以下、第1の実施形態の構成を図面を参照して説明する。
図1および図2において、11は照明装置を示し、この照明装置11は、例えば停電時などの非常時に点灯する非常灯であり、廊下や通路などの上方の取付面である天井面12に埋め込み設置される埋込形照明器具である。
この照明装置11は、本体15と、この本体15に収納されるユニットとしてのユニット部16と、非常電源である二次電池(バッテリ)17と、外部電源18(図3)と接続される端子台19と、支持構造物としての化粧枠20とを備えている。
なお、照明装置11は、例えば常用点灯回路を備えた誘導灯などの、二次電池17を電源とする屋内、あるいは屋外の全ての照明装置に適用できる。また、天井埋込形のものに限らず、直付け形、天吊り形など、他の設置手段で設置するものでもよい。
本体15は、例えばアルミニウムなどの金属により形成され、一端である下端部に、化粧枠20により覆われる開口25を備えた略有蓋円筒状となっている。また、この本体15の一側部(外周部)には、端子台19が露出する側部開口26が開口されている。そして、この本体15の側部開口26の開口方向に対して交差(直交)する両側部には、天井面12の被設置部材27に本体15を固定するための固定手段としての図示しない取付ばねがそれぞれ取り付けられている。
ユニット部16は、例えば合成樹脂、あるいは金属などにより形成された筐体31と、下方に向けて光を出射する発光素子32を備えた光源33と、この光源33(発光素子32)から出射した光の配光を制御する光学制御部材としてのレンズ34とを備え、通常時には二次電池17を充電するとともに、非常時または点検時にはこの充電された二次電池17を電源として光源33(発光素子32)を点灯させる点灯ユニット35を筐体31に収納している。
筐体31は、本体15内に対して固着されている。ここで、筐体31(ユニット部16)が本体15に対して固着されているとは、筐体31(ユニット部16)が本体15に対して簡単には取り外しできない状態であり、例えば、筐体31(ユニット部16)が本体15に対してねじ止めされたり、接着剤で接着されたりしていることをいう。また、この筐体31は、本体15の下端部の開口25に臨む下端部に平面状の取付面部36を備える箱状に形成されている。取付面部36は、例えば本体15の内周面の略半周分に沿う半円弧状の外縁部36aと、この外縁部36aの両側部から本体15の径方向に沿って本体15の中心軸方向に向けて直線状に伸びる直線部36b,36bと、これら直線部36b,36b間を連結し外縁部36aに対して反対方向に膨出する半円弧状の突出部36cとを有している。また、この取付面部36には、複数の露出開口36dが、例えば直線部36b,36bに沿って、すなわち本体15の径方向に沿って直線状に並んで光源33の両側に開口されている。
発光素子32は、例えば発光ダイオードあるいはレーザダイオードなどの半導体発光素子、または、有機EL素子(OLED)などが用いられ、例えば白色光を下方に向けて出射するようになっている。この発光素子32として発光ダイオードを用いる場合には、例えば青色発光ダイオードチップが、この青色発光ダイオードチップによって励起される黄色の蛍光体により覆われて構成される。
光源33は、光源基板41を備え、この光源基板41に複数の上記発光素子32が実装されている。そして、この光源33は、ユニット部16の筐体31の取付面部36に一体的に固定されている。
光源基板41は、例えば金属により筐体31の取付面部36の突出部36cの形状に沿う円形状に形成され、外縁部がこの突出部36cの外周に沿うように配置されている。
レンズ34は、光源33(発光素子32)から出射した光を拡散させるもので、例えばガラス、あるいは耐熱性を有するポリカーボネートなど合成樹脂などの、透光性を有する(透明あるいは半透明な)部材により形成され、光源33(発光素子32)を覆って配置されている。このレンズ34は、外周部が筐体31の取付面部36の突出部36cの形状に沿う円形状となっており、光が出射する出射面である下部が、球面状(ドーム状)に下方に膨出して、光源33(発光素子32)からの光を、非常灯の所定の規格により規定された配光特性となるように拡散するようになっている。なお、このレンズ34は、合成樹脂の表面にガラスを設けたものでもよい。
点灯ユニット35は、各種回路が構成された四角形平板状の回路基板43、この回路基板43に実装された機能部としての報知手段である各種モニタ44および機能部としての点検手段である点検スイッチ45などを備えている。
回路基板43は、本体15の中心軸近傍の位置に、この中心軸に沿ってすなわち上下方向に沿って筐体31に収納され、例えばこの筐体31の取付面部36の直線部36b,36bに沿っている。すなわち、この回路基板43は、光源33(発光素子32)の光の出射方向に沿って実装面を有するように配置されている。
モニタ44は、二次電池17の充電状態を報知する充電モニタ、および、光源33(発光素子32)の状態を報知する光源モニタなどであり、例えば発光ダイオードなどの発光素子により構成され、その点灯状態によって各種報知を行うようになっている。これらモニタ44は、回路基板43の下端部に、下方、すなわち取付面部36または化粧枠20に向けて実装され、露出開口36dに臨んで化粧枠20の下方から目視可能となっている。
点検スイッチ45は、所定の法令などにより定められた点検を行うためのもので、露出開口36dに臨み、この露出開口36dから化粧枠20の下方に導出された引き紐または押しボタンスイッチなどを備え、照明装置11の外部から操作可能とする。そして、この点検スイッチ45は、引き紐または押しボタンスイッチの操作により、例えば外部電源18を遮断して二次電池17から点灯ユニット35などに電源を供給して、光源33(発光素子32)が正常に発光するかどうかを点検するなど、二次電池17の充電状態、点灯ユニット35の各種回路の状態、および、光源33(発光素子32)の状態などを点検可能となっている。なお、この点検スイッチ45は、外部から点検開始信号を受信する受信部であってもよい。
二次電池17は、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池などの充電可能な電池であり、本実施形態では、複数本(例えば4本)が電池筐体47内に内包されて電池パック(組電池)48を構成し、本体15に対して開口25から着脱可能に収納されている。ここで、電池筐体47は、各二次電池17を長手方向に互いに平行に収納しており、二次電池17の両極を結ぶ軸に対して直交する面である水平面における断面が、筐体31の取付面部36の突出部36cの形状に沿って円弧凹状に湾曲して形成されている。したがって、ユニット部16と電池パック48(二次電池17)とは、上下方向、すなわち光源33(発光素子32)の光の出射方向に互いに重ならない位置で本体15に収納される。また、電池筐体47には、各二次電池17と電気的に接続された図示しないコネクタ部が設けられており、このコネクタ部を介して、電池パック48(二次電池17)を本体15内に収納した状態で二次電池17がユニット部16と電気的に接続されるようになっている。
外部電源18(図3)は、例えば商用交流電源、あるいは直流電源など、任意の電源とすることが可能である。
端子台19は、図示しない電線を介して外部電源18とユニット部16の点灯ユニット35とを電気的に接続するもので、本体15の側部開口26に臨んで配置されている。すなわち、この端子台19は、点灯ユニット35の回路基板43を介して、二次電池17(電池パック48)と反対側に配置されている。換言すれば、本体15内において、回路基板43(点灯ユニット35)を挟んで二次電池17と端子台19とが配置されている。そして、この端子台19には、電線を接続する接続開口および図示しない解除ボタンが配置されて側部開口26に露出しており、接続開口に対して本体15の側方(光源33(発光素子32)の光の出射方向と交差(直交)する方向)から電線を挿入接続可能であるとともに、側方から解除ボタンを操作することで、接続開口に挿入接続された電線の保持を解除可能となっている。なお、この端子台19は、例えば本体15内において、ユニット部16の筐体31の外部あるいは内部に配置してもよいし、側部開口26に代えて本体15の外部に配置してもよい。
化粧枠20は、例えば本体15と同様にアルミニウムなどの金属により一体に形成されており、本体15の開口25を覆う大きさの円形板状の支持構造物本体としての化粧枠本体51と、この化粧枠本体51から突出する取付片部52とを備えている。
化粧枠本体51は、二次電池17(電池パック48)を下方から支持する部分であり、本体15に対して取り付けられた状態で、ユニット部16の筐体31の取付面部36の下部に重ねられる部分である。この化粧枠本体51には、中央部に、レンズ34が挿入されて下方に突出する円形状の開口部55が開口されているとともに、この開口部55の両側に、モニタ44を下方から視認可能とするとともに点検スイッチ45を下方へと突出させるための孔部56が径方向に沿って直線状に開口されている。すなわち、各孔部56は、化粧枠20を本体15に取り付けた状態で各露出開口36dに重なるように、換言すれば各露出開口36dの下方に対向する位置に形成されている。
取付片部52は、化粧枠本体51と同心状に形成された円環状をなし、断面L字状となっている。そして、この取付片部52は、例えば本体15の開口25に対して下方から挿入され、本体15の側方から図示しないねじなどの固定部材を介して本体15に固定される。
次に、照明装置11の回路構成について説明する。
図3に示すように、照明装置11は、端子台19に、停電検出手段61および充電回路62などがそれぞれ接続されている。
停電検出手段61は、点灯制御手段としての点灯制御部64と電気的に接続されており、端子台19に印加される外部電源18の電圧が所定時間所定値以下であることを検出したときに、外部電源18の停電が発生したとして停電検出信号を点灯制御部64に与えるものである。
充電回路62は、外部電源18を所定電圧の直流に変換して二次電池17に供給し、この二次電池17を充電するものである。なお、例えば二次電池17が満充電の状態になると、点灯制御部64が二次電池17の満充電を検出し、点灯制御部64がモニタ44を点灯させるように構成してもよい。
二次電池17には、非常点灯回路66が接続されている。この非常点灯回路66は、外部電源18の停電などの非常時に、二次電池17を電源として光源33(発光素子32)を定電流によって点灯させる回路である。そして、この非常点灯回路66は、点灯制御部64を介して光源33(発光素子32)と電気的に接続されている。
点灯制御部64は、外部電源18の停電などの非常時に、その停電を検出する停電検出手段61からの停電検出信号を受けて、光源33(発光素子32)を非常点灯回路66により所定時間以上点灯させるものである。
停電検出手段61には、制御手段としての制御部68が接続されている。この制御部68には、点検スイッチ45および受信部69が接続される。そして、点検スイッチ45の引き紐を引っ張る、または押しボタンスイッチを押すと、制御部68が引き紐の操作を検出し、点灯制御部64が充電回路62に二次電池17の充電の中止を指示するとともに、二次電池17からの電力供給により非常点灯回路66が光源33(発光素子32)を点灯制御するように指示する。また、点検開始が照明装置11とは別個に設けられた図示しないリモコンから赤外線により指示される場合には、点検開始信号は受信部69を介して受信され、点検スイッチ45を操作した場合と同様に動作する。
そして、停電検出手段61、充電回路62、二次電池17、点灯制御部64、非常点灯回路66、制御部68、受信部69、モニタ44および点検スイッチ45などにより、点灯ユニット35が構成されている。
次に、照明装置11の動作について述べる。
外部電源18から電力供給される常用時においては、二次電池17は充電回路62により充電されている。なお、二次電池17の充電状態、例えば、二次電池17が満充電の場合にはモニタ44により報知されてもよい。
外部電源18から電力供給が停止した非常時には、停電検出手段61が外部電源18の電力供給の停止を検出し、点灯制御部64が二次電池17による電力供給により光源33(発光素子32)を点灯させるように非常点灯回路66に指示し、非常点灯回路66が二次電池17による電力供給に基づき、光源33(発光素子32)の点灯制御を開始する。
一方、受信部69がリモコンから送信された点検開始信号を受信した場合、または点検スイッチ45が操作された場合の点検時には、制御部68が受信部69による点検開始信号の受信または点検スイッチ45の操作を検出し、点灯制御部64に充電回路62による二次電池17の充電の停止を指示し、点灯制御部64が充電回路62による二次電池17の充電を停止させる。次に、制御部68は、点灯制御部64から二次電池17に電流を流すように点灯制御部64に指示し、点灯制御部64が二次電池17に電流を流す。この際、二次電池17には大電流を10秒程度流すのが好適である。次に、点灯制御部64が、電流が流れた際の二次電池17のインピーダンスを検出する。そして、この点灯制御部64は、検出した二次電池17のインピーダンスの値、すなわち検出値を制御部68に送信する。制御部68は、点灯制御部64から送信された検出値を受信し、制御部68に記憶された閾値と比較し、その比較結果に基づいて二次電池17の寿命を判断する。さらに、制御部68は、この二次電池17の寿命の判断結果に基づき、モニタ44が点灯制御されるように点灯制御部64に指示するとともに、点灯制御部64に充電回路62による二次電池17の充電の再開を指示し、充電回路62が二次電池17を充電する。
なお、受信部69がリモコンから送信された点検を中止するための点検中止信号を受信した場合、または点検を中止するために点検スイッチ45が操作された場合、点検中止操作が充電回路62による二次電池17の充電の停止の前であるときには、制御部68は、点灯制御部64に充電回路62による二次電池17の充電を継続するように指示し、充電回路62が充電を中断することなく二次電池17の充電を継続する。一方、点検中止操作が充電回路62による二次電池17の充電の停止の後であって、点灯制御部64から二次電池17に電流を流す前あるいは後であるときには、制御部68は、点灯制御部64に充電回路62による二次電池17の充電を再開するように指示し、充電回路62が二次電池17の充電を再開する。そして、点検中止操作が点灯制御部64は電流が流れた際の二次電池17のインピーダンスを検出した後であるときには、制御部68は、点灯制御部64に充電回路62による二次電池17の充電を再開するように指示、または、制御部68に記憶された閾値と検出値との比較結果に基づいて二次電池17の寿命を判断し、この判断結果に基づいて点灯制御部64がモニタ44を点灯制御した後に、充電回路62による二次電池17の充電を再開してもよい。
二次電池17を交換する際には、図1(a)に示す状態から図1(b)に示すように、本体15下部から化粧枠20を取り外し、二次電池17とユニット部16とを接続するコネクタ部の接続を外すことで、二次電池17(電池パック48)が本体15の開口25から、光源33(発光素子32)の光の出射方向である下方に向けてスライドするように取り外される。このとき、ユニット部16は本体15に固着されており、このユニット部16の筐体31の取付面部36に配置された光源33(発光素子32)およびレンズ34については、そのままの位置を維持する。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、光源33(発光素子32)を取り外すことなく二次電池17を取り外すことができるので、少ない工数で二次電池17を容易に交換できる。
発光素子32として例えば発光ダイオードを用いることで、光源33およびレンズ34を小型化して狭いスペースに集中配置できるため、光源33を取り外すことなく二次電池17のみを取り外し可能なスペースを本体15に形成できる。
発光素子32として発光ダイオードを用いる場合、発光ダイオードは一般に40000時間程度の寿命を有するため、交換の必要が殆どない。したがって、ユニット部16の筐体31を介して光源33(発光素子32)を本体15に固着していても、使い勝手が低下することがない。
回路基板43を光源33(発光素子32)の光の出射方向に沿って垂直状に配置することで、回路基板43の下端部にモニタ44や点検スイッチ45を配置できる。したがって、モニタ44を下方から視認するための反射体などの別途の部品が不要で化粧枠20を介して直接に下方から視認可能となり、視認性を向上できるとともに、コストをより低減できる。
また、非常用の照明装置11は、広い配光が要求される一方で、発光素子32として用いられる発光ダイオードは配光が狭いので、レンズ34によって配光を大きく広げる必要があるとともに、床面において、所定の照度(1ルクス)を確保し、かつ、所定の非常点灯時間(少なくとも30分)を確保する必要がある。したがって、充分な配光および照度を得るためには、光源33(発光素子32)とレンズ34との配置精度を高めることが要求され、充分な放熱時間を得るためには、充分な放熱性を確保して光源33(発光素子32)の発光効率を高めることが要求される。そのため、従来のように光源を着脱する構造とする場合には、このような配置精度を得るための各光学系部品の固定構造が容易でないとともに、確実な放熱性を得るための熱的な接続構造が複雑となり、発光効率維持(放熱設計)に不利となる。それに対して、本実施形態では、光源33(発光素子32)およびレンズ34を備えるユニット部16を本体15に固着して二次電池17の取り外しの際など取り外さない構成としたので、光源33とレンズ34との配置精度を高めることができるとともに、点灯時の光源33(発光素子32)からの熱を、複雑な熱的接続構造を用いることなく例えば筐体31を介して効果的に放熱できるので、配光および放熱設計の面で有利となる。
しかも、端子台19は、側方に向けて開口した接続開口に対して電線を着脱するので、上方から塵埃が端子台19に進入しにくく、安全性をより向上できる。さらに、端子台19は、電線の保持を解除する解除ボタンが本体15の側方に位置するので、本体15に内蔵された各部品を本体15から取り外さずに電線を容易に取り外すことができる。
また、端子台19を回路基板43側(筐体31)に収納したので、本体15内に二次電池17の収納スペースを確保でき、照明装置11のサイズの小型化が可能になる。
次に、第2の実施形態を図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態のユニット部16の筐体31が、例えばアルミニウムなどの放熱性に優れた材質(金属)により形成された放熱体であり、光源33の光源基板41が筐体31の取付面部36に対して熱的に接続されているとともに、点灯ユニット35 (回路基板43など)および二次電池17(電池筐体47)が筐体31に対して熱的に接続されている。また、端子台19は、回路基板43(点灯ユニット35)に対して二次電池17(電池パック48)と同側に配置されている。
そして、外部電源18から電力供給される常用時においては、二次電池17を充電する点灯ユニット35の充電回路62の発熱および二次電池17の発熱がそれぞれ筐体31に伝達され、これらの熱が筐体31および本体15を介して放熱される。
一方、外部電源18から電力供給が停止した非常時には、点灯した光源33(発光素子32)からの熱が光源基板41を介して筐体31の取付面部36に伝達され、この熱が筐体31および本体15を介して放熱される。
このように、従来、二次電池の定格寿命を確保するために、通常時の二次電池の表面温度を一定以下にする必要があるとともに、点灯ユニットの放熱構造も必要であり、非常点灯時には光源(発光素子)の放熱構造が必要であった。
そこで、本実施形態では、非常用の照明装置11の場合、通常時には光源33(発光素子32)が点灯しておらず、光源33(発光素子32)からの放熱が不要である一方で、二次電池17を充電する充電回路62を備えた点灯ユニット35は発熱をするため、筐体31を介して熱源である点灯ユニット35の放熱が効果的に可能となり、二次電池17の電池表面温度を容易に一定以下とすることができる。一方、停電時などの非常時には、光源33の発光素子32が点灯して主要な熱源となり、この光源33(発光素子32)が適正な床面照度を得るためには放熱が必要であるから、光源33(発光素子32)を熱的に接続した筐体31によって光源33(発光素子32)の放熱が有利となる。
なお、上記の第2の実施形態において、筐体31自体を放熱体としたが、別途の放熱板などの放熱体を設けて、この放熱体に対して筐体31(点灯ユニット35)、光源33(発光素子32)および二次電池17をそれぞれ熱的に接続することで通常時の点灯ユニット35および二次電池17の放熱と、非常時の光源33(発光素子32)の放熱とを可能としてもよい。
また、上記各実施形態において、機能部としては、モニタ44や点検スイッチ45だけでなく、各種の機能を備えたものを用いることができる。
以下に、上記各実施形態の変形例を記す。
(第1の変形例)従来は、二次電池が本体に内蔵され、点灯ユニットと二次電池との組み合わせで負荷の大きさに合わせて、充電電流および放電電流を個別最適して設計していた。しかし、二次電池の容量およびセル数は、非常点灯時間30分、60分などの所定の区分に応じて選択されるため、個別に最適化すると、例えば非常点灯時間60分間点灯のようにニーズが少ない構成はコストが高くなる傾向があった。一方で、最近の防災用の照明装置の傾向としては、例えば地下階や大規模建物における防災照明においては非常点灯時間が長時間になる傾向があり、ニーズが以前より高まっている。そこで、点灯ユニット35と二次電池17とを接続した際に二次電池17の電圧を検出する検出手段を点灯ユニット35などのユニット部16側に備え、この電圧に基づいて例えば制御部68などが二次電池17の容量を認識し、この認識した容量に対応して予め記憶した非常点灯時間の中から最適の非常点灯時間を選択して決定し、この非常点灯時間に応じて点灯制御部64が二次電池17の放電電流を決定することで、所望の非常点灯時間を二次電池17の装着によって自動的に選択できるようにしてもよい。この結果、建物の特徴に合わせて、点灯ユニット35などの本体15側を変えることなく二次電池17を選択するだけで非常点灯時間を変える(異なる非常点灯時間に対応する)ことが可能となり、安価でかつ非常点灯の長い非常灯となる照明装置11を提供できる。
(第2の変形例)従来、非常用の照明装置11は、二次電池内蔵形(二次電池搭載形)、または、別途の二次電池などの電源別置形がそれぞれ存在するものの、複数の電池を監視するものは存在しなかった。例えば二次電池内蔵形の場合には、非常点灯時間が二次電池の容量で限定されてしまうため、非常時に安全に避難あるいは作業する時間に制約がある。そこで、通常時に外部電源18からの給電によって光源33(発光素子32)を点灯する常用点灯回路を備えた非常灯、誘導灯などのいわゆる併用形の照明装置11において、外部電源18が遮断されたときに非常用電源(電池)に切り替える切替装置と、二次電池17の充電状態などの状態(充電電圧)を監視する機能を有する監視手段と、内蔵されている二次電池17と、本体15の外部に設置される別途の二次電池との複数の二次電池のそれぞれの充電状態(充電電圧)に応じて、非常用電源を切り替える切替手段とを設けてもよい。この場合には、監視手段が、内蔵されている二次電池17が放電終止電圧であることを検出したときに、切替手段により本体15の外部に設置された二次電池設備に電源を切り替え接続し、非常点灯時間を延命できるようになる。この結果、非常点灯時間を長く継続できるため、大規模建築物などでもより安心な防災照明システムを提供できる。
(第3の変形例)従来の非常灯、あるいは誘導灯などの非常用の照明装置の自動点検システムとしては、二次電池の寿命末期(寿末)間近を報知するシステムしかなく、自動点検を実施し二次電池の寿命を報知した場合、メンテナンスをするにあたり、交換用の二次電池を早急に用意する必要性があった。そこで、自動点検中の二次電池17の寿命判定の検出値のほかに、二次電池17の寿命判定より高い検出値を設定し、二次電池17の寿命の段階レベルを報知するようにしてもよい。すなわち、自動点検中の二次電池17の寿命判定値より若干高いところに閾値を設定し、二次電池17の寿命判定値としては問題ないが、二次電池17の寿命間近判定値を下回った場合は、直ちに二次電池17を交換するレベルではないものの、二次電池17の寿命が間近に迫っているものとして報知をするようにしてもよい。このように、自動点検中の二次電池17の寿命判定の検出値の他に、二次電池17の寿命判定より高い検出値を設定し、二次電池17の寿命の段階レベルを報知することで、次回点検時までに交換用の二次電池17を用意することが可能になる。なお、このシステムにおいては、例えばリモートコントローラ(リモコン)を使用することが好ましい。すなわち、リモートコントローラから出力された点検の指令を照明装置11の受信部69において受信したときに当該点検を行うとともに、照明装置11に送信部(発信モジュール)を設け、リモートコントローラと双方向通信を行うようにして、リモートコントローラに報知するシステムをとることが好ましい。つまり、照明装置11自身のモニタ44などによる報知によって二次電池17の寿命間近の報知をすると、二次電池17の寿命末期の報知と混同するおそれがあるため、モニタ44などによる報知を行わずに、例えば施工管理者がもっている専用リモートコントローラに報知をすることで、上記のような混同を避けることができるとともに、施工管理者は専用のリモートコントローラで、情報を収集し、履歴を管理できる。
(第4の変形例)従来、照明装置および二次電池については、その製造番号や仕様などを銘板に表示している。また、光源は寿命時間をモニタにより表示しているものの、照明装置および二次電池の使用期間(使用開始時期および使用期間など)を表示していない。そのため、照明装置および二次電池の使用期間を確認するには、照明装置や内蔵している二次電池の銘板を確認する必要があり、確認作業に時間を要していた。そこで、照明装置11に送信部(発信モジュール)を設け、この照明装置11、光源33および二次電池17の情報を発信(送信)する機能を持たせてもよい。具体的に、照明装置11には、照明装置11、光源33(発光素子32)および二次電池17の使用期間(本体15に装着されている時間)をカウントして発信したり、照明装置11および二次電池17を特定する製造番号(型番など)を発信したりしてもよい。また、これら情報の送受信には、リモートコントローラ(リモコン)を用いることが好ましい。すなわち、リモートコントローラから出力された確認の指令を照明装置11の受信部69において受信すると、照明装置11の送信部からリモートコントローラに情報を送信するシステムをとることが好ましい。この結果、銘板の表示を確認することなく照明装置11および二次電池17の情報をリモートコントローラによって容易に確認できるため、メンテナンスがより容易となる。また、照明装置11、光源33(発光素子32)および二次電池17の使用期間をリモートコントローラの操作によって確認することで、照明装置11のリニューアルや光源33(発光素子32)あるいは二次電池17の交換の計画などを立てやすくなる。また、照明装置11には、この照明装置11、光源33(発光素子32)および二次電池17などの使用のカウントを開始するための使用開始スイッチ(交換スイッチ)を設けてもよい。そして、光源33(発光素子32)や二次電池17などの交換時に使用開始スイッチを入れることで、次回の交換の確認が可能となる。さらに、この使用開始スイッチは、リモートコントローラに設けてもよく、この場合にはメンテナンス作業がより容易となる。さらに、携帯電話、タブレットPCあるいはスマートフォンなどのような汎用の通信端末、あるいは建屋などに設置された集中制御装置などでリモートコントローラと同様の操作をできるようにしてもよい。例えば通信端末を用いた場合には、例えば照明装置11から送信された製造番号を元に、ネットワークを用いた交換部品注文などのサービス提供が容易になり、メンテナンス作業が容易となり、集中制御装置を用いた場合には、建屋全体のメンテナンス作業がより容易となる。
(第5の変形例)従来の非常用の照明装置は、大別して二次電池内蔵形と電源別置形と分類され、二次電池内蔵形は、個々に二次電池を搭載するため安全性に優れており、電源別置形は外部の一括電源での集中管理のため、メンテナンスおよび他機器への応用含め利便性がある。最近は、太陽電池、DC給電などのインフラが発達してきている。そこで、常用点灯回路を備えた非常灯、誘導灯などのいわゆる併用形の照明装置11において、通常点灯用の外部電源18が遮断されたときの非常時に、外部のDC電源から給電されたときには二次電池17を充電せずに常用点灯回路を用いてこのDC電源からの給電により光源33(発光素子32)を点灯制御するようにしてもよい。具体的には、常用点灯回路に電源監視回路に加えて電源が外部電源18(AC電源)であるかDC電源であるかを判別する回路を設けることで、外部から供給されたDC電源のバックアップ電源でも非常点灯が可能となる。また、このように非常時にDC電源からの給電によって常用点灯回路で光源33(発光素子32)を点灯する場合には、常用点灯回路側の調光機能を無効にし、固定の非常点灯を行うようにすることが好ましい。さらに、外部からのDC電源が遮断された場合には、内部の二次電池17で非常点灯をすることが好ましい。この結果、非常時におけるバックアップ電源を外部のDC電源から供給する電源別置形システムと、個々の照明装置11にバックアップ電源を搭載する二次電池内蔵形とに対応した、停電時および外部非常電源でも非常点灯できる非常用の照明装置11であって、より安全性を維持した非常用の照明装置11を提供できる。
(第6の変形例)従来、非常用の照明装置の状態監視のみをするシステムがあるものの、二次電池の寿命を報知するモニタは点滅、あるいは点灯をする程度の表示であるため、二次電池の交換のタイミングや充電状態を詳細に把握することが容易でない。そこで、二次電池17の容量を監視するとともに、二次電池17の残量の状況に応じて充電を制御するユニットを設けてもよい。特に、近年二次電池17としてリチウムイオン電池が用いられる場合には、放電カーブの予測が従来の電池(ニッケル水素電池)よりも容易となるため、二次電池17の状態をより容易に監視および管理できる。また、二次電池17の容量の監視結果を数値で表示するために、例えば有機ELモニタなどの表示手段を備えてもよい。この場合には、二次電池17の充電の程度を具体的に把握できる。さらに、二次電池17の容量が空の状態から満充電になるまでの時間をカウントし、二次電池17の充電状態の差異を監視する監視手段を設けてもよい。この結果、通常時や点検時に必要に応じて二次電池17の状態を正確に把握でき、適切な交換メンテナンスが可能になるため、安定した防災システムを提供できる。
(第7の変形例)光源の発光素子に発光ダイオードを用いる近年の照明装置の場合には、発光ダイオードモジュールの短絡検出などが求められているため、光源(発光素子)の状態監視をするシステムが必要となってきている。そこで、常用点灯回路を備えた非常灯、誘導灯などのいわゆる併用形の照明装置11において、常用点灯回路を、例えば汎用のDALI(Digital Addressable Lighting Interface)信号によって制御するようにしてもよい。この場合、このDALIのプロトコルを利用して、常用点灯時と非常点灯時との状態監視が可能となるとともに、DALIによってアドレスが容易に付与できるので、従来の非常用の照明装置11の自動点検システムのためのアドレス付与をより簡易化でき、安価で常用点灯時と非常点灯時との両方を監視可能な非常用点検システムを提供できる。
(第8の変形例)従来、JISC61000−3−2にて電源入力高調波が規定されており、コンデンサインプット回路である非常灯電源では、高調波規格クラスCを満足することが容易でない。高調波電流を抑制する最も簡易的な方法としては、アクティブフィルタ回路を追加することが考えられるものの、価格的に高価となり、部品点数も増加する。また、コンデンサインプットであるコンデンサ自身の容量を下げることによって高調波電流を改善できるものの、広範囲の電源電圧に対応したいわゆる電圧フリータイプの照明装置に関し、電源電圧が100V系で使用された場合には、2次側にリップルがのる、または1次側の電解コンデンサの充放電における電圧差が大きくなり、電解コンデンサにストレスを与えることとなる。そこで、常用点灯回路を備えた非常灯、誘導灯などのいわゆる併用形の照明装置11において、非常時の電源につき、電源電圧を監視する電源監視手段と、この電源監視手段により監視した電源電圧に応じて整流用のコンデンサの容量を切り替える容量切替手段とを設けてもよい。そして、コンデンサインプットである非常灯電源のコンデンサ容量を、100V系と200V系で切り替えることで上記のような課題を解決することが可能となる。具体的に、100V系の場合には電源の入力電流が200V系に比べ大きくなることから、高調波電流をさほど抑制する必要がないため、比較的大きな容量の整流用コンデンサを選択する。一方、200V系の場合には電源の入力電流が減ることから、相対的に容量が小さい整流用コンデンサを選択する。このコンデンサの容量の切り替えは、電源監視手段にて電源電圧を監視し、例えば容量切替手段として半導体スイッチを用いて容量を切り替える構成とする。この結果、アクティブフィルタ回路を追加せずに済み、電圧フリータイプの照明装置11においても、安易な回路構成で高調波電流を容易に切り替え、抑制することができる。なお、電源監視手段は、常用時と非常点灯を切り替える切替電圧回路と共用してもよい。
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、光源33(発光素子32)を本体15から取り外したり移動させたりすることなく二次電池17を本体15に対して容易に着脱できる。また、モニタ44を下方から視認可能とするための反射体などの部品などを削減してコストを低減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。