違いに起因することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、乳から分離した乳腺
細胞等の細胞を培養後、除核した体外培養由来の除核卵
子への核移植に先立って、PEG及びDMSO溶液に浸
漬処理することによって、融合率を飛躍的に向上できる
ことを見出した。即ち本発明は、細胞をポリエチレング
リコール(PEG)及びジメチルスルフォキシド(DM
SO)で処理した後、電気パルス法により融合させるこ
とを特徴とする、細胞融合方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、乳腺細胞等の
細胞をポリエチレングリコール(PEG)及びジメチル
スルフォキシド(DMSO)溶液で処理した後、電気パ
ルス法により融合させることを特徴とする、細胞融合方
法に関する。詳しくは、哺乳動物の乳から分離した乳腺
由来細胞等を、必要に応じて血清飢餓培養した後、PE
G及びDMSO溶液に浸漬し、洗浄後、除核卵子の囲卵
腔内に1個ずつ注入し、電気パルス法によって細胞融合
することを特徴とする細胞融合方法に関する。又、PE
Gを10〜80%、DMSOを1〜20%濃度で使用す
ることを特徴とする細胞融合方法に関する。本発明によ
り、効率のよい細胞融合方法が提供され、クローン動物
あるいはトランスジェニック動物等を作製する方法とし
て有用である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において対象となる細胞
は、動物細胞であれば特に限定されないが、好ましくは
乳由来細胞、特に好ましくは乳腺上皮細胞等の乳腺由来
細胞を用いる。又、動物種、使用する乳についても限定
されないが、好ましくは分娩後7日以内、特に好ましく
は1日以内に採取したウシの初乳が挙げられる。例え
ば、ウシの初乳から分離した乳腺上皮細胞を常法に従い
培養し、必要に応じて継代培養を行う。細胞の継代数も
特に限定されるものではない。移植に使用する細胞は、
通常コンフルエントに至るまで培養する場合が多いが、
不可欠な要件ではない。又、必要に応じて、コンフルエ
ントに至った細胞を5%以下、好ましくは1%のウシ胎
児血清を含む培地、特にDMEMを用いて5日間以上、
特に好ましくは6日間培養する(血清飢餓培養)。次い
でトリプシン処理により細胞を培養容器から剥がし単離
する。このようにして単離した細胞をPEG及びDMS
O溶液で浸漬処理する。又、通常の培養、すなわち血清
を添加した培地を用いた培養、あるいは血清飢餓培養後
に細胞を単離し、これらを一旦凍結保存後に融解し、耐
凍剤を除去してからPEG及びDMSO溶液で浸漬処理
しても良い。
【0008】使用するPEGの分子量は特に限定されな
いが、200〜8,000程度の分子量のものが好まし
い。PEGの濃度は特に限定されないが、好ましくは1
0〜80%、特に好ましくは40〜60%であり、リン
酸緩衝液等を用いて溶液を調製すればよい。又、DMS
Oの濃度も特に限定されないが、好ましくは1〜20%
である。又、PEG及びDMSO溶液のpHについても
特に限定されないが、好ましくはpH6.0〜9.0に
調整する。浸漬処理時間についても特に限定されない
が、好ましくは60分間程度浸漬処理を行う。浸漬処理
の後、使用したPEG及びDMSO溶液の10倍量以上
の培養液(DMEM等)で希釈し、遠心分離によって細
胞を分離する。得られた細胞を、雌ウシ屠体卵巣から採
取し、体外にて成熟培養後、10〜30時間、好ましく
は19〜20時間経過した未受精卵から核染色体物質を
除去して調製した除核卵子の囲卵腔内に注入用ピペット
にて挿入後、細胞融合液中で保持用ピペットにて誘導
し、微小(100〜150μm)な電極を用いて10〜
50V/mm、10〜50マイクロ秒、1回以上の電気パル
ス、好ましくは24V/mm、20マイクロ秒、1回の電気
パルスにより、挿入した細胞と除核卵子を融合する。こ
の方法により、細胞の融合率が飛躍的に高まり、融合後
さらに化学合成培地、好ましくはウシ血清あるいはウシ
血清アルブミンを含む修正合成卵管液培地で0〜15日
間、好ましくは7日間in vitroで培養することにより、
胚盤胞まで効率よく発生させることができる。
【0009】
【実施例】以下の実施例をもって、本発明をより詳細に
説明する。
【0010】
【実施例1】初乳からの乳腺上皮細胞の分離及び培養 分娩後7日以内、好ましくは1日以内に採取した初乳5
00mlを滅菌したpH7.0のリン酸緩衝液(PBS)
で2倍に希釈後、遠心分離(1,000rpm以下、5
分間)した。このPBSによる洗浄操作を3回以上繰り
返し、得られた沈殿を15%濃度のウシ胎児血清(FC
S)と通常の10倍濃度の抗生物質(ペニシリン(明治
製菓社)2,500units/ml、ゲンタマイシン
(シグマ社)500μg /ml、ストレプトマイシン(明
治製菓社)10mg/ml、ポリミキシンB(シグマ社)5
00units/ml、ファンギゾン(ギブコBRL社)2
5μg/ml)を含むダルベッコ変法イーグル培地(DM
EM、ギブコBRL社)に懸濁した。この懸濁液を初代培
養用フラスコ(プライマリア、ファルコン社、25c
m2)に入れて24〜48時間、37℃、5%CO2 存在
下で培養した。次いで通常濃度の抗生物質と10%濃度
のFCSを含むDMEMに交換して、さらに培養を続け
た。その結果、7〜14日間の培養で乳腺上皮細胞のコ
ロニーが観察され、以後、活発な増殖が認められた。コ
ンフルエントに至るまで培養後、継代培養を繰り返し、
核移植に使用するもの以外は、常法に従って液体窒素中
で凍結保存した。
【0011】
【実施例2】細胞の血清飢餓培養 実施例1で得られた乳腺上皮細胞を、コンフルエント状
態まで増殖培地(10%濃度のFCSを含むDMEM)
で培養した。培養後、培地を捨て、PBSで細胞を3回
洗浄した後、血清制限培地でさらに培養した。血清制限
培地には、1%濃度のFCSを含むDMEMを用い、6
日間培養した。
【0012】
【実施例3】除核卵子の調製 ウシ屠体卵巣から小卵胞を吸引して、卵子卵丘細胞複合
体を採取し、10%濃度のウシ胎児血清(FCS)、
0.02AU/ml濃度の卵胞刺激ホルモン(デンカ製薬
社)、1μg /ml濃度のエストラジオール17β(シグ
マ社)、0.5mMピルビン酸ナトリウム(ナカライテ
スク社)、及び1%抗菌・抗真菌剤(ペニシリン、スト
レプトマイシン、アンフォテリシンB)を含むm−19
9中で、39℃、5%CO2 、95%空気及び飽和湿度
下で19〜20時間成熟培養した。次いで、卵子の卵丘
細胞を、1mg/ml濃度のヒアルロニダーゼ(シグマ社)
を含み10%濃度のFCSを含むリン酸緩衝液(FCS
−PBS)中で、ボルテックスミキサーで5分間攪拌す
ることにより、あるいはピペッティング操作を行うこと
により除去した。卵子を5μg /mlサイトカラシンB
(シグマ社)を含むFCS−PBS中で、顕微操作によ
り第1極体とともに周辺の細胞質を一部吸引し、5μg
/ml濃度のヘキスト33342(シグマ社)に3分間浸
漬後、蛍光顕微鏡下で数秒間観察し、染色体の見られな
かった卵子を除核卵子とした。
【0013】
【実施例4】細胞融合条件の検討 PEG溶液への浸漬処理による除核卵子との細胞融合条
件の検討を行った。即ち、実施例2で得られた乳腺上皮
細胞をPBSで3回洗浄後、CaCl2 、MgCl2
6H2 O、MgSO4 ・7H2 Oを含まないハンクス平
衡塩類緩衝液に溶解した0.25%濃度のトリプシンを
含む1mM EDTA・4Na液(ギブコBRL社)を用
いて、37℃、10分間処理し、単離した細胞を、PB
Sで分子量1,450のPEG(シグマ社)を50%濃
度に溶解し、さらに5%濃度となるようにDMSO(シ
グマ社)を添加した後、pHを8.0に調整したPEG
及びDMSO溶液で、1、5、10、15、30分間そ
れぞれ浸漬処理後、1%濃度のFCSを含むDMEMを
PEG及びDMSO溶液の10倍量添加し、ピペッティ
ング操作にて攪拌後、遠心分離(1,000rpm以
下、5分間)した。このようにして得られた細胞を、P
HAを含むm−199中で顕微操作により1個ずつ実施
例3の方法で除核した除核卵子の囲卵腔内に注入し、細
胞質に接着して核移植胚を作製した。細胞融合は、顕微
操作が可能な微小電極と細胞融合装置を用いて、チンマ
ーマン融合液中で、24V/mmの直流電流を20マイ
クロ秒で1回の電気パルスにより行った。結果を表1に
示す。この結果、PEG及びDMSO溶液への浸漬処理
を1〜15分間、特に5〜10分間行うことにより、細
胞の融合率を高めることができることが明らかとなっ
た。
【0014】
【表1】
【0015】
【実施例5】PEGの分子量の違いによる融合率への影
実施例4と同様にして調製した乳腺上皮細胞を、PBS
に50%濃度となるように溶解し、pHを8.0に調整
した分子量200、400、1,450、8,000、
20,000のPEG、及び5%濃度のDMSOを含む
PEG及びDMSO溶液それぞれに5分間浸漬処理後、
1%濃度のFCSを含むDMEMをPEG及びDMSO
溶液の10倍量添加し、遠心分離(1,000rpm以
下、5分間)した。このようにして得られた細胞を実施
例4で示した方法で除核卵子の囲卵腔内に注入し、細胞
融合した。結果を表2に示す。この結果、PEGの分子
量は、好ましくは200〜8,000のものを使用する
ことにより、融合率を高めることができることが明らか
となった。
【0016】
【表2】
【0017】
【実施例6】PEG及びDMSO溶液のpHの違いによ
る融合率への影響 実施例4と同様にして調製した乳腺上皮細胞を、PBS
で50%濃度となるように溶解し、pHを6.0、7.
0、8.0、9.0に調整した分子量1,450のPE
G及び10%濃度のDMSOを含むPEG及びDMSO
溶液それぞれに5分間浸漬処理後、1%濃度のFCSを
含むDMEMをPEG及びDMSO溶液の10倍量添加
し、遠心分離(1,000rpm以下、5分間)した。
このようにして得られた細胞を実施例4で示した方法で
除核卵子の囲卵腔内に注入し、細胞融合した。結果を表
3に示す。この結果、PEG及びDMSO溶液のpHは
6.0〜9.0、好ましくは8.0に調整したものを使
用することにより、融合率を高めることができることが
明らかとなった。
【0018】
【表3】
【0019】
【実施例7】凍結後融解した細胞を用いた場合の融合率
への影響 実施例2で得られた血清飢餓培養後の乳腺上皮細胞を、
実施例4の方法で単離後、常法に従って10%濃度のD
MSO(シグマ社)及び30%濃度の牛胎児血清(FCS,
JRH バイオサイエンス社)を含むDMEM(ギブコBRL社)
1.5 〜2.0 mlに再浮遊させ、−90℃以下の冷凍庫で
一晩冷却後、液体窒素中で凍結保存した。凍結保存細胞
を37℃の温湯中で融解後、DMEM 10ml で希釈・遠
心洗浄した。上清除去後の細胞沈殿に、PBSで50%
となるように溶解し、pH8.0に調整した分子量1,4
50のPEG及び10%濃度のDMSOを含むPEG及
びDMSO溶液1mlに攪拌にて再浮遊させ、5分間浸漬
処理後、1%濃度のFCSを含むDMEMをPEG及び
DMSO溶液の10倍量添加し、遠心分離(1,000
rpm以下、5分間)した。このようにして得られた細
胞を、実施例4で示した方法で除核卵子の囲卵腔内に注
入し、細胞融合した。PEG及びDMSO溶液で浸漬処
理しなかった乳腺上皮細胞を対照とし、融合率を比較し
た。結果を表4に示す。この結果、PEG及びDMSO
溶液で処理することにより、血清飢餓培養後、凍結保存
した細胞においても、融合率を高めることができること
が明らかとなった。
【0020】
【表4】
【0021】
【実施例8】PEG及びDMSO溶液の発生率に及ぼす
影響 実施例4と同様にして調製した乳腺上皮細胞を、PBS
で50%濃度となるように溶解し、pH8.0に調整し
た分子量1,450のPEG及び10%濃度のDMSO
を含むPEG及びDMSO溶液に5分間浸漬処理後、1
%濃度のFCSを含むDMEMをPEG及びDMSO溶
液の10倍量添加し、遠心分離(1,000rpm以
下、5分間)した。このようにして得られた細胞を実施
例4で示した方法で除核卵子の囲卵腔内に注入し、細胞
融合した。次いで、20%濃度のFCSを含むHEPE
S緩衝タイロード培地(FCS−TL−HEPES)に
10μg /ml濃度のシクロヘキシミド(CHX)及び5
μg /ml濃度のサイトカラシンBを含有させた培地中に
1時間浸漬し、さらに10μg /ml濃度のCHXを含む
FCS−TL−HEPESに4時間浸漬することにより
活性化した。活性化した胚を10%濃度のFCS、ある
いは3mg/ml濃度のウシ血清アルブミン(BSA)を含
む修正合成卵管液培地中で、39℃、5%CO2 、90
%N2 及び飽和湿度下で7〜8日間培養した。結果を表
5に示す。この結果、PEG及びDMSO溶液で処理す
ることにより、胚盤胞までの発生率を高めることができ
ることが明らかとなった。
【0022】
【表5】
【0023】
【発明の効果】本発明は、細胞をポリエチレングリコー
ル(PEG)及びジメチルスルフォキシド(DMSO)
溶液で浸漬処理した後、電気パルス法により細胞融合さ
せることを特徴とする、細胞融合方法に関する。本発明
により、効率のよい細胞融合方法が提供され、クローン
動物あるいはトランスジェニック動物等を作製する方法
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 美生 北海道札幌市中央区北4条西13丁目1−27 −402 (72)発明者 谷本 守正 埼玉県川越市笠幡107−28 (72)発明者 鹿島 直彦 北海道千歳市柏陽4丁目9−8 Fターム(参考) 4B024 AA07 AA10 BA80 DA02 GA03 GA08 GA10 4B033 NG05 NH01 NJ01 4B065 AA90X AA90Y AB04 AC12 BA08 BB31 CA60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞をポリエチレングリコール(PE
    G)及びジメチルスルフォキシド(DMSO)溶液で処
    理した後、電気パルス法により除核卵子と細胞融合する
    ことを特徴とする、細胞融合方法。
  2. 【請求項2】 細胞が乳腺由来細胞である、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 細胞が血清飢餓培養された細胞である、
    請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 細胞が血清飢餓培養された後に凍結され
    た細胞である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 PEGの濃度が10〜80%である、請
    求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 DMSOの濃度が1〜20%である、請
    求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013192466A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Tottori Univ ミクロセル保存方法

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JP2013192466A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Tottori Univ ミクロセル保存方法

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