JP6132140B2 - 紫外線硬化型粘着剤組成物及び粘着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた粘着力、段差追従性及び耐湿熱白化性を両立する紫外線硬化型粘着剤用樹脂組成物及び粘着剤積層体に関する。
紫外線硬化型粘着剤は、通常、溶剤や水等の溶媒を含まないため、粘着剤層を形成する際に、溶剤や水等の溶媒を除去する工程を要しないという特徴があることから、近年においては、光学関連製品の製造に広く利用されている。
前記光学関連製品の中でも、携帯電話や液晶テレビ、パソコン等は、偏光板や輝度向上フィルム、位相差フィルム、カラーフィルター等の様々な部材の集積であり、これらの多くの部位で紫外線硬化型粘着剤が使用されている。
前記携帯電話や液晶テレビ、パソコン等に使用される紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル系重合体(A成分)、重合性不飽和基を有するカルボン酸及びそのオリゴマーのうちの少なくとも1種(B成分)、光重合開始剤(C成分)、シランカップリング剤(D成分)及び前記A成分及び前記B成分以外の重合性不飽和基を有する化合物(E成分)を構成成分として含み、前記A成分は、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含み、側鎖中に(メタ)アクリロイル骨格を含む(メタ)アクリロイル系官能基を有し、重合体100gあたり前記(メタ)アクリロイル系官能基を0.5〜20mmol含有し、ガラス転移温度(Tg)が−55〜0℃、重量平均分子量(Mw)が20万〜100万の範囲内の架橋性(メタ)アクリル系重合体であり、前記C成分は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤であり、前記D成分は、エポキシ系官能基を有するシランカップリング剤であり、前記A成分及び前記B成分の総量を100質量部とした場合に、前記A成分を80〜99.5質量部、前記B成分を0.5〜20質量部、前記C成分を0.05〜3質量部、前記D成分を0.1〜5質量部、前記E成分を0〜20質量部含有する紫外線硬化型粘着剤組成物を用いた粘着剤が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、現在主流の光学部材(被着体)は、様々な印刷パターンや配線等の段差が存在しており、前記粘着剤を使用した場合には、該段差に対し粘着剤が完全に充填されず、段差周りに気泡や空隙が発生するため(段差追従性が不良)、光学性能に悪影響を及ぼす問題があった。
特開2010−265440号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた粘着力、段差追従性及び耐湿熱白化性を両立する紫外線硬化型粘着剤組成物を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を進める中で、ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル単量体との組合せに着目し、研究を進めた。
その結果、特定の(メタ)アクリル単量体を併用した場合に、粘着力及び段差追従性に優れる粘着剤が得られることを見出した。
即ち、本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する紫外線硬化型粘着剤組成物において、前記(メタ)アクリル単量体(B)が、下記一般式(1)で表されるガラス転移温度が−20℃以下のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体(B−1)とガラス転移温度が15〜200℃の範囲のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体(B−2)とを含有することを特徴とする紫外線硬化型粘着剤組成物及び粘着剤を提供するものである。
Figure 0006132140
(式(1)中、Rはメチル基又は水素原子を表し、R は炭素原子数が1〜3の範囲のアルキル基を表し、Xはエチレン基を表し、nは〜30の範囲の整数を表す。)

本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤は、優れた粘着力、段差追従性及び耐湿熱白化性を具備するものである。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤は、光学部材に使用される粘着剤として好適に使用することができる。特に、タッチパネル、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL、パソコン、携帯電話等の製造に好適に使用することができる。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、下記一般式(1)で表されるガラス転移温度が−20℃以下のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体(B−1)(以下、「(メタ)アクリル単量体(B−1)」と略記する。)とガラス転移温度が15〜200℃の範囲のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体(B−2)(以下、「(メタ)アクリル単量体(B−2)」と略記する。)とを含有する(メタ)アクリル単量体(B)、及び光重合開始剤(C)を含有するものである。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、例えば、ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)、及び水酸基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物(a3)を反応させて得られるものを用いることができる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、粘着力や保持力、段差追従性、耐白化性等をより向上できる点から、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させ得られた生成物や、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコールや、ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコール等を用いることができる。
前記2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビスフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物;、1,2−シクロブタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5,2,1,0,2,6]デカン−ジメタノール、ビシクロ[4,3,0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカンジオール、ビシクロ[4,3,0]ノナンジメタノール、トリシクロ[5,3,1,1]ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ[5,3,1,1]ドデカノール、スピロ[3,4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、水素添加ビスフェールA、1,3−アダマンタンジオール等の脂環式ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどを用いることができる。
これらの中でも、良好な粘着物性を付与できる点から脂肪族ポリエーテルポリオールを用いることがより好ましく、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコールを用いることが特に好ましい。
前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量としては、500〜3,000の範囲が好ましく、500〜2,000の範囲がより好ましく、500〜1,500の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、前記2個以上の活性水素を有する化合物とを反応させて得られるものを用いることができる。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等を用いることができる。
前記ポリカーボネートポリオールの水酸基価としては、粘着力等の点から30〜230mgKOH/gの範囲であることが好ましく、50〜230mgKOH/gの範囲がより好ましい。なお、前記ポリカーボネートポリオールの水酸基価は、JIS K0070に準拠して測定した値を示す。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアナートメチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環構造を有するジイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、脂環構造を有するジイソシアネートを用いることが、優れた粘着力と保持力とを両立でき、かつ、耐熱黄変性等をより一層向上できる点から好ましく、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジイソシアナートメチルシクロヘキサンを用いることが更に好ましい。
前記水酸基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物(a3)は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)中に(メタ)アクリロイル基を導入する目的で用いるものである。
前記(a3)として用いることができる前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらのなかでも、紫外線による硬化性の点から、水酸基を有するアクリル化合物を用いることがより好ましく、原料入手のしやすさ、硬化性、粘着物性等の点から、水酸基を有するアクリル酸アルキルエステルを用いることが更に好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートを用いることが特に好ましい。
また、前記(a3)として用いることができるイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を用いることができる。これらの中でも、原料入手の容易性等の点から、 2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いることが好ましく、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートがより好ましい。
前記(a3)として水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を用いる場合の前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造方法としては、例えば、無溶剤下で、前記ポリオール(a1)と前記(メタ)アクリル化合物(a3)とを反応系中に仕込んだ後に、前記ポリイソシアネート(a2)を供給し、混合、反応させることによって製造する方法や、無溶剤下で、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを反応させることによってイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得、次いで、前記(メタ)アクリル化合物(a3)を供給し、混合、反応させることによって製造する方法等を用いることができる。前記反応はいずれにおいても、20〜120℃の条件下で概ね30分〜24時間程度行うことが好ましい。
また、前記(a3)としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物を用いる場合のウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造方法としては、例えば、無溶剤下で、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)とを仕込み、反応させることによって水酸基を有するウレタンプレポリマーを得、次いで、前記(メタ)アクリル化合物(a3)を供給し、混合、反応させることによって製造する方法等を用いることができる。前記反応はいずれにおいても、20〜120℃の条件下で概ね30分〜24時間程度行うことが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造は、有機溶剤や水系媒体の存在下で行っても良い。また、有機溶剤や水系媒体に代えて、後述する(メタ)アクリル単量体(B)存在下で製造してもよい。
前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)と前記(メタ)アクリル化合物(a3)との反応は、前記ポリオール(a1)が有する水酸基と前記(メタ)アクリル化合物(a3)が有する水酸基の合計量と、ポリイソシアネート(a2)の有するイソシアネート基との当量割合[イソシアネート基/水酸基の合計量]=0.75〜1の範囲で行うことが、得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)の分子量を制御する上で好ましく、0.79〜0.995の範囲であることがより好ましい。また、前記当量割合が1を超える場合で反応させても良いが、その場合、ウレタン(メタ)アクリレート(A)のイソシアネート基を失活させることを目的として、メタノールなどのアルコールを用いることが好ましい。その場合には、前記ポリオール(a1)が有する水酸基と前記(メタ)アクリル化合物(a3)が有する水酸基とアルコールが有する水酸基の合計量と、前記ポリイソシアネート基との当量割合[イソシアネート基/水酸基の合計量]が前記範囲内となるように調整することが好ましい。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のイソシアネート基を失活させることを目的として使用可能なアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1官能アルコールや、1,2−プロピレングリコールや1,3−ブチレングリコールなどの1級と2級の水酸基からなる2官能アルコール等を用いてもよい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造する際には、必要に応じて重合禁止剤やウレタン化触媒等を用いてもよい。
前記重合禁止剤としては、例えば、3,5−ビスターシャルブチル−4−ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル(メトキノン)、パラターシャルブチルカテコールメトキシフェノール、2,6−ジターシャリーブチルクレゾール、フェノチアジン、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジフェニルアミン、ジニトロベンゼン等を用いることができる。
前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩、ジブチルチンラウレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機金属化合物などを用いることができる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、光照射や加熱等によってラジカル重合を進行させる(メタ)アクリロイル基を有するものである。前記(メタ)アクリロイル基の当量としては、粘着力や段差追従性等をより一層向上できる点から、1,000〜200,000g/eq.の範囲であることが好ましく、5,000〜100,000g/eq.の範囲がより好ましい。なお、前記(メタ)アクリロイル基の当量は、前記ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)と(メタ)アクリル化合物(a3)との合計質量を、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)中に存在する(メタ)アクリル基の当量で除した値を示す。また、本発明において、「(メタ)アクリル化合物」とは、メタクリル化合物とアクリル化合物の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル単量体」とは、メタクリル単量体とアクリル単量体の一方又は両方をいう。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量としては、優れた粘着力と保持力とを両立でき、かつ、良好な塗工作業性を付与できる観点から、5,000〜200,000の範囲であることが好ましく、10,000〜100,000の範囲がより好ましい。なお、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量は、前記ポリオール(a)の数平均分子量と同様にして測定し得られた値を示す。
前記(メタ)アクリル単量体(B−1)としては、下記一般式(1)で表されるガラス転移温度が−20℃以下のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体を用いることが優れた粘着力、段差追従性及び耐湿熱白化性を発現するために必須である。
Figure 0006132140
(式(1)中、Rはメチル基又は水素原子を表し、Rはフェニル基又は炭素原子数が1〜3の範囲のアルキル基を表し、Xは炭素原子数が1〜5の範囲のアルキレン基を表し、nは1〜30の範囲の整数を表す。)
前記(メタ)アクリル単量体(B−1)の具体例としては、例えば、エチレンオキサイドの付加モル数が4であるメトキシポリエチレングリコールアクリレート(「AM−40G」新中村化学工業株式会社製、−68℃)、エチレンオキサイドの付加モル数が9であるメトキシポリエチレングリコールアクリレート(「AM−90G」新中村化学工業株式会社製、−71℃)、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(「AMP−20GY」新中村化学工業株式会社製、−8℃)(以上、新中村化学工業株式会社ホームページ(HP)より中間点ガラス転移温度を転載)、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート(「EC−A」共栄社化学株式会社製、−70℃)(以上、共栄社化学株式会社HPより中間点ガラス転移温度を転載)、3−メトキシブチルアクリレート(−56℃)、2−メトキシエチルアクリレート(−50℃)、3−メトキシプロピルアクリレート(−75℃)、2−メトキシブチルアクリレート(−32℃)(以上、Polmer Handbook(4th ed.)より中間点ガラス転移温度を転載)等を用いることができる。これらの単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、括弧内の温度は、各(メタ)アクリル単量体がホモポリマーを形成した場合の中間点ガラス転移温度を示す(以下、同じ)。
前記(メタ)アクリル単量体(B−1)としては、粘着力や段差追従性をより一層向上できる点から、前記一般式(1)中のnが、2〜30の範囲の整数である(メタ)アクリル単量体を用いることが好ましく、粘着力をより一層向上できる点から前記一般式(1)中のnが、2〜10の範囲の整数である更に耐湿熱白化性や耐熱黄変性等をより一層向上できる点から、(メタ)アクリル単量体を用いることが好ましく、前記一般式(1)中のXが、エチレン基であり、nが3〜7の範囲の整数である(メタ)アクリル単量体を用いること好ましく、更に反応性の点から、Rが水素原子であるアクリル単量体を用いることが好ましい。
前記(メタ)アクリル単量体(B−2)としては、例えば、ラウリルアクリレート(15℃)(以上、大阪有機化学工業株式会社HPより中間点ガラス転移温度を転載)、ネオペンチルアクリレート(22℃)、シクロヘキシルアクリレート(19℃)、ヘキサデシルアクリレート(35℃)、イソボロニルアクリレート(97℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(120℃)、フェニルアクリレート(57℃)、アクリルアミド(165℃)、ベンジルメタクリレート(54℃)、メチルメタクリレート(105℃)、エチルメタクリレート(65℃)、プロピルメタクリレート(35℃)、イソプロピルメタクリレート(81℃)、ブチルメタクリレート(20℃)、イソブチルメタクリレート(53℃)、sec−ブチルメタクリレート(60℃)、t−ブチル(118℃)、シクロヘキシルメタクリレート(83℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(85℃)、イソボロニルメタクリレート(110℃)(以上、Polmer Handbook(4th ed.)より中間点ガラス転移温度を転載)、t−ブチルアクリレート(TBA;41℃)(以上、大阪有機化学工業株式会社HPより中間点ガラス転移温度を転載)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(17℃)(以上、共栄社化学株式会社HPより中間点ガラス転移温度を転載)、ジメチルアクリルアミド(119℃)、アクリロイルモルホリン(145℃)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(134℃)、イソプロピルアクリルアミド(134℃)、ジエチルアクリルアミド(81℃)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(98℃)(以上、株式会社興人HPより中間点ガラス転移温度を転載)等を用いることができる。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、反応性の点から、アクリル単量体を用いることが好ましく、更に粘着力や段差追従性のみならず、耐湿熱白化性や耐熱黄変性等をより一層向上できる点から、ガラス転移温度が50〜200℃の範囲のアクリル単量体を用いることが好ましく、脂環構造を有するアクリル単量体を用いることが更に好ましい。
前記(メタ)アクリル単量体(B)としては、前記(メタ)アクリル単量体(B−1)及び(B−2)を併用することが本発明の課題を解決する上で必須である。(メタ)アクリル単量体(B)として前記した成分の一方を含有しない場合には、粘着剤自体が得られなかったり、所望の段差追従性や粘着力、耐湿熱白化性が得られない。
前記(メタ)アクリル単量体(B−1)と前記(メタ)アクリル単量体(B−2)との質量比[(B−1)/(B−2)]としては、粘着力や段差追従性、耐湿熱白化性をより一層向上できる点から、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、30/70〜70/30の範囲がより好ましく、35/65〜65/35の範囲が更に好ましい。
前記(メタ)アクリル単量体(B)の使用量としては、優れた粘着力と保持力とを両立でき、粘度等による塗工性、段差追従性等の点から、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)100質量部に対して、30〜200質量部の範囲で用いることが好ましく、50〜150質量部の範囲がより好ましく、70〜130質量部の範囲が特に好ましい。
前記光重合開始剤(C)は、光照射や加熱等によってラジカルを発生し、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)や前記(メタ)アクリル単量体(B)のラジカル重合を開始させるものである。
前記光重合開始剤(C)としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物;4,4’−ジメチルアミノチオキサントン(別名=ミネラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート、2−エチルアンスラキノン等のアンスラキノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE819」)等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルオパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノンなどを用いることができる。
前記光重合開始剤(C)としては、優れた粘着力と保持力とを両立でき、かつ、粘着剤層の経時的な変色を防止でき、硬化性を向上できる観点から、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを用いることが好ましい。
前記光重合開始剤(C)の使用量としては、粘着物性や硬化性、耐黄変性等の点から、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲で用いることが好ましく、0.5〜15質量部の範囲がより好ましく、1〜5質量部の範囲が特に好ましい。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物は、前記したものの他に、その他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、防錆剤、チキソ付与剤、増感剤、重合禁止剤、硬化剤、硬化促進剤、レベリング剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、整泡剤、消泡剤、防腐剤、ブロッキング防止剤、耐光安定剤、酸化防止剤、溶剤等を用いることができる。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(A)を単独で製造した後、前記(メタ)アクリル単量体(B)、前記光重合開始剤(C)、及び必要に応じて前記その他の添加剤を混合する方法、または、前記(メタ)アクリル単量体(B)の一部、または全部の存在下、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造し、前記重合開始剤(C)及び必要に応じて前記その他の添加剤を混合するなどの方法によって製造することができる。
前記方法で得られる紫外線硬化型粘着剤組成物の粘度としては、良好な塗工性、及び塗工時の粘着剤溶液の取り扱いの良さの点から、500〜20,000mPa・sの範囲であることが好ましく、1,000〜15,000mPa・sの範囲がより好ましく、段差追従性を更に向上させるために、5,000〜10,000mPa・sの範囲が更に好ましい。なお、前記粘度は、25℃でB型粘度計にて測定した値を示す。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物は、紫外線等のエネルギー線の照射によって硬化を進行させることができる。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物を硬化させる方法としては、例えば、キセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ等の公知の紫外線光照射装置を用いて所定の紫外線を照射することによって硬化させる方法を用いることができる。
前記紫外線の照射は、硬化性等の点から、好ましくは0.05〜5J/cm、より好ましくは0.1〜3J/cm、特に好ましくは0.3〜1.5J/cmの範囲であることがよい。なお、前記紫外線の照射量は、UVチェッカーUVR−N1(GSユアサ株式会社製)を用いて300〜390nmの範囲の波長域において測定した値を基準とした。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布し粘着剤層を形成することができる基材としては、プラスチック基材、フレキシブルプリント基材、ガラス基材及びこれらの基材にITOを蒸着した基材等を用いることができる。
前記プラスチック基材としては、一般に使用されるアクリル樹脂等を用いて得られた基材やPC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、TAC(トリアセチルセルロース)や反射防止フィルム又はシート、防汚フィルム又はシート、タッチパネルを構成する透明導電膜のフィルム又はシート等を用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[合成例1]
<ウレタンアクリレート(A−1)の合成>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量;1,000)を505.9質量部、2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾールを1.9質量部、p−メトキシフェノールを0.3質量部、酢酸エチルを331.2質量部添加した。反応容器内温度が40℃になるまで昇温した後、イソホロンジイソシアネート109.2質量部添加した。そこで、ジオクチルスズジネオデカネート0.03質量部添加し、1時間かけて80℃まで昇温した。その後、80℃で12時間ホールドし、全てのイソシアネート基が消失していることを確認後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート1.2質量部添加し、更に80℃で12時間ホールドし、全てのイソシアネート基が消失していることを確認後、冷却しウレタンアクリレート(A−1)を得た。得られたウレタンアクリレート(A−1)は、アクリロイル基の当量が70,000、重量平均分子量が78,000であった。
[合成例2]
<ウレタンアクリレート(A−2)の合成>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(数平均分子量;1,000)を455.5質量部、ヒドロキシエチルアクリレートを9.4質量部、2,6−ジ−ターシャリーブチル−クレゾールを1.7質量部、p−メトキシフェノールを0.3質量部添加した。反応容器内温度が40℃になるまで昇温した後、イソホロンジイソシアネート101.7質量部添加した。そこで、ジオクチルスズジネオデカネート0.03質量部添加し、1時間かけて80℃まで昇温した。その後、80℃で12時間ホールドし、全てのイソシアネート基が消失していることを確認後、冷却しウレタンアクリレート(A−2)を得た。得られたウレタンアクリレート(A−2)は、アクリロイル基の当量が7,000、重量平均分子量が19,000であった。
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた容器に、前述の方法で合成したウレタンアクリレート(A−1)154質量部、エチレンオキサイドの付加モル数が4であるメトキシポリエチレングリコールアクリレート(以下、「MEPEGA−4」と略記する。)60質量部、ジシクロペンタニルアクリレート(以下、「DCPA」と略記する。)50質量部を容器内温度80℃で添加し均一になるまで攪拌した。その後、室温まで冷却し、攪拌下で2−ヒドロキシ−2−フェニルプロパン−1−オンを4質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを3質量部を添加し、均一になるまで攪拌した。その後、200メッシュ金網で濾過し、紫外線硬化型粘着剤組成物を得た。
[実施例2〜4、比較例1〜5]
用いるウレタン(メタ)アクリレートの種類及び量、(メタ)アクリル単量体の種類及び量を表1〜2に示すように変更した以外は、実施例1と同様に紫外線硬化型粘着剤組成物を得た。なお、比較例2は、タックがなく、粘着剤が得られなかったため、以後の測定を行わなかった。
[粘着フィルムの作製方法]
表面に離型処理された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(離型PET50)の表面に、UV照射後における膜厚が150μmとなるように実施例及び比較例で得られた紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布し、乾燥機にて溶剤を揮発させた後、離型PET50を貼り合せた。その後、UV照射装置にて、離型PET50透過後のUV−A領域の波長の積算光量が1J/cmとなるようにUV照射し、粘着フィルムを作成した。
[粘着力の測定方法]
前述の方法で作成した粘着フィルムの片面を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET75)に貼り合せ、片面にPET75基材が貼り合された粘着フィルムを作成した。これを25mm幅に切ったものを試験片とした。該試験片を2kgロール×2往復で被着体であるガラス板、ポリカーボネート(PC)板にそれぞれ貼り付けた。貼り付け1時間後に23℃、50%RHの雰囲気下で180度剥離強度を測定し、粘着力とした。
[段差追従性の評価方法]
前述の方法で作成した粘着フィルムの片面を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET100)に貼り合せ、片面にPET100基材が貼り合された粘着フィルムを作成した。これを縦50mm、横40mmに切ったものを試験片とした。次に、PET100μm上に、厚さ50μm、縦40mm、横30mm、幅5mmの枠を印刷し、50μmの段差を作成した。この印刷された枠の上から、前述の試験片を2kgロール×2往復で貼り付けた。これを、50℃雰囲気下、0.5MPaの圧力で、20分間オートクレーブ処理をした。その後、80℃雰囲気下に24時間放置し、50μm厚の枠の内側部分を目視にて観察し、50μm厚の段差に対する追従性を評価した。
◎;気泡の混入なし
○;若干の気泡が観察される
×;気泡の混入が多い
[耐湿熱白化性の評価方法]
前述の方法で作成した粘着フィルムの片面をガラス板に貼り付け、更にもう1枚の離型PET50を剥離したものを耐湿熱白化性試験前の試験片とした。該試験片を濁度計「NDH5000」(日本電色工業株式会社製)にて、JIS K 7361−1に準じてヘイズ(%)を測定した。
一方、前述の方法で作成した粘着フィルムの片面をガラス板に貼り付け、85℃、湿度85%雰囲気下で1時間放置した。その後、もう1枚の離型PET50を剥離したものを耐湿熱白化性試験後の試験片とした。該試験片を濁度計「NDH5000」(日本電色工業株式会社製)にて、JIS K 7361−1に準じてヘイズ(%)を測定した。
前記耐湿熱白化性の評価は、耐湿熱白化性試験前後のヘイズ(%)の差により評価した。
Figure 0006132140
Figure 0006132140
なお、表1〜2中の略語は以下の化合物を意味する。
MEPEGA−9;エチレンオキサイドの付加モル数が9であるメトキシポリエチレングリコールアクリレート
DMAA;ジメチルアクリルアミド
CHA;シクロヘキシルアクリレート(15℃)
OA;オクチルアクリレート(−65℃)
BA;ブチルアクリレート(−55℃)
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤は、粘着力及び段差追従性に優れることが分かった。
一方、比較例1は(メタ)アクリル単量体(B−2)を用いない態様であるが、粘着力及び段差追従性が不良であることが分かった。
比較例2は、(メタ)アクリル単量体(B−1)を用いない態様であるが、タックがなく、粘着剤が得られなかった。
比較例3は、(メタ)アクリル単量体(B−2)の代わりに、ガラス転移温度は−65℃のホモポリマーを形成するオクチルアクリレートを用いた態様であるが、粘着力及び段差追従性が不良であることが分かった。
比較例4は、(メタ)アクリル単量体(B−1)の代わりに、ガラス転移温度は−65℃のホモポリマーを形成するオクチルアクリレートを用いた態様であるが、段差追従性が不良であることが分かった。
比較例5は、(メタ)アクリル単量体(B−1)の代わりに、ガラス転移温度は−55℃のホモポリマーを形成するブチルアクリレートを用いた態様であるが、段差追従性及び耐湿熱白化性が不良であることが分かった。

Claims (4)

  1. ウレタン(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する紫外線硬化型粘着剤組成物において、前記(メタ)アクリル単量体(B)が、下記一般式(1)で表されるガラス転移温度が−20℃以下のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体(B−1)とガラス転移温度が15〜200℃の範囲のホモポリマーを形成可能な(メタ)アクリル単量体(B−2)とを含有することを特徴とする紫外線硬化型粘着剤組成物。
    Figure 0006132140
    (式(1)中、Rはメチル基又は水素原子を表し、R は炭素原子数が1〜3の範囲のアルキル基を表し、Xはエチレン基を表し、nは〜30の範囲の整数を表す。)
  2. 前記(メタ)アクリル単量体(B−1)と前記(メタ)アクリル単量体(B−2)との質量比[(B−1)/(B−2)]が、90/10〜10/90の範囲である請求項1記載の紫外線硬化型粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル単量体(B−2)が、脂環構造を有するアクリル単量体である請求項1記載の紫外線硬化型粘着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の紫外線硬化型粘着剤組成物を用いて得られたことを特徴とする粘着剤。
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