JP6132333B2 - 泡注出キャップ - Google Patents
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Description
例えば、実開昭51−163005号公報(特許文献1)等に示すように、キャップ自体に使用者が操作するポンプを備えて、当該ポンプの動作により内容物と空気を混合して泡状に形成して注出する泡注出キャップが公知である。
このようにキャップ自体にポンプ機能を備えた形態のものは様々なものが知られているが、この形態では、注出の際に使用者が容器を置いた状態で操作するか、片手で容器を持ち他方の手でポンプ機能を操作することとなり、片手で容器を持って簡単に内容物を泡状に形成して注出することができないという問題があった。
また、内容物を吸い上げるように注出する構造のため、内容物が減少した際に容器の底部に残る事となり、最後まで内容物を注出することが困難であった。
例えば、実開昭61−178375号公報(特許文献2)、特開2009−149325号公報(特許文献3)等に示すように、容器を二重構造とし、容器の内部に内容物を収容する内容器を設けてその周囲を空気室とし、スクイーズ動作によって内容器から供給される内容物と空気室から供給される空気を混合して泡を形成するものが公知である。
また、特開平10−397号公報(特許文献4)等に示すように、泡注出キャップに容器の底部近辺まで延びるチューブを設け、泡注出キャップを下方に向けた際の底部近辺の空間を空気室として、スクイーズ動作によって容器内の内容物とチューブから供給される空気を混合して泡を形成するものが公知である。
さらに、特開2009−107672号公報(特許文献5)、特開2011−84320号公報(特許文献6)等に示すように、泡注出キャップに容器内に収容され内部が空気室となる内容器を設け、スクイーズ動作によって容器内の内容物と内容器から供給される空気を混合して泡を形成するものが公知である。
また、上記特許文献4乃至特許文献6に示したような泡注出キャップは、上記特許文献1に示したようなポンプ機能を備えた形態の泡注出キャップと同様に、容器の口部に取り付ける際にチューブや内容器を容器内に挿入する必要があるため、内容物充填後の泡注出キャップ取付工程が複雑となり、設備コストが増大するという問題があった。
また、チューブや内容器を容器内に円滑に挿入するために口部の径をある程度大きくする必要があり、容器の設計の制約が大きいという問題があった。
さらに、泡注出キャップ自体もチューブや内容器を備えた複雑で大きな構造のものとなるため、製造コストが増大するとともに、その輸送・保管やハンドリングのコストも増大し、使用者にとっても、内容物の詰め替えや、廃棄、洗浄等のために泡注出キャップを取外した際の取扱いに支障が生じるという問題があった。
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された泡注出キャップの構成に加えて、前記ノズル部の注出口には、前記泡形成メッシュ部よりも目の細かい先端メッシュ部が設けられていることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された泡注出キャップの構成に加えて、前記中央筒部は、前記平板部の下方の位置に内部の空気室と外部とを連通する外部空気孔が設けられていることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された泡注出キャップの構成に加えて、前記ピストン部材には、上下方向に連通する内部空気孔が設けられていることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に記載された泡注出キャップの構成に加えて、前記外部空気孔および前記内部空気孔の少なくとも一方には、容器の内部方向への空気の流通のみを許容する逆止弁を備えていることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された泡注出キャップの構成に加えて、前記ノズル部には、先端の注出口を含んで密封可能でかつ取外し可能な先端カバー部材が外嵌されていることにより、前記課題を解決するものである。
また、泡形成機構を構成するすべての部材が、容器の口部に外嵌して取付けられるスカート部より上方の内部に設けられているため、特殊な容器を使用する必要はなく容器の製造工程が単純となり容器のコストを低減することができる。
また、泡形成メッシュ部の容器への取付時に、容器内に挿入する部材がないため、内容物充填後の泡注出キャップ取付工程が単純となり設備コストを低減することができるとともに、容器の口部の径の制約も少なくなり、容器の設計の自由度が向上する。
さらに、泡注出キャップ自体を外部に突起や複雑な部材が一切露出しないコンパクトな構造とすることができるため、製造コストが低減されるとともに、輸送・保管や取付工程でのハンドリングも容易となるとともに、使用者にとっても、内容物の詰め替えや、廃棄、洗浄等のために泡注出キャップを取外した際に、非常に取扱いやすいものとなる。
さらに、泡形成メッシュ部の中心付近に位置する内容物流路の端部から供給される内容物を、放射状に延びる複数の吐出溝によって泡形成メッシュ部の全体に均等に供給することが可能となるため、内容物をより最適に泡状に形成することができる。
本請求項2に記載の構成によれば、ピストン部材がスクイーズ動作を終わった後の負圧によって容器側に戻る際、スプリングによって付勢することで即座に容器側に戻るとともに、漏れ等によって完全に戻らない状態を防止することができるため、次にスクイーズ動作を行う際のピストン部材のストロークを確実に確保することができ、繰り返しのスクイーズ動作によっても確実に内容物を泡状に形成することができる。
本請求項3に記載の構成によれば、先端メッシュ部で形成された泡をより細かくして注出することが可能となるため、要求される泡の大きさに対して、泡形成メッシュ部、平板部を含む吐出管、ピストン部材等の諸元を変更することなく、先端メッシュ部のみの変更で様々な大きさの泡に対応することができる。
本請求項4に記載の構成によれば、ピストン部材がスクイーズ動作を終わった後、負圧によって容器側に戻る際、外部空気孔から空気室内に空気を取り入れることでピストン部材が素早く容器側に戻ることが可能となり、短時間に繰り返しスクイーズ動作を行っても確実にピストン部材のストロークが確保でき、注出される内容物が徐々に減少することがない。
また、ピストン部材が容器側に戻る際のノズル部内から泡形成メッシュ部および空気流通孔を逆流して空気室内に浸入する内容物の泡の量を低減することが可能となるため、次にスクイーズ動作を行う際の空気の供給量を安定化させ、繰り返しのスクイーズ動作によっても確実に内容物を泡状に形成することができる。
すなわち、ピストン部材がスクイーズ動作を終わった後の負圧によって容器側に戻る際、内容物が外部に注出された体積分の空気が容器内に還流する必要があるが、ピストン部材に上下方向に連通する内部空気孔がない場合、この還流はピストン部材の漏れに依存し、容器が完全に元の形状に戻るまでに時間がかかり、容器が元の形状に戻らないまま繰り返しスクイーズ動作を行うと徐々に注出される内容物の量が減少する。
そこで、ピストン部材に上下方向に連通する内部空気孔を設けることで、容器が元の形状となるのに充分な空気が当該内部空気孔を通って容器内に還流するため、短時間に繰り返しスクイーズ動作を行っても素早く容器が元の形状に戻り、注出量が減少することなく常に所定の注出量を確保することができる。
本請求項6に記載の構成によれば、スクイーズ動作を行った際のピストン本体の上昇によって、空気室内の空気を逃すことなく泡形成メッシュ部の送ることができ、あるいは、スクイーズ動作を行った際の容器内圧の上昇を逃がすことなくピストン本体のスライドのために利用でき、安定して確実に内容物を泡状に形成することができる。
本請求項7に記載の構成によれば、スクイーズ動作を行わない時に、容器を持ち上げたり倒したりした場合でも、カバー部材によってノズル内に残留した内容物が外部に垂れたり飛散するのを防止することができ、使用者の利便性が向上する。
本発明の1実施形態である泡注出キャップ100は、図1、図2に示すように、容器101の口部102に外嵌して取付けられるスカート部111と、該スカート部111から一様な断面形状で上方に延びる空気室121を形成する中央筒部112と、該中央筒部112の上方に延び先端に注出口114を有するノズル部113とを有し、中央筒部112の内部に泡形成機構を備えている。
ノズル部113の先端側内部には、先端メッシュ部115が設けられており、泡形成メッシュ部122で形成された内容物の泡が、注出口114から外部に注出する際に均一な泡状に形成される。
ノズル部113の先端側外部には、先端の注出口114を含んで密封可能でかつ取外し可能な先端カバー部材116が外嵌されている。
中央筒部112の泡形成メッシュ部122の近傍には、内部の空気室121と外部を連通する外部空気孔123が形成されている。
なお、空気流通孔132および吐出溝134は、内容物の粘度、表面張力等の特性、求められる泡の大きさ、泡形成メッシュ部122の目の粗さ等の諸条件に応じて、適宜の数、大きさ、形状に設定されればよく、その配置も放射状以外の配置であっても良い。
また、内容物が泡形成メッシュ部122に充分拡がる条件であれば、吐出溝134を省略して内容物流路133の末端のみから内容物を泡形成メッシュ部122に供給するようにしても良い。
また、ピストン部材140には、容器101側と空気室121側とを連通する内部空気孔142が形成されており、該内部空気孔142の容器101側の開口部には、容器101側への流れを許容し、空気室121側への流れを阻止する逆止弁143が設けられている。
ピストン部材140の褶動孔144近辺は、吐出管130の外周部に正確に案内されるよう弾性変形が少なく褶動抵抗の低い材料で形成され、外周シール部145近辺は中央筒部112の内面との気密性を向上させるよう弾性変形可能な材料で形成されるのが望ましく、本実施形態では、ピストン部材140が内部空気孔142の形成部分を境に分割される2つの部材で構成され、当該2つの部材を、逆止弁143を挟んで嵌合して一体化するように構成されている。
平板部131とピストン部材140の間にはスプリング141が設けられ、ピストン部材140が吐出管130に外嵌した状態で容器101の方向に付勢されており、ピストン部材140の容器101側のストロークは、中央筒部112のスカート部111側の内周面から突出するように設けられたピストン係止部材124によって規制される。
使用者が内容物を泡状にして注出する際、使用者は容器を手に持ち、先端カバー部材116を取り外して、ノズル部113先端の注出口114を水平より下にした状態で、容器101を外方から押圧する(スクイーズ動作)。
このスクイーズ動作により容器101内の内圧が高まり、ノズル部113先端の注出口114を水平より下にした状態(図3は、図1との対比のためノズルを上に図示した。)であることから、ピストン部材140は、図3に示す点線の状態から、内容物によってノズル部113側に移動する。
これと同時に、ピストン部材140のノズル部113側への移動によって空気室121内の空気が放射状に複数配置される空気流通孔132から泡形成メッシュ部122全体に均等に供給される。
このことで、泡形成メッシュ部122のノズル部113側に内容物の泡N1が形成されて先端の注出口114に向けて押し出される。
形成された泡N1は、ノズル部113の先端側内部に設けられた泡形成メッシュ部122より網目の細かい先端メッシュ部115を通過することで、より細かく均一な泡N2とされて、注出口114から外部に注出される。
また、中央筒部112の泡形成メッシュ部122の近傍には外部空気孔123が設けられており、僅かに外部空気孔123から外部に空気が排出されるが、使用条件によっては、外部空気孔123に逆止弁を設けてもよい。
本実施形態では、スクイーズ動作によるピストン部材140の移動速度は大きく空気室121内の内圧の上昇も急激であるため、孔径を小さくし流量を絞ることにより、逆止弁を設けなくても、空気室121内の空気のほとんどが泡形成メッシュ部122側に供給されて泡N1の形成に使用される。
この時、ピストン部材140がスプリング141によって容器101方向に付勢されており、かつ、内部空気孔142が適宜の流路抵抗を持つように設定されることで、空気室121内の空気が内部空気孔142を通って容器101内に流入する速度を制限し、ピストン部材140が円滑に移動完了し、かつ、内容物の減少分のみの空気が容器101内に流入する。
この時、負圧は容器101の復元によって発生するものであり、スクイーズ動作時の急激な圧力上昇と比較すると緩やかな圧力低下であるため、外部空気孔123からの空気の流入はその速度が低く流路抵抗も非常に小さい。
したがって、スクイーズ動作時には流路抵抗が大きく外部空気孔123から外部への空気流出量は僅かであるが、スクイーズ動作後の外部から空気室121内への空気流入量は大きく、泡形成メッシュ部122からの空気流入量に対しても大きな割合とすることができる。
なお、前述したように、外部空気孔123に逆止弁を設けてもよく、逆止弁が開放した際の流路抵抗を、泡形成メッシュ部122における内容物の表面張力による流路抵抗よりも充分小さくすることで、泡N1の空気室121内の流入量をほぼゼロとすることも可能である。
特に、使用者が片手で容易に内容物を泡状に形成して注出可能であるため、内容物が食料品や飲料、調味料等であり、調理や盛付、食事等の際に直接厨房、食卓等で使用する用途に好適である。
101 ・・・容器
102 ・・・口部
110 ・・・キャップ本体
111 ・・・スカート部
112 ・・・中央筒部
113 ・・・ノズル部
114 ・・・注出口
115 ・・・先端メッシュ部
116 ・・・先端カバー部材
121 ・・・空気室
122 ・・・泡形成メッシュ部
123 ・・・外部空気孔
124 ・・・ピストン係止部材
130 ・・・吐出管
131 ・・・平板部
132 ・・・空気流通孔
133 ・・・内容物流路
134 ・・・吐出溝
140 ・・・ピストン部材
141 ・・・スプリング
142 ・・・内部空気孔
143 ・・・逆止弁
144 ・・・褶動孔
145 ・・・外周シール部
Claims (7)
- 容器の口部に取り付けられるキャップ本体と、注出される内容物を泡状に形成する泡形成機構とを備えた泡注出キャップであって、
前記キャップ本体が、容器の口部に外嵌して取付けられるスカート部と、該スカート部から一様な断面形状で上方に延びる空気室を形成する中央筒部と、該中央筒部の上方に延び先端に注出口を有するノズル部とを有し、
前記空気室には、前記ノズル部側の境界位置に設けられ空気室の断面全体に広がる泡形成メッシュ部と、前記空気室の断面中心をスカート部の上方から泡形成メッシュ部直近まで延び内部が内容物流路を構成する筒状の吐出管を有し、
前記泡形成機構が、前記空気室と、前記泡形成メッシュ部と、前記吐出管と、前記空気室内を前記吐出管に案内されて上下方向にスライド可能なピストン部材とで構成され、
前記吐出管の前記泡形成メッシュ部側の端部には、前記空気室の断面全体に広がり中央筒部の内面に固定されるとともに上下方向に連通する空気流通孔を有する平板部が形成され、
前記平板部の空気流通孔が、放射状に複数配置され、
前記平板部には、前記内容物流路と連通して前記泡形成メッシュ部側に開口し放射状に複数配置された前記空気流通孔の間を放射状に延びる複数の吐出溝を有していることを特徴とする泡注出キャップ。 - 前記平板部と前記ピストン部材の間には、前記ピストン部材を下方に押圧するスプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の泡注出キャップ。
- 前記ノズル部の注出口には、前記泡形成メッシュ部よりも目の細かい先端メッシュ部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の泡注出キャップ。
- 前記中央筒部は、前記平板部の下方の位置に内部の空気室と外部とを連通する外部空気孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の泡注出キャップ。
- 前記ピストン部材には、上下方向に連通する内部空気孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の泡注出キャップ。
- 前記外部空気孔および前記内部空気孔の少なくとも一方には、容器の内部方向への空気の流通のみを許容する逆止弁を備えていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の泡注出キャップ。
- 前記ノズル部には、先端の注出口を含んで密封可能でかつ取外し可能な先端カバー部材が外嵌されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の泡注出キャップ。
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