JP6133091B2 - ピッチ系炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、表面に酸素原子を有し、水系溶媒への親和性に優れるピッチ系炭素繊維に関する。
炭素繊維は、高い機械特性、耐薬品性、高導電性、高熱伝導性等の優れた特性を有しており、機械強度向上を目的とした航空機、自動車、レジャー用品、一般産業等さまざまな分野において広く利用されている。さらに近年では、極細サイズの繊維径をもつ炭素繊維を開発する試みもなされており、比表面積が高く品位にも優れる極細炭素繊維は補強用フィラーとしてのみならず、樹脂への導電性付与材、電磁波シールド材、電極の導電助材等多くの分野での用途が期待されている。
例えば、極細炭素繊維を提供する方法としては、気相法、メルトブロー法、エレクトロスピニング法、および樹脂との混合による溶融紡糸法が報告されている。気相法を用いた製造法としては、浮遊状態で気相法により炭素繊維を生成させる方法(例えば、特許文献1)、あるいは反応炉壁に成長させる方法(例えば、特許文献2を参照)等が開示されている。
また、メルトブロー法(例えば、特許文献3、特許文献4)やエレクトロスピニング法(例えば、特許文献5、特許文献6)によるピッチ系極細炭素繊維を作製する方法が開示されている。
さらにまた、熱可塑性樹脂と炭素源樹脂との混合による溶融紡糸法(特許文献7、特許文献8、特許文献9)も報告されている。
特開昭60−54998号公報 特許第2778434号公報 特許第2680183号公報 特開2000−8227号公報 特開2009−203565号公報 特許第4697901号 特開2008−169511号公報 特開2005−060882号公報 特開2005−248371号公報
近年、環境への配慮から、さまざまな工程において有機溶媒系のものを水系溶媒へ変更する試みがなされている。しかしながら、特許文献1〜9により得られた炭素繊維は、いずれも表面の極性が低いため、水への親和性に乏しい。特に、これらの炭素繊維を水系溶媒へ分散することは容易ではない。
したがって、本発明の目的は、水系溶媒への親和性に優れるピッチ系炭素繊維を提供することである。
本発明の別の目的は、導電性に優れる炭素繊維を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、平均直径の小さい極細炭素繊維を提供することである。
本発明の他の目的は、分散助剤を用いなくとも、単独で水系溶媒中に分散することが可能な炭素繊維を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、導電性に優れ、且つ水系溶媒中にも良好に分散性する極細炭繊維を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系ポリマーとメソフェーズピッチとを溶融混練によって混合し、ポリビニルアルコール系ポリマーを海部、メソフェーズピッチを島部とした海島型複合繊維を形成し、この海島型複合繊維を炭素化処理した場合、(i)ピッチは易黒鉛化物質であり、溶融紡糸することにより高い配向性が付与され、これを炭素化することによって高結晶性炭素繊維が得られる一方、(ii)PVA系ポリマーは難黒鉛性物質であり、炭素化処理によってその大部分が消失するが、PVA系ポリマーの一部はメソフェーズピッチとの界面において残存し、表面官能基を有した非晶性炭素として存在することを見出した。さらに(iii)このような炭素繊維は、高結晶性成分と表面官能基の存在によって、水系溶媒に対する親和性、特に水に対する分散性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の第1の実施形態は、ピッチ系炭素繊維であって、X線光電子分光装置によって測定される炭素繊維表面の炭素原子に対する酸素原子の存在比を意味する表面酸素濃度比(O/C)が0.02以上であるピッチ系炭素繊維である。
前記ピッチ系炭素繊維は、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igが0.1以上0.5未満であってもよく、また、X線回折法における結晶格子面間隔が0.37nm以下であってもよい。さらにまた、体積固有抵抗値が5×10−2Ω・m以下であってもよい。
また、ピッチ系炭素繊維は、平均繊維径が0.01〜10μmの極細炭素繊維であるのが好ましい。また、平均繊維長が5μm以下であるのが好ましい。前記ピッチ系炭素繊維は、メソフェーズピッチ系炭素繊維であってもよい。
また、本発明の第2の実施形態は、ピッチ系炭素繊維の製造方法を包含する。前記製造方法は、
溶融しうるポリビニルアルコール系ポリマー(例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体)とピッチとを溶融混練し、混合樹脂を得る混練工程と、
この混合樹脂を溶融紡糸して、ピッチを島成分として、ポリビニルアルコール系ポリマーを海成分として備える海島型複合繊維を得る紡糸工程と、
この海島型複合繊維に対して不融化処理を施す不融化工程と、
不融化された海島型複合繊維を熱処理し、ポリビニルアルコール系ポリマーを熱分解して、炭素繊維前駆体を得る熱分解工程と、
この炭素繊維前駆体を炭素化および黒鉛化してピッチ系炭素繊維を得る工程と、
を備える。
前記製造方法では、溶融紡糸が150〜350℃で行われてもよい。また、黒鉛化処理が1200℃〜3000℃で行われてもよい。
さらに、前記製造方法は、紡糸工程で得られた紡糸原糸をさらに延伸する延伸工程を備え、この延伸糸に対して不融化処理が行われてもよい。
また、本発明の第3の実施形態は、ピッチ系炭素繊維で構成された導電性布帛を包含し、本発明の第4の実施形態は、ピッチ系炭素繊維で構成された導電性材料を包含する。
本発明によれば、ポリビニルアルコール系ポリマーを海成分とし、ピッチを島成分とする海島型複合繊維を利用して炭素繊維を形成することにより、導電性を有するとともに、水などの水性溶媒への親和性に優れるピッチ系炭素繊維を生産性に優れた方法にて製造することができる。
また、海島型複合繊維を利用することにより、平均直径の小さい極細炭素繊維を製造することである。
さらに、黒鉛化処理の条件などを調節することにより、導電性に特に優れる炭素繊維を得ることができる。
このような炭素繊維は、分散助剤を用いなくとも、単独で水系溶媒中に分散することが可能となる。
実施例1で得られた繊維を水に撹拌し、10分間静置後の分散状態を示す写真である。 実施例2で得られた繊維を水に撹拌し、10分間静置後の分散状態を示す写真である。 実施例3で得られた繊維を水に撹拌し、10分間静置後の分散状態を示す写真である。 実施例4で得られた繊維を水に撹拌し、10分間静置後の分散状態を示す写真である。 比較例1で得られた繊維を水に撹拌し、10分間静置後の分散状態を示す写真である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、ピッチ系炭素繊維であって、その表面に存在する酸素原子に由来して、X線光電子分光装置によって測定される炭素繊維表面の炭素原子に対する酸素原子の存在比を意味する表面酸素濃度比(O/C)が0.02以上である。
このピッチ系炭素繊維は、以下の方法により製造することができる。
(混練工程)
本発明の繊維の製造方法について説明する。まずあらかじめ溶融しうるポリビニルアルコール系ポリマー(以下、PVA系ポリマーと略する場合がある)とピッチを溶融混練し、混合樹脂を作製する。
溶融しうるPVA系ポリマーについて説明する。前記PVA系ポリマーは、ビニルアルコールユニットを主成分とするものであり、ビニルアルコールユニットは、例えば、ビニルエステルを重合して得られるポリビニルエステルをケン化することにより得ることができる。ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどを挙げることができるが、これらの中でも酢酸ビニルが生産性の観点から好ましい。
本発明に用いる溶融しうるPVA系ポリマーの重合度は特に限定されるものではないが、工程通過性および得られる繊維の機械的特性や寸法安定性等を考慮すると、30℃水溶液の粘度から求めた平均重合度が300〜20000のものが望ましい。ポリマー製造コストや繊維化コストなどの観点から、より好ましくは、平均重合度が500〜3000である。
本発明で用いる溶融しうるPVA系ポリマーのケン化度は特に限定されるものではないが、得られる繊維の力学物性の点から、88モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル以上であることが好ましい。溶融しうるPVA系ポリマーのケン化度が低すぎるものを使用した場合、得られる繊維の機械的特性や工程通過性、製造コストなどの面で好ましくない。
PVA系ポリマーを溶融可能にする構成単位としては、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン類(好ましくは、炭素数2〜20のα−オレフィン類)などが挙げられる。これらのうち、炭素数2〜5のα−オレフィン類が好ましく、特にエチレンが好ましい。これらの構成単位は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。
オレフィン類の含有量は、その種類や求められる性質に応じて、PVA系ポリマー全体の構成単位に対して、2〜90モル%の広い範囲から選択することが可能であり、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%であってもよい。
さらに、本発明の効果を損なわない限り、所望により他の構成単位を有していてもかまわない。このような構造単位としては、例えば、アクリル酸及びその塩とアクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、ポリアルキレンオキシドを側鎖に有するアリルエーテル類、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、マレイン酸およびその塩またはその無水物やそのエステル等の不飽和ジカルボン酸等がある。これらの構造単位は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。このような変性ユニットの導入法は共重合による方法でも、後反応による方法でもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じてポリマー中に酸化防止剤、凍結防止剤、pH調整剤、隠蔽剤、着色剤、油剤、特殊機能剤などの添加剤が含まれていてもよい。
PVA系ポリマーの融点は、ピッチと溶融混練できる限り特に限定されず、ピッチとの溶融混練および紡糸工程における安定性を確保するためには、例えば、110℃〜250℃程度であってもよく、好ましくは120〜230℃、より好ましくは130〜210℃であってもよい。
次に、ピッチについて説明する。
ピッチとは、石炭や石油の蒸留残渣や、ナフタレンやフェナントレンなどの多環芳香族炭化水素などから得られたものであり、溶融状態で光学的等方性を示す等方性ピッチと、溶融状態で光学的異方性相(液晶相)を形成しうる異方性ピッチ(またはメソフェーズピッチ)のいずれであってもよい。結晶性が高く、導電性を向上できる観点からは、メソフェーズピッチが好ましい。使用するピッチのメソフェーズ率は特に限定されないが、高結晶性、高炭化率の炭素繊維が得られるという観点から、ピッチのメソフェーズ率は、例えば70〜100%、好ましくは90〜100%であってもよい。なお、メソフェーズピッチのメソフェーズ率は、溶融状態にあるピッチを偏光顕微鏡で観察することで判断することができる。
PVA系ポリマーと溶融混練することができる限り、使用するピッチの軟化点は特に限定されず、ピッチの軟化点は、例えば110℃〜350℃の幅広い範囲から選択できるが、PVA系ポリマーとの溶融混練および紡糸工程における安定性を確保するためには、ピッチの軟化点は、好ましくは120〜250℃、より好ましくは130〜220℃であってもよい。
PVA系ポリマーとピッチとの溶融混練は公知の方法を使用することができ、例えば一軸式溶融混練押出機、二軸式溶融混練押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等が挙げられる。これらの中でPVA系ポリマーとピッチとを良好にミクロ分散できるという目的から、二軸溶融押出機が好ましく使用される。溶融温度は、使用するPVA系ポリマーおよびピッチの種類に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、PVA系ポリマーの熱分解を抑制するとともに、PVA系ポリマーおよびピッチのミクロ分散を促進する観点から、例えば、150℃〜350℃であってもよく、好ましくは180〜300℃であってもよい。
溶融混練の時間はPVA系ポリマーとピッチの混合比率、目的とする繊維径によって適宜選択され、特に限定されない。
PVA系ポリマーとピッチの混合比率は特に限定はされないが、PVA系ポリマーとピッチの混合比(重量比)は、例えば、PVA系ポリマー/ピッチ=98/2〜40/60であってもよく、、好ましくはPVA系ポリマー/ピッチ=90/10〜50/50であってもよい。ピッチが少なすぎると、焼成後の収率が非常に低く、生産性に著しく乏しく、ピッチが多すぎると、海成分がPVA系ポリマーであり島成分がピッチである良好な海島型複合繊維が得られなくなるおそれがある。
(紡糸工程)
次いで、混練工程において得られた混合樹脂を溶融紡糸して、紡糸原糸が得られる。
溶融紡糸の方法は、公知の方法を用いることができる。溶融紡糸時の温度は、特に限定はされないが、150℃〜350℃の範囲であることが好ましく、180℃〜330℃の範囲であることがより好ましい。紡糸口金の孔径は目的とする繊維径により適宜選択されるが、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.5mmである。
この混合樹脂を溶融状態で紡糸口金から押出し、海成分がPVA系ポリマーであり、島成分がピッチである海島型複合繊維を溶融紡糸する。海島型複合繊維の平均繊維直径、島成分の平均直径などは、PVA系ポリマーとメソフェーズピッチの混合比率、紡糸口金の孔径によって目的とする形状に制御することができる。
さらに紡糸口金より得られた繊維を、溶融状態もしくは軟化状態において延伸することによって、ピッチ成分をさらに伸長、配向させることができる。延伸倍率は、例えば、1.1〜30倍の広い範囲から選ぶことができ、好ましくは3〜20倍、より好ましくは5〜15倍であってもよい。延伸倍率を適宜選択することにより、海島型複合繊維および島成分の平均直径を制御することが可能となる。
(不融化工程)
次に、このようにして得られた海島型複合繊維に対して不融化処理を施し、繊維中のピッチ成分に熱安定性を付与する。不融化処理は、空気、酸素、オゾン、二酸化窒素、ハロゲン等のガス気流下における熱処理によって行われるが、取り扱い性の容易さから空気もしくは酸素の単独ガスまたはこれらを含む混合ガスであることが好ましい。ガス気流下における不融化の具体的な方法としては、好ましくは100〜350℃、より好ましくは130〜300℃の温度において、0.5〜24時間程度熱処理することが好ましい。
(熱分解工程)
ついで、不融化された海島型複合繊維から海成分であるPVA系ポリマーを熱分解することによりピッチ系炭素繊維前駆体を得る。PVA系ポリマーの熱分解は、例えば、不活性ガス雰囲気下において、300〜600℃(好ましくは400〜550℃)として0.5〜10時間(好ましくは0.5〜5時間)処理することによって達成される。不活性ガスには二酸化炭素、窒素、アルゴン等のガスが使用されるが、窒素が特に好ましい。この処理によって大部分のPVA系ポリマーは熱分解により除去されるが、PVA系ポリマーの一部は、表面に官能基を有した非晶性炭素としてピッチ系炭素繊維前駆体に残存する。
(炭素化および黒鉛化工程)
上記のようにして得たピッチ系炭素繊維前駆体をさらに不活性ガス雰囲気下で炭素化することにより、本発明におけるピッチ系炭素繊維が得られる。炭素化は最高到達温度500℃〜1500℃であることが好ましく、600℃〜1000℃であることが更に好ましい。炭素化した繊維はさらに1200℃〜3000℃、より好ましくは1500℃〜2500℃程度の温度で黒鉛化処理することにより、黒鉛化繊維とすることができる。このとき処理温度が1200℃以下では高い導電性能を有する高結晶性炭素繊維が得られず、3000℃以上では表面官能基の残存量が極めて少なくなり、良好な分散性が得られにくい。
なお、本発明のピッチ系炭素繊維は、海島型複合繊維を用いて、張力下で連続的に不融化処理、熱分解処理、炭素化・黒鉛化処理することにより得てもよい。
または、海島型複合繊維でいったん織布または不織布を作製し、その織布または不織布を用いて、不融化処理、熱分解処理、炭素化・黒鉛化処理することにより、本発明のピッチ系炭素繊維を得てもよい。
(ピッチ系炭素繊維)
得られたピッチ系炭素繊維は、PVA系ポリマーに由来して、表面にヒドロキシル基または/およびカルボキシル基等の酸素原子を有する極性官能基をその表面に有している。そのため、X線光電子分光装置によって測定される炭素繊維表面の炭素原子に対する酸素原子の存在比を意味する表面酸素濃度比(O/C)が、0.02以上である。好ましくは、表面酸素濃度比(O/C)は0.025以上、より好ましくは0.03以上であってもよい。
このような表面酸素濃度を有することにより、ピッチ系炭素繊維であっても、炭素繊維自身の性質により、水や水系溶媒に対する良好な分散性を達成することが可能となる。
ここで、表面酸素濃度比(O/C)は、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
本発明におけるピッチ系炭素繊維は、その目的に応じて適宜その太さおよび繊維長を決定することができる。特に、本発明では、海島型複合繊維をいったん形成し、その海成分を熱分解除去することにより炭素繊維を作製するため、極細炭素繊維を得ることが可能である。極細炭素繊維の平均繊維径は、例えば、0.01〜10μm程度であってもよく、好ましくは0.05〜5μm程度であってもよく、より好ましくは0.1〜3μm程度であってもよい。ここで、極細炭素繊維の平均繊維径は、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
得られた極細炭素繊維を使用する際、その繊維の平均繊維径が小さすぎると工程通過性や生産性に乏しいため好ましくなく、大きすぎると分散性に悪影響を与える虞がある。
また、炭素繊維は、長繊維であっても短繊維(チョップドファイバー、ミルドファイバーなど)であってもよく、目的に応じて、繊維長を適宜選択できる。短繊維の場合、繊維を切断、粉砕などすることにより繊維長を調節することができる。さらに、海島型複合繊維におけるPVA系ポリマーとピッチとの混合比率、紡糸口金の孔径、延伸率を適宜調整することにより、黒鉛化処理後の炭素繊維の繊維長を調整することも可能である。
例えば、分散性を高める観点から、炭素繊維は、平均繊維長が10μm以下であってもよく、好ましくは7μm以下であってもよく、より好ましくは5μm以下であってもよい。ここで、平均繊維長は、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
炭素材料のラマンスペクトルにおいては、1350cm−1付近の非晶炭素等の欠陥部に由来するDバンドと、1590cm−1付近の結晶性グラファイトに由来するGバンドとが観測される。これらのバンドピークの強度比であるId/Igは結晶性の指標として用いられている。
特に樹脂への導電性付与材、導電助材等の用途においては、高い導電性を発揮するため高結晶性であることが求められる。そのため、本発明のピッチ系炭素繊維は、特定の結晶構造を有しているのが好ましい。
例えば、導電性に優れる場合、ピッチ系炭素繊維は、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igが例えば0.05〜0.50であってもよく、好ましくは0.08〜0.40、より好ましくは0.10〜0.30であってもよい。ここで、DバンドとGバンドの強度比Id/Igは、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
また、X線回折による結晶格子面間隔d(002)も黒鉛の結晶性の指標として用いられている。高結晶性を有する場合、X線回折法における結晶格子面間隔は、例えば0.37nm以下であってもよく、好ましくは0.365nm以下であってもよい。このような高結晶性の炭素繊維は、導電性に優れた材となる。ここで、X線回折による結晶格子面間隔は、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
また、導電性に優れる場合、ピッチ系炭素繊維の体積固有抵抗値は、例えば、5×10−2Ω・m以下であってもよく、好ましくは3×10−2Ω・m以下であってもよく、より好ましくは1×10−2Ω・m以下であってもよい。体積固有抵抗値の下限値は、特に限定されないが、1×10−5程度であってもよい。ここで、体積固有抵抗値は、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
(導電性布帛)
また、このようにして得られる本発明のピッチ系炭素繊維は、導電性布帛を作製するために有用に用いられる。例えば、導電性布帛は、(i)炭素繊維前駆体の状態で布帛とし、それを炭素化、黒鉛化することにより得られた導電性布帛であってもよく、(ii)長繊維からなる炭素繊維を一部または全部に用いて得られた導電性布帛であってもよく、また、(iii)ピッチ系炭素繊維からなる短繊維を布帛基材に混合して得られた導電性布帛であってもよい。なお上記(iii)の場合、混合比率としては布帛全体に対し0.1〜10%であることが導電性向上効果の点から好ましい。
布帛としては、織物、編物、織編物、不織布などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
(導電性材料)
本発明のピッチ系炭素繊維は、導電性を有するとともに、表面官能基に由来する樹脂への分散性や、水系溶媒に対する良好な親和性を有する。そのため、従来炭素繊維の適用が困難であった各種分野において、導電性材料として好適に用いることができる。例えば、そのような導電性材料としては、樹脂への導電性付与剤、電磁波シールド材、電極の導電付与材等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例により何等限定されるものではない。
[表面酸素濃度比(O/C)]
繊維の表面酸素濃度比(O/C)は、次の手順に従ってX線光電子分光装置(XPS)によって求めることができる。測定には、アルバック・ファイ(株)製Quantera SXMを使用した。X線源を単色化したAlKα線(25W 15kV)、光電子取り出し角度45度として測定を行った。結合エネルギーはC1sスペクトルにおけるC−Cに帰属されるシグナルのピークトップ位置を284.8eVに合わせて補正を行った。O1sピーク面積は、528〜540eVの範囲でShirleyの方法に従ってベースラインを引くことにより求め、C1sピーク面積は、282〜292eVの範囲でShirleyの方法に従ってベースラインを引くことにより求めた。繊維表面の表面酸素濃度比O/Cは、上記O1sピーク面積およびC1sピーク面積をそれぞれの装置に固有の感度係数で補正した強度の比から計算して求められる。
[DバンドとGバンドの強度比Id/Ig]
Id/Igは、次の手順に従ってレーザーラマン装置によって求めることができる。測定には、(株)堀場製作所製LabRAM ARAMIS(レーザー波長532nm、照射時間:10秒、積算回数:5回)を使用した。Id/Igは、得られたラマンスペクトルをピーク分離した後、1580cm−1のGバンド強度に対する1360cm−1のDバンド強度の比によって求められる。
[結晶格子面間隔d(002)(nm)]
結晶格子面間隔d(002)は、広角X線回折装置によって求めることができる。測定には(株)リガク製Smartlabを使用し、CuKα線をX線源として測定した。封入管電圧は45kV、電流は200mAとした。測定により得られた回折プロファイルより、回折角2θ=24〜26度付近に現れる炭素002面に対応した回折ピークより、ブラッグの式を用いて算出することができる。
[体積固有抵抗値 (Ωcm)]
体積固有抵抗値は、試料を直径0.5cmの円筒中で圧密し、両端に10Vの電圧をかけた際の抵抗値から、以下の式により算出した。抵抗値の測定には三和電気計器(株)製デジタルマルチメーターPM3を使用した。
体積固有抵抗値(Ωcm)=抵抗値(Ω)×試料の断面積(cm)/試料間の長さ(cm)
[平均繊維径 (μm)]
黒鉛化を経たピッチ系炭素繊維を走査型電子顕微鏡を用いて観察および写真撮影を行い、無作為に選択された10箇所の繊維径の平均値を平均繊維径とした。
[平均繊維長 (μm)]
黒鉛化を経たピッチ系炭素繊維を走査型電子顕微鏡を用いて観察および写真撮影を行い、無作為に選択された10箇所の繊維長の平均値を平均繊維長とした。
[繊維の分散性]
水100部に対して、実施例または比較例で得られた繊維0.1部を添加し、その繊維を10秒間撹拌後静置し、10分間経過後の分散状態を目視により判断した。
[実施例1]
エチレン変性量が44モル%、けん化度99.5mol%のエチレン−ビニルアルコール系重合体(融点:161℃)と、軟化点170℃のメソフェーズピッチ(JFEケミカル社製MCP−165)とを250℃で溶融混練し、エチレン−ビニルアルコール系重合体とメソフェーズピッチの混合物を得た。エチレン−ビニルアルコール系重合体とメソフェーズピッチとの混合比は重量比で95/5であった。これを二軸押出機にて240℃で溶融紡糸し、海成分がエチレン−ビニルアルコール系重合体、島成分がメソフェーズピッチである海島型複合繊維を得た。得られた繊維の繊維径は70μmであった。これを空気中において150℃で5時間保持し、さらに230℃で3時間保持することによって不融化繊維を得た。
次に、この繊維を窒素雰囲気下において、5℃/分の昇温速度で500℃まで昇温し、1時間保持することによってPVA系ポリマーを熱分解除去した。
さらに、アルゴンガス雰囲気下において2800℃まで焼成することにより、極細炭素繊維を得た。得られた極細炭素繊維は、繊維の平均直径が1.0μm、平均繊維長が2μmであり、O/C値が0.036であった。また、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igは0.132であり、X線回折法における結晶格子面間隔は0.340nmであった。
得られた繊維の体積固有抵抗値を測定したところ、0.009Ω・cmであり、非常に高い導電性を有していた。また、水100部に対して得られた繊維0.1部を添加し、10秒間攪拌した後に静置し、分散状態を目視にて確認したところ、全体に均一に分散されており良好な分散状態であった(図1)。
[実施例2]
実施例1と同様の方法にて溶融混練、溶融紡糸して得られた繊維を、全延伸倍率が10倍となるように延伸し、繊維径50μmの海島型複合繊維を得た。これを実施例1と同様の方法にて不融化繊維とした。さらにアルゴンガス雰囲気下において2800℃まで焼成することにより、高結晶性極細炭素繊維を得た。得られた極細炭素繊維は、繊維の平均直径が0.8μm、平均長さが4μmであり、O/C値が0.035であった。また、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igは0.133であり、X線回折法における結晶格子面間隔は0.339nmであった。
得られた繊維の体積固有抵抗値を測定したところ、0.009Ω・cmであり、非常に高い導電性を有していた。得られた繊維を水100部に対して0.1部添加し、実施例1と同様に分散状態を目視にて確認したところ、全体に均一に分散されており良好な分散状態であった(図2)。
[実施例3]
アルゴンガス雰囲気下における焼成温度を1000℃とした以外は、実施例1と同様の方法にて極細炭素繊維を得た。得られた極細炭素繊維は、繊維の平均直径が1.0μm、平均長さが2μmであり、O/C値が0.217であった。また、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igは1.05であり、X線回折法における結晶格子面間隔は0.361であった。
得られた繊維の体積固有抵抗値を測定したところ、0.102Ω・cmであった。得られた繊維を水100部に対して0.1部添加し、実施例1と同様に分散状態を目視にて確認したところ、全体に均一に分散されており良好な分散状態であった(図3)。
[実施例4]
アルゴンガス雰囲気下における焼成温度を1000℃とした以外は、実施例2と同様の方法にて機極細炭素繊維を得た。得られた極細炭素繊維は、繊維の平均直径が0.8μm、平均長さが4μmであり、O/C値が0.190であった。また、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igは1.01であり、X線回折法における結晶格子面間隔は0.361であった。
得られた繊維の体積固有抵抗値を測定したところ、0.101Ω・cmであった。得られた繊維を水100部に対して0.1部添加し、実施例1と同様に分散状態を目視にて確認したところ、全体に均一に分散されており良好な分散状態であった(図4)。
[比較例1]
繊維の平均直径が0.15μm、O/C値が0.009、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igが0.101、X線回折法における結晶格子面間隔が0.339nmである気相成長極細炭素繊維(昭和電工株式会社製VGCF−H)の体積固有抵抗値を測定したところ、0.008Ω・cmであった。さらにこの繊維を水100部に対して0.1部添加し、実施例1と同様に分散状態を目視にて確認したところ、凝集物が観察され、全体に均一には分散されなかった(図5)。
本発明によれば、導電性を有するとともに、且つ水系溶媒への分散性にも優れる極細炭素繊維を生産性に優れた方法にて提供できるため、樹脂への導電性付与剤、電磁波シールド材、電極の導電助材等の用途に好適に使用される。

Claims (13)

  1. ピッチ系炭素繊維であって、
    炭素繊維表面に、酸素原子を有する極性官能基を有する非晶性炭素を有しているとともに、
    X線光電子分光装置によって測定される炭素繊維表面の炭素原子に対する酸素原子の存在比を意味する表面酸素濃度比(O/C)が0.02以上である、水系溶媒用のピッチ系炭素繊維。
  2. 請求項1のピッチ系炭素繊維において、ラマンスペクトルにおけるDバンドとGバンドの強度比Id/Igが0.1以上0.5未満であり、および
    X線回折法における結晶格子面間隔が0.37nm以下であるピッチ系炭素繊維。
  3. 請求項1または2のピッチ系炭素繊維において、平均繊維径が0.01〜10μmであるピッチ系炭素繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項のピッチ系炭素繊維において、体積固有抵抗値が5×10−2Ω・m以下であるピッチ系炭素繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項のピッチ系炭素繊維において、メソフェーズピッチ系炭素繊維であるピッチ系炭素繊維。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項のピッチ系炭素繊維において、平均繊維長が10μm以下であるピッチ系炭素繊維。
  7. 溶融しうるポリビニルアルコール系ポリマーとピッチとを溶融混練し、混合樹脂を得る混練工程と、
    この混合樹脂を溶融紡糸して、ピッチを島成分として、ポリビニルアルコール系ポリマーを海成分として備える海島型複合繊維を得る紡糸工程と、
    この海島型複合繊維に対して不融化処理を施す不融化工程と、
    不融化された海島型複合繊維を熱処理し、ポリビニルアルコール系ポリマーを熱分解するとともに、ポリビニルアルコール系ポリマーの一部が、表面に官能基を有した非晶性炭素として残存している炭素繊維前駆体を得る熱分解工程と、
    この炭素繊維前駆体を炭素化および黒鉛化してピッチ系炭素繊維を得る工程と、
    を備えるピッチ系炭素繊維の製造方法。
  8. 請求項7の製造方法において、溶融紡糸が150〜350℃で行われる製造方法。
  9. 請求項7または8の製造方法において、
    溶融しうるポリビニルアルコール系ポリマーが、エチレン−ビニルアルコール共重合体である製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項の製造方法において、紡糸工程で得られた紡糸原糸をさらに延伸する延伸工程を備え、この延伸糸に対して不融化処理が行われる製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項の製造方法において、黒鉛化処理が1200℃〜3000℃で行われる製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載のピッチ系炭素繊維で構成された導電性布帛。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載のピッチ系炭素繊維で構成された導電性材料。

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